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1990年12月発行の書籍

人気の作品

      ベルセルク

      三浦建太郎

      白泉社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.7
      いいね!
      • ベルセルク 第1/第37巻(未完結)

        謎の存在ゴッド・ハンドを追い求める、黒い剣士ガッツ。

        少なくとも、この第1巻だけで言えば、とても面白いと言える作品ではなかった。

        あちこちで高評価を耳にする作品だけに、非常に期待が大きい状態で手に取った。

        とても実用に耐えるとは思えない、鉄塊と表現されるほど大きな剣を振り回すベルセルク(狂戦士)ガッツ。
        きっと、ファイナルファンタジーシリーズで出てくるバーサーカーと同じ語源なんだろうと思う。

        何やらゴッド・ハンドと呼ばれる謎の存在を追い求める戦士で、そこに辿り着くまでに、道中のモンスターとの戦いに明け暮れるストーリーのようだが、戦闘に必然性が無いと言うか、現時点では余りにも説明不足で、読み進めるのが辛い。

        絵も好き嫌い以前に上手いと思えない。

        福笑いみたいに顔のパーツがアチコチに飛び散っているベヘリットと言う存在がラストシーンに登場。
        緊迫感が必要なシーンのようだが、絵に迫力が無いため、何だか締まらない感じで終わっている。

        結構グロい描写も存在するので、ソッチ系が苦手な方は避けた方が良いかも知れない。

        とは言え、これほど評判の作品。今後期待に応えてくれると信じて読み進めて行こう。
        >> 続きを読む

        2013/08/02 by ice

      • コメント 10件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ちいさいタネ

      湯浅フミエ , エリック・カール

      偕成社
      4.0
      いいね!
      • ある花から、ある日、多くの種が空に飛んで行った。

        途中で芽を出すことが難しい場所に落ちたり、鳥に食べられる種が多い中で、主人公の小さい種は元気よく風に乗って、しぶとく生き残り、無事に良い場所にたどり着く。

        地面の中でも、他の種はネズミに食べられたり、早く芽を出し過ぎたものは踏んづけられたり、早く花をつけて折られてしまったりするが、

        主人公の小さい種は、しぶとく生き残り、無事に花を咲かせ、多くの種をつけ、飛ばす。

        この絵本を読んでいると、大きいことや早いことが必ずしも良いことではなく、しぶとく逞しく生き抜くことが一番だということを教えられる気がする。

        多くの人に読んで欲しい、素晴らしい絵本だった。
        >> 続きを読む

        2013/06/06 by atsushi

      • コメント 7件
    • 2人が本棚登録しています
      モーツァルト

      吉田秀和

      講談社
      カテゴリー:音楽史、各国の音楽
      5.0
      いいね!
      •  子どもの情操教育として良さそうなモーツァルト。
         平日、仕事場から家に帰ると、録画した子ども向け番組『フックブックロー』を欠かさず見ている。これを見ると癒されるし、一日が終わった気もする。念のためにいうが子どもがいる訳ではない。ただ自分のために見る。ほんのひととき童心に返るあの感覚がやめられないのだ。もっとも、精神の方はつねに幼いのだけれども。
         そんなわたしでも、たまには大人の本が読みたくなる。
         著者は吉田秀和。音楽評論のパイオニアであり、稀代の文章家でもある。20世紀を生きた日本人のなかでも、その技倆は五指に入るだろう。おそらく、いまの評価を疑いたくなる人もいると思う。しかし、少し考えてみてほしい、音楽の聴き方を言葉で伝えるむずかしさを。そもそも、言葉では手に余るような機微を表現するのが音楽であって、その音楽を言葉で捉え直すこと自体が無理難題なのだ。このような荊棘の道を切り開いた人の文章が凡庸であるはずがない。
         もちろん本の内容も充実していて、その中身は、モーツァルトの伝記的側面と彼の楽曲の解説的側面の結婚といったところか。しかし、もっとも驚かされるのは、モーツァルトの聴き方が変わる自分にふっと気付くときかもしれない。
         
        >> 続きを読む

        2015/02/05 by 素頓狂

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      そして扉が閉ざされた

      岡嶋二人

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 後半はどんでん返しの連続
        真実が明らかになっていくほど犯人がわからなくなっていく

        2014/10/03 by manofpraha

      • コメント 2件
    • 10人が本棚登録しています
      銀河鉄道の夜

      宮沢賢治

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      • 別に「風の又三郎」とか読んで、あんまり面白くないとわかっていた宮沢賢治。これも読んどくだけ読んどくかと手に取った。現代の視点からすると面白くないのかな、ジョバンニとカムパネルラという登場人物の名前がわかったのが収穫という感じ。 >> 続きを読む

