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筒井康隆
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我々の世界とは一風変わった世界を、ただただ旅するラゴス。我々が「旅」というとどこかへ羽をのばして……写真を撮り、旨いものを食い、温泉に入って、お土産なんか買って帰ってくる……というものだが、ラゴスは違っている。我々の旅は数日で家に帰ってくる旅行なのだが、ラゴスは家へ帰らない。実家に戻った時ですら、「ここは旅の中継地点なのだ」と考える、それがラゴスなのである。旅先で起こる出来事。捕虜になり奴隷として労働を強いられるときもあれば、国王にまつりあげられることも。訪れるその地その地で、ある一定の立ち位置を獲得し、それを受け入れていく。旅先で逢ういとおしき人。心を通わせ、語り合い、ときには女性と愛し合う。だがラゴスはずっとその場所にとどまらない。「ここにいてくれ」と懇願する人を置いて、ラゴスはまた旅に出る。どれだけそこが心地いい場所でも、どれだけ愛する人がいても、ラゴスはやはり旅に出る。危険な炭鉱で働かされたり、部屋にこもって本を読みふけったり、昔出会った女のことを思い返したり……これは、ラゴスの旅の物語ではなく、ラゴスという人物の物語なのである。ただただ放浪するわけではなく、かといって確固とした理由があるわけではなく、何かを求めてひたすら旅をする。ラゴスという人物が旅そのもの、まさに彼は「旅のラゴス」なのだ。薄めの分量に対し、この重厚感。この満足感。素晴らしい作品である。これだから読書はやめられない。 >> 続きを読む
2021/01/18 by 現場猫
沢木耕太郎
2までを読んだのでつずけて読んでみた。まだ東南アジアより西は経験していないので、いつかはこの人が辿った道を自身も歩んでみたいと思う。 >> 続きを読む
2017/06/21 by よしりよ
ルイス・キャロル , 金子国義 , 矢川澄子
アリスといえば、金髪ロングヘアの可愛らしいビジュアル。彼女の身に起こった物語を読むのを楽しみにしていたのですが、翻訳が合わなくて合わなくて!大苦戦しました。「~なんでね」の文末にイライラ。誰もが知っている物語なのでさらりと読むはずだったのに…。二度読みました。するとあら不思議!二度目は読みやすくなっているではありませんか!(慣れたのでね)しかも味のある文章ときた。他の翻訳で読んでやるーというレビューにするつもりが、読了してみれば、続編もこの訳でお願いしますという気持ちにさせられました。…長くてすみません(>_<) ラストに関するネタバレもあるので、以下嫌な方は避けてください。チョッキを着た白ウサギを追いかけてウサギ穴に入り込み、深く深く落ちていったアリス。着いた先はなんともへんてこな世界で。帽子屋、ウカレウサギ、ネムリネズミ…そしてなんといっても女王さま。かなり好きでした。口を開けば「首をきれ!」処刑命令ばかりで。(それを王さまが赦しているのがまたおもしろい。)おかしなことばかり起こります。そんな世界ですが、アリスもアリスで怪しげなびんの中身を軽い気持ちで飲んだり(毒表記あるか確認はしてたけど)、ケーキを食べたりしていて。度胸のある女の子だと思いました。緊張してる場面はありますが、なんだかんだ面白がっているという印象でした。順応力のある子だ。そしてラストはまさかの〇〇オチ・・・!おもしろすぎる。最後に翻訳の矢川さんのあとがきに書かれていた、「あなたはほんものの兎にあったことがありますか」について。4、5年前に野生の兎を見たことがありました。北海道中富良野にあるオリカというホテルの周辺で。遠かったのでおそらく、ですが、あの時はテンションが上がったなぁ。また行きたいです。そんなことを思い出させてくれました。そして…小声で言いますが、2017年の課題図書制覇です。(2019年ではない…) >> 続きを読む
2020/01/19 by あすか
CunninghamHisako , GrandinTemple , ScarianoMargaret
