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村上春樹
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久々に読む村上作品長編。短編と思って読み始めたら長編だった。小説ハジメの成長~中年期の物語。少年ハジメは小学生の頃、仲の良い女友達がいた。彼女の家に行ってとりとめのない話をしたり、レコードを聴いたり…ハジメは彼女にほのかな思いを抱き、彼女の方も自分に好意を持っていることがわかったが、やがて彼女とは疎遠になってしまう。高校生になったハジメはどこにでもいるような高校生、それこそ「スカートの中に手を突っ込むことしか考えてない」ような高校生になる。(この表現はノルウェイの森でも登場した)周りの人がするようにガールフレンドをつくり、楽しいことをしては、浮気もして童貞も捨てる。自分の好む女には、「吸引力」があるという…なんとなくわかるような、わからないような。大人になったハジメは、バー経営に成功し、妻と子供に恵まれて、幸せな家庭を手にれる。しかし、いつしか「もうこんな生活には耐えられない」と思う時が来る。そんなものだろうか。愛する家族に嘘をついて、女性と二人できた石川県。雪で飛行機が遅れた時、「もう飛行機が動かなければいい」と思った。それはその女性とただ別れたくないからということだけでなく…幸せに縛られている環境から逃げたかったのかもしれない。僕もそんな風に思う時が来るだろうか。今まで読んできた村上作品とは少し違っている。でも今までの村上作品にそっくりだと、読みながら思うときもあった。恋愛小説というにはお門違いかもしれないが、最初から最後まで女性と関わってばかりの男の物語。「スカート…考えてない」ような頃の自分と、世の中の男性に読ませたい作品。 >> 続きを読む
2021/01/27 by 現場猫
貞本義行
ネットサーフィンをしていたらこの作品がKindleで1冊50円になっているというのを観て「え?これ買うしか無いでしょ!?」と思って少しの逡巡と煩悶を経て購入。で、早速1巻読んでみた・・・なにこれ?ちょーおもしろいんだけど!?よくテレビで劇場版が放送されていてそれを見るたびに「自分はロボット物とか苦手だしエヴァはな~・・・。」と思ってスルーしていたのだが、先日なんのものかは忘れたんだがエヴァのCMが流れてその時唐突に「あ!これ観たい!(読みたい!)と思って某通販サイトで見てみたのだが結構巻数があるし買えないな~と思っていた矢先にこのセール?まじ、パないっす!1巻は説明巻ぽいけどそれでも読み易いし凄く迫力があって良い!これからどうなっていくかめっちゃ楽しみ!!!でも、なんでこんなに安くしたのかな~??ま、いっか!(笑) >> 続きを読む
2015/11/20 by 澄美空
PfisterMarcus , 谷川俊太郎
絵本ブームというのが時々巻き起こるようですが、「にじいろのさかな」の大型本が出た時もそんなブームの時期でした。店頭にさまざまな絵本が並ぶ中でもひときわ目を引く美しい本です。にじいろのさかなは、光り輝くうころをもった美しいさかなです。彼が手にしているその恵みを、幸せになるためにどう役立てるべきなのか。そんなメッセージ性の強い物語なのですが、言葉で観念を伝えるよりも、直感的に感じて通じ合う事のほうが、シンプルで間違いがない。そんな好例ではないでしょうか多くの人に共感され愛される作品になりました。シリーズにもなっています。(私は他作品は未読です)人々がこの美しいお話しに共感する世の中っていいな。と思います。例えばワイルドの「幸福な王子」を読んでそれがトラウマになってしまった私など、素直に「イイネ!」ってできないんですよ。あの物語のラスト、ご存知ですか?あれが現実だよってどうしても思ってしまうんですよね。哀しいかな。フィスター氏はにじいろのさかなの美しさを、ホログラム箔押し加工を使って表現しました。にじいろのさかなのうろこは、見る角度によって、キラキラと虹色に輝き、幻想的です。今ではこの加工はよく目にしますが、出版当時は斬新な技術で値段が高く、絵本に使うのは「冒険」だったそうです。しかしこの虹色効果か、世界で40カ国語、1300万部を超えるベストセラーとなったのです。美というものは共有でき、人を善性に導くものだ。そうであるに違いないと思いますし、そう信じたいですね。 >> 続きを読む
