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1994年12月発行の書籍

人気の作品

      竜は眠る

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
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      • 嵐の夜に偶然出会った記者の高坂と16歳の慎司。
        そして慎司は打ち明ける。自分は超能力者であり、周りの人間の過去が読めると。

        宮部さんの初期作品によくみられる超能力者の物語の一つ。
        ただ強調させるのはその能力ではなく、異端児という部類に分けられる。
        むしろ苦悩を浮き立たせることにある。

        慎司と共にもう一人の能力者も現れ、高坂に送られれる脅迫状と共に事件が起きる。

        ラストになると、不思議なタイトルである意味もより強く響いてくる。
        >> 続きを読む

        2018/11/15 by オーウェン

      • コメント 1件
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      五重塔 (岩波文庫)

      幸田 露伴

      4.2
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      • この幸田露伴の「五重塔」は、題名からしてお寺関係の分別くさそうな感じがして、今まで敬遠して来ましたが、もしかして、とんでもない誤解だったかもしれないと思って、岩波文庫版の「五重塔」を読んでみました。

        読んでみたのですが、いやー、まいったまいった。凄い傑作だ。私は、今までこんなに面白く豊かな世界の前を素通りして来てしまったのだから、ものを知らないというのは、つくづく罪であり、損であり、貧しいことだと思った次第です。

        この作品は、上野のある寺の五重塔建立をめぐって、川越の源太とのっそり十兵衛という二人の大工が相争う話です。

        源太の方は、以前にもその寺の本堂や茶室などを立派に仕上げた実績があり、今度の五重塔も当然、請け負うべく見積書まで出してある。

        ところが、源太の弟子で、腕は確かだが万事のっそりしていて口下手の十兵衛が、「百年に一度一生に一度」という五重塔の大仕事を、この手で仕上げたいという野望を燃やし、寺の「御上人様」にじきじき願い出るのです。

        そこで、上人は源太と十兵衛の二人を呼んで、あるたとえ話で、私欲を張り合うことのむなしさをほのめかすのです。上人の話に深く感じ入った源太は、自分の名声だの兄貴分という意地だのを捨て、思いきりよく、五重塔は自分と十兵衛の二人で共同して建てようと提案するのです。

        落語だったら、これで十分、職人ものの美談に仕上がるところなのですが、幸田露伴はそういう美談では終わらせないのです。

        師匠格の源太がさわやかに筋を通した、弟分の十兵衛からしたら土下座して感謝してもいいような提案を、こののっそり大工は「何も十兵衛それは厭でござりまする」と一言のもとにはねつけるのです。

        自分一人で、自分が主でなければ「溝板でもたゝいて一生を終る」ほうがよっぽどいいと言うのだ。ほとんど愚直と言っていいほどの執着。

        そして、この後も、源太と十兵衛の意地の張り合いは、さらに続き、なかなか美談にはまとまらないのです。

        十兵衛のこの意地というものは、「職人魂」などという美しい言葉では片づけられない、もっと、どうしようもない何か、「魔」とか「業」とかいう言葉のほうがふさわしいようなものに思えます。

        それが美しいものなのか、おぞましいものなのかは、よくわからない、ただ、もう、そういうどうしようもない何かを抱え込んでしまった人間というのがいるものなのだ-------。

        幸田露伴が描きたかったのは、恐らくそういうことだったんではないかと思います。十分娯楽的な物語でありながら、深いところまでがっしり踏み込んだ小説だと思うのです。

        もっと、若い頃にこの「五重塔」を読んでいたら、多分、私は壮絶な職人美談として読んだだろうと思います。今は、ある人間のどうしようもない性(さが)の物語として読めるのです。

        「魔」のようなものを描きながら、源太という倫理的で垂直的な志向の人間を配したところに、一貫してすがすがしい味わいがあったのだと思います。


        >> 続きを読む

        2017/11/18 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      It
      It