「バチカン奇跡調査官 十七頭の象」に「テンプルグランディンの締め付け機」が出てきたので読んでみようと思った本。自閉症(今でいうアスペルガー症候群?)で動物学者の女性の話。執筆に研究にと活躍されている人らしいのだが、日本ではこのような人が学者になるのは難しいだろう。この本を読むきっかけになった「バチカン奇跡調査官」の作者・藤木稟さんも自閉症(ADD。ただしカミングアウトしたのが10年以上前なので誤診という可能性もある。)で、彼女の作品にも常識やコミュニケーション能力や生活能力こそないものの天才的な才能で活躍するキャラがたくさん出てくるのだが・・・物語の中だから通用するようなもので本当にいたら活躍どころか人間関係につまずいて大学すら出られなそうなキャラばかり。空気は読めないわ言葉使いが礼儀正しものの失礼な言動が多いわなキャラも多く、「よく周りの人間は怒ったり注意したりしないなあ」と毎回首を傾げながら読んでいる。藤木稟さん自身も、子供の頃はいじめられっ子で堪え性がなくて(本人談)大学を中退し、小説家になるまでいろんな仕事をしており、小説家になった後でも仕事が忙しくなると精神分裂気味(統合失調症?)になったり過呼吸になったりしているらしい。もっとも自閉症または自閉症的な性格のキャラを出す時は、それをプラマイゼロにするような特技があって変人扱いされながらも周りから受け入れられているという設定でないと、人気は出ないわ使い道はないわだからそういう風に書いているだけなんだろうが。 >> 続きを読む
2017/09/03 by kikima
川本三郎 , トルーマン・カポーティ
作品に感情の浮彫りや奥行きを求めるようになったのは、間違いなく“ミリアム”のせい。 >> 続きを読む
2016/03/16 by one
WardG.Kingsley , 城山三郎
父から息子へのメッセージ。内容は忘れてしまったが、父親との忘れられないエピソードとして深く心に刻まれている。この作品を読んだのは、おそらく高校とか大学時代だった気がする。文庫で読んだ後、軽い気持ちで親父に「コレ面白いから読んでみれば」と渡して忘れてしまっていた。そこから何ヶ月か経過した、ある日。「ちょっと来い」と珍しく神妙な顔をした親父からの呼び出し。また何かやらかした...と逃げ腰だったところに届いた言葉は「オレからのメッセージだ!」と言う一言。メッセージなら今言えよ。みたいな当然のやりとりを経て、登場したのがこの本。(しかも何故かハードカバー!)対応に困っていると、「この本は是非お前に読んで欲しい!」と真顔で攻めて来るので、散々迷ったあげくカミングアウトすることに。「この本ってオレが勧めたんだぜ!」しばし、何とも言えない沈黙の時間が続いた後、いたたまれなくなった親父が放った一言。「アレそうだっけ~♪」この親父の息子に生まれて来て良かったのか...という気持ちと。良かった♪という気持ちの狭間で2秒くらい揺れるのは止むを得まい...そんなこんなで、いい大人になった今、再読してみようかという気になっている。ちなみに性格はマルっと遺伝してる(笑) >> 続きを読む
2012/06/29 by ice
北村薫
探偵役が真打の落語家円紫、主人公は女子大生の私。北村薫さんのデビュー作だそうだが、もう面白くて止まらなくなった。 何気ない日常の謎、ありふれた中に混じって気が付く不思議な出来事が、胸がすくように論理的に、説明しながら絵解きをしてくれる。「私」をとりまく家庭も学校もいたって平和で、三人の友達も個性は違っても雰囲気が暖かい。ほのぼのとした江美ちゃん、落語好きの私。ズバリと飾り気のない会話をするが、心根の優しい正ちゃん。 落語の演題がいろいろ出てきて、少し噺の中身も紹介してくれるのが嬉しい。 短編が5つ織部の霊 最近古田織部のエピソードを読んでいたので、最初に出てきた名前でビックリした。大学の先生がまるで覚えのない織部の夢を見ると言う。 砂糖合戦 円紫さんと喫茶店に入ったら、女の子の三人組が砂糖壷を何度もまわしていた胡桃の中の鳥 円紫さんが蔵王で研究会を開くので誘われた、友人と三人で旅先を蔵王にした。そこの宿で可愛い女の子を見かけた。 赤頭巾 絵本作家の女性と知り合いになった、その家の前の公園の麒麟の前に、時々赤頭巾が立っているという。 空飛ぶ馬 働き者の青年が、店先に飾っていた木馬を幼稚園に寄付をした。だが、一日その木馬が消えてしまった夜があるという。どれも些細な謎かもしれない、私なんか?が頭の上に出るようなことがあってもまぁいいかと流してしまっている。そのくらいちょっとしたことを、円紫さんが解き明かす。ほのぼのとして筆が暖かい。