こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


1996年2月発行の書籍

人気の作品

      ぼくは勉強ができない

      山田詠美

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! karamomo
      • 【総括】
        筆者のあとがきがこの物語の全てを語っていると思います。

        あとがき(抜粋)
        「主人公は高校生だが、私はこの本を大人の方に読んでいただきたいと思う。私は同時代性という言葉を信じていないからだ。時代の真っただ中にいるものにその時代を読み取ることは難しい。叙情は常に遅れてきた客観視の中に存在するし、自分の内なる倫理は過去の積み木の隙間に潜むものではないだろうか。」

        本当にそうだと思います。高校生や学生に対し、「こんなに自由に勉強できる時間はないんだ、部活でも勉強でも思い切りやりなさい!」と言われても当の本人たちは何も感じないでしょう。大人になった人だけが過去にさかのぼって客観的にその時代を読み取ることができるからこのように言うのです。
        この作品は作者のこのような鋭い洞察と人並外れた感性・表現力が存分に出ていて、本当に素晴らしいと思います。私は、これを小説ではなく人生の教科書のように読みました。
        人生のいろんな場面で読み返してみれば、その時々の自分の状況・環境に合わせた叙情が生まれるのではないでしょうか。
        是非読んでみてください。
        (短編集のタイトルとそのフラグ回収具合は鳥肌ものです!)

        【心に残った一節】
        1.
        「いいじゃない体を誇れるって。素晴らしいことよ。体がなきゃ、頭だってなくなっちゃうのよ。頭だけで、人が存在することなんてあり得ないのよ。体を自慢できるあんたはあらゆる可能性を頭のうちに秘めてるの。」
        →母が主人公に行った言葉。

        2.
        あのドアの音、すごくうるさかったのだろう。きっと彼女にとっては、一番の雑音だったのではないだろうか。ぼくの嫉妬の音。僕の心も響いた。うるさかった。
        →短編タイトル「雑音の順位」より

        3.
        「あんまり健やかなのってさ。体が健全なのは基本なのよね。健康な肉体って素敵だと思う。特別な好みを持つ人もいるけれど、たいていの人は、健康な肉体に性的なアピールを感じるわ。肉体って即物的なんだもん。恋愛においてはね。わかりやすいっての?でも精神状態も健全ってのは困るのよ。もっと不純じゃなきゃ。いやらしくないのってつまんないの。」
        →高校の女子の言葉

        4.
        「私が嫌いなのさ、ほら、クラスの女の子とかがさ、上級生とかにあこがれて。きゃあきゃあはしゃいだり、片思いや両想いだって、純愛ごっこをすることなんだよ。男と女が惹かれ合うのって、動物の雌と雄が求めあうのとそんあに変わりないと思うんだよね。片思いで恋焦がれるのは結構だけど、そこには必ずセックスに訴える部分が多いと思うわけ。」
        →高校の女子の言葉

        5.
        「心身ともに健康なのはもちろん良いことだが、無駄がなさ過ぎて退屈なんだといいたいんだろう。世の中には生活するためだけになら、必要ないものがたくさんあるだろう。いわゆる芸術なんかもその一つだな。むだなことだよ。でもその無駄がなかったらどれほどつまらないことだろう。そしてね、その無駄はなんと不健全な精神から生まれることが多いのである。」
        →高校担任の言葉

        6.
        ぼくは、ぼくなりの価値判断の基準を作ってかなくてはならない。忙しいのだ。なんといってもその基準に世間一般の定義を持ち込むようなちゃちなことを僕は決してしたくないのだから。僕は自分の子心にこういう。すべてに〇をつけよ。そこから始まるのだ。そこからやがて生まれてくるたくさんの×をぼくはゆっくり選び取っていくのだ。
        >> 続きを読む

        2019/02/04 by べるさん

    • 他8人がレビュー登録、 48人が本棚登録しています
      シ-ラという子 虐待されたある少女の物語

      入江真佐子 , HaydenTorey L

      早川書房
      4.7
      いいね!
      • 【私を見捨てないで! しぇきにんがあるんだよ!】
         子供に火をつけてしまった6才の女の子……というところから物語は始まります。
         主人公はシーラという6才の女の子。
         アル中の父親と季節労働者のキャンプで生活しています。
         ある日、近所に住む子供を連れ出し、火をつけてしまうという事件を犯し、警察に捕まります。

         彼女は精神病院に収容されることになるのですが、どこの施設も満杯。
         それで、作者のトリイ・ヘイデン(ノン・フィクションだそうです。作者は教育心理学者で特殊学級を受け持っていました。)のクラスに取りあえず入れられることになりました。