2014/04/22 by 月うさぎ
大平健
精神科医が論じる現代社会。 新書なんて滅多に読みませんが、たまには良いです。何となく知的に見える間食のイメージです。 本書の軸は日本において、あえて詮索しない、無駄なお節介を焼かないという“やさしさ”が生まれているということです。 なぜ子供が親を鬱陶しく思うのか、なぜ外国人が日本で奇妙に感じることがあるのか、といった事柄への言及としては非常に的を得ているように思いました。 ただ、恐らく新書という形態上著者の主張が重要視されることと、間違いなく私が天邪鬼であるため、どうしても納得いかん、というところが幾つかありました。そうして賛否を繰り出すことが新書の読み方であるかとも思いますが。 本書の出版は1995年。10年経てば社会は変わる。それは常に念頭に置いて読みました。が、それほど古さは感じません。ポケベルが登場するなど時代を感じる部分はありますが、内容の本質はまだまだ現役、むしろこれからより意義を得るかもしれません。 >> 続きを読む
2015/02/27 by あさ・くら
谷崎潤一郎
谷崎はやっぱり美文家ですね。惚れ惚れする文章。これは中公文庫版で、西洋と東洋を比較した以下の6つの随筆が入っています。『陰翳礼讃』『懶惰の説』『恋愛及び色情』『客ぎらい』『旅のいろいろ』『厠のいろいろ』言わずと知れた表題作と、客ぎらい以外は初読でした。興味深かったのは『恋愛及び色情』で、日本においては恋愛小説の地位が低いという指摘。あぁー、確かになぁ、と。個人的には恋愛小説には感情の機微がぎゅうぎゅう詰まっていてとても好きなのですが、日本では娯楽小説や女子供が読むものって感じで、大の大人が、しかも日本男児が読むものではないと思われているというのは、ちょっと感じます。歴史小説とかに含まれた恋愛部分を楽しんでいるかもしれませんが、いわゆる純文学でも自己とは何か、とかそういう視点できても、恋愛そのものを扱うと直木賞候補って感じになっているような。『厠のいろいろ』も面白かったです。ぼっとん便所から水洗便所への過渡期を生きた著者の厠談義。TOTOという会社が日本に生まれたことは必然だったのでしょうね。。折に触れ読み返したいです。 >> 続きを読む
2017/09/02 by ワルツ
古沢嘉通 , ConnellyMichael
【シリアル・キラーを仕留めたはずだったのに】 ハリウッド署の殺人課刑事、ハリー・ボッシュを主人公とする人気シリーズの一作です。 今回の敵は、『ドールメイカー』と呼ばれるシリアル・キラー。 これまでに11人もの女性をレイプした上惨殺してきた男です(その他に未遂が1つあります)。 ドールメイカーは、被害者の女性を殺害後、化粧を施して遺棄することからそのような名前で呼ばれていました。 被害者は、街娼やポルノ女優などばかり。 その夜、特捜班に所属していたハリーのもとにドールメイカーに襲われたという被害者からの通報がありました。 この手の通報はしょっちゅうかかってくるため、ハリーも内心「また、ガセか?」と思わずにはいられません。 しかし、放置するわけにもいかず通報してきた女性のもとに急行します。 その女性もポルノ女優だというのですが、女優業の傍らで派遣型のサービスをしているというのです。 そして、今夜呼ばれた男のアパートに行った所、そのアパートには沢山の女性化粧品が置いてあり、その男から首を絞められそうになって逃げてきたと。 ドールメイカーが被害者の化粧品を持ち去っていることはマスコミにも秘匿していましたので、ハリーはこれは本筋かもしれないと直感します。 被害女性の案内で男のアパートに急行したハリーは、窓越しに一人の男の姿を認めます。 応援を呼びたいものの携帯無線機を所持しておらず、どこか連絡できそうな場所を探しているうちにも、もしかしたらドールメイカーは次の被害者をアパートに呼び入れているかもしれません。 最悪の場合を想定し、単身アパートに突入したハリーは、ベッドサイドにいた全裸の男を発見します。 「警察だ! 動くな!」と銃を突きつけますが、男は手を枕の方に伸ばそうとします。 「やめろ!」と警告しますが、男は手を枕の下に入れたため、ハリーは男を射殺してしまいます。 