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1994年3月発行の書籍

人気の作品

      旅のラゴス

      筒井康隆

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Kazama Tukiwami
      • この本はSF小説にあるような奇想天外な話でもなんでもなくその中心は至極まっとうな主人公の旅の物語だと思った。
        周囲には個性的な登場人物がたくさんあらわれ、危険も何度も訪れる。
        アドベンチャーの物語でもあり、一貫したストーリーがある。内容を詳しく書くと興ざめなので書かないが、なんだかすがすがしい読後感を得た。

        >> 続きを読む

        2019/04/23 by KameiKoji

    • 他21人がレビュー登録、 91人が本棚登録しています
      深夜特急 - 3 インド・ネパール 新潮文庫

      沢木耕太郎

      新潮社
      カテゴリー:地理、地誌、紀行
      3.9
      いいね! chao momomeiai
      • 2までを読んだのでつずけて読んでみた。まだ東南アジアより西は経験していないので、いつかはこの人が辿った道を自身も歩んでみたいと思う。 >> 続きを読む

        2017/06/21 by よしりよ

    • 他4人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      深夜特急 - 4 シルクロード 新潮文庫

      沢木耕太郎

      新潮社
      カテゴリー:地理、地誌、紀行
      4.2
      いいね!
      • 2までを読んだのでつずけて読んでみた。まだ東南アジアより西は経験していないので、いつかはこの人が辿った道を自身も歩んでみたいと思う。 >> 続きを読む

        2017/06/21 by よしりよ

    • 他3人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      不思議の国のアリス

      ルイス・キャロル , 金子国義 , 矢川澄子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「不思議の国のアリス」は小さい頃に一度読んでいる。
        改めて今回読んでみたのは単純に本屋さんで棚に並んでいるのを見て懐かしいなと手に取ったのがきっかけだ。

        改めて読んでみると思っていたよりも長く、こんな話だったっけと感じた。

        アリスの身体が大きくなったり小さくなったりばかりで、もっと違う変化があっても面白いだろうとは思うけれど、即興でこんな物語を考えるルイス・キャロルは凄い作家だと思う。

        どこか何かを風刺しているようにも感じたが、何をどう風刺しているのかはよくわからないので、考えすぎなのかもしれない。

        翻訳が古いのか、会話にやや古めかしさを感じてしまう。
        何か違うなという思いが最後まである。

        今回「不思議の国のアリス」を読んで「鏡の国のアリス」も読んでみたいと思った。
        >> 続きを読む

        2017/01/04 by jhm

      • コメント 6件
    • 他2人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      空飛ぶ馬

      北村薫

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!

      • 北村薫の本格謎解きものの連作短編集である「空飛ぶ馬」は、郊外から東京の私立大学に通う女子大生の「私」と、人気落語家の春桜亭円紫のコンビの周辺で起きる"謎めいた出来事"の顛末を描いています。

        主人公の女子大生の「私」が語る、日常生活の中で出会ったちょっとした謎を、探偵役である噺家の円紫師匠が鮮やかな推理で解き明かすという、北村薫の小説世界に完全にはまってしまいました。

        この「空飛ぶ馬」が、例えようもないくらいに面白いのは、各編で見せる円紫師匠の論理的な推理ぶりもさることながら、人情小説の味わいを大切にしているからなのです。

        そして、この連作短編集は、優れた本格推理小説であるのと同時に、一人の少女の魅力あふれる成長の物語だと思うのです。

        そして、そうなり得たのは、まさに殺人事件という"非日常的"な題材ではなく、主人公の「私」の身の回りで起きる"日常的"な題材を扱っているためなのです。

        まだ、少女の名残りを留めている「私」は、その様々なドラマから人生の側面を垣間見て、大人へと成長していくのです。そして、その様子を温かな視線で見守るのが、円紫師匠を始め、大学の加茂先生、友人の正ちゃんといった「私」の取り巻きなのです。

        日常に潜む謎といえば、どうしても人間の営み、人間の心理といった問題に関わってきます。それゆえ「私」が、ある一つの謎の真相を知ることは、同時に人間に対する理解を一歩進めることになるのだと思います。