「空飛ぶ馬」はなんだかほろっとしてしまった。 勢いに乗って、シリーズの4作「夜の蝉」「秋の花」「六の宮の姫君」まで買ってそろえてしまった。 北村さんは博識で、文章も味わい深い。引用されてい本まで読みたくなる。それもいつかと思っている。 比喩や抽象は現実に近づく中断であると同時に、それから最も遠ざかる方法であろう。現実に苦しみに思いを致すときにそう考えないわけにいかない。 「元気?」 声を上げながら近づく私たちに、江美ちゃんは二人分――両手を胸の前に広げて、夜を迎える前に現れた気の早い星の輝きのように振ってみせた。 「そういえば――」 「何よ」 「稲花餅、食べるぞ」「あら、忘れてた。感心するわね、凄い執着」 「執着のないところに達成はない」 笑ってしまう正ちゃんのせりふより知で情を抑えることはできるのに、その逆は出来ないのです。そこが知で動く人間の悲しさではありませんか。そういう意味で知は永遠に情を嫉妬せざるを得ないのでしょうね「赤頭巾」解決後の円紫師匠の言葉ごまめさんのレビューでこの本に出会えました。田舎の家にいた頃学校から帰ると誰もいませんでした。ラジオをつけて宿題をしながら聞いていたのが丁度落語の時間で、あれはこういう噺だったのかと気がついたものもありました。、そのうち繁盛亭に行ってみようかと思いましたが、こうして片足突っ込み抜き差しできないくらい深入りするのかな、用心しなければと思っています。 >> 続きを読む
2015/05/29 by 空耳よ
美内すずえ
通常版のコミックス1巻が検索で出て来なかったので文庫版の方を。(ウン十年前から買ってるので所有してるのは勿論、通常のコミックスですが)子供の頃から連載してて未だ完結してない長編少女漫画の代名詞!(ガラスの仮面と、王家の紋章が2大作品だと思われる)なんだかんだで長く続いているという事は面白さが保障されているという事。ただ、現時点で49巻まで出ていて物語も終盤ではあるのですが、発刊ペースと1冊あたりの内容進行度が遅くなってきた事だけが難点。紅天女は最終的に(ストーリー的に?)マヤが獲得するであろうことは読めるが(そうでなければ連綿と続く少女漫画の王道を外れますから/笑)、紫のバラの人、速水氏との結末がどうなるかはかなり気になるトコロ。余談。安達祐実主演のテレビドラマは月影先生の野際陽子がハマリ役で光っていた。(※敬称略)漫画が原作のテレビドラマはイメージが違ってガッカリな事が多々あるけど、個人的にはあの月影先生の配役だけで花丸満点をあげたい。 >> 続きを読む
2019/01/17 by ちさと
桑原三郎 , 千葉俊二
本日川崎市立図書館にて蜘蛛の糸の単行本が無くこの本に蜘蛛の糸が載っているので読んでみました。長い作品なのかと期待していたが、短編作品で早く読み終わりました。小さい時に映像で見た覚えが有りましたが同じ作品でした・・・。読みやすい作品でした。 >> 続きを読む
2016/03/18 by さおり
アンドリュー クラヴァン
【手に汗握る緊迫したサスペンス。これは手放しで面白い!】 これまでに読んだミステリ評論を参考にして図書館から借りてきた本なのですが、これは大当たりでした。 スピード感に溢れ、一気にクライマックスまで読ませる大変面白い作品です。 主人公は40歳になる裕福な精神科医のコンラッド。 彼は、美しい妻と可愛い5歳になる娘と三人で平穏に暮らしていたのですが、ある時、知人の精神科医から、殺人事件の被告人であるエリザベスという女性に裁判を受ける能力があるかどうか(裁判の意味を理解できるかどうか)を鑑定して欲しいとの依頼を受けます。 知人の医師自身も診察したそうなのですが、最初はエリザベスはよく自分のことを話していたのに、突然狂暴になり、その医師にものすごい力で襲い掛かって来たというのです。 それ以来、エリザベスは放心したようになり、何も話さなくなってしまったのだと言います。 そこで、過去に似たような症例を治療した経験のあるコンラッドに診てもらいたいというわけです。 知人の医師の話によれば、エリザベスが訴追されている事件というのは、自分の家で男性をめった刺しにして殺害したという事件だそうなのですが、エリザベスは殺したのは自分ではなく、自分の秘密の友人なのだと主張していると言うのです。 実は、エリザベスは、その事件の前にもやはり男性をものすごい力で叩きのめして殺害するという事件を起こしており、その事件も自分の秘密の友人がやったことだと主張していると言います。 