その後の捜査により、ハリーが射殺した男はドールメイカーに間違いないという結論に達しました。 部屋に残されていた化粧品が9人の被害者の化粧品と一致する等の証拠が発見されたのです。 しかし、その男が枕の下から出そうとしたのは拳銃等ではなく、なんとカツラだったということも判明します。 外形上、警察官が武装していない男を射殺したということが問題となり、ハリーは、射殺したことはやむを得なかったものの、応援を呼ばなかったという点を譴責されて左遷されてしまいます。 それから4年後、ハリーに射殺された男の妻ら遺族の申し立てにより、警察に対する損害賠償訴訟が提起されました。 男の側の弁護士は、警察の不祥事を専門に扱う、いわゆる『人権派』の女性弁護士です。 賠償を求められているのは州ですが、ハリーは実質的な被告同然の立場で法廷に召喚されます。 被害者の妻は、夫はドールメイカーなどではないし模範的な大人しい夫だったと涙ながらに証言します。 問題は、ハリーが射殺したことの是非のはずなのですが、論点は射殺された男が本当にドールメイカーだったのかどうかという点にずれ込んでいきます。 そんな折り、警察署に何者かによりメモが届けられます。 そのメモは、ドールメイカーを名乗る者からのメモで、自分はまだ活動中であり、その証拠にある場所に死体を埋めてあるという告白でした。 さっそくその場所を掘り返してみると、確かにドールメイカーの被害者の特徴に合致する女性の死体が出てきました。 そうなると、やはりハリーは無実の市民を射殺してしまったということになるのでしょうか? 本作は、ハリーを糾弾する法廷でのやり取りと、その傍らで12番目の犠牲者を殺したのは誰か? 本当にドールメイカーなのかそれともその模倣犯あるいは共犯なのかという捜査が2本建てで進行していきます。 法廷の描写では、『人権派』弁護士のやり口や、夫はドールメイカーではないと主張する遺族の金目当ての態度にカチンと来ますし、他方の12番目の被害者の捜査では徐々に雲行きが怪しくなり、やはりハリーの誤認だったのか?という疑いが高まっていくのですね。 この2本建てのプロットにしたところはなかなか巧いと思います。 上巻は、この様な展開の末、ハリーが一つの光明を見出すところまでが描かれます。 手慣れた面白さで、すらすら読み進められるいつも通りの手堅い作品になっていますよ。 >> 続きを読む
2019/12/25 by ef177
泉千穂子 , Grejniec, Michael
今日から夜の方が昼間よりも長くなっていきます。9月は名月を観賞するのに最適な月のはずなのに、お天気が悪い日が続いていますね。月をテーマの絵本をもう一冊ご紹介しましょう。名作中の名作。私の大好きな絵本です。お月さまを見て食べ物を連想する子どもは結構多いようです。この絵本ではお月さまそのものに味があると考えましたなんとかしてお月さまをかじってみようそしてゾウやキリンやいろいろな動物たちが協力します。おおきなかぶや、ブレーメンの音楽家状態になります(笑)絵もお話しもマイケル・グレイニエツ氏の手による作品お月さまのでこぼこな紙の風合いがなんともいえない味をだしていますね。食べたらさぞ神秘的な味がしそうです。子どもに読み聞かせるなら「どんな味がすると思う?」と想像させて会話しながらお話しを読み進めるといいでしょう。さて、お月さまに手は届くのでしょうか?味はいったいどんな味がするのでしょうか?物語の結末も、おまけでつぶやくサカナの一言までとっても気が利いていて、楽しくてかわいい絵本です。ストーリーはわかりやすく、しかし絵のクオリティが高いので、小さなお子さんから大人にもお勧めできます。≪作者紹介≫ポーランド出身の絵本作家マイケル・グレイニエツさんは、ヨーロッパとアメリカで活躍した後、2001年からは活動の場を日本に移して絵本をつくり続けているのだそうです!お月さまってどんなあじなんだろう。あまいのかな。しょっぱいのかな。ほんのひとくち、たべてみたいね。どうぶつたちは、よる、お月さまをみながら、いつもそうおもっていました。でも、どんなにくびや手や足をのばしても、お月さまにはとどきません。ある日、ちいさなカメが決心しました。いちばんたかいあの山にのぼって、お月さまをかじってみよう。 >> 続きを読む
2016/09/23 by 月うさぎ