      小尾芙佐 , スティーヴン・キング

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • スティーヴン・キングの「IT」(1~4巻)を、2日間かけて読了しました。

        最初、斜に構えて読み始めましたが、そのうちに、知らない間にのめり込み、こうなるともう、完全にキングの術中にはまってしまって、この長大な物語から抜け出ることが出来なくなっていました。

        しかも、最終章に待っているのは、これまでキング作品に感じたことのない感情なんですね。
        込み上げてくる感動に、いささか戸惑ったのは、キングに対する、ある種の偏見を私が持ち続けていたせいかもしれません。それにしても、参りました。

        六人の少年と一人の少女がITと闘う1958年と、彼らが大人になってから再び闘う1985年が、絶妙にクロスして語られるんですね。

        まずプロローグ的な一章、二章に続く第三章は、大人になった彼らが仲間の連絡を受けて故郷の町に戻って来る1985年の〈現在〉で、故郷で残虐な殺人が発生し、その背景に存在する〈化け物〉と再び闘う時が来た、ということだけが、彼らの現在の生活と挿話を紹介しながら、ゆったりと語られていきます。

        不安を秘めた、実に巧みな導入部だ。

        26~27年ごとに大量の行方不明者や死者が出ることも暗示され、これに続く第二部からいよいよ〈過去の闘い〉と〈現在の闘い〉がクロスしていく。

        彼らが27年前の闘いを忘れている設定なので、我々読者には、ITとはなんなのか、彼らはどう闘ったのか、その肝心の部分が微妙に伏せられたまま進んで行くというのも、実にうまい。

        ITはなかなか出て来ないんですね。膨大な寄り道と言ってもいいが、こういう枝の部分を描くと、キングはもともと群を抜いてうまい作家だから退屈することはないんですね。

        いつもなら、もっと早く出てこいと悪態をつくところなのに、そんな暇もなく読み耽ったのは、枝が徐々に太い幹に収斂されていく構成のうまさとリズムの良さ、そのバランスが絶妙だからなんですね。

        そして、何と言っても圧巻は、最終章の第五部だ。
        ここに至って、ITの正体と27年間の闘いの実態が明らかになるのだ。

        そこに、現在の闘いをクロスさせていくキングの筆致の冴えは、実に見事だ。
        過去と現在が、物語上で捩れていくのは珍しくないが、これはその構成とテーマが不可分なのだ。

        表面的には、化け物の正体にがっかりするという"スティンガー・ショック"に近いものがあっても、もちろんまったく異なっているんですね。

        愛と勇気の物語という、この感動的なラストの力強さは、もっと根源的なものだと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/09/11 by dreamer

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      サラリーマン金太郎

      本宮ひろ志

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • サラリーマン金太郎 第1/全30巻

        以前、関東全域を束ねる暴走族の総長だった金太郎がサラリーマンに挑戦する。

        もう読む前から好きになるのは分かっていたような設定。読んでやっぱり好きだと確認した。

        関東全域1万人の暴走族を束ねて来た元総長の金太郎。
        暴走族を引退し、妻の実家で漁師をやっていた彼だが、息子の誕生と引換に妻を失うこととなる。

        海上で遭難していた老人を助けた縁で、その老人が会長を務める大企業に就職することが出来ることになったため、まだ乳児の息子とともに再び状況する。

        生い立ちから想像はつくが、とにかく破天荒。

        サラリーマンと言えば社会のルールという言葉に示されるように、ある程度、型にハマることを求められる世界だと思うが、彼の場合は、筋が通っているかいないかという独自の指標を崩すことなく、サラリーマン社会と向き合う。

        乳児を背負って出社するとかは、もう有り得ないレベルなので、虚構の世界でしか通用しないわけだが、上司だろうが重役だろうが、臆せずに対応する姿には、本来こうあるべきだと反省させられた。

        周囲の人間が、彼の一本気なところ、爽やかなところに好感を示して寄って来るところはリアルに感じる。

        十二分に予想していたが、こういうストーリーは大好き。

        大三元 字一色 四暗刻単騎の四倍役満を上がる引きの強さや、ヤクザにも一歩も引かずに立ち向かう絶対的な自信。
        そんな男に「男ってのはな、男のためになら、男を張るんだよ」なんてセリフを吐かれたら、女性じゃなくても惚れてまうやろ~!

