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1989年9月発行の書籍

人気の作品

      羊たちの沈黙

      HarrisThomas , 菊池光

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 【傑出した稀代の「悪役」】
         この作品は、傑出した「悪役」を生み出しました。ハンニバル・レクター博士。
         優れた精神科医でありながら、既に9人を殺害しています。
         この物語の冒頭では、厳重な警備の下、精神病院の特殊な区画に勾留されています。
         そこを訪れたのは、FBIアカデミーの訓練生であるクラリス・スターリング。
         とある偉いさんのちょっとした話の種に使えれば程度の理由で(もっともその理由はクラリスには伏せられていて、彼女には重要なインタビューだと教えていますが)、まともな供述を拒否しているレクター博士と面会させようというわけです。もちろん、ダメもとで。
         クラリスは聡明な女性なのでしょう。レクター博士は彼女を気に入り、ちょっとした「バレンタイン・プレゼント」をくれるのでした。

         さて、物語は同時進行で、「バッファロー・ビル」と呼ばれる変質者による連続殺人事件を追っています。
         バッファロー・ビルは、女性ばかりを殺害し、その死体から皮を剥いでは川などの水の中に捨てることを繰り返していました。

         その後、「バッファロー・ビル」による新たな事件が発生します。上院議員の娘が、おそらく「バッファロー・ビル」によって誘拐されたと思われます。
         クラリスは、上司の命により、クラリスとなら話をするレクター博士から何らかの情報または優れた専門家としての知見を得るために再度の接触を求められます。
         レクター博士は「バッファロー・ビル」事件に興味を抱いていたのです。

         本作が書かれたのは1988年。作中の描写にも時代を感じさせます(例えば、クラリスの上司が、「ドット・プリンター」の不調に悩まされたり、ポケットベルを使っていたり)。
         以後、ハンニバル・レクターを模倣したと思われる作品が沢山書かれていますが、このようなキャラクターを生み出した本書の功績が大ではないでしょうか。
         とにかく強烈な印象を与えます。
         しかも、レクター博士はシリアル・キラーだというのに、どこか嫌悪できないところがあります。いや、嫌悪できないどころか、かなり惹かれるところすらあります。
         その後、レクター博士の生い立ちが描かれる続編が書かれており、私はそれも読んでいるために余計なのかもしれません(本書も再読です)。
         物語としても十分面白い上に、このような強烈なキャラクターの魅力もある本作、まだ未読の方は是非とお勧めします。

         ところで、タイトルの「羊たちの沈黙」というのはどういう意味かご存知ですか?
         既に読まれた方はお分かりのとおりですが、クラリスがレクター博士との面会の中で、彼女の幼少時の話を求められる場面があります。
         彼女は、不幸な生い立ちなのですが、とある事情から羊たちの鳴き声が心に刻まれています。
         レクター博士は言います。「きみの手でバッファロー・ビルを捕まえ、誘拐された女性を救出できたなら子羊たちの悲鳴を止められると思うかね?」と。
         さて、羊たちは沈黙するのか?
        >> 続きを読む

        2019/01/21 by ef177

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      赤い収穫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 143‐2))

      ダシール・ハメット

      4.5
      いいね!
      • 黒澤明監督が「用心棒」を撮った時、参考にした作品として有名な、ハードボイルドの始祖・ダシール・ハメットのデビュー長篇「血の収穫」を、以前から読もう、読もうと思っていましたが、ようやく本棚の奥から引っ張り出してきて、読了しました。

        町の有力者の依頼に基づいてポイズンヴィル(毒の町)の異名をとるパースンヴィルに赴いた私立探偵が、この町を実質的に牛耳るギャング・グループを、自分の裁量で抗争に導き、多大な犠牲を払いつつ結果的に町を浄化してしまう物語だ。

        この作品で主人公を務めるのは、コンチネンタル社という大きな探偵社の一員だが、一人称叙述の「I」で表記されるのみで、姓名が全く与えられていない。それゆえ、この主人公が話題に上る際には、便宜上"コンチネンタル・オプ"と呼ばれてきたのだ。

        作者のダシール・ハメットが、かつてピンカートン探偵社に在職した経験を持っているので、コンチネンタル社はピンカートン社ががモデルではないかと思われます。

        ただし、作中に示されたコンチネンタル・オプの短軀肥満の体型は、実際のダシール・ハメットとは似ても似つかないもので、恐らく、探偵時代の同僚の外観をモデルにしたのではないかという定説があり、これに自身の見聞を盛り込んだキャラクターの造型なのだと思う。

        この物語の舞台となる"ポイズンヴィル"ことパースンヴィルは、もちろん架空の町ですが、断片的な手掛かりによって、モンタナ州の鉱山町ビュートが原型ではないかと推定されているそうです。

        そして、この町の権力構造が腐敗し、社会的な機能が停滞し始めた状態と、それが一人の男の手で一掃される経緯を描いたものに他ならないと思う。

        そこにもたらされた"収穫"とは、何を意味するのか? この本の題名に含まれる"Red"を「血」と解釈すれば、殺し合いによって流された血が「収穫」だったことになりますが、どうもそれだけではないような気がするのは深読みのし過ぎだろうか。

        当時の第一次世界大戦を経て、国力を増したアメリカの資本主義体制は、1920年代に入って様々な矛盾点を露呈し始めていて、1929年の大恐慌は、そうした矛盾の集約であると同時に、見方を変えれば、ほんの一端にすぎないように思う。

        いみじくも、1929年に刊行されたこの「赤い収穫」は、それらの因子を念頭に置いて捉え直すと、当時のアメリカ社会が向かいつつあった状況のひとつの縮図に見えてくるのです。


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        2018/02/26 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ルネサンス書簡集

      PetrarcaFrancesco , 近藤恒一

      岩波書店
      カテゴリー:日記、書簡、紀行
      5.0
      いいね!
      • とても面白かった。

        ペトラルカが書いたさまざまな手紙が収録されているのだけれど、ペトラルカにとっては書簡の形式もまた重要なひとつの文学や表現の形式だったらしく、必ずしも実際に生きている人にだけではない、千年以上昔のキケロに宛てた手紙や、後世の人に対して自分の人生を語っている手紙などもあって、とても興味深かった。

