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1989年10月発行の書籍

人気の作品

      宮本武蔵

      吉川英治

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 吉川英治さんの著作を読むのは20数年ぶり。「剣豪」で有名な宮本武蔵がどのような一生を過ごしたのか興味を持ったのが選択理由。1巻目は世間知らずだった武蔵が関ヶ原の戦いを経て郷里に帰り、騒ぎを起こして沢庵和尚と知り合い、罰として3年間の幽閉を経て人間的に成長し、全国へ武者修行へ出る話の流れ。読み始めなので具体的な感想はない。ただ、3年間ひたすらあらゆる本を読んで人間的に成長するという点では「人間」武蔵の資質は良い物があったのだなと感嘆した。こうなると次の巻も読みたいが、本で読むか青空文庫で読むかは考え中。
        >> 続きを読む

        2017/01/16 by おにけん

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      秋の舞姫

      谷口 ジロー関川 夏央

      双葉社
      5.0
      いいね!
      • こういう漫画初めて読みました
        なんと丁寧な
        素晴らしい著作だと思います

        2015/08/11 by dora

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      うさぎのくれたバレエシュ-ズ

      南塚直子 , 安房直子

      小峰書店
      カテゴリー:芸術、美術
      4.5
      いいね!
      • ふんわり柔らかな世界が広がる美しくあたたかな絵本です。
        おどりの大好きな女の子がいつも願っているのは
        「どうかおどりがじょうずになりますように」でした。
        ある朝、不思議な小包が届き、その中にはさくらいろしたバレエシューズとお手紙が。

        バレエシューズといえば「赤い靴」を思い浮かべますが、このお話しはファンタジーで
        決してあんなにコワイお話しではないのでご安心を。

        魔法使いも森の小人も妖精も天使も出てこないところが日本的でいいです。

        西洋のバレエと日本の伝統意匠であるうさぎと桜のモチーフが
        独特の夢幻の世界を描き出します。

        女の子向けという絵本になってしまうかと思いますが、
        絵の世界はこどもにも大人にも共感できる美しさだと思います。

        風になり蝶になりさくらの花びらになる。
        そんなふうに踊れるならば、きっと至福の体験でしょう。

        そしてあなたも踊ってみたくなることでしょう。
        できることなら、うさぎのバレエ団と一緒にね。
        >> 続きを読む

        2014/01/22 by 月うさぎ

      • コメント 10件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      ノンタンはみがきはーみー

      大友幸子

      偕成社
      4.0
      いいね!
      • 1歳10ヶ月ごろ?自分で選んできて特に気に入って読んだ本。「はーみー」という擬音がお気に入り。 >> 続きを読む

        2015/02/12 by ぶぶか

      • コメント 2件
    • 6人が本棚登録しています
      信長・イノチガケ

      坂口安吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!

      • 織田信長を描いた小説としては、津本陽の「下天は夢か」や遠藤周作の「反逆」などが好きな作品ですが、今回読了したのは、意外にも「堕落論」などで太宰治と並んで無頼派作家として有名な坂口安吾の「信長」です。

        この作品を読んでみて思ったのは、これこそ無数に書かれている"信長小説"の原点というか、ほとんど源流ではないのかということです。

        これほど颯爽たる、これほど魅力に富む、そして、これほど痛快無類の信長像を描いたものは、他にないのではないかと思う。

        多くの小説が、今川義元との桶狭間の戦い以降の信長を描いているんですね。
        だが、この作品は違います。

        二十七歳、桶狭間の戦いの勝利に至るまでを描いているんですね。
        すなわち、一人のバカ息子、悪ガキが、一個の信長という天才として出現するまでを描き出すんですね。

        恐らく、全身これ哲学精神に満ちた作家、坂口安吾の眼が至るところで光っていると思う。

        安吾は多分、この作品で、桶狭間、比叡山の焼き討ち、長篠の合戦、そんなものの原型は、すべて信長二十二歳前後の悪戦苦闘にある。
        彼は自分一人しか当てにしなかった。そして勝った。
        その根底にあるもの、いわば若者における生の全身的な怒りという物の正体をよく視てくれと言いたかったのかもしれません。

        スタンダールが、ナポレオンの戦争の方法を、ナポリの街角で一人の紳士を襲う二人の強盗に比しています。
        三十分後に十人の警官が、駆けつけたところで何になるのかと。
        実に面白い。これこそ、まさしく作家的な眼の一突きだと思いますね。

        坂口安吾が、信長に見たのは、強盗の論理ではなく、「ケンカの原理」なんですね。
        このことを安吾は、「信長のようにケンカ早くて、少年期にそれに身を入れた人間は、ケンカの原理で人生の原理をも会得しうるのであった」と書いているんですね。