        この人間に対する"深い洞察と愛情"、これこそが他の誰にも真似できない「北村ワールド」の大きな魅力なのだと強く思います。

        これがあって初めて、「砂糖合戦」の「なぜ少女は紅茶に何杯も砂糖を入れるのか」、「赤頭巾」の「なぜ日曜日の夜になると公園に赤頭巾が現れるのか」、「空飛ぶ馬」の「幼稚園の木馬は、どうして一日だけ空を飛んだのか」などといった謎が、生き生きとした魅力を放つのだと思います。

        文学少女の「私」にとって、第一話の「織部の霊」から第四話の「赤頭巾」までのエピソードは、ある意味、人生の悲哀や生臭さといったものを感じさせるものでしたが、第五話の「空飛ぶ馬」に至って、そうした憂さは見事に払拭させられるのです。

        そして、最後に人生讃歌のクリスマス・ストーリーを用意した辺りの北村薫の配慮は、心憎いばかりです。

        この連作短編集には、本格ミステリ全般に対する溢れんばかりの愛情があり、第二話の「砂糖合戦」の中で、円紫師匠が、「私」に向かって「落語」に対する考えを語った言葉は、そのまま推理小説作家・北村薫のミステリに対する真摯な姿勢を言い表していると思います。

        「古い形の中にある命は残して、それを生き生きとしたものにしたい。子供の頃から聞いて、好きで好きでたまらなかった落語です。喜ばせてもらった恩返しをしなくちゃいけない。それには後ろを向いているだけでは駄目でしょうね。必要なのはやっぱり演出の工夫と芸の力です」。



        >> 続きを読む

        2017/05/13 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      我、自閉症に生まれて

      CunninghamHisako , GrandinTemple , ScarianoMargaret

      学研マーケティング
      カテゴリー:内科学
      3.5
      いいね!
      • 「バチカン奇跡調査官 十七頭の象」に「テンプルグランディンの締め付け機」が出てきたので読んでみようと思った本。
        自閉症(今でいうアスペルガー症候群?)で動物学者の女性の話。
        執筆に研究にと活躍されている人らしいのだが、日本ではこのような人が学者になるのは難しいだろう。
        この本を読むきっかけになった「バチカン奇跡調査官」の作者・藤木稟さんも自閉症(ADD。ただしカミングアウトしたのが10年以上前なので誤診という可能性もある。)で、彼女の作品にも常識やコミュニケーション能力や生活能力こそないものの天才的な才能で活躍するキャラがたくさん出てくるのだが・・・
        物語の中だから通用するようなもので本当にいたら活躍どころか人間関係につまずいて大学すら出られなそうなキャラばかり。
        空気は読めないわ言葉使いが礼儀正しものの失礼な言動が多いわなキャラも多く、「よく周りの人間は怒ったり注意したりしないなあ」と毎回首を傾げながら読んでいる。
        藤木稟さん自身も、子供の頃はいじめられっ子で堪え性がなくて(本人談)大学を中退し、小説家になるまでいろんな仕事をしており、小説家になった後でも仕事が忙しくなると精神分裂気味(統合失調症?)になったり過呼吸になったりしているらしい。

        もっとも自閉症または自閉症的な性格のキャラを出す時は、それをプラマイゼロにするような特技があって変人扱いされながらも周りから受け入れられているという設定でないと、人気は出ないわ使い道はないわだからそういう風に書いているだけなんだろうが。
        >> 続きを読む

        2017/09/03 by kikima

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      夜の樹

      川本三郎 , トルーマン・カポーティ

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 作品に感情の浮彫りや奥行きを求めるようになったのは、間違いなく“ミリアム”のせい >> 続きを読む

        2016/03/16 by one

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

      WardG.Kingsley , 城山三郎

      新潮社
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.8
      いいね!
      • 父から息子へのメッセージ。

        内容は忘れてしまったが、父親との忘れられないエピソードとして深く心に刻まれている。

        この作品を読んだのは、おそらく高校とか大学時代だった気がする。

        文庫で読んだ後、軽い気持ちで親父に「コレ面白いから読んでみれば」と渡して忘れてしまっていた。

        そこから何ヶ月か経過した、ある日。
        「ちょっと来い」と珍しく神妙な顔をした親父からの呼び出し。

        また何かやらかした...と逃げ腰だったところに届いた言葉は「オレからのメッセージだ!」と言う一言。
        メッセージなら今言えよ。みたいな当然のやりとりを経て、登場したのがこの本。(しかも何故かハードカバー!)