        私も、いまいる人にあてての手紙ももちろん大事にしつつも、ペトラルカがキケロに書いたように古代の賢者や、あるいは後世の人にあてて手紙を書いてみたら面白いかもなぁと思わされた。

        また、ペトラルカが、魂については哲学、言葉については弁論術(レトリック)から学ぶことがあり、この二つを両方とも両立させる、という意図や意識を述べているのはとても興味深かった。
        プラトンの『ゴルギアス』以来、哲学とレトリックの二つの伝統は対立や緊張関係をはらみがちなものだったけれど、ペトラルカはこの二つを両立させることを意図していたのだろう。

        また、この本を読んでいて興味深かったのは、ペトラルカの熱烈な祖国イタリアへの愛情であり、古代ローマと直結するものとしてのイタリアのアイデンティティと、イタリアの現状の憂慮や憤激がよく伝わってきて、とても興味深かった。
        コーラ革命への思い入れや幻滅もよく伝わってきた。

        また、教皇庁の腐敗への批判の鋭さも興味深かった。

        古代人の徳ある生き方を取り戻すことへの勧めと、現代人への違和感や批判というのも、なんだかよくわかる気がして、今の日本にあてはめても共感させられた。

        「不屈の努力はすべてに打ち勝つ」

        「第一の財産は魂の財産」

        「魂こそ最も感嘆すべき偉大なるもの」

        これらのメッセージは、本当に心に響いた。

        時折また、自分自身にあててペトラルカが書いてくれた手紙と思って、折々に読み直してみたいと思う。
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        2012/12/21 by atsushi

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      ビッグ・アイ―世界最大の天体望遠鏡の物語

      リチャード プレストン

      3.0
      いいね!
      • 【宇宙の深奥を見つめる眼】
         『ビッグ・アイ』とは、アメリカのパロマー天文台に設置されたヘール天体望遠鏡の愛称です。
         ヘール天体望遠鏡は、約5メートルの巨大な鏡を持つ天体望遠鏡で、1975年にソビエトのBTA-6望遠鏡が完成するまでは世界最大の天体望遠鏡だったということです。
         本書は、そんなビッグ・アイを使って観測を続けている天文学者達の姿を描きながら、宇宙の不思議を垣間見させてくれる一冊になっています。

         これだけ巨大な天体望遠鏡になると、誰もが好きな時に自由に使用できるというわけにはいかず、それぞれの研究の内容に応じて割り当てられた貴重な時間を使ってそれぞれの観測を行うということになります。
         本書にも様々な研究・観測が出てきますが、軸として描かれるのはマーテン・シュミットのグループによるクエーサー観測と、パロマー天文台に設置されている『リトル・アイ』と呼ばれるもう一つの小さい方の天体望遠鏡を使って行われたシューメーカー夫妻の小惑星等の探索です。

         ヘール天体望遠鏡は1948年に完成したのですが、それ以後、長い期間にわたって保守・管理され、また様々な機能が付加されて今日に至っています。
         望遠鏡を動かすことは専任の技師に任されており、天文学者が動かすことはできません。
         天文学者にやらせると壊しちゃうからなんですって(笑)。
         いや、実際に高名な天文学者だというのに、絶対禁煙の望遠鏡の主軸室内で煙草を吸いまくり、その吸い殻を望遠鏡の中に投げ捨てていたなんていうとんでもない実話も紹介されています(よく出禁にならなかったものだ)。

         しかし、専任技師と言えどもこれだけ巨大な天体望遠鏡の全てを把握できているわけではないそうで、設計図と首っ引きになってもよく分からない部品があったり、どこにあるのか分からない部品があったりもするのだそうです。

         ヘール天体望遠鏡の能力を飛躍的に高めた付加装置として『四シューター』という装置のことが描かれます。
         私にもその仕組みはよく理解できないのですが、この装置を作ったのは『機械屋』と呼ばれる天文学者なんですって。
         彼らは何でも自分たちで作ってしまうのですね。
         しかも、その材料は、ヘール天体望遠鏡からこれまでに取り外されたスクラップが置かれている部屋から漁ってきた部品や、市中で売っている鍋などだというから驚きです。

         もっとも、専門の業者に頼んでもたった1個の部品の発注では相手にしてくれませんし、納品してくれることになったとしても何ヶ月もかかったりすることから現実的ではないのだそうです。
         それに予算の問題もありますしね。
         『機械屋』達は驚くべき工夫をして何とも超廉価に必要な付属装置を作り上げてしまうのです。
         そしてその様な傑作装置が、何ともぞんざいにヘール天体望遠鏡に取り付けられていたりするんですね。
         これにはびっくり。

         宇宙から地球に届く星などの光は、遙か昔に発せられた光だということはご存知のとおりです。
         シュミットたちのグループが追いかけているのは、宇宙が生まれてすぐに生じたビッグ・バン直後に生まれたであろうクエーサーの光であり、それは何十億、何百億光年も離れた場所からやってくる光だというのですから気が遠くなります。
         そう言う意味で、天体望遠鏡はタイム・マシンだとも書かれていますが、その通りなのでしょうね。

         気が遠くなるような宇宙の神秘を楽しむことができる一冊なのですが、やや難を言えば構成がちょっと散漫な印象を受けました。
         一つひとつのプロジェクトや天文学者のエピソードなどが語られるのですが、それが順を追って紹介されるのではなく、突然ある天文学者やプロジェクトの話が始まり、それが終わらないうちにまた別のエピソードが始まって、しばらくするとまた前のエピソードに戻るという構成になっているため、少々読みづらいというか集中しにくい書き方だなぁと感じてしまいました。
         小説などではよく見られる手法なのですが、こういう本には合わないと思います。
         その点がやや残念でした。
        >> 続きを読む

        2019/12/08 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      企業内起業家(イントラプルナー) (講談社文庫)

