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1989年2月発行の書籍

人気の作品

      流れよ我が涙、と警官は言った

      フィリップ・K・ディック , 友枝康子

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 全く不思議なSF長編だった。有名なTVキャスターで歌手でもあるジェイスン・タバナーが誰からも忘れられ、政府に登録されているはずの個人情報もない。高度に監視下された管理社会でジェイスンは逃亡生活を送る。とは言え、ディックの悪夢的世界観に没入できた。 >> 続きを読む

        2019/02/01 by STALIN

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      ごあいさつあそび

      木村裕一

      偕成社
      4.0
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      • 某通販サイトで、「安くなってたから」と旦那が購入しました。そんな経緯だったのであまり期待していなかったのですが、娘大喜び!5、6ヶ月の頃からずーっと大好きです。最近(11ヶ月)では自分でめくれるようになったので、この絵本のしかけ遊びも楽しめるようになりました。

        こんにちは
        いらっしゃい
        めしあがれ
        いただきます
        さようなら

        基本のごあいさつを楽しく学んでいます♪(と親は思っている(^^;))
        セロテープ補修もナンバーワンの絵本です。それくらい読み込んでいます。

        ことりのピイちゃん、ねこのミケ、こいぬのコロ、かいじゅうさん、ゆうちゃん、お母さん。全14シリーズのようで、みんなシリーズに登場するのも愛着増して、ますますお気に入りになりそうです。
        >> 続きを読む

        2019/11/26 by あすか

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      BE-BOP-HIGHSCHOOL - 11 BE—BOP—HIGHSCHOOL

      きうちかずひろ

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • BE―BOP―HIGHSCHOOL 第11/全48巻

        学区内では名前が売れて来たヒロシとトオル。域外遠征で強敵に出会う。

        戦闘シーンがある作品は、やはり常に新たな強敵を求める拡大路線に向かうものなのか。

        私鉄沿線に存在するらしい愛徳高校。
        近隣他校との闘争の中では、それなりに名前が売れて来たヒロシとトオル。

        JR沿線に引っ越した友人の家を訪ねる際に、出食わしたその地域の不良との喧嘩が始まる。

        そもそも彼らは何のために喧嘩をするのかがわかっていないのだが、おそらくは他人に頭を下げることなく生きていきたいとか、そんな理由ではないかと思っていた。

        しかし、明らかに意味もなく喧嘩を吹っ掛ける姿を見ていると、どうも彼らは喧嘩自体が好きなような気もして来た。
        そう言えば、尾崎豊の「卒業」にも、「自分がどれだけ強いか知りたかった」という歌詞が出てくる。

        正直、喧嘩文化とは無縁な学生生活を過ごして来たので、こういう感覚は全くわからないのだが、そういう衝動が有るのだと知ってしまえば、まぁ理解できなくもない。

        そんなわけで、今回の被害者と言っても良いのが白山高校のチャッピー。

        ただ、普通に通学していただけなのに、遠征して来ていたヒロシとトオルに因縁を付けられて、最初はボコボコにしたのだが、最終的にはボコボコにされる。

        地元では良い顔になっている不良と言うことだが、ついてない一日だったことだろう。

        誰に絡まれるかわからないという点では、ツッパった格好をするのも随分勇気が必要なのだと知った。
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        2013/05/25 by ice

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      新・平家物語

      吉川英治

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • いまさらながらの平家物語。そして、いまさらながらの吉川英司。文庫16冊という、この大作に手をつけるかどうか、迷うばかりであったが、いまこれに取りかかることに決めた。悩むことはなかった。数ページを読んで、たちまちこの作品と出会ったことに感謝の気持ち。この読み手を一瞬に惹きつける力こそが吉川英司の凄みであるといえよう。たんなる歴史小説なのではない。そこに書かれているのは、想い・苦しみ・悩み・愛憎・妬み・裏切り・確執などから逃れられない、生身の人間の姿。ひとりひとりの生きざまが歴史というものをつくりあげていく。

