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貴志祐介
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周り中見も知らない光景で目覚めた藤木。クリムゾンの光景が広がる中で、自身が持つゲーム機に送られる指令。他の人間もいることを知る中で、次第にサバイバルゲームと化していく。冒頭から舞台が限定されており、全編これサバイバルとなっている。その中で食糧だったり武器だったり情報だったりを求めひたすら旅する。ゲームブックは実際やったことがあったので、本当にゲーム感覚のような小説を疑似体験できる。ラストに一応の真相が出るが、TRUEENDかどうかはゲームをクリアしたとしても得られるのかどうか。 >> 続きを読む
2019/03/24 by オーウェン
森博嗣
全てがFになるシリーズの2作目。推理小説としても楽しめるのはもちろん、西之園と犀川先生の会話も楽しめのが特徴的。今回はタイトルの通り密室での事件が起こる。まだ読んでいる途中ですが犯人がまだ分からずじまいで毎日続きが気になり読んでいます。 >> 続きを読む
2017/11/21 by GLAY
有栖川有栖
「双頭の悪魔」という、この何だかカッコ良いタイトルに惹かれて、読みました。有栖川有栖さんの作品は、主に「火村英生」シリーズを読んでいましたが、今回初めての「学生アリス」の方です。(火村英生シリーズの方は、「作家アリス」なので)2つの村で、それぞれ起こる殺人事件。一見、どちらも関係無さそうに見える事件ですが、結末で分かる真相には、「なるほど!」と感心するものでした。そこそこの長編ですが、様々な登場人物が出てきて、彼らのおかげで、淡々と、しかし最後まで飽きさせない小説でした。 >> 続きを読む
2020/02/15 by ゆずの
星野道夫
ごまめさんのレビューを読んで、気になって図書館で借りてみた。ごまめさんのおしゃるとおり、とても良い本だった。アラスカにも、壮大な自然や野生の動物にも、ましてや星野さんについてもさほど興味がなかった、というか、あまり知らなかったし、接点がなかった私だけど、とても良い読書をしたと思った。星野さんの人となりがよくわかるような、すごく優しい文章だった。すーっと心が洗われるような、そんな文章だった。星野さんが亡くなる1年~数年前に書かれたものかと思うと、なおさらぐっとくるものがあり、でも、なんというのか、もちろん、星野さんの早い死は、多くの人を悲しませ、まだまだ相当に活躍された方だっただろうから、惜しい、悔しいという思いもたくさんあるのだけれど、その死さえもすっと受け入れざるをえないような、そんな気持ちになった。この本にも、生と死は常にあった。何がそんなに星野さんをアラスカに引き寄せたんだろう。そんなことは頭で考えてもわからないし、わかる必要もないけれど、星野道夫という人がアラスカを愛し、人生を走り切ったんだなと思った。そんなに夢中になれるものがあったこともとても羨ましく感じた。星野道夫という人間に興味が湧いたので、また関連する本を読んでみようかな。 >> 続きを読む
2020/09/18 by URIKO
村上春樹
すごく久しぶりに、1日かけて再読。やっぱり大好き。ノルウェイの森とは全く対照的なこのラスト、久しぶりに読んでも本当に震えるほどの感動があった。他の作品でも描かれる「あっち側での果てしない闘争」みたいなものを、すみれちゃんもまた完璧に繰り広げたに違いない。今読むと、村上春樹先生本人が言っているように、これでもかというほどの比喩表現は、もはやそれだけで芸術とさえ言える。「○○のように?」「○○のように。」とか言うの、好きだけど嫌いな人は嫌いなんだろうなあ。笑 >> 続きを読む
2018/01/14 by lafie
佐藤和彦 , CookThomasH
