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1996年10月発行の書籍

人気の作品

      人面瘡

      横溝正史

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 読み始めて何作目かの短編集。女の恨みって恐ろしい。

        2018/01/27 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      Slam dunk

      井上雄彦

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • バスケ漫画の歴史に残る名作です。

        今まで読んできたバスケ漫画の中ではもちろん、全ての漫画の中でも1番だと思っています。

        バスケ経験者、未経験者問わず楽しめると思います。

        特に最後の試合、そしてラストシーンは何度見ても飽きません。

        全ての人に読んでもらいたい作品ですね。
        >> 続きを読む

        2015/05/20 by ありお

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      櫂 (新潮文庫)

      宮尾 登美子

      2.5
      いいね!
      • 川端康成の古都と同様に、宮本輝好きという人にこの本を薦めている記事を読んで読み始めたのだが、やや時代がかった文体が読みづらくて読むのをやめた。田舎で家がどうだこうだと、冒頭の30ページくらいでドロップした。 >> 続きを読む

        2019/05/29 by 和田久生

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ

      下条信輔

      中央公論新社
      4.0
      いいね!
      • 前半部分では、私達の日々の選択は自分が自覚しない要素によって左右されている、という事を様々な実験を例を使って説明しています。
        後半では、前半部分を踏まえて、犯罪を行った人間にどこまで罪を問えるのかという話に展開していきます。

        心理学についての本格的な本を読むのは初めてでしたが、上手く整理されていて、読みやすかったと思います。
        読み込めば、仕事や恋愛が上手くいかない隠れた原因が分かるかもしれませんね。

        中盤あたりの説明は長くてうんざりするけど、後で総括するので、飛ばしてしまってもとりあえずは支障無いです。
        >> 続きを読む

        2020/06/01 by ひな♪

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      千尋の闇〈上〉 (創元推理文庫)

      ロバート ゴダード

      4.5
      いいね!
      • 若くして大臣に抜擢された新進政治家のストラフォードが閣僚の座を追われたことに関する謎を、元教師のマーチンが解明していく物語。
        上下巻だが、まとめてレビューを書いていく。
        資料を手がかりに過去の謎を解いていくというスタイルは「時の娘」と似ている。
        骨太というか重厚なミステリで、これだけの分量をグイグイ読ませる筆力はさすがとしか言いようがない。
        幸田敦子の訳もとても読みやすく、やはりクイーンやカーの旧訳は訳者に問題があったのだと思わされた。
        閣僚のストラフォードと婦人参政論者のエリザベスとの恋愛模様を軸にして、物語が展開するのは、とてもスリリングである。
        政治をがっつりミステリに絡めるスタイルは、あまり読んだことがないので新鮮だった。
        しかし、エリザベスが中盤においてとらなかった行動には疑問を感じざるを得なかった。
        情報の裏を取るべきシーンで裏を取らないのは、物語の制約上しかたないことなのかもしれないが、根本的な頭の悪さを披露してしまっていた。
        途中でマーチンとイブの恋愛シーンがあり、濡れ場もあったのはびっくりした(ここまで露骨なのは最近では「イニシエーション・ラブ」ぐらいしか読んだことがない)
        美人局みたいな物語の進行は、わりと予想通りだった。
        しかし、それにしても、一度栄華を極めた人間が人生から転落し敗残者となる様は誠に哀れである。
        >> 続きを読む

        2020/05/14 by tygkun

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      氷の花たば

      アリソン・アトリー , 中川李枝子 , 石井桃子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 英国の作家アリソン・アトリーの童話集。
        個人的には、先に訳された『西風のくれた鍵』に比べると、お話の面白さがいまひとつという感じがする。フェアリー・テイルズの伝統は確かに息づいているのだが、設定が現代により近づいているようで、物語の世界にひたりきることができなかった。会話文の訳が少し硬い感じがするのも、楽しめなかった一因かも。