      ギフォード ピンチョー

      4.0
      いいね!
      • 企業内起業家(イントラプルナー)とは、言葉のとおり、企業で働きながら、その中で新しい事業を起こす人のこと。

        この言葉を最初に使い始めたギフォード・ピンチョー自身による本書は、企業内起業家として事業を成功させるためのノウハウや実例が詰め込まれていて、一冊でイントラプルナーのすべてが分かる。

        著者は、企業を飛び出してベンチャービジネスを始めるよりも、自分がいまいる企業の技術や情報・人材・販売網を使って新たな事業を立ち上げる方が成功の近道であると説く。

        一方、経営者に対しても、イノベーションを生み出す企業内起業家は会社にとってきわめて貴重な存在であり、かれらの能力の活用し活動を支援することが、会社の存続にとっていかに重要であるかを説く。でなければそういう優秀な社員は外に出ていって、みずからベンチャーを立ち上げ、会社の強力なライバルとなるだろう。

        ちなみに、ある人が1979年に自分の会社を立ち上げようと、3年前働いていたヒューレッド・パッカード社の優秀な社員30名に声をかけようとしたが、2人しか残っていなかったという。28名は自分でベンチャーを創設するか、よそに引き抜かれてしまっていた。(p432 「第10章 企業内起業家のキャリアパスに沿った報奨制度」)

        転職が当たり前のアメリカならではの話である。シリコンバレーが有名になった1990年代後半にはベンチャーを目指す人々が増え、既存の大企業は社内の優秀な人材の流出を抑えつつ、次々に現れる革新的な事業に対抗するのに大わらわになっていたはず。企業内起業家の活用や処遇の問題が重要なテーマになっていたと思われるが、本書の出版は1985年で、この問題をいち早く網羅的に取り扱ったという点で、先駆的な意味を持っていたのではないか。

        日本でもイントラプルナーという言葉は聞かれるようになったが、米国とはだいぶ様子がちがうように思われる。

        終身雇用制は崩壊しつつあるとはいえ、米国に比べれば企業への固着度はまだまだ高い。創意工夫に富む有能な人材がいたとしても、会社を飛び出してまでやるという人はそうたくさんいるわけではないだろう。それよりも、安全に退職までまっとうするほうを選ぶのではないか。
        しかしそれは、ここで出てくる起業家たちとはまったく逆のベクトルだ。そういう場所からは企業内起業家は出てこない。

        そればかりか、そういう人々の安定・安全志向は、その企業の中にもいるもしれない企業内起業家の大きな壁となっているに違いない。

        イントラプルナーというのは、要するに、何か新しい事業を起こしたいだけのモノ好きな社員である。かれらはやむにやまれずイノベーションを起こし、突っ走る人間である。かれらのもたらす成果は会社全体に大きな利益をもたらす。

        しかしそうした人間は、とかくルールを無視したり、余計な仕事を増やしたりするので、大部分のサラリーマンにとっては迷惑な存在である。

        人とは違ったことをやりたがる、新しいことを好む、チャレンジしたがる人間というのは、本人たちがそう思っているほど、どこにでもいるものではない。かれらはごく少数派である。大多数の人々は、安定した仕事、決まった仕事、昨日までと同じ仕事、同じ約束事、同じ思考パターンを好むものである。

        「大企業の機構と官僚組織は、新しいのはなんでも拒絶する傾向をもっている。」
        (p254 第7章 スポンサー―新しいアイディアの後援者―をみつける)

        そのとおり。
        企業内起業家は、もの好きにも、誰からも命じられたわけでもないのに新たな仕事を作りだす。夢のようなことを言い始め、聞いたこともない奇怪な理屈をこね、奇妙な資料を出してきたり、説明のつかない出張をやりはじめる(特に最初の段階ではそうだ)。

        これが他の社員にはわからない。その動機が皆目見当がつかない。最終的に産み出されることになる新たな価値や利潤は、反対し、陰口をたたき、積極的にはなにも協力しなかった彼らをも潤すことになるのだが。

        この本が出版されて30年経つ。
        その間に、日本でもベンチャービジネスも、そう珍しいものではなくなった。
        会社での働き方が異なる日本でも、大企業病を克服し、イノベーションを起こしていくためには、本書の示唆する内容は非常に重要になってきているのではないか。
        (それだけに現在日本語訳が絶版となっているのが惜しまれる。)

        なお、本書は書かれた1985年は日本経済は絶好調で、米国は日本企業の大攻勢に苦しんでいた時代ある。
        あちこちにみられる日本企業へのリスペクトがほほえましい。
        こういう時代もあったのだ。

        企業内起業家の十誡

        01 毎日クビを覚悟で働くこと。

        02 自分の夢の実現を妨げる命令は、すべて回避して実行しないようにすること。

        03 自分のプロジェクト推進に必要な仕事は、職務規定に拘束されずにすべてやってしまうこと。

        04 協力者をつくること。

        05 協力者の選定にあたっては、自分の直観に頼り、もっとも優秀な人物とだけいっしょに仕事をすること。

        06 できるだけ長く地下活動に徹すること。活動が公けになれば、企業の拒絶反応を誘発することになるからだ。

        07 自分が直接関与できるプロジェクトのみ全力投球すること。

        08 失敗して許しを乞うほうが、プロジェクトのスタートの認可を請うよりたやすいものだということを心得ておくこと。

        09 あくまでも目標をめざすこと。ただし、目標に到達するためには、現実的な姿勢で臨むこと。

        10 社内の後援者を尊ぶこと。

        (p50 第1章 新しい企業内起業家精神)
        >> 続きを読む

        2017/09/29 by Raven

    • 1人が本棚登録しています
      学習漫画 世界の伝記 集英社版

      古城 武司

      集英社
      カテゴリー:球技
      5.0
      いいね!
      • 子供の頃、やんちゃだった。

        2016/01/19 by ムーリン

    • 2人が本棚登録しています
      学習漫画 世界の伝記 集英社版

      森 有子

      集英社
      カテゴリー:個人伝記
      5.0
      いいね!
      • 世界でいちばん有名なヒーロー的存在の伝記(救世主だしね)。
        とはいっても、キリストが実在したか、本当に奇跡を行ったかは定かではない。恐らくイエス・キリストにはモデルがいたんだろうが、それが神格化され、伝承として伝えられ、もはや彼は伝説、神話のような存在になったんだろうなと私は思う。