        2020/02/20 by 和田久生

    • 3人が本棚登録しています
      空の色水の青 (ぶーけコミックス)

      清原 なつの

      3.0
      いいね!
      • 再読

        2016/05/25 by ゆ♪うこ

    • 1人が本棚登録しています
      秘伝の声

      池波正太郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 図書館本。上巻。

        剣術道場の主で剣客の日影一念は臨終の床で、内弟子白根岩蔵と成子雪丸に秘伝の書を自分の棺におさめて埋めよと遺言する。しかし、岩蔵は遺言に背いて秘伝の書と共に出奔する。道場を継いだ雪丸は、岩蔵の行方を探し続ける。江戸に出た岩蔵は名を偽って剣術の腕を磨き、幸運に恵まれるが、嘘をついていることに苦悩し始める。

        この物語は『剣客商売』シリーズと時代を共にしていて、秋山小兵衛の名前も出てくるし、登場人物も共有している。
        読みやすい池波氏の文章が心地よくて、いつまでもページをめくっていたい気分にひたれる。

        >> 続きを読む

        2019/07/13 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      秘伝の声

      池波正太郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 図書館本。下巻。

        偽りの生活を後悔した岩蔵は、雪丸に再会して秘伝書を返す。雪丸が秘伝書の中を見ることもなく師の墓に埋めたことに、岩蔵は驚く。やがて岩蔵は請われてある道場の後継者となるが、それがために恨まれて命を失う。岩蔵を兄と慕う雪丸は、仇を討つ覚悟を決める。

        本作は作者最後の新聞連載小説だったそうで、一回の話の中にクライマックスを盛り込む書き方が踏襲されていたと解説にある。そんな物語が面白くないはずがない。

        下巻の始めの部分は、おたかという女に惹かれた岩蔵の心の動きが描かれているが、読んでいるとどきどきするほど艶かしい。最後に明かされる秘伝の声の意味も腑に落ちて、大満足の読後感を味わった。

        >> 続きを読む

        2019/07/14 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      快食快眠快便

      文芸春秋

      文藝春秋
      3.0
      いいね!
      • エッセイのアンソロジーは好物のひとつである。拾い読みにしろ、
        通読にしろ、読み飛ばすことはまったくない。だが、今回だけは
        1篇を読み飛ばしてしまった。

        駄目なのよ。顔を見るのも、名前を聞くのも、歌を聴くのも。
        不意にテレビ画面にその顔が映るだけで拒絶反応。速攻で
        チャンネルを変えてしまう。

        なので、本書に収録されている和田アキ子の作品だけは読まずに
        すっ飛ばしてしまった。編集者さん、すいません。

        さて、本書である。雑誌「オール読物」の同タイトルの連載コラム
        の書籍化である。76名の著名人が「食う・寝る・出す」について
        軽妙に綴っている。

        物書きと言えば夜型と思うのは一般人の思い込みなんだな。多くは
        夜はきちんと眠って(それも8時間睡眠)、きちんと朝ご飯を食べて、
        出すものを出して、仕事をしていらっしゃる。

        月刊PR誌の編集者時代、締め切り間際の1週間は1日に2時間眠れ
        ればいい方だった。日ごとにぼーっとして行く頭で取材ノートや
        資料を繰りながら原稿を書いて、ワープロ画面(パソコン時代
        到来以前だ)とにらめっこしていた。

        勿論、食事なんて本当に適当。原稿を書きながらおにぎりやパン
        を頬張ったり、取材先から事務所へ戻る途中で立ち食いソバを
        かき込んだりだった。

        超不規則生活。だから出るモノだって不規則だった。便秘で苦し
        い思いこそしなかったものの、気がつけば何時間もトイレに行く
        ことさえ忘れていたものな。

        今、あの当時の生活をしてみろと言われても不可能。ご飯は1日
        三食摂らないと死んじゃうし、睡眠は最低でも6時間は必要だ。
        お通じだって毎日ある。ほんの些細なことかもしれないが、
        それが幸せなんじゃないかと感じる今日この頃である。

        尚、本書では書籍化にあたり筆者によっては「その後」どのような
        変化があったかも記されている。執筆当時と変わらぬ人もいるし、
        大病をされて生活に大きな変化があった方もいる。

        巻末には田中小実昌・富士真奈美・石堂俶朗・黒田征太郎による
        座談会が収められている。快食も快眠もどこかへ吹っ飛んでしまい、
        内容は出す方のお話に終始しているのが楽しい。
        >> 続きを読む