        >> 続きを読む

        2017/09/26 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      脳を育てる

      高木貞敬

      岩波書店
      カテゴリー:基礎医学
      3.0
      いいね!
      • 知識を得たら、専門書で知識を深める。
        脳を育てる
        ・問題に直面して逃げない
        →本を読むときに飛ばし読みは効果的である。それは途中で投げ出しやすくするリスクを抑えるからだ。
        しかしさらにレベルを上げるならば、数式や理解できないことを理解する努力をしよう。
        ・良い書物をよむ。
        →古典は表面だけではなく奥深い。
        ・情報の取捨選択
        ・未知への興味
        ・いい友人
        ・特技や趣味
        ・自分の意見をせいかくに伝える
        ・たくさんの人と話し合う
        ・歴史を学ぶ


        得ることはできているが、深めることができていない。

        知識を深めるとはどういうことだろう。
        >> 続きを読む

        2016/06/13 by ryochan333

    • 1人が本棚登録しています
      ピン・ポン・バス

      竹下文子 , 鈴木まもる

      偕成社
      5.0
      いいね!
      • やさしい雰囲気の絵と内容が気に入り購入しました。

        子供も気に入っていて毎日のように読んでいます。

        町中から山道まで、いろんな場所で人を乗せたり降ろしたり。
        日常のできごとですが、運転手さんの優しさに心が温まります。
        バス以外にも子供の好きな車たちがちょこちょこ登場。

        大きくなるまで楽しめると思います。
        >> 続きを読む

        2014/09/16 by oaemon

      • コメント 2件
    • 3人が本棚登録しています
      君はおりこうみんな知らないけど

      銀色夏生

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:詩歌
      4.0
      いいね!
      • 2~3行の短文の詩が多い写真詩集。
        発行が平成8年ということもあり、季節の花や風景の写真は今ほど鮮明ではないが、綺麗で物寂しい雰囲気がある。

        銀色夏生さんなのでやはり恋に関する詩が多い。
        どれもいい言葉ばかりだが、あまり直接的なものを例として挙げるとやはり恥ずかしい。
        そこで、それ以外で気に入ったものを2つ。
        詩のタイトルがないので、本文抜粋になってしまうが。


        「あなたを盾にして」

        人に頼ってばかり、人のせいにしてばかりなので、それを指摘されたような気がした。


        「精神統一
         それから
         一粒の砂のように軽く
         海の底のように静かに」

        イメージしてみると、なんだか落ち着く気がする。
        いつあるかはわからないが、精神統一する必要があるときはこの詩を参考にしようと思う。
        >> 続きを読む

        2015/02/26 by しでのん

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      ふたりをつなぐもの

      田中 章義

      3.0
      いいね!
      • 作者が、大学一年から五年間、「月刊カドカワ」(1992年12月号~1996年2月号)に
        掲載されたものをまとめた歌集。

