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1999年9月発行の書籍

人気の作品

      アルジャーノンに花束を

      ダニエル・キイス , 小尾芙佐

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! momomeiai Minnie sunflower tadahiko Erika
      • 知的障害者(主人公)の日記を通じて、手術前後の生活が分かるお話。
        本だからこそ表現できる、日記の「誤字」が良かったです。

        映画「レナードの朝」(1991年)に、お話が少し似ています。

        所有していた本でしたが、友達に貸して、戻ってきませんでした。
        2019年、図書館で借りて、再読しました。
        >> 続きを読む

        2020/02/08 by mirio3

    • 他17人がレビュー登録、 70人が本棚登録しています
      人を動かす

      D・カーネギー , 山口博

      創元社
      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.4
      いいね! gavin tomato yam oriedesi mee
      • 一つ一つの「人を動かす」エピソードがとてもおもしろく、さらさらと読めました。
        こういう本の場合、教訓を得て社会へ活かしていきたいのですが、おもしろかったという感情しか残りませんでした。数々の成功例を自分自身へ結びつけることができず、かなり受け身で読んでしまったことが原因だと思います。
        非常にもったいない読み方をしてしまったような気もしますが、そもそも現状、人間関係にトラブルはありません。そのため危機感もなく読み終えてしまったのでしょう。それはそれで良いような気がします。
        社会人になったばかり、もしくは部下を持つ立場の方には響く内容と思われます。

        「敵を作る確実な方法とそれを回避する方法」なんて、自分の生まれる何千年も前からずっと議論されていることなのですね。相手を刺激せず、少々の駆け引きを使うことを人類はずっと繰り返してきて、いまだに模索している。そう思うとすごく嫌な気持ちになります。おそらく、これから先の未来の人たちもずっと悩まされるんだろうなぁ。ホントうんざりする。

        最後の方は家庭生活におけるあれやこれやの方法が書かれています。夫を非難する妻にならないよう頑張ります汗
        >> 続きを読む

        2021/07/24 by あすか

      • コメント 2件
    • 他17人がレビュー登録、 73人が本棚登録しています
      凍える島

      近藤史恵

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 近藤さんのデビュー作は、クリスティものの無人島で起こるクローズドサークル。

        休暇のため、あやめとなつこが他の6人と共に渡った無人島。
        そこで殺人が起き、次第にそれが連続殺人へと移行していく。

        時代故の表現や言葉の語彙に引っ掛かりを覚えたが、実際孤島に移ってからはお互いの恋愛模様が事件を生み出していく。

        オーソドックスな設定なので地味な展開が続くが、犯人当ての論理的な構成。
        そして捻った結末。
        これがあるから多くの推理作品に埋もれなかった理由だろう。

        まあストレートにこの人が犯人でも良かったけど。
        >> 続きを読む

        2021/02/23 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      レキシントンの幽霊

      村上春樹

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 1990年代の短編集です。
        これもかなり昔読んだのですが内容を忘れてしまっていたので再読。全体的に90年代らしい感じで、悲しさと暗さ、特に「人が死ぬこと」のイメージがつきまとうものが多いです。(個人的には割と好きですが)



        「レキシントンの幽霊」
        不思議な出来事と、いわゆる村上春樹らしい悲しみについて。

        「緑色の獣」
        かなり異色。ただ醜い哀れな獣とドSな女の話。不気味な存在の方が完膚なきまでに叩きつぶされるというのが村上春樹にしては珍しいけれど、獣のほうに同情してしまうとなんだかやるせない。

        「沈黙」
        ねじまき鳥に出てくる”綿谷ノボル”を思い出す。

        「氷男」
        良いです。ただ悲しく冷たく、美しい話です。

        「トニー滝谷」
        すごく好きな作品。
        涙を流した女の子が強く印象に残った。その人は、他人の悲しみを本能的に共有できてしまう繊細さがあって、一方で多くを語らずにただちょうど良い距離感を保つことができるような、優しくて素敵な人なんだと思う。

        「七番目の男」
        読んだままのイメージが夢に出てきたくらいの恐怖。
        怖かった。(津波の表現があります)

