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1990年11月発行の書籍

人気の作品

      あのね、サンタの国ではね… サンタクロ-スの1年のくらし

      一色恭子 , 黒井健 , 嘉納純子 , 松本智年

      偕成社
      4.5
      いいね!
      • きたのはてのうつくしいもりで暮らしているサンタ達のお話。

        毎月サンタがどんな風に過ごしているかがわかります!

        3月
        おもちゃのみがなる畑にみずやりをするそうです

        8月
        サンタにもちゃんと夏休みがあるようです

        この時期親子で読むのにすごくオススメです(^_-)
        >> 続きを読む

        2015/12/04 by fraiseyui

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      小さい牛追い

      HamsunMarie , 石井桃子

      岩波書店
      4.0
      いいね!
      • 読んだ後に、幸せな気持ちにさせてくれる本です。

        ノルウェーの、農場の、四人の兄弟姉妹のお話です。
        日々の出来事、子どもたちの遊びやケンカや、ちょっとした冒険が、描かれています。

        それから、ノルウェーの自然が豊かに描かれていて、すぐそこに、青々とした牧草地がひろがるよう。

        遠い国の話ですが、家族のあたたかさ、が、すぐそばに感じられます。



        >> 続きを読む

        2014/03/12 by ヒカル

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      諸葛孔明 三国志の英雄たち

      立間祥介

      岩波書店
      カテゴリー:個人伝記
      3.0
      いいね!
      • 三国の英雄たちという事で
        孔明以外の人物達についても軽く触れている。
        全体的に読み易いと思う。 >> 続きを読む

        2015/08/05 by トマズン

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      幕末純情伝 竜馬を斬った女

      つかこうへい

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      • 新撰組一番隊隊長 沖田総司が女性だったらという設定の明治維新。

        歴史から魅力的な設定を借りたが、逸脱具合が度を越えた。

        美男子かつ剣豪で有名な沖田総司が、女性だったらという歴史のif。

        魅力的な人物に溢れる幕末に有って、とくに際立っている人物を題材とすることで、細かな設定描写無くとも読者を引き込む。

        また、史実に背くことを恐れない奔放な展開も、ある程度までは心が踊るのは否定できない。

        しかし、本作品は結局、史実の沖田総司の力を借りて成り立っており、史実の沖田総司に思い入れが有れば有るほど、
        徐々に醒めていくというジレンマを脱却できていないように思う。

        史実の信憑性も疑わしい面は有るが、あまりイメージを壊すのは面白くない。
        >> 続きを読む

        2011/05/29 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      炎の蜃気楼(ミラージュ)(1) (コバルト文庫)

      桑原 水菜

      4.0
      いいね!
      • 面白かったのだが、すぐに続編に飛びつきたいわけでもない。あの不愉快な女子高生が今後も出てくるのだと思うと、ためらってしまう。アニメで見たときにはよくわからなかった部分が、原作ではすんなりと理解できたのはよかった。BL色はこれから出てくるのか? 直江と高耶のこれからが気になるのは確か。

        >> 続きを読む

        2017/08/28 by Kira

    • 2人が本棚登録しています
      堕落論

      坂口安吾

      集英社
      4.0
      いいね!
      • 『戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。』

        戦後すぐにこの様な文章を発表したことは、非常にセンセーショナルなことだったようだが、この後戦争を体験することのない日本では、こういう作品は生まれないのではないかと。

        多分一度読んだだけでは、全然理解が足りないのだと思う。
        そのうちまた読むつもり。

        桜の森の満開の下は、読んだつもりになっていたが、夢の遊眠社の「贋作・桜の森の満開の下」を見たり、脚本を読んだりしていたからだったことに気づく。
        なんか不思議な感じがいい。
        >> 続きを読む

        2015/03/06 by freaks004

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      氾濫 (新潮文庫 い 9-3)

      伊藤 整

      4.0
      いいね!
      • ▶『氾濫』が、広い読者に注目され、読まれたのは、高分子学の研究とか、接着剤の製造とかいう、科学技術や生産社会が描かれている点ではなかったろうか。それまでの日本の小説家は、そういう世界を敬遠して、ほとんど小説の題材にしなかった。・・・(解説:奥野健男) >> 続きを読む

        2018/05/25 by rikugyo33

    • 2人が本棚登録しています
      アンティック・ドールは歌わない カルメン登場

      栗本薫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 腰まで届く黒髪に、かかとの太いハイヒール
        日本人の血をひきながら血を吐くようにファドを歌い
        熱く激しくフラメンコを踊る炎の女
        カルメンシータ・マリア・ロドリゲス。

