こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


1998年8月発行の書籍

人気の作品

      姑獲鳥の夏

      京極夏彦

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 京極夏彦の「姑獲鳥の夏」は、饒舌な文科系書斎派・京極堂こと中禅寺秋彦、鬱気味で強力な幻視家・関口巽、美形の天才かつ天然の榎木津礼二郎、喧嘩上等・タフで侠気溢れる木場修太郎の最強キャラ四人組が活躍する、"京極堂シリーズ"の記念すべき1作目の作品だ。

        雑司ヶ谷の久遠寺医院の婿養子の牧朗が密室から消失し、妻の梗子は二十カ月間身籠ったまま、出産の兆しがないという風聞がたった。

        昭和二十七年夏、雑誌記者の中禅寺敦子にこの噂を聞いた〈私〉こと文士の関口巽にとって、牧朗は旧制高校の先輩だった。

        医院を訪ねた〈私〉に、かつてそこを訪れた記憶の断片が、蘇ってくる。
        同じく先輩で私立探偵の榎木津礼二郎は、梗子の姉の涼子を見たとたん、「嘘を吐いていませんか」と尋ね、問題の密室では〈私〉に見えないものを見たらしく「この家の人間は皆狂ってるぞ。場合に依っては君も含めて」と言い捨て、怯えたような顔で退出してしまう。

        探偵は、人の記憶を再構成して見てしまう、やっかいな特殊能力の持ち主だというが-------。

        さらに探偵の友人で警視庁刑事の木場修太郎は、赤児消失事件がらみで医院を調べており、一件を"家ぐるみの犯罪"と睨んでいる。
        事実、彼の捜査で医院側の不可解な行動が明るみに出始める。

        久遠寺家は「憑物筋」なのか? 牧朗は人造人間を作ろうとしていたのか?
        敦子の兄で、武蔵晴明社神主にして京極堂主人の中禅寺秋彦は、関係者一同の「憑物落とし」を執行するために、黒装束で医院を訪れる。

        この直後の「憑物落とし」など、超自然的にすら見えるスペクタクルだが、すべてはきっちり解明され、レトロで猟奇的な幻想小説が、本格ミステリとして着地する。

        脳が記憶の貯蔵庫ではなく編集所であるという、その一点に支えられた掟破りの「人間消失」トリックは、賛否両論があるところだろう。

        民俗学から認知科学、果ては手紙というデリダ的問題まで、知の諸問題を総合的にリンクさせて、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」と、世界認識の枠組みを一転させる手際で、この作品は探偵小説の新地平を開いた、文字どおり異能の作品だと思う。

        >> 続きを読む

        2018/06/12 by dreamer

    • 他8人がレビュー登録、 45人が本棚登録しています
      竜馬がゆく

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! tadahiko tomato kgr koikoi27
      • これを読んだらほとんどの女性は竜馬に惹かれるだろうな。もちろん私もそのひとり。今で言うワイルド系。福山さんとはイメージが違うかな。彼はイケ面過ぎるから。周りの女性たちが魅力的。特に母親代わりだった姉の乙女がいい。勉強も剣術も彼女から習ったらしい。いつの時代も自分を持って生きてる人は魅力的だ。
        >> 続きを読む

        2018/06/30 by miko

    • 他7人がレビュー登録、 49人が本棚登録しています
      怪笑小説

      東野圭吾

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 東野圭吾氏の著作はいくつか読んでいるが、こういう風な作品も書くことに本を読んでまず驚いた。こういう作風は赤川次郎氏や清水義範氏が得意だと自分は思う。ゲラゲラ笑える類いの話はなく、ブラックユーモア的な話の筋が多い印象。特に印象に残ったのは「あるジーサンに線香を」。「アルジャーノンに花束を」の内容を思い起こさせるような話。あと「鬱積電車」は満員電車の中の出来事であるようなあるある感がたまらない。一風変わった東野作品を読みたい人にお勧めかなと思う。感想はこんなところです。

