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1996年4月発行の書籍

人気の作品

      すべてがFになる

      森博嗣

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 森博嗣さんは、元国立大の助教授で工学博士と名乗っている"理系"の作家さんだけあって、そっち方面の用語が沢山出てきます。
        "真性"文系の私は、読んでると私の頭に?が積み重なっていったが、ストーリーを追う分には支障がなかったので、そのまま放置して読み通しました。

        私は松本清張をはじめとして、社会派推理小説を読むことが多かったので、この作品のような典型的なパズラー小説はなかなか新鮮な感じがしました。
        といってもこの作品が書かれたのは1996年でもうかれこれ20年もたっているんですね。

        登場人物の真賀田四季という天才工学博士がなかなかのキャラで、謎解きよりも
        このキャラの謎めいた人間離れした所が印象に残りました。

        森さんは本書を含むS&Mシリーズ(このシリーズだけでも10冊)ほか、Vシリーズ、スカイ・クロラシリーズなど、かなりの著作があるので、少しずつ読めたらなぁと思います。
        >> 続きを読む

        2017/11/09 by Reo-1971

      • コメント 1件
    • 他4人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      蒼穹の昴

      浅田次郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね!

      • 私の好きな作家のひとり、浅田次郎の「蒼穹の昴」(上・下巻)を本棚から取り出しては、何度も読んでいますが、この作品は著者初の本格的な歴史長篇小説で、渾身の大作と言っていいかも知れません。

        物語は、占星術師の予言を信じて宦官となった貧農の子・春児と、科挙に優秀な成績で合格した郷紳の庶子・文秀という二人の青年の人生が、そのまま清朝末期から近代へという歴史の嘔吐・転換・再生といったものを映し出す、多重的な構造で進められていきます。

        内に皇帝派と皇后派に分かれた朝廷内の抗争、外からは列強の強圧を迫られる大国の苦悩は、作中で李鴻章が香港咀嚼の期限を1997年までと提起する場面に明らかなように、優れて現代的な歴史の見取り図になっていると思う。

        その中で、クリオの顔さながらに、さまざまな表情を見せる西太后以下、宇宙という言葉の意味を教えてもらった御礼に、命を捨てて、梟雄・袁世凱暗殺に失敗した王逸を助ける少女・小梅、許婚の誇り高き死を瞼に刻み込む春児の妹・玲玲ら、有名無名の幾多の登場人物が躍動する。

        そして、王者のみが手にする龍玉の伝説と、芸術の力で神ですら救えぬ人間を救うべく、海を渡って来たジュゼッペ・カスチリョーネの挿話は、それぞれ、天が人に与えし運命と、その運命を超克しようとする人間の意志の象徴ではないかと思う。

        著者は、両者の振幅の中に、この世に万人の求めてやまぬ幸福はあるや否やという、大いなるテーマを設定しているのだと思う。


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        2018/02/16 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      るろうに剣心 - 明治剣客浪漫譚 - 巻之十 御剣の師弟

      和月伸宏

      集英社
      4.0
      いいね! su-kun
      • るろうに剣心 第10/28巻

        折れてしまった逆刃刀。武士の魂で有る剣を失った剣心に迫りくる刺客。

        志士雄配下の十本刀に招集がかかるが、早くも1本折れる辺りがガッカリ。

        この手のストーリーは、常に新しい敵を用意せざるを得ない展開になることは理解できるものの、十本刀と聞くと、ベタな展開だなぁと思わざるを得ない。

        キン肉マンしかり、北斗の拳しかり。
        少年誌では、余りにも使い古されたパターンに思われてしまう。

        そんな中で、良かったのは青空一家。と比古清十郎。

        青空一家では、伊織が文句なくかわいいし、殺伐としつつ有るストーリーの中でホッと一息つかせてくれる存在になっている。

        比古清十郎は、まだ良く分からないけれど、既に最強と思われていた剣心が、まだ奥義を伝授されていなかったという設定はなかなか見応えが有るように思う。

        彼も相当な人気キャラのようでは有るが、第一印象は良くない。
        王子っぽいルックスが好きでは有るのだが、彼の場合はもはやマントの域。
        幾らん何でも、あんなヤツはいないだろ...(笑)

        頑なに逆刃刀しか持たない剣心。ただ、今後、最強の敵との対峙のために、設定上、逆刃で無い刀を持つ日を残している気がしてならない。
        >> 続きを読む

        2012/10/07 by ice

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      西風のくれた鍵

      アリソン・アトリー , 中川李枝子 , 石井桃子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 1996年刊。再読。
        読み終わった後に不思議な余韻の残る童話が六編おさめられている。英国の作家アリソン・アトリーの手による物語は、作者が育った環境からごく自然に生まれてきたように思う。