        ドラマと言えば高橋克典のイメージが強いけれど、永井大が主演しているバージョンも有るらしい。
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        2012/11/24 by ice

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      カンガル-・ノ-ト

      安部公房

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 目を覚ましたら、脛にかいわれ大根が自生していた。突拍子もない内容の出だしだが、いきなり引き込まれた。普通は笑いとばすことなど到底出来ない、不治の病に侵される瞬間を安部公房という人は、どうしてこうもユーモラスに書けてしまうのだろう。

        奇病に見舞われる前の主人公は文房具メーカーに勤める会社員だった。表題の『カンガルー・ノート』は主人公が提案した新商品の名前に由来する。なぜカンガルーに着目したのかというと、カンガルーに代表される有袋類の「みじめさ」に共感したからだという。真獣類(有胎盤類)に比べると生物として弱く、固体の特徴もはっきりしない。どうやら弱き者に親近感と愛着をもっていたようである。

        『カンガルー・ノート』は著者の遺作として位置づけられており、おそらく病床で書かれたものだろう。通常は、夢はすぐに忘れてしまって現実をよく覚えているものだが、本作の場合は反転している。まるで夢こそが生活の本質であるかのように、不治の病に対する無力感を吹き飛ばすかのように、次から次に夢が語られる。

        夢の中の旅はとりとめがないけれど、おもしろい。そもそもアトラス社製のベッドが自走する時点で、ベッドの域を超えている。百歩ゆずって空の点滴袋が雄の烏賊になったとしても、呼応した雌の烏賊に追いかけられる場面はシュールすぎた(ちなみにこの一対の烏賊は、百メートル十五秒以内の速度で接触すると爆発する!)。
        他には三途の川で母と再会する場面も印象的だった。トンボ眼鏡の看護婦の立ち回りが良い。ベッドを占領した主人公の母と対峙して「着古した盲縞と、糊のきいた白のショートスカート、勝負はとうについている」。トンボ眼鏡の魅力が伝わってくる、お気に入りの一文だ。

        壁一枚くらいの隔たりは感じるにせよ極めてリアルな夢の終着点は、分かってはいたけどぞっとした。すべての音が無くなって、ぽつんと取り残されたような気がした。
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        2018/02/12 by カレル橋

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      谷間のゆり

      宮崎嶺雄 , オノレ・ド・バルザック

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • いろんなところで名前を聞いていましたが、未読でした。誰訳で読むか迷いましたが、とりあえず信頼の岩波文庫で。面白かったです!

        サッカレーの『虚栄の市』と並行して読んでいたら、時代が被って途中少し混乱したりしましたが…語り口がやっぱりフランス文学ですね。
        年上の美女と若い男の組み合わせというのも、いかにもフランス的です。あちらでは、男は女が育てるもの、という考えなのかなぁと思ったり。そして苦い思いをして、男の人はより魅力的になっていくのでしょう。日本の小説にも年上女性と若い男の組み合わせはありますが、そういうのを書くのはたいていが女性作家のイメージです。私が思いつくところでは、芝木好子とかですかね。そもそも貴族社会というのがヨーロッパの特殊なところでしょう。社交界において、女性が華として君臨する文化。そこで若くてきれいなお嬢さんではなくて、堂々としたご婦人に惹かれるのも、やっぱりお国柄なんでしょうかねー。

