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1996年3月発行の書籍

人気の作品

      十三番目の人格 ISOLA

      貴志祐介

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • オススメ頂いて読んでみました!!
        読みだしたら続きが気になり、ぐんぐん読んでしまいました!

        多重人格の話で、13番目の人格の正体にゾワッとしました。
        怖さを残す終わり方で、そこもよかったです。


        貴志さんの作品をもっと読んでいきたいと思いました!
        >> 続きを読む

        2016/11/23 by asa_chann

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      私が殺した少女

      原尞

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • やはり本格ミステリの要素を強く持つ傑作。
        評論家の大森氏も指摘しているが、探偵の沢崎がやたら直観が鋭い。
        よくこの真相を見抜けたな、という感じ。
        >> 続きを読む

        2018/12/27 by tygkun

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      うごいちゃだめ!

      Schindler, S. D , せなあいこ , SilvermanErica

      アスラン書房
      4.3
      いいね!
      • きっと、小さな子どもたちはハラハラ・ドキドキするんだろうなあ~。
        でも、すれてしまった大人だと、最後のオチがよめてしまう。
        それでも十分楽しめる。
        このストーリーをガチョウのほうからの視点で書いたらどうなるんだろうなあ~、外伝みたいな感じであれば、比較して読むことで面白さも倍増するのかな。
        >> 続きを読む

        2015/02/05 by けんとまん

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      こころ・坊っちゃん

      夏目漱石

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • こころ
        主人公の青年が、師匠のように慕っている「先生」。
        その先生が、自分の若い頃に起こった出来事と、その出来事がその後の人生に影を落としてしまったことを、主人公にだけ打ち明ける話。
        謎を残したまま最後に全てを明かすような物語の流れはミステリーさながらだし、登場人物の言葉として語られる夏目漱石の哲学や考え方は、今の時代からしても先進的だと思う。


        とは言え、先生がちょっとクソ男っぽいというか、ダメ男っぽいというか。
        「頭の中で言い訳ばっかしてて行動しないから鬱になるのでは・・・」
        「あと何人アンタの不幸に付き合わせる気なんだ・・・」
        「自分の不幸に夢中になるがあまり他人を顧みなさすぎる・・・」
        とかいうツッコミが読んでる最中からバシバシ浮かんできてしまう。昔は自分もこの先生みたいな思考パターンだったから余計に気になるのかもしれない。これを読むと、その時の自分の「こころ」の強度が測れる作品とも言える。



        坊ちゃん
        夏目漱石の持つユーモアが炸裂していて、笑える作品。
        「こころ」とは対照的に、鋭い観察眼が外に向けられている。
        教師の話なんだけど、「あーいるいるこうゆう先生」などと想像がしやすいし、主人公が頭の中でつく悪態なんかも冴えてて面白い。
        100年前でも人間なんて対して変わらないんだなぁ。と思ってしまう。
        明治の文豪(というか明治の人々)に親近感を抱ける作品だと思う。
        読みやすく内容も軽いので、さくっと読めると思います。


        >> 続きを読む

        2018/03/13 by REM

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      わが秘密

      PetrarcaFrancesco , 近藤恒一

      岩波書店
      5.0
      いいね!
      • この本、十年ぐらい前に、一回読んだかすかな記憶がある。
        たぶん最初の方だけ読んで途中で断絶していたと思い込んでいたのだけれど、自分の線引きの跡がしっかり残っているので、かなりしっかりと当時は、少なくとも第二巻の最後ぐらいまでは読んでいたらしい。


        しかし、さっぱり忘れていて、ほとんど覚えていなかったので、今回本当に新鮮に読むことができた。


        そして思ったのは、これは本当に名著である。
        生涯の座右の本にしたいと思った。


        この本は、ペトラルカ本人が、アウグスティヌスと対話するという内容である。
        ペトラルカは14世紀の人間で、アウグスティヌスは4~5世紀の人物なので、当然ペトラルカの創作であり、現実の対話ではない。
        しかし、とても生き生きとしていて、そして対話ならではの、思考や魂の深まりが本当によく描かれていて、とても面白かった。


        「だれも自分の意志によってしかみじめにはならない。」
        (35頁)


