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1994年7月発行の書籍

人気の作品

      ハツカネズミと人間

      ジョン・スタインベック , 大浦暁生

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Minnie Tukiwami
      • 【何故ジョージはレニーを殺してしまったのか?】
         スタインベックの古典的名作です。
         物語の舞台となるのは大恐慌時代のカリフォルニアにある農園です。

         主人公は季節労働者のジョージとレニー。
         レニーは少々頭が足りません。
         せっかくありついた仕事だと言うのに、レニーはやっかい事ばかりしでかして今日も農場を追い出されてしまいます。
         また、次の仕事を探して歩きだす二人。

         でも、レニーは根は良い奴なんです。
         やさしいのでしょうね。
         何でも撫でて可愛がりたがります。
         そんなところから厄介ごとを引き起こすというのに。

         そんなレニーを足手まといと感じなくもないジョージ。
         でも、ジョージはいつもレニーをかばい続けます。
         本作は、そんなレニーとジョージが農園で様々な人と関りながら生活していく様を描いていきます。

         これは、まさに、イノセンスということなのかもしれません。

         ラストシーンをお話してしまうとネタばれになりますので控えますが、リードに書いたことが全てです。
         名作の名に恥じない感動的な作品です。
         是非ご自身でご一読を。
        >> 続きを読む

        2021/10/23 by ef177

    • 他7人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      高慢と偏見

      富田彬 , ジェーン・オースティン

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tukiwami
      • 高慢と偏見、資産家の男性と結婚できるかどうかが女性の人生の全てを左右する時代。学歴や知識を身に着けた女性でも、自立して仕事をする道はなく、自分を養ってくれる男性と結婚できなければ惨めな人生が待っている。高慢と偏見でお互い誤解しあっている男女が最終的には結ばれる、その過程が本当に楽しいです。現代でも女性差別は残っているけれど、当時と比べると女性の地位は格段に向上している。それなのに、高慢と偏見に共感を感じるのは、現代でもお金持ちの男性との結婚が女性の幸せという価値観が残っているからなのかもしれませんね。 >> 続きを読む

        2017/08/04 by 香菜子

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      高慢と偏見

      富田彬 , ジェーン・オースティン

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 高慢と偏見、登場人物が多くて、それぞれの性格や人間関係も多種多彩なので、上巻の内容をしっかりと記憶しているうちに下巻も読んだほうが、楽しさはきっと倍増します。高慢と偏見でお互い誤解しあっている男女が最終的には結ばれる、その過程が本当に楽しいです。高慢と偏見、もちろん時代背景は現代とは違うけれど、現代の人が読んでもこんなに楽しめるなんて。それが普及の名作と呼ばれるゆえんでしょうか。原題は、Pride and Prejudice、これを高慢と偏見と日本語訳した人は素敵な感覚の持ち主だと思います。 >> 続きを読む

        2017/08/04 by 香菜子

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      お父さん子育てしてますか

      野本文幸

      朝日新聞出版
      4.0
      いいね!
      • 精神科医の視点から見た父親参加の子育て論。

        父と子の関係だけに限らず、家族関係全般についての示唆に富む。

        専門家が一般向けに、そのエッセンスを分かり易く解説した作品に以前から興味を持っている。
        とくに専門性の高い分野や、自身が苦手としている分野についての作品に出会うことが出来れば、効率よく知識を深めることが出来るのは言うまでも無いと思う。

        これまでマークして来た分野には、哲学、数学、宗教学などが有るが、本書は精神科の専門化の一般向け作品としても鑑賞に値する内容になっている。

        うつ病の蔓延とも言える現代社会で有るからこそ、精神科医から改めてコミュニケーションの基本について学ぶのも大切かもしれない。

        父親と母親の子供に対する愛情の持ち方の違い。望まれる役割分担の違いは興味深い。
        >> 続きを読む

        2011/04/13 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      ポケットのないカンガルー