        2019/06/25 by sasha

    • 1人が本棚登録しています
      11文字の殺人

      東野圭吾

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • かなり初期の作品だし、最近の作品と比較するとなんというか、平面的で普通に感じた。

        初期の作品も発売されてすぐに読んだものはわりと新鮮に感じたりして面白く読んだので、読む順番によって評価はかなり変わりますね。

        私はドラマは観たことがないけど、ドラマがけっこう評判良かったのでいつか観てみたい。
        >> 続きを読む

        2012/11/27 by mahalo

      • コメント 5件
    • 17人が本棚登録しています
      闇の囁き (光文社文庫)

      ディーン・R・クーンツ

      4.0
      いいね!

      • モダン・ホラー、SF、サイコ・スリラー、アクションもの、恋愛ものと、さまざまなジャンルを融合させたエンターテインメント小説を、量産している職人作家と言えば、ディーン・R・クーンツ。

        そのクーンツが、サイコ・サスベンスの定番ジャンルのひとつである「子供もの」に挑んだのが、今回読了した「闇の囁き」だ。

        さまざまなジャンルの味を贅沢に取り込み、ジェットコースターのごとく、物語を加速させていくという"クーンツ節"は、この作品でも健在だ。

        読書好きで内向的な14歳の少年コリン・ジェイコブズ。夏の初めに母親と二人でロサンゼルスからサンタレオナへと引っ越してきた彼は、優等生でスポーツマンのロイ・ボーデンと親しくなる。

        みんなの人気者と親しくなったコリンは有頂天になるが、ロイには誰も知らない恐ろしい秘密があったのだ。ロイはコリンと仲良くなるにつれ、猫殺しの経験や死に関する異常なまでの興味を告白する。

        やがてロイは、コリンと兄弟の契りを交わし、想像もつかない"危険なゲーム"へと、コリンを導いていくのだった-------。

        母子家庭にありがちな母親の再婚問題や、前父との気まずい関係に苦悩する14歳というコリンの描き方は、まさに青春小説そのものだ。

        この主人公に、14歳にしてすでに数件の理由なき殺人を犯し、これからも殺人を続けようと目論む異常少年ロイを絡ませて、一気にこの物語を見せ場が連続するサスペンスフルなサイコ・スリラーへと転化させていくのだ。

        ロイが異常殺人者としての本性を表わしてからの物語は、まさに恐怖の連続。隣の家の母子惨殺、列車事故など、さまざまな悪行を計画し、そんなロイに同調しようとしないコリンを、裏切り者としてライターの液で焼き殺そうとまでするのだ。

        だが、やられてばかりだったコリンも、彼に思いを寄せるガールフレンドの手を借りてロイに反撃を開始するのだった。ここで物語は、クーンツお得意の、"善VS悪"という対決ものの図式になってくるのだ。

        ロイという少年が異常殺人者と化した原因が、ややシンプルすぎるという難点はあるものの、クーンツの他の作品と同様に、肩の力を抜いて気楽に楽しめる作品になっていると思う。



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        2018/03/17 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      坂本広子の台所育児 一歳から包丁を

      坂本広子

      (社)農山漁村文化協会
      カテゴリー:食品、料理
      4.0
      いいね!
      • 生きることは食べること。
        しかし、食材を知らない、料理ができない人たちが多いことに、著者は危惧する。
        これでは、作ってくれた人へ感謝、食材への感謝がない。
        正しい材料を、正しいプロセスで作る「手作り」を伝えたい、という著者の思い。
        我が息子を1歳のときから包丁を持たせた、著者が語る食育教育。

        「地球の果てでも一人遊びできる子に」
        という著者の子育て方針。
        早くに父親を亡くした著者が、感じたこと。
        子どもが自分で生きていく能力をつける。

        料理を教えることは、我慢の連続。
        包丁や火の危険、汚す、見た目が悪いなど。
        しかし、自分で作ったことが自信となる。
        味を知り、熱いとか痛いとか、いい香りとかを体いっぱいに感じる。
        買物から後片付けまでさせることにより、感謝するようになり、段取り上手になる。

        今出しているものが、「おふくろの味」になる。
        手作り料理は、子どもへの愛情の証だ。
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        2014/09/06 by てるゆき!