        「「自分はこれ以上どうすることもできない」というかわりに、「自分はこれ以上欲しない」と白状することだ。」
        (38頁)


        「欲するだけでは足りぬ。切望してこそ目的は達されよう。」
        (44頁)


        「死の警告に取りかこまれているのに、自分が死ぬ定めにあることを充分に深く考える人は少ない。」
        (54頁)


        「充分に深くおりていく」
        (59頁)

        「われわれはほとんどみな「死を遠くに認めるというこの点で誤る」。」
        (65頁)


        「絶望すべきことはなにひとつない。」
        (79頁)


        「きみ自身の天性に照らせば、きみはとうのむかしから富んでいた。大衆の賛同を尺度にすれば、けっして裕福であることはできないだろう。」
        (99頁)


        「そんな老年のことを考えて心配し、そのくせ、かならずゆきつくもの、しかもひとたびゆきつけばそこから帰ってはこれないもののことを忘れているのだ。もっともこれは、きみたち人間のいまわしい習性で、きみたちは一時的なものを気にかけ、永遠なものをなおざりにする。」
        (103頁)


        「きみは目をむけた方向しか見ていない。しかし後ろをふりかえってみればわかるだろうが、無数の人の群れがあとにつづいており、きみは最後列よりも最前列のほうにいくらか近い。」
        (139頁)


        「むしろ、賢明でないことをこそ厭うべきだね。ただ賢明さのみが、自由をも真の富をもあたえることができたはずだ。それに、原因の欠如のほうは甘受しておいて、成果がえられないのをなげく、そういう人は、原因のことも結果のこともよくわかっていないのだ。」
        (142頁)


        「まず魂をととのえ教育して、愛着のあるものを放棄し、うしろをふりかえらず、慣れ親しんだものを顧みないようにすべきだ。そうしてはじめて、恋する者にとって旅は安全なものとなる。―きみが自分の魂を救済したいなら、このようにすべきだと知りたまえ。」
        (207頁)


        「子どもっぽい愚行は捨てたまえ。青春の炎を消したまえ。いつも過去の自分のことばかり考えようとしてないで、ときには現在の自分をみつめたまえ。」
        (227頁)


        「どの日もきみを照らす最後の日とおもいたまえ。」
        (230頁)


        「きみのまわりには、どれほど多くの仕事がひしめいてるかを考えたまえ。しかもこれらに打ちこむほうが、はるかに有益だし立派でもある。きみの手もとには、どれほど多くの作品が未完成のまま残されているかを考えたまえ。ほんの一瞬にすぎないこの人生の時間を、これほどおろかに配分するのはやめて、これらの作品に当然の権利をとりもどしてやるほうが、はるかに正しいだろうよ。」
        (232頁)


        「きょうきみに丸一年だけの生涯が予定され、しかもこれが一点の疑いもなくきみにもわかっているとすれば、この一年間という時間をどのように使いはじめるつもりかね。」
        (243頁)


        「一年を生きられる人は、六か月をうしなてもまだ六か月という期間が残っているが、しかしきみは、きょうという日をうしなえば、だれがあすの日を保証してくれよう。」
        (245頁)


        「だからこんなものは二のつぎにして、いまこそきみを、きみ自身に返したまえ。そして、われわれの出発点にもどると、きみ自身とともに死の省察をはじめたまえ。きみは知らぬまに、すこしずつ死に近づいているのだ。あらゆるおおいをひきちぎり、闇を追いはらって、死をみつめよ。一日も一夜もおろそかにせず、最期の時を思いたまえ。天も地も海も変わる。脆弱きわまる動物である人間が、なにを望みえよう。時は過ぎ去り、過ぎゆき、瞬時もとどまらずに移りゆく。きみが自分はとどまりうると思うなら錯覚だ。」
        (257頁)


        「きみがきみ自身を見捨てさえしなければ、願いはかなえられよう。」
        (265頁)



        などなどの言葉が、心に響いた。


        しかし、ペトラルカのこの対話形式の文学のメッセージは、決して語句だけを切り取っては汲み取ることができない、深みと味わいがある。


        人生には、自分が思っているよりも恵まれていることがたくさん見つけられること。


        読書は、血肉化こそ大事であること。


        死を見つめ、いのちを見つめるとは、どういうことであるか。


        これらを、本当に、この本によって深く考えさせられるし、この本によってその思考の旅に誘われる。


        繰り返し読み、生涯座右の本にしたい。
        もしそうして、この本を折々に血肉化し、人生という旅の道連れにすることができたならば、生死の迷いの夢から、どれほど目覚めさせらることだろうか。
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        2012/12/21 by atsushi