川端 善明
再読。『宇治拾遺物語』も『今昔物語集』とともに気に入っている説話集なので、読みやすく現代語訳されたものはありがたい。本書は、1995年に「遠いむかしのふしぎな話」シリーズとして企画出版された四冊のうちのひとつ。47篇がおさめられているので、説話文学の面白さをたっぷり味わうことができた。『今昔物語集』と重なる話も少なからずあるのだが、同じ話を何度読んでも飽きることはない。ただ、あまりに面白おかしさを狙ったような文章表現がときどき見られるのが、少し残念だった。児童書だからこそ、文章の品格を大切にしてほしかったなと思う。あとがきに二つの説話集の違いが解説されていて、なるほどと思った。我々は『宇治拾遺物語』も『今昔物語集』ももっていることが幸運なのだという言葉には共感できる。さらに『御伽草子』まであるのだから、物語好きにはたまらない。 >> 続きを読む
2017/11/08 by Kira
鈴木 紀夫
第一部(1969.3.17~1972.12.13)はユーラシア大陸を横断する文字通りの大放浪でこちらは約150ページ、第二部(1972.12.13~1974.3.12)の小野田少尉を捜索するフィリピン・ルバング島への旅が約100ページ。サブタイトルにあるように小野田少尉発見が本書の目玉ではあるのですが、内訳としては第一部の大放浪のパートのほうが大きくなっています。旅行記をインテリ系と勢いに任せたものに分類すると本書は明らかに後者にあたり、文体も若者が書き飛ばした日記に近いものがあります。道中も行き当たりばったりのドタバタギャグ的なノリで、少尉発見も若者の勢いで成し遂げてしまった感があります。かしこまった紀行文よりイキのよい海外体験記をお好みの方にぴったりです。 >> 続きを読む
2020/07/22 by ikawaArise
高橋克彦
1巻は登場人物とかを把握するのにいっぱいいっぱいだったけど、2巻になって、俄然おもしろくなってきました。陸奥守(朝廷)と奥六郡(地方豪族)の対立による、騙し合い、誤魔化し合い、知略謀略駆け引き…からの戦。楽しい~♪とは言え、武士の体面とかいう、下手すると自己満足としか思われないくだらない上層部のプライドのせいで、こじつけと策略で大義を掲げられて戦争に駆り出される下っ端にしてみれば、いい迷惑。これからどうなっていくのか、楽しみだー。 >> 続きを読む
2014/04/10 by koh
大江健三郎
Une existence tranquille
2015/05/09 by leaf
藤原伊織
フジワライオリは天才。ギャンブラー&酒飲みもいいし。早世が悔やまれてならん。たぶん5、6作しか残していないのでは。テロリストのパラソル。タイトルも含めて、最高傑作だと思います。中学生のころに青春の門読んで以来くらいですね。これほど心を揺さぶられた本は。 >> 続きを読む
2015/02/23 by masa1011
KleePaul , 谷川俊太郎
一度見たら忘れられないクレーの絵。そして、素晴らしい谷川俊太郎さんの詩。まさにコラボレーション。双方が相まっての世界がある。 >> 続きを読む
2018/02/12 by けんとまん
広淵 升彦
スヌーピーは子供から大人まで、幅広い年齢層に向いた漫画だが、数年後数年後でスパンをあけてから読み直すとまた全然違う味わいがしてくる。 子供の頃くすりと笑えたシーンも、いつしか笑えなくなって涙が出てきたり、絵が面白く楽しんでた1コマも、今はじっくり見入って考え込んでしまう。 深みがあるってこういうことなのかもしれない。 『ピーナッツ』は、まだまだ研究すべきことが多い。 >> 続きを読む
2021/06/19 by Moffy
天野秀二
