こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


1997年2月発行の書籍

人気の作品

      アインシュタイン150の言葉

      MayerJerry , HolmsJohn P , EinsteinAlbert , ディスカヴァートゥエンティワン

      (株)ディスカヴァー・トゥエンティワン
      カテゴリー:個人伝記
      4.5
      いいね! Tsukiusagi sunflower
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        わたしたちが体験しうる最も美しいものとは、神秘です。
        これが真の芸術と科学の源となります。
        これを知らず、もはや不思議に思ったり、驚きを感じたりできなくなった者は、
        死んだも同然です。
        >> 続きを読む

        2012/11/28 by 本の名言

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      走らなあかん、夜明けまで

      大沢在昌

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!

      • 大沢在昌の「走らなあかん、夜明けまで」のお話はごくストレート。

        出張で大阪を訪れた江戸っ子のサラリーマンが、到着早々、製品サンプルの入ったアタッシェケースを置き引きされ、後は延々とそれを追いかけて行く、典型的な追跡活劇だ。

        主人公の坂田勇吉は、著者のヒットシリーズの"新宿鮫"のようなカッコいいヒーローでは決してない。
        だが、そのどこにでもいそうな青年が出だしから犯人を追いかけて走り出すや、物語それ自体も一気に加速し始め、要所要所に用意されたエピソードを弾みに、さらにシフトアップしていく。

        そこで登場する敵味方双方の脇役がまたいいんですね。
        面倒見のいい元ヤンキー娘の真弓、強気になびき弱気をいたぶる、ありがちなチンピラのサンジ、そして無敵の喧嘩王ケンさん。
        彼らが振りまく大阪弁の啖呵は、まさに恰好の調味料といった塩梅なのだ。

        著者が「新宿鮫」シリーズのようなシリアスなハードボイルド活劇のみならず、この手の軽活劇を描いたこの作品は、高度な職人芸が発揮された作品として一歩抜きん出た感がある。

        いわば、ウィリアム・アイリッシュが得意とした青春タイムリミット・サスペンスの大沢版と言えるかも知れない。
        そして、この作品が、最後の心憎い一行まで我々読者をノンストップで引っ張ってくれるんですね。

        >> 続きを読む

        2018/11/24 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

      ブリジット オベール

      4.0
      いいね!
      • 【殺人者は一体誰なんだ?】
         本作は一風変わった構成を持ったミステリです。
         主人公はマーチ博士という医師の一家の家に住み込みで働いているメイドのジニーです。
         彼女は、こっそりと奥様のコートを着てみたりしていた際に、表地と裏地の間に隠されていた日記を発見してしまうのです。
         その日記は、なんと殺人を告白する日記でした。

         日記は匿名で書かれてはいましたが、自分はマーチ医師の4人の息子(四つ子なのです)のうちの一人だと書いてあるのです。
         ただ、その中の誰かを特定させないために、4人の息子それぞれの行動等について分け隔てなく書かれているため、ジニーは誰がこの日記を書いているのかが分からないのです。

         この作品は、ジニーが発見した殺人者の日記と、それを読んでしまったジニー自身の日記が交互に記載されるという非常に変わった構成で進んでいきます。

         ジニーは、この家の中に殺人者がいるということが怖いですし、また、それが誰なのか気になって仕方が無いので、隙を見ては新しく書かれる日記の続きを盗み読みし続けるのです。
         この殺人者は、幼い女の子の衣服に火を放って焼死させたという告白を皮切りに、女性ばかりを狙って次々と殺人を犯していることを日記に書き続けています。
         ジニーも、最初は日記に書いてあることが本当なのか疑いを持っていたのですが、ある殺人が報道される前に、日記にその犯行が書かれていたことがあり、これは間違いなく殺人を犯していると確信するに至ります。

         そして、殺人者は、どうも誰かがこの日記を盗み読みしているらしいということに気付き、さらには盗み読みしているのはジニーだと見破ってしまうのです。
         こうなるとジニーは自分自身の命を狙われかねません。
         ジニーは、自衛のために拳銃を入手し、また家から逃げ出すことを計画し始めます。
         しかし、交通機関のストが始まったり、大雪が降って交通機関がマヒしてしまったりでなかなか逃げ出すチャンスが無いのです。