        「めくらやなぎと、眠る女」
        ノルウェイの森のベースになっているらしく、やっぱり雰囲気はどことなく似ている。



        >> 続きを読む

        2020/10/26 by lafie

    • 他3人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      生きがいの創造 "生まれ変わりの科学"が人生を変える

      飯田史彦

      PHP研究所
      カテゴリー:超心理学、心霊研究
      5.0
      いいね!
      • ガイです。

        スピリチュアルな科学研究から読み解く人生があります。
        そんなとっておきの本を知りました。

        人生は、すばらしい生命のしくみや宇宙のしくみの中でドラマティックに
        展開されています。

        こんなこと信じられますか?生まれてくる子供たちは、実は偶然ではなく
        生まれてくる親を選んでいることを。また生まれる前に意識(光)として
        存在していた記憶も残っています。

        中には胎内にいた記憶が残っている子供たちもたくさんいます。
        鮮明に覚えている証言も、多くの子供たちから聞くことができます。

        不思議ですよね。しっかりと物事には意味があるということ。
        普段、スピリチュアルな本を読むことがない私でも、科学的に証明できないにせよすべてに意味があることを知りました。
        >> 続きを読む

        2021/08/11 by ガイ@営業

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      制作

      エミール・ゾラ , 清水正和

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 【本作は、セザンヌをモデルにした作品なのだ】
         ルーゴン=マッカール叢書第14巻の『制作』は、その名の通り芸術家を描いた作品です。
         というか、ゾラが親しかったセザンヌをモデルにして書いた小説なんですが、この小説がきっかけでセザンヌと絶交状態になってしまったという曰く因縁のある作品です。

         主人公のクロードは、仲間達から才能を評価されてはいるものの、未だ世間には認められていない画家でした。
         ある日、彼は自分のアパートの前でずぶ濡れになって立ち尽くしているクリスティーヌという若い女性に気付きます。
         クリスティーヌは、初めてパリに出て来たものの、御者に放り出され、道も分からず途方に暮れていたのです。

         クロードは、どうにも胡散臭い話だ、作り話なんじゃないか?と疑いつつも、放り出すわけにもいかず、アパートに入れてやったのです。
         ベッドを譲り、その夜は眠りについたのですが、翌朝、まだ眠っているクリスティーヌの姿を見て絵心が刺激されました。
         思わずデッサンを始め、クリスティーヌの頭部を現在制作中の絵画に描き入れたのです。

         その後、クリスティーヌと会うことも無く時間が過ぎていったのですが、時間が経つに連れて、絵の中のクリスティーヌの頭部はどんどん違う女性のものに変わっていってしまったのです。
         クロードは、この絵をサロンに出品したいと考えていたのですが、このままでは完成させられそうにもありませんでした。

         うちひしがれていたクロードのもとに、突然クリスティーヌが訪ねて来ました。
         やはりお礼を言うべきだと思って、ということだったんです。
         その後、クロードとクリスティーヌは互いに魅かれ合うようになり、クロードはクリスティーヌに懇願して今一度絵のモデルになってもらい、なんとか制作中の絵を仕上げたのでした。

         クロードの絵はサロンには入選しませんでしたが、これまでの絵には無い新しい画風を実現したもののようでした。
         クロードや、彼の仲間たちは、新しい芸術を作るのだという意気に溢れ、自分たちを『外光派』と呼んだのです。

         クロードとクリスティーヌは、パリを離れ、田舎で生活を始めるのですが、クロードは段々苛立ってきます。
         再びパリの空気を吸いたいという気持ちが抑えられなくなるんですね。
         そんなクロードの気持を察したクリスティーヌは、田舎の家を引き払い、パリに戻ることを決意します。

         そうして4年振りにクロードらはパリに戻って来たのでした。
         久しぶりのパリで、クロードは再び昔の仲間達を訪ね歩きます。
         上巻ではこの辺りまでが描かれるのですが、特にこれといった事件が起きるわけでもなく、クロードやその仲間達の芸術生活が語られていくだけなんですね。
         382ページとそれなりの分量がある割には、ストーリー的には大きな動きはまだありません。
         さて、この後どう展開していくのか。
         下巻に進むことにしましょう。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2021/11/08 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      ボ-ン・コレクタ-