      西内ミナミ , ReyHans Augusto , Payne Emmy

      偕成社
      4.0
      いいね!
      • ポケットが無いという障害によって、泣く日々のカンガルーのお母さん。
        愛する我が子の為に、世界一のポケットと幸せを掴むまでの、母性愛溢れるストーリー。 >> 続きを読む

        2011/10/19 by kumahachi

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      熱帯雨林の生きものたち (ネイチャーランド)

      ニール ブルピットエバ メルヒュイッシュデビッド ホームズ

      4.0
      いいね!
      • 「ウォーリーを探せ」系の物探し絵本です。
        ルーペがついていて、それを使って指定された動植物を探します。
        ルーペが必要なくらい小さく、細かく、精密に描かれているのです。
        お子さんと一緒に探検する気分で熱帯雨林の世界へ入ることができると思います。

        ただ、虫が嫌いな人はリアルに描かれているのでルーペで拡大すると気持ち悪い!ってなっちゃうかも・・・
        >> 続きを読む

        2015/05/08 by メガネ萌え

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      茶の本 英文収録

      桶谷秀昭 , 岡倉天心

      講談社
      カテゴリー:茶道
      3.0
      いいね!
      • 【私はもの知らずなもので……】
         図書館蔵書を検索していて、ふとこの本が目に留まりました。
         特に茶道に関心があるというわけではなく、むしろ何も知らないのですが、たまにはこういう本を読んでみるのも面白いのではないかという、ごくごく軽い気持ちで図書館から借りてきてみました。

         さほど厚い本でもないことから、気軽にページをめくり始めたところ……ん?!
         なんと、本書は岡倉天心がボストン美術館の顧問就任のために渡米していた際に英文で書かれた本であるということが分かりました。
         だから翻訳者がいるんだ……。
         いや、物を知らないにも程があると呆れていらっしゃる方も多いと思うのですが、面目ない。

         気を取り直して読んでみたところ、茶道にまつわる様々な事を書いた本であることが分かりました。
         冒頭に書いたとおり、私は茶道などまったく嗜みが無いので、ふむふむそいういうものかと素直に読ませていただきました。

         岡倉は、欧米において日本文化が正しく理解されていないと考えていたようで、本書の中にも結構歯に衣着せぬ勢いで、西洋の東洋に対する無理解、無知を指摘している部分があります。
         「いつになったら西洋は東洋を理解するのだろうか。理解しようとするのだろうか。」、
        「アジア人は、ねずみと油虫を食べて生きているのでなければ、蓮の香を吸って生きていると思い描かれている。」、「われわれを肴にしてあなた方が面白がって悪いことはありません。アジアもお返しをしているのです。」云々といった具合です。
         言うね~。

         そして、そのような東洋を、日本を正しく理解して欲しいという思いから本書が書かれたようです。

         さて、その内容ですが、『人情の椀』、『茶の流派』、『道教と禅道』、『茶室』、『芸術鑑賞』、『花』と論が進められていきます。
         冒頭に書いたとおり、私は茶道について無知なので、特に『茶室』や『花』の記述は大変興味深く読むことができました。
         茶道に関する精神文化、哲学のようなことも解説されていきます。

         そして、最後は『茶の宗匠たち』について語るのですが、それは秀吉によって死罪を命ぜられ、自害した千利休の最後の茶会を描いて終わります。
         いや、余韻を漂わせた終わり方でしょう。

         まったくのアウェイの読書ではありましたが、たまにはこういうのも良いものだと感じました。
         なお、本書には英文の『茶の本』も収録されていますので、興味のある方はそちらもお読みいただけます。


        読了時間メーター
        □□      楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
        >> 続きを読む

