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東野圭吾
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主人公が殺されかけ、本当の犯人は主人公の恋人を犯人として偽装し自殺に見せかけ殺してしまった。一命をとりとめた主人公、桐生枝梨子は復讐のため真相を求めて老婆に変装する。罠を仕掛け、罠にはまった犯人の部屋に忍び込み殺そうとすると、既に息絶えていたことで、事件は複雑になっていくようす、更に、自分(変装した枝梨子)にも疑いの目が向くのではないかという心理的な追い詰められ方にヒヤヒヤ、ハラハラさせられました。しかしラストが…。こうやって終わるのが流れとしては自然なのかも知れませんが、もうちょっと期待してしまった自分がいました。 >> 続きを読む
2020/09/26 by taiaka45
山岡洋一 , ZacharyG.Pascal.
初めてこの本に出会ったのはまだ学生時代。ちょっと怖い表紙と興味をひくタイトルに惹かれて読んでみましたが、あまり高額な書籍は買えなかったので連日本屋に通って立ち読みしていました。 デビッド・カトラーが個性的なチームを率いたNT開発プロジェクトの内情を紹介したもの。当時プログラミングについて記述した書籍はあったもののプログラマーの生活について記載した物は少なかったので、ドキュメンタリー映画を見ているような感覚で引き込まれた覚えがあります。もはや破綻していると言っても過言ではない壮絶なプロジェクト・・・。才能と情熱だけで開発されたNTですが、セキュリティ・安定性を重視した結果、その後のXPにもその系譜は取り入れられWindowsをOSのデファクトスタンダードとしての地位防衛に貢献したと言えます。 >> 続きを読む
2012/06/06 by ybook
ロバート・ルイス・スティーヴンソン , 海保真夫
ジーキル博士とハイド氏。二重人格、解離性同一性障害をテーマにした不朽の名作。二重人格者や解離性同一性障害者を表すとき、いまだにジーキル博士とハイド氏と言葉が使われていることにこの小説の偉大さがわかります。100年以上も前のお話だけれど、全然古臭くない。むしろ現代に通じる内容です。 >> 続きを読む
2018/01/18 by 香菜子
山崎洋子
落ちぶれた元アイドルに訪れた再生の機会と陰謀。多少、弱年齢層向け小説のような印象を受けなくも無いが、的を押さえたミステリ。イタリア観光案内としても楽しめるほど、丁寧な情景描写がされている。全体を通して、ドタバタ劇的な軽さを感じつつも、謎の女性や登場人物のの過去。更には出生の秘密など、多くの要素が盛り込まれている。「三階の魔女」という短編集で著者に対して、強烈に好ましい印象を持ったため、非常に大きな期待とともに手に取った作品となったが、大きく裏切られることは無かった。もう少し落ち着いた世界観で繰り広げられる著者のミステリに触れたい。 >> 続きを読む
2011/05/14 by ice
内田康夫
東京、、高松、高岡、尾道、京都・・・と、めまぐるしく場所移動をして展開していくスピードに、たまについていけず、あれ?どこだっけ??と思うことしばし(笑)最後の最後まで、ま~~ったく展開が見えないところが、じれったいというか面白いところですかね。。。 >> 続きを読む
2015/02/02 by mika
ToussaintJean-Philippe , 野崎歓
ある日、浴室に引きこもった男の話です^^何と言うか引きこもったりするとやっぱり悶々としてんのかなとか暗~いジメジメした感じなのかなとか思ってたんですが、本人も淡々としてます^^恋人だって居るし、俗に言う非リア充って訳でもありません。時々傷付いたりするけど至って普通の青年です。え?じゃあ何で引きこもったの?まぁなんとなくです。。そうこのなんとなくで物語が進むwふわ~っとした安定感。個人的にあまり感情の起伏のない主人公がツボで・・・この本との出会いですが大好きな某ロックバンドのボーカルがこの主人公に似ていると聞いていたので手に取った次第です。まぁ結果から言うと似てました^^なので余計に楽しめました。個人的にあまりに主人公が淡々として結構な事やっちゃったりしてるんで笑えました。 >> 続きを読む
