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ダニエル・キイス , 小尾芙佐
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【しあわせということ】 パン屋で働いているチャーリィは、精白なのですけれど、それがために、人を疑うということを知りません。 悪意のある仕打ちをされても、それを善意で受け止めることができます。 彼なりに、しあわせな世界に住むことができていたのだと思います。 ただ、自分が他の人に比べて、賢くないということには気付いていました。 ですから、他の人と同じように賢くなりたいと、思っていました。 そうしたら、もっと、もっとしあわせになれるだろうって、そう思ったのでしょうね。 ある時、最新の脳外科手術のモルモットにならないか?と持ちかけられます。そんな言い方では無いにしても、実際はそういうこと。手頃なうすのろだから、チャーリィが選ばれたというだけのことでしょう。 賢くなれるかもしれないと思ったチャーリィは、一も二もなく同意します。 本書は、映画化もされましたし、日本のテレビドラマにもなりました。 ですが、本でなければ表現できない感動があります。 脳手術を受けたチャーリィの日記がそれです。本書は、「けえかほうこく」というチャーリィの一人称で語られます。 最初は、誤字だらけの、子供がつづったような、たどたどしい言葉で始まります。 それが、少しずつ普通の文章になっていき、そして…… 最後は、チャーリィは、また、今までと同じようにパン屋さんで働いています。 また、毎日をしあわせと感じながら。 この物語については、既に沢山の方がレビューされていますし、有名な作品ですので、私が今更粗筋を語る必用はないと思います。 もし、まだ読まれていない方がいらっしゃったら、是非読んでくださいとおすすめします。 ……大分前、とあるきっかけで、「お勧めの本」を聞かれたことがあって、私はこの本をお薦めしました。 その時、一緒にいた、私なんかよりも、もっとたくさん、とてもたくさんの本を読んでいる(らしい)人から、「そんな甘ったるい本」と鼻で笑われたことがありました。 ええ。良いと思うんです。甘ったるいと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、良い本だと、今でも思っています。 どうぞ、是非読んでみてください。とても良い本です。 >> 続きを読む
2019/01/29 by ef177
吉川英治
2015-2016年の間に1年くらいかけて全巻読了時間をかけてじっくり読める本をと思って、三国志を読んでみることにした。著者によって作風が違うので、まずは王道の吉川英治ver.から。途中飽きてしまったけど、とにかく読み終わらせなければと粘っていたら、孔明が登場したあたりからぐっと引き込まれてしまい、どっぷりはまった。この本を読み終わってから、何かをしたときに起こり得る事象など、すこし先のことを見越して物事を考えることができるようになった。すべての行動には結果と反応があって、それは事前に予測することができ、制御することもできる。そういう力を持つことの大切さを知った。世の中には、もちろん、人の力や思想の及ばないこともある。この後、北方謙三の三国志も一気に読んだ。まったく違う作風になっており、個人的には吉川三国志が好み。北方三国志は、バーカウンターでウイスキーをなめるような男臭さが全体的に漂っていて(心理的描写とか)、すこしくどかったかも。一気に読んでしまうほどおもしろいけども。 >> 続きを読む
2017/09/23 by ymk
三国志 第2/全8巻。黄巾賊の乱の後、実権を握った董卓だったが、傍若無人な振る舞いを見かねた勢力に駆逐される。名シーンは数々収録されているが、(チョイ役ながら)お気に入りの趙雲が登場したのが嬉しい限り。天下無双の強さを謳われた呂布。圧倒的な権力を手にしていた上、彼の養父でも有る董卓。裏切りの代名詞とも言える呂布では有るが、直接的にこの2人の関係を割いたのは絶世の美女である貂蝉であった。最強の武人、最高の権力者。それぞれ頂点を極めた上、養父養子の関係でも有った2人が、たった1人の女性に運命を翻弄される様。人間の繰り広げる戦争も、いなごの襲来が休止させてしまう現実。こういうエピソードが、三国志の世界に人間臭ささやリアリティを感じさせ、古臭さを感じさせない秘密なのかも知れない。三国の観点で整理しておく。