        【このひと言】
        〇愛情はすべてを越えた愛情であるときに、ほんとの美しさを持つ。冷たい母子も、あたたかい母子となってくる。
        〇むずかしい説教や書物に訓えられないでも、女体の本質が、知っていた。時により肉体と本心を、二つに持つことを、余儀なくでも、悟っている。
        〇無知な願いかも知れないし、憐れむべきかもしれないが、しかし、善良ではある大部分の衆生は、何かを、心に持ちたかった。持たずには、今を、生きていられない人びとであった。
        〇「なんの、陽がかければ、月が出る。月が沈めば、陽が出る。あすの陽が、出ないわけでもあるまい」清盛は、たえて不平顔を見せたことがない。
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        2017/04/01 by シュラフ

      • コメント 2件
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      新・平家物語

      吉川英治

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 関白忠通と左大臣頼長の兄弟の権力争いの火だねが、後白河天皇と崇徳上皇の兄弟の争いへと飛び火していく。まったくもって人間社会というのは権力が絡んでくると、醜いものなる。保元の乱の勃発である。父子、親族が敵味方に分かれて戦うという地獄絵図。そして戦いの決着がついた後には相手方の処刑と、きわめて陰惨なる風景が展開される。負けた側の崇徳上皇は讃岐へ流罪となる。禍根は残っていく。こんな悪夢の中で、水守の麻鳥の存在に救われる。なんの欲得もなく、ただ崇徳上皇に付き従う麻鳥の姿にこそ、われわれは人間の真心の美しさを知る。

        【このひと言】
        〇しかし、清盛がいったとおり、花見ではない、合戦なのだ。白刃と乱箭(らんせん)と炎の下に、名誉や出世だけが拾えるものと夢みているとしたら度し難いばかである。もう一ぺん、家郷を思い、妻子を胸にえがいてみるがいい。生命にも、悔いはないか、自分自身に訊いてみろ。
        〇たれの場合も、出発は正しくて美しい。晩年の、太政入道清盛は、まるで、別人みたいな存在になったが、壮年のかれには、そんな理想もあったのである。
        〇貴族でもない、武者でもない、麻鳥のような身分の軽い者に、どうして、そんな真心があるのか。官位や栄爵も欲しない---何の代償をも望んでいない---みすぼらしい身一つの人間がそんな美しい心ねをもっているのか。それが、新院には、おわかりにならない。いや、真心は真心として映らずにいないので、直後には、すぐ麻鳥の純なる敬愛の気持ちを、新院も、お汲みとりにはなった。そして、こういう素朴な野の民のうちにこそ、なんの裏表も醜さもごまかしていない、きれいな一つの精神の花が、この国の四季の中にはあったのだということを---まことに遅くではあったけれど---いま初めて、ここで、お習びになった。
        〇悪左府、悪別当、悪右衛門、悪何々---といったような呼び方は、めずらしくもなんともない。そのころの人の間では、アダ名ぐらいにつかわれていた。それは悪人とか、悪党とか、決定的な極印を打つ意味ではなく、むしろ憎悪のできない悪、道徳の規矩以外から人間的には愛称される悪、かれにもあるが自分らにもあるとはっきり共感のもてる悪、ほんとはとても善いやつなのにその反対のボロを出して世間からたたかれてばかりいる悪---などの単純でいて実は際限なくむずかしい"善と悪"なるものの差別にたいする一種の庶民称といったようなものである。
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        2017/04/01 by シュラフ

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      第四帝国

      LinklaterMagnus. , 落合信彦

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
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      • ナチスの生き残りが世界に与えた影響とその末路。

        どう転んでも面白いだろうという期待をよそに大部分が退屈だった。

        ナチスがテーマで有ることと、落合信彦氏が訳していることが選択の決め手。
        期待が大きかった影響も有るのだろうが、大部分が退屈に感じた。

        おそらく主人公の戦時中の階級が低く、ダイナミックな行動や決断をしたわけではないところが、どうにも小粒感を感じさせてしまうように思う。

        戦後、諜報活動に明け暮れた彼の生涯を追うようなストーリーになっているが、こちらも作品のテーマにするほどの活躍では無いように思う。

        第三帝国の次を感じさせるタイトルにも関わらず、第三帝国の搾りかす程度の内容で有った。

        落合氏作品は面白いが訳者としての作品は必ずしも面白く無いことが分かった。
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        2011/12/06 by ice

