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1995年11月発行の書籍

人気の作品

      ドグラ・マグラ

      夢野 久作

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 私は夢遊病を経験したことはないが
        読んでいる間はうなされ、頭の中ではどこか
        ふわふわと歩いているような感覚がした。
        絡まった紐をほどくようで
        むちゃに引っ張り硬く硬く結び目が締まった
        果たして自分はカラクリを上手く飲み込めたのかさだかではない
        ただ事実なのは呉一郎とモヨ子、若林先生が遺されたということだ

        ここで、最後一郎が父母を求め、子供のように鳴いている
        赤子のように
        赤子は夢を見て生まれようとしている

        今世紀の大実験が生まれようとするしているのかもしれない
        絡まりほどこうとして硬く硬くなった結び目が再び絡まり始めるようだ
        >> 続きを読む

        2018/08/22 by kotori

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      孔子

      井上靖

      新潮社
      4.0
      いいね!
      • 三度目の挑戦で読みおわった。生涯を捧げてしまうほど尊敬し愛する孔子との出逢い方が面白かった。孔子の魅力が主人公を通して、興味深く描かれている。孔子が大切にしてきたことを庶民にも分かるように語ってくれる。コトバを大切に各自が誠実に生きる姿が描かれていて良かった。 >> 続きを読む

        2016/03/29 by つよぽよ

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      沈黙の王

      宮城谷昌光

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 短編だったので読み終わるまでほぼ一瞬。宮城谷さんにハマりそうだ、面白い。寝るのがどんどん遅くなって昼間エラい眠い。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      いとし子よ

      永井隆

      サンパウロ(聖パウロ修道会)
      5.0
      いいね!
      • とても素晴らしい本だった。
        多くの方に読んで欲しい。
        読み継がれて欲しい。

        長崎で被爆した永井隆博士が、我が子に向けて切々とつづった、
        深い愛と貴重な人生のメッセージ。

        「わが子よ、言葉を知っているということと、
        その言葉の命ずるとおり行なうということとは、
        大きな違いがあるのである。
        何千年来、何千億とも数知れぬ人々がこの言葉を知っていた。
        しかし、この言葉のとおり行った人は、
        おそらく指折り数えるほどしかなかったのではあるまいか?」

        「なんじの近き者を己の如く愛すべし」
        >> 続きを読む

        2015/08/17 by atsushi

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      日本霊異記 遠いむかしのふしぎな話

      水上勉

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 1995年刊。
        奈良薬師寺の僧が平安時代のはじめに書いた仏教説話集を、作家の水上氏がわかりやすく書き直したもの。庶民の暮らしから生まれた不思議な話は説教に使われたそうで、どくろが出てきたり、動物への生まれ変わりや地獄を見てきた話などが繰り返される。

        似たような話が続くので、途中で退屈を覚えた。すると、仏法布教を目的とした説教が退屈なのは今に始まったことではないとあとがきにあり、なるほどと腑に落ちた。この水上氏のあとがきが、本書で一番面白かった。司修氏の幻想的な挿絵には、見ていて不思議な気持ちになる楽しさがあった。

        >> 続きを読む

        2017/10/28 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      新編美の法門 (岩波文庫)

      柳 宗悦水尾 比呂志

      2.0
      いいね!
      •  民芸品は美術品ではないという批判に対する反論、そして西洋美術を礼賛する世の中に対する批判を仏教的、東洋的な視点で行っている。民芸品の多くは知識や技巧が無い者が作っているが、それらが芸術品として受入れられていることを引き合いにして知識、技巧を重んじる風潮も批判している。そして美醜は好みの問題でしかなく、美醜の区別を超越したところに芸術というものがある、といった主張を仏教の視点で繰り返し述べている。しかしながら著者は芸術家による芸術作品、西洋美術を良いものであると認めていないだけでなく、それらを好む人々を言外に貶めてすらいる。すなわち自身が好みの問題、区別の超越ができていないことを棚上げしてしまっている。各論においては納得できるものもあるが、著者自身の態度がそうであるため批判のための批判という印象を拭うことができない。かなり良いことも言っているのだが、そのあたりが非常に惜しい。 >> 続きを読む