        キリストは神の子。人間の姿をしているけど、彼はいったい何者なんだろう。謎だ。考えるんじゃない、感じるんだ!って神父様が言ってた気がする。

        今もそうだけど、世界は不安と混乱と飢えに満ちている。
        こんな世界だからこそ、人々は彼のような救い主を必要としていた。だから救い主(キリスト)は救いを求める人々の前にあらわれ、光を示した。
        人間の根本的な愛と道徳は、とっくの昔から行われ、伝えられた。

        星空、天使、湖での洗礼、船に乗っての伝道、それらに対して厳かにキリストの後をついてくる人々、救い主ながらひそかに悲しみを抱えるキリスト、逆にキリストを迫害する人々、最後には磔にされたあと復活し天に登る。
        こうして読んでみるとかなり冒険的でドラマティックでロマンチック。こういう場面はいっぱいありすぎて全て書ききれないほどだ。

        絵柄もすっきりしていて綺麗。一見少年漫画っぽい絵柄だが、目の描き方やキリストやその弟子、悪魔たちが美形に描かれてるところが少女漫画っぽいと思った。やはり作画は女性の少女漫画家でした。
        それでも少年漫画らしい絵柄と少女漫画らしい絵柄が違和感なくマッチしていてクオリティが高い。

        描きたいことは他にもいっぱいあるが長くなりすぎそうなのでここまで。総評としてかなり良いです。読む価値大あり!
        >> 続きを読む

        2015/02/16 by Nanna

      • コメント 3件
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      学習漫画 世界の伝記 集英社版

      高瀬 直子

      集英社
      カテゴリー:音楽史、各国の音楽
      5.0
      いいね!
      • ああ、もうこの人は凄すぎる。天才だ!
        5歳ですでに作曲していることは知っている。他にも天才的なエピソードが書かれている。
        そんなモーツァルトを生かしたのは、才能を見出し理解してくれた父の力も強い。父も音楽家だったから、血は争えないんだな(笑)

        こういう伝記を読んで、つくづく親などの協力者の支えは大きいなあと思う。

        意外だったのは、有名な音楽家なのに貧乏なこと。
        こういう人たちってお金があるからこそ活躍できると思っていたけど違った。やはり芸術で食べていくのって不安定で難しいんだよね…

        それと、亡くなった際、ほとんど参列者なしで葬儀されたこと。しかも共同墓地に入れられたこと。
        有名な音楽家なのに、寂しい葬られ方をしたんだな…。
        幼い頃から大きく活躍し、35歳で亡くなる。彼の人生はとても短く濃かった。

        ちなみに好きなモーツァルトの曲は、「魔笛」の「娘かかわいい女房が一人」。
        >> 続きを読む

        2014/12/29 by Nanna

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      学習漫画 世界の伝記 集英社版

      宮田 淳一

      集英社
      カテゴリー:個人伝記
      5.0
      いいね!
      • 子ども向けの新渡戸稲造の生涯を紹介した漫画。

        要点をよくまとめてあって、なかなか面白かった。
        新渡戸稲造は名前は有名でもあんまり実際によく知っている人は必ずしも多くはないかもしれない。
        童心にかえって、素直に読んでみると、大人もためになるかもしれない。

        新渡戸のように、本当の意味の国際理解や国際平和に尽力する人は、これからも日本にますます必要だろう。

        にしても、ユネスコのそもそもの最初のもとは新渡戸がつくったのか~。
        本当にすごい人物だったんだなぁ。
        >> 続きを読む

        2014/02/04 by atsushi

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    • 1人が本棚登録しています
      ザ・グリンベレー 世界最強の男たち 世界最強の男たち (集英社文庫)

      柘植久慶

      集英社
      カテゴリー:陸軍
      3.0
      いいね!
      • 世界一名前の通った特殊部隊。その知られざる実態を経験者が語る。

        この作品は日本人では柘植氏にしか書けない。従って貴重で有る。

        柘植氏と言うと毎回触れることになってしまうが、元フランス外人部隊、またアメリカではグリーンベレーに所属したという本物で有る。

        その著者が語るグリーンベレー。
        ライターが取材したものをまとめたルポなどとは全く異なる真実の姿が有る。
        ただし関係者には書けないが、ライターなら暴くことが出来る真実が有ることも付け加えておく。

        まずその具体性の有る記述に驚く。
        機密ではないのか?と読み手が心配してしまうような用兵に関する決まり事なども予想以上に開示されている。

        作戦行動から外れた期間の過ごし方や、部下を喪った上長の遺族への対応など、特殊部隊としてのグリーンベレー以外の面も多く見ることが出来る。

        以前在籍していた会社では債権回収担当部署が有り、そこに配属された人が知らず知らず人相が悪くなると自分で嘆いていた。
        犯罪として追求されないとは言え、著者を含めた登場する隊員は、人間の生命を何度も奪うという経験を積んでいる。
        人相はどうでも良いのだが、精神的なダメージについては察するに余りある。

        ランボーは意外にリアルらしい。なるほど本物が言うと説得力が有る。
        >> 続きを読む

        2012/05/09 by ice

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    • 2人が本棚登録しています
      吉原御免状

      隆慶一郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 隆慶一郎の作品はほとんど読んでいるのですが、今回「吉原御免状」を「影武者徳川家康」に続いて、再読しました。圧倒的な読後の充実感に浸っています。

        肥後の山中で宮本武蔵に育てられた松永誠一郎は、武蔵の遺言に従って山をおり、江戸吉原の惣名主・庄司甚右衛門を訪ねます。ところが、明暦の大火で消失、浅草日本堤に誕生したばかりの新吉原には、裏柳生の刺客どもが身を潜め、甚右衛門はすでに他界。誠一郎を迎えたのは吉原に隠然たる勢力を持つ謎の老人幻斎であった。