        深い森に囲まれていれば、ピクシーの存在も身近に感じられるだろう。「ピクシーのスカーフ」「妖精の花嫁ポリー」のピクシーたちはそれほど悪さをしない。
        強く吹く風に擬人化された意志を感じることもあるかもしれない。氷の王女を探す北風の話「雪むすめ」、不思議な謎かけをする西風(ゼファー)と少年の物語「西風のくれた鍵」。
        一年に一度現われる年老いたスパイス売りに礼を尽くした娘が幸せになる「幻のスパイス売り」は原書のタイトルになっている。出てくるスパイスの香りを知らなければ、これほど感動できたか疑問に思う。古代ローマの宝を手にした「鋳かけ屋の宝もの」も楽しい。
        時の流れと不思議な世界を自由に行き来したような読後感を味わった。

        個人的には「幻のスパイス売り」が圧巻で訳書のタイトルもそうであったらと思うが、本書の対象年齢からすると、スパイスが何かわからないと読んでもらえないかなとも思った。でも、「西風のくれた鍵」はかなり哲学的だとも思うのだが。


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        2017/09/22 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      笑いと治癒力

      松田銑 , CousinsNorman

      岩波書店
      カテゴリー:内科学
      4.0
      いいね!
      • 人間の持つ不思議さ。
        病は気からとは、よく言ったものだと思う。
        免疫細胞を活性化させるには・・・だけでなく、リフレッシュや、身体的なエネルギーまで、本当に「笑い」の持つ力は偉大なものだと再認識。

        しかし、6年半前にも一度読んでいたのだが、その時は、どうやってこの本にたどり着いたんだろうか・・。
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        2016/04/12 by けんとまん

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    • 2人が本棚登録しています
      私語辞典

      柳美里

      朝日新聞出版
      2.0
      いいね!
      • 何とも後味の悪い本。

        一言でいうと、「私語は慎みなさい」

        でおます。
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        2013/09/16 by ごまめ

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    • 1人が本棚登録しています
      男の真剣勝負

      津本陽

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:日本
      4.0
      いいね!
      • 様々な時代、様々な立場の偉人伝。

        16名ものエピソードを取り上げているのだが、極めて内容は濃い。

        偉人達を紹介した歴史モノとカテゴライズされそうだが、示唆に富んだ自己啓発モノという側面も大きい作品である。

        興味の有る偉人達が多く含まれているという個人的な話は有りつつも、それそれ非常にキャラの立ったエピソードなので、読み物としても十二分に楽しめた。

        戦国武将、将軍、大名、不遇の浪人、大商人、剣豪、文明開化の立役者など、立場は違えど、まさに真剣勝負で人生に臨んでいる姿は、人を惹きつける。

        少し苦手意識の有る津本氏作品だが、多少読み進めるのに時間を必要としたものの、途中で何故か読むのが辛くなるという現象は起こらなかった。

        男惚れするような先人達に脱帽し、奮い立つ。。
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        2011/12/15 by ice

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    • 1人が本棚登録しています
      はみ出し銀行マンの乱闘日記

      横田浜夫

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:金融、銀行、信託
      4.0
      いいね!
      • 銀行の支店長が、自分の権限だけで女性にお金を貸して、自分の愛人にする場面が出てくるけど、本当にそんなことできるのかなぁ(*´-`)
        できるとしたら、やってみたいなぁ(///∇///) 
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        2013/11/08 by Wotapa

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      ブルーもしくはブルー

      山本文緒

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 「あの時、もう一つの選択をしていれば…」
        そういう経験は誰にでもあると思う。

        この本の主人公は、過去のある時点で二人の相手を同時に好きになり、一方と結婚した。しかし、思っていたような幸せな生活はやってこなかった。そんな時もう一方と結婚したもう一人の自分と出会う。どちらの自分も今の生活に満足していない。二人はお互い入れ替わる事を決意する。

        結局どの選択をしても苦悩はつきまとう。
        隣の芝生は青く見える。
        しかし、自分の環境が悪いのではない。
        環境を変えれない自分が悪いのだ。
        自分を見つめ、悪い所を反省し、改善しなければ、どの選択をしても同じような結果が待っている。
        今の生活に満たされないと後悔するなら、自分を変え今の生活を良くしていく努力が必要なのだと思う。
        >> 続きを読む

        2011/08/25 by Iris

      • コメント 8件
    • 12人が本棚登録しています
      蒼穹の昴

      浅田次郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      •  ん~・・・なんだかなぁ・・・
        上巻はとっても面白かったのですが、
        下巻は正直イマイチでした。