ここに、ユニークな本があります。「図説 世界のくだもの366日事典」(新宿高野社長室長・天野秀二:講談社α文庫)。この本では世界の様々な果物を毎日1ページに1個取り上げていますが、取り上げられる果物たちを植物の科によって数えてみると、バラ科の果物が最多の83種、ミカン科が62種と、この二つが突出しています。続いてブドウ科の20種、ウリ科の18種、カキノキ科が14種、フトモモ科が9種と続きます。これら挙げられている果物の総数を計算すると312種となり、表題の366日と異なりますが、この差はたまに取り上げられている果物のフォークロアのようなものを考え合わせると妥当かな、と思います。(差は54日です) 驚くことに、毒草の多いキョウチクトウ科の果物もあり、また果物の「魔王」・ドリアンは酒と食べ合わせると死ぬこともあるとされている点が面白いです。また、ナス科の植物のなかにも、果物扱いされる種類のものがあるのだとか。タデ科の果物「シーグレープ」の場合、見かけも味も本物のブドウ(グレープ)と見分けが付かないとか。 さて、先に挙げた掲載数ランキングの一位「バラ科」の場合、属する果物が圧倒的に多いですね。リンゴ、サクランボ、イチゴ、ビワ、桃、スモモ、ネクタリン、梅、アンズ、プルーン、ナシなど。これだけ有名な果物を含んでいれば、ダントツの一位になるのも解る気がします。二位の「ミカン科」の場合、見た目に似た外見なのに、風味が均一ではないので、人気があるような気がします。 特に、ミカンの「基本」・温州みかんについては、日本人にもっとも馴染んだミカンであると考えられます。wikipedia から引用しますと、・・・・・・・・・・日本の代表的な果物で、バナナのように、素手で容易に果皮をむいて食べることができるため、冬になれば炬燵の上にミカンという光景が一般家庭に多く見られる。「冬ミカン」または単に「ミカン」と言う場合も、普通はウンシュウミカンを指す。甘い柑橘ということから漢字では「蜜柑」と表記される。古くは「みっかん」と読まれたが、最初の音節が短くなった。「ウンシュウ」は、柑橘の名産地であった中国浙江省の温州のことであるが、イメージから名産地にあやかって付けられたもので関係はないとされる。欧米では「Satsuma」「Mikan」などの名称が一般的である。 タンジェリン(Tangerine )・マンダリンオレンジ(Mandarin orange) (学名は共にCitrus reticulata)と近縁であり、そこから派生した栽培種である。(中略)中国の温州にちなんでウンシュウミカンと命名されたが、温州原産ではなく日本の鹿児島県(不知火海沿岸)原産と推定される。農学博士の田中長三郎は文献調査および現地調査から鹿児島県長島(現鹿児島県出水郡長島町)がウンシュウミカンの原生地との説を唱えた。鹿児島県長島は小ミカンが伝来した八代にも近く、戦国期以前は八代と同じく肥後国であったこと、1936年に当地で推定樹齢300年の古木(太平洋戦争中に枯死)が発見されたことから、この説で疑いないとされるようになった。発見された木は接ぎ木されており、最初の原木は400 - 500年前に発生したと推察される。中国から伝わった柑橘の中から突然変異して生まれたとされ、親は明らかではないが、近年のゲノム解析の結果クネンボと構造が似ているとの研究がある。(中略)柑橘の原種は3000万年前のインド東北部のアッサム地方近辺を発祥とし、様々な種に分化しながらミャンマー、タイ、中国等へ広まったとされる。中国においては古くから栽培が行われており、戦国時代に完成したとされる文献『晏子春秋』には「橘化為枳」(橘、化して枳と為る。境遇によって元の性質が変化するという意)との故事が記されている。・・・・・・・・・・まあ、とにかく、日本人の味覚にもっとも適合したミカンであると思います。最初の産地の名称から、英語では「SATSUMA」と呼ばれるのですね。あるいは単に「MIKAN」とも。また、温州みかんは、自己不稔性という特長がありますが、異種のミカン類、たとえばオレンジと配合すると、タンゴールという品種になります。この柑橘類は温州みかんのように皮を剥きやすく、オレンジのように多汁、甘み、芳香があります。「清見オレンジ」というのもこの仲間です。また、愛媛県の柑橘類を代表する「伊予柑:いよかん」も、タンゴールの一種であるそうです。最後に:私は幼少期、愛媛県にいたので、ミカン類をリンゴ類より愛します。幼児の頃からの刷り込みであるかも知れませんね。 >> 続きを読む
2013/01/17 by iirei
ロイス・ローリー