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      アテレコあれこれ テレビ映画翻訳の世界

      額田やえ子

      中央公論新社
      カテゴリー:言語学
      4.0
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      • テレビ映画の翻訳で有名な額田やえ子さんの翻訳裏話

        刑事コロンボ(NHK)刑事コジャック(TBS)の台本を翻訳されていた…といえば、
        名前はご存じなくとも、その仕事の腕の確かさがお分かりいただけるかと思う。

        コロンボ警部の「うちのカミさん」は彼女のヒットだ。
        もちろん、元の言葉は単に my wife
        彼女は頻繁に出てくるこの言葉をコロンボの「決め台詞」と判断し、
        「うちのカミさん」を訳語にチョイスした。
        小池氏の声や語りのトーンとも合い、絶妙な味を出して
        コロンボのキャラクターを特定させる一つのキーワードになっていた。

        万か一でも、コロンボが「うちのかみさんが」と言わず
        「ボクのワイフがね」なんて腑抜けた口調でしゃべったとしたら、
        もはやそれは、私たちにとっては「コロンボ」ではない。
        視聴者は冒涜されたと感じるだろう。


        前半は「アテレコ世界アレコレ」で、翻訳業の秘話や苦労話

        主人公の一人称に何を使わせるか?は、やはり第一の大問題。
        コロンボ→相手がだれであれ「あたし」
        コジャック→話し相手により使い分け
        なんて、きちんと決めていらっしゃる。だから、ブレがない。

        ののしり言葉の翻訳は遊べる。

        You dirty double-crossing stinking rat!!
        この卑劣な裏切りもののプンプン臭いドブネズミめ!

        貴様みたいな汚ねえ裏切り野郎は叩っ殺してやる!


        コロンボお得意のセリフはこちら。
        「あ、もう一つだけ」 Oh,one more thing.
        「もうちょっと、辛抱してくださいな」 Bear with me,please,sir.


        後半は「わたしの英語人生」で彼女の生い立ちから半生が語られる。

        父は劇作家、母は教育ママ、キリスト教系の私立の学校で外人教師から英語を学ぶ機会に恵まれ、大学はなんと「日本文学」!!専攻
        映画好きが高じて映画雑誌の翻訳を、戦後の映画にどっぷりつかり、TVの黎明期に立ち会い。

        翻訳家になるためのアドバイスは、やはり「英語より日本語」だという。
        あらゆる階層の生きた日本語を身につけること。
        よい演劇を見る、勉強することだ。と。
        ボキャブラリーを豊富にし、作者の意図、演出の狙いを正確につかみ、決め台詞を作り出せること。

        そして何よりもまず、翻訳業が好きであることにつきるだろう。


        小説の翻訳家も、額田さんのような意識をもって作品に臨んでほしいものだと思う。
        作品世界を生かすも殺すも、さらなる新世界を築くのも、翻訳家の腕によるのだから。

        ラストにコジャックとコロンボのセリフの違い一覧表がおまけについていて、嬉しい!

        You gotta be kidding.
        コジャック:なめるんじゃねえよ
        コロンボ :ホントですか、それ

        額田さん。すごい!( ´∀`ノノ゙☆パチパチパチパチ


        【蛇足】
        *刑事コロンボ 「殺人処方箋」のNHK放送版ほか8本は飯嶋永昭による翻訳
         うちのかみさんではなく女房となっていたそうです

        シャーロック・ホームズの冒険(NHK)
        ブルースブラザーズ(1983年、フジテレビ)
        バック・トゥ・ザ・フューチャー(1990年、フジテレビ)
        なども彼女のお仕事です。
        >> 続きを読む

        2012/11/20 by 月うさぎ

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      東京湾にソ連潜を追え

      桧山良昭

      中央公論新社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 水中カメラマンが東京湾で目撃した謎の潜水艦を取り巻く各国の思惑。

        新型潜水艦をめぐる当局と目撃者。日本と各国の駆け引き。

        冒険小説として平均点を超えており、不安なく楽しめる。

        日本の当局が、ここまで思い切った対応を打てるかは激しく疑問だが、ソ連からのスペツナズ侵入などは現実として有ったのではないかと思えるためリアルの範疇に有る設定だと思われる。