        2021/11/07 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      教祖誕生

      上之郷利昭

      講談社
      3.0
      いいね!
      • 新興宗教の教祖14名を対象にベールに包まれた教祖の本来の人物像に迫る。

        教祖を裸にすることで新興宗教の仕組みに迫る。

        安易に新興宗教の存在を肯定するでも否定するでもなく、テーマとして掲げている教祖の素顔に迫ることに集中しているところが良い。

        14もの宗教を取り上げているため、一件ごとに割かれているページ数は決して多くないものの、テーマに特化しているため、書き込みが足りない印象は全く無い。

        最近は減って来たように感じるが、あちこちで目にする機会の有る。
        「世界人類が平和でありますように」と書かれた看板の謎も本書を手に取れば解決する。

        紹介される大多数の良識有る団体については問題が無いが、幾つかの問題が有りそうな団体は、教義/主張は異なるものの信者獲得/勢力拡大の手法が似ている。

        信教の自由を侵すつもりは全く無いが、これを認識しておくことは必要だと思う。
        >> 続きを読む

        2011/03/06 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      機関車先生

      伊集院静

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 瀬戸内海に浮かぶ小さな島。
        新しく赴任してきた、大きな体の先生は、病気で口がきけなかった。
        だけれど、この先生は「これからの日本をつくるのは教育だ。子供たちが新しい日本をつくるんだ。」と、身体のハンディキャップを乗り越えて、教育者になった人物。
        戦後、人々がようやく日常を取り戻したこの頃、すべての学年をひとまとめにした島の小学校で、先生と校長先生との温かいクラスが出来上がっていく。

        閉鎖された島の慣習。
        子が親の仕事を継ぐのが当たり前、と考える世襲制。
        中学を出たら親の仕事を継がねばならないが、進学したいと望む子供の葛藤。
        天国のような美しい島で起こる、暗い人間模様のミスマッチさが面白かった。
        >> 続きを読む

        2015/11/17 by shizuka8

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    • 1人が本棚登録しています
      照柿

      高村薫

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 八月。八王子のホステス殺しを捜査していた警視庁捜査一課の合田刑事は、居合わせた鉄道事故現場で佐野美保子という人妻に出会い、人目惚れする。

        同日、かつて美保子の恋人だった野田達夫も現場近くの工場に出勤途中、彼女と再会した。
        彼は夫との生活に疲れたと言う美保子に、昔のヨリを戻そうと決意。
        父の葬式に大阪の実家へ帰るついでに、二人で旅を楽しもうと彼女を誘う。

        翌日、出張でやはり大阪に向かった合田は東京駅で幼馴染みの野田が、美保子と逢引きしているのを目撃。
        その夜、大阪で逢った二人は、激しく言い争うのだった------。

        「マークスの山」などでお馴染みの合田刑事が主人公の犯罪サスペンス小説だが、人間という深遠な謎も提示され、この作品「照柿」は、もはやミステリと純文学の垣根を越えていると思う。

        それぞれ人間の業を背負った男と女が、冒頭から動きまわり、世情の厳しい風が吹き抜ける、凄い小説だ。

        合田とその幼馴染みの野田達夫の日常から凶行への"不眠の68時間"は、その昏く熱い情念によって、我々を捉えて離さない。
        言ってしまうなら、そこには我々自身がいるのだ。

        絶望という箱船に乗りながらも、虚飾と欲望の中で生き、秩序に絡めとられ、身動きならない我々がいるのだ。
        正義も夢も愛さえもない。
        醜く卑小な存在としての自己。

        神なき世界の虚無という、行き場のない暗い森を彷徨する合田と野田、そして我々。
        そこでの罪は、必然として許されるのか?------。

        「君が今、浄化の意志の始まりとしての痛恨や恐怖の段階まで来たとしたら、そこまで導いてくれたのは佐野美保子であり、野田達夫だった------」。

        犯罪を、そしてそれを犯すものを内なる自己とせざるを得ない主人公・合田雄一郎の業苦は、言い替えるならば、作者である高村薫自身の業苦なのかもしれない。そして、我々自身の------。

        >> 続きを読む

        2018/04/17 by dreamer

    • 6人が本棚登録しています
      学校の怖い噂 (1) (講談社コミックス (2037巻))

      亜樹 直ひきた 美幸

      2.0
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      • 小学生の時に読んだ本を大人になってから読み返してみた。