        2017/10/29 by 夏白狐舞

    • 1人が本棚登録しています
      インターネット

      村井純

      岩波書店
      カテゴリー:通信工学、電気通信
      3.0
      いいね!
      • 今更だけど。この十数年で自分が日常的に使うようになってることが、凄い事なんだと実感させられる一番の理由。そして毎日使ってるのにまだまだ知らない事ばかり。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      クリスマス・ボックス

      笹野洋子 , Evans, Richard Paul

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      •  「天使がくれた時計」「最後の手紙」と続く、3部作の1作目です。
        アマゾンのレビューとかでは評価が高かったのですが、
        自分はピンときませんでした。
        2~3を続けて読めば印象が変わるらしいので、
        続編を読みたいと思います。

         文章はやわらかく、やさしさを感じさせます。
        ストーリーも家族愛、親子愛をベースにしたものなのですが、
        本作のみでは あまり響いてきませんでした。

         とりあえず現状★2個です。
        続編を読んで考えが変わったら更新したいと思います。
        (2008.11.10)
        >> 続きを読む

        2015/02/01 by kengo

    • 1人が本棚登録しています
      天空の蜂

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 【「爆発物を積載した超大型ヘリを高速増殖炉に墜落させる。それを防ぎたければ日本中の原発を即刻使用不能にせよ」──。「天空の蜂」と名乗る犯人が仕組んだ恐るべき犯行。超大型ヘリはすでに原子炉上空千数百メートルでホバリングを始めていた。だが犯人にも誤算があった。コンピュータによって遠隔操作されるヘリ内部には、子供が閉じこめられていたのだ。原発が、子供が、日本が危ない!!】

        1995年に書かれた作品。16年後、恐れていたことが現実に・・・

        福島原発事故以来、テレビでも原発のしくみなどを繰り返し解説しているので、ある程度は、何となくは分かるような分からないような。前半で詳しく述べているのは、読者に原発についてもっと知ってほしいという作者の意図があるのだろうな。(文系には難しい・・・)
        多分多くの人がそうだったと思うが、若い頃は毎日の仕事の忙しさで頭がいっぱいで、原発の問題など本気で考えられなかった。(ーー国が安くて安全だと言うから・・、電気は必要だし・・生活のためには必要なんだろう、きっと大丈夫なんだろう・・・。自分が考えてもしょうがない。それより、目の前のこの山のような仕事をどうこなすか?時間もない!)

        自分なりに一生懸命に生きてきた。
        その結果がフクシマだったのか・・・ それとも、これはどうしようもない運命なのか・・・
        いや、運命とはちがうような気がする  でも、自分の力ではどうしようもないのでは・・・
        いやいや・・・  あきらめたら終わりだ   今からなら、なんとかできるのでは・・・ 
        自分にできることは?

        いろいろ考えさせられる。

        原発推進派、反原発派、それぞれに主張はあって当然。
        問題は、何にも考えないで自分の都合ばかり、文句ばかり言っている人たち。
        「ないと困るが、まともに目にするのは嫌だ」と、見て見ぬふりをする人たち。

        「飛行機は、乗りたくなければ乗らないで済む。・・・原発が事故を起こしたら、関係のない人間も被害に遭う。いってみれば国全体が、原発という飛行機に乗っているようなものだ。搭乗券を買った覚えなんか、誰もないのにさ。だけどじつは、この飛行機を飛ばさないことだって不可能じゃないんだ。その意思さえあればな。」

        「乗る以上は覚悟を決めてもらいたい。もちろん事故防止のため、我々はできるかぎりのことをする。だけどそれは絶対じゃない。予期しないことが起きるのは、今度の事件が最後とは限らないんだ」

        「彼等(原子炉)は様々な顔を持っている。人類に対して、微笑むこともあれば、牙を剥くこともある。微笑みだけを求めるのは、傲慢である。・・・沈黙する群衆に、原子炉のことを忘れさせてはならない。常に意識させ、そして自らの道を選択させるのだ。子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。・・・」

