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1993年7月発行の書籍

人気の作品

      転校生 (角川ホラー文庫)

      森 真沙子

      3.0
      いいね!

      • 森真沙子の学園ものホラー小説「転校生」を読了。

        この作品は、かつて映画やTVなどで話題となって人気を博していた「学校の怪談」をテーマとする、5つの短篇からなる連作短篇集。

        理科室、美術室、音楽室、図書室、寄宿舎という5つの場所にまつわる怪異を、少女特有のロマンティック&ノスタルジックなオブラートにくるんで、口あたりよく物語を紡いでいく。

        特に「小泉八雲の未発表怪談」が登場する「図書室・堕ちる鳩」は、とても面白くて、その他の短篇もそれぞれ趣向が凝らされていて、なかなか読ませる短篇集になっていると思いますね。
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        2018/05/10 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      人物現代史 アドルフ ヒトラー

      大森実

      講談社
      カテゴリー:個人伝記
      3.0
      いいね!
      • ヒトラー台頭の背景。

        ヒトラーの周辺人物との関係を中心に、絶対的な権力を得るまでに至った過程を丁寧に描いている。

        ユダヤ人などに実施した凄惨な仕打ちなどから人類史上最悪の極悪人として名を轟かせているヒトラーだが、非常に狭い部分にだけフォーカスすると、非常に魅力的な人物で有ることは間違いない。

        敗戦後の経済衰退期で有ったなど、台頭のために必要な偶発的な好条件は確かに存在したものの、あれほどの独裁政治が実現できたのは強烈なカリスマ性が必須で有る。

        これまで数々のヒトラー関連本を読んできたが、本書の特徴はヒトラーの周辺人物を丁寧に描くことでヒトラーの人物像を表現しようと試みている点である。

        協調/離反/粛清など程度の差は有れ、政治やビジネスの世界で繰り返されている人間の振る舞いが戦時下という特殊な環境の中で際立って表現されているため、現代人が得ることの出来るものも多いと思われる。

        対象期間としてヒトラーの無名時代から独裁政権樹立までを取り上げているからかもしれないが、ヒトラー=極悪人というステレオタイプで記述された他のヒトラー関連書籍のように興醒めしないで済んだのは有難かった。
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        2011/03/04 by ice

    • 2人が本棚登録しています
      三階の魔女

      山崎洋子

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! ice
      • 趣向の異なる推理短編7作収録の短編集。

        初めて島田荘司氏の作品に触れた時と同じように、好みの作者に巡り合った充実感に包まれた。

        通勤時の電車の中で読書する都合上、文庫本を中心とした書籍選びになってしまうことも有り、極力、ジャンルや著者には拘らないように心がけている。

        このため、広く様々な作品に触れることが出来る反面、興味が無いジャンル、好みで無い著者の作品にぶつかる機会も多く、読了に忍耐力を求められることも少なくない。

        そんな中、それまで触れていなかった著者の作品で自分好みのものに出会ったときは、最も嬉しい瞬間と言える。

        本作品は趣向の異なる7作品を収録した短編集だが、どの作品も粒ぞろいで、軽快なテンポで場面を展開しつつ、人間の心理を深く描ききっている。
        とくに女性の心理描写は秀逸である。

        全作品、甲乙つけ難いレベルだが「狼女は眠れない」が最も印象に残った。

        これから山崎氏作品を発掘していくのが楽しみで仕方が無い。
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        2011/05/03 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      あなたに褒められたくて

      高倉健

      集英社
      カテゴリー:映画
      3.0
      いいね!
      • 高倉健さんを偲んで読んでいる。あなたとは氏の母。へたれな男がやったら単なるマザコン談義になるが、そうならないところがいい。
        母は健さんの映画を見に行かれたそうだが、俳優としてでは無く息子として見てしまうという。
        「後ろから斬るとね。そんな卑怯なことをして」とか。それを語る語り口にも渋さが。
        後半生は仕事を選んでいたというから、ひとえに「あなた」に褒められたいということだったのでしょう。
        人として生きていくのに、そんな人を想いつつ黙々と在り続けるのは格好良い。
        >> 続きを読む