エリザベスはどうやら分裂症のようで、また、何かをきっかけに豹変し、男性でも太刀打ちできないような物凄い力を揮うようなのです。 『私の秘密の友人』というのも、分裂症のために架空の人格を生み出して責任から逃避しているのではないかと思われます。 ところで、そんな怪力を出すエリザベスというのは大変美しい若い女性でした。 初めてエリザベスを診察したコンラッドはその美しさに息を呑みます。 こんな女性がそんなことをするとは信じられない。 ところが、どうやらエリザベスの母親というのは麻薬中毒だったらしく、身体を売って麻薬を入手していたようなのです。 そして、あろうことか、母親は麻薬を入手するためにエリザベスの身体も客に売ったようなのですね。 エリザベスはそれがトラウマになって精神を病んでしまったと思われます。 エリザベスの話では、母を殺したのも秘密の友人なのだと言うのですが、ということは、エリザベス自身が母親を殺したということなのでしょうか? 本作の一つの柱は、このエリザベスにまつわる謎を巡る物語なのですが、もう一つ柱があります。 それはコンラッドの5歳の娘が誘拐されるという事件です。 この誘拐事件の犯人が非常に卑劣な奴なのです。 もう、読んでいて腹立たしくなる位に。 コンラッドとその妻は、犯人に気づかれないようにして何とか娘を救出しようとするのですが、この誘拐事件が何故かエリザベスの謎と絡み合ってくるのですね。 大変よく考えられたプロットで、また、犯罪の中でも成功させることが難しい誘拐を巧く描いており、読者はハラハラさせられ通しになります。 非常によくできたサスペンスと言えるでしょう。 ただ、ラストはちょっとやり過ぎでは?と思わなくもないのですが、まあ、犯人が相当に嫌な奴なので、このくらいやってくれて全然OKという読者もいることでしょう。 タイトルがちょっと地味なので損をしていると思うのですが、これは是非読むべき作品だと感じました。 著者の作品を読むのは初めてでしたが、物語の展開にもスピード感があり、ぐいぐいページをめくらせる力のある書き手だと感じました。 ちょっと注目ですね~。読了時間メーター□□□ 普通(1~2日あれば読める) >> 続きを読む
2020/07/08 by ef177
小松和彦
--一書を編んで、そろそろ妖怪から逃れたいのだが、なかなか私人取り憑いた妖怪が離れてくれないのだ。私に乗り移っている妖怪の調伏をどのように行ったらいいものか、目下思案中である-- 柳田説、「妖怪は神々の零落したもの」に鋭く切り込んで持論を展開した名著。 柳田説は、聞こえが良いのでつい受け入れやすいのだけれど、妖怪の多くはかつて神様だったと思えないものばかり。人間が妖怪(鬼)になる能の世界も説明できておらず、真面目に考えると納得感が薄い。 本著では、自然現象の世界にいる人間と、超自然現象の世界にいる妖怪を対比させる。 超自然現象世界にいる怪しいモノ(物の怪)。 これが祀られると神に、祀られないと妖怪になる。 妖怪の中で、特にマイナスのエネルギーの強い存在が鬼として扱われる。 そしてここが感嘆するところなのだけれど、鬼と神と人間は正三角形の頂点の形で繋がっており、それぞれが行き来すると。 確かに我々は、あいつ鬼だ、とか、あのひと神だ、とか言うことが多い。 鬼が神になる例も多く、逆もまた然り。 女性が鬼になる能の説明もつく。 だからかつての人々は、容易に人が鬼の世界に行ってしまうことを感じていたからこそ、様々な鬼よけの儀式や祭事をもってきたんだろうなあと。 いや非常に面白かった。 この面白さを分かって貰える人が身近にどれほどいるかだけが不安ながら・・・。 >> 続きを読む
2018/07/29 by フッフール
小野不由美
人の心が一番怖いのだということを知った。
2014/12/09 by ayumi
辻仁成
カイは笑うことも、泣くこともしない。普通の子ではなかった。幼稚園に入って間もなく、両親が目を離している隙に、群衆の谷間を潜り抜け、都市の回廊へと迷いこんで行った。そこでは、少年と少女の一団が、カイを待っていた。カイが突然叫ぶ。「ヘンシツシャを退治に行こう」カイを先頭に少年達は突き進んでいった。叙事詩的世界を描く、長編現代の神話。 >> 続きを読む
2013/12/12 by books
村上龍