        原発政策が数多くの作業員の人たちの犠牲の下で成り立っていることを、私たちは忘れてはいけない。
        そして、原発を使用し続けるというなら、絶対安全というものはないのだということを分かった上で、覚悟して使わなければいけない。命がけで。
        原発が存在する限り、私たちは本気で考え続けなければいけないのだと思う。

        (個人的には、命をかけてまで原発をつかう必要はないと思っている・・ 少々不便でも平気。命の方が大事。“君子危うきに近寄らず”)

        前半、文系頭にはちょっと難しい所があったけど、その後はドキドキハラハラ、子供はどうやって助けるのか、助かるのか、原子炉はどうなる?政府の対応は?・・・と、一気でした。
        >> 続きを読む

        2013/09/25 by バカボン

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    • 4人が本棚登録しています
      ハートカクテル

      ワタセセイゾウ

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • わたせせいぞう氏独特の美しい絵が当時は大流行。久々に本棚から出て来たのを機会に読み返してみた。必要最低限のセリフだけで読者の想像に任せる作風が懐かしかった。 >> 続きを読む

        2012/01/09 by yutaka

    • 1人が本棚登録しています
      空手道ビジネスマンクラス練馬支部

      夢枕獏

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 3回目の読了
        ヤクザに絡まれ土下座させられたサラリーマンが一念発起して空手道場に通い詰め、強くなりたいという想いで空手にのめり込む内に、新たな友情や人生観を手に入れ、自分を取り戻していく男の物語です。
        何回読んでも血が沸る名著です。題名のダサさに騙されてはいけません。
        男ならだれでも分かる強さへの渇望に胸が熱くなること必至です。
        >> 続きを読む

        2015/03/11 by ありんこ

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      ソウルマイハ-ト

      黒田福美

      講談社
      カテゴリー:アジア
      4.0
      いいね!
      • 女優である黒田福美氏の作品なのだが、著者が誰なのか知らない状態で購入した。

        著者の実行力には頭が下がる。なかなか損得勘定抜きにここまでは入れ込めない。

        15年くらい前の作品であるため、日韓の関係は現在と比較してかなりナーバスな状態。
        当然、韓流ブームははるか後にやって来るために情報量も圧倒的な少なかったはずである。

        ある韓国代表のバレーボール選手に憧れを抱いた著者が、一念発起して独学で韓国語を学ぶところから始まり、両国間に横たわる悲しい過去の爪跡を感じるとともに、個人間での暖かい交流を重ねていく様が描かれている。

        終始一貫して凄いと思ったのは、そのアプローチ方法。とにかく体当たりと言うか、行動力が半端では無い。
        そのために危険な目に遭ってしまったことも有るのだが、相手の懐に飛び込んでいく積極性が無ければ、外国人で有る韓国人と、ここまで深く交流することは出来なかったはずで有る。

        当時はテレビ界でも、朝鮮半島系の話題はタブーとされていた頃らしく、そんな状況下で本業に悪影響を及ぼしかねない韓国への傾倒はリスクを伴うものだったはず。
        それでも、日韓関係を少しでも近づけようと努力する姿勢には頭が下がる。

        韓国通と言えば、SMAPの草彅剛氏も浮かんでくるが、個人の力では成し得ないことが芸能人という公人の立場ではできるのだということを思い知らされる。

        著名人でボランティア活動などに参加される方も多いが、
        こうして自らが愛する国を紹介する活動も、とても意味が有ると感じた。

        好きなことには情熱を持って取り組める。情熱が有ればどこまでも高みに近づけることを改めて知った。
        >> 続きを読む

        2011/05/25 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      山猫の夏

      船戸与一

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • これは文句なしに面白かった。
        『猛き箱舟』のように、もたつくこともなく
        冒頭から最後までハイテンションで物語は
        進んでいきます。

        とにかく、山猫こと弓削一徳のキャラクターが
        良い。
        冷酷かと思いきや、時に情の厚さ、少年のような
        茶目っ気を見せる魅力的な漢です。

