読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)
イプセン
1クリック登録
2月の課題図書。イプセンの戯曲です。1879年に書かれたもので、ノラのとった行動に賛否両論がわき起ったとのことでした。女性の社会進出が目覚ましい今の時代に受け入れられる本かもしれない。そう思いながら読み始めました。…そう思ったのは最初だけでした。ノラの行動に全く共感できません。夫が病気の時、父親の署名を偽造して借金をしたノラ。この秘密を知ったとき、なんてことをしたのだと、夫は妻を罵倒します。その後事件が解決すると、ころっと態度が変わり、今まで通りかわいい子鳥さんと妻を呼びます。ノラはこの時、幸福な生活をしていたように見えて、実は夫のもとで人形のように生きてきたことを悟ります。人間として生きたいと願うノラは、夫と三人の子どもを捨てて家を出ます。これがこの作品のストーリーです。今まで父やら夫やらに、散々小鳥と言われ可愛がられ、甘やかされた女がこの先どうやって一人で生きていけるのでしょうか。どのようにして生計を立てるのでしょうか。「女性の解放」をテーマに感じるこの作品、つまり男性社会であるということ。今よりもっともっと、女性がひとりで生きていくには難しい社会なのではないでしょうか。それと、母親なら子供のことをもっと思ってほしかったです。稼ぐ夫がいて、乳母がいる家で、当時のことを考えるとそれが一番なのかもしれませんが。戯曲のためか、勢いでとった行動としか思えませんでした。人形の家を出て厳しい世の中を知った後、どうなったかが気になります。 >> 続きを読む
2020/11/05 by あすか
アリソン・アトリー , 矢川澄子 , 片山健
ねぇ、これ、覚えている?小学校高学年の国語でやった、「むぎばたけ」人間の辺りはまぶしすぎる云いながら、はりねずみと川ねずみ、年老いたウサギのジャック爺さんがむぎばたけへ行く話。 麦が歌う場面はジブリのトトロの森のシーンに似て壮大。いとうつくし。 >> 続きを読む
2014/07/10 by B612
山崎洋子
山崎洋子の第32回江戸川乱歩賞受賞作「花園の迷宮」を読了。日中戦争前夜の昭和7年、ふみと美津という二人の少女が、横浜の遊廓「福寿」に売られてきた。儚げな美貌の美津は、やがて廓でも一、二を争う売れっ子娼妓となり、ふみは娼妓として店に出られる年齢になるまでの間、下働きとして雇われることになった。だが、美津の部屋で客が刺殺され、彼女も服毒死体となって発見されるという事件が起きる。警察は無理心中と判断したが、ふみは幼馴染みの美津の潔白を信じ、真犯人を見つけ出そうとする。しかし、「福寿」を舞台にした惨劇は、尚も続くのだった-------。古城や豪邸の代わりに遊郭、城主の代わりに経営者一家、一癖ありげな執事や家政婦の代わりに遣り手-----と、ダフネ・デュ・モーリア風のゴシック・ロマンスを巧みに換骨奪胎した長編ミステリの傑作だ。国策に反対する秘密組織の動きや、過去に「福寿」で起こった変死事件なども絡み、プロットはかなり複雑だが、出番の少ない端役に至るまで、しっかりと造型された登場人物たちが、生き生きと動き回るため、すんなりと物語世界に入っていけるという美点がある。鬼面人を驚かす大トリックこそないものの、精緻な伏線と細かいトリックの組み合わせによって、読む者を納得させるタイプのミステリだと思う。 >> 続きを読む
2020/09/26 by dreamer
吉川英治
木曾義仲が6万人の大軍を伴って入洛。京都という都は守備には適さない都市ということだろう。平氏一門は西国へと撤退していく。平家追討の院宣ならびに朝日将軍の称号を賜り、得意満面の義仲であるが、都の流儀に慣れぬまま次第に孤立していく。気がついてみれば6万人の大軍も、寝返りが相次ぎ、いつしか4千人程度にまで減っていた。起死回生の策を練ろうとするも、その甲斐なく義経の兵に討たれる。傍若無人とも思えた義仲であるが、やはり人の最期というのは哀しいものである。巴・葵・山吹の義仲の3人の女の運命もまた哀しい。【このひと言】〇一時は無慮六万とみられた木曽軍だが、樋口のことばが真実とすれば、在京の兵わずか四千という現実も認めないわけにはいかない。〇「ああ、おれという男は」 戦陣での、かりそめの遊び心に、過去多くの、契ったり手折れた花々の呪いに、義仲は今、いいしれない罪の意識を問われた。身をそそけたてた。 「それだけでも、死ぬべきだ。たくさんの郷党や兵たちをも死なせたのだ。もう一刻も、生きている空はない。あわれ、木曾次郎義仲が死を見よや。義仲が討死こそは、罪の詫び、世の笑止ともならばなれ」 あえて、敵刃の危険な渦へ向かって、身をなげうって行こうとするかれの容子が、乱軍の中にも、ありありと分かった。 >> 続きを読む
