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1996年8月発行の書籍

人気の作品

      分身

      東野圭吾

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 本屋で始めにこの本を手に取ったときは、どのような話だろうかと内心ワクワクしていました。「分身」という言葉さえ知らなかった私ですが、漢字の組み合わせとカバーの写真で何となく予想はつきました。実際に読んでみて、意外にも面白かったです。
        >> 続きを読む

        2017/04/28 by SM-CaRDes

    • 他5人がレビュー登録、 45人が本棚登録しています
      重耳

      宮城谷昌光

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 優秀な兄と弟に比べて、パッとしない次男坊、重耳。教育係の郭偃のアドバイスが功を奏し、祖父称もようやく重耳の実力に目を向けはじめて、中巻が楽しみ。クライマックス翼城攻めは大迫力。影から重耳を見守る存在の狐突も、これまたかっこよすぎです。 >> 続きを読む

        2015/03/08 by 長元坊

    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      死国

      坂東真砂子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 東京での生活に疲れたイラストレーターの明神比奈子が休養も兼ね
        20年振りに小学校時代を過ごした四国の矢狗村に戻ってきた
        一番仲の良かった日浦莎代里に会えるのを楽しみにしていたが
        莎代里が18年前に事故死したと聞いてショックを受ける
        日浦の家を訪ねると莎代里の母・照子は喜んで迎えてくれた
        日浦の家は口寄せ巫女の家系で
        照子は比奈子に莎代里を生き返らすために
        死んだ歳の数だけお遍路を左側から回る〝逆打ち〟をしたと告げる
        照子の狂気に驚く比奈子
        そして参加した同窓会で初恋の人文也と再会
        文也との恋の予感に浮かれるが
        文也は文也で常に誰かの視線を感じていた。

        莎代里と比奈子と文也で行った「死の谷」
        文也と2人で久しぶりに「死の谷」に行くと
        泥の中から突如湧き出て来た緑の石柱

        やがて比奈子も視線を感じるようになり……
        恐ろしい出来事が始まる



        死んだ人間が現れるのは恐ろしいけど…
        やっぱり生きてる人間の念が一番恐ろしい
        照子の日浦の血に対する執着
        娘が死んだ事より血が絶えてしまう事の方が恐ろしい
        婿養子ので文也の叔父にあたる康鷹はただの種馬扱い
        康鷹が莎代里を抑え込んでるのも気に入らない
        ここまで血筋に拘るのも
        土地柄、家柄のせいなんだろうなぁ~とは思うけど
        血が途絶えたってのが狂気の始まり

        莎代里も莎代里で文也に対する執着が凄い
        まだ15歳、思春期の時に亡くなったからこその想いか?


        東京の恋人にも見切りをつけ
        これからの生活を文也と…と思う比奈子
        文也も比奈子との生活を思い描くも
        自分の心の奥底の感情には蓋をできなかっし
        康鷹は莎代里の執念を抑えきれなかったんだね
        怖い、怖い((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル



        比奈子は東京での生活でパンチを受け
        矢狗村に戻ってきてもパンチを受け…
        ダブルで痛い思いをしたものの
        これが生きる事の証しと捉えてるので
        まだ前を向いて行けるのかな?



        四国の成り立ち
        石鎚山と死の谷
        生者と死者


        四国は死国…
        土着信仰や口寄せなど、これぞ日本独特のホラーって感じ。
        方言もまた物語の雰囲気を盛り上げてる

        >> 続きを読む

        2019/06/17 by あんコ

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      半神

      萩尾望都

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.8
      いいね!
      • 凄い作品だー・・・。これ、漫画ですよ??

        今日は週に一度の通院の日。待ち時間何しようかな?と思った時、「そうだ!半神読もう!」と思って読み始めたら止まらない止まらない。危うくお昼ごはん食べ損ねるとこだった。