        >> 続きを読む

        2017/12/23 by おにけん

    • 他5人がレビュー登録、 33人が本棚登録しています
      竜馬がゆく

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 今の幕府を倒しても国でトップにならなければ意味がないと考える竜馬。ついに脱藩をすることに決めた。お上から罰せられる脱藩を姉の乙女に告げたとき、反対されると思いきや男ならやりなさいとキッパリ。藩同士の争いに躍起になるか国外に目を向けて国益になることに目を向けるかどちらを取るにしても命がけだ。
        >> 続きを読む

        2018/06/30 by miko

    • 他4人がレビュー登録、 27人が本棚登録しています
      竜馬がゆく

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 2018/9 2冊目(2018年通算128冊目)。龍馬の行く道を決定づけた勝海舟と出会う。薩摩や長州とは違う道で、「日本」という国を作ろうと奮闘する龍馬。その道は、読んでいるとこの時代にはなかった新しいものを作り上げようとする行動、この点が龍馬が支持される所以なのかなとも思える。物語的にはいよいよ面白くなってきた。続きを読んでいきたいと思う。

        >> 続きを読む

        2018/09/10 by おにけん

    • 他4人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      竜馬がゆく

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 2018/9 4冊目(2018年通算130冊目)。土佐藩での親友武市半平太の切腹、京都での新選組の台頭など、情勢は波乱含み。そんな中龍馬は軍艦を手に入れるために西へ東へと駆け回る。この辺の歴史が詳しく頭に入っていると、この文章も面白いのだろうなと思うのだけど、そうでないのが読んでいて悔しい所。新選組の元を作ったのが有名な近藤勇や土方ではないのが意外な感じがする。この後どう展開していくのか。龍馬視点で文章を読んでいきたいと思う。

        >> 続きを読む

        2018/09/15 by おにけん

    • 他4人がレビュー登録、 23人が本棚登録しています
      孟嘗君

      宮城谷昌光

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 私が愛してやまない作家の一人に宮城谷昌光がいます。無限の読書の悦びを与えてくれ、人間そのもの、及び人間の生き方についても多くの示唆を与えてくれ、現在、彼の全著作読破に向けて1冊、また1冊と読み進めているところです。

        そこで今回は、文庫本全5作を読了したばかりの、ある意味、彼の特徴が十二分に発揮されたのではないかと思われる名作「孟嘗君」。

        この孟嘗君といえば、多くの食客を従えて諸子百家を鳴動させた無頼の公子。かの司馬遷が「史記」において、いささかの悪意をもって記したことでも有名な人物です。

        作者の宮城谷昌光は彼を、国家という組織よりも、それを運営すべき人の心の中にユートピアを見ようとした人物として捉えており、この孟嘗君にとって国家とは、自分と旅をし運命を共にする食客たちという、正に形をもたぬものの中にこそ存在するというように描いているのです。

        その意味で、この主人公は、常に天下国家という政治を相手にせざるを得なかった"重耳や晏子"、あるいは人間の精神面のみを見ようとした"介子推"の中間くらいに位置する人物と言えるのかも知れません。

        そして、いつもながらの宮城谷昌光の小説らしく、魅力的な作中人物が登場しますが、まず第一に指を折るのが、孟嘗君の養父である快男児の風洪。

        この常に、自分は今、何をしているのか、という問いかけを忘れずに前進する男の存在は、ラストで主人公の言う、「今日つくったいのちも明日にはこわれる。それゆえ、いのちは日々産み出すものであろう」という言葉へ結実していくのです。

        このくだりの描写を読んで、日々の暮らしの中に埋没しがちな私の生の在り方について、ふと立ち止まって考えさせられました。

        この宮城谷昌光という作家の紡ぎ出す言葉は、"平易にして深淵"。その比類稀な達意の妙は、私が敬愛してやまない、吉川英治プラス司馬遼太郎の味わいがあり、私の心をいつも陶酔させ、妖しく魅惑的で豊饒な読書の悦びを与えてくれるのです。