        当時は怖かったが、今となってはあまり怖くはなかった。 >> 続きを読む

        2014/12/25 by ayumi

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    • 1人が本棚登録しています
      オークション・ハウス

      叶精作

      集英社
      3.0
      いいね!
      • オークション・ハウス 第10/全34巻

        フランスで襲撃された敵の元締めとの直接対決に臨むリュウ。

        幾らリュウのルーツとは言え、やはり舞台を日本に変えたのが間違いだったように思う。日本の良さが全く出ていない。

        活動拠点で有るヨーロッパ(フランス)で、自らに手を伸ばして来た組織を根絶やしにするためめ来日したリュウ。

        ついに、組織のボスとの一騎打ちに漕ぎ着ける。

        しかし、このボスがイケてない...

        居合が得意だとか、散々コキまくった挙句、少しリュウに切りつけられた瞬間に、仕込んでおいたレスラーにバトンタッチ。
        タッチしたからには自分の代理人だとか、自分に都合の良いルールを押し付けて来る。

        組織の長で有る限り、例え自分は捨て身だったとしても、ある意味公人として傷がついてはマズイ場合が有ると言うのは理解できる。
        ただ、彼の場合はあまりにもプライドが欠如しており、とてもフランスまで威光を及ばせた組織の首領とは思えない。

        何とかレスラーを倒すリュウだが、直後は(もはや予想された通り)、伏せていた部下達に銃の乱射で皆殺しにしろー!と怒鳴る彼。
        幾ら犯罪組織だからと言って、筋が通らないと人はついて来ないのではなかろうか。

        組織の力を削ぎ、もはや触手を伸ばす余裕は無かろうと見て、同伴した生命を狙われている女性をフランスへ返し、単身日本で組織の壊滅を狙うことになったリュウ。

        まさに因縁だが、自分の生家を舞台とした大規模組織犯罪に巻き込まれることで、復讐相手にまた一歩近付く。

        しばらく、絵画に無関係な状態で進展して来たストーリーだが、やっとここで贋作絡みに戻って来た形。
        既にこの設定は飽きていたはずなのだが、久々に戻って来ると座りが良いような不思議な感覚になった。

        義で動く日本のヤクザを期待していただけに、激しい失望感に包まれる。
        >> 続きを読む

        2013/07/27 by ice

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    • 1人が本棚登録しています
      ぼくのマリー 1 (ヤングジャンプコミックス)

      竹内 桜

      3.0
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      •  昔「女性型アンドロイド(ガイノイド)」作品を検索してヒットしたものと思われる。
         積んでいるうちに何故買ったのかも忘れてしまっていた。

         内気な理工系運動音痴の大学生が、想い人そっくりのロボットを完成させるが、このロボットがふらふら出歩いてしまったため、ロボットとばれないように妹として紹介し・・・な流れ。
         まぁぶっちゃけ「ドクタースランプ」。

         SF的におかしな部分や、ご都合展開な感じもなくはないが、コメディとして楽しめる。
         ほんのりお色気要素も加味しつつ、主人公とロボットのマリと想い人の真理、恋のライバルたちとの絡みが面白く今後の展開も楽しみ。

         推定童貞くんの作った、女体の大事な部分はどうなっているのか気にはなる。
         今後そんな話もあるかもしれないが。
         アラレちゃんはそんな話もあったね。
        >> 続きを読む

        2020/11/19 by 猿山リム

    • 1人が本棚登録しています
      南極大陸 白川義員作品集

      白川義員

      小学館
      カテゴリー:写真集
      5.0
      いいね!
      • 上下巻あわせて、本当に素晴らしい写真の数々だった。
        神の御手を思わせる絶景の数々。

        2015/02/16 by atsushi

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      いやいやにゃんこ にゃんこちゃんえほん

      東君平

      小学館
      3.0
      いいね!
      • お風呂嫌いな子供がお風呂に入れるようになるまで。

        恐怖による指導と興味による指導について考えさせられた。

        子供向けの絵本というメディアに、正面から挑み過ぎている気がしないでも無いが、素直に感じたことを。

        お風呂がキライなくせに石鹸で作った泡で遊ぶのが好きな子猫。
        同じくお風呂嫌いの魔法使いに捕まって、泥やペンキで汚されてしまう。
        魔法使いの元を逃げ出してママのところに帰った子猫はお風呂嫌いが直った。