        2014/12/11 by junyo

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      ミカドの淑女

      林真理子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
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      • 明治天皇やその周りについてよく調べたであろう細かい描写は良かった
        が、ストーリーとしては盛り上がることもなく、主人公に魅力を感じず、林真理子作品の中では楽しめなかった作品 >> 続きを読む

        2018/05/09 by 寺嶋文

    • 1人が本棚登録しています
      評決のとき〈上〉 (新潮文庫)

      ジョン グリシャム

      5.0
      いいね!
      • 私の大好きな作家ジョン・グリシャム。その彼の作品の中でも特に好きなのが、彼の出世作でもある「評決のとき」です。

        この作品の物語はシンプルで一直線。多彩な人物を、いかにもその役割にふさわしい位置に配列しているのです。私のようなグリシャム・ファンを物語の豊饒な世界へ引き込み、自分のペースにはめ、十分に愉しませ、考えさせ、唸らせ、そしてフィナーレを飾る----。

        ジョン・グリシャムこそ、まさしく、天性のストーリー・テラーだと思います。質の高いアメリカの"法廷ものサスペンス小説"の第一人者だと心から思うゆえんです。

        典型的なアメリカ南部の町の、典型的な人種差別を描いて、一貫した法廷ドラマに仕上げていて、いかに裁判という制度が、アメリカ社会において根強い娯楽的なショーであるかを語る絶好の作品になっていると思います。

        10歳の娘を白人の痴漢二人によってレイプされた、この黒人の娘の父親。この父親は私刑の論理に従い、犯人たちを法廷内で射殺します。第一級の計画的殺人。その絶望的な弁護を買って出た主人公の弁護士----。

        "これは法廷弁護士にとって夢のような事件"だと感じる彼は、単なる正義感ではなく、打算と術策に燃える野心家です。法廷での対決相手ばかりでなく、同じ弁護士たちも、彼の野望に対して冷たい反応を示します。

        公判前の抗争はもちろんのこと、公判開始に至っても、"政争と謀略と恫喝とむき出しの暴力"とが、次々と彼を襲うのです。

        この点、この作品は、試練に立たされた若い弁護士の"成長小説"という側面もあり、裁判に関する専門的なディテールも興味深く、グイグイと読ませます。

        果たして、彼は不幸な黒人男を無罪にすることが出来るのか? "評決のとき"まで、ページをめくる指を止められません。




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        2016/12/09 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      ミステリで知る世界120カ国―開発途上国ミステリ案内

      渡辺 博史

      3.0
      いいね!
      • 古書店でみっけ! 本年最大の発見。こんな企画を考えた著者はえらい。なお且つ総数626冊のミステリでもって世界各地を魅せてしまった偉業、これは小本ながらもグレートブックなのだ。

        表紙レイアウトも粋だし、帯の文句もばっちり。
        「ミステリをスーツケースに詰めて」
        「開発途上国を626冊のミステリでご案内。旅行者、滞在者のための一石二鳥の読書術」

        小説の味わいはストーリーや登場人物だけからうまれるわけではない。
        とりわけ外国ミステリは、舞台となる異国文化の息づかいや匂いが一層、食欲ならぬ好奇心をそそるからだ。

        巻末には、本書でとりあげた国々のミステリを、作家の50音順にリストアップされてある。
        ちなみに、あ行だけでもならべると

        アイヴァースン,マーク 『ペルシャ湾の馬』(Persian Horse)文春文庫-279
        赤羽堯『災厄の方舟』角川書店-221/『死を讃え 森に潜め』講談社文庫-244/『死の太陽を射て』徳間書店-117/『スパイ特急』徳間文庫-82/……