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      殺人を呼んだ本 わたしの図書館

      赤川次郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 林の中の古びた洋館--それが私立野々宮図書館だ。
        ここの所蔵されている本は、どれも犯罪や事件に関係のあった本ばかり。
        殺人現場で被害者が抱いていた本や、連続殺人犯が愛読していた本、首つり自殺の踏み台として使た本など…。
        この一風変わった図書館に住み込みで勤めることになった松永三記子。
        彼女が書庫の本を手に取ると、その本にまつわる不思議な出来事が次々と起こるのだった。
        一冊の「本」が引き起こす様々な事件を描く連作小説集。
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        2013/12/12 by books

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      マ-ティ

      風間賢二 , スティーヴン・キング

      学研マーケティング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • スティーヴン・キングによる、ホラーの定番キャラクターとも言うべき狼男をテーマに描いた物語。

        他のキング作品同様、本書もすぐに映画化されましたが、日本では劇場未公開のまま。

        その後 「死霊の牙」という題名で何度かテレビ 放送された時もあるので、キングの原作とは知らずに鑑賞された方もいらっしゃるのでは?

        本書は良くも悪くもキングっぽい描写が抑えられてるため、スラスラと読めますけど、その分ストーリー展開もさほど新鮮さがなく、キングのファンからすれば " こういった物語も書けるんだ・・・"で納得するしかありません。

        その反動かは定かではありませんが、翌年にはあの「IT」を発表。

        しばらくはとんでもない大作&傑作を相次いで発表し" ホラーの帝王"という称号は不動になったわけです。
        >> 続きを読む

        2017/08/28 by アーチャー

    • 1人が本棚登録しています
      アフリカの音

      沢田としき

      講談社
      5.0
      いいね!
      • 西アフリカの「ジンべ」という太鼓についての絵本。

        ヤギの皮と貴重な木材からつくられたジンベは、とても大切な太鼓として、自然の恵みをよろこび、いのちをよろこぶリズムになる。

        いつかアフリカに行って、生の演奏を聴きたいと思った。

        良い絵本だった。
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        2013/04/07 by atsushi

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      遠藤周作歴史小説集

      遠藤周作

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 本来は純文学のカトリック作家である遠藤周作が、晩年に憑かれたように書き遺した多くの歴史小説は、彼が「武功夜話」を精読することによって得た歴史的な発見をもとに、彼一流の歴史解釈を表現したものだと思っています。

        「歴史とは解釈である」という海音寺潮五郎の有名な言葉がありますが、遠藤周作は歴史をどのように解釈しているのか、それに触れたくて彼の歴史小説を最近、また本棚の奥から引っ張り出してきて、再読・三読しています。

        彼の歴史小説の戦国三部作の中で、「反逆」が荒木村重、明智光秀、高山右近ら、織田信長に反旗を翻した武将たちを軸として、また「男の一生」が前野将右衛門を主人公として側面から信長を描いているのに対し、今回読了した「決戦の時」は、唯一、信長を真正面から取り上げた長編小説です。

        天文二十年(1551)三月三日、織田信長の父、信秀は末森城内で死去。信秀の四人の弟たちを中心に重臣たちは今後の仕置きなどを談じ合います。

        だが、それぞれ野心のある一族の代表は、互いにけん制し合い、結局「葬儀は三年後に遅延」することで選択を先送りにしたのです。その決議を後見役・平手政秀に知らされた信長は、父の遺領を狙うのは隣国の今川家や斎藤家だけではなく、遠縁の一族ことごとくが敵であることを実感するのです。

        孤独感に苛まれ、唯一心を許せる年上の恋人、生駒屋敷の吉乃を訪ねる信長------。

        そして、骨肉の争いの中から、尾張第一の実力者となった信長が、永禄三年(1560)、桶狭間の戦いで今川義元を破り、戦国の檜舞台に踊り出していくさまを、遠藤周作は「武功夜話」などを駆使して、ダイナミックに活写していきます。