      池田真紀子 , DeaverJeffery

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! ooitee
      • 今現在も続くリンカーンシリーズの第1作。

        四肢麻痺で首から上しか使えないが頭脳は明晰。
        科学の力で犯人を捕まえる探偵として警察から依頼が来る。
        犯人はボーンコレクターと呼ばれるサイコパス。
        リンカーンは現場にいたアメリアを相棒として捜査を進める。

        シリーズを見ているので、主要な人物造形がまだ固まってない人がちらほら。
        リンカーンとアメリアの関係も仕事に割り切っているし、特にフレッド・デルレイは最初敵対心剥き出しで出ていたのは意外。

        犯人とリンカーンの駆け引きでいかにして人質を救っていくのか。
        基本はこの形だが、それに貢献するのが微細な現場の証拠たち。
        この科学捜査が魅力的だからこそ、犯人が誰かというどんでん返しも見応えあるものになっているのかも。
        >> 続きを読む

        2021/10/06 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      クリスマスに少女は還る

      O'ConnellCarol , 務台夏子

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • こういう終わり方にしたのか~!と本当、びっくりものでした。私は感動した組!。
        この結末は賛否両論でしょうね。
        いや、でもいいよん。だって・・・クリスマスだもん(謎&笑)。

        最初は犯人は誰?主人公の刑事ルージュの双子の妹を殺した犯人と同人物?などなどミステリ要素の方が強く読み進めていましたが、途中からは少女たちの脱出劇の方が心配になっちゃって、もうハラハラドキドキ。
        二人の少女は性格も全然違うし、1人の子はとっても面白いキャラクターをしているんです。おまけにルージュの妹の事件のこと、ルージュの前に現れた顔に傷のある謎の女。誘拐された少女たちの親のこと。更に破産寸前のルージュの家の問題などなどいろいろな要素が絡まりあい、本自体は結構厚いのですが嫌になることはないです。

        オコンネルの作品にはキャシー・マロリー巡査部長を主人公にしたシリーズもありますが、私はマロリーがあまり好きではないので、もっとこういう作品を書いて欲しいなぁ~とせつに願う次第です。
        >> 続きを読む

        2015/02/17 by mana

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      オブジェクト指向における再利用のためのデザインパタ-ン

      吉田和樹 , 本位田真一 , GammaErich.

      ソフトバンククリエイティブ
      カテゴリー:情報科学
      4.0
      いいね! aprilia
      • デザインパターンはオブジェクト指向でソフトウェアを設計する際に覚えていて損の無いデザインのパターン集を集めた本です。著者はGang Of Fourと通称される4人。近年OVM等のLSI論理設計の検証ライブラリの設計でも応用されており、LSI論理設計にも徐々に浸透中(結局盛大かつ日常化した(HW記述用の言語としての)DSLでも文字で記述してオブジェクト指向の概念を取り込むとデザインパターンが適用されるという事)。でも、これを暗記用の暗記カードorコミュニケーションツールとしての辞書としては欲しくないです。と、言うのは、これオブジェクト指向で独力で試行錯誤して様々な設計を考えたことのある人であれば、ああ、あのクラス図の駒の配置(色々な制約条件を加味して作り出した物を)こう呼ぶのねという常識の範囲をあまり超えない概念だからです。ですからむしろ普遍的とも言えます。
        オブジェクト指向のノウハウというのは難しいものがあります。というのは単なる積み上げではないからです(時間を掛ければ会得できるものではないのです)。オブジェクト指向を持ってソフトウェア設計はより直感的になりましたが、故にプロシージャ指向から直感/経験指向にシフトしました。つまり直感/経験指向の職人芸(原生林の中で生き延びられる人は生き延びられる)->プロシージャ指向(生き延びる術だけは確立された)->直感/経験指向(良いものを作れるかどうかはその人のセンス次第)に戻ってきた事になります。真っ白なキャンバスに初期なクラス図を描き出す術をプロシージャで表すことは不可能なのです(だって、描く人にその線見えるかか見えないかなのです。そして見えるか見えないかは過去の開発において開発の時間の流れによる変化という運命という神とのがちんこの戦いにおいてどれだけかすりボーナスGETしたかというパラメータに実は比例します)。オブジェクト指向により生産性や保守性、拡張性は飛躍的に上がりました。これは派生開発を見越したシステム開発(例えばプロダクトライン)には必須でしたし、個人的には定着期をうまく支えることができれば、安全性にも多大に寄与すると思っています。ですが、オブジェクト指向の設計の考え方の実際的はフローを説明した人ってまだ居ないのですよね。つまり、デザインパターンとそれがフィットする設計の思考という峠の風景というのでしょうか。峠への道のりをおぼろげに示した本はございますけれどね。この技術の難しいところは会得できる人は認識した時には会得していて、会得していない人にはどうやったら会得できるのかを説明できない事にあるように思います。
        >> 続きを読む