        もう、ひとつひとつのお話が深い深い。

        基本SFなんだけど、全ての話に哲学的な描写が有って、漫画なのに高尚な文学作品、偉人伝のような崇高な作品を読んでる感じになった。

        確かに、短い!よくあの頁数で纏ったなあ・・いやあ、正に脱帽、感服。


        一番印象に残ったのは「偽王」。この展開に次ぐ展開は圧倒的。

        その他のお話もほんと陳腐で在り来りな言葉しか出てこないけど、凄い。面白い。

        基本こういう作品は普段読まないのだけれど、この作品」には出会えてよかった。

        いやあ、ほんとに凄い作品だった。


        未だ虚脱状態から若干抜けだせないでいます。はい。
        >> 続きを読む

        2015/07/28 by 澄美空

      • コメント 8件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      同級生

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 妹の身体が病弱になったのは、身勝手な大人たちのせいだと知った主人公が、その大人たちへの復讐を誓うつぶやきから始まるストーリー。
        ただ、主人公の復讐とは関係のないストーリーがラスト近くまで展開するので、少し拍子抜けをしてしまった。
        特に主人公の高校生らしい心情描写が良いだけに、ストーリーのプロットが残念に感じた。
        あと、主人公の子どもを妊娠したことがきっかけで事故に遭って亡くなってしまった級友の運命が可哀そうというか、可哀そうに感じるような扱いが気になった。
        >> 続きを読む

        2015/08/01 by kenji

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    • 他1人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      蛇を踏む

      川上弘美

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 公園で蛇を踏んだら、蛇が女の姿になって、自宅へ居座ってしまう「蛇を踏む」。主人公は大して動じることもなく、ちょっと困ったな、くらいにしか思っていない。

        日常と非日常が溶け合う世界観が好きだ。
        疲れてこわばった心をほぐしてくれる。

        一緒に収録されている「消える」と「惜夜記」も良かった。

        どの作品も書き出しの一文に吸引力がある。
        物語の世界へ引きずりこんでくれる。

        p119「いくら注いでもコップが一杯にならないと思ったら、コーヒーだったはずの液体が、いつの間にか夜に変わっているのだった。」
        >> 続きを読む

        2014/08/23 by seimiya

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      残糸の曲〈下〉 (朝日文芸文庫)

      陳 舜臣

      4.0
      いいね!

      • 敬愛する作家・陳舜臣の長篇小説「残糸の曲」(上・下巻)を読了。

        この作品は、大正末から盧溝橋事件にいたる日中交渉史を背景に、日中両国の血を受けた主人公の波瀾に富んだ歩みをたどったものです。

        主人公の関修平は、日本と中国の血を受けた人物で、幼い時は日本人として育ち、大正末年に小学校を卒業する直前、実の父である中国人貿易商の家庭に引き取られ、今度は中国人としての環境で成長するといった経歴を通して、日中両国の問題を個人の立場でどう受け止めるかを求めていきます。

        勉学のため中国へと渡った修平は、民族の自治と独立を志す人たちと接し、また西北地区への旅の途中、匪賊に捕らわれて、そこを脱出するといった経験もする。

        そして、日本へ戻ってから父のあとを継ぎ、家業を再建し、思想問題や恋愛を体験し、さらに商用で渡った上海では、政治運動の渦に巻き込まれ、革命陣営に身を置くが、死の商人から買い上げた武器を倉庫ごと爆破する計画に一役買い、その爆破直前に、その倉庫にいた姉や子供を救出するため、大怪我をしてしまうのだった。

        この事件を通して、彼はやっと自分自身の"根"を見い出すことが出来るんですね。

        この作品の表題の「残糸の曲」というのは、修平の本当の父が日本の恋人に贈った別れの五言絶句からとられていますが、これは唐代の有名な詩人・李賀にも「残糸の曲」があることから、この題名にこだわって付けたとも言われているんですね。

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        2018/05/05 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      プロレスス-パ-スタ-列伝

      原田久仁信

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 意外に面白い(笑)

        2011/06/13 by RZ350

    • 1人が本棚登録しています
      創竜伝

      田中芳樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 竜泉卿へ辿り着いた四兄弟。彼らは自分たちのルーツを解きあかそうとするが、牛種たちの妨害があり……。


        今回、敵である青年が牛種に体を乗っ取られてしまうんです。
        敵とはいえ、「いい気味」と思えるほどの人物ではなかったのでちょっと後味が悪いかなぁ、と。

        けど、それ以上に怪女・小早川奈津子のインパクトが大きいのでぶっとびますけど(笑)
        小早川奈津子の紹介文「愛と正義の美女戦士」って元ネタ絶対セーラームーンだよなぁとか思って読んでました。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/313/】
        に感想をアップしています(2011年1月のものです)
        >> 続きを読む

        2014/07/17 by hrg_knm

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      重耳

      宮城谷昌光

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 驪姫の言いなりになる詭諸があまりにもだらしない。周囲の臣が右往左往しながら申生の延命を願う一方、当の申生はまったく融通がきかないので、読んでいてため息が出てしまう。「孝」は難しい。孤突や里克など、臣下たちのそれぞれの生き様が心に響く。 >> 続きを読む