         シーラはとても不潔で反抗的で、そして何かにとてもおびえているようでした。
         作者はシーラに色々なことを教えようとしますが、どんなテキストを用意しても破って捨ててしまうような子供でした。
         シーラの……おそらく恐怖が、他の子供達にも伝染して、教室はパニックになったりもします。
         でも、作者はシーラの心の中にある、とても素晴らしい知性のきらめきに気付きます。

         さあ、そこからが忍耐です。
         作者は本当に根気強くシーラと接していきます。
         シーラも、自分のことを愛してくれる人がいるということに気付いて、徐々に心を開いていきます。
         シーラは児童虐待の被害者だったんです。
         満足な教育を受けられなかったばかりではなく、すさんだ家庭で、ひどい仕打ちを物心ついたころからずっと受け続けていた子供でした。

         作者がシーラに「星の王子様」を読んであげるところが印象的でした。
         …… 王子がキツネに「友達になって」って言います。
         でも、キツネは「「君に飼い慣らされているわけじゃないから、友達にはなれないよ」って答えます。

         キツネ:「人間っていうものは、この大切なことを忘れているんだよ。だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなきゃいけないんだよ。バラの花との約束をね…」

         このお話を聞いていたシーラが言います。
         「あたしもトリイを少しは飼い慣らした。そう? トリイはわたしを飼い慣らし、あたしもトリイを飼い慣らした。だから、あたしもトリイにシェキニン(言葉がまだ十分ではなく「責任」と言えません)がある。 そう?」
         「飼い慣らした責任」です……

         その後、シーラはどんどん素敵な女の子に成長していきます。
         シーラが成長するということは、周りの人達も成長するということです。
         作者も父親も、シーラと共にいた人達は、みんな成長していきました。
         父親も、ちょっとだけお酒を控えて、安っぽいながらもちゃんとしたスーツを着てシーラに会いにいったりもします。
         このまま、シーラはきっと素敵な女の子になっていけそうって思っていたのに……

         あぁ、でも、人間って奴は……
         叔父が幼いシーラを強姦してしまいます。
         ひどく傷つき、また元に戻ろうとしてしまうシーラ……
         何故こんなにひどい目に遭わなければいけないの?
         ひどすぎます。

         その後、作者が転任するエピソードがあります。
         シーラは、私を「飼い慣らした責任がある」と言って、作者を非難します。
         そう、愛情に飢えているのですよね。

         ご紹介はここまで。
         これも、読みながら何度も泣いてしまった作品でした。
         続編も出ています。
         興味をお持ちになったら、まず、この1冊から。
        >> 続きを読む

        2019/02/28 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      学校ともだち

      長野まゆみ

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      •  学級日記なんて、懐かしいモチーフだな、と読み始めた。
         
         日々のできごとが少年たち目線で描かれていて面白い。と、思っていたら、アレッ?この学校、ちょっとチガウぞ・・・?と小さな段差につまづくようなトリックに掛かってしまった。
        楽しんて、不思議。
        >> 続きを読む

        2014/07/12 by B612

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      夜の蝉

      北村薫

      東京創元社
      4.0
      いいね!
      • 「円紫師匠と私」シリーズの第二作目「夜の蝉」「、最初に読んだのが一作目の「空飛ぶ馬」
        二番目にに読んだのが三作目の「秋の花」、次に読んだのが五作目の「朝霧」、
        そして今回が二作目の「夜の蝉」、最後は既に手元にある四作目の「六の宮の姫君」、
        こんな飛び飛びの読み方する人も稀では・・・エヘン。

        でも、主人公の「私」が、学生だったり、社会人だったり、読んでいて違和感がないのは
        仲のいい存在の春桜亭円紫さんが、案内係のごとく常に傍にいてくれるからか・・・・。

        この「円紫師匠と私」シリーズの好きなところは、ミステリーと言われながら
        死んだり殺したりが無くて、日常のちょっとした不思議な出来事に疑問を持ちながら、
        師匠と一緒に謎解きにあたるところ・・・そこには伏線として落語の演目がでてくる。

        今回は「山崎屋」、「鰍沢」、「つるつる」ですが、でもすべて上方では馴染みの少ない
        江戸落語ばかりで、師匠の言葉で説明されるまでまったく検討もつかず、
        ちょいと遠い存在になった「夜の蝉」でおました。


        追伸、表紙の絵の主人公、結構好きなタイプでおます。
        >> 続きを読む

        2015/08/31 by ごまめ

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      生ける屍の死

      山口雅也

      東京創元社
      3.7
      いいね!