トマス・H・クックの「死の記憶」は、名人芸を見るかのように、まったくうまい。主人公は建築士のスティーヴ・ファリス。彼の一人称で物語は進められていく。冒頭は、スティーヴが9歳の時の回想だ。父親が母と姉と兄を射殺し、そのまま失踪した日のことを彼が思い出すところから、この物語は始まっていく。それから35年経って、スティーヴは一人の女性の出現とともに真相を探る旅を開始する。なぜ父は家族を殺したのか? 謎はそれだけだが、これがスリリングなのは、家族を殺した後、父が何もせず、2時間家の中で何かを待っていたという、もう一つの謎があるからだ。父が待っていたのは、その日遊びに行って帰りが遅くなった自分なのではないかと、冒頭、主人公は思うんですね。自分を殺すために父は待っていたのではないかと。では、なぜ自分をも殺そうとしたのか?何も思い当たることがないので、彼には皆目わからない。その謎が重く静かに流れているから、ラストで明らかになる事件の解明が、強く印象に残り続けるのだ。シンプルな謎を構成一つで複雑なドラマにしてしまうのが、著者・トマス・H・クックの芸の見事さだが、この本もそうした彼の特徴が十二分に発揮された作品だと思いますね。 >> 続きを読む
2019/04/22 by dreamer
宮城谷昌光
項羽と劉邦を読んだのはだいぶ前だが、三国志と同様にいくつか読んでいるので結構しっかり記憶に残っている。それでも見方が変わるとまた違った面白さが出てきて新鮮に読めるのがありがたい。項羽も劉邦もさほど好きになれなかったけどまた読みたくなった。 >> 続きを読む
2013/06/15 by freaks004
岡本太郎
生きることそのものが芸術。生きながらにして、一人ひとりが芸術の才をもち、それを表現することで、自分の精神は高められ、更に自由を身につける機会を得る。一人ひとりが違うようにその表現は、これまでのものとも、その時点のこれからのものとも、新しくなることは自明。その新しさを振りかざすことを恐れず、否定され、後には必ずなくなることも恐れず、芸術していくことが生きる強さ。芸術はいつまでもゆきづまり、拓けてもまたゆきづまるが、その”無”に芸術も人生も同じく対峙している。この本の読了後は拓けたのか、ゆきづまったのか、わからないが、自分というものがはっきりと感じとれるようになる。つまりこれは、生き方そのものを説いた本。ピカソ:「私は、日ごとにまずく描いていくからこそ救われるんだ」 >> 続きを読む
2018/11/11 by Jay
杉山亮 , 中川大輔
おおぐいコンテストのお寿司にワサビがたくさん入っていてすごくからそう。
2016/12/26 by Na-chan
直良 三樹子
この直良三樹子 著『見果てぬ夢「明石原人」考古学者 直良信夫の生涯』は、「明石原人」の人骨を発見した考古学者、直良信夫の伝記で、著者は直良信夫の娘さんだ。著者は、父・信夫が考古学の世界に身を投じ、学者として生き抜く姿を冷静な筆で丹念に描き込んでいると思う。だが、何といってもこの作品の白眉は、「明石原人」が学界を揺るがした波紋の歴史と、夢を追い続けた直良信夫の情熱ぶりにあると思う。「明石原人」を発掘したものの、学界から理解されなかった直良信夫は、「人類学雑誌」に論文を寄せるものの東京帝国大学の派閥抗争に巻き込まれ、東京大空襲では、苦労して発掘した人骨を消失してしまう。絶望の淵に立っている時、二度目の発掘調査が行われたにもかかわらず、調査に加えてもらえず失意の日々を送ることになってしまう。そして、昭和58年になって、「明石原人」は再び否定されて学界で論争が再発する。その余波で三度目の発掘調査が行われ、「明石原人」は旧石器時代中期の「旧人」であることで決着がつくことになるのだった。そして、昭和60年、明石市より文化功労者として表彰された直良信夫は、娘が代わりに出席した授賞式の後、入院先の病院で静かに息をひきとったという-------。読み終えてみて思うのは、「明石原人」という夢を追い続けた直良信夫という人間の熱き思いが、行間から溢れてきて、魂を揺さぶる作品だということだ。 >> 続きを読む
2018/03/10 by dreamer
高橋 英夫
定価が何故100円に?充実した話のほんの触りがわかっただろうかクラシックは聞きかじっていた時期はあったが詳しくはない少ないオペラ観劇で奇跡的にフィガロは見たかな?後宮からの誘惑はパリのオペラ座で見た思い出があるこの本もミュージカルのモーツァルトの予習として存在は知ったけれどその時は読むことはなかったこの曲の旋律がと言われてもわからないただモーツァルトの知らない曲に触れることができたのもモーツァルトの受容史は個人的に明治から怒涛に押し寄せる文化受容史は大好きなので視覚もコピーもできない音の存在は受容表現の差が大きく、楽しく、悩ましかった >> 続きを読む
2020/11/22 by kotori
藤沢晃治