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      アンナの赤いオーバー

      ZiefertHarriet , LobelAnita , 松川真弓

      評論社
      5.0
      いいね!
      • すばらしい絵本だった。

        戦争が終わったら新しいオーバーを買ってあげるとアンナと約束していた母さん。

        しかし、戦争が終わっても、お店はからっぽで、オーバーも食べ物もない。

        お母さんはどうしたらいいか考えた。

        そして、家にもともとあるものとの交換で、まずはお百姓さんに羊の毛を頼む。

        お百姓さんは、春になって羊の毛が伸びたらいいよ、と約束してくれ、それまで何度かアンナはその家に遊びに行き、羊たちとも仲良くなる。

        やがて、春になり、お百姓さんは羊の毛を刈って、金時計と交換に羊毛をくれた。

        それから、糸紡ぎのおばあさんに糸紡ぎを頼むと、夏まで待ってくれと言われて…。


        色は、お母さんとアンナが野原でコケモモを摘み、機屋さんや仕立て屋さんでもそれなりに時間はかかり、随分長い時間をかけて、ついに赤いオーバーが完成。

        その年のクリスマスには、アンナは、オーバーをつくるのにお世話になったみんなを招待した。

        平和とは何なのか、その意味やよろこびを教えてくれる、すばらしい絵本だった。
        >> 続きを読む

        2013/05/26 by atsushi

      • コメント 6件
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      吉田松陰と松下村塾

      海原 徹

      3.0
      いいね!
      •  なんだかよくわからないけど、とにかく有名な人。

         たとえば二宮金次郎や聖徳太子などである。

         そして吉田松陰もその中の一人ではないだろうか。

         地元、萩市では「松陰先生」と呼ばないとしばかれる、などと物騒な噂が流れるほど、吉田松陰は山口県の特に萩市では尊敬されているのだ。

         そんな、半ば伝説化した吉田松陰像を打破すべく、本書では丁寧に吉田松陰の足跡を追っている。

         彼がどんな本を読み、どんな人に学び、どんな場所へ行ったか。吉田松陰は自身の日記のほかにも多く手紙を書いており、彼に関する研究材料には事欠かない。

         しかし、具体的に何をやったのか、というと松下村塾という小さな塾を作って、後に活躍した政治家や軍人などを生み出した、というくらいの認識しかないだろう。

         そもそも松下村塾で一体何が教えられていたのか。

         少なくとも近代的な国家になって、欧米に対抗しろ、などという先進的な教えはなされていなかったことは確かだ。

         それでも伊藤博文をはじめ、明治新政府や新しい時代を支えた者たちが多数出現した。

         吉田松陰は学者ではあったけれど、その門下生たちはほとんどが軍人や政治家、官僚になっている。つまり弟子が学者になった者は少ない。

         実際、松陰自身も九州や東北を旅し、外国船で密航して海外に行こうと企てたこともある行動派である。

         彼は考える人であると同時に実行する人でもあった。その強烈な個性は人々を魅了し、数々の伝説を作り上げた。

         吉田松陰が明治維新にどれだけ貢献したか、と言われれば正直よくわからない。しかし、今も信仰に近い魅力を持ち(萩には松陰神社がある)人々から尊敬された人物なので、その存在だけでも明治維新の中である種のエネルギーとなったのではないだろうか。

         知れば知るほどよくわからないのが吉田松陰である。ただ、自らの命を顧みず突き進む気迫や独特の個性は、いつの時代にも必要ではないだろうか。

         ちなみにこの本には、松陰の嫁の話は一切出てこない。 
        >> 続きを読む

        2015/01/08 by ぽんぽん

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      犬と狼

      平岩 米吉

      4.0
      いいね!
      •  タイトルからしてとても興味深い本である。

         筆者も犬好きなので、期待して頁をめくってみると、なぜかいきなりシマハイエナの記事が出てきたのは驚いた。あれ? 犬はどこ行った? オオカミは? と思いながら更に頁をめくると今度はジャコウネコにツキノワグマ。

         本書は書きおろされたものではなく、昭和十年代の雑誌記事や新聞記事などをまとめたものを単行本にしているものだから、仕方がないのかもしれない。

         それはともかく犬と狼である。

         戦前は、生き物地球紀行とかBBCの動物ドキュメンタリー番組とかが無かったので、こういった動物の記事は興味深く読まれていたのではないかと推測される。

         今読んでも新鮮なので、当時の人はどんな風に感じたのだろうか。

         特に新鮮だったのはもちろん狼の記事である。狼は人に慣れる。つまり、犬と同じように飼うことができる、と書かれてあることには驚いた。犬と狼は見た目も似ているだけでなく、その違いを見つけることのほうが難しいほどそっくりなのだ。