        >> 続きを読む

        2016/11/21 by dreamer

      • コメント 4件
    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      孟嘗君

      宮城谷昌光

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      •  孟嘗君(田文)はあいかわらず子供で、
        第2巻も主人公は養父の風洪です。
        しかし彼の男っぷりは惚れ惚れしますね。
        著者の創造の産物なのでしょうが
        風洪が魅力的でどんどん先に読み進みたくなります。
         
         しかも、風洪のほかにも
        才能ある人がたくさん出てきたり、
        水戸黄門か!って突っ込みたいくらいの悪人が出てきたりで
        物語全体が躍動しまくり(笑)
        一大絵巻のような様相を呈しています。
         
         いや本当に面白いので★5つにしたいくらいなのですが、
        「万人に是非とも読んでもらいたい」というジャンルではないため
        心を鬼にして★4つです。
          
        >> 続きを読む

        2015/03/29 by kengo

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      孟嘗君

      宮城谷昌光

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      •  いや~、本当に面白いので
        もう一気読みペースです(笑)
        併読している他の本に手が伸びません(爆)
         
         本巻の序盤で孟嘗君(田文)の養父・白圭(風洪が改名)
        の冒険譚は終了。
        史実ではないのでしょうが実にすがすがしい人物で、
        彼を養父に設定することによって
        孟嘗君の心中にひとつの理想像をつくりあげるねらいが
        著者にはあったんでしょうね~。
         
         田文がそろそろよい年になってきたこともあり、
        物語の主人公も白圭から途中
        孫臏(そんぴん・いわゆる孫子の兵法で有名な
        孫武の子孫でこちらも有名な軍略家)をはさんで
        やっと田文へ移っていきます。
         
         物語も後半に入って
        やっと主人公がまともに自分の意志で動き始めるとは(笑)
        しかし、面白い。
        4巻以降も期待です!
        >> 続きを読む

        2015/03/29 by kengo

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      きみのためにできること

      村山由佳

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • (登録前に読んだ本)

        購入して読了(厳密には再読)。この作者が直木賞をとる前の作品。主人公が一人の男性・人間・社会人として生きていく苦悩が描かれている。人は一人では生きられないが、生きていかなければいけない。読んでいてその辺が強く印象に残っています。 >> 続きを読む

        2016/09/27 by おにけん

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ONE PIECE 巻四 三日月

      尾田栄一郎

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • ONE PIECE 第4/67巻(未完結)

        押し寄せる海賊を前に、立ちはだかるウソップ。

        力はなくても、故郷の仲間たちを守る気持ちだけは誰にも負けないウソップがカッコよく映った。

        カヤの生命を狙う、執事のクラハドールことキャプテン・クロ。

        必死でカヤを守ろうとするウソップだが、完全にオオカミ少年扱いされ、全く取り合ってもらえない。

        こうなってはと自分1人で身を呈して海賊を打ち払う決心を固めるウソップの男気に感銘を受け、力を貸すことにしたルフィ一行。

        戦闘シーンの面白さは間違いないのだが、今回印象に残ったのはウソップのつく嘘の質。

        人を驚かすことは有っても、決して傷付けない。
        また、配下の子供たちに厳しい指示を出しているようで、その実は優しさに満ちている。

        計算づくで冷酷なクラハドールとのコントラストが際立っていて、本当の優しさとは何なのかを考えさせられた。

        大きなストーリー展開は無いのだが、心地良い印象を残してくれた巻で有った。
        >> 続きを読む

        2012/10/14 by ice

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      幻色江戸ごよみ

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! niwashi
      • 何度目かの再読。本作は宮部氏の三冊目の時代小説作品集。
        もうすでに円熟の境地で書かれたようだ。後に続く時代小説集へとつながるものをいくつも感じ取ることができた。