        2012/10/23 by Shimada

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      そらまめくんのベッド

      中屋美和

      福音館書店
      カテゴリー:芸術、美術
      4.4
      いいね!
      • ※厳しめレビューです。
        ※この本をお好きな方は読まない方がよいかもです。。





        娘は豆類(枝豆やそら豆)をこよなく愛しているのですが、
        そんな娘は少し前までたびたびこの絵本を保育園から借りてきていました。

        そら豆くんは自分のベッドがとてもお気に入りです。
        お友達から「かして」と言われてもなんだかんだ理由を付けてかしません。
        「君には大きすぎるよ」
        「君にはそのベッドがお似合いさ!」
        そんなそら豆くんのベッドが行方不明に…

        娘はわりとこの絵本を好きなのですが
        私はどうしてもこの本に教育的な要素を感じてしまい好きになれません。

        絵本ってそれぞれが色々なことを感じ取れる自由さがあって良いと思うのですが
        「独り占めは良くないよね」「仲良くしないとダメだよね」というものが先にあって
        そのあとにストーリーができた?という気がしなくもないのです。
        結果的にそういうメッセージを感じ取るのだったら良いのですが
        この本の場合、誘導されている感を感じてしまうというか。
        (穿った読み方でごめんなさい。。)

        あとは、個人的に主人公のそら豆くんが好きになれないのも大きいかもしれない。
        いたずらっ子でも、ワガママでも、愛すべきキャラクターっていると思うのですが
        そら豆くんはあんまりそういう感じではないんですよね。

        そんなわけで、私の中ではあまり好きではない絵本です。

        ----
        おまけ。

        もはや絵本のことではなくそら豆自体の話ですが、、

        今まで私、そら豆好きじゃありませんでした。
        ですが、出産後にそら豆をまじまじと見ていると、
        今までなんにも思ったことなかったあのそら豆のフワフワの皮が気になる。。
        このお豆たちはあのフワフワに包まれて、大切に大切に育てられたんだなぁと思うと
        なんだかとても愛しい。。

        あと、娘とそら豆の皮むきをする時間が大好き。
        「うわぁ~フワフワのベッドだね~」
        (ちいさなそら豆を見つけて)「こんなにちっちゃい!」
        と、娘の発言が微笑ましくって^^

        そんなわけで、今ではだいぶそら豆を好きになりました☆
        またそら豆の季節が来るのが待ち遠しいです。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by chao-mum

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      制作

      エミール・ゾラ , 清水正和

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【「よしよし、今いく!」と絵に呼ばれてしまうのです】
         下巻に入り、クロードは、自身の畢竟の大作として、シテ島を題材に選びます。
         それまで暮らしていたパリのアパートではこの対策を描くことができないため、新たに広いアトリエを一軒借りての制作です。
         いや、そんな金など無いのです。

         しかし、この作品さえ仕上がれば金も名声も思いのままであると考えたクロードは、遂に年金の元本に手をつけてしまうのです。
         それは、クリスティーヌから再三戒められていたことなのですが、作品を制作するためにはそれしか金が無かったのです。

         クロードは、移動式大はしごも設え、巨大なカンバスにシテ島の風景画を描き始めました。
         しかし、その制作は困難を極め、何度も挫折を繰り返し、何年も過ぎてしまうのです。
         そうこうしているうちに、クリスティーヌとの間に生まれた男児が亡くなってしまいます。