        失踪した恋人・アンジェリータを追い
        マドリから東京にやって来た彼女が
        スペイン・コネクションがらみのヤクザ抗争に巻き込まれる・・・。

        この作品も好きな栗本作品の一つです。

        再読して、主人公のカルメンの年齢を
        とうの昔に追い抜いていることが
        少々、ショックでした(笑)

        主人公の登場と失踪した恋人・アンジェリータの意外な正体が明らかになる。
        『お休み、アンジェリータ』

        パッとしない三流企業のOLとの関わった顛末
        『『いとしのエリー』をもう一度』

        新興住宅地の中で出会った五歳の少年との交流を描いた
        『二時から五時までのブルース』

        真夜中の六本木で出会った美少女・レイナを拾ってしまう
        表題作の四篇収録。

        基本的には、事件(人)に遭遇することによって
        物語が進行していくタイプの連作集です。

        ここで主人公がハードボイルドな探偵であれば
        ある意味、王道の展開なのですが

        あとがきで書かれているように
        著者の憧れもある

        “ひとりで生きることが当然だと思っていて
        その生まれ持った情念によって
        病んだ心や疲れた心や迷った魂や
        狂った心、強烈な心、火のような魂
        はがねのような心、そうしたところをもったものは
        男でも女でも、まるで蟻地獄のように吸いよせてしまうような女。

        大柄で、運動神経が良く、大股で歩き、
        するどい目で正面から見つめ、周囲のすべての人間が
        目ひき袖ひきしてふりかえっても、まったく気にもとめような女”

        であり、口ではなんと言いながらも
        結局は、関わってしまう情の厚い女性であることが
        この作品の大きな魅力となっています。

        あとは、主人公に憧れたり、憎しみをもってくる
        “平凡な女”の描写は
        この著者ならではの観察眼で
        本当に、どこかに居そうでありながら

        内面に隠し持っている感情の種類や量の表現には
        そこら辺の男性作家が束になっても敵わないと思います。
        >> 続きを読む

        2013/07/29 by きみやす

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      私を抱いてそしてキスして エイズ患者と過した一年の壮絶記録

      家田荘子

      文藝春秋
      3.0
      いいね!
      • マジョリティであることが幸せや正義と同義になっている感じがしているのに気づかされることがあったので、孤独について考えてみたくなり何となく手にとった一冊。
        極妻の原作者として有名な著者だが、この本も有名らしく、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。

        黒人米軍人である元主人との暮らしの中でエイズに対する周りの偏見にさらされてきたという経緯とライターとしての好奇心が相まって、アメリカでエイズボランティアをすることにしたという著者。
        この辺りの動機にシンパシーを感じるかどうかで受け止め方が変わるかもしれないが、エイズの病気としての悲惨さだけでなく、人間として扱われなくなることで人がどれだけ壊れてしまうのかが、ボランティア相手とその周りのエイズ患者との対比で炙り出されている。

        個人的にはこういう内容はもっと淡々と描かれている方が好みだし、アメリカ人と日本人の違い、あるいは著者の傾向というところはあるかもしれないが、本当に信じあえる人間関係があればいいという発想にとどまらず、社会を変えていこうとしていく姿には考えさせられるところがあった。
        >> 続きを読む

        2011/12/03 by Pettonton

    • 1人が本棚登録しています
      ハリス・バーディックの謎

      クリス・ヴァン・オールズバーグ , 村上春樹

      河出書房新社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 不思議な光を感じてしまうデッサン画。

        村上春樹さんの短い一言が、それをさらに深める

        見る人の想像をかきたてる力がある。

        自分も、この絵の中に入ってみたいと思った。
        >> 続きを読む

        2018/04/06 by けんとまん

    • 1人が本棚登録しています
      ラテンアメリカ怪談集 (河出文庫)
      5.0
      いいね!
      •  短編集なので少しづつ読み進め、1か月ほどで読み終えた。
         ラテンアメリカ文学と言えば、『族長の秋』のガルシア=マルケスや『伝奇集』のボルヘスくらいしか知らなかったので、ここまで多様な作家がいることに驚かされた。特にキューバやペルーといった地域の作家の作品が読めるのはこの短編集くらいではなかろうか。気に入った作品はオクタビオ・パスの『波と暮らして』であった。
         この短編集が出版されたのは1990年で、今回新装版として改めて再版されたのだが、未だに日本語の情報が少ない作家がいくつかいる。それだけ、ラテンアメリカをはじめとした所謂、第三世界の文学というのは少なくとも日本には入ってきていないのだろう。
         文学はもちろん、人文科学の世界では新たな風が常に求められ続けている。こういった、今までフューチャーされてこなかった地域の学問を取り上げるのは、既存の学問にとっても良い刺激になるのではないだろうか。
        >> 続きを読む

