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東野圭吾
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面白い!
2018/07/02 by Cobomaru
三島由紀夫
三島由紀夫の隠れた怪作と言われた小説。これといった嫌な事があるわけではないのに突発的に自殺を図って失敗した羽仁男(はにお)は、自殺の手間すら億劫な“人生にやる気のない男”。そこで思いついたのが、「~命売ります~ライフフォアセイル」という広告を新聞の求職欄に掲載し、他人に自分の命を使ってもらう事だった。次々とやってくる依頼人。ゆるりと死を望む羽仁男は依頼人の「死んでしまうかもしれない」要求にまったく恐怖を感じない。覚悟を決めているというより、生きることにしがみついていない感じが、この物語の不思議な雰囲気を作っている。星新一の小説を読んでるような奇怪な世界。しかし、この話の肝になるのは、そんな羽仁男を急激に変えていくラストへの展開。切ないラストに何だか安心できたのはこうあってほしいと願いながら読んでたからかも。 >> 続きを読む
2019/01/28 by NOSE
島田荘司
御手洗の優しさが際立っている。主人公の恋人への愛情と御手洗との友情に感動させられる。島田作品特有の重厚感のある作品で個人的に好きな小説。 >> 続きを読む
2015/03/05 by わきや
江國香織
私は果歩にとっての静枝のような(静枝にとっての果歩のような)幼なじみの親友もいないし、ずっと心に住み続けてる昔の恋人もいないし、(遠距離の彼氏とセフレはいても)遠距離不倫の相手もいないけれど、2人やまわりの人が抱えた不安とかキモチのゆらぎみたいなものは共感できる。案外みんなおんなじようなことを考えて生きてるんじゃないかな? >> 続きを読む
2014/01/17 by 匿名
貫井徳郎
匿名化する若者たち、と聞いてさほど違和感はないが、書かれたのは1995年。ただ庇護してくれる家族であれば縁を断ち切るように逃げても構わないというのがまた甘えの極致のような気もする。倉持のキャラが憎めなくてかわいいなぁ。 >> 続きを読む
2018/06/02 by aki
川端誠
一回見ただけで覚えて言えたのが凄いと思った。
2015/11/21 by れおっち8
柴田元幸
【ちょっとヒネリの効いた短編集】 本作は、訳者の柴田元幸さんが、好きな作品をチョイスし、それを訳出して日本版エスクァイアに掲載したものをまとめた一冊です。 柴田さんの趣味全開ということなのでしょう。 選ばれている作品はどれもちょっとヒネリの効いた作品になっています。 何作かは別の本で読んだことがある作品も含まれていまして、それらについては再読させていただきました。 それではいつものように収録作からいくつかご紹介。○ 夜の姉妹団/スティーヴン・ミルハウザー ミルハウザーらしい幻想的な一編です。 ある町にはまだ若い少女達による秘密の少女団が結成されているという噂がありました。 その実体は謎に包まれているのですが、ある時、姉妹団に勧誘されたというエミリーという少女の告発記事が地元の新聞に掲載されたのです。 それによると、夜毎、姉妹団の中でどうもいかがわしいことが行われている様子です。 その後、その告発記事の中で姉妹団のメンバーだと名指しされた少女が睡眠薬自殺をしてしまいます。 そして、その後、別のメンバーだという少女の記事が同じ地元紙に掲載され、それはエミリーの告発記事を全く根も葉もない嘘であると弾劾するものでした。 しかし、実際のところはどうなのか? 大人達にはその実体がまったく分からないままなのです。○ 古代の遺物/ジョン・クロウリー ロンドンのクラブにおける法螺話的な一編。 サー・ジェフリーは、チェシャーで『不倫疫病』なるものが流行っているのだと主張するのです。 何ですかそれは? サー・ジェフリーは、自らがチェシャーに招かれた際の経験を話し始めるのですが、どうもチェシャーの農民の間では怪しげな女性(ネコ?)との不倫関係が多数結ばれているということのようなのです。 しかし、その農民達はおよそ不倫などとは縁が無さそうな男達であり、また、その怪しげな女性というのが全く持って正体不明なのです。 何でもエジプト絡みの話のようなのですが……。