      • 山口雅也の「生ける屍の死」は、ページをめくると、いきなり死体が起き上がる。
        屍たちの甦る時代がやって来たのだ。

        巨大霊園が君臨するニューイングランドの田舎町トゥームズヴィルにも、こんな怪奇現象の波は及んでいた。

        葬儀社一族の末裔グリンは、ひょんなことから押し付けられたピンクの霊柩車を駆って、相棒のチェシャとともにトゥームズヴィルに里帰りするが、たちまち遺産をめぐる不穏な争いに巻き込まれる前に、自分が殺されてしまう。

        史上初のゾンビ探偵誕生なのだ。

        C級ホラー映画さながらの展開、凝りに凝った舞台装置やペダンティックな会話、「死」をめぐる引用の椀飯振る舞い。
        ためこんだパロディ精神を一気に爆発させたかのような、豪奢にして悪趣味、滑稽にして厳粛な世界が繰り広げられていく。

        それでいてこの小説は、まさにエラリー・クイーンばりの本格推理小説なんですね。
        奇抜な舞台装置を売り物にしておいて、そこそこの謎解きでお茶を濁すなどという、竜頭蛇尾のなりゆきを心配する必要はないと思う。

        なにせ正統的な謎解きのカタルシスにおいて、これを上回る作品はめったにないのだから。
        しかも、そこには著者が後にキッド・ピストルズ・シリーズなどで展開する、歪んだ世界ならではの異形の論理さえ添えられているのだ。

        こうして小説は、騒々しい死の舞踏と最も折り目正しい謎解き小説とを見事に融合させ、その果てに美しいエピローグへと流れ込んでいく。

        思えば、日本の推理小説で、これほど美しいラストシーンはめったにないだろう。

        >> 続きを読む

        2018/10/25 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      フォースター評論集

      Forster, Edward Morgan, 1879-1970 , 小野寺健

      岩波書店
      5.0
      いいね!
      •  『民主主義には二度万歳をしよう。一度目は、多様性を許すからであり、二度目は批判を許すからである。ただし、二度で十分。三度も喝采する必要はない。三度の喝采に値するのは「わが恋人、慕わしき共和国」だけである』(144ページ)
         民主主義をひたすら称える思想は多い。笑う思想も多い。疑うだけ疑って、仕方なく居直る思想も多い。しかし、ある程度認めて、あとはそっとして置く、このような思想は余り多くないのではないか。そう考えたが最後、E・M・フォースターの虜になっていた。
         わたしはその程度がひどく、例えば、頭のなかを整理するとき、E・M・フォースター座りで行う(もちろん、一人のときだよ)。まず、椅子に包まれるようにして座り、そのとき臀部が座の奥にあるか確認する、そして背中を背板にやや凭れさせ、窓の外遠くを眺めるような姿勢になれば完成だ。人には思索が捗る姿勢があるらしく、英国詩人ワーズワースは、部屋を真っ暗にして詩作に励んでいた。これをシェリーが耳にして、真似をしようと暗闇で羽ペンを走らせたのは有名な笑い話。
         もちろん、フォースターにも欠点はある、いや多いともいえる。フォースターは絶えず考える人である反面、その行動力は乏しく(旅行は好きだったが)、彼の思想から未来を切り開く突破口は期待できない。あくまでも相談相手止まり、アリストテレスやカントのような追いかけるべき背中を見せてはくれない。
         それでは、フォースターの思想は、時代遅れで役に立たないのであろうか。否、そうではないとわたしは信じたい。二、三年前、戦後最大の民間思想家である吉本隆明が亡くなったが、吉本の思想の基底には「個人」があった。「個人の生活は国家よりも大きい」「個人から世界を見るべきだ」 これは、つねに「個人」を第一としたフォースターの思想の系譜を引くものと考えて間違いない。ところで、このレヴュー、何回思想という言葉が出てくるのかしら、まあいいや。だから、こう賞賛しておく。
         E・M・フォースターには二度万歳しよう、と。
        >> 続きを読む

        2015/01/17 by 素頓狂

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      リンドバーグの世紀の犯罪

      グレゴリー アールグレンスティーブン モニアー

      5.0
      いいね!

      • リンドバーグと言えばアメリカ合衆国の生んだ国民的な英雄の一人だと思う。ビリー・ワイルダー監督の名作「翼よ! あれがパリの灯だ」でのジェームズ・スチュアートの印象が強く残っている。

        1927年5月、ニューヨークとパリ間の単独飛行の成功で、たちまち彼は世界的な名士となったのです。ニューヨークでの凱旋パレードには、空前の大群衆を集めたと言われています。彼は1929年に結婚し、1930年には長男チャールズが誕生した。そして、1931年には夫妻で日本を訪れています。

        だが、この幸福な若い夫婦を奈落の底に落とすような事件が起こったのは、その一年後のことだった------。

        1932年2月、ニュージャージー州ホープウェルの人里離れたリンドバーグ邸から、一歳半の息子チャールズが誘拐されたのです。二階の子供部屋に梯子をかけて窓から連れ出し、五万ドルを要求する脅迫状が部屋に残されていた。