「分かりやすい説明の技術」の実践編みたいです。「分かる」ということを『情報の定着』と定義して、理解しやすいように解説されています。また、「悪い事例」と「良い事例」を図解で示しているため、視覚的にイメージしやすいです。資料作成時などに参考になると思います。 >> 続きを読む
2016/02/13 by sakura30
林巧
香港、マカオ、台湾。それぞれの生活。台湾を含めたのが敗因。隣接している香港/マカオ。これに台湾が加わったところで軸がぶれたように思う。印象的なエピソードは、むしろ台湾に多かったため、台湾編で1冊。香港/マカオ編で1冊。または、本作品に韓国やシンガポールなどを加え、台湾の孤立感をなくした1冊。いずれかにすることで、ちぐはぐ感を一掃できたと思うと惜しい。内容は現地での生活。または旅行記。著者の実体験なのだろうが、香港/マカオでは、かなりハイソな話が多いのに対し、台湾では一点して、ガラの悪い人々のガラの悪い話が多い。面白いもので、お上品な話よりも、ガラの悪い話の方が圧倒的に興味深い。長くヨーロッパ支配の元に有り、西洋文明の影響が色濃い香港/マカオと台湾では確かに違いは有るのだろうが、これほどの落差は有ろうはずもなく、各国での著者の交友関係や行動結果が異なっていたためと考えるのが普通で有ろう。類似の作品と比較して、とくに抜きん出るものは見当たらない。 >> 続きを読む
2012/03/16 by ice
赤松 健
幼い頃に砂場での約束を果たすために主人公が東京に来るところから物語は始まります。だけど、突然女子寮の管理人となり、唯一の男である主人公と砂場の子とその他もろもろが織りなすラブコメディ、って感じだったかな?読んだのはずいぶんと前で、記憶も朧げですが、結構ハマっていたと思います。単行本は買っていたし、読んでいて楽しかった思い出があるので良い懐かしさを感じます。自分と同じ年代の人なら名前だけでも聞いたことある人が多いのでは?アニメ化もしたし、評判は良かったしね。周囲の友達も読んでいたし。 >> 続きを読む
2015/05/20 by おねぱん
尾田栄一郎
ONE PIECE 第7/67巻(未完結)クリーク海賊艦隊に襲撃された船上レストラン。なんと言っても、サンジと赫足のゼフのエピソード。魂で結びついた男ってやっぱりカッコイイ。クリーク海賊団から、まずは鉄壁のパールが攻撃を仕掛けて来る。海賊だけに、個人の戦闘ではなく、集団でうわーっと攻めて来る戦術をいかにも取りそうなので、正直、違和感満載だが、無傷で船を奪うためという理由で納得するようにしよう。今回は、サンジが飯を振舞った男が、実は鬼人の異名を取るクリーク海賊艦隊、戦闘総隊長のギンで有ったとか、クリークがまさかの毒ガス兵器を使用するとか、サプライズ要素は幾つも有ったけれど、サンジと赫足のゼフのエピソードの前に全てが霞んだ。既に彼らの間には何か有ることが匂わされていたために、想像していた部分が有ったのだが、想定を超えるレベルだったのが心地よかった。他に印象的だったのは、サンジとゼフが蹴り技でしか戦わない理由。彼らが料理人で有ることを考えれば、想像がつく理由では有るが、なかなかこれもカッコイイ。さすがにルフィもブチ切れたと思うので、次回は血祭りに上げられるクリークを楽しみにしよう♪ >> 続きを読む
2012/10/29 by ice
山口瞳
社会に出る若者世代に向けた、裏も表も含めた社会人心得。優しさと厳しさのバランスが絶妙で、若者に薦められる。著者が様々な媒体に発表した作品を、集約再構成したもの。長くても数ページという短いものばかりだが、小さいフォントで表現されている比較的長めのものよりも、見開き1~2ページで表現されている詩のような作品がなかなか良い。仕事に取り組む姿勢や、社会人としてのお酒との付き合い方。様々な分野にわたるストレートなメッセージが届く。自身の過去を振り返って、ふと感じたのだが、これらのメッセージは、本というメディアを経由して届くことで影響力を強めているかもしれない。この手の人生訓的な話は、面と向かって話を聞く形ではなかなか素直に受け入れ難い。理由は、若者世代からしたら、うるさい親父的な視点で捉えられそうな年代とのジェネレーションギャップも有るだろうし、利害関係も有るだろう。そして何より、双方の日常の振る舞いが見えることで、「あなたから生き方を指導されたくない」とか「お前こそ酒に気をつけろ」などという、反発が大きいのではないかと思う。人生訓などというと堅苦しいが、決して読みづらい本ではない。若者世代は是非黙って読んでおいた方が良い。 >> 続きを読む