         壮大なスケールにくわえ状況設定や描写もじつに上手で
        さすがの筆力です。
        でも上巻のように読者を引き込むというか、
        乗せていく波のようなものを感じない。
        少なくとも私はそう思いました。
        読者にそう感じさせてしまっては、
        どんなに素晴らしく巧みな文章でも、
        娯楽作としては失敗です。

         下巻は読めば読むほどに
        物語の内包する不条理性が悲しくなります。
        皇帝陛下なんか かわいそ過ぎて読むのが辛くなります。

         本作には続編が2作品あるのですが、
        私が読むことはないでしょう。
        >> 続きを読む

        2015/02/02 by kengo

    • 2人が本棚登録しています
      金田一少年の事件簿

      天樹征丸

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 警視庁捜査一課「剣持警部」の弟がやっているスキー場のペンションを訪れた「金田一一」と「七瀬美雪」
        しかしスキーの最中に遭難し、運良く近くのペンション【ロッジ・シルバーウッド】に辿り着き、そこにいた人々の好意から泊めてもらう事に。
        彼らはネット通信で知り合った、ミステリーサークル【電脳山荘】のメンバーだった。
        しかしその日のうちに、メンバーが一人また一人と殺害されていく。

        ミステリー小説の王道でもある、吹雪の山荘が、今回の事件の舞台です。

        ネット通信上で知り合い、今日初めて顔合わせをするサークルメンバーが、犯人【トロイの木馬】の手により、次々と殺害されていきます。

        見事な推理力で追い詰める「探偵・金田一」と、巧みな話術で最後まで犯行を認めない「犯人・トロイの木馬」との最後のやり取りは迫力満点でした。
        >> 続きを読む

        2019/07/26 by ゆずの

    • 4人が本棚登録しています
      家栽の人

      魚戸おさむ

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 主人公は花の好きな裁判官の物語です。高校時代に読んだ漫画ですが、少年を信じ続けるというか「この子にとって裁きを与えるのではなく、再生のためには何をすればよいか」という想いが伝わってきます。最終回では「君は決してひとりじゃない」というメッセージが心に残っています。また年を取るにつれて、人間が植物を生かしているのではなく、植物に人間の早さを合わせることの大切さが少しずつわかってきたような気もします。ですから成長過程にある子どもや少年、そして青年に成年が・・・というよりも自分以外の人の時の流れの早さに合わせることが人間関係の構築にも必要なのではと今は感じます。私の原点となっているひとつの作品です。 >> 続きを読む

        2014/04/10 by tetyu

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    • 1人が本棚登録しています
      佐武と市捕物控 (1) (小学館文庫)

      石ノ森 章太郎

      4.0
      いいね!
      • 20年くらい前?に読んだ『佐武と市捕物控』
        イベントにかこつけて再読。
        短篇5話
        あまりにも久しぶり過ぎて内容忘れてるので(笑)
        新鮮な感じで読めた
        ただ…老眼になったもんで字が小さいのが…(;^◇^;)ゝ
        江戸情緒たっぷりの大人の漫画って感じ
        当時はなんとも思わなかったけど
        今、読んでみると実験的なシーンっていうのかな?
        結構、斬新な表現の仕方だったんだなってのが多いw(*゚o゚*)w
        佐武と市の関係もいいね、
        いい相棒だよ(´ー`*)ウンウン


        因みにこの『佐武と市捕物控』
        昔々、白黒アニメで観た記憶があるんだよね
        で、子供心に面白かった!!って印象が残ってるヾ(≧∇≦)〃

        若い下っ引きの佐武と、
        按摩を営む盲目の市(居合斬りの達人)が江戸の殺人事件を解決
        治安を守るために戦う(。+・`ω・´)キリッ


        ▼第1話/隅田川物語:偽金作り
        ▼第2話/端午の節句:夫の勘違いによる悲劇
        ▼第3話/氷の朔日:市の目の手術に御家老の氷室の秘密
        ▼第4話/晩い夏:誘拐される娘たち、出世に目がくらんだ兄
        ▼第5話/狂い犬:夏の暑さ、金づるを見つけた食い詰めの浪人


        この時の佐武は岡っ引きの下の下っ引き。
        >> 続きを読む

        2020/01/15 by あんコ

    • 1人が本棚登録しています
      佐武と市捕物控

      石ノ森章太郎

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • この本は2003年6月に読んでるのでそれ以来!!w(*゚o゚*)w
        内容綺麗に忘れてるので(笑)
        新鮮な感じで読んだ、短篇6話。
        当時の江戸の状況が
        説明とともに描かれてるので時代背景が分かりやすい。