        この有名人の息子の誘拐事件は、全米に報道された。その後、誘拐犯と称する連中と身代金のやり取り騒ぎなどがあったが、二か月半後にチャールズは、近郊で死体となって発見されたのだった。そして、二年後に犯人としてドイツ系移民の大工ハウプトマンが逮捕され、犯行を否定したが死刑に処せられたのだった。

        これが、歴史上有名なリンドバーグの息子の誘拐殺人事件であり、たいがいの犯罪実話集に掲載されているほどだ。

        だが、この犯人は実は無実で、冤罪ではなかったのかと以前から問題にされてきた経緯があるのです。この本では、それを一歩進めて、息子殺害の真犯人は、実は父親のリンドバーグではなかったのかという疑問を提示しているのです。

        この本はノンフィクションですが、最初にこの意外な犯人説を立て、数々の証拠を挙げて緻密に検証していくアプローチが実に素晴らしいのです。

        物的証拠はなく、あくまでも状況証拠なのですが、その推理の積み重ねには非常に説得力があるんですね。さながら、倒徐ミステリの傑作を読んでいるようなワクワク感があるんですね。

        リンドバーグという人は学校嫌いで、孤独癖が強く友人もいない、あくどい悪戯好きの変人だったと推論を進めていきます。そして、後にヒトラーを礼讃して、ルーズベルト大統領と対立し、アメリカ国民に嫌われるようになったという意外な事実も提示していくのです。

        この本では、このようにして、英雄に仕立てられた男の暗い裏面を暴露していくのです。

        果たして、彼が真犯人なのか、グレゴリー・アールグレンとスティーブン・モニアーという二人の著者の単なる推理なのか、リンドバーグは1974年に死去し、真相は永遠に闇の中なのだ。


        >> 続きを読む

        2018/02/06 by dreamer

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      秋山仁の数学渡世

      秋山仁

      朝日新聞出版
      4.0
      いいね!
      • 破天荒な数学者 秋山氏の教育論。

        勝ち組の意見をどこまで取り入れ、どこを聞き流すかを考えさせられる。

        テレビなどにも登場機会の多い数学者秋山氏のエッセイ。

        別段、教育論と銘打ったものでは無いのだが、数学と言うキーワードが有るせいか、全体を通じて教育に対してのコメントが多くなっている。

        想像した通りだが、主張の要旨は個性を伸ばす教育をしないと世界に通用する人材は育たないんだという点。

        概ね同意な上、大部分については強く支持するが、正直少し不安が残る。

        彼の場合、数学の道を究めた成功者で有るために、あんな格好でテレビに出ていても誰も文句を言わないし、どんな発言でも一定の説得力が有る。

        しかし、大部分の普通の子供達は、普通で有るが故に普通の人生を歩むので有る。
        協調を重んじた教育の重要性は高く、没個性と言われようと、結果的には横並び主義とならざるを得ない面は否定してはいけない気がする。

        寅さんフリークで有るという情報で、一気に親近感が沸いた。
        >> 続きを読む

        2012/08/04 by ice

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      絵本平家物語

      安野光雅

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 平家物語の絵本。
        とてもすばらしい一冊だった。

        平家物語のさまざまな場面が、とても美しい絵で綴られていて、あらためて想像力をかきたてられた。

        読んで、思ったのは、

        一般的には平家物語は無常を描いたものとされているけれども、そしてそれはそのとおりなのだけれど、

        その時々の人の生き様や姿は、裏切りや薄情さや、忠義や優しさは、誰かの記憶にとどめられる限り、永遠に残っていくのだろうなぁということだった。

        運命に押し流されながらも、精一杯必死で生きようとした人々のそれぞれの姿は、業として、ずっと残っていくのだろうと思った。

        そうであればこそ、運命や無常に押し流されながらも、美しく生きた人びとは、本当に心に残るし、残すべきだし、また自分もあやかるべきなのだと思う。

        多くの人にオススメしたい、良い一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/09/02 by atsushi

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      野茂英雄「大リーグ30試合」

      江夏 豊

      3.0
      いいね!
      • さすが江夏だけあって戦術論、技術論的解釈が面白かった
        野茂が懐かしい・・・

        2016/01/24 by kazenooto

    • 1人が本棚登録しています
      創竜伝

      田中芳樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 竜泉郷めざして中国に上陸した竜堂四兄弟だったが、兄弟の前には四人姉妹の手下たちが立ちはだかり――。

        伝奇もののシリーズ7冊目です。
        今回の舞台は中国です。

        とうとうあの小早川奈津子が登場します。
        初登場は赤ん坊を蛇に食べさせようとしていたり明らかに悪役なのに、甲冑着込んだあたりから方向性を間違ったというか……道化と化してます(笑)