         そうこうしているうちに、殺人者は日記の中でジニーに直接語り掛けるようになり、また、ジニーが使っている部屋にメモを差し入れるようになっていくのです。
         ジニーは、日記の筆跡と4人の息子の筆跡をこっそり比べてみたりもするのですが、どの筆跡とも似ていないのです。
         また、ジニーはこの際日記を盗んで警察に届け出ることも考えたのですが、実はジニーには前科があり、警察を恐れているのです。
         そのため、下手に日記を持ち出したりするとまた警察に捕まって刑務所送りになってしまうのではないかと恐れ、それもできずにいるのですね。

         そうなんです。
         実はジニーは教養のない、ちょっと考えの足りない女性であり、また、家の酒を盗み飲みせずにはいられないアル中でもあるのです。

         殺人者は、ジニーが気づいていることを承知の上で、これという女性に目をつけるとさらに殺人を重ねていきます。
         女性を殺害することに快感を覚えているのです。
         ジニーは、いつ自分が殺される番が回って来るかと戦々恐々としながらも、殺人者が狙いをつけた女性が殺されるのを何とか防ごうと考え、その女性に警告しようとしたりするのですが、ことごとく失敗してしまいます。

         この日記を書いているのは一体4人の息子のうちの誰なのでしょうか?
         ジニーは、知りえたことを整理するなどして考えをまとめようとするのですが、そのうち、もしかしたら日記には4人の息子のうちの一人などと書いているものの、実は父親が殺人者なのかもしれないなどと考えるようにもなります。
         あるいは、ちょっと分からない記述なのですが、日記を書いているのは女性だと思わせるようなジニーの気づきがジニーの日記に書かれていたりします。
         確かに、母親はちょっと精神的に病んでいるところがあるのです。

         さらに言えば、だんだん追い詰められていくジニーは、自分自身が殺人者の日記とジニーの日記の両方を書いているようなことまで書き始めるのです。
         ジニーの日記はどこまで信用することができるのでしょうか?

         本作は、殺人者は誰なのか? 本当に存在するのか? そもそもジニーは信用できるのか?といった謎が膨らんでいく巧妙な作品になっています。
         ラストは一ひねりも二ひねりもある結末になっていますよ。
         なお、巻末解説によると、『悪童日記』などを書いたアゴタ・クリストフが本作を含めた著者の作品を読んでいるということで、「なかなかよくできていて面白かった」との感想を述べているのだそうです。
         うまいこと書いたなぁと思わせる一作です。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/07/24 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      秋の花

      北村薫

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • シリーズ三作目で初めての長編、最大の謎を残して死ぬ人がでる。ミステリらしいミステリになっている。

        「私」は大学の三年になった。御馴染み正ちゃんが中性的な魅力で賑わしてくれる。

        「フロベールの鸚鵡」という本が出ましてね、その中に「紋切り型辞典」のパロディが入っています」
        「おやおや」
        「その紋切り型を引用するのは俗物の証明みたいなものだけど、ルイ・ブリエというフロベールの友達は胸のない子にこういったそうよ。《心のすぐそばまで近寄ることができていいじゃないか》」
        「そいつ、人がいいか、もの凄く嫌な奴かどっちかだね」(引用)

        《えぐれ》と私に言っておいて正ちゃんはあっさりと片付ける。


        近所に仲のよい二人組がいた。私は小さいときから知っていて、今では後輩に成長した。落語の「お神酒徳利」のようにいつも一緒でニコニコして入学の挨拶に来てくれた。津田真理子と和泉利恵。
        百舌の声がするようになった頃、利恵の蹌踉とした、魂が抜けたような姿を見る。
        夏休み前、恒例の大イベントだった文化祭の行事が中止になった、生徒会が主催する行事にこの二人も参加していたのだ。私も生徒会でその慌しさを経験していた。
        だが、津田麻里子が屋上から転落して死亡。文化祭は取りやめになった。
        そのショックからか利恵は不登校になり自分の中に閉じこもってしまった。