        いつか映像化して欲しい。
        >> 続きを読む

        2018/07/01 by UNI

    • 1人が本棚登録しています
      刺客列伝

      伴野朗

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 中国古典を舞台に散り際を飾った刺客達を描く短編7作。

        生命を狙われる大物側だけでなく、狙う側の様々な事情/心境が丁寧にフォローされている。

        これまで、刺客イコール暗殺者のイメージで捉えていたため、毒や吹き矢などを用いて闇から闇へ葬る技術に長けた人達と考えていた。

        しかし本作品で活躍する刺客達のほとんどが、自身の逃走のことなど全く考えず、ただ狙う相手の生命を奪うことのみに全神経を集中した結果、やり損じの少ない真っ向正面から立ち向かう手法を選択していることが印象的だった。

        本作品は殺す側の論理を深く掘り下げているため、他の刺客モノ作品とは一線を画している。
        時代背景は有りつつも、当時の男性達の腹の括り方には、もはや恐怖さえ覚える。

        どの話も短編とは思えないほど濃縮された臨場感を味わわせてくれる素晴らしい作品群で有る。
        >> 続きを読む

        2011/04/13 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      上海少年

      長野 まゆみ

      4.0
      いいね!
      •  第一次大戦直後の上海でしょうか。
         成り上がる者あり、闇に消える者あり。雑然とした上海の中で、戻ってこない兄を待ち続ける少年がいて。。。。

         どうして中国や台湾の屋台街っていうのは虚実入り混じる所なんでしょうねぇ。それが大陸たるゆえんなんでしょうか。
         一人定められた未来に憤る少女の悪意や、老獪な盲目の煙草売り、孤児となった少年との浅からぬ因縁を見て見ぬふりをしつつ苦々しく思う引き取り先の家族など、ざ・人間を味わう短編でした。

         他の作品も美しい言葉で丁寧に残酷な世界を綴ってもらってありがとうございます、と無理をしてでもそう、返したくなるものばかりです。
        >> 続きを読む

        2014/08/21 by B612

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      花より男子(だんご) (12) (マーガレットコミックス (2423))

      神尾 葉子

      3.0
      いいね!
      • 花より男子12巻。

        ティーンオブジャパンも終わり、道明寺にクリスマス一緒に過ごそうと誘われるつくし。

        道明寺がロマンチックにデートに誘ってくれているのに、真面目に取り合ってあげないつくしがイヤ。クリスマスも喧嘩で終わるけど、私はつくしが悪いと思うよ。ちょっと道明寺が可哀想。。。

        そんなF4の仲間たちとつくしはカナダへ!
        旅って何かありそうでワクワクするー。
        修学旅行とか懐かしくなる。
        >> 続きを読む

        2014/08/15 by sunflower

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      オークション・ハウス

      叶精作

      集英社
      3.0
      いいね!
      • オークション・ハウス 第14/全34巻

        両親の仇への復讐編閉幕。

        復讐を果たし、帰路につくリュウが胸の中で両親に完了報告をするシーンの表情に胸を打たれた。

        政略結婚かのような因縁で夫婦になったのだが、それも運命と妻を愛そうと連れだってインドへ潜入するリュウ。

        両親を殺害した犯人への復讐を胸にこれまでの人生全てを生きて来た彼だが、今回ついに最後のターゲットに迫る。

        しかし、インドに潜伏していると言う情報のみから、プロファイリングを駆使してズバリ、ターゲットを見つけるあたりに、リアリティを感じられないのが残念だ。

        もうプロファイリングの能力とか言う次元じゃなくて超能力の域に入っているし、そもそも、これだけの能力を持っているのなら、親の仇にたどり着くのに何十年もかからないと言うものだ。

        勢いで、リュウの無茶な行動を拾ってみよう...

        襲って来たコブラに腕と足を噛まれながら、鍛え上げた腕の筋力を生かし、素手で捕まえたコブラを引き千切る!

        ターザンでも無理じゃないのか...