        対応に困っていると、「この本は是非お前に読んで欲しい!」と真顔で攻めて来るので、散々迷ったあげくカミングアウトすることに。
        「この本ってオレが勧めたんだぜ!」

        しばし、何とも言えない沈黙の時間が続いた後、いたたまれなくなった親父が放った一言。「アレそうだっけ~♪」
        この親父の息子に生まれて来て良かったのか...という気持ちと。良かった♪という気持ちの狭間で2秒くらい揺れるのは止むを得まい...

        そんなこんなで、いい大人になった今、再読してみようかという気になっている。ちなみに性格はマルっと遺伝してる(笑)
        >> 続きを読む

        2012/06/29 by ice

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ガラスの仮面

      美内すずえ

      白泉社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 通常版のコミックス1巻が検索で出て来なかったので文庫版の方を。(ウン十年前から買ってるので所有してるのは勿論、通常のコミックスですが)
        子供の頃から連載してて未だ完結してない長編少女漫画の代名詞!(ガラスの仮面と、王家の紋章が2大作品だと思われる)
        なんだかんだで長く続いているという事は面白さが保障されているという事。
        ただ、現時点で49巻まで出ていて物語も終盤ではあるのですが、発刊ペースと1冊あたりの内容進行度が遅くなってきた事だけが難点。

        紅天女は最終的に(ストーリー的に?)マヤが獲得するであろうことは読めるが(そうでなければ連綿と続く少女漫画の王道を外れますから/笑)、紫のバラの人、速水氏との結末がどうなるかはかなり気になるトコロ。

        余談。安達祐実主演のテレビドラマは月影先生の野際陽子がハマリ役で光っていた。(※敬称略)
        漫画が原作のテレビドラマはイメージが違ってガッカリな事が多々あるけど、個人的にはあの月影先生の配役だけで花丸満点をあげたい。
        >> 続きを読む

        2019/01/17 by ちさと

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      日本児童文学名作集

      桑原三郎 , 千葉俊二

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! mariak1994
      • 本日川崎市立図書館にて蜘蛛の糸の単行本が無くこの本に蜘蛛の糸が載っているので読んでみました。

        長い作品なのかと期待していたが、短編作品で早く読み終わりました。

        小さい時に映像で見た覚えが有りましたが同じ作品でした・・・。

        読みやすい作品でした。
        >> 続きを読む

        2016/03/18 by さおり

    • 1人が本棚登録しています
      憑霊信仰論 妖怪研究への試み

      小松和彦

      講談社
      4.0
      いいね!
      • --一書を編んで、そろそろ妖怪から逃れたいのだが、なかなか私人取り憑いた妖怪が離れてくれないのだ。私に乗り移っている妖怪の調伏をどのように行ったらいいものか、目下思案中である--


        柳田説、「妖怪は神々の零落したもの」に鋭く切り込んで持論を展開した名著。

        柳田説は、聞こえが良いのでつい受け入れやすいのだけれど、妖怪の多くはかつて神様だったと思えないものばかり。人間が妖怪(鬼)になる能の世界も説明できておらず、真面目に考えると納得感が薄い。

        本著では、自然現象の世界にいる人間と、超自然現象の世界にいる妖怪を対比させる。
        超自然現象世界にいる怪しいモノ(物の怪)。
        これが祀られると神に、祀られないと妖怪になる。
        妖怪の中で、特にマイナスのエネルギーの強い存在が鬼として扱われる。

        そしてここが感嘆するところなのだけれど、鬼と神と人間は正三角形の頂点の形で繋がっており、それぞれが行き来すると。

        確かに我々は、あいつ鬼だ、とか、あのひと神だ、とか言うことが多い。
        鬼が神になる例も多く、逆もまた然り。
        女性が鬼になる能の説明もつく。