○ ラベル/ルイ・ド・ベルニエール ひょんなことから猫缶のラベル集めを趣味に始めてしまった男の運命を描きます。 何か趣味を持たなくてはということから何気なく始めたのが猫缶のラベル集めなのですが、それにのめり込むあまり、妻は家を出て行くわ、金は使いまくるわ、挙げ句の果てに猫缶を買うために海外に出向くために嘘をついて仕事を休んだことがバレて失職してしまうわ。 もうほとんどダメダメ状態になってしまうのですが、おぉ!起死回生の手があった!○ 北ロンドン死者の書/ウィル・セルフ 母を亡くした男が主人公です。 口うるさい母親でしたが、亡くなってしまうとさすがに堪えるもので。 最初の内は母が夢に何度も登場してきました。 しばらくすると母の夢を見ることはなくなったのですが、今度は町角で見かける女性が母親そっくりに見えてしまうのですね。 何度も母にそっくりだと思う女性に出会うのですが、よくよく見るとまるで似てなんていません。 やはり母親を亡くしたショックというのは大きいのでしょうか。 ようやく町角で母親に似た女性を見かけることもなくなり、自分も母の死を乗り越えられたのかなと思い始めた矢先、母が向こうから歩いて来るじゃないですか! これは間違いなく自分の母親なのです。 何で? 軽めの短編が多く集められており、全部で14編が収録されていますが、結構あっさりと読了できてしまうと思います。 シニカルで、ユーモアもあり、不思議さも備わっているような作品が多かった印象です。読了時間メーター□□ 楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK) >> 続きを読む
2020/05/26 by ef177
水野良
一番気に入っている本編最終巻のこちらにレビューを書いておきます。人気シリーズの外伝的な位置付けの本作ですが、私はこちらの方が好きです。「あなたこそ真の王だ」と後の戦記シリーズの敵となる魔女でさえも敬服したほどの主人公。作者の最初の思惑では六英雄を近くから描くための存在でしかなかった彼が、いつしか六英雄をも従えて最大の英雄となりそれ故に最大の破滅へと進んでいく物語が悲しいですが面白いです。一応、この後に5巻目があり、ちょこっとだけ救われます。 >> 続きを読む
2011/06/06 by RZ350
上遠野 浩平
ある日、Twitterを見ていたらこの作品が20年ぶり?にアニメ化されるとトレンドに上がっていて、「お?おもしろそー!読んでみよう!!」と思い某通販サイトを覗いてみたら品切れ中で、もしかしたら図書館にあるかな?と思い検索してみたらまさかまさかの在荷でひとりで狂喜乱舞して早速先日借りてきて今日読了…結局1日で読み終えてしまった…!内容はまあ、ファンタジーだね。ゲームっぽい感じでだけれど何処か中毒性があって早く続きが気になりページを捲る手が止まらない。確かにブギーポップは笑わないね。でも、正体不明のブギーポップとこの作品の世界で敵側に回るマンティコアとそれらの侵攻を阻止する謎の生命体エコーズ。これらに関わる、巻き込まれる形になった主人公たち。それぞれの思惑と感情が入り交じったとてつもない物語。SFでもあり伝記的な感じでもあり、ただ、一言…「すげーおもしれえ!」Twitterでちらっと見たけどこの作品はあの西尾維新やFateシリーズを生み出した奈須きのこなどに多大な影響を及ぼした伝説的な作品とあり、こりゃあ読まないといかんやろ!と思ったのもまた事実。久しぶりに貪るように本を読んだ…はぁ、楽しかった。この作品は初出が1998年だけと全然古臭さを感じない。寧ろ今出てもこういう作品あるよねー、面白いよねーと普通に言える自信がある!それくらい今の作品群の中にあっても遜色ないとも思います。(そりゃあ、伝説的な作品だもの、当たり前だろ!という突っ込みは心の中に押さえつけて、蓋をして。笑)因みにこの作品を借りる際に図書館で置いてある場所が分からなかつたのでカウンターで聞いたらご案内しますと言われついていったらがっつり児童図書の真ん真ん中で且つ子供たちがキャッキャッしている所だったので何も悪いことしていないのにやたらと焦り嫌な汗が流れてきたよね…めちゃくちゃ気まずい…子供たちの視線が痛い…繰り返しになるけど何にも悪いことしていないのに…笑というすったもんだの末に借りてきた作品だけれどとても楽しませて貰えました!アニメも今からどんな感じになるか楽しみ♪♪今回も良い読書が出来ました!あと、確かに読み終わって考えてみるとFateシリーズのキャラクター性や名前とかこの作品の影響もろに受けてるな〜とひとりでニヤニヤとしてしまったことを付け加えておきます(笑) >> 続きを読む