        利恵は幼い頃、秋海棠が咲く麻里子の家の垣根のところまで三輪車できて呼びかけて友達になった。揃って高校生になったとき、二人の軌跡は断ち切れてしまった、利恵の喪失感は絶望に届くほど深い。


        ポストに他殺を匂わせる教科書のコピーが投げ込まれた。麻里子の棺に入れたはずの教科書だった。

        私は円紫師匠の智恵を借りて謎を解いて利恵を救いたいと思う。

        犯人は誰か、どうして真理子は落ちたのか。


        私は思う

        ――「アヌイ名作集」のアンティゴーヌも「ひばり」の乙女ジャンヌも大人になる前にその生を終える。それでは生きながらえた時、少女の純粋はどうなるのか。しょせん、純粋は現実のあやうい影に過ぎないのか

        私の誕生以前に生まれた人の生は、見えようのない部分があるだけに無限に過去に広がっているように思える、しかし津田さんにはそれがない私は生の有限を突然目の前に提示され、それに戸惑ったのだ――

        卒論のテーマは私に決められた運命のように《芥川》と口に出す頃になった。作家論は誰を論じても自分を語ることだと言う意識がある。
        円紫さんに悩みと疑問をぶつけてみる。

        ――「ずっとこちらですか」ふと円紫さんがいった。
        人は生まれるところを選ぶことは出来ない。どのような人間として生まれるかも選べない。気が付いたときには否応なしに存在する《自分》というものを育てるのはあるときからは自分自身であろう。それは大きな不安な仕事である。だからこそこの世に仮に一時でも、自分を背景ぐるみ全肯定してくれる人がいるかもしれない、という想像は、泉を見るような安らぎを与えてくれる。それは円紫さんから若い私への贈り物だろう。
        ここは、未来を絶たれた、私よりもさらに若い子の町でもある。――

        珍しいことに扉に秋海棠の写真がある。文中の二人の少女が出逢った垣根の根元に咲いていた花である。淡いピンクの瑞々しい花で、薄紅色の細い茎が枝分かれして小さな花が下がり気味に咲く。
        昨年9月に三千院に満開の秋海棠を見に行った、私もなくなった友を偲ぶ花なので秋の初めになると落ち着かない。
        木陰や水辺を好み、ぎゅっと握り締めると 掌の中で水になって流れ出てしまいそうな花だが、文中では人を思って泣く涙が落ちてそこから生えた花だと書いている。
        北村さんは花の名前にも詳しい。

        この物語は、二人の少女に関わった私の後日談だが、二人の子供を持った母親の話でもある。悲嘆にくれながらも残った少女をいたわる、秋海棠は娘を亡くした母親の心を象徴する花でもある。
        >> 続きを読む

        2015/06/05 by 空耳よ

      • コメント 9件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ふしぎなナイフ

      林健造 , 福田隆義 , 中村牧江

      福音館書店
      5.0
      いいね!
      • 本屋さんでたまたま見かけて「おもしろーーい!!」と私が一目ぼれ。
        こんな本こそ、子供のうちに読んであげたいと思い、即購入しました。

        折れたり、割れたり、とけたりする不思議なナイフが
        見開きでとってもリアルに描かれています。
        シンプルなんだけれど、面白い!

        私の予想では、娘も喜びそうだなぁ♪と思っていましたが・・・
        当時、2歳10カ月くらいの娘。
        折れてしまったりするナイフを見て「ナイフが壊れちゃったね…」と残念そうな表情・・・!!
        予想外ではありましたが、そんな娘が可愛くて思わず笑ってしまいました。
        本当にシンプルで文字も少ないので、今では娘が私に読み聞かせをしてくれます。

        普段からおススメ絵本などをネットなどでも探してみることが多いのですが、この本はあまり有名ではないのか、たまたまなのか、見たことがありませんでした。偶然な出会いに感謝です。

        いつもと違った面白い絵本を探している方がいたら、ぜひおススメします☆
        >> 続きを読む

        2018/10/30 by chao-mum

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      気分は小学生―百石小学校四年竹組留学記 (今ここに生きる子ども)