         もちろん、野生の狼を連れてきて犬のように飼育することは不可能であろう。ただ、小さい頃から犬と同じように飼育すれば、狼も人に危害を加えることのない動物として飼育することができるようである。

         ただ、噛み癖が酷かったり、食べ物が犬と違ったりと違いはある。特に食べ物は、狼だけに肉食である。ただし、新鮮な野菜や果物も食べる。草も食べるようだ。筆者の飼っていた犬も、散歩中によく草を食べていた。これは狼も同じらしい。肉食獣だからといって、肉だけを食べているわけでもないようである。ただ、米や麦は食べない。つまり、炭水化物はあまり食べないようで、食べると体調が悪くなるようだ(頁64)。

         そういえば、ウチの犬は毎日ご飯に水を混ぜて似た、お粥のようなものを食べていた。

         糖質制限ダイエットというのが、一時期話題になったけれど、これは糖質の元となる炭水化物の摂取を制限するダイエット方法だ。

         狼は自分と同じくらいのサイズの犬よりも幾分軽いと言われているので、素早い動きを維持するため、太り易い炭水化物の摂取を体質的に制限しているのかもしれない。

         食べ物といえば、食事中はかなり狂暴になるらしく、慣れた人でも近づかないほうがいいようだ。そういえば、ウチの犬も普段どんなことをされても大人しかったけれど、食事中だけは触ると怒っていたことを思い出す。

         狼は集団で狩りをする生き物であり、一度リーダーを決めたら、その個体に絶対服従する習性がある(これは犬も同じ)。ゆえに、人間をリーダーを認識したら、人に危害を加える危険性は少なくなる要因の一つと推察される。

         例えばアライグマなどは、大人になると狂暴化し、飼い主にも襲い掛かるということは、ウィキペディアにも書かれているので有名かもしれない。一時期、アライグマをペットとして大量に輸入したけれど、その凶暴さに恐れをなした飼い主が、山に捨てて野生化し、農作物に被害をもたらした、という事件が問題になっている。

         その点、狼にはそんな心配はない。餌の時間さえ気を付ければ、基本的には無害である。こう考えると、狼と犬はとても近い生き物であることがわかる。本書の著者は実際に狼を飼って、比較的自然に近い形で狼を観察している。

         そして狼だけでなく、先述したジャコウネコやクマも飼っていた。まるでムツゴロウ王国である。

         最後に、ワンワンという鳴き方は、飼い犬独特のものだということを紹介しておこう。実は狼も、ずっと飼っていると犬のようにワンワンと鳴きだすという。ただ、同じイヌ科イヌ属のジャッカルは、ワンワンと鳴かないようなので、これだけでも犬と狼は近いことがわかる。

         筆者は、本書を読んで狼のことが好きになった。ただ、世間では、狼は家畜を襲うので嫌われている。このため日本国内では狼は駆除の対象となり、残念ながら絶滅してしまった。

         とはいえ、生態系の中でも肉食獣は必要である。例えば狼がいなくなったことで、草食動物の鹿が増えすぎて森や農産物に被害が出ているという報告もある。人が生態系をいじるとロクなことにならない。自然とはかくも複雑で難しい。
         
        >> 続きを読む

        2014/09/18 by ぽんぽん

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      ゴッホ 魂の日記

      田中梓 , ZurcherBernard

      西村書店
      カテゴリー:洋画
      4.0
      いいね!
      • ゴッホのさまざまな絵を数多く収録した図録。

        ゴッホはこんな絵も描いていたんだと、今まで知らなかった数多くの絵に触れることができて、とても良かった。

        ゴッホがいかにさまざまな物事や人々に限りない愛情を抱き、心血をそそいでそれらの一瞬を絵に描きだしたか。
        あらためてそのことに心を揺さぶられる。

        ゴッホはたぶん、一般的な成功の基準からは、随分とかけ離れた、世間一般の基準からいえば、相当にみじめな一生だったかもしれない。

        しかし、ゴッホほど、人が生きるとは何なのかについて教えてくれる人はめったにいないことも事実だ。

        生きるとは何か。
        それは、ゴッホほどに、心をこめて生きることなのだろう。

        心をこめてもいない人生は、たとえ表面上はゴッホに比べて世間的な基準では満たされていても、本当には生きていない人生であることも往々にしてあるのかもしれない。

        ゴッホの絵と手紙に「魂の日記」というタイトルをつけているこの本のセンスも素晴らしいと思う。
        本当にそのとおりだ。

        そして、人は、ゴッホに負けぬぐらい、魂の日記を本当は日々につけるべきなのだと思った。
        >> 続きを読む

        2012/12/27 by atsushi

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています

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