2014/04/06 by ♪玉音♪
叶精作
オークション・ハウス 第11/全34巻敵対組織の日本支部を壊滅に追い込み、ついに本丸に攻め込むリュウ。途中、小池一夫の黄金パターン的なものに遭遇し、冷めてしまったのが悔しい。娘を人質に取ったものの、リュウの男性としての技に翻弄され、あえなく奪還を許してしまった女殺し屋アライラ。プライドをズタズタに切り裂かれ、雪辱戦を挑んで来る彼女だが、結局はリュウの盾となって生命を捨てる選択をする。主人公のために生命を投げ出して、女性が次々と死んでいくこのパターンは、同じく作を小池一夫が担当する「I・餓男 アイウエオボーイ」でイヤと言うほど使い続けられて来たもので、本当は泣ける名シーンたり得るのだが、さすがにもう飽きて来たと言わざるを得ない。組織の中枢への手掛かりを得るべく、アライラの生命を奪った組織の中ボスのアジトを強襲するリュウ。既に彼は外出した後で、戻ることは無いはずだったが、変質的なほどワインを愛好していることを見破っていたリュウは、ワインを一本一本割って行くことで人質とし、彼を戻らせ、ボスの名を語らせることに成功する。彼の情報を生かし、ロンドンに渡り、全身蛇のタトゥーに彩られた女ボスにコンタクトした彼は、今後の伏線となりそうな女性を一人助けつつ、組織に対して自身が有利な立場にいることを誇示する。結局はムダだったように思う日本編がやっと終わり、舞台がヨーロッパに戻っただけでも喜ばしい展開である。 >> 続きを読む
2013/08/19 by ice
井上雄彦
陵南対湘北戦の決着がつきます。結果は湘北の勝利です。メガネくんのスリーポイントシュートが感動的です。ラストの花道のダンクの後の戻りも以前の試合が生かされている良いシーンです。湘北高校全国大会進出おめでとう!! >> 続きを読む
2015/05/07 by tamu
萩尾望都
漫画はあまり読まないのだが、教養として有名所は読んでおこうと思い、読んでみた。萩尾望都と言えば、漫画に疎い自分でも知る少女漫画家である。その萩尾氏の代表作であるSF作品がこれである。 読んでみた結果、想像以上に面白く驚いた。SFとしても細かく設定が練られており、読みがいがあった。しかしそれ以上に魅力的なキャラクターたちのやり取りに心惹かれた。特に、その界隈でも人気あるキャラクターらしいが、フロルが可愛らしかった。中性的なキャラクターは概して人気のあるものだが、特にこのフロルは自身の出自に対する葛藤や、タダへの思いを募らせる描写が非常に良かった。 今まであまり漫画を読まなかったが、今回でどうも萩尾望都にはまってしまった。今後、萩尾作品をいくつか読んでみようと思う。 >> 続きを読む
2017/11/12 by shinshi
手塚治虫
手塚治虫はもともと医師で、医学を取り上げたマンガには、他の追随を許さぬものがあります。「ブラック・ジャック」がもっとも有名ですが、「陽だまりの樹」・「きりひと讃歌」なども名作です。 今日は長編「きりひと讃歌」を取り上げます。70年代、奇妙な病気が人びとの耳目を集める事態になっていました。それは「モンモウ病」。・・・顔がイヌのようになり、四肢にも変形が起こります。体毛も濃くなり、あたかもイヌやキツネのような外観になってしまうのです。また、無性に生肉が食べたくなり、死にいたる患者も多いです。 M大学第一内科の教授:竜ヶ浦は、この病気を「伝染病」だとしていて、「風土病」であるとする小山内桐人(おさない・きりひと)のレポートを無視します。さらに、「きりひと」をモンモウ病の患者が多発している四国の犬神沢に派遣します。ここに、竜ヶ浦の陰謀があったのです。 竜ヶ浦がそのときもっとも欲していたのは、「日本医師会会長」の椅子であり、それに推挙されるための実績作りで「モンモウ病」を「伝染病」にする必要があったのです。