2018/03/26 by 澄美空
三嶋輝夫 , 田中享英 , Plato
「クリトン」を読みました。「ソクラテスの弁明」のその後、という感じですね。合わせて読むのがおすすめです。とても読みやすくて、面白いです。(kindleで藤川大雪さんの翻訳で読みました。なぜか検索できません。)クリトンはソクラテスに死刑の判決が出たことに納得できず、脱獄を勧めますがソクラテスはそれは義に反することとして受け入れません。そしてクリトンに、法を無視して脱獄をすることは、いかに悪法であってもできないということを対話によって納得させるのです。やはり、賢い人はちがいますね。考え方が冷静で、理性的。信念がしっかりしている。「なんだってそんなに大衆の思わくを気にする必要があるんだい。考慮に値するのは優れた人物の思わくだけだ」本当に優れた人とは?(私は、優しく思いやりがあり物事を平和的に解決できる能力を持つ人だと思います。) 「ぼくはよくよく考えてみて最良だってことが明らかになった言論にしか従わない、他の要素はいっさいかえりみない」「ぼくにはね、君を説得したうえで行動を起こすってことが重要なんだ。君が納得してくれなきゃだめなんだ」「大切にしなきゃいけないのはただ生きることではなくよく生きること」「義に反する行いはどうあってもけっしてしてはいけないんだ」「たとえ義に反する仕打ちを受けても義に反する仕打ちで返しちゃいけないんだ」「義に反する仕打ちを受けて去っていくわけだが、これはわれわれ国法による仕打ちではなく、あくまで人間たちによる仕打ちなのだ」悪法は、手続きによって変えていくべきで、勝手に破るのは義に反するということ、ですね。(国の法律は不完全な人間が作っているのだけど、正しい方法で変えるべきだということ)生き方の基本ですね。読む価値のある作品です。 >> 続きを読む
2014/01/03 by バカボン
岡村道雄 , 岩井渓
人間の最初がすごくよくわかった
2016/01/21 by ムーリン
岩井渓 , 木村尚三郎
お父さんが子供の頃の生活が良く分かる >> 続きを読む
2016/01/19 by ムーリン
和月伸宏
るろうに剣心 第19/全28巻剣心の周辺の人物達に牙を剥く新しい敵グループ。前回より登場の新しい敵グループ。マンネリ化突入かと思っていたが、しっかり新しい設定が用意されていたのが嬉しい。京都編では志々雄一味を相手にしたわけだが、江戸に戻っても新たな敵グループが出現したので、さてはもうマンネリコースに突入と心が折れ気味で、前の巻を読んでから3ヶ月以上も間が空いてしまった。実際に読んでみると、また新しい敵がグループを作って襲って来る部分ではマンネリ化しているものの、敵の首領、雪代縁と剣心との関係性に意表を突かれた。若く見えるが、意外に年齢が上だという剣心だけに、そんな過去が有っても不思議は無いとは思うものの、これまでそれを、おくびにも出さず、薫の気持ちを知りつつ接して来たのはワルいオトコでは無かろうか...これまで魅力的な女性キャラは恵しかいなかったのだが、まだディティールは全く分からないに近い状態ながら巴の登場は非常に期待が持てる。現金なもので、魅力的な女性が登場したことで、雪代縁も(軽薄そうな感じは有るものの)良く見れば中々のイケメンだし、今後の展開にも期待が持てるなぁなんて思ってしまった。残り9巻。美人も出て来たことだし、少しペースを上げて読もうかな...(笑) >> 続きを読む
2013/05/10 by ice
児玉幸多 , あおむら純
子供向けに全巻購入したので、自分も読んでみることに。縄文時代っていつだっけ、とまったく知識がないところからのスタートなので新鮮。地球に生物が誕生して40億年。ネアンデルタール人(旧人)が現れて30万年。クロマニョン人(新人)が現れて3万年が経過。このころから、大陸と続いていた北海道にてナウマン象の狩りが行われていた。1世代40歳と仮定して3万年って、750代ということになる。そんな昔から人がいたという驚き。途絶えることなく、人の営みが続いていることにも驚き。卑弥呼は、西暦200年ころの人物で、当時の様子は中国が作成した歴史書である三国志の一部にあたる魏志倭人伝に当時の記録が書かれている。約1700年前。先の仮定でいけば40世代ほど前。よくそんな昔に文字で伝える文化があったもんだな、と。この本1冊で200万年くらいの内容を語っているからすごい。途絶えることなくゆっくりと、ゆっくりと進化していったんだろうな。土器の種類や名称にはあまり興味がないが、そんなところに興味がよる結果となりました。。 >> 続きを読む