        いつも絶体絶命の状況からケンカの原理によって、起ち上ってくる信長。
        その姿を痛快に描いていて、この作品は戦後文学には稀な、一人の若者が決然と行動するところ、その英姿を描いて、溢れるような"生の香り"が匂い立つ作品になっていると思う。

        >> 続きを読む

        2018/05/09 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      宮本武蔵

      吉川英治

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 武蔵は宝蔵院・小柳生の里来訪、その後伊勢へ。佐々木小次郎の登場、武蔵が吉岡道場への決闘を申し込む話の流れ。佐々木小次郎の登場の仕方が粋です。武蔵の武者修行はまだまだ続く。武蔵が色々な事を考え、剣術家として人間としてどのように成長していくのか?。当時の世相がよくわかる文章で、読んでいて非常に面白い。次巻も続けて読んでいきたいと思う。
        >> 続きを読む

        2017/01/24 by おにけん

      • コメント 2件
    • 5人が本棚登録しています
      宮本武蔵

      吉川英治

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • メインは剣豪宮本武蔵の武者修行の話だが、戦いだけではなく茶人本阿弥光悦親子の出会いなど、後の宮本武蔵の人格形成に不可欠な出会いの描写もあり、このシリーズが「人間宮本武蔵」をクローズアップしている物だなと感じることができました。逆に「剣と剣の戦い」という描写があまりに少ないのでその辺に期待すると面白くないかもしれないと3冊読んで思いました。お通さんは中々武蔵に会えず可哀想な気もしますがいつか出会えるのかな。その辺も含めてどんどん読んでいきたいと思います。
        >> 続きを読む

        2017/02/07 by おにけん

    • 6人が本棚登録しています
      鳥の歌〈下〉 (集英社文庫)

      五木 寛之

      2.0
      いいね!
      • 展開があまりなくてちょっと飽きた。

        2016/02/08 by ryokun

    • 1人が本棚登録しています
      優駿

      宮本輝

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!

      • 宮本輝の代表作の一篇「優駿」(上・下巻)を読了。

        ともかく清々しくて、いい小説を読んだなという感慨に満たされました。
        小説の醍醐味が詰まっていると言ってもいいと思う。
        競馬にあまり詳しくない私でさえ、無我夢中になってページを繰ったほどだ。

        北海道の小さな牧場トカイファームに仔馬が誕生することから、この物語は始まります。

        牧場を営む父・千造と息子・博正、そして馬主の平八郎と娘・久美子、平八郎の秘書・多田、騎手の奈良、その他さまざまな人間が絡み合い、スペイン語で「祈り」の意味をもつ、名馬オラシオンに夢が託されてゆく。

        なかでも、青年・博正と腎臓移植しか生きる道のない平八郎の息子・誠の祈りは、純度が高く、光輝を放っている。

        人を惹きつけてやまないオラシオンを取り巻くように、登場人物たちは試練を経て、それぞれの夢を摑もうとする。

        人生を再生し、前進させていこうとする人間の祈りが乗り移ったように疾駆する名馬は、迫力あるレースを展開し、その描写はまさに圧巻だ。

        >> 続きを読む

        2019/04/15 by dreamer

    • 15人が本棚登録しています
      新・歴史をさわがせた女たち

      永井路子

      文藝春秋
      カテゴリー:日本
      4.0
      いいね!
      • 所謂「江島生島事件」のヒロインである、江戸城大奥の美女・江島についての内容が面白い。この事件は、7代将軍家継の生母月光院と前将軍家宣の正室天英院を中心とする勢力との勢力争いの犠牲になったという、つまり、天英院は家宣・家継の元で正徳の治を断行、幕政を牛耳っていた白石・詮房を追い落とすため、譜代大名(関ヶ原の戦い以前からの徳川氏の家臣)や5代将軍綱吉時代からの老中達とこの事件を画策したという説があります。
        その他、天智天皇とその弟の天武天皇と両天皇の妃となった、万葉集の女流歌人第一人者という才能と美貌(所謂才色兼備で反面「世間を騒がせた」)額田王(ぬかたのおおきみ)の話しも面白いです。
        >> 続きを読む

        2011/07/23 by toshi

    • 1人が本棚登録しています
      河出世界文学全集

      手塚富雄 , 高橋健二 , ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

      河出書房新社
      カテゴリー:叢書、全集、選集
      4.0
      いいね!
      • ゲーテの「ファウスト」「若いウェルテルの悩み(若きウェルテルの悩み)」「ヘルマンとドロテーア」の3作品と概要、年表、解説が載った作品。