2011/08/04 by ice
奥泉光
伯爵、虎君、将軍と、当たらずとも遠からずの推理により、様々なことが明らかになっていく! そして最後にホームズがまとめてくれる、と思ったら……??? 色々な事件が発生し、慌ただしく駆け足でラストに突入。 告白しますが、私は理解力・読解力は良くありません。 泡坂妻夫『しあわせの書』の仕掛けも、アマゾンカスタマーレビューを読んでようやく気付いたし、 ■[日々の冒険]しあわせの書 読者に挑戦!の本(ネタばらし注意!) http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140110/p1 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』も、一体何がすごいのかと仕掛けに気付かず、ネットで検索してネタバレサイトを発見し、ようやく理解できたのでした。 ■[日々の冒険]イニシエーション・ラブ 分からなかった http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140224/p1 だから本書でも、誰かネタバレ解説を書かれてるかと検索したのですが、現時点で発見できず。 本書の単行本発行時・文庫化の時点ではツイッターはおろかブログも普及していなかったので、出版時の感想ラッシュ現象がないのは分かりますが、現代日本を代表する作家なのに、意外と言及が少ないように思います。 アマゾンカスタマーレビューですら、奥泉光さんのレビュー数は全体的に少ないように思います。(現時点で『シューマンの指』のみ、突出して多い) そういえば本書も、よく分からないので突っ込んだ感想が書きにくい気がします。 まず分厚さと文字数の多さで2割が脱落、途中で半数が脱落、読了した8割程度がようやく有耶無耶に敬して遠ざけたような感想を書いてるような。 SF的にもミステリー的にも素晴らしい作品なので、細部にこだわって徹底的に論じるに値すると思うのですが。 OLDIES 三丁目のブログ ■[名作文学]灰猫ホームズの推理競争 「吾輩は猫である」殺人事件 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150617/p1 ↑ネタバレなしの感想です少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)『「吾輩は猫である」殺人事件』(奥泉光)ネタバレ検討会 http://sfclub.sblo.jp/article/142598831.html ↑ネタバレ全開で、疑問点を挙げてみました。ご意見ご感想お待ちしております。 >> 続きを読む
2015/06/20 by 荒馬紹介
赤川次郎
1億円。宝くじで当たったらどうしよう~♪なんて妄想を抱いたことがある人はたくさんいらっしゃるでしょう。でも1億円人にあげるならどう使ってもらいたいか?そんな想像をしたことがある人は少ないのでは?赤川次郎は暇つぶしの王者です。10数年ぶりに読んだかもしれない赤川さん。作者もみずにその辺にあった本を手に取ってみたのですが最初の数ページだけ、と思ったのですが読みやすくてあっという間に読めそうだったので、一応読了してみました。読書の目的はいろいろありますが、「暇つぶし」というのも立派な目的ではあります。はい。ちょっとした空き時間、待ち合わせや移動の列車の中など気楽に手にできておもしろい本。というご希望なら赤川さんはハズレなしでしょう。身寄りのない超お金持ちの老人が気まぐれで思いついた面白い遊び。それが赤の他人に1億円をぽんと渡してその人生に引き起こされるさまざまな事件や人間関係や感情の変化を覗き見することでした。もたらされるのは幸か不幸か?!でもね。赤川さんですから、不幸のドツボに落ちるような話は書きません。だからこそ暇つぶしにいいんです。気楽に読み終えられて笑えてちょっと暖かい。そこが私には物足りない部分が残るのも正直なところ。甘いよ。ありえないよ。その展開おかしいでしょう。そんなバカな話があるか?!こういうシビアな読書好きは赤川さん向きではありません。といいつつ私は過去かなりの冊数、彼の作品を読んできました。小説としては大したことないよね~。ストーリーもすぐに忘れちゃうしさ~。なんて愚痴りつつ。赤川次郎はうまい小説家なんです。今回、短編集なのでそれがはっきりわかります。