        遠藤周作は、信長の人格形成を次のように書いています。「信長は少年時代から母の愛に飢えていた。しかし彼の本当の母---つまり土田御前は信長よりも弟の信行を溺愛した」と。

        そして、岳父・斎藤道三への警戒から「濃姫に自分の何もかもを曝けだして甘える気にはなれない」信長は、父の死後、一族郎党の中で孤立し、唯一、「母か姉にたいするように警戒心をまったく捨てる」ことのできる女性・吉乃に対し、「よいか、吉乃。この信長は向後、魔王になるぞ」と己が心情を吐露するのです。

        ここに描かれているのは、母親という"神の愛"を知らずに戦国乱世を生き抜いていく男の"心の闇"なのだと思います。

        実際、死中に活を求めるといいながら、大木の下で座禅を組んでいる、結跏趺坐の信長には、"人間存在の根本にかかわる不条理"を乗り越えようとする悲愴な覚悟がうかがえると思うのです。

        加えて、作者が、信長が直接、自身の心情を吐露するような主観的な描写を意図的に排除しているために、この戦国の猛将の人間像は、固い甲羅の向こうに隠され、容易にうかがい知ることができません。

        そして、その過程で読者である私が気づかざるを得ないのは、遠藤周作という作家が、恐らくは最も書きやすい方法で信長を描くということを放棄しているのではないかということです。

        では逆に作者にとって信長を描くにあたり最もやりやすい方法とは何かというと、それは、遠藤周作が「沈黙」や「侍」の作者であるということを考えてみるならば、信長をキリスト教との関係において捉えること以外には考えられないと思います。

        だが、遠藤周作は、この「決戦の時」では、敢えてそれは行わなかった。作中、フロイスの「日本史」からの引用がありますが、それは客観的記録性を補強するためであって、信長とキリスト教との関係を積極的に語ろうとするためのものではないのです。

        それは、なぜかと言えば、信長という"神の愛"を知らぬ男を書くにあたり、あくまでも"神に見捨てられた手法"で描く、すなわち、作者が主人公と宗教とのかかわりを、一切、排除していく方法で筆を進めていったからではないかと思うのです。

        この「決戦の時」という歴史小説が、"神となった男"とされる信長の語られざる内面を描く、異色の作品になっている所以だと思います。


        >> 続きを読む

        2017/09/12 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      日本史七つの謎

      松本清張

      講談社
      カテゴリー:日本史
      4.0
      いいね!
      •  帯に書いてあるように、歴史をテーマとした鼎談が七つ入っている。定価470円なので、一つの鼎談が70円未満、かなりお得な気がする。わたしは二つめの鼎談、”短詩形文学はなぜ日本文学の中心なのか”、これが読みたくてつい買ってしまった。鼎談者は、丸谷才一、大岡信、山崎正和。話の核心部はさらりと流したいので、いきなり結論をいうと、とにかく日本人は短いものが得意らしい。そして、このあとのやり取りがおもしろかった。

         <山崎> あいさつと女のスカートは短いほどいい(笑)
         <丸谷> なるほど。それで短詩形文学中心になったんだ(笑)
         <大岡> スカートは長いほうがいいときもあるけどなあ(笑)

         わたしもそう思います。これではただのスケベで終わるから、もう一つ真面目なやり取りも。

         <山崎> たとえばこのまま能や茶の湯や歌舞伎が世界の芸術になるとは思わない。だけど、その精神とか哲学というところに戻していくと、ほとんど全部が二十世紀後半のもの、ないしは二十一世紀のものだっていう感じがします。

         <丸谷> まったく同感だなあ。
        >> 続きを読む

        2014/12/28 by 素頓狂

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    • 3人が本棚登録しています
      ニュ-トンの林檎

      辻仁成

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 作者曰く、「誰の心の中にも必ず一人はいるであろう、今はもう会うことのない異性へ送った長大なラブレター」

        主人公の「僕」が元子という女性に出会った大学一年生から、元子が消えるまでの話。

        とにかく、元子という女の印象が強すぎる。
        男性的であり女性的であり、個性的。
        一見するとただのわがまま。
        こういう女が嫌いな男は多いだろう。