        解説に文化文政期のお江戸八百八町に、
        佐武の縄が飛び、市の居抜きが悪を切る!
        歌舞伎、
        読み本、
        大相撲など当時の風俗を巧みに織り込みながら、
        情緒豊かに「情と業」の複雑な人間模様を描く!って
        書いてあるけどその通りの内容。(´ー`*)ウンウン


        ▼第1話/刻の祭り:佐武の過去、佐平次親分と市との出会い
        ▼第2話/闇の片脚:大切に育てられたゆえに女というものが分からない
        ▼第3話/椋鳥:酒樽に放り込まれた毒と酒蔵の一部始終
        ▼第4話/年の関:惚れた女のためだった…
        ▼第5話/めでたさも中位なり江戸の春:年始の出来事と叶わぬ想い
        >> 続きを読む

        2020/01/17 by あんコ

    • 1人が本棚登録しています
      俺の考え

      本田宗一郎

      新潮社
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.0
      いいね!
      • タイトル通り、本田さんの考えが綴られている本。

        もう60年ほど前の本なのに、本田さんの考えは今の世の中にも通じる素晴らしいものだと思う。

        中身のない風習などに流されることなく、しっかり考えて大局を見極めている。

        例えば新入社員に向けて、「まず諸君は今日以降は、大学卒業したことを頭の中から消してもらいたい。大学に学んだかどうかということは、すでに過去のことなのだから、本田技研の社員となってからは関係のないことなのだ。」と言ったエピソードがある。

        確かに社会に出てみると、その人が過去に何をしてきたかということはあまり仕事に反映されていない気がする。

        他にも納得させられる考えやエピソードが多数ある本だった。

        また、言葉から彼の人格もよく伝わってくる。

        よく経営の著名人にありがちな、「地道にひた向きに真っ直ぐ」はもちろんあるのだが、それだけでなく「陽気なおじちゃん」のような朗らかで憎めないような雰囲気がある。

        こんな人の下で働いたら楽しいんだろうなぁ。

        社会人の方には是非とも読んで頂きたい1冊。
        >> 続きを読む

        2020/06/06 by 豚の確認

    • 1人が本棚登録しています
      ローマ人の物語

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      5.0
      いいね! KATTS
      • 現代ヨーロッパでも英雄のカエサル、超かっこいいです。
        前作と合わせてお勧めの作品です。古今を問わず理想のリーダー像についても考えさせられます。 >> 続きを読む

        2012/05/16 by KATTS

      • コメント 1件
    • 4人が本棚登録しています
      凍える牙

      乃南アサ

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「深夜のファミリーレストランで突如、男が炎上した。数日後、ベイエリアに無惨にも咬み殺された死体が。二つの事件を追う警視庁機動捜査隊刑事・音道貴子の前に想像を超える野獣が姿を現した・・・・」

        完全な男社会である警察組織のなかで女性蔑視や偏見に耐えながらも事件を追う女刑事

        よかった。
         

        直木賞受賞作品。
        >> 続きを読む

        2013/01/21 by バカボン

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    • 3人が本棚登録しています
      天の川の太陽〈上〉 (中公文庫)

      黒岩 重吾

      5.0
      いいね!
      • 古代史を揺るがした歴史的大事件の壬申の乱。この壬申の乱を題材に、雄大なスケールと独自の史観で、その時代に生きた人間群像を渾身の筆で描いた、黒岩重吾の第14回吉川英治文学賞受賞の長編古代歴史小説「天の川の太陽」、とにかく歴史的興奮とこの中で織りなされる人間模様に魅せられて、一気呵成に読了しました。

        658年11月初旬、南紀の湯につかる大海人皇子は、今頃は兄の中大兄皇子に抱かれているであろう、かつての恋人、額田王に想いを馳せ、自分の不甲斐なさに腹をたてていました。

        中臣鎌足と共に蘇我蝦夷、入鹿父子を倒し、権力を握った中大兄皇子は、次々と政敵を葬り、権勢を維持していきます。この非情な兄に警戒心を抱く大海人皇子は、兄に追従し、律令国家建設に尽力する中臣鎌足らに協力する一方、自己保身のため、地方豪族との結束を強めていきました。

        その後、百済からの要請に応じて参戦した白村江の戦いに敗れた中大兄皇子は、唐の襲来に備えて近江への遷都を決意し、即位して天智天皇になります。

        一方の大海人皇子も皇太弟として認められますが、天智天皇の実子の大友皇子を次代の天皇へと目論む天智天皇に、次第に疎んじられるようになっていくのでした----。

        この歴史小説が書かれた1970年代の半ば頃というのは、戦後の高度経済成長がそろそろ方向転換を強いられつつあった時で、ちょうどその頃、"古代史ブーム"が訪れ、民俗学の柳田国男の再評価や、ディスカバージャパンという流行語が生まれていった、そんな時代でした。