        私が今のところ読んだのは「若いウェルテルの悩み」だけである。そしてこの作品は先に読んだゲーテの「親和力」とよく似ている。もっと単純化されたもののようだ。

        自由な精神が人生の喜びを与えてくれる。恋愛はその中でも強いもので、若者は恋するだけで世界が一変してしまうが、人生を上手に運ぶには喜びだのなんだのは関係なく、生活に秩序を持たせる事が必要だ。
        しかし、世界を変えてしまうほどの人生の喜びはその他一切、人生すらも大事ではないものに変えてしまう。

        私たちは、人生はバランスをとるべきと正論を振りかざしてしまうがそんな人間にはもう人生の究極の喜びを味わうことはできないのかもしれない。


        人が間違った行いをするのは考え足らずや間違った考え、感情を持っていたからではない。
        その行いを正しいものと考えていたからなのだろう。

        >> 続きを読む

        2016/04/06 by ryochan333

    • 1人が本棚登録しています
      パブロ・カザルス 鳥の歌
      4.0
      いいね!
      • 【楽しんで読めるマエストロのたくさんの言葉たち】
         タイトルの『鳥の歌』は、偉大なるチェリスト、パブロ・カザルスがコンサートの締めくくりに弾くカタロニアの祝歌です。
         本作は、カザルスの一代記ではあるのですが、よくある自伝、評伝の形はとらず、様々なテーマに則して、カザルスの言葉、周囲の者の言葉、ちょっとしたエピソードなどを収録しています。
         ですから、短い時間ですんなりと読み切ってしまえると思いますし、大変読みやすく構成されています。

         テーマは、『コンサート』、『演奏と緊張』、『チェロ』、『オーケストラ』、『バッハ』などなど、カザルスにちなんだものになっており、カザルスの人となりをよく表しているものが選ばれています。

         カザルスが音楽を愛し、いかに真剣に取り組んでいたかということは、それはもうよく伝わってきますし、戦争や政治に対しても一本芯の通った態度を取り続けていたこともよく分かります。

         でも、そういう堅苦しい(?)話ばかりではないんです。
         ちょっと意外と思うものもありました。
         たとえば、カザルスは、ロックなどのポピュラー音楽にはあまり理解を示さなかったようです。
         ロックを評して、「音に注ぎ込まれた毒」とまで言っています。
         また、ピカソの作品についてもまったく否定的で、天才は天才を識るというわけにはいかないこともあるんだということを再認識させられます(ピカソの絵に対して「鼻が5つもついているなんて!」なんていうことを言っています)。

         あるいはまた、まるでジョークのようなエピソードや言葉も収録されており、カザルスは結構茶目っ気もあったんじゃないかなと思わせます。
         たとえば、カザルスは愛煙家としても知られており、パイプを手放すことは無かったようなのですが、これに迷惑した周囲の者たちもいたようで、「一体どれだけたばこを吸うのですか?」と尋ねたところ、カザルスは「吸えるだけ」としれっと答えたのだとか。

         はたまた、カザルスは81歳の時、20歳のマルタと結婚するのですが、その際、医師から「(この結婚は)生死にかかわることになるかもしれませんよ」と忠告されたのだそうです(この忠告もすごいもんだと思いますけれどね)。
         カザルスは、しばらく思案した後、「私はこう思うのですが、彼女が死ぬのであれば、いずれは死ぬのでしょう。」と答えたのだとか。
         いやいや、カザルスさん、マルタの方じゃなくって……(笑)。

         私は、カザルスによるバッハの無伴奏チェロ組曲が大好きなのですが、カザルスがあの曲の古い楽譜を楽譜店で発掘し、当時は練習曲として書かれたこの曲を誰もコンサートなどで演奏しようとはしなかったのに、それを見事に甦らせたという例の有名なエピソードにまつわる言葉も収録されています。

         というわけで、大変気軽に楽しめる、上質のカザルス語録になっていると思います。


        読了時間メーター
        □□      楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
        >> 続きを読む

        2019/10/25 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      フロベールの鸚鵡

      BarnesJulian , 斎藤昌三

      白水社
      4.0
      いいね!
      • 本書著者のエッセイ『文士厨房に入る』が面白かったので、小説も読んでみました。分類としてはポストモダンになるらしいのですが、ポストモダンがどんなものなのかいまいちよくわからず…しかし従来の小説の構造とは違うなというのは感じました。かといって幻想怪奇系でもなく、内容は非常に現実的なのですが、小説としての構造がだいぶ違う感じです。こういう書き方もあるのか、と。最初は戸惑いましたが、演出として非常によかったので、好きです。かなりしっかり取材をして書く人らしく、これ小説なの?と最初は思いましたが、小説でした。