        そんなお話。

        自らの成長。そして後進の育成を考える際、なるべく効率的に進めたいと頭を悩ませるわけだが、様々な要素を勘案して、結局のところ「恐怖」か「興味」かを選択している気がする。

        もちろん持続効果から言えば答えは自ずと知れていて、「興味」の圧勝で有るのは言うまでもない。

        ではなぜ「恐怖」という選択肢を残さないといけないのか?
        それは詰まるところ「納期」という要素が影響する場合が多い。
        そして、むしろ「恐怖」は自ら選択しているのではなく、強制的に選ばされている場合がほとんどで有る。

        納期がタイトなプロジェクトに臨むとき、プロジェクト・リーダーは遅延に対するリスクに晒される。
        これはまさしく「恐怖」であり、その緊迫度によっては「興味」なんて悠長なことを言っている余裕はなく、とにかく匍匐前進でも進むしかない。こんな状況を臨む人などいないので、やはり選ばされているのだと思う。

        ただ、全てにおいて「興味」が「恐怖」を凌駕しているか?と言えば、これはNoだから面白い。
        恐怖は睡眠障害になるほど精神を追い詰めてくるので、信じられないくらいのリスクヘッジ案が浮かんでくる。

        失敗しないために今打たないと行けない一手。これを研ぎ澄ますためには「恐怖」の方が有効で有った。
        また、終わってみて振り返ると「恐怖」が自身を成長させてくれていることを実感することが非常に多い。

        自分がリーダーをやっている際にメンバーに対して「恐怖」を前面に打ち出すのは、こちらも胸が痛い。

        それでも、メンバーが一生懸命努力してくれてもプロジェクトそのものがコケてしまえば無意味だし、大きな「責任≒恐怖」を少しずつでも分割して背負ってもらう経験無くしてリーダーにはなれないのだと考えると、「恐怖」をメンバー向けにも展開できる気持ちの強いリーダーで在りたいと思う。

        この作品は「恐怖」でお風呂嫌いを治そうとしているが、せめて子供の時期くらいは「興味」を刺激してあげて欲しいものだ。
        >> 続きを読む

        2013/01/04 by ice

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    • 1人が本棚登録しています
      灼熱の死闘 (新潮文庫)

      ボブ ラングレー

      4.0
      いいね!
      • 「北壁の死闘」ですっかりハマッてしまった作家ボブ・ラングレー。この「灼熱の死闘」は、山火事vs人間の厳粛な闘いを描いた、手に汗握る冒険小説の傑作だと思います。

        灼熱のもと追う者と追われる者の死闘が展開されていきます。酷暑の夏に読むには、もってこいの一冊です。

        悪名高いアパルトヘイト国家、南アフリカを背景とした冒険小説は、数多くありますが、この作品もその中の一つで、プロットは定石通りに進みます。

        秘密会議に臨む外務大臣を反政府組織が誘拐します。要求は、獄中にいる組織のカリスマ的なリーダーを釈放すること-----。

        舞台となるのは、イギリス。誘拐チームの中心になるのは、アフリカ系アメリカ人の優雅な男。富裕な育ちで、自らのエゴを満足させるために民族解放運動に関わっていくのです。

        そして、正義感に燃えるイギリス人看護婦。ここに彼女の元恋人が絡んできて、彼は息子を人質にとられて誘拐の手引きをさせられてしまいます。政治に無縁だったこの男が、事件に巻き込まれていく過程で、昔の愛が再燃してくるのです。

        つまり、一人の女性をめぐっての"魂の争奪戦"が始まるのです。これで、冒険小説としての道具立ては申し分なく揃い、物語が展開していくのです。

        誘拐チームは、この誘拐に成功し、計画通り森林地帯にもぐりこんで、追っ手を振り切るのです。そして、ここからの後半が、読みどころで、大規模な山火事が、この追いつ追われつする人間たちを襲うのです。