        赤羽建美『香港・殺人&買物マップ』角川文庫-55
        朝松健『ベルバランの鬼火』朝日ソノラマ文庫-44
        アデア,ジェイムズ・B『ネイビー・シールズ』(Navy Seals)二見文庫 -288
        アドラー,ウォーレン『シベリア横断急行』(Trans-Siberian Express)角川書店-250
        アプトン,ロバート『楽園の不運な紳士たち』(Dead on the Stick)ハヤカワ文庫-193
        安部讓二『黄金の悪夢』祥伝社-165
        アームストロング,キャンベル『白夜が明ける』(White Light)文春文庫-257
        有沢創司『ソウルに消ゆ』新潮社-57
        アリモ,ガイ『スーパー・ミサイル争奪作戦』(Cruise)徳間文庫-166
        アレン,T&ポルマー,N『沈められた野望』(Ship of Gold)講談社文庫-71
        泡坂妻夫『砂のアラベスク』文藝春秋-305
        アンブラー,エリック『恐怖への旅』(Journey into Fear)早川書房 -294/『ディミトリオスの棺』(A Coffin for Dimitrios)早川文庫-234/……

        ……部分はまだまだあって省略。末尾の数字は本書掲載のページ。本文は、国と地域別。

        これだけあげても、「あ」で始まる作家だけ。このあと「い」「う」……と延々つづく。

        おお、どれから読もうか。と、考えているだけで楽しいひとときです。
        (大方は文庫版で紹介してくれているのも嬉しい。)





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        2016/01/11 by junyo

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      Black Jack The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)

      手塚治虫

      秋田書店
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 医療漫画で一番に出てくるのはやっぱりブラックジャックですね!

        孤高の天才医師ブラックジャックと助手ピノコの物語です。
        作中には様々な職業・人種の人が登場し、1話完結型で物語は進行
        していきます。そこには情があり愛があり楽しさがあり、
        残酷さもあり非常に人間味にあふれた物語になっています。

        生きるということはどういうことか、死ぬということはどういうことか。作者が伝えたかったことは何なのか。
        手塚先生は素晴らしいなぁと子供ながら思った作品でした。
        漫画と侮らずに一度読んでみてください。

        ちなみに僕が好きな回は・・・ちょっといっぱいありすぎて
        書ききれないですね。
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        2013/12/05 by hikaru1121

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      モンスター・ホテルでなつやすみ

      高畠純 , 柏葉幸子

      小峰書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • モンスター・ホテルには世界中のモンスターが集まってきます。

        全10冊のシリーズですが、今作はおんぶおばけの子ども、オンブブの物語。
        「たった ひとりで やまおくの おんぶおばけの むらから、モンスター・ホテルまで くること」
        という夏休みの宿題に オンブブが挑戦します。

        おんぶおばけ!!!懐かしいです。
        その昔、おんぶおばけのおんぶーなんてアニメがありましたっけ。よく覚えてはいませんけれど。

        おんぶおばけとは古風な妖怪ですが、このイメージを見事に裏切ってくれるんですよ。
        おんぶおばけのパパもママもショートパンツにランニングシューズ姿なんですから!

        おんぶおばけは人間におんぶされるのが主なお仕事(?)なので、
        素早く走って人間の背中に取り付かなければならないから。なんだそうです。

        おんぶおばけに操られると、自分でも思ってもみないところに行きたくなったり、
        しらないうちに変なところに歩いて行っていたりします。
        ちょっと重さで肩こりもするかもしれません。

        私なんか、しつこいおんぶおばけがくっついている可能性があります。
        あなたにも身に覚えはありませんか?(#^.^#)

        パパの書いたホテルの地図はテキトーだし、人間はモンスターホテルの場所を知りません。
        こんなことでは、オンブブがモンスター・ホテルにたどり着くことなんか無理ってものです。
        町にはたどり着いたものの、ホテルの場所がわからないまま、人間の子どもまゆみちゃんにくっついて行きましたが……。

        モンスターの子どもと人間の子ども。
        別々の世界に生きる子供同士ですが、時にこんなふうに気持ちが近づくこともあるんですね。

        微笑ましいお話でした。
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        2014/04/13 by 月うさぎ

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      岡本かの子全集〈4〉 (ちくま文庫)

      岡本 かの子

      5.0
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      • この「岡本かの子全集〈4〉(ちくま文庫)」の中の1編「金魚撩乱」は、美を追求する作家、岡本かの子の特徴が実によく現われていて、私がこよなく愛する作品のひとつです。