        2015/03/08 by 長元坊

      • コメント 1件
    • 5人が本棚登録しています
      重耳

      宮城谷昌光

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 周りの部下が放っておけないような、優柔不断で頼りない面を持つ、それが重耳の魅力の一つで、完璧なヒーローよりもかえって人間味が感じられる。重耳に付き従う臣下たちがそれぞれいい味を出していて、とくに介子推は忘れがたい登場人物の一人になった。 >> 続きを読む

        2015/03/08 by 長元坊

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    • 6人が本棚登録しています
      殺人ダイヤル9999 (講談社コミックスフレンド)

      御茶漬 海苔

      3.0
      いいね!
      • 絵のタッチも含め、楳図かずお的なホラー短編集。

        道端に落ちていた謎の携帯電話。
        着信に応答すると、9999番へのダイヤルで殺人を請負うと言う。

        好意を抱いていた男子をデートに誘った友人が羨ましく、軽い気持ちで依頼の電話をすると対価として指を一本要求される。

        依頼通り実行される処刑。
        しかし、謎の携帯電話を拾ったところを目撃された別の女子から関与を疑われ、彼女を新たな標的として依頼するが延々と止まらない依頼の連鎖。

        最後はついに好意を抱いていた男子を標的とするが…

        人体真っ二つ!的なバカバカしいグロさは有るが、リアリティの無い画風が全くストレスを与えない。

        たまには、こんなベッタベタのホラーも面白いかも知れない。
        >> 続きを読む

        2015/06/27 by ice

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    • 1人が本棚登録しています
      さらば愛しき大久保町 (電撃文庫)

      田中 哲弥

      3.0
      いいね!
      • お人好しでのんびりした性格の主人公像はシリーズ三部作の完結編である本書によって洗練され極端になった。『大久保町は燃えているか』に出演した河合・山口・西畑の設定が前作と異なっているのは残念。前作のラストでヨーロッパに渡ってから色々あって本作で侍従になっていた、と安易に設定しなかったのは、この人を食った筆者ならではの「わざと」なのだろう。軍事や機械の知識をひけらかさず、さらりと扱っているのも鮮やかである。タイトルと裏表紙イラストの意味には読み終えてから気づき、ニヤリとさせられた。真紀ちゃんと看護婦は怖い。 >> 続きを読む

        2014/10/05 by joco

    • 1人が本棚登録しています
      海風通信 カモガワ開拓日記

      村山由佳

      集英社
      4.0
      いいね!
      • 著者がかつて住んでいた、千葉県鴨川市での生活を綴ったエッセイ。
        (確かもう今は住んでいないはず・・・)

        一般的には鴨川と言えば京都であり、
        千葉の鴨川と言えば辛うじてシーワールドが知られている程度。
        首都圏なのに人口は3万人程度。
        東京までは電車で2時間もかかる、そんな田舎町。
        そこをあえて選んで住むことにした理由とか、そこでの生活が語られている。

        が、ほとんど鴨川そのものの話はない。
        もう少しいろいろ出てくるかなー、と思っていたが
        大半は畑の話だ。
        確かにここまで庭いじりを楽しめるなら
        鴨川は多分すごくいい場所に感じることだろう。

        町の紹介はほとんどないけれど、
        随分楽しそうに書いてくれてどうもありがとう、といったところ。
        ちょっとこんな暮らしにも興味はあるが、絶対続かないので読んで楽しむだけにしておこうと思う。
        >> 続きを読む

        2011/12/12 by bambi

    • 1人が本棚登録しています
      神の火

      高村薫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 高村薫の「神の火」は、スパイの過去を持つ混血の元原子力研究者が、父の死を契機に再び血腥い諜報戦に巻き込まれていくという、重厚なスパイ小説。

        原発襲撃シーンなどの活劇描写も存分に盛り込まれているんですが、主調はあくまでもスパイの物語なんですね。
        それも、ジョン・ル・カレも真っ青の読み応え十分の人間ドラマに仕上がっていると思いますね。

        一方、主要人物たちが愛憎半ばする情念で、互いに深く結ばれていることも見逃せないですね。
        彼らの隠れ同性愛的な絆が、この話をよりドラマティックに盛り上げているといったら言い過ぎかもしれないが、その独特な男の世界の捉え方が博覧強記的なディテールの描写とともに、高村小説ならではの持ち味となっていることは確かだろうと思う。