        竜種の血をひく竜堂四兄弟だけが神話の生物に転じることができるわけではないってことが明らかになりますが、牛種の血をひくランバートの不安定さがすごく怖いです。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/259/】
        に感想をアップしています(2010年12月のものです)
        >> 続きを読む

        2014/04/23 by hrg_knm

      • コメント 5件
    • 3人が本棚登録しています
      るろうに剣心 - 明治剣客浪漫譚 - 巻之九 京都到着

      和月伸宏

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • るろうに剣心 第9/28巻

        志士雄との対面。京都入りする剣心。

        逆刃刀を失った剣心。新たに持つことになるで有ろう剣はどのようなものなのだろうか。

        操との京都行で遭遇した傍若無人な志士雄の所業。
        乗り込んだ剣心は、志士雄その人と対面する。

        京都編と言うだけに、その途上で大ボスの志士雄との直接対決が有るわけが無いと、引いた視点で見てしまったが、変わりに瀬田宗次郎との対決が実現し、大きな伏線が張られたのが良かった。

        伏線という点では、左之介が新たな技を伝授され、その師匠に当たる人物のバックボーンも大きな伏線と言える。

        何はともあれ、京都入りした剣心一行。
        御庭番衆の残党とも合流し、まさに京都編のお膳立てが整ったように思う。

        興味深いのは、(人斬りを戒める逆刃刀とは言え)武士の魂とされる剣を失った剣心の動向。
        今回で解決することは無かったが、次に彼が持つ剣が、逆刃なのか?に興味が有る。

        コラムの中で、宗次郎のモデルが沖田総司で有ったと知った。

        美少年で有ることは納得なのだが、宗次郎では血色が良過ぎるのでは無かろうか。

        大立ち回りの際に深紅の吐血と言う沖田のイメージは、病弱とまでは言わないものの、一見、線が細くて血色が悪い、薄幸の美少年で有って欲しいものだ。

        魅力的なサブキャラクターが多いのも、この作品の特徴で有ると気付いた。
        >> 続きを読む

        2012/10/02 by ice

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      吾妻鏡

      竹宮恵子

      中央公論新社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 『吾妻鏡』を、竹宮恵子が漫画化した本。
        上中下巻があって、漫画とはいえなかなかの分量だったが、とても面白かった。

        吾妻鏡は、源頼朝と、その後の頼家・実朝、そして承久の乱を鎌倉幕府が乗り越えていくあたりの歴史を描いてある。

        読みながら、あらためて、頼朝は非常にすぐれた指導者だったと思う。
        おそらく、徳川家康などと並んで、日本の歴史上においても卓越した指導者だったと思う。
        あの冷酷なまでの冷徹さと、確固たる自信と、将来を構想していく力は、後世の政治家も鑑とすべきことだと思う。

        また、北条政子も本当にすごい人物だったと思う。
        頼朝と政子のような人物が、今の日本にも現れてくれたらと思えた。

        畠山義忠や小山朝光らも、本当にかっこよいと思う。
        男ならば、あのようでありたいものだ。

        頼朝も、長い充電期間を経て、平家を倒して、新しい世をつくった。
        新しい世ができるまでは、ある程度、時間がかかる場合もあるし、なかなか大変なことも多いのだろう。
        今の日本も、そうなのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2013/07/21 by atsushi

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      ガイア―母なる地球〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

      デイヴィッド ブリン

      5.0
      いいね!

      • デイヴィッド・ブリンの「ガイア 母なる地球」を2日かけて読了しました。豊饒でイマジネーション豊かなSFの世界にどっぷりと浸った2日間でした。

        このデイヴィッド・ブリンの「ガイア 母なる地球」は、1980年代後半の作品でありながら、世界でいち早くコンピュータ・ネットワークの発達による、真の意味での地球規模でのコミュニケーションの姿をリアルに描き出したSF小説だと思う。

        時は2038年、若き天才物理学者アレックスが生成したマイクロ・ブラックホールが、思わぬ事故で地中に落下、地球は内部から食い尽くされてしまいかねない状況に陥ってしまう。

        地球を、そして人類を救うため、アレックスを初めとする多くの人々が、コンピュータ・ネットワークを駆使して連絡を取り合いつつ努力を重ねるのだが-------。

        この物語は、登場人物が非常に多く、視点がどんどん切り替わっていく、いかにもアメリカ的なベストセラー小説らしい構成をとっているように思う。

        そして、それら多数の登場人物たちを繋いでいるのが、コンピュータ・ネットワークであり、その道具としてのリアルさに、物理学者としていち早くインターネットを駆使した情報交換を行なっていた、著者の真骨頂が見られると思う。