        だからかつての人々は、容易に人が鬼の世界に行ってしまうことを感じていたからこそ、様々な鬼よけの儀式や祭事をもってきたんだろうなあと。

        いや非常に面白かった。
        この面白さを分かって貰える人が身近にどれほどいるかだけが不安ながら・・・。
        >> 続きを読む

        2018/07/29 by フッフール

    • 1人が本棚登録しています
      悪夢の棲む家 ゴースト・ハント

      小野不由美

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 人の心が一番怖いのだということを知った。

        2014/12/09 by ayumi

    • 1人が本棚登録しています
      カイのおもちゃ箱

      辻仁成

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • カイは笑うことも、泣くこともしない。普通の子ではなかった。
        幼稚園に入って間もなく、両親が目を離している隙に、群衆の谷間を潜り抜け、都市の回廊へと迷いこんで行った。
        そこでは、少年と少女の一団が、カイを待っていた。
        カイが突然叫ぶ。「ヘンシツシャを退治に行こう」カイを先頭に少年達は突き進んでいった。
        叙事詩的世界を描く、長編現代の神話。
        >> 続きを読む

        2013/12/12 by books

    • 1人が本棚登録しています
      昭和歌謡大全集

      村上龍

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 『半島を出よ』を読んだのでこちらも読んでみた。
        この著者の本は他のだと『トパーズ』とかを読んだことがあるだけだったので、どこまで冗談か判断できなくて最初はこの本の世界観に入りきれなかった。

        でもすぐに自然と引き込まれた。

        大筋のストーリーと別の所で女子大生のキャラが立ち過ぎててすごかった。
        人間を描写する時に「今すぐに顔が中心から割けて中からエイリアンが出てきたらどんなに安心するだろう」とか発想がハンパ無い。
        >> 続きを読む

        2017/07/06 by W_W

    • 2人が本棚登録しています
      花より男子(だんご) (6) (マーガレットコミックス (2193))

      神尾 葉子

      5.0
      いいね!
      • 花より男子6巻。

        最初の道明寺とのシーンもいいけれど、この巻はとにかくラストの花沢類にはクラっとした…><

        道明寺の別荘のある島にみんなで旅行♪

        道明寺の気持ちを知ったつくしは道明寺と同じ部屋へ。
        だけど、静とはうまくいかないと知って帰ってきた花沢類のことが気になって仕方がないつくし。
        二人は夜の砂浜で色々話して、そして!
        ラストの展開に迷うことなく☆5を捧げます…!
        花沢類ーーー><

        それにしてもつくしは罪だなぁ。
        無邪気に振る舞いすぎ。
        キュンとしすぎてため息が止まりません。
        >> 続きを読む

        2014/08/15 by sunflower

    • 1人が本棚登録しています
      ルナティック雑技団

      岡田あーみん

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 岡田あーみん先生。
        私、この方天才だと思ってます。

        90年代ウフフキャッキャと恋愛をモチーフに
        した漫画が多く掲載されていた「りぼん」にて
        主人公と王子様の邪魔をする非常にパンチの
        効いた王子様の母親が主人公を攻撃しまくり・・

        だって「りぼん」だよ!
        「りぼん」に掲載されてたんだよ!
        コレが!!
        もうそこから既に笑える・・

        当時かなり読者からの批判の手紙が殺到したとかで
        今はもう漫画を描かれていないと言うのが本当に
        残念でならない。


        今読んでも笑います。

        絵が結構古いんですが、本当に面白いです。


        私の求めるギャグはコレなのよ~・・

        多分、男性が読んでも楽しめると思います。
        また、こんな感じの漫画家さん出ないかなぁ
        >> 続きを読む

        2014/04/11 by ♪玉音♪

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    • 1人が本棚登録しています
      オークション・ハウス

      叶精作

      集英社
      3.0
      いいね!
      • オークション・ハウス 第9/全34巻

        自らを狙う組織を元から絶つため日本に上陸したリュウ。

        この後どうなるのか分からないが、どうもこの日本編は蛇足な気がしてならない。

        贋作家ルイーズ。フランス婦警ルフィとともに日本に上陸したリュウ。
        そこには手ぐすね引いて待ち構えている組織が仕掛けた二重三重の罠が待っていた。

        予想以上に強大な組織は、ホテルやマスコミ、そして当局にまで影響力を発揮しており、襲撃されては撃退というのを何回か繰り返すことになる。
        しかし、得意の大局を抑えた起死回生の策で、ついには組織のボスと一騎打ちに漕ぎ着けるに至る。