画一化された世界。長老会によって「配偶者組み合わせ」や初年児の「名前」「家族ユニット」「職業」などが決められている管理社会。12歳の儀式で仕事を決められるが主人公のジョーナスは「記憶を受けつぐ者」に任命される。「記憶を伝える者」から指導を受けるジョーナスはこの世に色というものがあるのを知る・・・この小説は「バーナード嬢曰く。」2巻で神林さんが「カッシアの物語」のことをメールしているときに出てきて知りました。これまたカッシア同様ディストピア物です。これを読んでいると何も知らずに暮らしていくだけならこういう管理社会もありじゃないかなと。。。楽でしょ〜wまぁ色々知ってしまっている現在の僕はゴメンですが。選ばれて感情や色などを知ってしまったジョーナス…たまらないでしょう。こういうディストピア物って家に食事を届けるっていうの多くない?wこの「ザ・ギバー 記憶を伝える者」は今、新訳ででていて続きもでています。四部作みたいですね。で、映画にもなってるんですね!借りてこようっと。 >> 続きを読む
2016/11/17 by 降りる人
海音寺 潮五郎
歴史小説まだ沖縄が琉球だった時代中国と日本の板挟みになりもがきながらも自分の信じる正義のために主人公たちは薩摩と友好関係を結び琉球の存続に奔走する。序盤から中盤までの改革のために策を巡らしどんどん突き進んでいくシーンは胸が躍った。しかしラストは歴史の教科書に載っているとおり。主人公たちの夢もはかなく散ってしまう。一見難しそうだがキャラクターが個性的でそのまま漫画にもできそうな感じだった。 >> 続きを読む
2015/07/20 by くじら
北原亜以子
時代小説短編集の一編。哀しい過去を背負う芹沢の愛人「お梅」と土方歳三との儚く散った一瞬の恋。土方さんに惚れられてるのに、気付かなかったお梅さんも鈍いのか?(笑) >> 続きを読む
2013/04/04 by ran
島田荘司
成長とともに記された子供の奇妙な手記から、過去の凄惨な事件を暴く。冒険的な挑戦で有ったことは認めるが、本作品のスタイルは受け入れられない。導入部と最後の部分との関係で、リスクの高い挑戦を行っている。受け入れられる方には、島田氏らしい新しい趣向を歓迎出来るかもしれないが、707ページの大著で有るからこそ、無駄に紙面を費やすようなスタイルは自粛していただきたかったし、安易に受け入れたくないと思う。著者の代表作品のひとつで有る「占星術殺人事件」から幾つもの設定を引き継いでいるため、事前に読んでおいた方が楽しめるかもしれない。トリックの方も、相変わらず奇抜なものが示されているが、こちらも、今回はさすがに飛躍しすぎており現実感は全く無かった。秀作を連発する島田氏だが、本作品は勇み足を感じてしまった。 >> 続きを読む
2011/04/11 by ice
ChapmanSally , 吉沢康子
機密プロジェクトを襲う産業スパイ達。原作の面白さに加え、優れた翻訳により、品質の高さを感じさせる仕上がりになっている。IT業界で身を置く立場としては感情移入しやすく、大いに楽しむことが出来た。「すべてがFになる」で感じた時のような、プログラマにフォーカスした謎も心地良かった。意外だったのは、当時も今も開発の現場を取り巻く雰囲気や方法論などがあまり変わっていないこと。日本語版として世に出たのが1995年。少なくとも原作は、その何年か前に出ているはず。革新のスピードが速くドッグイヤーなどと言われている業界のはずなのに、結局、人間の情緒がモロに出る現場は、そう簡単には変われないということなのかもしれない。海外作品つまり翻訳物については基本的に多くを期待しないことにしている。まず翻訳時に発生するで有ろう微妙なニュアンスの問題。それ以前に、日本語としても洗練されていない状態で世に出る翻訳物は意外に多い。他にも、馴染みの無い名前だと登場人物名が覚えられない問題。更に文化の違いにより受け入れない概念が有ったりする問題。などが存在し、これらをキレイに乗り越えて、やっと面白い作品として受け入れられるのだから、翻訳物の中で面白い作品に巡り合える確立は、必然的に低いと言わざるを得ない。そんな中で、これだけ違和感無く読ませてくれる作品は希少。難点はタイトル。美人プロジェクトマネージャの事件簿とかの方が受けた気がする。 >> 続きを読む
2012/04/24 by ice
出版年月 - 1995年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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