それに異を唱える「きりひと」をモンモウ病に罹患させ、死ぬなりなんなり、医学界から抹殺するつもりだったのです。とんでもないマキャベリストです。そして、世界に「モンモウ病・ウイルス説」を発信し、みごと日本医師会会長の椅子を手に入れます。幸福の絶頂!! 一方、犬神沢に派遣された「きりひと」は、村ぐるみの陰謀(竜ヶ浦の意向)のなか、果たしてモンモウ病に罹ってしまいます。そこから、彼の流転の人生が始まります。犬神沢の現地妻・「たづ」はホームレスの男に強姦されて死んでしまうし、拉致されて渡った台湾では見せ物にされます。(催淫剤を飲ませたメスイヌとまぐわせるとか。)ここで知り合った人間テンプラ:(コロモをつけてゆだる油の中に入り、コロモの表面が揚がったところで取り出す)を芸にする麗花とパレスチナに飛び、芸の最後、すくいあげる柄杓(ひしゃく:大きなオタマのようなもの)が折れて、湯だった油の中のコロモに包まれた彼女を引き上げそこない、本当に麗花がテンプラになってしまうとか・・・ そして、パレスチナに居を定めた「きりひと」は、周囲の村々から来る貧しい人たちの診療をこととするようになります。そんなある日、ふと「竜ヶ浦」がモンモウ病「伝染病説」を学会で発表したことを聞き、ここに至って、竜ヶ浦の野望のため、自分は犠牲にされたと気付き、復讐を誓います。それは、社会的な復讐はもちろん、モンモウ病が「伝染病」か「風土病」かという論争の決着です。 ところが、その竜ヶ浦も、モンモウ病を発病します。種を明かせば、彼は「智恵水」という例の犬神沢から取ってきたミネラル・ウォーターを愛飲していたのです。ドイツのマンハイム教授は、「水に微量含まれる希土類元素が放射線を発し、体の変形を起す」という結論を世界に向けて発表し、竜ヶ浦を呆然とさせます。そして、「智恵水」の成分をM大学でやったところ、ウイルスは発見できず、マンハイムの言うとおり、希土類元素が検出されたのです。これでモンモウ病=風土病と決まりましたが、竜ヶ浦は認めようとしません。 まるでブルドッグのような風貌になった竜ヶ浦、シェパードのような「きりひと」には、「私が認めない限り、決着は着かん。」スタッフには「私が死んだら、解剖して伝染病であることを示せ」と言って事切れるのです。 そして「きりひと」は、またパレスチナに戻り、許婚の女性(この女性も、この騒動に巻き込まれて散々苦労したひと)が後を追います。大団円。 「きりひと」という名前は、もしかしてキリストを意識してつけたものかも知れない、とふと思いました。重い十字架を背負うというコミックの表紙にある画像なんかそのように意識しているのかも知れません。最後に:陰険で陰謀家の竜ヶ浦、理想主義者であると同時に逞しい生活者である「きりひと」。人間類型としても面白い組み合わせです。「きりひと讃歌」は、手塚作品の五指に入るでしょう。この臨場感は、司馬遷の史記にも匹敵する気がします。なお、このマンガが描かれた当時、山崎豊子さんの「白い巨塔」という外科医を主人公とする医師の権力争いがテーマの作品があり、手塚氏はこの作品を意識したという説もあります。手塚作品としては、奇を衒うことのない・正統派のヒューマニズムあふれる作品です。昭和45年4月10日号~46年12月25日号 ビッグスピリッツ連載*希土類元素とは、今話題のレアアースのことですね。でもこの元素たちが病気を起こすという話は聞かないですね。 >> 続きを読む
2012/10/13 by iirei
阿刀田高
「読んだら忘れない読書術」で著者樺沢紫苑おすすめの、この本。なるほど、わかりやすい。旧約聖書なんて、古典中の古典。難解で取っつきにくいコレを、信仰のない作者が、信仰のない読者にでもわかりやすいように、作者独自の切り口で書かれている。書く方に信仰がないので、信仰を持つ人の手によって書かれた解説書に比べ、面白みがあってわかりやすい。カトリック系の学校に通って(でも信仰はナシ)、聖書には触れてきたけど、その時にこれに出会っていたら、スッキリとした頭で聖書に向き合えたかもしれないなあ。一般教養を深めるにもおすすめ。 >> 続きを読む