        と冷める要素は有ったものの、開幕から続く復讐編の完結と言う大切な巻なので、気を取り直して。

        「終わったよ、父さン、母さン」
        復讐を終え、そう呟くリュウの表情は、明らかに少年時代に戻っていた。

        これを描き分けられるマンガ家は、そう多くは無いのではないかと思う。

        買い戻したオークションハウス、オリバー社の再建を心から愛した最初の妻の墓前で誓うリュウ。

        復讐を終えた彼が、初めて活躍する舞台は上海になりそうだ。
        >> 続きを読む

        2013/11/23 by ice

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      文章読本

      丸谷才一

      中央公論新社
      カテゴリー:文章、文体、作文
      4.3
      いいね! Tukiwami
      • 濃密な文章論だった。精神面から技術面まで微に入り細にわたり記されているが、結局は第二章の「名文を読め」に尽きる。たくさんの言葉やレトリックを知っているだけでは良い文章を書くことはできない。

        古今東西の名文を読み、その息遣いを感じること。文章の型を学び自分のものにすること。これは名文家であれば誰しも通る道なのだろう。多読家が名文家とは限らないが、名文家は必ず多読家であるはずだ。

        本書の中に引用されている文章は読んだことのないものばかりだった。谷崎潤一郎、佐藤春夫、折口信夫、石川淳、その他いろいろ。今年も大いに読まなければ。
        >> 続きを読む

        2015/02/01 by seimiya

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    • 4人が本棚登録しています
      影の兄弟〈上〉 (Hayakawa Novels)

      マイケル バー=ゾウハー

      4.0
      いいね!
      • 「パンドラ抹殺文書」「エニグマ奇襲指令」と、常に私を魅了してやまない作家マイケル・バー=ゾウハーの「影の兄弟」上下巻を、今回読了しました。

        幼い時に生き別れになった兄弟が、米ソの情報部に属して骨肉の闘いを繰り広げます。この作品は、作者がスパイ小説作家としての総決算を込めた、重厚な力作だと思う。

        物語は、スターリン時代の末期に始まります。ヤダヤ人粛清の犠牲にされて、両親を失った幼児が二人。

        アレクサンドルとジミトリー、母親はユダヤ人の詩人だが、父親はそれぞれ違う。長男の父は詩人、次男の父はKGBの将校だった。しかし、その親たちが死に、幼児の一人はアメリカに脱出し、もう一人は孤児として育つ。

        長男はユダヤ系アメリカ人として伸び伸びと成長して、温厚な学者になる。次男は他人に隙を見せない冷酷な男として、天職のようにスパイの道を選ぶ。冷戦時代の申し子のような彼らは、宿命的な対決に突き進み、ともにソ連邦の崩壊に立ち会うことになるのだった------。

        話は年代記ふうに悠々と重々しいペースで展開していく。彼ら兄弟の生は、一つの時代に捧げられるが、その終焉にあたって、全てが徒労だったようにも意識される。

        これは二十年来に渡って"冷戦スパイ小説"を書き続けてきたマイケル・バー=ゾウハーの感慨でもあるのだろう。とにかく、この作品は、そんなことを考えながら、ゆっくりと、そして、じっくりと味わうべき作品なのです。

        ようやく中盤を過ぎて、二人は運命の出会いに導かれる。そして、同じ女を愛し、奪い合って、消えない憎悪の絆に繋がれることになるのです。

        少々、紋切り型にすぎる設定だと思えないこともないが、由来、互いを破壊させることだけが二人の唯一の行動の根拠となっていく。

        そして、影が寄り添うように、互いの存在なしには、生きられないような兄弟なのだ。こうした双子のような兄弟の生きた歴史の過程を描くことが、作者の大望であったのかも知れません。その志は、やはり素晴らしいと思う。

        ともに大物スパイとなった二人が、ソ連の崩壊を目の当たりにして、どういう運命に次にさらされたか。これは我々読者への問いかけとしても、ある種の共鳴を呼び起こすだろうと思う。
        >> 続きを読む

        2017/09/15 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      昨日

      堀茂樹 , アゴタ・クリストフ

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • どう表現すればいいのか・・・贅肉を削ぎ落とした文章、そして、予想しない展開。
        行間が深すぎて、ついていけなくなりそうなところも多い。
        この著者の本は何冊か読んだが、この独特の世界は、なんとも痛いと思うことがある。
        祖国とは何か、母語とは何か、拠り所となるものは???
        >> 続きを読む

        2014/08/16 by けんとまん

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています

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