        徳川家康が甚右衛門に与えた「神君御免状」の謎とは何なのか? 裏柳生との死闘の中で、幻斎は、実は自分が死んだはずの庄司甚右衛門であり、吉原が単なる遊郭ではなく、傀儡子たちによって作られた自由と平等の砦「公界」であることを誠一郎に明かすのです。

        しかし、吉原と裏柳生の対決の時は、刻一刻と迫りつつあった----。

        隆慶一郎のデビュー作であるこの作品は、類まれな物語性と最新の歴史研究を根底に据えた、"知的ダイナミズム"に裏打ちされた傑作だと思います。

        そのテーマとは、ひと言で言えば、歴史の中に秘められた壮大なユートピア物語の構想であり、そして、それを可能にしたのが、隆慶一郎の作品にたびたび登場する「道々の輩」「公界の者」たちの発見です。

        歴史学者の網野善彦は、その画期的な中世研究の中で、そうした様々な職業についた特殊集団が、天皇や神仏に帰属することで全国を自由に放浪する特権を得ていたこと、さらに彼らが、公界と称するユートピアのネットワークを形成していたことを明らかにしました。

        しかし、あらゆる権力に屈しない彼らは、天下を狙う武将にとってはまさに目の上の瘤だったのです。

        中世には数多く存在したのですが、戦国期を経て、徳川家康亡き後の徳川政権下で次第に不当な差別を加えられ、遂には歴史の表舞台から追いやられてしまうのです。

        だが、彼らをもう一度、歴史の表舞台に立たせてみたらどうなるか? -------。

        隆慶一郎の作品のテーマは、こうした放浪の自由民の末裔と歴史上の有名無名のヒーローが展開してきた、人が人であることの"誇りと尊厳"を守るための闘いを描くことにあったのだと、確信を持ってそう思います。

        そして、この作品の主人公の松永誠一郎にも、作者は自身の作品を貫く雄大な構想にふさわしい、尋常一様ではない設定を施しているのです。それは、すなわち、新たな江戸神話における「荒らぶる神」としての役割です。

        ただし、ここで間違えてはならないのは、松永誠一郎が神であるのは、作中で明らかにされる彼の出生の秘密、すなわち、後水尾天皇の皇子であるからではないということです。

        作者が旧弊な"皇国史観"に与するつもりがないのは明らかで、その答えは、本来、侵されざるべき存在であった松永誠一郎が、禁裏を抑えようとする幕府の走狗となった裏柳生により暗殺を画策され、無惨に踏みにじられ、差別され、そして放逐されねばならなかったという出生の悲惨さにあるといってもいいと思います。

        しかし、その悲惨さゆえに、私は、"一つの真実"を見出すことができたのです。

        踏みにじられ、ゆえなき差別を受けた者たちにこそ、"真の聖性"が宿るというあの逆説的な真実を-------。

        松永誠一郎は、虐げられた者の"怒りと哀しみ"を知っているのだと思います。だからこそ、彼は神であり、そして許さないのです。人間の"自由と誇り"を奪おうとする者たちを-------。

        隆慶一郎は、この作品に続いて「かくれさと苦界行」を発表し、一時停滞していた"伝奇小説"は、彼の登場により再び"物語性の復権"の狼煙を上げるのです。
        >> 続きを読む

        2017/09/19 by dreamer

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      「明治」という国家

      司馬 遼太郎

      5.0
      いいね!

      • 明治とは、透きとおった格調の高い精神で支えられたリアリズムの時代である、と著者の司馬遼太郎はまず言います。

        「はじめて出会った外国人に説明するような気持」で語る司馬さんは、その対極として、イデオロギーで充満した昭和の二十年までの日本を見て、別国の感があると洩らします。

        明治という国家は、徳川の世と体制の在り方では画然たる一線を引いて屹立していますが、その草創期においては、いわば江戸人である人物たちの遺産を引き継いでいたのだと思います。

        すなわち、幕府改造の設計者たる小栗忠順、解体の設計者たる勝海舟、新しい国家に文明という普遍的な要素を注入する設計者たる福沢諭吉。

        さらに、維新回天の原動力となった坂本龍馬、幕藩体制を無私の心根で郡県制に移行させていった西郷隆盛、大久保利通らの薩摩人たち。

        明治維新とは、こうして国民国家の創出を目的としたものであったことを、司馬さんは語っていくのです。

        一セントの外貨の手持ちもなく、新国家の青写真もなく始まった明治国家は、その最初の10年間で軍隊から教育までの基礎を作り上げてしまうのです。

        奇跡とも言えるこの国家の創造を、司馬さんは「人類文明のなかでにわかにできた国の物語」として語り、世界史的な位置づけの中で明治国家の特異性と質の高さを讃えるのです。

        この作品は、希代の歴史の語り部が構築した、超一級の日本人論になっていると思います。


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        2018/03/10 by dreamer

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      ウィスパーズ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)

      ディーン R.クーンツ

      4.0
      いいね!

      • 私の大好きな作家のひとり、ディーン・R・クーンツの「ウィスパーズ」(上・下巻)を読了。

        この作品は、彼の作品を愛読している者からすると、彼の転機になった作品だと思う。

        ヒロインを追いまわす怪物は、多重人格のサイコ男。この男はどちらかと言えばホラー系のキャラクターで登場してくる。彼の狙うのは、たった一人の女だ。たった一人の女を何回も殺す。

        相手が何度殺しても、生き返ってくると信じ込んでいる。その内面は怪物そのものだ。ヒロインの狙われる理由も、彼女が怪物の頭の中では、第何十番目かの「たった一人の女」と認知されているからだ。

        そして彼は、物語の折り返し点で、一度死んで生き返ってくるという、とびきりの離れ業をやってのける-------。

        このように、この物語はホラー風に進行していくが、作者のクーンツは、サイコ・ミステリのバランス感覚も巧妙に取り入れていると思う。追う者と追われる者の中間に、捜査側の刑事を置く。刑事とヒロインの間に淡い感情が交差するのも、定石通りで救いになっている。