        無慈悲な大自然の中での追跡劇。これが、やはりこのボブ・ラングレーという作家の醍醐味ですね。

        この小説では、プロットが二転、三転。シンプルな冒険ものにとどまってはいないのです。誘拐の隠れた意図が暴かれると、この人種差別国家の構造がいやおうなく見えてきてしまうという仕掛けなのです。

        この小説の中で印象に残ったセリフとして、「もっとも、ぼくはひかえめな人間だから、欲しいものはたったふたつしかない。金と権力だ」-----。人間の真実を、逆説的に見事に言い当てている名セリフですね。



        >> 続きを読む

        2017/07/02 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      戦場の指揮官

      柘植久慶

      中央公論新社
      カテゴリー:戦争、戦略、戦術
      4.0
      いいね!
      • 古今東西の戦場と、それを指揮した指揮官を仔細に解説。

        平和ボケした日本人を一喝するような現実感を伴った戦略戦術考。

        それぞれのケースで、当時の国際関係や戦場の地理的特徴など、様々な知識を動員して指揮官の決断を仔細に解説する。

        著者が驚くほど博識で、一瞬、軍事が専門なのに広範な知識を有しているのは凄いと考えたが、軍事こそ多くの情報を活用し、最短で正解に辿り着く必要が有るのだと気づいた。

        戦争反対から武力反対。この流れで軍事全般に対して否定的な人もいると思うが、実際に起こった戦争をケーススタディとして、戦争回避の方法を探るためにも、やはり軍事研究には大きな意味が有ると再認識した。

        また、現代日本人の一人として平和ボケしていることを認めざるを得ない。
        旧日本帝国軍を含む多くの戦場の描写は、その場に自分がいたらという考えに繋がり、同時に現在全くその可能性を感じていないことに気が付いた。
        憲法で軍隊を持たないことを宣言し、当然徴兵制も無い先進国で暮らしていては、危機意識など持ちようが無いことも事実では有るが、間違っても再び戦争への道を進まないよう、これ以上の平和ボケには気をつける必要が有ると感じた。

        とくに戦術に関しては非常に平易で良質な文献だと思う。
        >> 続きを読む

        2011/09/25 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      キツネ山の夏休み

      富安陽子

      あかね書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 夏休みに帰るいなかがほしい!!
        と、あこがれた1冊。

        2012/09/10 by Piicca

      • コメント 3件
    • 4人が本棚登録しています
      探偵小説のプロフィル

      井上良夫

      国書刊行会
      カテゴリー:文学史、文学思想史
      3.0
      いいね!
      • 【非常にクリティカルな評論だ】
         井上良夫氏(1908~1945)は、ミステリの翻訳家であり評論家です。
         中学時代は江戸川乱歩の後輩だったそうで、同時代を生きた方なんですね。
         本書は、井上氏が『ぷろふいる』、『新青年』などに執筆したミステリ評論を集めた一冊です。

         読んでみてまず気が付くのは大変クリティカルな評論であるということでした。
         取り上げている作品書評や、ミステリ評論には概ね同意でき、その評論眼の確かさがうかがえます。
         例えば、江戸川乱歩も多数のミステリ評論を残していますが、乱歩の場合、時として「そうか?」と思うものもあるのに対して、井上氏の評論にはほとんど異議がありませんでした。
         まあ、もちろんそれは私の趣味の問題という点もあるのですけれど、それにしても確かな評論だと思いました。

         書かれた時代が時代ですので(昭和8年~昭和22年)、今となっては読まれなくなったミステリも多数取り上げられており、なかなか興味深い点です。
         また、表記が懐かしいのです。
         例えば、コーナン・ドイル、クリスチイ、ドロシイ・セイアーズなどなど。