        2017/11/25 by shinshi

    • 2人が本棚登録しています
      山河の賦

      劉寒吉

      新人物往来社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「山河の賦」は、第二次長州征伐(四境戦争)の中の小倉口の戦闘、つまり小倉・長州戦争を描いた歴史小説。

        第二次長州征伐において、小倉藩は、幕府や諸藩の軍隊が傍観する中で、たった一藩、どこにも逃げるわけにもいかず、長州藩の軍勢と苦しい戦いを戦わねばならなかった。

        しかも、幕府軍は総大将の老中・小笠原長行が単身逃亡、諸藩の軍勢は勝手に撤退。

        その絶体絶命の小倉藩の軍隊を率い、鬼神の如き働きをして、圧倒的に不利な戦いの中で長州軍をゲリラ戦であちこちで撃破し、よく一藩の面目を保ったのがこの小説の主人公の島村志津摩である。

        この小説では、精緻に当時の戦争の様子が諸資料をもとに再構成されており、読む人をして小倉戦争をリアルに眼前に彷彿とさせる。
        島村志津摩のみでなく、今は名前もほとんど忘れられている、小倉藩の諸将・諸士の奮戦・奮闘ぶりが、本当によく描かれている。

        愛する郷土を守るため、勝ち目のない戦いの中で最後まで力を振り絞って戦った島村志津摩以下の小倉の将兵たちの姿は、とても感動的である。

        この本を読んで、小倉戦争はこんなに激しい壮絶なものだったのかと、改めて深く考えさせられた。
        長州の軍勢は、戦術として、小倉の民家を次々に焼き払ったらしい。
        歴史の教科書ではほんの一行か、あるいはまったく触れられない出来事も、本当は壮絶な出来事であり、多くの人の万感の思いのこめられたものの場合もあるのだと、あらためて思う。

        劉寒吉は、戦前・戦中・戦後に北九州で活躍した作家で、この「山河の賦」は、戦時中に執筆されたものらしい。
        そのためか、文中に独特の気魄と壮絶さがみなぎっており、今の世ではなかなか書けない迫真の戦闘歴史小説と思う。
        劉寒吉は、おそらく、絶望的な戦いを圧倒的に不利な状況の中で戦うかつての小倉藩と、その当時の日本の状況を重ね合わせて見つめていたのだろう。

        私が四の五の言うより、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。
        これは、今も読み継がれるべき、すばらしい作品と思う。
        ほとんどいまや無名になっているのが、もったいない作品と思う。

        作中、小倉城が炎上し、一藩存亡の危機に陥った時に、島村志津摩が全軍の士気を鼓舞するために演説するシーンがあるのだが、このセリフがまた泣かせる。


        「・・・われらは、あまりに自分自身の力を知らなんだ。信頼すべきは、わが軍である。信頼すべきは自分自身の力である」
         ひくい巌の上に立ってさけぶ志津摩のこえは、若い兵の胸をうった。志津摩は若い兵に自信を持たせようとしているのである。
        「自分の力を信じよ。けっして負けない自信を持て。」(以下略)
        志津摩のこえは切々として、二百の壮丁の胸をうった。
        「勝つも、負けるも、ともに同じ日本人である。このことはかなしい。しかし、われらは大義の上に立とう。大義の道を進もう。いまや、われらの故郷は焼け、われらの住むべき家はない両親も姉妹もとおく去った。われらには信ずべき同志あるのみである。わしは荒涼たる故郷の山河を想う。たのしかった山も、川も、いまは敵兵の蹂躙するところにまかせている。美しい故郷の山河は焦土と化し、われらの夢は、炎上するお城の煙とともに消えてしまった。しかし、希望を持とう。なにもかも失い尽くしたわれらは、いまこそ、小倉武士の真骨頂をあらわして、顧慮するところなく戦うことができる。われらはたたかう。われらは失った故郷の山河を奪還する。いままでの戦は小倉藩自体の力ではなかった。きょうからは、わが軍の全力をあげて必死の戦闘を展開する。(中略)ほんとうの戦は、これからじゃ。われれは最後の一兵となるまで戦う。われらは祖先の眠る地から敵を撃退することを誓う」
        (172、173頁)