      斎藤 次郎

      5.0
      いいね!
      • まず大人が子供として学校に行くという題材が面白く、またエッセイ方式で子供の心理の推測など書かれていて読みやすかった。 >> 続きを読む

        2014/05/20 by sh11083

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      尼僧ヨアンナ (岩波文庫)

      イヴァシュキェヴィッチ

      3.0
      いいね!
      • 17世紀フランスの史実を元に舞台をポーランド北部に置き換えたエクソシストのお話とのことだけど、ファンタジー的な要素が多分に含まれている。
        スーリン神父の後日譚が知りたいかも。
        >> 続きを読む

        2015/02/22 by げっち

    • 1人が本棚登録しています
      街道をゆく 街道をゆく〈39〉 (朝日文芸文庫)

      司馬遼太郎

      朝日新聞出版
      カテゴリー:日記、書簡、紀行
      4.0
      いいね!
      • 「ハリスの墓」に記載された、タウンゼント・ハリス(幕末時のアメリカの外交官)の日本滞在中での苦労話や、伊豆下田に済んでいる頃の「唐人 お吉」とのいきさつ、あるいは「ブルックリン橋」にまつわる話、ユダヤ人の老婆の話等が特に興味深い。ちなみに本書は、このシリーズ唯一のアメリカ紀行です。 >> 続きを読む

        2011/06/09 by toshi

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています
      句あれば楽あり

      小沢 昭一

      4.0
      いいね!
      • 小沢昭一さんて、”スケベなおじさん”というイメージがありましたが、もう亡くなられてるんですね。20年も前の古いエッセーでした。

        ウィキペディアには俳優、タレント、エッセイスト、俳人とあります。句会に集まるお友達とワイワイ楽しく馬鹿話&俳句作りをされてたようです。父よりも歳が上の、世代が違うおじさん達のお話なので、エッセイとしてはいまいちでしたが、俳句はけっこう本気?で楽しまれてたようです。小沢さん、ウィキに「俳人」と紹介してもらってますよ~。

        ワタシは初心者なので、みなさんの句を読むと「上手いもんだな~」「目の付け所がいいよなあ」などと感心しきりです。何年も続けてればワタシの句もそのうち深みが出てくるのかな~、どうかな~。

        小沢さんの言われるように、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」で行きましょうかね。(下手な鉄砲は数打っても当たらない、とも言われてましたが)


          これからが丸儲けぞよ娑婆遊び   一茶

        ですね。

        人間は遊ぶために生まれてきたんだそうです。遊びましょう。楽しみましょう。



        高杉晋作の辞世の句を思い出した。

          面白き事もなき世を面白く (すみなすものは心なりけり)

        ほんとそうです。
        面白いと思えることのない世の中を、面白く生きるもつまらなく生きるも自分の心持ち次第。



          しあわせはいつもじぶんのこころがきめる (相田みつを)

        ですね。
        冷静に客観的にこの世を観るならば、執着する(できる)ものはひとつもない。自分の物などひとつもないのです。このろくでもない世の中です(Bossの宇宙人も言ってる)。みんな寿命が尽きれば死ぬのです。良いも悪いもない、たかが人生。

        されど人生。自分が楽しもうと思いさえすれば楽しめるのです。今ここを楽しむ。楽しんで自分の心を高めていけば、きっと次のあの世もいい人生(人間ならね)になる。そのうちなる。いつかなる。
        ・・・今楽しまなくていつ楽しむの。もったいない。



        うん、俳句楽しもう!
        >> 続きを読む

        2016/11/29 by バカボン

    • 1人が本棚登録しています
      王朝序曲

      永井路子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 私の大好きな作家で日本の歴史を透徹した史眼で解釈する、幾多の優れた歴史小説を著している、永井路子の長編歴史大河小説の「王朝序曲」を久し振りに再読しました。

        それまでにも、「雲と風と」「この世をば」など、永井路子の歴史小説には平安時代を描いた一連の長編小説がありますが、この「王朝序曲」は、それらの作品の一つの新しい要とも言うべき、"平安朝とは一体、何であったのか"というテーマに本格的に挑み、一つの解答を示した渾身の力作だと思います。