魏:ポスト董卓で一気に主役に躍り出た曹操。新たに徐晃らを加え、ますます幕臣も充実。以降の三国志は、事実上彼を中心に展開することになる。呉:孫堅37歳。袁術からの誘いに乗り、劉表、袁紹を討とうとした末の勇み足で若くして生命を落としてしまう。袁術に元で庇護を受けていた長子の孫策が伝国の玉璽と引き換えに兵を借り、ついに立つ。幕臣に太史慈(30歳)らを加え、新生 呉として力をつけ始める。この時、孫策21歳。蜀:やっと陶謙から太守を譲られ権力基盤を手に入れた劉備だが、張飛の凡ミスと呂布の裏切りにより、あえなく手放してしまうことになる。またも流浪の民となった彼らは曹操を頼るハメになり、この時点でその後の蜀に繋がるのは劉備の名声と関羽・張飛の2武将のみと言った状態。共通して言えるのは、優秀な幕臣に恵まれていること。こうしたことからも、優秀なスタッフに支持される能力や魅力が有ってこその君主なのだと言えよう。「歴史に学ぶ」とは良く言うが、本当にそう思わされる。そういう観点では、元官僚とは言え、歴史作家のイメージが強い堺屋太一氏が民間人の立場にも関わらず、小渕内閣から経済企画庁長官として請われたのはとても興味深い。幾らでも再読に耐える、まさに名著と言えるだろう。 >> 続きを読む
2013/08/19 by ice
GoffsteinM. B , 谷川俊太郎
これも。M.B.ゴフスタインさんの絵本。 モノトーンの線描画。シンプルで子どもに読んで聞かせないと、良さが伝わらない絵本。M.B.ゴフスタインさんに出会ったのが「画家」と「生きとし生けるもの」の二冊で良かったです。もしこの線描画の二作だったら、広がりもなしで通り過ぎていたでしょう。そう思うと、本との出会いは微妙ですな。 >> 続きを読む
2020/12/05 by ごまめ
立原 えりか
24年前の夏休みに読みました。 そのころの「ゆうれい」と言ったら、「あなたの知らない世界」やUFO目撃情報特番、学校のうわさがもっぱらで、戦後の話は身近な存在・・・それこそ校長先生から聞いたりする世代でした。 そんな時出版されたこの本は、従来のユウレイによって闇雲に怖がらせるものではなく、あの第二次大戦の事を優しく、正確に伝えようと言う筆者の心配りが随所にあり、とてもじんわり、心にしみました。 近年のスピリチュアル要素も書かれており、色々と真摯に取材したでのこの一冊の物語なのだな、と思います。 どうして、たかねおばあちゃん「ゆうれいが出るお便所」の覚書を大切にしまっていたのしょうか。まだ小さな、美しい少年のゆうれいはお便所に立って何を待っているのでしょうか。 ユウレイが出るまで、あと100日。祖母の残したミステリーにみのりと友人が挑む時、暖かな世界の答えにたどり着くのでしょうか。 ドラマティックな「永遠の0」も良いですが、出撃しなかった日本人の「戦争」に今一度目を向けたいものです。 >> 続きを読む
2014/08/24 by B612
レビューは、最終巻(8)に。
2011/03/08 by y_shima
エラリイ クイーン
【目撃者は約2万人、この中に犯人がいる?】 クイーンの国名シリーズ第6作目の作品です。 今回の事件の舞台は、西部劇のシーンやロデオをショーとして見せる一座が公演する巨大な屋内競技場でした。 ニューヨーク公演では、往年の西部劇のスターだったバック・ホーンが登場するということで、ファンの関心も高まっていました。 バックは、一時期銀幕から遠ざかっていたものの、その後、一度だけリバイバル映画に出演しました。 しかし、これが当たらず、その後はすっかり身を潜めていたのです。 しかし、バックは年老いたとはいえ、現在でもまだ射撃や乗馬の腕は落ちておらず名人級ということです。 そんなバックがカムバックするとあって、往年の西部劇ファンが競技場に詰めかけたのですね。 ショーが始まり、バックが先行する馬に乗って楕円形のトラックを駆け抜けます。 それを追いかけるのは40騎のカウボーイ、カウガール達の一団です。 追跡者達は景気づけに天井に向かってそれぞれ空砲を一発ずつ一斉に発射しました。 と、その時、前を走っていたバックが落馬し、後続の馬に蹴散らされてしまったのです。 丁度ショーを見に来ていたエラリーとクイーン警視(ジューナが西部劇の大ファンだったので連れてきてあげたのです)は、直ちに競技場に降り立ち、倒れているバックのもとに駆けつけました。 バックは、心臓を一発の銃弾によって射抜かれて死亡していました。 クイーン警視は、競技場を警備中だった警察官に明治、直ちに競技場を閉鎖したのです。 