        「春花秋燈」「小袖の手」の滑らかで味わい深い口調の一人語りには、『三島屋変調百物語』に通じるものがある。
        「神無月」で岡っ引きが居酒屋の主を相手に酒を飲み、主が納豆汁をこしらえて出すシーンは、まさに『初ものがたり』そのもの。岡っ引きが話す事件に主がヒントを与えるところまで、そっくりである。
        「鬼子母火」「まひごのしるべ」「首吊り御本尊」に垣間見える人情は、ますますその優しさを増して『お文の影』に至る。
        「器量のぞみ」ではユーモアを忘れないものの、「紅の玉」「紙吹雪」でこの世の理不尽さが描かれる。
        こうして宮部氏の豊かさにふれるたびに、やはり宮部氏が書く話はいいなぁと改めて思う。

        >> 続きを読む

        2017/10/24 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      オ-ケンののほほんと熱い国へ行く

      大槻ケンジ

      新潮社
      カテゴリー:アジア
      3.5
      いいね! momomeiai
      • のほほんとはしていない気もするけれど、大槻さんの正直な感想といった感じの軽く読める旅エッセイ。

        インド編では日本人クルーに囲まれているせいか、日本を引きずっている感があります。鮭の稚魚がイクラを腹につけて泳ぎ回るのに似てるかも。現地で長期滞在をしている日本人カップルの話や、商魂たくましい少年少女達等、小エピソードは楽しめますが、全般的には本人も言う通り「負け」てます。

        対するタイ編は、名実ともにバックパッカーとしての一人旅です。
        ぐっと自由が利く分、苦手な英語でなんとかコミュニケーションを取っていく大槻さん。
        不便ではあるけど、海、食べ物、人と、インドとは比べ物にならない程エンジョイしているのが伝わってきます。日本人旅行者との出会いもより多く、深いものになっています。良く知らない人と非日常を共有するって、旅の醍醐味ですよね。
        電車の中と外での一瞬の出会いや「無能の人」化、マジックマッシュルームのヒデさんなど、書いててもきっと楽しかったんだろうなというオーラがにじみ出ています。

        >> 続きを読む

        2017/02/14 by MaNaSo

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      暢気眼鏡・虫のいろいろ 他十三篇

      尾崎一雄 , 高橋英夫

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      •  「○○さん(or君)は暢気な人ですね」とよく言われる。自分でも心当たりはあるけれど、正直にいって、あまりいい気持はしない。お腹のなかでは、これでもスポーツマンだったんだぞ、と抗議しているが、どうやら俊敏性に問題があるのではなく、何かゆったりとした空気があって、いつ動きはじめるか分からないと言うのだ。
         そういえばわたしはあまり雑用をしない。石川淳が先輩や後輩たちと酒の席を囲むとき、あまりにも何もしないので、「君、すこしは準備や用意をしろよ」と先輩が注意した。すると石川は、「そんなことしたら、人から使われる人間になる」と澄ました顔で応じたらしい。『暢気眼鏡』を読んでいたとき、わたしと尾崎一雄はこの逸話が他人事ではなかった。もちろん、どちらか一方は、気の利かない人間ではないと思うけれども。
         それからというもの、飲み食いの場に行く前に、「雑用、雑用」と自分に念じる。ところが、座る場所を指定され、最初の一杯を頂くと、これもアルコールのせいかしら、飲んでばかりでお開きだ。どういう訳か、尾崎一雄とわたしは暢気眼鏡が手放せないらしい。
        >> 続きを読む

        2015/01/11 by 素頓狂

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      57人の死刑囚

      大塚公子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:刑法、刑事法
      2.0
      いいね!
      • 死刑囚それぞれの事情と執行までの生活。

