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1988年6月発行の書籍

人気の作品

      放課後

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね! makoto

      • 第31回江戸川乱歩賞を、森雅裕の「モーツァルトは子守唄を歌わない」と同時受賞した、東野圭吾の原点ともいうべき「放課後」を再読。

        主人公の前島は、私立精華女子高校の数学教師。
        以前は家電メーカーに勤めていたが、転勤を潮に教師にとらばーゆしたという変わり種の教師だ。

        「特に教育に興味があったわけでもないし、この職業にあこがれていたわけでもない」と本人自ら語るように、"でもしか"教師のひとりといっていい。

        授業の仕方も雑談から入るような愛嬌はなく、数学以外のことは喋らない。
        生徒からもらったあだ名は、ティーチングマシンを略した"マシン"だ。

        その割に、生徒のひとりから二人だけの旅に誘われたり、顧問をしている洋弓部の主将とは合宿中にキスしてしまったり、隅に置けないところもあるのだが、総体的にはやはり無気力が目立つダメ教師だ。

        物語はこの前島先生が、何者かに命を狙われるシーンから始まる。
        放課後、頭の上から鉢植えを落とされたのだ。

        実はその前にも、駅のプラットホームから突き落とされそうになったり、プールで感電死させられそうになったことがあったのだが、彼はなぜ自分が狙われるのかわからない。

        その二日後の放課後、久し振りに洋弓部の練習に参加した前島が、練習を終えて更衣室に戻ると、中から戸に心張り棒が掛っている。

        不審に思って戸を押し破ると、そこで生徒指導部の村橋教諭が死んでいたのだ。
        狙われていたのは、前島のはずだったのに-------。

        ミスディレクションの効いた滑り出しだ。
        しかし、肝心の前島先生、ここから名探偵ぶりを発揮するのかと思うと、お株を校内一の優等生に奪われ、依然としてパッとしないんですね。

        それでは、この冴えない"でもしか"教師のどこに魅力があるのかと言えば、「自分が『マシン』である分、自分達を人間として見ていてくれたのではないか」と、生徒のひとりをして言わしめた、その真面目さにあると思うんですね。

        最初は、なかなか感情移入できないので、苛立たされるのは否定できないが、他の教師たちの頽廃ぶりが徐々に明らかになり、かつ生徒たちとの接し方がわかってくるうちに、彼は次第に輝き始めてくるんですね。

        密室トリックなどのミステリ的な仕掛けとは別に、この作品の持ち味となっているのが、大人へと脱皮していく少女たちの無垢で不安定な姿であるのは言うまでもないけれど、それと同様に、"でもしか"教師から脱皮していく前島の姿も、感動的で実にいいんですね。

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        2018/05/06 by dreamer

    • 他5人がレビュー登録、 52人が本棚登録しています
      課長 島耕作 - 5

      弘兼憲史

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 課長 島耕作 第5/全17巻

        京都でのアバンチュール。

        もう完全にハマった。もはや読む度に泣かされるため、もはや電車で読むのをはばかるようになっている。

        社内ゴルフコンペへの下請け会社からの協賛に、不当な下請け虐めだと苛立つ島。

        しかし、下請け会社からすれば、取引から得る利益に比べれば僅かな金額の協賛金なら、むしろ支払って取引の安定を望むものだと諭され、自らの正義と現実との乖離を埋めるのに苦しむ。

        大手メーカーの課長としては、少し青臭いエピソードなような気もしたが、似たような葛藤に苛まれることは、サラリーマンとして過ごす中で多くの人が感じるのでは無かろうか。


        料亭の女将、かつ子とのアバンチュール。

        部下である、かつ子の妹から迫られ、辟易しているところ、偶然、かつ子がかつてのパトロンと逢引きしている現場に鉢合わせてしまう。

        気まずさから、しばらく連絡が途絶えた二人だが、島からの連絡に涙ながらに、好きなのは島だけだと訴えるかつ子。

        若い頃なら、決定的な別れに行き着く事態だが、それも含めて相手の存在を受け入れ、それでも求めてしまう辺りに、もしかしたらこれも本当の愛なのかも知れないと思わせるものを感じた。


        本社からの意向で、人間国宝寸前の画家から広告用の絵を描く許諾を得よという無茶振り。

        何度もアタックするも、けんもほろろな状態で窮地に立つ島だが、その画家とは旧知の間柄だったかつ子が文字通り一肌脱ぐことでミッションを完遂する。

        皮肉なもので、その功績により、本社から再招集がかかり、2人には別れが訪れる。

        別れ際のかつ子の涙が胸に迫り、また泣かされてしまった。

        大人の恋とは、こんなにも甘く切ないものなのかと、胸が痛んで仕方が無い。
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        2013/01/30 by ice

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      ロバート・キャパ写真集 フォトグラフス

      CapaRobert , 沢木耕太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:写真集
      5.0
      いいね!
      • 昔ロバート・キャパをあまり知らずに写真展に軽い気持ちで行って、キャパの写真にとても心を打たれたことがあります。その時の気持ちが忘れられずに後日購入したのがこの写真集です。