そして応援の警察官も呼びつけると、会場にいたすべての人間の厳重な身体検査及び競技場内の徹底した捜索を命じたのです。 観客の数は約2万人。 犯人も当然この中にいるはずです。 検死の結果、バックは上方から下方に向けて約30度の角度で撃たれており、彼を撃った拳銃は25口径のものだと判明しました。 観客の中に25口径の拳銃を持っていた者も何人かいたのですが、どの拳銃も凶器の拳銃ではありませんでした(ライフル・マークが一致しないのです)。 徹底した捜索にもかかわらず、競技場内のどこからも25口径の拳銃は発見されませんでした。 事件が起きた後、競技場を出た者は誰もいません。 凶器はどこへ消えてしまったのでしょうか? 約2万人が見守る中で殺人が起き、犯人はその中にいるはずなのに凶器の拳銃が発見できないというかなり派手な設定のミステリです。 実は、エラリーらが捜査に難航している間に、もう一度、まったく同じシチュエーションで第二の殺人が起きてしまうのです。 2度目の時も最初の時と全く同じ状況で、やはり拳銃は発見されませんでした。 2度までも同じ事をやられてしまったわけですが、国名シリーズの名物である『読者への挑戦』は今回も挿入されています。 すべての手掛かりは与えられたとエラリーは豪語するのですが、あなたはこの謎が解けますか? 私は完敗しました。 まったくわけが分からず、犯人が誰かも、凶器の在処も全く推理できませんでした。 最後で、エラリーは『前書き』の書き手であるJ.J.マックを相手に謎解きをしてみせるのですが、事件関係者の前で謎解きを披露しないというのも珍しいパターンですよね。 その推理は、確かにエラリーらしく数学的で、筋の通ったものでした。 エラリーが推理した根拠になった事実は間違いなく作中にちゃんと書かれています。 しかし、多くの読者はそれが重要な事実とは思わず、注意を払わないんじゃないでしょうか。 あまりにもさらっと書かれていますから。 そして、謎解きの方ですが、これはトリックとして可能なのか?と思う面もあったのですが、まぁ、そういうことができたのでしょうと思うしかないですよね。 あるいは、動機が弱い、また、その動機を了解するための情報は謎解きの場面になってようやく明かされるのはどうよと思わなくもないのですが、これも仕方ないか。 国名シリーズの中では、犯行の確実性、動機の説得力という面で辛い点をつけたくなるのですが、とにかくパズラーとしてはフェアに書いているという点は認めざるを得ないでしょうか。読了時間メーター□□□ 普通(1~2日あれば読める) >> 続きを読む
2020/03/26 by ef177
風間一輝
自転車ハードボイルド。珍しい分類だと思うがストーリーもなかなか。
2011/02/22 by hirokoshi
船山馨
図書館に予約本を借りに行ったとき、「図書館で不要になった本を差し上げます」という棚で見つけ、いただいてきた本。でも、借りたどの本よりも夢中になって読んでしまった。この作家さん、「お登勢」を以前に読んでいたが、このお話もすごくよかった。作品に入り込んで主人公たちに感情移入してしまうため、最後は辛かったけど、「ガッツリどっぷり本を読みたい!!」と思うときにはうってつけ。本の後ろに「この本は図書館で不要になった本です」っていうシールが大きく貼られているけど、大切にとっておこう。 >> 続きを読む
2012/12/03 by lewis
KoontzDean R , 中井京子
ついに実用化したサブリミナル効果による人心操作。選択経緯から、非常に複雑な思いを持って読み進めた。本作品を選択した経緯は、車の営業から、IT業界の開発者に転職した際に遡る。当時、営業職としては本当に好成績で順風満帆だったものの、売れば売るほどルーチン化し、成長が感じられなくなる仕事の内容に不安を感じて、日々スキルアップすることが出来るというプログラマー職に憧れを抱いたわけだが、その覚悟は悲壮感を伴うものでも有った。結婚した直後で有ったし、安定した好成績の結果、敷かれていたレールを蹴って、せっかく築き上げた居心地の良い世界を飛び出すのは正直怖かった。それでも、これ以上ここに居てはいけないという確信めいた思いが有ったし、27歳という年齢から、これが最後のチャンスという意識も強かった。結局、意志を貫き、転職を実行したわけだが、その際に決めたことは、・「異業種出身だから」とプログラミングが出来ない言い訳にはしない。・「営業部門へ異動する」など、自分にとって楽な道には進まない。