        狙いのようだが、淡々と綴られるスタイルは読んでいて辛い。

        57人を取り上げるのではなく、もっと絞った方が良かった。

        取材が大変だったからとか、せっかくなら全員分を。という考えが見え隠れするが、記述内容の薄い死刑囚に至っては、罪状と執行日程度しかなく、資料的価値も無い。

        再審請求を行っている死刑囚が1/3も存在するというのは驚きだが、罪を犯し、死刑という現実を目の当たりにして、真人間になった結果、生命を惜しむ気になっているとしたら、残念ながら既に遅いと思う。

        殺された人は戻って来ないとかいう次元の話の前に、成人してからは自分の行動の責任を取ることは当たり前で、殺人という犯罪の結果、死刑の可能性がある事は当然想定できたはずであろう。

        現在の日本では、他者を殺める行為に対しての抑止力として死刑制度が存在しているという事実が有り、殺人という許容されない自由を行使した以上、法治国家の取るべき道は一つし無い。

        ただし、冤罪の可能性が捨てきれない受刑者も多いようなので、改めて、捜査、裁判に関しては公明正大を徹底して欲しいと感じた。

        弁解するわけではないが、死刑制度を肯定しているとは捉えられたくない。
        遡及処罰の禁止と同様、遡及救済の禁止は当たり前だと主張している。

        ちょうど死刑廃止論者の暴挙が問題になっているが、難しい問題である。
        >> 続きを読む

        2012/02/06 by ice

    • 1人が本棚登録しています
      戦争論

      西谷修

      講談社
      カテゴリー:歴史学
      3.0
      いいね!
      • この本の中にはありとあらゆる戦争の形態の変化
        そしてそこにおける人間の哲学、思想の変遷を
        楽しむことができた。
        自分の中にある戦争というイメージをもっと豊かに
        して生きていければいいなと思っている。
        >> 続きを読む

        2013/10/21 by frock05

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      皇女アナスタシアの真実

      柘植久慶

      小学館
      カテゴリー:個人伝記
      4.0
      いいね!
      • 体制崩壊時、罪が無い体制側の子供達は本当に可哀想だと思う。

        事実か否かはともかく、そもそもこんな話が有ることを知らなかった。

        「ロシア革命のさなか、虐殺された皇帝家族の一人が生存していた!?」

        クーデターによる体制崩壊。体制側にいた人間は、抑圧された民衆の怒りをぶつけられる形で抹殺されるのがセオリーかと思う。
        当然、旧体制側の人間が担ぎ出すことを恐れ、子供達も抹殺のターゲットにされてしまう。

        子供に罪は無いということは皆分かっていても、手を下さずにはおれない運命。
        生まれて来る際に背負っている業というようなものなのかもしれない。

        世が世ならプリンセスとして、蝶よ花よで暮らせていたはずの人間が、生命を保っていること自体が不思議というようなギリギリの低空飛行の人生を歩む。

        そんな中で彼女を主人公とした映画が出来、皇女としての彼女の人生にせめてもの彩を添えてくれたことで少し救われたように思う。

        例え真実でなかったとしても、様々なことを考えさせられる作品で有った。
        >> 続きを読む

        2013/02/22 by ice

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      ぼくの哲学

      アンディ ウォーホル

      3.0
      いいね!
      • アンディ・ウォーホルらしい表現がここぞとばかりに詰め込まれています。
        こういう考え方もあるんだなーと思いつつ、よくわからないなーとも思いつつ。。
        読むのに結構エネルギーを要した気がします。。(よくわからないなーの部分が重い)
        >> 続きを読む

        2015/06/10 by pedro_04

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      ハチ公の最後の恋人

      吉本ばなな

      中央公論新社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • よしもとばななの本を読んでいるとたまに思うことだけど、雑念があったり忙しい時に乱読するような感じで読んではいけない。そういう時はただ流し読みしただけで本が終わってしまう。でも、落ち込みきったりした時や心がとても静かな時に読むと染み渡るような感じになる。