        彼の写真の真偽、これは演技ではないのか?と話題になったりもしましたが、そんなことは大したことではありません。彼の写真を見ると戦場で写真を撮るジャーナリストとしての彼の生き方について、とても考えさせられるのです。

        この本に掲載されているのは本当に素晴らしい写真の数々です。

        地雷を踏んで亡くなったキャパ。
        でも彼の写真と彼が伝えたかったことがずっと残り続けるのでしょう。
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        2012/11/15 by ただひこ

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      となりのトトロ

      宮崎駿

      徳間書店
      4.0
      いいね!
      • 友達の子供にこの本を誕生日プレゼント。

        私が好きなジブリ作品はラピュタとトトロ。
        最近の小さい子はやっぱりポニョなんだろうなと思っていたが、その子はトトロが一番のお気に入りなんだそう。世代を超えて愛され続けるジブリ作品ていいなーと改めて感じた。

        この本は夜寝る前に読む本の今一番のお気に入りなんだとか。
        プレゼントしてよかった。

        ジブリの本は色々出版されているが、大きくストーリーがカットされているものがほとんどらしい。この本は他の本に比べてあまりカットされずにトトロの世界が楽しめるとのことで、ジブリの本を選ぶなら、このシリーズがオススメ。
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        2012/09/30 by sunflower

      • コメント 9件
    • 2人が本棚登録しています
      広島第二県女二年西組 原爆で死んだ級友たち

      関千枝子

      筑摩書房
      5.0
      いいね!
      • 広島在住なんで平和教育の一環で読んだたくさんの本の中の一冊
        でも、それまでに読んだどの本よりも「原爆で死んだ級友たち」が生き生きと描写されていて、何度も読み返してしまう一冊 >> 続きを読む

        2013/01/12 by aruko

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      ボクの先生は山と川

      矢口高雄

      白水社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 結構前の本で久しぶりの再読
        矢口高雄の文書は読みやすく、ちょっと昔の田舎の生活が面白く書かれている。人生の楽園とか世間では田舎の良さが色々言われている部分もあるが、自分としては田舎生活チョットと思っていまう。
        近所付き合いetc色々・・・
        >> 続きを読む

        2015/01/25 by kazenooto

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      活眼活学 (PHP文庫 ヤ 4-1)

      安岡 正篤

      PHP研究所
      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.0
      いいね!
      • 東洋思想の大家の著書の一つですが、本書においても、自分自身の基本的な考え方(意識の持ち方)等について、参考になる点が非常に多い1冊です。
        例えば、「自分」という言葉の意味についてですが、あるものが「独自」に存在するのと同時に、また全体の「部分」として存在する。その円満無げな一致を表現して「自と分」とを合わせて『自分』という言葉になったとのことです。従って、我々は自分という言葉の真の意味を常にしっかり自覚し『自分を尽くせば良い』、ということになります。ややもすると、自分が「自己」になってしまい、所謂「自己中心」に繋がり、そこにあらゆる矛盾や罪悪が生じるという訳です。
        少々耳の痛い一節でもありますが、古今東西を問わず人間社会の「哲理」の一つがこの言葉に示されているかと思います。その他、参考指針になる内容が多く掲載された良書です。
        >> 続きを読む

        2013/11/26 by toshi

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      竜の眠る星

      清水玲子

      白泉社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 再読

        S62
        モニークが本当は、シュマリの王女だと
        カテア女王が知ってしまう。
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        2016/10/29 by ゆ♪うこ

    • 1人が本棚登録しています
      地面の下のいきもの

      大野正男 , 松岡達英

      福音館書店
      カテゴリー:一般動物学
      5.0
      いいね! Tukiwami
      • 3歳の娘にサンタさんが持ってきた本。

        それが、この「地下の下のいきもの」「だんめんず」そして「ちびくろサンボ」です。

        「地下の下のいきもの」は実は読書ログでさつきさんが本棚登録されていたのを見かけて「この本面白そう!!」と知った本です。

        とても丁寧に描かれた地面の断面。
        アリ、セミの幼虫、ミミズやもぐらなどがほぼ実寸大で見ることができます。
        カワセミが土の中に巣を作ることや、ミミズの頭の見分け方(笑)を私はこの本を見て知りました。

        普段見ることのできない地下の異世界。
        この絵本は長く読むことができそう。

        ちなみに私は虫が苦手です。
        この本のあまりの虫のリアルさに本を持つ手が震えます笑。
        (虫が苦手なのは娘には内緒!)
        >> 続きを読む

        2019/01/12 by chao-mum

      • コメント 4件
    • 4人が本棚登録しています
      トーラーの知恵 現代を生きるためのユダヤ人の聖書観

      手島勲矢 , PeliPinchas , 上野正

      ミルトス
      カテゴリー:聖書
      5.0
      いいね!
      • すばらしい本だった。
        著者はユダヤ教のラビで、三歳から聖書を、六歳からタルムードを学んだとのこと。