        ちなみに私は、「僕」が苦手だった。
        自分の意見をしっかり持てと言いたくなる。
        しかし、この本を読んでいると自分が「僕」になり、元子と元子の周辺の人々と関わっていくうちに成長していくような気分になる。
        それを世間では成長というのか分からないけれど。

        新宿で女性を待ち続けるホームレスの一生も気になる。

        お勧めの本です。
        >> 続きを読む

        2011/08/25 by Iris

    • 3人が本棚登録しています
      サラリーマン金太郎

      本宮ひろ志

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • サラリーマン金太郎 第6/全30巻

        社長指示の武者修行のため、東北に降り立つ金太郎

        もういい加減のマンネリなのだが、あまりのベタなパターンにまたも泣かされてしまった。

        行きの新幹線の中で地元の有力政治家との一幕が有ったり、川に転落した犬を助けに飛び込むシーンが有ったり。

        ここまでこのシリーズを読んで来ると、見え見えの伏線で有ることがわかってしまうのが残念では有るのだが、来るぞ来るぞとわかっていても、いざテンションの高いシーンが来た際には、やっぱり泣かされてしまう強引さが凄い。

        東北支社に着任した金太郎。
        早速、伊郷副支社長に挨拶に向かうが、最初から諍いを起こし鉄拳制裁を食らう。
        ケンカ最強を思わせる金太郎を1発のパンチでKOする信じがたいオヤジである。

        そうこうしている内に、伊郷副支社から黒川社長へ連絡が入る。
        会話の中で社長より、「矢島金太郎は、私の後に座る人間だ。」という言葉が有り、武者修行に拍車がかかることになった。

        東北支社。そこには官の仕事全てが談合で決まる世界。

        金太郎も朝から晩まで役所に張り付いて、作法、しきたりなど全てを体に叩き込んで行くように生活する。

        東北支社社内でも、談合の仕組みに乗っていれば、食いっぱぐれも無く安定していたのを良しとする社員との間に、軋轢が生じてしまい、彼のスタンドプレーが糾弾されそうな雰囲気にも成りかけたが、損得考えない彼の振る舞いに同調し、東北支社をひとつのチームにしてしまうシーンには、またも泣かされてしまった。

        とくにベタな展開が多い巻だったが、転勤に伴い登場人物が一気に入れ替わったタイミングのため多目に見よう。
        >> 続きを読む

        2013/08/13 by ice

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      オークション・ハウス

      叶精作

      集英社
      3.0
      いいね!
      • オークション・ハウス 第15/全34巻

        父母を暗殺された少年時代。その復讐だけを胸に生きて来たリュウは念願叶ったはずだったが、そもそも両親を殺させたのが、これまで世話になっていた恩師という悲劇が明かされる。

        オークションハウスVS美術商と言う対立構造の中で、常にオークションハウス側の存在だったリュウだが、これを期に、今度はオークションハウスを敵として戦う道を進むことになる。

        その最初の一手は、レンブラントの絵を買い占めて、片っ端から切り裂くこと。

        経済学部で「神の見えざる手」について学んだことを思い出し、一定のリアリティを感じることが出来たものの、「肉を切らせて骨を断つ」作戦とは言え、あまりにも捨て身な気がしてしまった。

        全34巻の内、まだ14巻の段階で、復讐と言う大きなテーマをクリアしてしまい、この後のストーリーが全く読めない状態に陥っていたが、両親の暗殺に続き、まさか信じていた恩師が黒幕だったなんて、フィクションとしては非常に面白いと思うものの、あまりにも幸が薄い人生にテンションが下がるのを禁じ得ない。

        なんだか誰も信じられなくなりそうだ…
        >> 続きを読む

        2014/12/08 by ice

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      西の魔女が死んだ

      梨木香歩

      小学館
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 児童文学ではあるが、大人でも学びがある小説。まだ小さかった子供の頃、なんでも知っていて不思議な雰囲気を醸し出すお年寄りが、神秘的で魔法使いのように見えた。夢のない言い方をすれば、単なる年の功、年寄りの知恵袋であるが、学校に居場所がなくなって投稿拒否している主人公のまいにとって、おばあちゃんとのひと月あまりの暮らしの中で経験した様々なこと、周りに惑わされず、自らの意思で決めること、やり抜くことの大切さを教えてくれたおばあちゃんは確かに「魔女」であっただろう。ラストも素敵な終わり方で、心温まる良い作品でした。 >> 続きを読む