        怪物の造型が興味本位から免れているのは、彼の抱いたトラウマを、作者がいくらか共有していたからだろうと思う。この作品は、作者の美点を多く備え、かつクーンツのみが書き得る世界を全面に押し出すことに成功していると思う。


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        2018/03/19 by dreamer

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      河出世界文学全集 (18) ブッデンブローグ家の人々

      トーマス・マン

      5.0
      いいね!
      •  文学全集の重みは本そのものの厚さとはかぎらない。作品の彫琢に捧げられた著者の熱情や、その作品を読み継いできた読書子の悦び、並べるといっそう立派にみえる装丁、これらも文学全集を持ち重りのするものにしている。
         ぼくのお気に入りは河出世界文学全集。とはいっても、昔も今もそれほど読むことはなく、抜き取ったり元の場所へ戻したりをくり返すあいだに、脇の下の腰のあたりで全集の一冊を抱え、肩で風を切って館内をぐるりと巡った。そして気になる子をみつけたら、オランダはロッテルダムに現存する、聖ローレンス教会の庭のエラスムス像のように、研ぎ澄まされた目顔をしてゆったりとページを繰ったものである。その試みが空振りに終わったあとの手元の重さも知らずに。
         
         ところで、世の中がノーベル賞で賑わっているので、その時勢をかんがみてトーマス・マンの「ブッデンブローク家の人びと」をレヴューします。最近になって、世界文学に欠かせない大作を一か月毎に読みつづけており、九月はマンのこの小説だったわけ。ちなみに、今月はメルヴィルの「白鯨」。
         単刀直入にいうと、この「ブッデンブローク家の人びと」はとてもおもしろいです。今までレヴューしてきた小説のなかでも別格といってもよく、はじめは一日一章ずつ、二度目は二、三章ずつ読みました。
         物語の概要は、マン自身の一族をモデルとした、初代当主のヨハン・ブッデンブロークから、二代目のヨハン(通称ジャン)、三代目のトーマスを経て、四代目のハノーに至る一家の没落の話。そして、一族の没落の象徴となるのはジャンの娘のアントーニエで、彼女が二度結婚に失敗することが物語の軸となる。
         登場人物が多いので若干読みにくいかもしれないが、アントーニエを時計の短針に見立て、当主の入れ代りを長針の旋回と考えれば、人物の整理もしやすいし、人物の描き分けと出し入れの上手さが一目瞭然になる。19世紀ドイツの商家を舞台にした物語の成りゆきと、それを愉しんで読みすすめる時間の流れとの心地よい調和は、大型の本をめくる手応えと相まって、本と本を読む人との緊密な一体感を生む。この小説の魅力を一言でいうならこの一体感であり、あらゆる小説家は、この重厚なムードを演出するためにペンを執るのではないだろうか。
        >> 続きを読む

        2015/10/12 by 素頓狂

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      暗闇の囁き 長編本格推理

      綾辻行人

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 十年ぶりに烏裂野という土地に建つ別荘を訪れた、「悠木拓也」は、その土地で、「円城寺実矢・麻堵」兄弟と出会う。

        兄弟と仲良くなるにつれ、兄弟の口から「あっちゃん」という人物の名を何度も耳にする事になるが、一度としてその人物を見た事がない拓也は、不審に思っていた。

        ある日、兄弟の家庭教師である「滝川遥佳」から、ある依頼を受ける。
        それは遥佳の友人であり、兄弟の前任の家庭教師だった「朝倉かをり」が事故死について。

        事故内容は至って単純なものだったが、何故か彼女の長い黒髪が、切られていたという。

        遥佳と共に、この謎を調べる為に、拓也は円城寺家に関わっていく。
        すると、兄弟の親戚が次々と謎の死を遂げていった-。

        綾辻さんの「囁きシリーズ」、第二弾です。
        ホラー感は前作の方があり、話としても前作の方が特に面白かったです。

        しかし、ラストのワンシーンは、前作にはない不気味さがあり、とても印象に残りました。
        >> 続きを読む

        2018/12/29 by ゆずの

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      ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち

      リチャード・アダムズ , 神宮輝夫

      評論社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 『走れ!うさぎ 愛と自由とみんなのために』
        旧訳版の単行本の帯のコピーです。カッコいいです~。
        そして小説の中身も、とってもカッコいいお話しなんです。

        「たべることと生きのびることと生殖すること」だけを考えているうさぎの物語(作者談)
        しかしただ「生きる」ということがストレートにドラマなのだということを、この小説は教えてくれるでしょう。

        本作が文学として普遍的な人気を保っているのは、命の営みの本質を描いているからです。
        複雑な人間関係や屈折した心理や現実離れした意表を突く仕掛けがなくても、こんなにも豊かで魅力的な世界や登場人物(人じゃなくてウサギですけど)が息づいています。

        彼らの「文化」を知ることでうさぎになりきり、ヘイズルたちと冒険を共にし仲間になる誇らしさを感じ、愛と希望を感じつつ読書を終えることができる。この充実感。
        素晴らしい小説だと思います。

        ストーリーに関しては新訳版のレビューで触れたので、ここでは翻訳違いについて記しておきます

        神宮輝夫訳で評論社から1975年に初版。
        2006年に、同じ出版社、同じ訳者による「改訳新版」が刊行されました。

        読み始めてすぐ、印象が違うのがわかりました。
        新版はとても「軽く」できあがっています。

        言葉の使い方はもちろんですが、うさぎたちのセリフはより会話調に、状況説明は直感的なわかりやすさを意識していて、
        日本語として原文とかけ離れない程度に「意訳」した印象。
        もちろん旧訳で行っていた意訳を逆に原文に忠実に訂正している部分もあるようです。