2017/05/04 by シュラフ
フィリップ ケリガン
フィリップ・ケリガンの「サバイバルの島」は、一代で巨万の富を築き、大会社の社長となったベトナム帰還兵のダン・ゴールドマンが、サバイバル・ゲームをするために、スコットランド沖の自分の島に赴むところから始まる。同行者は、ダンの右腕のピーター、野心家の若手重役ボブ、そして心に深い傷を持つダンの美しい秘書ジョージーの四人。それぞれの思いを胸に秘めながらも、彼らはペイント弾を撃ち合って、戦争ごっこを心ゆくまで楽しむはずだった。ところが、そこには復讐に燃える暗殺者が忍び込んでいたのだ。やがて、不気味な銃口が火を噴き、島は週末のレクリエーションの場から一転して、地獄の戦場と化し、一人ずつ殺されていく-------。この冒険サスペンスは、著者の前作で、婚約者を爆弾で失い、自らも重傷を負った男が、目撃者の抹殺に動き出したテロリストの殺し屋に狙われるという、「待ち伏せの森」に続くものだ。この作品も日頃、暴力とは無縁の文明生活を送っている人間が、突然、思いもかけない暴力に襲われて、生命の危機にさらされ、心身ともに追い詰められていく恐怖を描いている。原始的な暴力の脅威に直面させられた時、いったいどうなるか、どうすればいいのかということを改めて考えさせられる。 >> 続きを読む
2020/07/01 by dreamer
菊地 秀行
エイリアンシリーズ、最長にして最大の問題作。記憶を失った少年を拾った八頭大、少年は大西洋上に浮かぶローラン共和国のプリンスだった。王位継承争いに巻き込まれた大は共和国に隠された財宝に目が眩んだのと、プリンスを守る為、大国相手に戦いを挑む。あらすじを読んだ時は『カリオストロの城』みたいなのを想像して凄く期待しました。実際に読んだら期待通りの面白さでした、最初のうちは。問題は、あまりにも物語が長過ぎたということです。上・中・下で終わらず、完結編でも終わらず、完結編2・3と続き、結局、全6巻と大長編になりました。他の菊地作品はあまり読んだことがないので分かりませんが、このエイリアンシリーズに関しては、その時のノリだけで書き進められている感じがしてなりません。いつもの1巻完結ものならそれでもいいんですが、これだけの長編だとキツイです。クライマックス辺りまでいったら、序盤で起こったことなんて何も思い出せなくなります。その場、その場のバトル、ギミックは面白いのに読み終えた後は、物語がサッパリ思い出せないという何とも不思議で勿体無い作品です。 >> 続きを読む
2015/04/21 by UNI
星野 之宣
ヤマタイカ 第3/全6巻オモイカネを追う結果、再び巡り合うことになる父と姉弟。この巻で期待の方向性を裏切られたため、前2巻の高揚感が虚しく霧散した。巨大な銅鐸を意味するオモイカネ。卑弥呼の末裔たる神子は、オモイカネを求めて彷徨うが、その行方を全く感じられなくなってしまう。第1巻の冒頭で、何度か戦艦大和の影らしきものが登場していたことから、鋳潰されて、戦艦大和になり太平洋に沈んでいるという設定を想像していたのだが、その設定から見れば何のことはない、奈良の大仏になっていたと言う安いオチ。それならなんで戦艦大和の影を登場させるんだ!あっちの方が断然面白いだろうに!と、憤る元気も実は無く、淡々と読み進める感じになって来たのが本音。まだ半分では有るが、逆に半分は読んだ!とも言えるところなので、全体の印象を語っておくと、この作品はいわゆる伝奇ロマンというジャンルに入る。このジャンルは、オドロオドロしい恐怖感みたいなものを、常に感じさせていかないと成立しないように思っている。その点、あまりにもリアリティから乖離してしまったのと、戦艦大和への期待が裏切られたことで、興味がほぼ完全に無くなったということなのでは無いかと思う。つまらなくはないのだが、正直飽きて来ていて、読了の使命感だけで読んでいる気がして来た。 >> 続きを読む
2013/02/21 by ice
名和弓雄
一通り江戸時代の風俗を知っている人であれば、さほど新しい発見もない。が、特にその辺りの本を読んだことがない人であれば楽しいかな? >> 続きを読む
2014/10/30 by ちょだ棚
スタン リー