        しかし『谷間のゆり』の舞台はフランスの田舎です。貴族ではありますが、控えめな女性が貞節を貫く話です。以下、内容に触れますので未読の方はご注意を。






        青年フェリックスの憧れであったモルソーフ夫人は貞節を貫いて死ぬわけですが、結局彼女は満足だったのでしょうか?
        ifの話をしても仕方ありませんが、夫も子供も振り捨てて若い男に走ったとして、フェリックスが心変わりしないとも限りません。そう考えると最後まで少なくとも肉体的な関係にはならなかったことは夫人にとっての勝利であったかもしれません。精神的な連帯感を存分に味わい、私のことを愛してね、ただし親愛の情で、などという無理難題を若い男に強いて、貞節な妻という役目をやりきって死んだ彼女にとっては、ある意味勝利だったかもしれません。
        しかしそれもダッドレイ夫人という浮気相手がフェリックスにいたからでしょう。身体の関係を持つ相手が存在しなければ、フェリックスにこんな生殺し状態が耐えられたでしょうか?そのくせモルソーフ夫人はダッドレイ夫人と関係をもったフェリックスを冷たくあしらうのですから、ひどいものだと読みながらしみじみ思いました。いずれ娘を嫁にやるつもりだったというのも、本当にそんなことができたかどうかはなはだ疑問です。恋は盲目ですからフェリックスはモルソーフ夫人を崇め奉っていますが、いろいろ割り切っているダッドレイ夫人のほうが私は好きです。モルソーフ夫人は自覚のない悪人だと思います。というかフェリックスに、君はそれでいいのかと問い詰めたい。
        しかし好きになってしまったら仕方ないんでしょうね。盲目ですからね。それでも、フェリックスとモルソーフ夫人の愛を純愛とは呼びません。エゴイズムや本能的な情動を、信仰心とか世間体とか貞淑さとか騎士道とかで過剰包装した歪なものです。ダッドレイ夫人も愛想が尽きるってものです。ふたりとも、悲嘆にくれるふりをして充分心で遊んでいるんですから。

        最終的に女性が病に倒れて死ぬというのはフランス文学でよくあるパターンのひとつですが、やっぱりこのままいくとどちらかが裏切らずにはいられないからですかね。完璧な愛は壊れる前に封印すべし。ロミオとジュリエットも、あそこで心中しなければいずれ破局を迎えたのかもしれません。フェリックスとモルソーフ夫人は、崇高な愛というものに酔っぱらっていたようですが、愛ってそんなに気高いだけのものではないでしょう、とダッドレイ夫人は語りそうですし、バルザックもそう思っているのでは?
        ああ、美しい夫人であった、とフェリックスが悲嘆にくれるところで話を終えることもできたのに、最後にナタリーからきっぱり振られているところが、さすがバルザック。このくだりがあるのとないのとでは大違いです。
        昔の恋人の話を子細に語るなんてのは、恋愛的作法でNGなのはどの時代も同じですね。フェリックス、そんなことも知らないなんて、30にもなって…
        ある意味モルソーフ夫人の呪いなのかも。ナタリーは賢明でした。死んだ人にはどうあがいても勝てないし、フェリックスは、もはや一番いい時期は過ぎているようなので。

        しかし脚注を読むと、この後フェリックス君は結婚するそうで、かなり驚きました。その辺は『イヴの娘』に書かれているそうなので、読まなくては…
        >> 続きを読む

        2016/01/30 by ワルツ

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      黄金のローマ 法王庁殺人事件

      塩野七生

      朝日新聞出版
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 今回ローマへこの本「黄金のローマ」を連れて行った♪
        この小説は、作者曰く「都市が主人公」。つまり主役はローマなのだ。
        (殺人事件というサブ・タイトルですが、ミステリーとはいえません)

        じっくり読み返す時間はなく、舞台となっている街並み、広場、屋敷などを
        個別に見て回る時間がなかったのが返す返すも心残りだけれど、
        それでも、地図を見て、位置関係、景観の記憶などが
        全く未知な町の時とまるで異なってくることに驚く。