        国家や政治に虐げられた人々の苦痛を解放する象徴的な行為として、原発襲撃が描かれている点で、この小説は活劇ミステリとして極めてユニークな作品となっていて、全編を通しての迫力には脱帽せざるを得ませんね。

        >> 続きを読む

        2018/04/17 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      大江健三郎小説

      大江健三郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 掲載作品
        「万延元年のフットボール」「走れ、走りつづけよ」「生け贄男は必要か」「狩猟で暮らしたわれらの先祖」「核時代の森の隠遁者」「父よ、あなたはどこへ行くのか?」「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」「みずから我が涙をぬぐいたまう日」

        「万延元年のフットボール」
        主人公蜜三郎の友人が、頭と顔を朱色の塗料で塗り潰し、肛門に胡瓜をさしこみ、縊死した。蜜とその妻菜採子に出来た子は重い障害を持っており、その子は施設に預けた。心が病みかけている二人はたまたま蜜の弟の鷹四に誘われ、新しい生活を郷里の村で暮らすことになる。
        村ではその昔、万延元年には蜜の曾祖父の弟が指揮した一揆があり、さらに戦後には、蜜らの兄のSが村の朝鮮人襲撃により命を失った、という2つの大きな事件があった。
        蜜と鷹がそれらの事件の事について話すと、内容にかなりの食い違いがあった。蜜は鷹は記憶を良いように作りあげていると感じていた。
        ある日鷹は曾祖父の弟のようなリーダーになろうと、村の若者を集めてフットボールを始める。
        その後、町にあるスーバーマーケットを鷹四率いる村の青年たちが占拠し、村の者たちで共同経営しようと計画する。
        しかし、そんな占拠も長くは続かず頓挫し、その後鷹四は猟銃で自殺してしまう。
        しかもその後菜採子が妊娠していることが判明。その子は鷹四の子であった。
        鷹四の死を契機に、蜜と菜採は施設に預けている子、お腹にいる子の4人で新しい生活をしようと決意する。

        鷹は妹に対する自責の念(妹を自殺に追い込んだ)と、それを償おうとする2つの気持ちの間で引き裂かれそうになっていた。
        蜜も弟を理解してあげたい気持ちと、弟のする行動への嫌悪との複雑な感情を持っていた。
        蜜と妻の間にも施設の子供の件以来、言いようもない感じの障壁が出来てしまっていた。
        しかし、万延元年の一揆を模倣したような、スーパー占拠などの行動を起こす鷹の気持ちに促されるように、まず菜採の気持ちが変わっていき、蜜もまた、鷹の死そして万延元年の一揆の新たな事実を知ることにより、鷹の行動する意思を受け継いでいこうと決意したのであろう。
        最初には登場人物たちの複雑な感情が入り交じっていたが、それが鷹の行動と、万延元年に村に残された見えない意思のようなものが働いて、入り交じった紐が一本のまっすぐなものになったのだ。
        >> 続きを読む

        2017/10/12 by Reo-1971

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      日本人と日本文化

      司馬遼太郎 , KeeneDonald

      中央公論新社
      カテゴリー:日本史
      4.0
      いいね!
      •  あまりにも話が噛み合いすぎる対談はつまらない。火花を散らす罵り合いは不要だが、相手が打ち返しにくいところを互いが狙う、ちょうどテニスや卓球のラリーのような応酬を読者は期待する。そして、プレイヤーは名選手が好ましい。嶋中鵬二の尽力により、司馬遼太郎とドナルド・キーンという、まさに夢の対談が一冊の文庫本になった。テーマは「日本人と日本文化」、本のタイトルの通りである。
         近ごろ、日本人や日本の文化について興味が湧いてきた。宮本常一の『忘れられた日本人』や、山本七平の『日本人とは何か。』などを読みかえし、ありふれた後悔とありきたりな感慨に耽っている。こういう本は難しいと悟ったわたしは、いいかげんに読んでも面白そうな対談本を引っ張り出してみた。戦略的な判断でしょ、読書とは、つねに撤退と進路変更の繰りかえしなのだ。
         えーと、内容の紹介は簡潔に済ませますね、触れたい話題がひとつあるので。とくに読み応えがあったのは、第三章の「金の世界・銀の世界」、第四章の「日本人の戦争観」、第六章の「日本にきた外国人」、それから、第五章と七章にわたって繰り広げられる「日本人のモラル」である。
         「日本人のモラル」のなかで、儒教をめぐり司馬さんとキーンさんが論争する。キーンさんは儒教の影響がいまだに根強いと主張し、司馬さんはそれに反対した。どちらも主張を譲らない。このやりとりが面白かった。わたしはどちらでも構わないが、日本人の儒教観といえば思い出すことがあって、それは実父から儒学の影響を受けた永井荷風である。え、芸妓遊びに熱心だった荷風が儒教?と思う方に朗報です。儒教の教えは厳しく、男女関係にとてもうるさいが、玄人女とはいくら遊んでも大丈夫らしい。ああ、わたしが荷風に憧れる所以はこれか。よし、ぼくも儒者に鞍替えしよう、儒学万歳、なんちゃって。
        >> 続きを読む