        ここで興味深いのは、著者がこの本を執筆していた1980年代後半のインターネットの状況が色濃く投影されている点ですね。そこには、サイバースペースやヴァーチャル・リアリティの華やかさはないんですが、ネットワークを介した"個人の復権と強調"という、インターネット時代において最も基本的で重要なメッセージが込められており、その予見の多くは、数十年経った現在においても、その輝きを失っていないと思う。

        読み終えて、あらためて思うことは、この作品は人類の明るい未来を夢見る著者・デイヴィッド・ブリンの思想が如実に出た"輝かしい香りに包まれた新しいSF"の代表作だと思う。


        >> 続きを読む

        2018/02/04 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      この世を離れて (Hayakawa novels)

      ラッセル バンクス

      5.0
      いいね!

      • 現代アメリカ文学の巨人と言われるラッセル・バンクスの「この世を離れて」を、時間をかけて読了しました。

        この作品は、14人の子供が犠牲になったスクールバスの事故がもたらした悲劇を、残された側の人間の視点から描いて、多くのことを考えさせてくれる物語です。

        愛する者に突然、この世を去られてしまった人間にできることは何なのか。
        悲劇の渦中にあっても、人は他者を思いやる心や品性を失わずにいられるのか。

        悲しみの矢に貫かれた人間は、どうやってその傷を癒したらいいのか。
        そもそも、傷は癒されうるものなのか-------。

        作者のラッセル・バンクスのそんな真摯な問いかけが、行間から聞こえてくる小説なのです。

        バスを運転していたドロレス。
        障害者の夫を抱えながらも気丈に振る舞う彼女が、背負わされた重い十字架。

        事故で双子の子供を亡くしたビリー。
        妻を癌で亡くした上に、我が子まで奪われた彼のカラッポな魂。

        事故の責任を州なり町なりに求めて多額の保険金を引き出す過失訴訟を起こそうと、被害者の家族をたきつける弁護士ミッチェル。
        彼が直面する人としての倫理と職業倫理の矛盾。

        バスに乗り合わせて九死に一生を得たものの、不治の障害を負ってしまった少女ニコル。
        生き残ったがゆえに、大人たちのさまざまな思惑にさらされる彼女の困惑と最後に下す決断。

        この作品では、彼ら四人それぞれの視点から見た、大きな悲劇に見舞われた小さな町の住人たちの動向が詳細に描かれているのです。

        この手法によって、悲劇には悲しみ以外の側面----怒り、憎しみ、反撥、対立、許し----もあることを作者は浮かび上がらせ、そして読む者に問いかけてくるんですね。

        あなたなら、死という永遠の別れと、どう対峙しますか、と-------。

        >> 続きを読む

        2018/06/16 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      妖霧の舌

      竹本健治

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 再読。
        島田荘司、笠井潔と同世代のミステリ作家・竹本健治の牧場智久シリーズ。
        竹本健治はメタミステリ「匣の中の失楽」(超傑作)で華々しくデビューを飾り、ウロボロスシリーズの変化球ぶりでも読者の度肝を抜いた。
        その影で、囲碁棋士が探偵役の牧場智久シリーズを継続的に刊行している。
        御手洗潔や矢吹駆などの奇人変人名探偵と比較すると、かなり常識人の探偵役となっているが、そのせいもありミステリ初心者でも比較的とっつきやすい作品シリーズとなっている。
        本書はミステリの上級者ならレッド・ヘリングをわりと露骨に使用している印象を受けるだろうが、そこは竹本健治らしく上手に処理をしている。
        この作品でのオタクの扱いはわりと類型的でステレオタイプな見方をしているのは、賛否両論分かれるところであろう。
        桃井という牧場のライバルの部屋に、牧場たちがピッキングをして堂々と侵入したのは如何なものかと思った。
        本書で出てくるパソコン通信のハンドル名の「ブンブン丸」という名前に、バーチャファイタ2のウルフ使いを連想したのは僕だけではないはずだ。
        登場人物の一人がパソコン通信に関して「匿名性を確保しながら、自己主張も計ろうとする。それが現代のコミュニケーションの大きなトレンドなんですね」と言ったのは、竹本の先見の明を感じた(本書が初めて刊行されたのは1992年である)。
        >> 続きを読む

        2020/02/29 by tygkun

    • 2人が本棚登録しています
      小さな男の子の旅―ケストナー短編 (ショート・ストーリーズ)

      エーリヒ ケストナー

      4.0
      いいね! Moffy
      •  子供の頃に受けた傷や刺激的な体験が大人になってからも生々しく残るのは、多分その時はまだ心の雑念がなく情報がとにかく内部に押し寄せられるのと、まだ自分の気持ちから逃げる方法が分からないからかもしれない。 >> 続きを読む