        これらはもちろん、フィクションの言葉なのかもしれないが、これと似たような言葉は、実際に発せられたのかもしれない。

        心に残る一冊だった。
        >> 続きを読む

        2012/12/22 by atsushi

    • 1人が本棚登録しています
      わたしがあかちゃんだったとき

      キャスリーン アンホールト

      4.0
      いいね!
      • 今日はこどもの日。誰しも子供だったことがありますよね。
        子どもにちなんだとことをしようと思い、今日『子供ばんど』のライブを観に下北へ行ってきました。
        でもそれは読書ログには関係ないことなので、この本をレビューしましょう。

        赤ちゃんが生まれてから1年間の成長の記録をアルバムの写真を
        成長して3歳になった子供と一緒に眺めながら振り返る
        それだけのシンプルな絵本です。

        あたたかく柔らかな色彩と線で漫画チックに描かれたイラストに和みます。
        この絵に嫌悪感を持つ人はいないと思います。

        授乳、お風呂、お散歩にお食事、そんな日常の当たり前の光景が描かれている。
        正直それだけの絵本です。

        でもそんな誰もが通る道で誰もが思い出のある場面があるから
        この絵本は普遍なのではないかと思います。

        自分が家族に愛された記憶、子育てをして頑張った記憶
        そんな記憶がとても尊いものだよと肯定してもらっているような
        安心感を覚えるのです。

        ですからこの本はプレゼントに最適です。

        まずは3歳のお子さんを持っている方に。
        赤ちゃんが生まれたばかりの方にも。
        ちょっと成長して自分の赤ちゃんだった時のことを思い出せるようになった子供さんに。
        子供が大きくなってしまって、子育て時代を懐かしむような歳になってからの自分のためにも。

        きっと懐かしかったりあったかな気持ちになったりできるでしょう。

        こどものいない人はどうなの?
        あなたが子供だったときの心に帰りましょう。
        一人で生まれ一人で育ってきた人は誰もいません。
        誰かの手が誰かの目が、こんな光景を見てきたはず。
        主人公は読者全員です。
        >> 続きを読む

        2015/05/05 by 月うさぎ

      • コメント 6件
    • 2人が本棚登録しています
      あらし (くれよん文庫)

      ケビン・クロスレー・ホーランド

      5.0
      いいね!
      •  『あらし』って検索すると人気アーティストの本が大量に出てきて探すのに一苦労だった…。すみません。聞き流してください。

         この本は海外の児童文学で全60Pの短いお話です。

         主人公の少女アニーはいつも家の近くの沼の周りでひとり遊びをして楽しんでいます。彼女はそれ自体に不満を抱いていませんが、唯一夜になると出てくる『ゆうれい』の存在が怖くて堪らない。

         ある日アニーの姉が里帰り出産するとのことで、自宅に帰ってくる。数日後の夜、赤ちゃんが産まれそうになり、病院の先生に来てもらうように連絡したいが電話は通じず、両親も手が離せない。仕方なしに、アニーが病院へ直接行って先生に助けを求めることになるが、外は『あらし』。そして、『ゆうれい』が…

         全体的に暗めで、最初は何の話?と思うと思います。ただ、読み進めるに従いこの不思議な本の魅力にハマると思います。

         最後は「えっ…」という感じでお話は終わります。子供の頃ほとんど本を読まなかった私ですが、子供に読んでもらいたい本に出会えた気がします。
        >> 続きを読む

        2014/07/13 by foolman

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      エドウィン・マルハウス
      3.0
      いいね!
      • 【11歳で夭折した天才小説家の評伝】
         という紹介文句に釣られ、また、著者がミルハウザーですからね、興味を持って図書館から借りてきました。
         タイトルにもなっているエドウィン・マルハウスというのが、その天才小説家とされる少年です。
         そして、その評伝を書いているのはエドウィンの友達のやはり同い年の少年ジェフリー・カートライトだというのだから驚きです。

         この作品は、『幼年期』、『壮年期』、『晩年期』の三部構成になっています。
         壮年とか晩年とかになっていますが、享年11歳ですからね、その範囲の中での壮年や晩年ということです。
         物語中の著者であるジェフリーは、驚くべき記憶力の持ち主という設定で、非常に克明にエドウィンの生い立ちが描かれていきます。
         それは克明過ぎるくらいに。

         特に幼年期の辺りなんて、まだ二人とも赤ん坊ですからね。
         その頃の様子が微に入り細を穿って書かれるのですが、あまりにも細かいことまで書かれているため、ちょっと『トリストラム・シャンディ』を彷彿とさせるところもあります。