        「百聞は一見にしかず」という言葉には、一理ある。
        哀しいかな自分の想像力の限界よ…。

        例えばテヴェレ河をはさんで、サンタンジェロがどう見えるか。
        それをイメージできるだけでも、物語から『みえてくる世界』が変わるのだ。


        時は1537年夏。ローマは、ルネサンス最後の法王と呼ばれる法王パオロ三世の治世。

        ヴェネツィア貴族・マルコ・ダンドロとコルティジャーナ*のオリンピア
        2人の美しい中年の恋人たちが、道案内役だ。
        (この二人以外の名のある登場人物は全部実在人物だそうだ)

        *コルティジャーナ(高級遊女):この時代に突出した存在の高級娼婦。売春婦とは別物。
        日本の江戸代の花魁にもちょっと近いかな。
        芸術、教養にたけ、社交界に出入りし、貴族との交友を持つ。
        もちろん美女。


        ローマの名門ファルネーゼ家出身の法王は、息子のピエール・ルイジ・ファルネーゼを教会軍総司令官に、
        孫アレッサンドロは枢機卿に据え、絶大な影響力を持っていた。
        人文主義者で、ローマ出身の彼は、古代文明への愛と芸術への理解も備え
        ドイツのプロテスタント問題の解決などにも心砕いていた。

        ミケランジェロの才能を高く評価し、システィーナ礼拝堂の最後の審判を描かせた人でもある。

        この小説で何よりも嬉しいのは、ミケランジェロが作中に登場することかも。
        (私はミケランジェロのファンなんです。作品も人物も両方の意味で)

        システィーナ礼拝堂の壮大な天井画、「天地創造」を書き上げた彼は、
        今は正面祭壇画の「最後の審判」(1541年~)を描いている真っ最中。

        カピトリーノの丘(カンピドリオ広場)の改修、
        サン・ピエトロ大聖堂のクーポラの設計もミケランジェロの手によるものだ。
        ファルネーゼ家との親密な関係により都市計画も想定されていた。
        古代とルネッサンスの時代の融合を夢みたミケランジェロの息吹が伝わってくるように思われた。

        彼はフィレンツェ人だが、ローマでより完成した仕事をしているのは、
        単に法王がスポンサーとして強力だったからだけではなく、
        ローマに本物の古代があったからなのだろうと、改めて理解できた気がした。


        『すべての国の歴史は、もっとも華やかに見える時期こそが「終わりのはじめ」であったことを実証している』

        ヴェネツィア、スペイン、法王庁の連合艦隊がプレヴェザの海戦でオスマン=トルコに敗れるという大事件が起こり、
        マルコにはヴェネツィア共和国への想いが熱くよみがえる。

        ヴェネツィアという現代的な都市国家も、衰退への道を歩み始めたのだ。

        マルコは一介の私人としてオリンピアと結婚を考えていたが、
        2人の恋の行方は果たしてどうなるのか?
        恋愛はどうでもいいや。という読者も結構いるかもしれませんが(^^;)


        『緋色のヴェネツィア』『銀色のフィレンツェ』『黄金のローマ』
        と3部作の完結編。
        今回、ローマに行くので再読したのですが、あとの2冊も読み直してみよう♪
        いつか、ヴェネツィアとフィレンツェも行かなくては。と心に誓う私です。
        >> 続きを読む

        2013/04/08 by 月うさぎ

      • コメント 6件
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      萩・津和野殺人ライン (角川文庫)

      深谷 忠記

      2.0
      いいね!
      • なかなか読み進まなかったんですが、最後の意外性は面白かったです。
        萩や津和野の描写が素晴らしく、情景を思い描きながら読むことができます。 >> 続きを読む

        2018/08/21 by mika

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      反三国志(上) (講談社文庫)

      周 大荒

      4.0
      いいね!
      • ひたすら反を通した
        蜀\(^o^)/万歳な物語。

        それにしても、惜しいかな
        人物の構成は良いのに
        この話はここまで、というスタイルをとってる為
        重要な場面以外が追えず、ひたすら戦闘だけ繰り返している様な
        物語味が薄い感じになってしまっている。
        >> 続きを読む