        この本はマオとハチが作り出す世界が美しい。
        人を好きになるって魔法みたいだって思う。
        切なくて泣きそうになった。

        それを実感するためにも、この本を読む時間そのものを大切に扱うような、そんな読書をしてほしい。
        >> 続きを読む

        2013/01/18 by mahalo

      • コメント 2件
    • 8人が本棚登録しています
      燃えよ剣

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 時は幕末間近------武州多摩の田舎道を、骨折や打ち身に効く家伝の妙薬「石田散薬」の行商をしながら歩く男があった。喧嘩早いことから、「石田村のバラガキ」と呼ばれたこの男こそ、後の新選組副長・土方歳三だ。

        近藤勇の江戸小石川の天然理心流道場師範代である歳三は、その後、近藤や沖田総司らと清河八郎の浪士隊に参加して京へ。だが、策士の正体を現わした清河と袂を分かち、自らの士道にのっとった京都の治安維持組織・新選組を結成する。

        芹沢鴨の暗殺に始まり、組織作りに天才的手腕を発揮する歳三は、新選組を"鉄の規律"により、これまでに類のない戦闘集団に仕立てていく。

        池田屋騒動から鳥羽伏見の戦い、そして甲州勝沼から流山の敗走、さらには函館五稜郭へ。永遠の女性お雪との愛を絡め、歳三の戦いは続いていく------。

        かつて新選組と言えば、鞍馬天狗の敵役。近藤勇は、芝居や講談で有名な「今宵の虎徹は血に飢えている」という名文句の豪傑然としたイメージの人物だ。

        沖田総司は、結核を病む薄幸の美剣士。そして、最も損な役回りだったのが、策謀をめぐらす冷酷非情な軍師・土方歳三であったと思う。

        その土方が、今日、一躍理想の男性像として受け止められるようになったのは、ひとえに司馬遼太郎の「燃えよ剣」のおかげではないかと思う。

        この作品で土方は、武州多摩の田舎剣客から身を起こし、風雲急を告げる京洛の巷に、甲州勝沼に、あるいは北の果て函館に、落日の徳川家に殉じ、果敢に散っていった男として、実に魅力的に描かれていると思う。

        そして、同時に彼が取らざるを得なかった"非情な行動"は、頑なまでに徳川家への、いや滅びゆくものへの節義を守るため、自らに"鉄の掟"を課した男のロマンとして組み替えられていったのだと思う。

        特に、土方が病中の沖田総司のもとを訪れ、愛刀の和泉守兼定を抜き放ち、------目的は単純であるべきである。思想は単純であるべきである。新選組は節義にのみ生きるべきである------というくだりは、土方という男を支える核の部分をよく表現していると思う。

        この後、土方は「新選組はこの先、どうなるのでしょう」という沖田の言葉に対し、------どうなる、とは漢の思案ではない。婦女子のいうことだ。おとことは、どうする、ということ以外に思案はないぞ------と言い、新選組の最後の一人になるとも戦うことを誓い、「男の一生というものは、美しさを作るためのものだ、自分の。そう信じている」とも言うのだ。

        司馬遼太郎がこの作品で最も言いたかった土方の核の部分を、簡潔に見事に集約したセリフになっていると思う。

        そして、土方は、和泉守兼定を抜くシーンで「刀は美人よりもうつくしい」と言っているのだが、この作品では後半、彼と恋人である女流画家お雪との狂おしいまでの交情が描かれており、そのくだりでは、一種、上質な恋愛小説を読んでいるような気にさせられる。そして、物語のラストを締めくくるのも、このお雪のイメージなのです。

        「男の典型を一つずつ描いていきたい、自分はそういう理由で小説家になったような気がする」という日本を代表する国民的作家・司馬遼太郎の感慨は、必ずや私を含む多くの読者の感慨となって、この幕末の風雲児を新たなイメージによって屹立させずにはおかないだろうと思う。



        >> 続きを読む

        2017/09/04 by dreamer

      • コメント 4件
    • 4人が本棚登録しています

出版年月 - 1998年8月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本