         この辺は誰を指しているのかもちろん分かるのですが、私、一瞬「誰だ、それ?」と思ってしまった表記もありました。
         作中人物の表記なのですが、ドルリー・レーン名義で書かれた、『Xの悲劇』、『Yの悲劇』、『Zの悲劇』、『最後の事件』についての評論中に『タム』という作中人物の名前が出てくるのです。
         最初、???だったのですが、そうか、サム警部か!(サムってSamじゃないのかね? Thamみたいな表記ってあるのかしら?)
         昔は『タム』と表記していたのかあと、思わずにんまりしてしまいました。

         また、クリスティを非常に高く評価しているのですが、何故か『オリエント急行殺人事件』位までしか触れていないのです。
         これは解せない……と思ったのですが、もしかしたらこの時代、まだ『ABC殺人事件』などは翻訳されていなかったのかもしれません(井上氏は、洋書でも取り寄せて読んではいたようですが)。
         大体、ドルリー・レーンとエラリー・クイーンが同一人物だということに気付かずに評論を書いてしまい、その後そのことを知って驚いたなどという文章もある位ですから、その時代だったのだなぁと感慨深く読みました。

         今読んでも参考になる評論もあり、なかなか侮れない一冊だと思います。
         ミステリ好きな方はご一読されるのも興味深いのではないでしょうか。


        読了時間メーター
        □□□□    むむっ(数日必要、概ね3~4日位)
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        2021/08/28 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      クイーン談話室

      エラリー クイーン

      3.0
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      • 【作者として、編集者として、読者として、ビブリオマニアとして】
         本書は、EQMM(エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン)に掲載されていたコラムエッセイの一部を加筆修正してまとめたものです。
         ミステリ雑誌の記事なので、当然ながらその内容はミステリに関する四方山話になっています。

         ご存知のとおり、エラリー・クイーンというのは、アルフレッド・ダネイとマンフレッド・リーという二人の従兄弟の合作ペンネームなわけですが、どうやらこのコラムエッセイはダネイが一人で書いているもののようです。

         その内容はバラエティに富んでおり、作者の視点から書かれている回もあれば、一読者の立場で書かれているものもあります。
         クイーンは優れた編集者であり、アンソロジストでもあるのですが、そのような目で書かれているものもあります。
         はたまた、クイーンは大の稀覯本蒐集家なのですが、そういう立場からのコラムエッセイもあります。

         大変興味深い話も多く、あのディクスン・カーとミステリについて語り合ったというエピソードなども含まれており、あるいは、ミステリ作家同士がそれぞれが思いついたは良いものの解決を考え出せなかったプロットを交換し、お互いが相手の考えた謎の解決に成功してそれぞれが作品を書いていることなどの裏話的なものも紹介されています(これは大変有名な話ですよね)。

         EQMMに掲載されたコラムエッセイの中で非常に人気が高かったというコラムエッセイも収録されています。
         それは、ダネイがミステリに目覚めた少年時代を書いたものです。
         当時、ダネイは病気で臥せっていたのですが、親が図書館から借りてきてくれた『シャーロック・ホームズの冒険』に一発でノック・ダウンされてしまったのです。
         朝までかかって一気に読了し、大変な衝撃を受けたそうです。

         図書館が開くのが待ちきれず、朝早くから家を抜け出し、図書館の前で開館時間を待ち、強引に頼んで自分の図書館カードを作ってもらい、職員からドイルの作品がある棚を教えてもらい、そこにあったホームズ物を借りてきて夢中になって読んだのだそうです。

         大変ほほえましいエピソードであると共に、本が好きな人なら多かれ少なかれ似たような経験をしているのではないでしょうか。
         その時のダネイの心境には同感だなぁという感想をお持ちになると思います。

         そして、こうして偶然のようにホームズ物を読んだために、あのエラリー・クイーンが後に生まれることになったというのも、クイーン・ファンからすれば読んでくれて良かった~と思ってしまいます。
         だって、もし、ダネイやリーがミステリに興味を持つことがなかったとしたら、私たちはあのクイーンの傑作を読むことができなかったわけですから。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/08/05 by ef177

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出版年月 - 1994年7月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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