        この作品の最大の読みどころは、何といっても、従来、律令国家から王朝国家への転換と考えられて来た平安朝というものに対する捉え方に、彼女なりに意義申し立ての疑義を提示した作品であると思うのです。

        平城京から長岡京、そして平安京へと度重なる遷都の中で、嵯峨天皇が打ち出した方針は、この世の全てを否定し尽くさねばならなかった、偉大な父・桓武帝の姿を見て来て、自らが政治というものから一定の距離を置いて、乖離するという事でした。

        ここに、権威としての天皇、権力としての政治を司る藤原冬嗣という、両者のつかず離れずの体制、すなわち、現在の"象徴天皇制"のルーツが生まれる事になったのだと思います。

        永井路子の筆は、この極めて"日本的な王権"がスタートするまでの"権力と愛憎の相克"を、藤原冬嗣・真夏兄弟、桓武帝・後の嵯峨天皇になる皇太子安殿、最澄と空海、あるいは藤原薬子といった平安時代を彩る、多彩な人物像の中で、抑制された冷徹とも言える筆致で描いているのです。

        そして、一方では、政治の中に組み込まれた"怨霊の系譜"や、互いに反目し合っている様で、実は"合わせ鏡"となっている栄華に踊る人々の、"栄枯盛衰"の様をも、実に巧みに捉えていて、永井路子の透徹した史眼の鋭さに唸らされます。

        永井路子の歴史小説は、永井史観とワクワクする様な物語性の双方を堪能する事が出来、彼女の言葉として出て来る、約四百年続いた"平安王朝の華麗さと矛盾"という言葉の中に、明らかに現代史への怜悧で透徹した視座が実感出来る、長編歴史大河小説の力作だと思います。

        >> 続きを読む

        2016/09/26 by dreamer

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      海の短篇集

      原田宗典

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 夏の外国、海。

        12篇、それぞれ10頁ほどのショート・ショートです。
        元々はラジオ放送用の原稿として書かれたもので、それを本にするため大幅に加筆されています。

        短い文章の中で、情景がはっきりと浮かんできます。
        私、夏はキライなんですよ。汗かくし。
        なので南の島へも行きません。
        暑いなか外に出なくても、その場にいるような読書体験が出来たので満足です。

        この短篇集ですが、海にまつわる幻想的で不可思議なお話となっています。
        一つ目の「取り憑く島」から、引きこまれました。


        ―その島の森の奥には、"エニ"と呼ばれる悪戯好きな魔物が棲んでいるという伝説がある。
        エニに取り憑かれた者は、とにかく尋常ではない様々な奇行に及ぶらしい。


        言い伝えや島で出会った人たちの話が続いていきます。
        ラストは美しすぎる風景に心奪われます。

        一番おもしろかったのは「贋のビーチ」。
        男から買ったサングラスは、贋物だと赤く見えるものでした。
        自分の贋ロレックスの腕時計が真っ赤に見えます。
        この話のオチにくすっと笑ってしまいました。
        >> 続きを読む

        2016/06/26 by あすか

      • コメント 6件
    • 2人が本棚登録しています
      ゆうきまさみのはてしない物語

      ゆうきまさみ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      いいね!
      • じゃじゃ馬グルーミンアップを読んで以来、ゆうきまさみブームに突入した私は、遂にコミックエッセイにも手を出したのだった……!!
        というわけで読んだ感想。読むスピードは亀並みに遅い私だけど、コミックエッセイということで1日で読了。


        ゆうきまさみの作品って、漫画の中ではまったく思想的なことを言わない作家なんだけど、エッセイの中ではびっくりするくらいニュースとかに意見してるのよ、これが。
        雑誌ニュータイプに85年から96年まで掲載された分が収録されていて、宮崎事件や湾岸戦争、阪神大震災などにも言及されている。
        思想的にはやや左よりと言えるんだろうが、私はすごくバランス感覚に優れた人だと思った。やはり根はオタク気質なんだろうな。変に過激なことを言うというよりかは、「こう思うんですけど、どうでしょうか?」という程度の言い方が多い。押し付けがましさはあまり感じない(ちょっと感じるけど笑)。
        少なくとも変な人ではないと思うんだ。