2015/11/15 by aldebaran
宮田珠己
当初、自費出版だったものが好評を博して、文庫本として新たに出版されたといういわくつきの本、それが宮田珠己の「旅の理不尽 アジア悶絶編」だ。とにかく、この本はちょっと変わったというか、相当変わった旅行記だ。普通、旅行記というのは誰が書いても、現地の体験報告であることが多いものだ。それはそれでよいのだが、やたらと目につくのが、"感動体験型"の旅行記だ。どこそこで見た風景に感動し、聞いた話に感銘を受け、子供の笑顔に純粋さを見、そして日本人が失ったものを発見したつもり(?)になって喜ぶのが、旅行者の常であると思う。単なる旅行者が、旅先の宿で感動話をする分にはかまいませんが、この調子で本まで書かれるとなると、やりきれなくなってきます。もちろん、"感動体験型"の旅行記がすべてつまらないというわけではないのですが、よほど文章が達者でエスプリが効いていなければ読み通せないものです。少し旅したくらいで感動されても困るんですね。著者の宮田珠己は、そういった古典的な図式、つまり貧しい国には心豊かな人々がいるといった類のもの言いを、木端微塵に粉砕してしまうのだ。考えてみると、旅行記というものは、旅する本人も登場する現地の人々も、最終的にカッコよく書いてあるものだ。旅する者はたとえ失敗しても、それを糧にしてより良い旅を目指すものだし、旅人に絡む人物は、初めは胡散臭くても実はいい人だったというのが旅行記の方程式になっていて、読み手はそれで救われるということになるのだと思う。だが、この「旅の理不尽」では、何ひとつ救われることはない。だから"理不尽"なのだ。その代わり、惨めな旅人やどうしようもない現地の人々のふるまいが、大いに笑わせてくれるのだ。そして、感動的な体験といったものも、まるで出てこない。くだらない、どうでもいいような話ばかりである。それどころか、現地の様子さえ、ろくにわからないという前代未聞の旅行記なのに、読んでいて実に楽しくて面白いんですね。それはなぜなのかと考えてみると、多くの凡庸な旅行記が持つ、"お約束の感動"をパロディにしてしまう特異な文体を、この旅行記が持っているからだろうと思う。 >> 続きを読む
2018/03/31 by dreamer
曽根元吉 , ボリス・ヴィアン
【何たる小説だ!】 全くの予備知識無しに読み始めました。 最初は、働く必用が無い程の資産を有する美貌の青年であるコランが、高価な服を着てパーティなどに繰り出し、若い女の子とよろしくやる情景が描かれます。 コランは、女の子の中からクロエという可愛らしい子を選び、ついには彼女と結婚することになります。 二人がブローニュの森でデートする情景が描かれますが、雲が「行っていいかい?」と尋ねて二人を包み込むなんていうロマンティックな描写もあります。 二人は非常に豪華な結婚式を挙げ、贅沢な生活を始めるのでした。 コランにはシックという親友がいますが、シックはお金に不自由しているものの、パルトルという作家に入れあげており、少ない収入を注ぎ込んで、彼の著作は細大漏らさず蒐集していました。そして、魅力的な女性とも交際しており、結婚も考えている様子です。 コランは、腕の良いお抱えの料理人を雇っており、贅沢な食材を使った一級の料理人のレシピを再現させて味わっていますが、嫌味にならない程度にシックを食事に招待するなどもしていました。 また、シックが結婚するためならということで、自分の資産を気前よく分け与えたりもしていました。 と、まぁ、こんな出だしなので、ところどころ「ん?」と引っかかるところはあったものの、まぁそういう表現を使うロマンス物なのかなと思い読み進めて行ったところ……段々様子がおかしくなってきます。その引っかかりはただの引っかかりではなかった! この話は一体……? どんどん狂気の度合いが加速度的に増していくのです。 