【世界中の全ての情報を集約している特務機関があったとしたら?】 というのが本作のコアとなる設定です。 米にそのような機関があるというのですね。 その機関は、通称『図書館』と呼ばれていました。 米政府各省庁、公的組織の全ての情報を一元的に集約管理するばかりではなく、その他、通信、衛星からのデータ、盗聴、盗撮、果ては家庭から出されるゴミまで集められる情報はすべて集めて、国内外の全ての情報を集中的に管理分析しているというとんでもない組織が『図書館』です。 これらの情報から得られた結果を米政府のトップに提供し、外交、軍事、各種政策決定の補佐をするというわけです。 『図書館』の存在は別に秘匿されているわけではないのですが、まぁ、情報を収集分析している機関だろう程度にしか認識されておらず、予算もさほど喰いませんので(他人が金をかけて集めたデータを取ってくるだけなのでさほど予算を必要としないという説明がされています)特段注意を引くような機関でもありませんでした。 まぁ、現実にはそんなに膨大なデータを集めることなど不可能ですし、仮に集まったとしてもそんなものを分析するにはとてつもない時間がかかり、あまり現実的とも言えないのですが、そこはフィクションで、超高性能コンピュータと超絶プログラムの助けを得てとんでもない量の情報を分析しているとされています。 『図書館』のユニークな特色は、コアとなる12人のメンバーは、これら集約された情報を全て閲覧できるという点でした。 通常であれば、情報の重要度に応じて、見られる情報はメンバーのポジションによって限定されそうなものですが、実りある分析を可能とするために、12人のエキスパートであるコアメンバーは何の制約もなしに全ての情報にアクセスできるのです。 もちろん、その12人は厳選されており、各分野の優れた能力を有することはもちろん、徹底した身体検査により、裏切ることがないと信頼できるメンバーだけが集められていました。 ところが、OFFと呼ばれる超秘匿情報が漏示していることが判明したのです。 どう考えても『図書館』から漏れているとしか思えません。 そこで、『図書館』のトップであるハリー・ダンはコアメンバーの一人であるイーバハートに命じて、密かに『図書館』メンバーを監視させていたのです。 メンバーは、全ての私生活にわたる事項についてまでイーバハートによって監視されていました。 しかし、犯人が判明する前にイーバハートは自殺してしまったのです。 自殺の原因ははっきりとは分かりませんが、同僚達の私生活にまで踏み込んでその監視をするという強度のストレスのためではないかと推察されるところです。 ダンは、直ちにイーバハートの後任者を選び出します。 選ばれたのは、ガベージ・マンと呼ばれているウォルター・クーリッジでした。 ウォルターは、ゴミからの情報分析手法を確立したエキスパートであり、これまでにもいくつもの功績を挙げていました。 仲間の監視というとんでもないミッションを告げられたウォルターはこれを拒否するのですが、そんなことが許されるはずもなく、有無をいわせず監視業務に就かされてしまったのです。 一方で、これまで何の注意も引かなかった『図書館』に注目し始めたオリヴァー・ガーヴィーという上院議員がいました。 『図書館』側もそれを察知しており、ガーヴィーに関する情報も洗い出されているのですが、その過程でドクター、ビショップ、ラビなどと呼ばれる怪しげな存在、及びエマスン派という何らかの組織の存在が浮かび上がってきました。 何なんだ、こいつらは? 加えて、ガーヴィーはOFFについても不完全ながらも知っているようなのです。 これに加えて、ロシアとNATOとの間の軍事的緊張が高まっていきます。 このままでは第三次世界大戦も起こりうるという切迫した事態も絡みつつ物語は展開していきます。 世界中の全ての情報を集約している機関などという凄まじい設定がまず興味をひきます。 また、そんな膨大な情報を的確に分析しているという、まるでスーパーマンのようなコア・メンバー達の活動も面白いところです(ガベージ・マンの分析なども面白いです)。 SFチックな要素も加味した、スパイ、サスペンス物という雰囲気の作品です。 ただ、ちょっとセックス・シーンが多いのがどうかなぁとは思いますが、なかなかに面白そうなヨカンもしますので続けて下巻を読んでみようと思います。読了時間メーター□□□ 普通(1~2日あれば読める) >> 続きを読む
2020/06/08 by ef177