        作中で自分でも言っているが、「エッセイでそんな政治的なこと書くならば、作品にぶつけるべきだ」なんてことを言われたこともあるらしい。
        まぁ掲載誌は当時は少年誌だし、作品にまで持ち込みたくないという思いもあったんじゃないかな。それはそれで正しいと思うし、ここまで世の中に不満を感じるなら、ゴーマニズム宣言のゆうきまさみ版を描いても良いんじゃないかとも思うんだ(考えてみると、初期のゴー宣に似ている)。



        >> 続きを読む

        2017/04/09 by れのお

    • 2人が本棚登録しています
      人の短篇集

      原田宗典

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 【・・・憧憬、懐石、恐怖、愛憎…。人間の持つ様々な心情を物語に凝縮させた掌編小説集。】

        ものすごく凝縮させてます。

        ハラダ君のエッセイは大好きだし、小説も「むむ、深い・・・」って感じのがけっこうあるけど、
        今回の短篇集は、「・・・って終わり!? 短っ」って思いました。
        少々こころが夏バテ(ボケ)でしょうか。

        私の中では「エッセイと小説とのギャップが大きい作家ナンバー1」です。
        明るいハラダ君と苦悩する作家原田宗典、明と暗、軽と重・・・

        やっぱりハラダ君はエッセイが好きだな。

        21ある話の中では「人を喰う本」「スタンドボーイの夢」が(何?)だった。
        >> 続きを読む

        2013/08/26 by バカボン

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      アジア亜細亜 夢のあとさき

      日比野宏

      講談社
      カテゴリー:アジア
      4.0
      いいね!
      • 各国ごとのエピソードが、それぞれ何かを考えさせるストーリーに仕上がっている。

        独自テイストで語られるアジア。こういうのも悪くない。

        グルメや貧乏旅行などという切り口が、このジャンルでは王道だと思うが、そういう画一的名切り口は一切持たず、それぞれがミニドラマに成り得るような読ませる話になっている。

        一見、各国の事情について、とくに触れられていないように感じるのだが、不思議なもので、読み終えると、その国について知ったような気になっている自分に気付く。

        結局、食文化など表面的なものだけでなく、更に深い文化の違いを感じるためには、その国の人と一歩踏み込んで交流する必要が有るということなのかもしれない。

        ストーリー性を求めず、もっと面白エピソードが欲しい。など、好みは分かれると思うが、たまにはこんな感じも心地良く感じる。

        挿入されている写真も多く、生き生きとした表情を眺めているだけでも楽しい。
        >> 続きを読む

        2012/06/18 by ice

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      蝶々の纏足・風葬の教室

      山田詠美

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 10代の、一般的に子どもだといわれる年齢の「大人びた」感性を描いたら山田詠美は天才だと思う。

        子どもらしい(とされる)子どもの厭らしさ・したたかさ・人間関係における細かな計算を
        「大人びた」感性をもつ一人語りの主人公が冷徹に見抜き、読者につきつける。

        山田的感性でいえば、私は何も分かろうとせずひたすら周りに合わせる単細胞な子どもだったし、
        大人になった今でも表面的な可愛らしさが子どもの特徴と思ってしまうような大多数の大人の一人だ。

        でも、子どもはただかわいいだけではない。
        本当は誰でも覚えがあるんだと思う。
        大人に気に入られようと子供らしく無邪気にふるまったり
        クラス内の序列によってあからさまに態度を変えたりする計算高さ。

        子どもの生活の中に当たり前にある、往々にして ないものとして扱われてしまいがちなそうした機微を丁寧に拾って
        大人びた子どもの目を通して語る本質を
        「そうではない人々」にも分かる言葉で描くことができる点で、
        山田詠美をすごいと思う。

        山田詠美自身が、こんなに鋭い感性を持っていたんだろうか。。

        子どものころは生きづらそうけど
        周りの影響に翻弄されることが普通の環境のなか
        「自分は自分」を貫けるならば、いくつであってもどこにいても
        素敵な人だろうなと思う。
        >> 続きを読む

        2014/06/11 by はるきち

      • コメント 4件
    • 10人が本棚登録しています
      怪物がめざめる夜 (新潮文庫)

      小林 信彦

      4.0
      いいね!