2015/10/14 by shizuka8
宮城谷昌光
ひきつづき安定の面白さです。 晏弱による莱の攻略は見事のひと言。 これにより彼の名声は飛躍的に高まります。 しかし、斉の国は王様があまり良くないんですねぇ・・・。 臣下も臣下同士で争いあってばかりですし、 そんな状態で晋を倒したいなんて高望みをするから 痛手をこうむってみたり。 なんとも残念な状態に陥ります。 そんな中、晏弱が急に病死。 折りしも斉が国をあげた大きな戦いをしているところ、 晏嬰は誰も真似できないような形で父親の服喪をやりとげます。 人臣が彼を尊敬し始めたのはここが始まりといえるでしょう。 晏嬰はこれ以降も、上のものを敬い、 社稷(狭義には国家)に第一に仕えるという姿勢を貫くのですが、 歴史に残る晏嬰に関するいくつもの逸話は第三巻でのお楽しみのようです。 それでも第二巻も十分い面白かったです。 >> 続きを読む
2017/08/23 by kengo
大槻ケンジ
オーケンは好きなのだけれどもUFOもオカルトもまったく興味無い。ただ、これを読んだ時に非科学が個人の心に対して決定的な影響(ポジティブな方)を与えうる事をよーく理解できた。結局人間は心が動かしている。外的な法律や科学ではなくて心が認識するものがその人にとっての「世界」なのだろう。 >> 続きを読む
2016/02/29 by W_W
福田直
「ちゅ」って当然キスのことだと思いきや、なんとネズミさんのことなんですね。しかも、しっぽが描いてなかったらネズミさんだとわたらないようなヘタウマ。でもよーく見てみると愛嬌が有ってカワイイでーす♪ >> 続きを読む
2012/07/04 by tamo
福田 直
ただのおじさん・・・と、言い切ることができるということは、そうそう、只者ではないという証だろうな。ただ、そこにいるだけで、いろんなものがいい方向へいくこと。それって、とんでもない技だろうし、もしかすると、鏡なのかもしれない。自分の中にある答えを映すのだろう。 >> 続きを読む
2014/08/25 by けんとまん
長野まゆみ
「星降る夜のクリスマス」 「仔犬の気持ち」 「少年アリス 三月うさぎのお茶会へ行く」 「クリスマスの朝に」 4編。 「ほら、天使が降りてくる。」 ―――フラノがつぶやくと、ミランには何も見えなかったけれど、仔犬のタッシュが吠えたて、天使が羽根を震わせたように雪が降り始めた。 降誕祭の夜空に紡がれる、素敵な物語を集めた夢のおはなし集。 >> 続きを読む
2013/12/12 by books
大町 正
学校の先生が子ども達を指導していく中で出会った、 というか気づいた色々なエピソードを集めたものです。 月刊誌に発表していたものを再編集したということです。 話の本筋自体はいいものもあるのですが、 教師側からのアプローチというか 私はこう「見守った」とか「指導した」「気を配った」といった 内容の記述が多く、 本の企画からくる性質として仕方ないのかもしれませんが、 正直 少し食傷気味になりました。 >> 続きを読む
2015/02/02 by kengo
西村 京太郎
夫の浮気が原因の三角関係に秘められた真相。芸術の世界とは言え、道を極める職人の世界で生まれる狂気が悲しい。比較的初期の段階で犯人の目星がついてしまったが、ドラマ性の有るストーリーは謎解きだけでない味わいが有る。冷酷に計画を遂行する犯人の動機が、ある意味では非常にピュアなだけに読み終えて悲しさを感じさせる。妻の絵にまつわる夫の行動に胸を突かれた。著者作品の例に漏れず、感情を揺さぶる展開が期待に応えてくれる。 >> 続きを読む
2012/12/10 by ice