        ハラハラドキドキは有るものの、社会派小説を読んだ後のような充実感が無いのが中身が薄い印象を拭えない理由だと思われる。

        何も考えずアクション映画を見てスカッとしたいときに手に取ると良いかも知れない。
        >> 続きを読む

        2011/03/10 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      誓約〈上〉

      ネルソン デミル

      4.0
      いいね!
      • 今回読了したのは、「将軍の娘」などのベストセラー作家ネルソン・デミルの軍事裁判小説「誓約」(文藝春秋・単行本上下2巻)。

        1968年2月、ヴェトコンのテト攻勢に始まった最悪の日々。オーバーン大学予備役訓練部卒業、25歳のベンジャミン・J・タイスン率いる第1空挺機動師団第7機動連隊第5大隊アルファ中隊第1小隊19名に何が起こったのか?

        あれから18年後の今、ユエ郊外オピタル・ミゼリコ病院での白人医師、看護婦、修道女、ヴゥトナム人患者"虐殺"の責任を問われ、タイスン中尉は、軍法会議にかけられます。

        だが、真に裁かれるべきは誰なのか? このネルソン・デミルの「誓約」は、下級将校としてヴェトナムで戦った体験と、"ソンミ村大量虐殺"を下敷きに「個人の責任を問うて、国家の戦争犯罪を裁く」大河小説なのです。

        「ヴェトナム戦争のようなタイプの戦争は、人間を獣的にする傾向がある。とくに小部隊編成の場合、前線に兵士たちを律する確固たる権威が存在しない。彼らは40名単位で獲物を求めて徘徊する原始時代の狩猟民と化してしまう。そしてとどのつまりは精神にある種の変調をきたしてしまうのだ」と、作者のネルソン・デミルは、前線の兵士たちをそうさせたものを激烈に告発するのです。

        このことは、日頃は善良でおとなしい普通の市民が戦争という狂気の中へ放り込まれると、己の理性や自制心が吹っ飛んでしまい、"集団ヒステリー状態"に陥ってしまうという、まさにネルソン・デミルが書いているところの、原始時代の狩猟民と化してしまい、精神にある種の変調をきたしてしまうということになってしまうのだと思います。ここに、実は、戦争と言うものが持つ、最も"怖い真実"が含まれているのだと、痛切に思います。
        >> 続きを読む

        2017/09/18 by dreamer

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      太宰治全集

      太宰治

      筑摩書房
      カテゴリー:作品集
      5.0
      いいね!
      • 『太宰治全集5』(太宰治) <ちくま文庫> 読了です。

        太宰治と言うと、何だか暗い作風を思ってしまいますが、暗いというよりむしろいじけたような作品が多いように思います。

        しかし、全集五巻では、「正義と微笑」のような未来への希望溢れる作品や、「黄村先生言行録」「花吹雪」「不審庵」のようなユーモア溢れる作品が収録されており、太宰治のイメージが一変されます。

        不勉強なため知らない作品ばかりでしたが、いろんなタイプの太宰治作品を読みたい方にはこの五巻がおすすめです。
        傑作も多いと思います。
        >> 続きを読む

        2016/09/06 by IKUNO

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      パーフェクト・ブルー 鮎川哲也と十三の謎

      宮部みゆき

      東京創元社
      4.0
      いいね!
      • 現代の最高の語り部のひとり、宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」を読了。

        一読してまず驚くのは、物語の本筋が犬の視点から語られていくことだ。
        語り手のマサは、蓮見探偵事務所に所属している元警察犬の用心犬。

        人間に例えるなら、警官上がりのハードボイルド私立探偵といった趣だ。

        恐らく、著者の宮部みゆきにとっても、この作品は、かなりの冒険だったに違いないが、単なる奇を衒った設定ではないことが、追々わかってくる。

        現実的には無理な設定でも、物語上ではちゃんとリアリティがあるんですね。
        それは、何といっても著者の筆力の賜物でもあると思いますね。

        物語は、女探偵・蓮見加代子が、家出少年を保護するシーンから幕を開ける。

        彼、諸岡進也の両親は、高校野球界のエースである兄の克彦がスキャンダルに巻き込まれるのを恐れていたのだが、その克彦はやがて無惨な焼死体で発見される。

        加代子たちは一転して、克彦殺しの犯人探しに乗り出すが-------。

        著者は幕間のエピソードから、意外な決め球を投げ込んでくるので、油断はできない。
        このエピソードは反面、謎解きの興味を削ぐことにもなっているが、これまた単純な構成ミスではないことが、追々わかってくるんですね。