      • 小林信彦の「怪物がめざめる夜」は、四人の男女の夢想が、はからずも「現代の怪物」を生み出してしまう物語だ。

        主人公の中年の放送作家は、新聞記者の誘いにのり、恋人である雑誌の編集者や後輩の作家と共謀して、無敵のコラムニスト「ミスターJ」を創造する。

        予想を超えるマスコミの取材攻勢に、生身のミスターJを捏造する必要に迫られた彼らは、無名の芸人・神保登を北海道から呼び寄せるが、ミスターJとなった神保は、主人公たちから離反し、ラジオの深夜放送を舞台に、持ち前の毒舌で若者たちのカルト・ヒーローと化していった-------。

        この造物主に反逆する怪物という、まさに「フランケンシュタイン」以来の古典的なテーマを、著者の小林信彦は、大衆メディア社会の"恐怖物語"として鮮やかに蘇らせていると思う。

        そして、何より恐ろしいのは、電波や通信ケーブルに乗って、偏在する怪物の魔手に追い詰められていく主人公の恐怖体験が、すでに現実のマスメディアに乗った事件あれこれの「分身」に他ならないということだ。

        >> 続きを読む

        2018/11/01 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      東海道中膝栗毛

      土田よしこ

      中央公論新社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • なかなか面白かった。

        江戸時代の日本の庶民ってのは、こんな感じで、肩の力を抜いて、始終他愛もないことを言ったりしたりしながら、楽しく能天気に過ごしていたんだろうなぁ。 >> 続きを読む

        2014/03/19 by atsushi

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      世界の歴史

      山崎元一 , 樺山紘一

      中央公論新社
      カテゴリー:世界史、文化史
      3.0
      いいね!
      • 古代インドに関する歴史書。仕事で東インド(インド亜大陸の人)の人と接する機会がこれまで割とあり、前の職場では呑みニケーション対応(+秋葉原案内)で大体対応できていた為気にしていなかったのだけれど、今の職場で一時期常駐していた人との交渉に手こずっていた時期に、やはり文化背景をしっかり理解しておかないとコミュニケーションしきれないかもと思い購入。

        学生時代、東インドの人(インディアンというと米大陸の原住民を指す場合があるため、彼らは自身をeast indianと称していました)とはクラスメートだったりしたため、ある程度は理解しているつもりだったのですが、あるソフトの仕様に関する対応で対立した際、コミュニケーションに限界を感じてしまいまして読んだ本ですね。

        共通の言葉喋れればコミュニケーション取れるという人は割といますが、それは異文化に接したことがない人です。異文化を理解している人、もしくは異文化を許容できる人は実は言葉通じなくてもコミュニケーション取れます。

        なので、実践的言語教育においてはそれぞれの地域の文化や歴史も一通り教えるのですが、これの蒸留した先に行き着くのは今では人種差別的として教えられることのなくなった地政学です。ある特徴を持つ地域に住む人にはある一定の思考の傾向がみられることがあります(むろん個々人を見た場合に異なることは十分以上にあり得ます。というか個人を見た場合は傾向に当てはめると偏見となるので注意が必要です)。

        上記を動機として、人を理解するために読んだ本ですが、結構興味深いです。先住民の文明から始まり、アーリア人による征服とバラモン教の発生、それへの抵抗としての仏教の発生と伝搬、そしてヒンドゥー教への流れが、インドという土地での地理的位置関係等を含めながら説明されています。近代において受難の時期があった国ですが、古代からの流れを見ていても面白いです。ローマ帝国からも金貨がインドに向けて流れてその代りに織物とか香辛料が大量に流れていたようですし。
        でも一つ腑に落ちないのは、イスラムからの流れでのシク教とかマニ教の説明が少ないのはなぜ(古代だから出てこない?)?