        トーラーとは、創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記の聖書の最初の五つの書のこと。
        この本では、長いユダヤ教の解釈の伝統を踏まえて、トーラーをとても面白くわかりやすく解説してあった。

        ユダヤ教の伝統では、トーラーは、あたかも遠くに旅に出ている恋人からの手紙を読むように、一字一句深読みし、眼光紙背に徹して読むという。

        そのためか、普通に読むと、一見無味乾燥に見えて読み飛ばしてしまう箇所や、さほどの注意も払わない箇所に、実に深い解釈がなされていて、とても感嘆させられた。

        印象深いいくつかのことがあった。

        ユダヤ教では、全人類はノアの子(ブネイ・ノア)と考えられている。

        ユダヤ人の子どもは生まれたら殺せと王から命じられていたにもかかわらず、それに従わず、生まれた子どもを生かしたシフラとプアというエジプト人の二人の女性こそ、市民的不服従の元祖。

        ヒゼキヤの欠点は、神への賛美と歌を歌わなかったこと。

        行いつつ聞く。つまりユダヤ教においては、行動と聞くことは表裏一体で、神の教えに耳を開き、耳を傾けることも非常に重要とされていること。

        自由への行進は長いものであること。

        何をもって主に使えるか、その地にいくまでモーゼも知らなかった。つまり、そのつど、神に聞くことが大切であること。

        トーラーは、「汝は聖であれ」という目的に至るための手段であり、それ自体が目的ではないこと。

        エトロがモーゼたちの出エジプトの奇跡を喜んだのに対し、他の多くの近隣の諸部族は警戒したり敵意を持ったことから、同じこともどのように聞くかが大事であること。

        などなど、なるほどと考えさせられた。

        また、レビ記の、一見無味乾燥な箇所への深い解釈は、ただたた驚嘆し、感動した。

        たとえば、大祭司の服装がずっと細かく書かれているのだが、そこは、服装は人格をつくる助けになること、さらには、大祭司の服装は両肩に六つずつ合わせて十二のイスラエルの部族の名が書かれ、それらの人々の心を胸に刻むように書かれているが、これは、指導者は人々に担われるのではなく、人々を己の肩に担い、そして自分の心にいつも彼らの心を刻まねばならぬことをあらわしているのだという。

        また、レビ記の、牛などの犠牲を「自分の中から」犠牲として捧げなければならない、という記述は、決して余剰のものや他人のものではなく、自分にとってはかけがえのない自分の一部を犠牲にしなさい、という意味だと解釈してあり、なるほどと思った。
        今であれば、財産などもそうなのかもしれない。

        また、出エジプト記の三十五から四十章に、えんえんと幕屋の建設についての細かな記述があるが、あれは世界初の公開会計報告書で、一銭も私用せず、祭儀のために使ったことをきちんと皆に示すことと、さらにはあらゆる人々の持っている力に応じて拠出してもらったことにより、皆に参加の意識を持たせ、人間は神の協力者であって単に受け身ではなく能動的に働くべきことを伝えている、と解釈してあり、なるほどーっと思った。

        また、レビ記の中に、祭壇の上の火と、中の火を絶やさないように、という記述があるが、ヘブライ語だと、この「中の火」というのは、祭壇の中の火というだけでなく、人の心の中の火とも解釈でき、そこから、長いユダヤ教の伝統的な解釈では、祭壇だけでなく、心の中に火を燃やし続けることこそ、最も大切なことだこの箇所を受けとめ、教えてきたとのことも、とても感動させられた。

        また、民数記の中のアロンの祝福についても非常に精緻な深い解釈がされており、三つの祝福の言葉は、それぞれ、物質的・知的・霊的な祝福を意味しており、どれも十分あってこそ人は全き幸せとなるというのも、本当に感銘を受けた。

        「ウバハルタ・バハイム」、つまり命を選びなさいという申命記の箇所も、つまり生と死のうちで生を選ぶというのは、単に生きているだけでなく、硬直し停まったままの死ではなく、常に成長することを選びなさい、という意味だという解釈が紹介してあり、なるほどと思った。

        トーラーの中では、創世記五章一節の神の似姿として人がつくられたという箇所と、レビ記十九章の自分のように隣人を愛しなさいという二つの箇所が一番重要で、合わせて、神が自分を神に似せて創造してくれたように、他人も神が神に似せて創造した尊い存在だとして愛しなさい、ということが書かれてあり、なるほどと思った。

        トーラーは本当に深い、汲めども尽きぬ知恵の泉だとあらためて教えられた。
        また、繰り返しトーラーを読みたいし、この本のこともしばらくしたら折々に読み直したい。
        これほど深いトーラーの解説書にめぐりあえて本当によかった。
        >> 続きを読む

        2013/07/18 by atsushi

      • コメント 5件
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