        2018/03/01 by Moffy

    • 1人が本棚登録しています
      鉄のドンキホーテ

      原哲夫

      創美社
      2.0
      いいね!
      • 鉄のドンキホーテ 第2/全2巻

        北斗の拳で有名な原哲夫の連載デビュー作「鉄のドンキホーテ」を含む短篇集第2弾。

        あの原哲夫もこんな作品を書いている時期が有ったんだ。と思った。それだけ。

        前巻から続く表題作「鉄のドンキホーテ」を含む下記作品を収録。

        ・鉄のドンキホーテ
        ・クラッシュヒーロー
        ・マッドファイター
        ・北斗の拳Ⅱ

        「北斗の拳Ⅱ」以外はモトクロスを題材にしたバイオレンスとも言うべき独特な世界観は統一している。

        とは言え、なんと言っても「北斗の拳Ⅱ」
        タイトルが、どうしても気になるところだった。

        唯一この世で北斗神拳を使う「霞 拳四郎」
        あらゆる暗殺を請け負い、日本進出を進める泰山寺(憲法)の行く手を阻むべく立ち塞がる。

        Ⅱと言っても、有名な「北斗の拳」の続編と言うわけでもなく、あの作品が出来る前に作られたプロトタイプの2作目(1作目は前巻「鉄のドンキホーテ 1」に収録)という意味である。

        短編でも有るし、ストーリーらしきものは有って無いようなものだが、秘孔を突いたら脳味噌バーンだぜ!(笑)的なプロットは完成しているため、あの「北斗の拳」のパラレルワールド的な作品と思っていれば間違いないだろう。

        人気マンガ家、原哲夫のブレイク前の作品が読める作品集という点にのみ価値が有るということかも知れない。

        ◆鉄のドンキホーテ 1
        http://www.dokusho-log.com/b/4420137665/
        >> 続きを読む

        2013/06/22 by ice

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      泉鏡花集成〈5〉 (ちくま文庫)

      泉 鏡花

      5.0
      いいね!
      • 【とても絢爛で耽美的】
         本書には、「春昼」、「春昼後刻」(この2作は連作です)、「草迷宮」、「沼夫人」、「星女郎」の5作が収められています。妖異譚が多くなってきてますます鏡花らしくなってきました。

        ○ 草迷宮
         旅の若い僧侶と、母の思い出の手鞠歌を探し求める青年を軸にした絢爛な物語。劇中劇が多用されており、また、場面が行きつ戻りつし、方言も多く、ややユーモラスな味を出したかったのか、話が脱線する場面もあり、読むのにちょっと難儀しました。
         構成が非常に複雑になっていますので、私の心覚えも兼ねて以下に書いてみます。
         始まりは旅の僧が茶店のお婆さんの話を聞くところ。このお婆さんの語りで、嘉吉という村の酒呑みが狂人になってしまったいきさつが語られます。そこで登場するのが弁天様(?)から授けられたという珠なのですが、これが後半の手鞠と関係してきます。
         さらにお婆さんの話は続き、この物語の舞台となっている秋谷村の名家である鶴谷家の悲劇、あっという間に5人の弔いを出さなければならなくなったいきさつが語られます。
         お婆さんの話につい引き込まれてしまって旅程が遅れてしまった旅僧は、供養も兼ねてその鶴谷家の別荘に泊めてもらうことになりました。
         さて、その別荘には実はもう一人先客がいました。それが冒頭で書いた手鞠歌を探している青年。
         今度は、その青年が別荘に泊まることになった事情が語られます。この青年は、川に流れてきた手鞠を拾ったことからこの別荘に泊めてもらうことになったのですね。
         そして、別荘で邂逅する僧侶と青年。ここで青年の話が始まるのですが、どうやら青年はこの別荘で既に様々な怪異に出会っているというではないですか。この別荘はまるで化け物屋敷のようです(この化け物屋敷のお話も面白いです)。
         さらに話は飛んで、今度は青年が何故手鞠歌を探し求めているの過去語りになります。
         これでようやく話の全体像が見えてきて、時制はやっと現在に戻り、別荘で僧侶と青年が宿泊する場面になりますが、ここでまたひと騒動が持ち上がります。そしてまた騒動の張本人が語る事の顛末という劇中劇に転換し、ようやく一段落。
         さて寝ましょうかとなるのですが、さらに事件が起きます。ここで一連の別荘での怪異の原因である秋谷悪左衛門が登場します。で、青年との関わりが語られて結末を迎えるのでした。
         いやぁ、とにかくこのように構成が複雑なもので、鏡花の文章が現代文ではないこと(加えて方言が多用されていること)も加えて、読みにくい作品です。
         ちょっと気を抜くと、一体どの時点の何を書いているのかが分からなくなることもしばしば。私は結局2度読んでようやく把握できました。
         このように、ある意味やっかいな作品ではありますが、全体が把握できてみると大変面白いお話であります。オススメです。
         なお、作中に出てくる秋谷悪左衛門ですが、このモチーフは稲垣足穂も「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」という作品で取り上げています(どうやら元々のお話は江戸時代のもののようです)。これもカタカナと漢字交じりの表記でやや読みにくいのですが、面白いですよ。