起承転結がしっかりあって、抜群に面白くつながっていく快感。キャラクターに嫌みがなく善悪も分かりやすい。『青春の決算』を例にとってみます。(ちょっとネタバレします。多作の赤川次郎の短編を記憶にとどめられるすごい方がそうそういるとは思えませんので。ただし本作をすぐに読む予定の方は読まないようにね。)起…ガンで余命1年を宣告された母が病院で意識を失う承…翌朝、なんと母が(中身だけ)高校生になってしまった。 学校へ行こうと大慌ての母と止めようとする娘転…田ノ倉の運転する宮島の乗った車が母と接触 事情を聴き一億円を提供。 高校の卒業式の打ち上げパーティーを再現する一大イベントが実行される結…母、元に戻って余命を父と精いっぱい安楽に過ごすことに読んでいるときの心地よさを何よりも考えている作家なのかもしれませんね。それは赤川さんの音楽好きと関係があるかもしれません。本のページをたどっているときは、外のことを忘れて文章に心をゆだねてリラックスする。暴力も犯罪も死もここでは現実味をはぎ取られ、ストーリーのアクセントでしかありません。この作品はどうやらシリーズの2作目らしいです。1億円プレゼントの最初のきっかけは1作目で読む必要があります。この短編集ではもう1億円あげるのが「当たり前」の前提条件で出てくるので、はじめは何のこっちゃ?と思いました。(目次)『不幸、買います』 笑顔が貼りついてしまった男の悲喜劇。お得意のドタバタ『老兵に手を出すな』 刑期を終え出所したベテランの泥棒の元に忍び寄る危機『崩壊家族』 独居の老女が倒れた。母にひとかどの財産があるとわかった子どもらは?『見開きの町』 ド田舎の東西ベルリンに生まれたロミオとジュリエット『青春の決算』 余命1年宣告を受けた母の奇行の裏に隠された真実現在は『不幸買います』のタイトルに改題され、文庫ででています! >> 続きを読む
2017/11/21 by 月うさぎ
EllroyJames , 佐々田雅子
暗黒小説の旗手であるジェイムズ・エルロイのLA四部作の掉尾を飾る作品である。LA市警風紀班警部補のデイヴィッド・クラインが主人公である本作は、主人公も含め悪人しか登場しないタイプの小説で、馳星周の不夜城シリーズのモデルとなっていることは間違いない(ちなみに本書は馳星周のバイブルだそうだ)。登場人物のトミーとルシールの関係性を、そのまま馳星周が不夜城の登場人物にも似せたことは疑いようがない。文中、エクスクラメーション・マークが4つも5つも並べられたり、フォントがいきなり大きくなったりと、かなり異色な作りの小説となっている。P208での「いってません」というセリフの連呼やP384の「回答を拒否する」というセリフの連呼は、映画「女神の見えざる手」でジェシカ・チャステイン扮するエリザベス・スローンが「弁護人の助言により、米国憲法修正第5条に基づき答えることを拒否します」と繰り返し言ったことを想起した(ちなみにこの作品はドンデン返しミステリ映画の傑作である)。P428ーP431の、地の文が一切出てこず会話文のみが連続する形式も異色である。マネー・ジャングルの章のP541の銃撃シーンの迫力は流石である。ただ、馳星周も指摘しているように異様に短く刈り込まれた文体であることと、そもそも翻訳物であることにより、話の筋がいまいちわかりにくくなっている。この手の犯罪小説を楽しみたいなら、素直に(?)馳星周の不夜城シリーズを読むのが一番な気もする。 >> 続きを読む
2020/11/14 by tygkun
綾辻行人
5人の友人たちが埋めたタイムカプセル。集まった鳴風荘で10年ぶりに掘り返そうとするが、その夜に殺人事件が。それは6年前のある事件に関連したものだった。殺人方程式で登場した明日香井兄弟の続編。推理前に読者への挑戦もついている意欲作。犯人当ては勿論だが、いかに殺人を成し得たかのトリックもその局面で次々と変わる。ある条件下の人間のみ可能であるという推理から、二転三転する経緯は見所。確かにこの犯人は当てることは出来るが、トリックの細かい部分まで見抜くことは難しい。特になぜ死体の髪を切ったかという謎も含めて。 >> 続きを読む
2018/04/17 by オーウェン
出版年月 - 1999年3月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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