        2015/03/22 by 素頓狂

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      コールド・ファイア

      大久保寛 , KoontzDean R

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • ディーン・R・クーンツの長篇小説「コールド・ファイア」(上・下巻)を読み終えました。

        読み終えての率直な感想は、いかにもクーンツらしいテーマや道具立てが詰め込まれた作品だなということですね。

        「命綱」という言葉が閃くや、不可思議な啓示に導かれるまま事故や犯罪の現場に駆け付け、死すべき運命にある人々を救うスーパーマンさながらの主人公。

        一歩間違えば、ギャグにしかならないような着想を大真面目に展開し、あれよあれよという間に、読む者を術中に取り込んでいくクーンツお得意の筆法は、今回も見事に功を奏していると思う。

        主人公に関心を抱き、いつしか恋に落ちる女性記者。両者の夢に現われる不気味な風車と怪物の謎。異星生物らしき存在との不可解な交信。

        そして、大文字で書かれるべき「善」と「悪」との戦いという基本設定-----あまりに定番すぎて、最初のうちは、またかという風に思いながら読んでいたのですが、ところがどっこい、この作品でのクーンツは、後半部でかつての「ファントム」や「ハイダウェイ」などで既に使用済みのテーマや道具立てを、全く意外な角度から引っ繰り返してみせるという荒技に挑んでいるんですね。

        その手際の鮮やかさには、驚嘆してしまいましたね。

        >> 続きを読む

        2018/08/30 by dreamer

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      病院で死ぬということ

      山崎章郎

      文藝春秋
      カテゴリー:医学
      5.0
      いいね!
      •  読書ログでは表題が
        「病院で死ぬということ」となっていますが、
        本作はその続編
        「続・病院で死ぬということ - そして今、僕はホスピスに」
        です。
         
         こうやって書くと
        著者はこれから死に瀕していく患者のようですが、
        そうではありません。
        むしろ真逆。
        回復がほぼ難しい末期がん患者たちの治療 というか
        最後の期間をいかにその人らしく過ごしてもらうか
        ということに心を砕いて向き合う医師が、
        実際にホスピスでケアにあたった経験をもとに
        書き綴ったものです。
         
         前作を読み終わってから7年。
        いつか読もうと思って本棚の肥やしになっていたものを
        このたび手にとって開いてみたら、
        なんだかあれよあれよという間に読み終わってしまいました。
         
         誰もが避けては通れない
        親しい人たちの、そして自分自身の「死」ついて、
        とても考えさせられる本です。
         
         必ずしも悲惨な話ばかりではありません。
        だからといって美談でもありません。
        飾られない「死」と向き合った人たちの物語と
        それらに対した著者の想いが収められています。
         
         楽しかったり面白かったりする読書ばかりではなく、
        たまにはこういった作品を読んで
        ちょっと命などについて考えてみることも必要ではないでしょうか。
        本書はそういった契機になる一冊だと思います。
        そういう期待もこめて★5つとさせていただきます。
         
         ちなみに著者には
        本作以降の経験をふまえて書かれた
        ほかの作品もあるようなので、
        いずれ手にとってみたいと思います。


        >> 続きを読む

        2015/07/25 by kengo

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      薄紅天女

      荻原規子

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
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      • 勾玉シリーズで初めて男の子が主人公。
        こちらも前作とは独立した話です。
        勾玉一つでこんなことも出来たのかと驚きました。
        こちらも歴史上の話を元に作られており、
        坂上田村麻呂も出てきます。
        なのでそこらへんの歴史を軽く知っておくと面白いです。
        >> 続きを読む

        2012/05/10 by sky

    • 5人が本棚登録しています

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