        解りやすい歌でありながら、なぜか尖がる若さがみえる。

        青春ともいえる、斜に構えたみずみずしさがある。


        気になった歌は、

        幸せをかたっぱしから追いかけるあしあとも明日への接続詞

        幸せは目に見えなくて目に見えてオムレツの上のケチャップの顔

        他の誰かじゃわからないものひとつずつ増やしてゆこう僕らのパエリア

        どんなに小さな約束も呼吸していることを気づいてほしい土曜日があり

        一度離れたらもう二度と木には戻れない葉っぱは空のどこを見ている

        あかりのついた向かいのビルの部屋見れば東京の星座、空のみならず

        せつなさに耐えきれなくてアクセルを踏めばせつなさも加速しており

        ギリギリまで予定を入れずあけていた土曜日 具のなきシチューと思う

        客が一人でも五十人でも同じリズムで廻る観覧車を眺めておりぬ

        消しゴムは哀しからずやいつの日も消すことだけが役目だなんて

        行く場所より大事なものがあることを言わずにそっと拾ったどんぐり

        メニューの少なさが優しく思える夜もありマスターが出す塩の焼き鳥

        大切なこの一日のしっぽゆえ捨てずにしまおうライブの半券

        朝が来てベットを出てもまだ二つのまくら仲良くくっついており

        >> 続きを読む

        2018/08/07 by ごまめ

    • 1人が本棚登録しています
      魔天楼 薬師寺涼子の怪奇事件簿

      田中芳樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 薬師寺涼子の怪奇事件簿 シリーズ。

        警察のお偉方が集まった会場に現れた大理石の中を自由自在に動き回る謎の生物。

        あれだけ面白いと思っていたシリーズだが、アニメを離れ小説だけを考えると、そんなに面白くないような気がして来た。

        アニメ作品から入ったという珍しい作品。
        シリーズとしては「東京ナイトメア」に続き、2冊目として手に取った。

        この作品は何と言っても、感動的なほどアニメが気に入っている。

        小説でもマンガでもそうなのだが、動画も、とにかく飛ばし読みみたいな感覚で、細かいところにはこだわらずに、ストーリーを追って行くような観賞の仕方になってしまう。
        それでも、この作品だけは、絵の美しさ、世界観、(きっと)声優のクオリティと、全体的なレベルの高さを感じざるを得ない。

        その勢いで、前回はじめて小説版を読んだわけだが、今思えば、アニメ化された際にストーリーは知っていたし、脳内でアニメの再上映をしていたに過ぎなかったように思う。

        今回の話は、アニメ版では観ていないものだったため、あくまでも小説として向き合えたわけだが、あれ?と思うほど面白く感じなかった。
        もしかしたら、最初からアニメの原作として書かれたものなのかも知れない。


        表題作「摩天楼」に比べると圧倒的にページ数は少ないのだが、もう1編収録されている「さわらぬ女神にタタリなし」の方が面白かった。

        薬師寺涼子シリーズとしては珍しく、怪奇要素が押さえられた異色作なのだが、かえってこれくらいの方が誰にでも楽しめる塩梅なんじゃないかと思った。

        田中芳樹作品と言うことで気付かなかったが、もしかしたら(定義がよくわかっていないが)ライトノベルに分類されるべき作品かも知れない。
        >> 続きを読む

        2013/05/14 by ice

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      名探偵の呪縛

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 「名探偵の掟」で登場した天下一が再登場する2作目。

        その天下一が巻き込まれた架空の町で起こる事件。
        密室事件と消失事件を解決していくが、そこは本格推理という概念が存在しない世界。

        そして誰もいなくなったのように展開していくラストの章。

        ミイラの正体や、盗掘した真犯人。
        そして天下一がなぜこの町に巻き込まれたのか。

        東野さんの本格推理に対する思いが見え隠れする1作。
        >> 続きを読む

        2019/03/23 by オーウェン

      • コメント 1件
    • 16人が本棚登録しています
      カイジ 賭博黙示録

      福本伸行

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • カイジ 第2/全13巻

        終了時刻が迫る中、カイジが気付いた必勝法とは。

        ギャンブルをネタにするだけである程度のスリルは約束されるのに、更に敗者の生死までをも盛って煽って来られると逆に引いてしまう。

        引き続き、カードじゃんけん。

        極限状態の中での心理の読み合いが続く中、着々と近付く終了時刻。

        これまでは、チョキが2回続いた場合、次もチョキだと読むか読まないか。
        などという、心理戦のようで、そんなんきまぐれだろう!!と突っ込みたくなるような、どうでも良い場面が多かったが、カード枚数の残りが減るに従って、買占めなどの策が次々に登場して来る。

        とは言え、真面目ぶるつもりは毛頭ないのだが、やはりギャンブルに全てを賭ける心理がどうしても理解できない。

        負けてしまえば、もしかしたら生命さえも失ってしまうのが怖いと言うのはもちろんだが、仮に大勝利して巨万の富を掴んだとしても、それがそこまで魅力的に感じない。

        大富豪の家に生まれていれば、お金の使い方もわかるのかも知れないが、嗚呼小市民...
        >> 続きを読む

        2013/11/30 by ice

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      機巧の家 からくり人形館連続殺人事件

      哲郎

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      2.0
      いいね!
      •  「人形」作品を検索していて、からくり人形を題材としたミステリとのことで、興味を引き購入。
         あとがきによると、ミステリ作品は初で、学生時代に読んだ有名作品だけのイメージで描き上げたらしい。
         ミステリのツボを押さえている様で微妙に外している具合はそんな辺りが原因かしら。

         電話も通じず、道も閉ざされた陸の孤島で、からくり人形師の館で起こる事件を扱う。
         本格か社会派かで言えば、本格寄りではあるが、前述のとおり、ミステリファンが膝を叩いて喜んじゃうタイプの構成では無く感じた。
         しっかりまとまってはいるんですけどね。