        2018/09/17 by konil

    • 5人が本棚登録しています
      喜劇人に花束を

      小林信彦

      新潮社
      カテゴリー:各種の演劇
      4.0
      いいね!
      •  植木等→藤山寛美→伊東四朗等の愉しかった夫々の時期を、笑いをまじえて回想するエンターメント・エッセー。
         懐かしきこと限りなし。
        >> 続きを読む

        2018/05/23 by rikugyo33

    • 1人が本棚登録しています
      チェ-ン・スモ-キング

      沢木耕太郎

      新潮社
      4.0
      いいね!
      • 古本屋で買ってから、ちびちびと読み進めて、読み終わってしまいました。15編のエッセイ集。沢木さんの文章が好きです。新聞や雑誌で見かけると嬉しくなって読む。映画の評論をちょくちょく書いてらっしゃいますね。

        「シナイの国からの亡命者」が印象的です。「シナイの国」って?というのは以下に本文を引用します。

        > 「スル」ことより、「シナイ」ことで、つまり自分に何かを禁ずる
        > ことで、生き方の形を整えてきたようなところがある。私は「自制の
        > 王国」の住人だったのかもしれない……。

        まさに私も自制の王国の住人なので、あぁーと納得しました。「スルの国」の人の振る舞いをうらやましく思いながらも、なかなか吹っ切れないのです。シナイの国に愛着もありますし。

        「君だけが知っている」もなかなか。沢木さんの視点がとても好きです。優しい人なんだろうなぁ。
        >> 続きを読む

        2016/02/28 by ワルツ

    • 2人が本棚登録しています
      彼らの流儀

      沢木耕太郎

      新潮社
      5.0
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      •  沢木耕太郎の短編集。

         平均すると10ページに満たないような短い作品33編が収録されています。そのどれもが感性を刺激し、深い余韻を残す作品です。

         え?『深夜特急』?
         もちろん名作だと思います。でも、あれとは全く面白さの種類が違います。『深夜特急』読んだから沢木耕太郎は読んだ、とか思っていた自分を諭してあげたいです。
         
         表紙を見てふと思ったのですが、本作の一つ一つの短編は絵画に似ています。まるで絵を見るように、時間をかけず作品に触れることができます。さらっと流していくこともできれば、細部までじっくり観察して理解を深める事も出来ます。パッと見の感覚を楽しむこともできれば、何度もみて解釈を考えることもできます。本作は沢木耕太郎の個展的作品です。そこに足を運びさえすれば、自由に楽しむ事が出来るはずです。

         私は、この本をふとしたときに本棚から取り出し、1編読んで戻す、なんてことをしています。元々は、中学時代に先生から紹介していただいた本でした。非常に思い出深い本です。

         ぜひ感性のアンテナを精一杯張り巡らせて読んで下さい。
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        2014/12/04 by あさ・くら

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      孤独の発明

      AusterPaul , 柴田元幸

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • ポール・オースターの自伝的小説
        「見えない人間の肖像」「記憶の書」の二篇。

        「見えない人間の肖像」はオースターの父親のことを主に記したもので、読みやすく内容としても面白い。

        父はいわば恒久的な部外者、自分自身の旅行者になっていた(p16)

        こうあるようにオースターの父親は積極的に人生を生きるというより一歩離れたところに佇むような、家族との関わり方も心の通い合わないようなものだったらしい。
        こういうひと、いるなあと自分の周りにいるひとに重ねて読めたためオースターの気持ちも父親の気持ちにも添いやすかった。

        「記憶の書」は、オースターに言わせればこちらこそ書きたいことで重要らしいのだが、読みにくい。
        どこまでが事実でどこからが空想なのかなど曖昧でわかりにくい。

        一度読むだけでは何を伝えたいのか正直言ってわからなかったことが残念だった。
        翻訳ものでは読み返すと見えてくるものもよくあるので、また時間を置いて読んでみたいと思う。
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        2016/05/12 by jhm

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      平家物語

      横山光輝

      中央公論新社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • 平家物語を横山光輝が漫画化した本で、上中下の三冊シリーズ。