『半島を出よ』を読んだのでこちらも読んでみた。この著者の本は他のだと『トパーズ』とかを読んだことがあるだけだったので、どこまで冗談か判断できなくて最初はこの本の世界観に入りきれなかった。でもすぐに自然と引き込まれた。大筋のストーリーと別の所で女子大生のキャラが立ち過ぎててすごかった。人間を描写する時に「今すぐに顔が中心から割けて中からエイリアンが出てきたらどんなに安心するだろう」とか発想がハンパ無い。 >> 続きを読む
2017/07/06 by W_W
神尾 葉子
花より男子6巻。最初の道明寺とのシーンもいいけれど、この巻はとにかくラストの花沢類にはクラっとした…><道明寺の別荘のある島にみんなで旅行♪道明寺の気持ちを知ったつくしは道明寺と同じ部屋へ。だけど、静とはうまくいかないと知って帰ってきた花沢類のことが気になって仕方がないつくし。二人は夜の砂浜で色々話して、そして!ラストの展開に迷うことなく☆5を捧げます…!花沢類ーーー><それにしてもつくしは罪だなぁ。無邪気に振る舞いすぎ。キュンとしすぎてため息が止まりません。 >> 続きを読む
2014/08/15 by sunflower
岡田あーみん
岡田あーみん先生。私、この方天才だと思ってます。90年代ウフフキャッキャと恋愛をモチーフにした漫画が多く掲載されていた「りぼん」にて主人公と王子様の邪魔をする非常にパンチの効いた王子様の母親が主人公を攻撃しまくり・・だって「りぼん」だよ!「りぼん」に掲載されてたんだよ!コレが!!もうそこから既に笑える・・当時かなり読者からの批判の手紙が殺到したとかで今はもう漫画を描かれていないと言うのが本当に残念でならない。今読んでも笑います。絵が結構古いんですが、本当に面白いです。私の求めるギャグはコレなのよ~・・多分、男性が読んでも楽しめると思います。また、こんな感じの漫画家さん出ないかなぁ >> 続きを読む
2014/04/11 by ♪玉音♪
叶精作
オークション・ハウス 第9/全34巻自らを狙う組織を元から絶つため日本に上陸したリュウ。この後どうなるのか分からないが、どうもこの日本編は蛇足な気がしてならない。贋作家ルイーズ。フランス婦警ルフィとともに日本に上陸したリュウ。そこには手ぐすね引いて待ち構えている組織が仕掛けた二重三重の罠が待っていた。予想以上に強大な組織は、ホテルやマスコミ、そして当局にまで影響力を発揮しており、襲撃されては撃退というのを何回か繰り返すことになる。しかし、得意の大局を抑えた起死回生の策で、ついには組織のボスと一騎打ちに漕ぎ着けるに至る。現場だけを見ていては、次々押し寄せる刺客から逃げ回る消耗戦としか捉えることが出来ず、有効な戦術は「退却」しか浮かばないと思う。そんな中で、一気に大将との一騎打ちを実現させるような策を導くことが出来るのは、もちろん経験がものを言う面は大きいものの、クールな脳で思考できているからではなかろうか。完全に追い詰められたと思われる窮地に陥っても、リュウのように起死回生の策を示せるリーダーになりたいものだ。最後のカットがシュール過ぎる。全裸にブーメランパンツ1枚の格好で日本刀で「シュッ!」とかやってもキマんねぇから... >> 続きを読む
2013/06/23 by ice
河合隼雄
河合隼雄のとりかえばや物語論です。前半は「とりかえばや物語」をストーリーに沿って解説していきますので、「とりかえばや」を読んだことがない人でも楽しく読めます。河合隼雄自身が言っていますが、「とりかえばや」は国文学界であまり評判のいい作品ではありません。文学史ではたいてい『源氏物語』を最高峰として、それ以降の物語を「源氏模倣作品」と一緒くたに論じ、「とりかえばや」はだんだんダメになっていった物語の極めつけのような扱いだったと思います。 河合隼雄は「とりかえばや」から、男と女の問題について深く掘り下げていきます。また、物語という形でしか語られない真実について、臨床心理士らしく解説を加えていきます。というのはカウンセリングとは「語る」という行為によってクライアントが自ら治癒していくもののようだからです。 後半ではユングの「アニマ・アニムス」の概念について専門的な解説をしています。アニマは「内なる男性」アニムスは「内なる女性」のことのようですが、河合隼雄は一人の人間に男・女・アニマ・アニムスの4つがあると考えているようです。そこに自分の前にいる相手の性(もちろん相手も4つを持っている)によって、さまざまに役割分担をしていくといいます。