        フロベールは19世紀フランスの小説家ですが、私は『ボヴァリー夫人』しか読んでいません。でも『ボヴァリー夫人』だけでも読んでいてよかった。他のも読んでいたもう少し違う楽しみも感じられたかもしれません。元ネタの知識があるとより面白そうな。後出しになりますが、後日『紋切型辞典』は読むつもりです。

        フロベールの年表からはじまって、彼の足跡を訪ね、作家の姿に迫り、しかしこれはフィクションなのです。「純然たる実話」の章(少なくとも他の章は丹念な調査に基づいたフロベールに関する話題なのに、実話と称したこの章で小説っぽさを出してくるとは…!)が、かなりぐっときました。

        「僕は妻を愛していた、僕らは幸せだった、妻がいないのがつらい。」

        これまでぐだぐだと(失礼。)作家フロベールについて調べ、分析し、書いていたのはこのためだったのか、というのが、もう!その後の「試験問題」の章もそうですが、語り手の男性の状況をこういう風に描き出す方法があるのか、というのがいい意味でショックでした。やられた。


        そういえば少し勘違いしていたのですが、著者のジュリアン・バーンズ、御歳70なんだとか。まだ50か60かそこらだと思っていました。
        今年に入って『アーサーとジョージ』が刊行されましたが、wikiによれば、これは英国では2005年に刊行されたものですね。
        ちなみにブッカー賞を受賞したのは英国で2011年に刊行された『The Sense of an Ending』で、これは新潮クレストブックスで翌年に訳されていました。読まないと。『イングランド・イングランド』も面白そうです。
        ところでブッカー賞についてよく知らなかったので調べてみたのですが、これはその年に英国籍の著者により出版されたもっともすぐれた長編小説に与えられる、というものらしくて、作家ではなく作品に対して贈られるんですね。選考委員のバランスの良さに定評があるのだとか。へぇー。
        >> 続きを読む

        2016/04/17 by ワルツ

    • 1人が本棚登録しています
      Aクラス麻雀

      阿佐田哲也

      双葉社
      カテゴリー:射倖ゲーム
      3.0
      いいね!
      • 直木賞作家 阿佐田氏による麻雀の手解き。

        職業から得る達成感を知った今、麻雀で得られる刺激程度では満足できない自分に気付いた。

        ルールを知っている程度以上の読者を対象に、中の上程度の実力までいざなうことを目的としている。

        スジ、ワンチャンスなど、懐かしい言葉が耳に心地良く、各局面でどう対処するかという点は、臨場感に溢れ刺激的だった。

        ちょうどテレビでやっていたのだが、サラリーマンの三大趣味は、「ゴルフ」「カラオケ」「麻雀」らしい。

        しかし、その全ては会社組織内の人間関係をベースに実施されているのが主で、定年退職後にも続けられるような本当の趣味ではない場合が多いという。

        確かに学生時代にはアルバイト先の仲間で毎日のように卓を囲んでいたものの、それぞれ社会人となり、気がつけば年単位で開催の間が空くようになっている。

        人との交流に役立つという良い点に注目が集まっているが、一生の趣味とはなりにくいという側面も把握しておく必要が有る。

        攻めと守りのタイミングの見極めはビジネスシーンにも共通する。
        >> 続きを読む

        2012/06/14 by ice

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      英国王女を救え (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

      スチュアート ホワイト

      4.0
      いいね!

      • 1940年5月10日、ドイツ空軍機の大群は、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグの国境を越えて攻撃を開始し、不意打ちを食らったイギリス首相チェンバレンは辞任に追い込まれ、ウィンストン・チャーチルが首相に就任した。

        電撃的侵攻で英仏軍の防御線を突破したドイツ機甲師団の戦車群は、息もつかずカレー、ダンケルクの港に接近する。

        ドイツ軍がこの港を占領すれば、敗走するイギリス軍の海上の退路を断つことになる。
        イギリス軍及び連合軍は、絶望的な反撃を試みダンケルク前線を死守して、多数の兵員の脱出を図った。

        スチュアート・ホワイトの「英国王女を救え」は、ナチスの工作員ウーヴェ・アイルダースが英仏海峡を敗走するイギリス軍に紛れ込み、ロンドンに潜入するところから始まる。

        アイルダースの任務は、ジョージ六世の王女エリザベス(現女王エリザベス二世)とマーガレット姉妹を誘拐することだ。

        国家保安本部長官ラインハルト・ハイドリッヒが、イギリスに親独政権を出現させようとして企んだこの誘拐計画は、逆にイギリス国民の反独感情をかきたてるだけだと、国防軍諜報部長カナリス提督はヒトラーに提言する。