        具体例 いきます。

        「ファイバー!おい ファイバー、おきろってば。
        ヘイズルだよ。危ないなぁ。 お、き、ろ!」

        「ファイバー!おい、ファイバー、ばかだな、目をさませよ!ぼくだよ、ヘイズルだよ。すぐやめないと、こっちがけがするよ。目をさませよ!」

        「とってもひどいことだ!――すごく恐ろしいことだ!
        近づいてくる。ぐんぐんやって来る」

        「なにかとても悪いことだ!おそろしいことがーーぐんぐん近づいてくる。」

        どちらが新でどちらが旧かは言わなくてもわかりますよね。

        各章に題辞といわれる引用文が掲げられていますが、それもオリジナルの版から削除された文もありました。
        単語の簡略化も行われています、小難しい言葉を今風に。たとえば「支離滅裂」を「めちゃくちゃ」といった直感的な表現に直しています。

        初めは軽々しい?と思った新訳も物語の骨太な魅力には少々のことばの違いなんて気にならなくなりました。
        結論はどちらの版を読まれてもこの小説の良さは変わりません。ということです。
        図書館もしくは古本屋でこの小説に出会う方は旧訳を手にすることもあるでしょう。特に文庫は旧訳でしか出ていないのでは?
        一人でも多くの方に読んでいただきたい名作です。
        ぜひヘイズルやビグウィグに出会って欲しいと思います。
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        2017/02/13 by 月うさぎ

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      ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち

      リチャード・アダムズ , 神宮輝夫

      評論社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • ウォーターシップ・ダウンのうさぎのみなさんご紹介♡

        【ヘイズル】
        いかにも陽気ですばしっこそうな若い一年子。
        災厄の到来を予言する弟ファイバーの言葉を信じ、仲間を集めて故郷の村サンドルフォードを脱出する。
        思いやりがあり責任感も強く、誰からも好かれる性格
        行動力と判断力に信頼を置かれ長うさぎへと成長する。

        【ファイバー】(うさぎ語名:フライルー/フレア・ルー)
        預言者。サンドルフォードを襲う大災厄を予感し、村を捨てることを主張する。
        神経質で見た目はひ弱だが、意志は強くヘイズルが一目置く存在。
        *あだ名のファイバーは5つ子の末っ子の意味「フライルー(フレア・ルー)」も「小さなたくさん」の意味

        【ビグウィグ】(うさぎ語名:スライリ)
        サンドルフォードの元上士(幹部)(アウスラ)
        身体が丈夫で力強く勇敢で最高に頼りになる戦士。
        心があたたかく情に厚い愛すべきうさぎ。
        ヘイズルとファイバーを村長に謁見させたことで叱責を受け村を出ていくことを決めるなど短気で単純な面も見せる。
        *うさぎ語名「スライリ」の意味は毛皮頭又は大かつら
         普通うさぎの名は植物名だが、頭のてっぺんの毛がぶ厚く帽子をかぶっているように見えることから命名された
          
        【シルバー】
        スリアラーの甥で有能なうさぎ。元アウスラ。もの静かで穏やかで率直。
        名前は灰色に白斑の変わった毛並みによる。ビグウィグに誘われて仲間になる。

        【ダンディライアン】
        語り部。うさぎの神話的伝説物語を語らせたらピカ一。一番の俊足

        【ブラックベリ】
        ヘイズルの友人で耳の先が黒いうさぎ。最も賢い。
        群の命運を握る作戦の立案などを担い、多くの局面でヘイズルを支える。
        彼のアイディアがなかったら困難を乗り越えることはできなかっただろう

        【ピプキン】 (うさぎ語名:フラオ・ルー)
        体も小さく臆病だが、ヘイズルに捧げる忠心は強く決して揺るがない

        【バックソーン】
        ブラックベリの連れ。力が強いたくましい雄うさぎ。
        おだやかで率直な信頼できる性格。次期アウスラ候補とされていた。

        【ホークビット】ダンディライアンの連れ。いささかのろく頭が悪い。
        【スピードウェルとエイコン】 ブラックベリの連れ。弱々しい6カ月子

        【ホリー】
        アウスラの頭。忠実で良識的。うさぎらしい茶目っ気にはやや乏しい。
        サンドルフォードを出立する夜、謀反の罪でビグウィグとシルバーを逮捕しようとするが失敗。後に一行に合流

        【ブルーベル】 
        ホリーの部下。ホリーと共に一行に合流する。冗談口をたたく道化師的存在。

        【ストローベリー】
        カウスリップの村に住む若く体格の良い上品な雄。
        愛妻ニルドロ=ハインを失い仲間に加わる。

        【クローバー】
        農場の飼いうさぎ(黒のアンゴラ種)だったが、ヘイズルに連れられて脱出。
        勇気のある牝で、ウォーターシップ・ダウンでの初めての母親になる

        【ボックスウッド】 農場の飼いうさぎ。白黒斑のヒマラヤ種の雄
        【ヘイスタック】 ヒマラヤ種の牝。ボックスウッドの妻

        【キハール】 ユリカモメ。
        翼を傷めたところをヘイズルに助けられ、ビグウィグと特に仲良しになる
        渡りの時機を逸したため、ヘイズルたちの冒険を手助けすることになる。

        (サンドルフォード:ヘイズルたちの生まれ故郷)
        【スリアラー】サンドルフォードの長。冷静で思慮深く、群れの尊崇を集める年寄りうさぎ。村のためと判断すれば冷酷な手段も取る。
        【トードフラックス】 威圧的態度をとるアウスラ

        (カウスリップの村)
        【カウスリップ】 ヘイズル達を自らの村へ招待する
        【シルバーウィード】カウスリップの村の詩人

        (ナットハンガー農場:飼いうさぎ4羽が飼育されていた農場。犬(レトリバー種)や猫などがいる。ルーシーという少女が暮らしている)

        (エフラファ)
        【ウーンドウォート将軍】(新訳ではウンドワート)
        エフラファの長ウサギ。巨大で勇猛。エリル(外敵)と渡り合える戦闘力を持つ。
        長老会とアウスラ軍団を組織し、独裁的で強力な支配体制を敷く。