         
        >> 続きを読む

        2019/11/28 by 猿山リム

    • 1人が本棚登録しています
      神鳥 イビス

      篠田節子

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 読み終わったもの備忘録。

        確かに朱鷺って、天然記念物で絶滅したばかりに悲劇の鳥になっているけれど、赤い脚はちょっと迫力あるよね。

        というところから、繰り広げられるミステリー。

        篠田節っちゃんお得意の怖さ。

        今ならCG使って、かなり怖い映画化ができそう(期待)

        男性に素直になれない主人公と、ガサツだけど優しい男の展開が少し古臭く感じるけど、そこがまたいい。
        >> 続きを読む

        2019/12/30 by 寺嶋文

    • 1人が本棚登録しています
      佐武と市捕物控

      石ノ森章太郎

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • ここまで読んだら全部同じ感想(笑)
        この本も2003年6月に読んでるのでそれ以来!!w(*゚o゚*)w
        内容綺麗に忘新鮮な感じで読んだ、短篇8話。

        出版社からのコメント通りの内容で
        文化文政期のお江戸八百八町に、
        佐武の縄が飛び、
        市の居抜きが悪を切る!
        歌舞伎、読み本、大相撲など当時の風俗を巧みに織り込みながら、
        情緒豊かに「情と業」の複雑な人間模様を描く!



        ▼第1話/叢雲(むらくも):普段は心の奥底に隠れている嫌な記憶
        ▼第2話/名月や池をめぐりて夜もすがら:たらい回しにされた首なしの死体とその裏にある計画
        ▼第3話/一重:天才と狂気、愛と憎しみ、表裏一体。
        ▼第4話/紅葉狩(もみじがり):男まさりの鬼姫
        ▼第5話/菊人形:老いに対する悲しみ、恐怖。老いと若さ。
        ▼第6話/だだぶだぶ:結果、ただ一つ、信じていたモノに殺された金貸し
        ▼第7話/針:針で人生が変わってしまった兄妹
        ▼第8話/北風のみち:なぜ自分だけがこんなに不幸なのか…愚痴と諦めと…
        ▼第9話/七福神:密室殺人と木彫りの七福神の謎
        ▼第10話/紅い捕縄:女中の5両の簪の秘密

        表現力が凄い(´ー`*)ウンウン
        忘れられない嫌な記憶や
        一つの事を突き詰めて周りが見えなくなる者、
        女心に
        不平不満や欲やら何やらと…
        心の中に潜んでるモノが描かれている
        >> 続きを読む

        2020/01/21 by あんコ

    • 1人が本棚登録しています
      佐武と市捕物控 (8) (小学館文庫)

      石ノ森 章太郎

      4.0
      いいね!
      • ここまで読んだら全部同じ感想(笑)
        この本も2003年6月に読んでるのでそれ以来!!w(*゚o゚*)w
        内容綺麗に忘新鮮な感じで読んだ、短篇10話。
        出版社からのコメント通りの内容で、
        文化文政期のお江戸八百八町に、佐武の縄が飛び、
        市の居抜きが悪を切る! 歌舞伎、読み本、
        大相撲など当時の風俗を巧みに織り込みながら、
        情緒豊かに「情と業」の複雑な人間模様を描く!



        ▼第1話/氷の罠:世間を騒がせた兄弟泥棒と狙われた市。義弟の付いた嘘。
        ▼第2話/黒い雪割草:惚れ合う武士と町娘。武士には親の決めたプライドの高い許嫁がいたが…自分の感情に嘘は付けない。
        ▼第3話/生首雛人形:見た目で幼少の頃からイジメられた少年の復讐
        ▼第4話/窮鼠は猫を(きゅうそはねこを):妬まれる佐武、早とちりの後から分かる真実
        ▼第5話/巾着きり:復讐と恋心
        ▼第6話/地獄門:必要とされなかった連れ子の嘘。捻じれてしまった心。
        ▼第7話/菖蒲(しょうぶ):勇気がなかったために付いた嘘と女の賭け
        ▼第8話/燕返し:理詰めでは分からない人の心
        ▼第9話/入梅穴(ついりあな):弟と比較されてた兄。心の隙間
        ▼第10話/かわうそ:本気になってしまった女と仕事と割り切り女と寝る男

        冴えわたる市の居合に
        一端の十手持ちに成長した佐武。
        怨み、嫉妬、道ならぬ恋に、秘めたる思い、
        不条理な出来事と人生の裏側10話
        >> 続きを読む

        2020/01/21 by あんコ

    • 1人が本棚登録しています
      関ケ原連判状

      安部 龍太郎

      4.0
      いいね!