3月から始まる新年度に、何か仕事のヒントになることはないかと会社の書籍棚から引っぱり出して、読みだしたのが、セブンイレブンの生みの親といわれている、鈴木敏文さんの本。1章・売り手市場から買い手市場へ2章・「価格」で売るな、「価値」で売れ5章・不況は企業を磨く6章・小売業は考える産業だ売れない時代に市場を沸す「価値創造」への挑戦を・・・と、裕福な社会とは、価値や価格が多彩になっていくことだし、時代の変化に対応できるマネジメント力を養え、と。読んでいて、なるほどと納得することばかりであるが、何が凄いかというと、この本の初版が平成6年、なんと今から21年前に書かれたということ・・・・・。時代背景が同じ時なのか、真理は一つなのか。腹に入る事柄ばかり・・・・。この格差、変革の時代に「経営」で一番大事なことは「自己革新」と「徹底」であると、当たり前のことですが、当たり前に実践あるのみ・・・まさに、今年一年、乗りきれるやる気と勇気を与えてくれる本でおます。 >> 続きを読む
2015/02/25 by ごまめ
ビル S.バリンジャー
【悲しい逃走劇】 本作は、バリンジャーの作品でありながら、ノー・トリックです。 推理小説ではありません。 主人公は、ヒュウ・ローハンという赤毛の男です。 彼は、カナダの刑務所から脱獄し、ニュー・ヨークにやってきました。 頼りにしようとしたのは、彼の妻のマーセデスです。 ところが……マーセデスは別の男と結婚していることが分かりました。 どうして? 行く当ても、金もないヒュウは、マーセデスが住む家を訪れました。 そこで、マーセデスの現在の夫とも会いました。 ヒュウは、自分がマーセデスの夫だと主張しますが、マーセデスはヒュウが長い間音信不通であったことから、てっきり死んでしまったものだと思い、手続きを経た上で現在の夫と再婚したことを知ります。 しかし、現在の夫は相当なゲス野郎で、マーセデスは彼に全く愛情を持っていませんでした。 その男は、ヒュウに対して、「お前はお尋ね者だろう。警察に電話をするのが善良な市民の義務というものだ。」などと言い、電話をしようとします。 「やめてくれ。」と言うヒュウに対してピストルをつきつけます。 一瞬、男が電話の方に目をやった瞬間、ヒュウは男の射線から外れ、持っていたピストルを発砲しました。 ヒュウの狙いは過たず、男は胸を撃ち抜かれて絶命しました。 最初に撃ったのは男の方です。 正当防衛とも言えますが、脱獄犯のヒュウは警察に出頭するわけにはいきません。 「俺と一緒に逃げてくれ。」とマーセデスに迫ります。 ……「いいわ。」 それから二人の逃避行が始まります。 二人を追うのはニュー・ヨーク市警の刑事(作中では「ぼく」とだけ書かれます)です。 最初は、マーセデスが夫を撃って逃げたのだと思われました。 確かに、状況からすればそうとしか考えられません(ヒュウの存在など知られていませんでしたから)。 ですが、「ぼく」は何かを感じるのです。 それは、まるでヒュウの心理とシンクロしているように。 少しずつ二人に迫る「ぼく」。 逃走する者、それを追跡する者というストーリーなのですが、この手のストーリーによくある、ハラハラドキドキのサスペンスというのとはちょっと違った味を持ちます。 逃走と追跡の緊迫感はもちろんあるのですが、それよりも悲しいのです。 ヒュウも「ぼく」が間近に迫っていることを「感じる」のです。 追う者と追われる者との間に成立する奇妙な感情。 マーセデスの諦念(決して表には出しませんが)。 ええ。マーセデスは、実は逃げ切れるとは本心では思っていないのです。 ですが、ヒュウを助けるために懸命に助力します。 マーセデスがいなければここまで逃げ切ることも不可能だったでしょう。 警察も、マーセデスの知力には舌を巻きます。 ですが、マーセデスは……逃げ切れるとは信じていないのです。 それなのに、ヒュウを励まし、最後の最後まで逃げるように説得するのです。 ラストに、トリックではありませんが、一つの出来事があります。 余韻を残すラストでした。 >> 続きを読む
2019/07/22 by ef177
出版年月 - 1994年11月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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