詳しいことは伏せますが、コランとクロエを囲む世界自体も変容していきますし、非現実的な状況がこれでもかと出てくるようになります。 これはもう、尋常なラブ・ロマンスなどではありません。 世界の描写も、まるでドイツ表現主義のモノクロ映画に出てくる様に歪んできます。 クロエは、肺の中に蓮の花が咲くという奇病にかかってしまい、その治療のために全てを投げ打つコラン。 ラストに至っては、それはもう、たたみかける様にしておかしくなっていくのです。 それでも、最後の最後はしんみりした悲しみをたたえたラストを迎えるのですが。 まったく驚愕の作品でした。 これは、幻想文学です。 私がこの作品を読んだのは、某ネット書店で、私の購入傾向や所持している本から分析したお勧めの本として本書が繰り返し登場したからでした。 内容も作者のことも全く知りませんでしたが、何となく気にかかったこともあって読んでみたところ、ジャスト・ミート!でしたね。 いやぁ、ネット書店の「お勧め」もなかなか馬鹿にできないと思い知りました。 ……とは言え、一度、「たまごクラブ」、「ひよこクラブ」がお勧めに上がっていたことだけはいまだに解せないのではありますが。 >> 続きを読む
2019/03/19 by ef177
三好徹
「六月は真紅の薔薇」で沖田総司を描いた作者が、土方歳三を主役に据えて描いた作品。だいぶ前に読んだので、特に印象に残っている部分は土方の身長について書かれた部分だけなのだが。再読すればそれなりに感動できる作品であったはず(^_^;)「六月は真紅の薔薇」の土方さん像のほうが魅力的だったので、作品としては前者をお勧め! >> 続きを読む
2013/03/03 by 匿名
上田太一郎
Rの使い方が分かった時点で、この書籍のデータ使って実際に統計解析を行います。
2012/07/09 by nagaetty
浅羽莢子 , SayersDorothy Leigh
【教会の鐘が鳴り渡る。/本作は紛れもないミステリなんですが、ミステリ以外の文学作品的魅力が大きいかもしれません。】 素人探偵としても高名なピーター・ウィムジイ卿は、大晦日の猛吹雪の中、道を見誤り、運転していた車を路外に突っ込ませてしまいました。 これはもう、近在の村まで歩いて行くしかありません。 従者と共にフェンチャーチ・セント・ポールという小村までとぼとぼ歩き、村の教会の教区長の世話になりました。 この村、小さいのに立派な教会を持っているんです。 元は大僧院だったという大きな教会で、しかもなかなかお目にかかれない八鐘組の鐘を備えているのですね。 教区長は、大晦日の夜から元日の朝にかけて、『15840転座のケント高音跳ね八鐘』という伝説的な鐘曲を奏鳴する計画だというのです。 これは何と9時間にわたり鐘を鳴らし続ける鳴らし方なんですって。 いかに大晦日の夜から元日の朝にかけてとは言え、9時間も教会の鐘をガランガランと鳴らし続けても迷惑じゃないんですかねぇ。 ところが、鐘方の一人が村で大流行中の流感にやられてしまい、寝込んでしまったとの連絡が入ります。 これでは伝説の鐘を打てなくなってしまいます。 がっかりする教区長なのですが、ウィムジイ卿が鐘を演奏する心得があったことから、急遽鐘方として参加することになり、無事に大演奏を成し遂げたのですね。 ここまでは事件が起きる前のお話なんですが、この冒頭のくだりですっかり雰囲気を作り上げており、読者を作中に引き込んでしまう見事な演出になっています。 本作は、教会の鐘が重要な役割を果たす作品なんですね。 タイトルの『ナイン・テイラーズ』というのも『九告鐘』のことで、これは教区に住むキリスト教徒の男性が亡くなった時に、そのことを告げるために鳴らす鐘の鳴らし方を言います。 さて、本作はミステリですから、事件のこともご紹介しなければなりません。 年が明けて間もなくのこと、村の『赤屋敷』と呼ばれるお屋敷に住む貴族のレディ・ソープが流感にかかり亡くなったのです。 その後、春になるとその夫のサー・チャールズも後を追うように亡くなってしまいました。 墓堀がサー・チャールズを埋葬するためにレディ・ソープの墓を掘り返したところ、何と、そこには男性の死体が埋まっていたではないですか。 その男性の死体は、顔が潰されており、また両手首が切断されて無くなっていました。 