        2015/08/12 by トマズン

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      アジアの路上で溜息ひとつ

      前川健一

      講談社
      カテゴリー:アジア
      3.0
      いいね!
      • アジアを中心に世界中を旅する著者のエピソード集。

        際立った特色は無いものの、現地での生活の匂いを感じる。

        言ってしまえば、有りがちなアジア貧乏旅行記なのだが、現地の方々との継続的な交流が描かれている点に特色が有るように思う。

        基本的には、個々のエピソードは独立しているものの、別れたり、再会したり、助けたり、助けられたり。

        非常に大きな魅力を感じているため、アジア貧乏旅行記的なものを手当たり次第に読んできたが、あくまでも旅行者としての現地人との触れ合いに留まっているものが多く、本作品は一歩踏み込んでいると言える。

        また、ところどころに差し込まれているコラムでは、食を中心としたコラムが展開されており、各国の食文化の違いも面白かった。

        現状に不満が有るわけでは無いのだが、アジアの喧騒への憧れは強まるばかりである。
        >> 続きを読む

        2012/07/30 by ice

      • コメント 5件
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      反三国志(下) (講談社文庫)

      周 大荒

      3.0
      いいね!
      • 下巻はもう、これでもかと言うくらい戦闘の巻
        しかし、戦闘描写(やられる処)があっさりな為か
        敵を倒した感がしないという (笑)

        何だろう、言葉の言い回しが上手く面白そうなのに
        内容が惜しい仕上がりになっているのが本当残念。
        >> 続きを読む

        2015/08/12 by トマズン

    • 1人が本棚登録しています
      マンガ孔子の思想

      和田武司 , 蔡志忠

      講談社
      カテゴリー:先秦思想、諸子百家
      いいね!
      • ページ抜粋: 学びて思わざれば罔し。思いて学ばざれば殆うし。為政第二

        2015/03/19 by Neo*

    • 1人が本棚登録しています
      夏子の酒 - 1

      尾瀬あきら

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 夏子の酒 第1/全17巻

        広告代理店に就職し上京した造り酒屋の娘が、酒蔵への愛着を再認識する。

        ドラマ化もされ、ファンの多い作品。面白いのだが、日本酒が飲めないのが結構痛い。

        1994年に和久井映見主演でドラマ化されたため、知名度は高い作品だと思われる。
        共演者に萩原聖人がいたのも、今となっては何とも...である。

        東京の広告代理店に務める造り酒屋の娘、夏子。
        胸を病む兄が倒れたのを機会に久々に帰省する。

        余命わずかでは有るものの、復調した兄から、幻の米 龍錦を使った日本酒製造の夢を聞かされる。

        仕事で大きな成果を上げるものの、納得のいかない要求を消化することができずに悩む夏子。
        そこに訪れた兄の死により、実家に戻って兄の夢を継ぐことを決心する。

        利き酒の名手だったり、向いているのだとは思うものの、広告代理店の仕事にも夢を抱いていたようだし、せっかく掴んだチャンスを棒に振るには、もう少ししっかりした理由が欲しかった。

        信じてチャンスをくれた上司にも、結局は仇で返したまま別れる形になっているのも後味が悪い。

        夏子を酒蔵に戻さなければ、今後の展開に支障を来すのは十分承知しているが、だからこそ、ここはもう少し踏み込んで、しっかりと納得できる理由を用意すべきだったように思う。