        ○ 沼夫人
         知人の医者の家に泊まった主人公は、避暑のために診察室の診療台で寝ることにします。
         診察室には骨格標本や、ホルマリン漬けの何やらかにやらがあってなかなかにぞっとする風景ですが、涼しいことは涼しいので意に介さず眠りにつきます。
         ところが、夢に出てくるんですね~。
         とある女性と、そして診察室が水浸しになる光景。
         すっかり仰天した主人公はうなされて飛び起きてしまいます。様子がおかしいのに気付いた医師がやってきて事情を聞いたところ……。
         主人公が何故そんなにその女性と水に驚いたのかの物語が始まります。この劇中劇はなかなか読み応えがあります。
         物語を聞き終えたところ、医師の目にもあやかしが見えます。
         これは、その女性のものではないにしても、以前沼から拾ってきたあの骸骨(骨格標本にしています)が成仏できていないのが原因ではないかという話になり、主人公が骨を沼に戻してやることにします。
         骨を沼にそっと返す主人公ですが、どうしてもその場を立ち去り難い気持ちになり、従者を先に帰します。医師の話ではこの骨は主人公の夢に現れた女性とは別人だということですが、主人公にしてみればどうにもこの骨がその女性のように思えてなりません。
         あんな目に遭わせてしまったのだから、もう、ここは自分も入水して果てようかと思わざるを得ないのでした。そんな時、「立二さん……」と声をかけられます。何と!死んだと思っていたあの女性がいるではないですか!
         子細はお話ししますので、私の家へと招かれて歩き出す主人公。さて……。

        ○ 星女郎
         倶利伽羅峠を越えて以前過ごした金沢へ向かおうとしている主人公。道中で反対方向からやってきた山伏に出会います。山伏の話によれば、街道沿いにあった昔の茶店が何者かによって買い取られ、そこに美しい御殿女中の姿をしたあやかしが出るのだというのです。
         近在の若者が、酒の勢いもあって俺が謎を解いてやると向かったは良い物の、逆に腰を抜かして帰ってきたなどという話があるそうです。
         峠越えをすることになった山伏としても心穏やかではないので、鬼の面を用意して通りかかったところ、やはり出たのだそうです。腰を抜かした若者もそうでしたが、何やら精気を吸い取られるような。
         山伏は、金剛杖すら置き去りにして、ほうほうの体で逃げてきたというではありませんか。
         その茶店なら以前行ったことがある店だということで、主人公は行ってみることにしました。そこで、出会うのですね~、美しい女性と。
         詳しいお話は読んでのお楽しみということにしますが、私はこの作品はとても気に入りました。何よりも言葉が大変美しい。情景が浮かびます。
         たとえば、月の出待ちをする場面があるのですが、引用しますと「栗の林へ鵲(カササギ)の橋がかかりました。お月さまはあれを渡って出なさいます。いまに峰を離れますとね、谷の雲が晃々(きらきら)と、銀のような波になって、兎の飛ぶのが見えますよ。」とか。幽玄ですねぇ。

         泉鏡花集成5は、上記のように、なかなかに読み応えがある作品が集まっているのでした。
        >> 続きを読む

        2019/05/10 by ef177

    • 2人が本棚登録しています
      盲獣

      江戸川乱歩

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 何故か無性に読みたくなった江戸川乱歩。
        その中でも群を抜いた変態小説が恐らく今作。
        盲目の怪人がその猟期趣味を全開にした
        倒錯した「見えない側」の世界観を圧倒的かつ
        一方的に書きまくった力のある作品。

        勿論現代の小説スタイルからしたら
        おかしな部分や荒唐無稽な展開なのですが
        ディティールなどに拘らず初速からラストまで
        同じスピードで一気に読ませるのは、やはり
        この作品の妖しさと如何わしさに取り込まれた
        証拠なのかも。

        3人目の殺人事件の件においては、猟奇的な
        怖さと滑稽で下らなさとが同居していて、この
        感覚とセンスは他の誰もが出来るものでは
        ないような「差」を感じます。
        >> 続きを読む

        2013/07/01 by za_zo_ya

      • コメント 6件
    • 2人が本棚登録しています

出版年月 - 1996年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本