        【キャンピオン隊長】
        経験を積んだ勇敢な上級士官。優れた追跡者で「大哨戒」を率いる。

        【ブラッカバー 】
         逃亡を失敗し囚人となり、虐待を受け瀕死状態だったが、ビグウィグが救出し快復。

        【ハイゼンスレイ 】:名前の意味は「光る露の毛」
         エフラファの体制に批判的な牝。若干予知能力がある。
        【セスシナング】 :名前の意味は「木の葉の動き」
         ハイゼンスレイと共にエフラファから逃亡するめすたちを率いる
        【ビルスリル】
         エフラファから逃亡。後にファイバーの妻、よき理解者となる
        【ネルシルタ】
        元気だが思慮が足りない若い牝。口が軽く挑戦的な言動をし脱出前に逮捕される。


        動物たちはそれぞれ自分の種族の言葉を持っています。この物語のうさぎたちはもちろんうさぎ語を話しています。

        ♡うさぎ語をご紹介♡
        フリス Frith 太陽。フリスさまは、うさぎにとっての創造神
        インレ Inle  月
         *うさぎには正確な時間の観念がないため時刻の目安は「ニ=フリス」正午、「フ=インレ」は月の出の後 となる

        エリル elil  敵
        猫、いたち、きつねなどの肉食獣や人間など、うさぎにとっての敵。
        ホンバ=キツネ

        フルドド hrududu 
        自動車やトラクターなど地上を走る人間の乗り物全般を指す。

        シルフレイ silflay
        巣穴の外にでて食事を取ること。フレイは、草など緑の餌のこと。

        サーン tharn
        大きなショックや恐怖から、麻痺・自失状態に陥ること。
        サーン状態のうさぎは身を守ることもできず、非常に危険な状況に陥る。

        アウスラ(上士) owsla 
        群れ(村)における幹部階級。
        村を守る戦士階級であることが多いが、優れた語り部や特別な能力を持つうさぎがアウスラになることもある。

        フレア hrair たくさん
        フレッシル hlessi, hlessil (複数形) 群れを離れて放浪する雄のはぐれうさぎ。

        *うさぎ語とは別に、別種間で意思疎通するためのごく簡単な「生け垣共通語」があります。

        さあ。これで準備は万端!うさぎの世界へ いざ参らん!
        『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』は最高の冒険小説ですよ!
        読まなきゃ損です!


        【トリビア】
        ガンダムシリーズのアイテムや用語にはこの「ウォーターシップダウンのウサギたち」のうさぎの名やこれらうさぎ語からの借用が多々あるそうだ。

        ※本文の他wikipediaも参照し一部抜粋しています。
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        2017/02/21 by 月うさぎ

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      夢のつづき (花とゆめCOMICS)

      清水 玲子

      3.0
      いいね!
      • 再読

        S63「夢のつづき」ロック歌手のマーティとお金持ちのアイリ
        S63「8月の長い夜」
        なりすまし成瀬くんと、紀久子 学校の図書室の地下の実験室
        S63「ロボット考〈擬態〉」ジャックとエレナ
        >> 続きを読む

        2016/10/02 by ゆ♪うこ

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      おもいだしてくださいあの子どもたちを

      おびただす , AbellsChana Byers

      ほるぷ出版
      カテゴリー:ドイツ、中欧
      5.0
      いいね!
      • ナチスによる迫害の時代のユダヤ人の子どもたちの、当時の写真を集めて、文章をつけて写真絵本にした一冊。

        心に突き刺さる一冊だった。

        かつては笑顔だった子どもたち。

        ナチスの台頭により、家を追い出され、迫害されていく。

        しかし、そのような時代においても、ユダヤ人の子どもたちが乏しい食べ物を他の人と分け合ったり、行き倒れになっている人を介抱しようとしたり、お年寄りをいたわっている写真があって、そのことにとても胸を打たれた。

        これらの写真は、たまたま写真として残ったから後世に記録されたけれど、もっとなんの記録にもとどめられなかったそのようなことがたくさんあったのだろう。

        どうしてこのような普通の、そして良い子どもたちがこのような目にあわなくてはならなかったのか。

        そのことを思うと、なんとも心が痛むが、そうであればこそ、この子どもたちを忘れてはならず、思い出さなくてはならないのだろう。

        貴重な写真を数々載せた、貴重な一冊だと思う。
        >> 続きを読む

        2013/05/01 by atsushi

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      大きな枝が折れる時 (扶桑社ミステリー)

      ジョナサン ケラーマン

      4.0
      いいね!
      • 33歳にして引退した小児専門臨床心理医・アレックス・デラウェア。

        悠々自適な生活を送る彼のもとに、ウェスト・ロスアンジェルス署のマイロ刑事がやって来る。

        ロスアンジェルス郊外の高級アパートで、精神科医とその彼女が、惨殺されるという事件があったのですが、犯人らしき姿を目撃したはずの少女が怯え切ってしまい、何も証言できない状態だというのです。

        渋るアレックスに、マイロは「言葉の専門家」として、少女に話し掛けてやって欲しいと依頼。
        そしてアレックスの調査が始まります。

        この作品のテーマは「幼児虐待」。
        題材としては、これ以上ないほど重いのですが、しかし、とても読みやすいので驚きました。

        専門知識の説明もとても分かりやすく、しかも、くどくないのです。
        著者のジョナサン・ケラーマン自身が、実際に臨床心理医として仕事をしていると聞いて納得しました。
        薬に関する考察や、患者と向き合う場面には、説得力があります。

        主人公であるアレックスは、若くてハンサム、お金持ち。そして医者。
        優秀すぎて、若くして燃え尽きてしまったようなのですが、エンタメ小説として、これ以上ないほどの設定なんですね。

        非の打ち所がなさすぎるのが、逆に欠点かもしれませんね。
        しかし、なんとも良い人で、自分の命が危ない状態でも、きっちりと推理しています。

        相手の心をすばやく正確に読み取るのも、精神科医としての経験の深さによるものなのですね。
        下手な探偵よりも、余程凄い名探偵ぶりなのです。

        アレックスを取り巻く脇役たちも個性派揃いで、今後の展開がとても楽しみです。

        >> 続きを読む

        2021/07/09 by dreamer

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