        読みやすくて、面白かった。

        平家物語は、いろんな本や解説書や、あと原文も昔読んだことがあるのだけれど、だいぶ忘れていてたのであらためていろいろと、面白かった。

        ちっとも記憶になかったのだが、太宰府にいた平家が豊後の緒方氏から逃れて、徒歩で箱崎の浜まで逃げていくシーンがあり、35号線を通っていったのだろうかと思いながら読んだ。
        多くの女官たちが裸足で血豆ができながら歩いていったという話に、なんとも心が痛んだ。

        あと、今回読んでいて思ったのは、平家の指導者たちの大人気なさである。

        殿下乗合事件で摂関家の基房の一行の髻を切って辱めたり、宗盛が源頼政の息子の名前を馬につけて辱めたりと、実に大人気ない振る舞いで、無用な人々の反発を買ったり、せっかく木曽義仲が和睦を申し込んできても面子にこだわって受けいれなかったりと、実に愚かしいと思った。

        吾妻鏡における源頼朝や北条一門の冷酷なまで緻密な冷静さに比べると、これでは平家が滅びるのもやむをえなかった気がする。

        人間というのは、えてして、無用な面子や怒りで身を滅ぼすことがあるのだろう。
        栄華など、束の間の、はかないむなしいものかもしれない。

        ただ、それはそうとして、平家物語はあらためて理屈抜きで面白いと思った。

        また、ぼちぼち、いろいろと関連の本を読んでみたい。
        >> 続きを読む

        2013/07/27 by atsushi

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      起訴 (Hayakawa novels)

      バリー リード

      4.0
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      • 今回読了した「起訴」は、「評決」「決断」に続く法廷ミステリの第一人者バリー・リードの3作目の作品。

        前2作同様、アメリカの古都ボストンを舞台にしているが、主人公には映画の「評決」でポール・ニューマンが演じた、アル中の弁護士フランク・ギャルヴィンに代わって、シェリダン&バクリー法律事務所のオーナー、ダン・シェリダンが登場し、孤軍奮闘の活躍をする。

        事件の発端は、ボストン郊外のI-95号線わきの茂みの中で、若い女性の死体が発見されたことだった。

        女性の身元は、西インド諸島出身の国際的な美術ブローカー、アンジェラ・ウィリアムズ、29歳。
        家賃が月2万5千ドルの超高級アパートで、百万ドルのインテリアに囲まれて暮らしていた。

        当初、死因も不明で謎に包まれたかに見えた事件は、彼女と最後に食事をしたというアイルランド系のエリート外科医クリストファー・ディラードが容疑者として浮かぶに及んで急展開を見せ始める。

        この事件での成功を手土産に上院議員への転進を狙う地方検事ニール・ハリントンは、才媛マヤン・ドルテガを事件の担当にして、大陪審でのディラード起訴への方針を固めるのだった。

        一方、FBIは、前々からボストンの実業界の大ボスでアイルランド出身のソニー・カラハンをIRAへのテロ活動の資金援助の中心人物としてマークしており、ディラード、そして殺されたアンジェラも何らかの関与をしていたものと考えていた。

        自らもアイルランド系であるという点には一切、関係なく、たまたまこの事件の弁護を引き受けることになったシェリダン。

        盗聴や、事務所へのスパイ潜入など、あらゆる手段でディラード=シェリダンを追い込もうとする地方検事=FBIとの闘いが始まるのだった-------。

        この作品でも、著者・バリー・リードの弁護士としての豊富な経験が随所に生かされていると思う。

        大陪審では、弁護士は異議申し立てや反対尋問を行なうことはできない。
        この不利な現行制度のもとで、敏腕弁護士はいかに闘うか-------。

        今までの法廷シーンとは、ひと味もふた味も違った駆け引きも臨場感があって、最後まで飽きさせない。

        スパイとしてシェリダンの事務所に送り込まれたFBIの女性職員との恋愛エピソードも、プロット的に違和感もなく、シェリダンの気高いキャラクターを印象づけていて、実に読ませるんですね。

        あらためて、バリー・リードという作家の並々ならぬ力量を感じさせる作品でしたね。

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        2019/04/11 by dreamer

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出版年月 - 1996年3月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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