        現場だけを見ていては、次々押し寄せる刺客から逃げ回る消耗戦としか捉えることが出来ず、有効な戦術は「退却」しか浮かばないと思う。

        そんな中で、一気に大将との一騎打ちを実現させるような策を導くことが出来るのは、もちろん経験がものを言う面は大きいものの、クールな脳で思考できているからではなかろうか。

        完全に追い詰められたと思われる窮地に陥っても、リュウのように起死回生の策を示せるリーダーになりたいものだ。

        最後のカットがシュール過ぎる。全裸にブーメランパンツ1枚の格好で日本刀で「シュッ!」とかやってもキマんねぇから...
        >> 続きを読む

        2013/06/23 by ice

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      とりかへばや、男と女

      河合隼雄

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      •  河合隼雄のとりかえばや物語論です。前半は「とりかえばや物語」をストーリーに沿って解説していきますので、「とりかえばや」を読んだことがない人でも楽しく読めます。河合隼雄自身が言っていますが、「とりかえばや」は国文学界であまり評判のいい作品ではありません。文学史ではたいてい『源氏物語』を最高峰として、それ以降の物語を「源氏模倣作品」と一緒くたに論じ、「とりかえばや」はだんだんダメになっていった物語の極めつけのような扱いだったと思います。

         河合隼雄は「とりかえばや」から、男と女の問題について深く掘り下げていきます。また、物語という形でしか語られない真実について、臨床心理士らしく解説を加えていきます。というのはカウンセリングとは「語る」という行為によってクライアントが自ら治癒していくもののようだからです。

         後半ではユングの「アニマ・アニムス」の概念について専門的な解説をしています。アニマは「内なる男性」アニムスは「内なる女性」のことのようですが、河合隼雄は一人の人間に男・女・アニマ・アニムスの4つがあると考えているようです。そこに自分の前にいる相手の性(もちろん相手も4つを持っている)によって、さまざまに役割分担をしていくといいます。対話は相手との間にだけ起こるのではなく、自分の中でも内なる男女の語らいが、あるいは同性同士の語らいが行われているのです。物語の世界ではそれが独立の男女になって展開していくと指摘しています。とても説得力のある考え方です。「とりかえばや」で男女の性を逆転されて育てられた姉弟が、同性愛的な段階(相手は異性愛として接してくるのだが)を経て本来の性を取り戻して異性愛に落ちついていく過程は確かに誰にでも起こる得る内的成長かもしれません。

         河合隼雄はさらに古今東西の文学作品やオペラを取りあげて自説を補強しつつ、西洋的な男性優位社会の特性と日本的な社会との違いと物語への現れ方を解説していきます。この辺りを読んでいると、改めて河合隼雄の博識に圧倒される思いです。もう少し長生きして一層混沌としてきたこの社会を見て欲しかったです。西洋的な倫理と日本的な美についての論究ももっと知りたいと思います。混沌に触れてめちゃめちゃになってしまうのではなく、「美」という基準によってブレーキがかかるという話は納得できるものがありました。「とりかえばや」で真相を知りたがった中将や帝が知らない方がよいこともあると思いとどまる、あるいは説得される場面、本当の母に会ったと思いながらそれを口に出さない子ども、これらの規制は「美」であると指摘されています。たぶん、現代の日本がしんどい一つの理由もここにあるのかなと思います。「それは美しくないからやめよう」という規制が働かないのです。しかし河合隼雄はそこまでは言っていませんが、そういう価値観が共有されているかどうかは社会の開放度に反比例するのだと思います。

         ユングは男性優位の社会に浸かっていたためか、アニマを強固なものとして考えていたようだと指摘しています。河合隼雄はたましいのレベルでは両性具有的なものがあるのではないかと考えています。プラトンが紹介している、古代の人類は手や足が4本あって前後左右どちらにも動くことができ、強大な力を振るって神に対抗しようとしたので、ふたつに切り裂かれて、男女になった、だから男女は互いの半身を求め合うのであるという話や、『記紀』にある混沌から始まる物語などを引きながら、たましいのレベルでは混沌とした両性具有的な何かがあり、次に生理的な性、そして社会的な性役割(ジェンダー)があるのではないかと指摘しています。