DNA鑑定など無い時代のお話ですから、これは死体の身元を隠すためにやったことではないかと思われます。 その死体が何者なのかは最初はよく分からないんですね。 年明け早々に村に仕事を求めてやってきて、数日後に姿を消した男じゃないかとも思われるのですが、何せ顔が潰されているのではっきりしません。 取りあえず、村で見つかった死体だということで『ナイン・テイラーズ』が奏鳴されました。 さて、この村には大分前に変わった大事件が起きていたのです。 サー・チャールズの息子のヘンリーが結婚した時のことです。 お屋敷に招待客として招かれた遠縁のウィルブラハム夫人が持ってきたエメラルドの首飾りが盗まれてしまったのです。 このウィルブラハム夫人という人は変わった老女で、吝嗇家だというのにまったく不用心に宝石類をじゃらじゃらつけて歩く人で、その管理も我流でいい加減なものですから、泥棒仲間の間では有名な女性だったというのですね。 高価なエメラルドの首飾りをしょっちゅうつけて来ることも有名な話。 それがとうとう盗まれてしまったというわけです。 責任を感じたサー・チャールズは、無理をしてエメラルドの代価を返済したため、以後、すっかり家計が傾いてしまったというのです。 この盗難事件の犯人として、クラントンというロンドンの泥棒と、当時『赤屋敷』の執事として働いていたディーコンという男の二人が共犯として捕まり、裁判にかけられました。 しかし、二人は互いに罪をなすりつけ合い、肝心のエメラルドの首飾りの行方も分からなかったのです。 ディーコンは初犯ということもあり8年の刑を宣告されて服役したのですが、その後刑務所から脱走してしまいます。しかし、逃げ切れなかったのか縦抗に転落死しているのが発見されたということです(囚人服を着たまま、頭蓋骨がぐちゃぐちゃに潰れていたとか)。 一方のクラントンは10年の刑を宣告され、刑務所出所後は行方が分からなくなっていました。 もしかしたら、墓に埋まっていた死体はエメラルドを探しに村に戻ってきたクラントンなのかもしれません。 でも、だとしたら誰がクラントンを殺したというのでしょう? また、死体を墓に埋めたのは何故?(まぁ、死体の隠し場所としては墓地が好適……墓地まで探すことはないでしょうから……ということなのですかね?)。 教会の墓地から死体が発見されたという事態に泡を喰った教区長は、鐘の件で手伝ってもらったウィムジー卿が探偵としても名高いということを知り、ここは是非出馬願いたいと懇請し、ウィムジー卿が再び村を訪れるというお話になっています。 この物語は小村を舞台にしていることもあり、登場人物の大部分は田舎言葉丸出しで話しますし(これがちょっと読みにくくはありますが)、本筋とは関係のない、純朴な世間話なども沢山出てきます。 そういうところが味になっている作品だと感じました。 確かに奇抜なトリックも用意されてはいるのですが、そのトリックって本当に実現可能なの?と疑問を抱いてしまいます。 しかし、その奇抜なトリックがメインの作品ではなく、不可解な状況が徐々に解きほぐされていき、その過程で小さな村の人々の営みが描かれていき、また、教会の鐘が良い雰囲気を醸し出しているところに大きな魅力がある作品だと感じました。 本作は、紛れもなくミステリなんですが、もしかしたらミステリ以外の、文学作品的部分の魅力が大きい作品なのかもしれないですね。 >> 続きを読む
2020/06/03 by ef177
南 伸坊
ごはんつぶがついてますと、南伸坊さんが50才の時に書かれたエッセイ。そう言えば、昔は「お弁当、ついてますよ」とか「お弁当つけて、どこ行くの」とか言ったもんですが・・・・・おにぎりを、頬張る事も無くなったのか、見かけなくなりましたな。(それか、小さい子もなく、そういうのに出くわさなくなっただけですか)一番気にいったのは・・・・夫婦間での会話でとるにたらないような、くだらない冗談を言いあって笑っているのが一番いい。・・・・っていうくだり。ノーテンキにしていると、ノーテンキになれる。ノーテンキ夫婦、羨ましいですな。 >> 続きを読む
2014/07/21 by ごまめ
出版年月 - 1998年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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