        日本酒がテーマという点では、きっとお酒に強ければもっともっと楽しめたのが残念。

        二級だ一級だ、特急だとか、純米酒だ本醸造だとか言われても、全くピンと来ないし、何よりも、希少なお酒に対してのプレシャス感が抱けない点が辛い。

        下戸では無いもののお酒に強くないので、日本酒の旨さくらいはわかるようになりたいものだ。
        >> 続きを読む

        2012/11/29 by ice

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      夏子の酒 - 2

      尾瀬あきら

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 夏子の酒 第2/全17巻

        東京での広告代理店OL生活を捨て、故郷で杜氏として生きることを選んだ夏子。

        夢の日本酒製造。ストーリーが進み出したのだが、どうにも優等生的と言うか、物足りなさを感じてしまう。

        蔵元の娘と言う理由だけで、自分たちのやり方に干渉して来る東京帰りの女性に対し、現場の蔵人から上がる反発の声。

        それなりに夏子は衝撃を受けたようでは有るが、職人気質というものをも継承していそうな蔵人の文化では、現実だったらこんなものでは済まされないように思う。

        とくに、女人禁制だった場所への立ち入りなどは、もっと周囲に認められてから許される形にした方がリアルだったのでは無かろうか。

        正直、随分なご都合主義を感じざるを得ない。


        いよいよ龍錦の生産に着手する夏子。

        酒蔵としての付き合いだけでなく、同級生のつてをも使って、協力者を集めるが、そこで直面したのは、高度に機械化、効率化された生産体制だった。

        夏子が実現したい昔ながらの手法での日本酒生産は、苗を植える田んぼが見つからないというレベルから頓挫する。


        しかし、夏子の懸命な努力を見て、少しずつ協力者が表れ、夢が一歩一歩進みだす。

        先が読めると言うか、用意された「いい話」を読まされている気がするのは否めない。
        >> 続きを読む

        2013/02/13 by ice

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      ちびまる子ちゃん (12) (りぼんマスコットコミックス)

      さくら ももこ

      2.0
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      • 匿名

        寝る前おすすめ

        2015/01/11 by 匿名

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      るろうに剣心 - 明治剣客浪漫譚 - 巻之二 人斬りふたり

      和月伸宏

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • るろうに剣心 第2/28巻

        喧嘩屋斬左との一騎打ちを軽くいなした剣心に迫りくる人斬り鵜堂刃衛。

        やはり剣客は殺気を前面に出した時こそ美しい。

        斬馬刀を振り回す斬左だったが、剣心との力量の差はあまりに大きく勝負にならず。

        斬左はレギュラーメンバー入りするようだが、あの分かり易い武器を振り回すライバルとして、正直、もう少し剣心の向こうを張って欲しかった。

        剣豪小説は好きなジャンルだが、次々強敵に遭遇する急展開も面白いが、宿命のライバルみたいな存在がいないといずれ飽きが来るので少し心配してしまう。

        今回は何と言っても黒笠(人斬り鵜堂刃衛)との対決が見所。
        いつものおっとりほんわかした剣心に人気が集まっていることは知っているが、本気モードで野性を剥き出しにした彼の凄味の有る美しさに惹かれてしまう。

        また黒笠の最後に明かされた黒幕の存在。
        リアリティの有る演出で有るし、ストーリーの奥行きも広がる点で、大きな伏線だと言える。

        2巻まで読んだ時点では有るが、映画版の剣心を佐藤健が演じるのはイメージが違う。
        ファンが多い作品だけに非難を浴びそうな気がしないでもないが、個人的には小池徹平だとしっくり来るのだが。

        ただ、映画版には吉川晃司が鵜堂刃衛役で出演するらしい。
        コージが出るなら何も文句は言わない!

        ラブコメ的な演出も、気になるほどでは無いので、変わらず集中して楽しめそうだ。
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        2012/08/25 by ice

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      ねじ式 (小学館文庫)

      つげ 義春

      5.0
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      • 【私小説……】
         つげ義春のことは全く詳しくない。
         漫画自体詳しくないので、私がこんなレビューを書くのはお門違いも良いところだし、おそらく、多くの方からの失笑を買うことであろう。