         旧約聖書の冒頭がそうであるように、人間は二分法が大好きで、それによって考えていくことで発展してきました。コンピューターが二進法で動いていると知って、河合隼雄は、さもありなんと思ったそうです。しかし時に人生さえ狂わせてしまう強大な力を振るうエロスの引力に苦悩し、傷つくとき、この混沌レベル、たましいのレベルにまで到達して人間は成長するのだと河合隼雄は言います。エロスの神はかつて畏敬されていましたが、時代が下るにしたがってキューピッドのようなかわいらしく小さな存在に描かれ、キューピー人形にまで成り下げされましたが、これは人間が獣性を理性で克服できたとする、あるいはそう思い込むために起きた現象で、エロスの力は弱まってはいないと言います。確かに性にまつわる事件は後を絶ちません。この辺にも近代の限界、二分法、理性の限界を感じます。河合隼雄は臨床心理士として現代の最も先端的な病理に向き合ってきたはずです。そのためか、ここに書かれていることの多くは予言的に聞こえますが、ドラッカー風に言えば「すでに起きた未来」を河合隼雄は見ていたのでしょう。

         人間の中にある4つの性、またたましいのレベルへの気づき。混沌や苦悩を切り捨てるのではなく立ち向かうこと、それが人間的な成長、こころの豊かさへ通じる道だというのがよく理解できます。
        >> 続きを読む

        2012/12/21 by nekotaka

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      ねじまき鳥クロニクル

      村上春樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 主人公に異常な行動が多く、枯れ井戸の中に一人で潜っていって死にそうになったりしていて読んでいてわけがわからなかった。
        間宮中尉や笠原メイに纏わる話や、村上春樹の文章の書き方が独特で面白かったので、なんとか最後まで読めた。
        >> 続きを読む

        2014/04/18 by inu

      • コメント 2件
    • 9人が本棚登録しています
      ムーン・パレス

      AusterPaul , 柴田元幸

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!

      • ポール・オースターの「ムーン・パレス」の主人公のマーコは、大学進学の際に、育ての親の伯父さんから1,000冊以上の蔵書を贈られる。

        それらの本が入った箱で、虚構の家具を作り上げるマーコ。
        「十六箱のセットがマットレスの台になり、十二箱のセットはテーブルに、七箱の数組がそれぞれ椅子に」。

        マーコは友達に自慢する。「ベッドにもぐり込めば、君の夢は十九世紀アメリカ文学の上で生まれるんだぜ。食卓につけば、食べ物の下にはルネッサンスがまるごと隠れてる」と。

        だが、虚構の家具は一年後に崩されることになる。マーコの最愛の伯父さんが急死してしまうのだ。
        その日をきっかけに、彼は別の世界に入り込んでいく。

        家の中に引きこもって、ダンボールの箱を開け、伯父さんの愛した本を読み、読み終えると古本屋に売り-------。

        やがて家賃を払うのにも事欠き、餓死寸前になったところで、マーコは美しく聡明な中国女性のキティと出会う。
        そして、偏屈な盲目の老人の家で住み込みで働くようになり、さらには凄まじく肥満した歴史学者と知り合いになるのだった。

        マーコを聞き手に、自分の生涯を物語る老人と歴史学者。
        一見、関係なさそうな二つの物語が少しずつ繋がっていくにつれ、マーコの出生の謎も明らかになっていき-------。

        この作品は、一級品の青春小説であり、恋愛小説であり、ミステリであり、冒険小説であり、といった様々な物語の形式を盛り込んだ、ポール・オースターの作品の中でも、最もリーダビリティの高い作品だと思う。

        その背景に、月着陸やベトナム戦争といった出来事を配することで、様々な"寓意"に満たされた物語を、現実の世界に繋ぎとめる工夫もなされていて、それも読みやすさの一助になっていると思う。

        >> 続きを読む

        2018/11/15 by dreamer

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出版年月 - 1994年3月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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