        この作品は、水産試験場で学んだある青年・復一が、家業の金魚飼育人をやっている話です。

        谷間のようなところに、その金魚屋があるのですが、崖の上にお屋敷があって、そこに自分が子供の頃から、密かに恋い焦がれている女性が住んでいます。

        主人公の青年は、その恋しい女性のイメージに似た新しい金魚を創り出そうと夢中になって努力するのですが、十何年頑張っても、結局、自分の思うような金魚ができません。

        途中、その失敗した金魚を、ある古池の中に捨てて、放置したままにしています。そして、その十数年の間に、いろんな人が死んだり、憧れていた娘は結婚して、その夫が妾をつくったりなんかします。しかし、主人公の男は、理想の金魚づくりに取り憑かれたままです。

        そして、ある日、暴風雨があり、失敗した金魚を捨てていたその池に主人公が行ってみると、アオミドロの水面のところに、自分が理想と思い描いていた金魚が、他のつまらない金魚を従えて泳いでいるのを見るのです-------。

        これが「金魚撩乱」の荒筋ですが、この金魚の描写が実に上手いのです。多くの語彙を使って、美というものを追求しているのです。

        例えば、理想と思い描いていた金魚を、このように書いています。

        「見よ池は青みどろで濃い水の色。そのまん中に撩乱として白紗よりもより膜性の、幾十筋の皺がなよなよと縺れつ縺れつゆらめき出た。ゆらめき離れてはまた開く。大きさは両手の拇指と人差指で大幅に一囲みして形容する白牡丹ほどもあろうか。それが一つの金魚であった。その白牡丹のような白紗の鰭には更に菫、丹、藤、薄青等の色斑があり、更に墨色古金色等の斑点も交って万華鏡のような絢爛、波瀾を重畳させつつ嬌艶に豪華にまた淑々として上品に内気にあどけなくもゆらぎ拡ごり拡ごりゆらぎ、更にまたゆらぎ拡ごり、どこか無限の遠方からその生を操られるような神秘な動き方をするのであった。」

        そして、金魚が沈みかけて、また浮き出して来た描写では、「一度沈みかけてまた水面に浮き出して来た美魚が、その房々とした尾鰭をまた完全に展いて見せると星を宿したようなつぶらな眼も球のような口許も、はっきり復一に真向った。」と表現しています。

        このように、金魚の美しさというものを、これほど高度に描いた作品は、他にはないのではないでしょうか。

        こういう作家は、本当に特殊な稀有な作家だと思うのですが、こういう作家が日本に生まれ出たということは、日本文学をこよなく愛する者としては、幸せなことだと思います。


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        2017/10/30 by dreamer

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      ニ-チェ全集

      信太正三 , フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

      筑摩書房
      4.0
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      • 正直なところ、ニーチェ的饒舌に辟易するところもあったし、玉石混交な気もするが、ところどころ宝石のような文章やことばがきらめている。

        以下のことばは、なるほどと思った。


        「独創性。―独創性とは何か?あらゆる人の眼の前にあるものなのに未だ名を有たず、いまだ名づけられえないでいるものを、見ること、がそれである。人の世のつねとして、およそ事物というものを人間にはじめて見えるようにするものは、名称なのだ。―独創性ある人間は、おおむね、命名者でもあった。」
        (第三書 二百六十一節 281頁)