だった。同時に、これだけ焦がれて飛び込んだプログラミングの世界なら、最初のうちは、目に触れる「プログラミング」と書かれているもの全てに目を通してやろうというくらい貪欲に取り組んだことを覚えている。本作品はタイトルに「プログラミング」が含まれている。それだけで、当時の自分が手に取り、購入を決めたもので有る。早々に自分が望む情報が得られるものではないことに気付いたため、これまで読んでこなかったわけだが、今回読み進める中で、当時の自分に再会出来たような複雑な思いを味わうことが出来た。有りがちな設定では有るが、作品自体の面白さも合格点には達している。 >> 続きを読む
2012/09/24 by ice
太宰治
『太宰治全集6』(太宰治) <ちくま文庫> 読了です。この巻は何といっても大作「右大臣実朝」が問題になると思います。太宰治が実朝に惚れこんで、吾妻鏡を基に書かれた作品です。かなり思い入れがあって力を入れて書いたんだろうな、という雰囲気は十分感じられるのですが、私にはその面白さが分かりませんでした。実朝のことを全く知らないからでしょうか。その他の作品は太宰治らしさが存分に出ていて面白く読めました。特に、「新釈諸国噺」はとても楽しい作品です。どこまでが西鶴のストーリーで、どこからが太宰のストーリーなのか気になりました。「竹青」は「自註。これは、創作である」と書かれていますが、実際に聊斎志異の中にあるそうです。でも、この話、最近読んだような気がするんですよねえ。「黒衣隊が欠けているから採用する」とか、黒衣を掛けられると烏になるとか。思い当たるとすれば芥川龍之介なんですが、なんだったかなあ。 >> 続きを読む
2016/09/27 by IKUNO
『太宰治全集7』(太宰治) <ちくま文庫> 読了です。長編「津軽」「惜別」と、短編集「お伽草子」が収録されています。「津軽」は作者の地元愛がしみじみと感じられる傑作です。初期の「富士百景」に匹敵する印象を受けました。「惜別」は私と中国人留学生と先生と、そして数人の友人たちとの交流を描いた、これも傑作です。同じ時期の長編「津軽」とはまた違った良さを感じました。あと、「お伽草子」は太宰の心を自分で癒すために書いたのかな、といった感じです。「津軽」「惜別」からぐっと力の抜けた作品で、続けて読むとかなり違和感がありますが、まあ、なかなか面白い作品に仕上がっていました。 >> 続きを読む
2016/10/11 by IKUNO
能條 純一
哭きの竜 麻雀飛翔伝 第6/全9巻東の広域暴力団桜道会。その跡目に最も近い位置にいながら、凶弾に倒れた石川。ずっと竜の強運を己の物とすることで全国制覇をも目指した大物が生命を落とすことで組織は揺れに揺れる。結果、当面の繋ぎと決まった、死を秘し影武者を立てるという戦国時代かと思わせる策に呆れたものの、ここまで大きな組織で跡目闘争の内ゲバが起こることを考えると、案外妥当なのかも知れないと思い直した。転じて西では、ヒットマンに襲撃され片目を失った大物、海東がまたしても東に触手を伸ばす。彼の命で石川の生死を確かめに来た使者だが、影武者にすっかり騙され、スゴスゴと西に引き上げてしまう。西からの使者に見る目が無いと言ってしまえばそれまでだが、どうやらこの影武者の三上は、後に影武者としてではなく、三上として桜道会の二代目会長になるらしい。死んでいった有力者に似ていたから。そんな理由で影武者に仕立てあげられたわけで、普通ならビビってしまうはずなのだが、結果的にはそれをきっかけに当の本人に成り代わって組織を牛耳る。正直可能性は極めて少ないと思うが、どんな状況でも本人の捉え方ひとつで一発逆転の大チャンスともなり得るという点にはリアリティを感じていたいものだ。 >> 続きを読む
2014/03/22 by ice
M.B.ゴフスタインの5冊目。「おとなりさん」、他人えありながら一番身近に生活している人。おとなりさんといかに気持ちよく過ごせるか、おすそ分けがあったり、一緒にお茶をのんだり、雪かきや前の道をお掃除したり、この微妙な距離感・・・・おとなりさんとはなかよくでおます。 >> 続きを読む
2020/12/06 by ごまめ
吉本ばなな
藤沢周平
森信三
岡嶋二人
出版年月 - 1989年3月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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