対話は相手との間にだけ起こるのではなく、自分の中でも内なる男女の語らいが、あるいは同性同士の語らいが行われているのです。物語の世界ではそれが独立の男女になって展開していくと指摘しています。とても説得力のある考え方です。「とりかえばや」で男女の性を逆転されて育てられた姉弟が、同性愛的な段階(相手は異性愛として接してくるのだが)を経て本来の性を取り戻して異性愛に落ちついていく過程は確かに誰にでも起こる得る内的成長かもしれません。 河合隼雄はさらに古今東西の文学作品やオペラを取りあげて自説を補強しつつ、西洋的な男性優位社会の特性と日本的な社会との違いと物語への現れ方を解説していきます。この辺りを読んでいると、改めて河合隼雄の博識に圧倒される思いです。もう少し長生きして一層混沌としてきたこの社会を見て欲しかったです。西洋的な倫理と日本的な美についての論究ももっと知りたいと思います。混沌に触れてめちゃめちゃになってしまうのではなく、「美」という基準によってブレーキがかかるという話は納得できるものがありました。「とりかえばや」で真相を知りたがった中将や帝が知らない方がよいこともあると思いとどまる、あるいは説得される場面、本当の母に会ったと思いながらそれを口に出さない子ども、これらの規制は「美」であると指摘されています。たぶん、現代の日本がしんどい一つの理由もここにあるのかなと思います。「それは美しくないからやめよう」という規制が働かないのです。しかし河合隼雄はそこまでは言っていませんが、そういう価値観が共有されているかどうかは社会の開放度に反比例するのだと思います。 ユングは男性優位の社会に浸かっていたためか、アニマを強固なものとして考えていたようだと指摘しています。河合隼雄はたましいのレベルでは両性具有的なものがあるのではないかと考えています。プラトンが紹介している、古代の人類は手や足が4本あって前後左右どちらにも動くことができ、強大な力を振るって神に対抗しようとしたので、ふたつに切り裂かれて、男女になった、だから男女は互いの半身を求め合うのであるという話や、『記紀』にある混沌から始まる物語などを引きながら、たましいのレベルでは混沌とした両性具有的な何かがあり、次に生理的な性、そして社会的な性役割(ジェンダー)があるのではないかと指摘しています。 旧約聖書の冒頭がそうであるように、人間は二分法が大好きで、それによって考えていくことで発展してきました。コンピューターが二進法で動いていると知って、河合隼雄は、さもありなんと思ったそうです。しかし時に人生さえ狂わせてしまう強大な力を振るうエロスの引力に苦悩し、傷つくとき、この混沌レベル、たましいのレベルにまで到達して人間は成長するのだと河合隼雄は言います。エロスの神はかつて畏敬されていましたが、時代が下るにしたがってキューピッドのようなかわいらしく小さな存在に描かれ、キューピー人形にまで成り下げされましたが、これは人間が獣性を理性で克服できたとする、あるいはそう思い込むために起きた現象で、エロスの力は弱まってはいないと言います。確かに性にまつわる事件は後を絶ちません。この辺にも近代の限界、二分法、理性の限界を感じます。河合隼雄は臨床心理士として現代の最も先端的な病理に向き合ってきたはずです。そのためか、ここに書かれていることの多くは予言的に聞こえますが、ドラッカー風に言えば「すでに起きた未来」を河合隼雄は見ていたのでしょう。 人間の中にある4つの性、またたましいのレベルへの気づき。混沌や苦悩を切り捨てるのではなく立ち向かうこと、それが人間的な成長、こころの豊かさへ通じる道だというのがよく理解できます。 >> 続きを読む
2012/12/21 by nekotaka
村上春樹
主人公に異常な行動が多く、枯れ井戸の中に一人で潜っていって死にそうになったりしていて読んでいてわけがわからなかった。間宮中尉や笠原メイに纏わる話や、村上春樹の文章の書き方が独特で面白かったので、なんとか最後まで読めた。 >> 続きを読む
2014/04/18 by inu
出版年月 - 1994年3月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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