         そんな門外漢であるのに、何故つげ作品を読もうなどと思ったかと言えば、そう、あれは小学生の頃だっただろうか。
        赤塚不二雄(つげと親交があったらしい)が書いたつげの代表作「ねじ式」のパロディを目にしたから、としか理由が浮かばない。
         そう、パロディしか読んでいないのである。
         オリジナルは、これを読了するまで一度も読んだことは無かった。
         読んだことは無かったのだが、今日の今日までずっと気持ちの中にひっかかっていたのが「ねじ式」だったのだ。
         
         初めて読んでみて、あぁ……と息をもらしてしまった。
         極めて不条理であり、シュルレアリスティックであり、痛みと貧困と愚弄のような、負の感情が痛い。
         傑作である。

         本書には、つげ作品が14作品収録されている。
         映画化もされた「ゲンセンカン主人」も入っている(そう。この作品も、「ねじ式」に通じるところがあるように思えた)。
         つげのことは何も知らずに読んだのだが、いくつかのことが心にとどまった。
         それは、「旅」、「旅館」、「メッキ工場」、そしていくつかの作品では漫画家である自分のことを描いているのでは無かろうかと、漠然と感じたことがあった。

         その後、Wikipediaでつげの事を調べずにはいられなくなった。
         なるほど……。
         詳しくはウィキを見て欲しい。「旅」や「旅館」のことも、「メッキ工場」のことも、腑に落ちるわけだ。
         そう、トイレを改造した部屋に8年間も閉じこめられたなどという話も(「ある無名作家」にある)。

         彼は、自分を描き過ぎているのだろうか?
         極めて不器用なのだろうか?
         それとも、天使のように無垢なのだろうか?
        >> 続きを読む

        2019/09/08 by ef177

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      砂のクロニクル

      船戸与一

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 独立国家樹立を望む中東のクルド民族が、日本人の武器商人にカラシニコフを依頼した…
        武器商人、人民戦線フェダイン・ハルクに属していた日本人、革命防衛隊員、そしてクルド民族の視点で章によって書かれている。
        主人公も死んじゃう船戸さんだから、第一章の日本人も死ぬんだろうなと残念二思っていたら、登場して、嬉しかった
        >> 続きを読む

        2012/04/04 by bob

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      砂のクロニクル

      船戸与一

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 革命だけを追って生きてきたことに後悔はなく誇りに思っているという登場人物が死ぬ前に考えた、「人間に与えられたもっとも豊潤なものは幻想なのだ」って一文と、民族の悲願達成が最大の喜びで、革命の為に自ら命を投げ出す人たちから、比べて自分はどれだけ何も考えずに生きているのか。果たしてどちらが幸福というのか、と考えてしまった。
        ちなみに、物語の後半、主要な登場人物同士が、さりげなく絡んでいたことが、登場人物みんな死んじゃう船戸さんの短編ばかり読んできた私には新鮮で、サプライズのようだった。
        >> 続きを読む

        2012/04/04 by bob

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      晏子

      宮城谷昌光

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  最後まで勢いおとろえず面白かったです。
        権謀術数をめぐらす人たちは一時期 権勢をふるっても
        ほとんど例外なく滅んでいくのに対し、
        人の世の醜い争いごとはどこ吹く風といった様子で
        ひとり晏嬰のみ至誠の精神を失わず
        生涯を貫いていく様は本当に見事です。
         
         まぁ、著者がそのように描いているのですが、
        史実そういった人物だったそうです。
        晏嬰が亡くなったときに王様が
        「一日に三度いさめられたことがあった。
        今後、そうしてくれる者はいないだろう」
        と嘆いたというから相当なものです。 
         
         最終巻は晏嬰が宰相に取り立てられるまでの部分も長いですが、
        宰相になってから使いに行った際
        楚の霊王の嫌がらせをみごとに切りかえした逸話など
        興味深いエピソードも色々おさめられています。
         
         非常に面白かった親子二代の物語も完結。
        大変満足しました。ありがとうございました。
        >> 続きを読む

        2017/08/26 by kengo

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出版年月 - 1994年12月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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