        ヒトラーもまたこの計画が、ドイツが最も恐れているアメリカの参戦を誘発するものだと、ハイドリッヒに中止することを命令する。

        もちろん、ハイドリッヒはすぐさま恐れ入るが、アイルダースは応じない。
        応援部隊が出動せず、誘拐が駄目なら暗殺があるさ。王女暗殺に成功すれば俺はドイツの英雄だ-----というのは建前で、本音は少年時代をロンドンの下町で過ごし、イギリスとイギリス人に対する屈辱と憎悪に凝り固まったこの狡智にして残忍、人を殺すことにエクスタシーを感じるサディストは、得意の絞殺具で次々と殺人を犯しながら、次第にバッキンガム宮殿内に忍び込んでいくのだった。

        イギリスとは和戦両様、思惑多々のヒトラーは、不倶戴天の敵とも言うべきチャーチルと秘密交渉。
        アイルダース逮捕のために、その素顔を知るカナリスの部下ウルリッヒ・フォン・デア・オステン大佐をロンドンに派遣する。

        なにせイギリスは敵国、ナチスではないと言っても通用すまい、首尾よくアイルダースを仕留めた後は、己もまた命はあるまいと覚悟しながらなおオステンをロンドンに赴かせたのは、かつて恋人の肉体も精神もズタズタに引き裂いたアイルダースへの憎悪と復讐の念。

        チャーチルの密命でそのオステンと組み、アイルダースを追うスコットランド・ヤードのハリー・ジョーンズ警視にあるのは、一人息子をノルウェー戦線の流血の中に奪ったナチス・ドイツへの憎悪。

        戦場で血を流しあっているだけではない、諜報活動の世界でも鎬を削りあってきた歴史を持つイギリスとドイツだ。
        勝つためには手段を選ばず、敵の痛手はわが名手、ここが急所とみれば汚いきれいは関係なし、王女二人を誘拐してイギリスを跪かせようという謀略計画があって不思議ではないどころか、著者のスチュアート・ホワイトが扉に引いているところでは[イギリスでは、王室の一員が誘拐されそうだという予想が---ちょうど〈小公女〉の運命についてヘイルシャム卿がことのほか心配したように---深刻に受け止められた。これは恐喝者にとって、この上もない励みになったことだろう]と言うのである。

        ならば、もしナチス・ドイツが王女二人の誘拐を計画し、工作員を潜入させていたらと歴史の"if"を設定して、大陸の戦乱でなだれ込み、民族のるつぼとなった混沌のロンドンで、三人の男の"憎悪"が絡まりあいながら、バッキンガム宮殿の「あわや!?」にもつれ込んでいくという物語は、ダンケルクでの敗戦当時のイギリスが唯一の同盟国といっていいアメリカの援助も期待できぬ孤立した状況を浮かび上がらせていて、興味が尽きない。

        >> 続きを読む

        2019/03/19 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      かいけつゾロリのゆうれいせん (5) (かいけつゾロリシリーズ  ポプラ社の新・小さな童話)

      原 ゆたか

      4.3
      いいね!
      • ゾロリが、船を作って乗ってきたアーサと、姫をいじめる。

        2016/10/27 by ムーリン

    • 4人が本棚登録しています
      きてます 超魔術入門

      Mr.マリック

      ソニー・マガジンズ
      カテゴリー:超心理学、心霊研究
      5.0
      いいね!
      • サングラス忘れて表紙に登場。

        オーラを演出するのにサングラスは有効なことを痛感させられる。

        タイトルもド直球で潔い!!
        >> 続きを読む

        2013/09/18 by コネタン

      • コメント 7件
    • 1人が本棚登録しています
      ぶたのたね

      佐々木マキ

      絵本館
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 大人のための絵本もたくさんあるけど、これはドストレートに子供のための本。

        シンプルすぎて、いかにも子供が喜びそうなストーリーがとってもいい!

        ブタをつかまえて食べたいオオカミ。
        なかなかブタを捕まえられずにあれこれ企むが…
        オオカミはブタを捕まえられるのか!?

        強くて邪悪(?)に描かれがちなオオカミのおっちょこちょいぶりがマヌケで面白い♪

        私は本屋で立ち読みしたけど、今度友達の子供に読み聞かせしてみたいなぁ♪
        >> 続きを読む

        2014/03/15 by sunflower

      • コメント 5件
    • 4人が本棚登録しています

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