        高校野球界の裏面と企業の暗躍を組み合わせた物語の内容は、一見するとサスペンス・スリラーもののようだが、最後に明かされる真犯人の正体とその動機は、本格ミステリとしての意外性に満ちている。

        トリックよりもプロットに重点を置くことで意外性を演出する、その後の宮部みゆき作品にも一貫した小説作法が、すでにこの作品で垣間見れるんですね。

        犬の視点といい、幕間のエピソードといい、一歩間違えると破綻しかねない危うさを孕んだ、テーマの訴えかた、語り口そのものに著者の温かさが滲んでおり、それが得も言われぬ爽やかな読後感につながっているのだと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/09/08 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      とんことり

      林明子 , 筒井頼子

      福音館書店
      4.7
      いいね!
      • お友だちができるまでの過程をはらはらしながら聞いていた。

        2015/02/04 by ぶぶか

    • 7人が本棚登録しています
      タオのプーさん

      HoffBenjamin , 松下みさを , ShepardErnest Howard , 吉福伸逸

      平河出版社
      カテゴリー:先秦思想、諸子百家
      4.0
      いいね! Tsukiusagi
      • 日々の生活において、社会的な常識や自分で作った枠組みに囚われて苦しむといったことは往々にして起こりうる。そんな時には一旦そのフレームを手放してしまえばいいのだが、どうしても執着してしまったり、どの思考が原因なのかに気づくこと自体が難しかったりする。

        スポーツをしたり芸術に触れたり旅に出たり本を読んだり。。
        囚われから離れフラットな状態に戻るための手がかりになることは色々あるが、自分の中では「常識」へのアンチという機能を持つ対処法として老荘思想を拠り所にしていた。
        ただ、劇薬に近い効果があって、妙に達観したつもりになってしまったり厭世観が強くなってしまったりと「現実的」生活に悪影響を及ぼしかねないため、深入りしないようにしていたが、以前少し禅に興味を持った時に、禅と道教の言わんとしていることが同じだという和尚ラジニーシの言葉に出会い、だとすれば道教を「現実」に活かすこともできるのだろうという感じを漠然と持った。

        今回、キャッチーなタイトルに惹かれ本書を購入してみたが、期待通り、クマのプーさんのキャラクターやエピソードからタオのエッセンスを抽出し、タオイズムを教義的な語りではなく雰囲気として感じられるような内容になっている。
        本書のようにプーさんを無為自然の象徴とみなして読んでみると、そのトンチンカンな受け答えが柔らかい禅問答のように感じられ笑ってしまうが、神話のトリックスターをタオイズム的に解釈すると理解が深まるだろうとか、その現実肯定の在り方に親鸞の絶対他力との共通点があるのではないかとか、プーさんの要素を道化的に表現したら現実に活かせるのではとか、興味の広がりがあって楽しい読書になった。
        また、「樸」という概念を思い出せたのは大きくて、自分や人を評価する基準をどこに据えるのかが見えたことは嬉しい限り。

        宇宙の法であるタオと人間の頭が作り出した法の乖離が問題を生むという老荘の教えを踏襲していると受け止めたため、両者を肯定したような道教的な掘り下げ方もして欲しかったという思いもあるが、対立ではなく包括という視座で書いていたとしたら感じ取れることは違うかもしれないので、時間をおいてまた読んでみようと思う。

        また、『バカボンのパパと読む「老子」』という本が出ているようで(著者はドリアン助川!!)、「これでいいのだ!」を通して見えるタオというのもまた興味深いので読んでみたい。
        >> 続きを読む

        2012/04/11 by Pettonton

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています

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