        他にも、以下のメッセージは触発・啓発されるものがあった。


        ・情念の歴史、貪欲等の歴史を、ひとつひとつの時代や社会に即して書くこと。
        ・非凡な人とは、いわば隔世遺伝であり、過去の良い社会や歴史からの隔世遺伝であること。
        ・知を摂取同化することは、人類のまだまだこれからの課題であること。
        ・所有欲や愛よりも、古代ギリシャ人は友情を上とみなしていたこと。
        ・古代ギリシャ人は哲学者以外は皆奴隷だとみなしていたこと。(84頁)
        ・徳についてのかつての教説は、個人存在を全体の機能に変えてしまうものであったこと。
        ・過去数世紀の科学の発達は、ニュートン的・ヴォルテール的・スピノザ的の三つの錯覚から生じていたこと。(107頁)
        ・エピクロスへの共感。エピクロスが地中海を眺めているビジョン。(115頁)
        ・困窮の知識、つまり実際の肉体的な困窮の知識の有無が、中世と現代との違いであり、現代を漠然としたペシミズムに向かせるものであること。(118頁)
        ・他人がわれわれについて知るところのもの、の重要性。(122頁)
        ・仮象の意識(123頁)認識者―仮象―現存在
        ・高貴な精神とは「自分以外のすべての他の人には冷たく感じられる物事に熱さを覚える触感をもつこと」(125頁)
        ・人生は認識者にとって一個の実験でありうる。(337頁)
        ・「真面目な」陰鬱な思考より、笑いと悦ばしさのある思考を。(340頁)
        ・愛することを学ばなくてはならぬ。音楽のように、はじめは馴れなくなじめなくても、我慢する努力と善意がなければならない。それがあれば、なれないものはヴェールを脱いで、美しいものを見せてくれる場合もある。(347頁)
        ・人類の歴史を総体として自己の歴史と感じること(355頁)
        ・友を、自分を助ける仕方でのみ助けよ。同喜共歓の生き方をこそ。(359 頁)
        ・熟知のもの、慣れっこのものこそ、認識が難しく、認識すべきこと。
        ・自分の中で、自らの時代を超えること。


        「隠れた歴史。―すべて偉大な人間は、過去へと働きをおよぼす遡及力をもっている。あらゆる歴史は、彼あるがためにふたたび天秤にかけられ、そして過去の幾千となき秘密がその隠れ家から這い出してくる―彼の太陽の下へと。どういうものがいったい今後さらに歴史となるのかは、皆目みきわめがつかない。過去はおそらく今もってなお本質的には未発見のままなのだ!なおも非常に多くの遡及力が必要である!」
        (第一書 三十四節 104頁)


        これらのことばからのインスピレーションをどう生かすかは、詠み手の側次第なのだろう。

        笑いや喜びのある思考を軽やかに行いながら、同喜共歓の人生を歩み行くこと。

        それこそが、ニーチェの言いたかったことなのだろう。
        ニーチェの言葉のすべてに共感するわけではないし、いくつかどうにも首をかしげ、同意しかねるところもあるけれど、その点については、全く共感するし、なんとか自分の人生に生かしていきたい点だ。
        >> 続きを読む

        2012/12/22 by atsushi

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      魔法飛行

      加納朋子

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 今回読了した「魔法飛行」は、デビュー作「ななつのこ」で、日常的な小さな出来事に目を向けた謎解きで、私を完全に魅了した加納朋子のその「ななつのこ」に登場した入江駒子と瀬尾さんが再登場する第二作目の作品です。

        前作と同じく連作短編集の体裁を取っていますが、完成度はこの作品の方が上だと思います。

        四部構成のうち最初の三部は、駒子が瀬尾さんに送った短編小説です。駒子の通う短大に出現した、茜色のシャツと濃紫色のジャケットを纏った印象的な女性の謎めいた言動を綴った「秋、りん・りん・りん」。

        交通事故の現場に、犠牲者の父親である画家が描いた少年の絵が、一夜にして骸骨の絵と化した謎を記した「クロス・ロード」。

        駒子の友人である懐疑主義者の野枝と、宇宙人の存在を信じるその幼馴染みの卓見との間で行われたテレパシー実験の顛末を描いた表題の「魔法飛行」。

        しかし、この三つの話の合間に、駒子の小説を読んだと思しき何者かが書いた三通の手紙が挟み込まれているのだった。手紙の筆者はいったい何者なのか? その人物は、確かに駒子の小説の中に登場していたのだ。

        全ての謎が美しく解決された後、とびきりロマンティックなエンディングを迎えるこの物語は、題名通り、極上の素敵な魔法が封じ込められているのです。


        >> 続きを読む

        2018/03/13 by dreamer

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      黒い玉―十四の不気味な物語

      トーマス オーウェン

      3.0
      いいね!
      • 以前購入したまま放置してあった本。
        本棚を整理すると、意外と未読の本が出てくる。

        ほのかに気味の悪い14篇の小品集。
        馴染みのないベルギーの作家の作品。
        ひとつひとつの話は本当に短く、6ページという短さのものもある。

        怖いという程のものではなく、読み終えて何となしに嫌な感じが残る作品。
        そのためか強く印象に残る作品は殆どない。
        話の内容より、独特の古典的な世界観を楽しむ本と言える。

        その中では「父と娘」「鼠のカヴァール」が読み終えても少し印象を残す。
        ルドンの石版画を表紙絵に用いており、本作の雰囲気に合っていると感じる。
        >> 続きを読む

        2015/05/08 by jhm

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      超B級特ダネ写真99 アメリカが驚いた!