        インドの歴史に興味を持った人にお勧めです。
        >> 続きを読む

        2013/03/10 by Shimada

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)

      コードウェイナー スミス

      3.0
      いいね!
      • コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズの短編集で、人類補完機構の成り立ちが明らかにされます。
        そのため、初めに年表までついていたりも。

        宇宙空間で孤独に襲われる設定はよくあるにしても、人間の内なる狂気が暴き出されるといった、宇宙の得体の知れなささが描かれる設定は、微妙にク・リトル・リトルめいていたりもする。

        ただ同じシリーズでも「鼠と竜のゲーム」の方が面白かったと思う。
        >> 続きを読む

        2015/06/27 by ミコト・T

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      決断 (ハヤカワ文庫NV)

      バリー リード

      4.0
      いいね!

      • 今回読了したのは、かつてシドニー・ルメット監督、ポール・ニューマン主演で映画化された法廷ミステリの傑作「評決」の作者・バリー・リードが、11年ぶりに書き下ろした「決断」。

        前作「評決」で医療過誤裁判に、自分の社会的な復権を賭けて挑んだ、アルコール中毒の弁護士フランク・ギャルヴィンが、この作品では五年後に見事に立ち直り、その手腕を高く買われてボストンの超一流の法律事務所の共同経営者として再登場する。

        毎日多忙を極めるギャルヴィン弁護士のオフィスに、駆け出しの女性弁護士ティナ・アルヴァレスが、アポイントメントもなしに訪ねてくる。
        訪ねてきた目的は、心臓麻痺や脳卒中を防止する絶大な効果を持つ薬品、ペニシリン以来の大発明だと言われているライオシンという新薬に関することだった。

        この薬の副作用で使用者に先天性欠損症のある子供が生まれている。
        それを隠蔽し、責任を取らない製薬会社に訴訟を起こしたい。
        しかし、相手は多国籍の大企業なので、新米の女性弁護士一人の力ではどうにもならない。

        ついては、今まで調べた資料を提供するから、自分の代わりに訴訟を引き受けて欲しいというものだった。

        一度は断ったギャルヴィンも、正義感と情熱に燃えるテイナに押し切られ、資料を読んでみることにする。
        確かによく調べてあり、容易ならぬ事態だと考えられた。
        そして、ティナの案内で、病院に入院している先天性欠損症の子供たちを見てショックを受けるのだった。

        彼女の集めたデータを検討した結果、事実であることを確認したが、あいにくこの製薬会社は、彼の事務所の重要な顧客だったのだ。
        そのために訴訟への協力を断ってしまうギャルヴィン。

        やむなくティナは独力で、ライオシンの副作用による被害の賠償を、製薬会社に請求する訴訟を起こすのだった。

        ギャルヴィンは、正義感から自分の恩師の老弁護士カッツに、彼女を助けてやって欲しいと懇願した。
        ところが、製薬会社は、ギャルヴィンの事務所に弁護を依頼してきたのだった。
        そのため、彼はティナと恩師を敵に回して、法廷で闘うことになってしまった。

        製薬会社側は、ライオシンの販売元がイギリス法人の別会社であり、自社は輸入会社にすぎないとして、訴訟の却下を申請した。
        カッツは、ティナに知恵を授け、却下申請を退け、あくまで初志を貫く不退転の覚悟で裁判に臨んだのだ-------。

        前半は、テイナの正義感による薬害訴訟と、あまり動きのない裁判の手続きに終始して少し退屈だが、後半に至ってこの裁判はイギリスに移っていき、俄然、面白くなってくる。

        訴訟の可否を左右する関係者が次々と不可解な死を遂げ、裁判の行方と並行してサスペンスが強まってくる。
        そして、ギャルヴィンの身辺にも裁判を妨害する動きがあり、彼も次第に製薬会社の対応に不信を抱き、追求していくことになる。

        その正義感に魅力あるギャルヴィン弁護士。
        その彼のラブ・ロマンスも、とかく硬く難しくなりがちな法廷ドラマの雰囲気を和らげていると思う。

        そして、裁判の緊張感を保ちながら、物語はクライマックスへと向かって突き進み、意外な結末が待っているんですね。

        >> 続きを読む

        2018/06/27 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています

出版年月 - 1997年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