【第三次世界大戦は始まってしまうのか?】 米政府が創設した通称『図書館』と呼ばれる情報機関は、世界中のありとあらゆる情報を収集し、12人の専門家によってこれを分析した結果を、外交、軍事、各種政策決定に役立てていました。 いましも、ロシアとNATOとの軍事緊張が高まり、一触即発の状態になりつつあります。 上巻のレビューでも書いたとおり、本書の中心となるストーリーは、このような『図書館』のコア・メンバーの中にドクターという暗号名で呼ばれている裏切り者がおり、その裏切り者によってOFFと呼ばれる超機密事項が漏洩されていると強く疑われることから、主人公のクーリッジがその裏切り者が誰なのかを調査するというものです。 さて、このOFFですが、上巻では何だか数値が上がったり下がったりする様子が描かれはするのですが、それが何なのかは明かされません。 下巻の半分くらいになってようやく読者にも明らかにされるのですが、それは、『オポチュニティ・フォー・ファーストストライク』の略であり、『第一撃の好機』だったのです。 この作品の舞台となっているのは、米ソが対立し、未だ軍縮交渉も始まっておらず、領国は過剰とも言える核兵器を備え、さらに軍拡競争を続けている時代です。 双方とも、相手を核の第一撃により無力化することができるのなら、有効な報復を受けないのなら、今にでも先制攻撃を仕掛けたいと考えてはいるのですが、そのタイミングをつかみかねてにらみ合っている状態というわけです。 OFFは、『図書館』が収集した膨大なデータを基に、優れたコンピュータプログラムにより、あらゆる要素を考慮に入れて第一撃が成功する確率を計算しているシステムなのでした。 今はOFFの数値は徐々に上昇しつつあり、既に90%を越えていました。 米政府上層部は、OFFの数値が95%を越えれば先制攻撃を仕掛けるタイミングだと考えていたのですが、今やその時が迫りつつあるのでした。 本作では、そのような緊迫した状況の中で、ドクターなる裏切り者が誰なのかを追跡するストーリーの中で、何とか第三次世界大戦を回避できないかと苦悩するクーリッジの姿が描かれていきます。 アクション・シーンも盛り込まれており、それなりのエンタメ作品になっているのではないでしょうか。 また、ドクターの正体については一捻りされており、ミステリ的要素もあると言えばあるかもしれません。 第三次世界大戦にまつわる物語はこれまでにも色々書かれてきましたが、本作は『図書館』というとんでもない組織を中核に据えた、かなりユニークな視点で語られる物語になっていると思います。 ただし、プロットにどうも分かりにくい点があるとも感じられました。 特に、主人公のクーリッジの行動原理というか思考が、一応説明はされているのですが、何だか唐突にも思えてしまって、今ひとつ説得力が無いようにも思えたのです。 着眼点は大変ユニークな作品なのですが、もう一歩というところでしょうか。読了時間メーター□□□ 普通(1~2日あれば読める) >> 続きを読む
2020/06/09 by ef177
相原 コージ
何とも、共感の薄い漫画。色違いで生まれた毛が白いクマ、親とも兄弟は茶色なのに自分だけが白い。世の中の異端児、つまはじき、でも健気に生きていく。何処かピュアな心をもっている・・・純粋に生きるとは俗にまみれた者からはおかしくまたうらやましいものです。 >> 続きを読む
2020/12/21 by ごまめ
沼尻素子 , スティーヴン・キング
高校生の頃読み、残念な気持ちになったのを覚えている。少年達が強制的に参加させられ、歩けなくなったら殺されて、最後の一人になるまで続くゲームの話。あの薄くない本にそれだけが延々書かれてる。調べてみたら、ホントかどうかしらないが、小説のバトル・ロワイヤルはこれを参考にしたそうだ。何年に1度思い出してしまう本。 >> 続きを読む
2013/08/29 by bob
ギ・ド モーパッサン
人類の次に来たるべき新生物オルラとは、いったい何なのか?目に見えぬ怪物に脅かされ、次第に精神を蝕まれていく恐怖の物語、モーパッサンの怪奇小説「オルラ」が面白い。「女の一生」や「脂肪の塊」で有名なモーパッサンは、実は怪奇小説の優れた書き手でもあったと思う。今回読了した「オルラ」は、「だれが知ろう?」と同様にその代表的な作品で、ついに主人公の「おれ」は部屋に鉄の鎧戸をつけ、家の中に潜んでいるオルラを焼き殺そうとするのだった。しかし、焼け死んだのは、屋根裏にいた使用人たちだけで、オルラは依然として生き続けているのだ。「オルラ」は、自分を襲う怪異現象のために、次第に強迫観念にかられて精神を犯される主人公を描いているが、著者のモーパッサン自身、梅毒と薬物の濫用によって、狂気に陥ったと言われています。その意味では、正気を失っていく過程を描いたこの作品は、モーパッサンの妄想が生んだものともいえ、得体の知れない怪物の恐怖感が実にリアルに表現されていると思う。つまり、主人公の怯えや恐怖感というのは、そのまま著者自身の鬼気迫る魂の記録でもあるんですね。 >> 続きを読む
2018/09/19 by dreamer
赤川次郎
東野圭吾
アイザック アシモフ
出版年月 - 1989年7月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
ページの先頭に戻る
会員登録(無料)
レビューのある本