      • 天下分け目の関ケ原の戦いを描いて、この時代小説作家・安部龍太郎の「関ケ原連判状」は、これまでにない物語性と史観、更には圧倒的な興奮を呼ぶ時代小説の傑作だと思う。

        物語は、東西両陣営の帰趨を制する前田家への密書の争奪戦を描く前半、細川ガラシャ夫人の死から細川幽斎の田辺城の籠城戦を描く中盤、そして関ケ原の合戦を目前に控えた朝廷工作が展開する後半へと、水面下における新たな戦国史の創造を画策しつつ、揺るぎない筆致で進められていく。

        著者にそれを可能たらしめたのは、田辺城をめぐる攻防が勅命による和議にこぎつけた時点で、既に合戦の雌雄は決していたという仮説であり、その仮説を裏付けるのが、本朝で唯一人「古今伝授」を司る男、細川幽斎の存在なのです。

        和歌の正統を継ぐことが、そのまま、天皇の正統性を保証するものであるならば、朝廷の動向は幽斎の掌中にあり、ここに関ケ原の合戦における皇室を抱き込んだ第三の陣営が現出することになる-------。

        この構成を紡ぎ出すために、著者が呻吟に呻吟を重ねた資料踏査の結果、前田利家の未亡人である芳春院をはじめ、これまで正史から顧みられなかった幾多の人物が屹立してくるのです。

        そして、古今集に秘められた死者たちの思いが、権謀術数をふるった幽斎よりも、故郷を持たない一介の武辺・石堂多門の胸に宿るラストまで、作品はこみあげる情を抑えて、なお広い懐を私に投げかけてくるのです。


        >> 続きを読む

        2018/02/17 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      歴史の舞台 文明のさまざま

      司馬遼太郎

      中央公論新社
      4.0
      いいね!
      • 司馬氏のエッセー集の中の1冊ですが、中国の元首相・鄧小平氏の以下の一節が印象的です。『日本は軍国主義の時代に中国に迷惑をかけたが、それはたかだか数十年だった。しかし中国はもっと大きな迷惑を日本にかけてきた。その1つは漢字であり、2つ目は「孔孟の教え(つまり儒教のこと)」である。特にこの儒教の方は、1,700年以上もの永きに渡り日本人の思考や生活態度等に大きな影響を与え続けてしまった。』鋭い中にも独特のユーモアが含まれた含蓄のある内容です。
        他にも異教徒(イスラム教)と司馬氏の友人である陶芸家との旅の中での「宗教」についてのやり取りを面白く描いた「友人の旅の話」等も非常に面白い内容です。
        >> 続きを読む

        2011/06/02 by toshi

    • 1人が本棚登録しています
      心中天網島

      里中満智子

      中央公論新社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 近松門左衛門の「心中天網島」・「女殺油地獄」・「鑓の権三重帷子」・「曽根崎心中」を里中満智子が漫画化していて、なかなか面白かった。
        江戸時代に本当にあった出来事がそれぞれ元になっているそうだけれど、それぞれ、主人公の男性のダメンズぶりに驚く。
        どうしてこんなダメンズに、そこまで女性が尽くしたのかがいまいち不可解だが、人生というのは、さらには人の心というのは、実に不可解なものということなのだろう。
        『春色梅児誉美』の主役の男性もかなりのダメンズだが、近松の心中モノの男性に比べればそれでもマシな気がしてくるほど。
        ただ、おそらくは、ダメンズのせい、あるいはそれに惚れたり親切にする女性のせいというだけではない、どうしようもないしがらみの多い江戸期の社会の仕組みとかも問題はあったのだろう。
        なかなか面白い、深い作品だった。
        人間というのはいつの世も罪深く、どうしようもない面を抱えているのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2014/03/08 by atsushi

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています

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