         ミルハウザーと言えば、遊園地やデパート、カーニバルやアニメーションなどをモチーフにして非常に幻想的な情景を描写するのが得意な作家さんなので、本作にもそのような魅力を期待して読み始めたのですが、ちょっと異質かもしれません。
         確かに、アニメなどに関してミルハウザーらしい描写も見られるのですが、いつもの幻想的なテイストという感じとはまたちょっと違った印象を受ける作品です。

         言葉遊びのようなものも沢山出てくるので、これは訳者さんは苦労しただろうなぁと読みながら思いましたが、訳は岸本佐知子さんですので、大変巧みに訳されています。

         さて、天才小説家と言う位ですから、どれだけ沢山の作品を書いたのだろう?と思いますけれど、実は完成した作品は『まんが』というタイトルの一作だけなんです。
         ジェフリーは、これがとんでもない傑作だと考え、それならその著者であるエドウィンの伝記を書かなければならないと決意して伝記を書いたということになっています。

         『まんが』ってどれだけ傑作なんだろう?って興味を持ちますよね。
         その粗筋だけは本作中で紹介されていますが、あくまでも粗筋なので、本当に傑作なのかどうかは読者にはにわかに判断し難いところ。
         あるいは、ジェフリーだけの思い込みだけなのかも?
         ただ、エドウィンがこの作品を書き上げるに当たっては、ものすごく苦労し、体調を崩してしまうほどに消耗したという力作であることはその通りのようです。

         誰にでも多少は経験があるような子供時代のあれこれを丹念に描いていく作品で、その丹念さはミルハウザーらしさも漂います。
         時にややくどいというか、しつこいと感じる位の丹念さです。
         そのような作品ですから、主人公はエドウィンということになるのですが、徐々に何だかジェフリーの方に重点が移っていくように感じます。
         そして、ラストは、何と!という衝撃の結末を迎えます。

         ちょっと変わったテイストの一冊でした。
         本書は1990年に福武書店から出版されたのですがほどなく絶版になっていた作品で、今は河出文庫から復刊されています。
         私は、図書館で絶版になった方を借りてきて読みました。
         ミルハウザーfanにとってはコレクターズ・アイテムになっていた作品だということですよ。
        >> 続きを読む

        2019/12/04 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      ユダヤ教を語る

      島野信宏 , WoukHerman

      ミルトス
      カテゴリー:ユダヤ教
      4.0
      いいね!
      • ユダヤ人である著者が、祖父との思い出や、小さい頃からの思い出などを散りばめながら、ユダヤ教について語っている。

        ユダヤ教には、過ぎ越しの祭りやヨムキプールやプリムの祭日などがあるそうで、それらの祭日がいかに重要か、そして思い出深く、ユダヤ教にとって何よりも中心となるものかが、読んでいて伝わってきた。
        いつか機会があれば直接見学してみたいし、youtubeにいろいろ動画もあるみたいなので見てみたものだ。

        また、ユダヤ教には、いわゆる隠遁や出家みたいなことはなく、ずっと現実の社会を大事にして生きていくそうである。

        「世間にとどまって、われわれの時間に信仰の刻印を押せ」

        というのがユダヤ教の基本的スタンスだという記述は、なるほどーっと思った。

        また、唯一の神を深くユダヤ教が信じるということは、この世はでたらめや不条理であるだけではなく、人間は過去のあやまちを捨てることによって世界と人間を良くすることができるというメッセージと信頼なのである、ということも、なるほどと思った。

        聖書の主題は、イスラエルの物語の中に神の律法を見出すことであり、聖書はいろんな内容を含むがすべての作者は聖霊である、ゆえに統一された内容になっている、ということが書かれてあり、ユダヤ教の立場からするとそうなのだろうと思った。

        また、ユダヤ教は、律法やさまざまな儀式や祭日などの規定に服従するが、これを窮屈だと外部から批判する人もいるけれど、人間はなんらかの型に服従するものであり、大切なことは自分でその型を本当に納得して選択するかどうかで、ユダヤ教の型に服従していない人でも、えてして現代のありきたりの型に服従しているものだ、という指摘は、なるほどと思った。

        ユダヤ教には613の戒律があるそうだが、失われた神殿儀式に関するものも多く、実際は24~25ぐらいの戒律だそうである。
        それにしても大変そうだが、そうした律法に服従することがあってこそ、おそらく他からはなかなかわからない、あのユダヤのエネルギーや不撓不屈さや天才性が発揮される部分もあるのだろう。

        面白い一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/06/23 by atsushi

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      あたらしいぼく

      シャーロット ゾロトウ

      5.0
      いいね!
      • 思春期の子供ってこういう感情になるんだろうな

        2020/01/19 by sammy

    • 1人が本棚登録しています

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