        その"古代史ブーム"の口火を切ったのは、昭和47年、奈良県明日香村の高松塚古墳における、"彩色壁画"の発見だったと思います。

        そして、実は、かつてその高松塚の上で戦時中に軍事教練を受けていたのが、この「天の川の太陽」の作者である黒岩重吾だったのです。

        この不思議な因縁のある事実に強い衝撃を受けた、黒岩重吾の古代史ものは、彼が語っているように、「まず七世紀までの歴史が曖昧模糊としている先進国がどこにあろうか」と自らに問いかけているところから始まっているような気がします。

        そして、この古代史ブームは、本当の意味で我が国古来の歴史や文化など、この時代から生まれた人々の英知を知ろうとする日本民族独特の"知的欲求"の所産ではないかと思います。

        そうした一方で、彼は、「人生四十五年であった古代の人々は、絶えず死と接しており、その意味において、古代人はしらける、などということを知らず、生きている間は全エネルギーを生に向けていた」と、現状批判を込めた発言もしているのです。

        作者の黒岩重吾は、同支社大学の予科を卒業後、法科に進むと同時に学徒出陣で北満に送られ、国境地帯でソ連軍と戦い、決死の逃避行の末に帰国しますが、重病に冒されてしまいます。以後、彼は闘病生活をよぎなくされ、その闘病生活の中から、自ら人間の赤裸々な姿や生命力の凄まじさを体験していくことになるのです。

        彼の直木賞受賞作の「背徳のメス」に代表される主人公が、"人間の恥部や欲望"をバネにして生きる姿は、このような作者自身の苛酷な体験に裏打ちされているのだろうと思います。

        したがって、黒岩重吾の古代史ものには、古代の人々の闘争の中に、人間が本来持っている、"生のエネルギーの原点"を見据えよう、という発想があるのだと思います。

        そしてまた、戦後の皇国史観からの解放によって、"人間の根源的なエゴイズムやバイタリティー"を、それまでタブーとされてきた古代の歴史の中に"普遍化"する事も可能になったのだと思います。

        そして、この作品の注目すべきだと思う点は、日本国内の壬申の乱を扱っていながら、"大陸への視点"をしっかりと描き出している事だと思うのです。

        この当時は、倭国と百済、新羅、高句麗という朝鮮三国との交渉が、密接に行われており、特に百済との関係が深く、その百済の滅亡後、再興の動きが起こり、救援を求められるも、白村江の戦いで敗北し、その打撃が国内政治にも影響を及ぼすというように、外部からの視点が、実にうまく生かされている点も画期的だったと思います。





        >> 続きを読む

        2016/10/02 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      星界の紋章

      森岡浩之

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • アニメの商材を扱っていたときに気になっていたタイトル。アニメも未鑑賞。図書館でふと本を見つけて読んでみようと思ったのが動機。1巻目はふとしたきっかけで貴族となったジントと帝国の王女でありながら、兵士として軍艦に乗っていたラフィールとの出会いが主な話の筋。SF小説らしく、ルビの入った単語は始め非常に読みずらいが、慣れてくると読みやすくなった。脱出中に立ち寄った貴族の館(惑星)で思わぬ足止めをくらったジント達。どう惑星から脱出するのか?。続きも読んでいきたいと思う。
        >> 続きを読む

        2017/09/21 by おにけん

    • 2人が本棚登録しています
      猫弾きのオルオラネ 完全版

      夢枕獏

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 楽器として「猫を弾く」という爺さんに驚きました。
        そんなイマジネーションに感心したもんです(懐)
        たぶん中学生のときに1980年代初頭に初めて読んで感激した本でした。
        宮沢賢治どころではないと思った。

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        ぼくが初めてオルオラネ爺さんに会ったのは、初雪が降ったある冬の晩のことだった。酒の好きな三匹の猫を連れ、もしゃもしゃっとした髪も、長いあごひげもまっ白なその老人は、猫たちを楽器のようにつま弾き、美しい妙なる調べで、人々の心を魅了してゆく―不思議な老人と猫をめぐる物語を抒情感豊かに描きあげ、夢枕獏の原点とも称される、ロマンチック・ファンタジイ全七篇を収録する『オルオラネ・シリーズ』完全版。
        >> 続きを読む

        2018/11/17 by motti

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出版年月 - 1996年4月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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