      Jerome, Ted , 海外サブカルチャー研究会

      二見書房
      カテゴリー:雑著
      3.0
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      • バカバカしくなるような写真とエピソード集。

        捏造と言う事さえバカバカしくなるような写真や記事のオンパレード。

        タイトルがタイトルだけに、事実では無いことは百も承知の状態で読むことになるが、そうでなかったとしたら、きっとガックリ来たと思う。

        ・犬に磁石を飲ませて廃品回収
        ・蘇った解凍おばさん

        B級というか、シュールと言うか・・・。。

        疲れているときに何も考えずに読む。何も残らないがリフレッシュは出来る。
        >> 続きを読む

        2012/03/02 by ice

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      自分でできる夢判断―「無意識」からのメッセージを読み解く (面白BOOKS (24))
      いいね!
      • 匿名

        1993/7/24
        第1刷

        2018/06/04 by 匿名

    • 1人が本棚登録しています
      ノスタルギガンテス

      寮 美千子

      5.0
      いいね!
      • 私の魂の一冊

        「幼少期に失ってしまった何か」

        が淡く淡く書かれた本です。
        なぜか、主人公に昔の自分を重ね合わせて、
        どことなく懐かしさがこみ上げてくる。
        ぼんやりした言葉にできない「子供らしさ」を思い出すことができます。

        神々しくじっとりした装丁も素晴らしいです。
        >> 続きを読む

        2014/04/24 by オオスカシ

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      時間・欲望・恐怖―歴史学と感覚の人類学

      アラン・コルバン

      4.0
      いいね!
      •  本書は日本でいう明治維新の少し前、18世紀フランスの日常を描いた歴史書である。

         だが普通の歴史書と違うのは、フランス革命やナポレオン戦争などの大きな出来事を扱うのではなく、都市に住む人々の生活を淡々とつづっているところである。

         つまり、これは生活史と言ってもいい。明治維新は、日本人の生活を劇的に変えたけれども、フランス革命もまたフランス人の生活を変えた。その変わったところと変わらないところを丁寧に書いた本書は力作といっても過言ではない。

         すべての人々、すべての職業を網羅しているわけではないが、娼婦の避妊や都市労働者、出稼ぎ労働者、劇場に集まる人々の姿を生き生きと描いている。

         特に筆者が気になったのは、「女中と主婦――ブルジョワの幻想――」(頁七〇)であろうか。

         女中という言い方は、日本ではすでに死後に近いけれど、メイドと言ったらわかりやすいだろうか。かつて、メイド喫茶(メイドの恰好をした店員がウェイトレスをしている喫茶店)がブームになり、全国で雨後の竹の子のように乱立した時期があり、そしてその多くがつぶれていった。しかしながらメイドという存在が、ゲームや漫画、アニメといったサブカルチャーの分野では確立された存在だといっていいだろう。

         メイドの持つ魅力、特にある種の「いかがわしさ」を真面目に論じているところがとても面白い。

         ほかにも、労働者を時間で管理しようとしたら、自分も時間を気にしなければならなくなった経営者など、アンシャンレジーム(旧体制)から新しい時代に移行する姿が生き生きと描かれている。

         歴史というのは大きな流れを捉えるものであるけれど、その中で人々の生活や思いは無視されがちである。だからこそ、そういった小さなことを記録することの重要性を本書は訴えているような気がしてならない。当たり前すぎて、気にも留めないことが、後世では珍しいことになっている、という例は枚挙にいとまがない。
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        2015/01/10 by ぽんぽん

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出版年月 - 1993年7月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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