         クロード自身全くと言ってよいほど育児に関心を示さず、ただ思い通りにならない子供を怒鳴りつけてばかりいたようなものでした。
         しかし、いざ我が子を失ってみるとそれは大きな衝撃だったのでしょう。
         クロードは、子供の死体を前にして5時間ほどで小品を描き上げたのです。
         シテ島の大作は今年のサロンにも間に合わない。
         それならば、この『死んだ子供』を出品しよう。

         クロードの『死んだ子供』は、新たにサロンの選考委員となった友人のファジュロールの慈悲により入選させてもらえたのですが、会場ではとんでもない場所に展示されたこともあり、誰の注目も浴びませんでした。

         その後、クロードは、クリスティーヌをモデルにしてシテ島の大作制作に戻るのですが、どういうわけかクリスティーヌをモデルにした女性をヌードで描くのです。
         パリの真ん中にヌードの女性がいるわけはなく、それはおかしいと友人たちからもいさめられるのですが、クロードは頑として聞き入れようとはしません。
         そして、その女性を描き切ること自体がクロードの大きな苦悩となっていくのです。

         本作は、ゾラの自伝的小説と言われているようです。
         確かに、作中に登場する小説家のサンドーズは、ゾラ自身を仮託しているかのように読めます。
         かなり独立色が強い作品で、『ルーゴン=マッカール叢書』全体の位置づけとしては、主人公のクロードは、『居酒屋』のヒロインであるジェルヴェーズの息子で、『ナナ』の異父兄に当たるのですが、作品の内容的には『居酒屋』とも『ナナ』とも、それ以外のこれまでの『ルーゴン=マッカール叢書』のどれともつながりはありません。

         その意味で、あまり『ルーゴン=マッカール叢書』の一冊を読んでいるという印象は強くなく、芸術をテーマにしている別の作品を読んでいるかのようにも感じました。
         これはこれで、シリーズ全体の中で独特の位置を占める作品ということになるのでしょう。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2021/11/09 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      マダムの幻影

      藤本 ひとみ

      4.0
      いいね!
      • マリー・アントワネットの遺児であるマダム(マリー・テレーズ)は、幼くして両親を革命によって処刑され、オーストリアに逃れ、社会を恨みながら孤独に生きてきた。

        教会の助任司祭であるルナール。立場は司祭だけど、親に捨てられ教会で育てられた彼は、手段を選ばず(”体”で上司を誘惑、支配。げげっ)どうやって成り上がっていくかということだけを考えている全く宗教人らしくない人物。
        エゴのために革命の裁判ではマリー・アントワネットの死刑を決定づけるような嘘の証言をしていた。

        ルナールにマリー・アントワネットについての回想録を売りに来たカロリーヌも、弁護士だった父が流刑にされ生活のために娼婦になった。そして歩けない夫を・・・


        3人とも、言わば残念な生き方をしてきてしまった人たち。

        (以下ネタバレ注意)



        マダムの前でルナールによって翻訳されていく回想録には、マリー・アントワネットの真の?生々しい姿や思いや庶民とかけ離れてしまった価値観などが描かれていた。
        (価値観が違うからといって死刑にされるのは納得いかないし、初めから死刑が決まってる裁判って…本当に恐ろしい社会だと思う。「存在」が”罪”とは・・・)

        毅然と自分の正義を貫こうとした、そのためには偽証さえも・・・『悲劇の王妃』は自身の演出だった!?いつまでも国民に愛されたいが為の・・・。

        回想録をきっかけに、3人は自分自身を見つめ直す。

        >どうして自分は、母を哀れむことしかできなかったのか。なぜ母の不幸ばかりを深く心に刻みつけ、不当なほどの涙をそそぎ、復讐を誓って生きる支えのように抱きしめてきたのか。・・・・・・マリー・テレーズは、自分がそうされたかったのである。誰かに、一心に哀れんでほしかった。

        >誰も手をさしのべてくれない祖国フランスにおいて、マリー・テレーズは、自分が求めて得られなかったものを母の幻影にそそぎこみ、母を満たすことで、自分自身を癒そうとしたのであった。


        >『あの下劣な証言は、君の下劣な人生から出たものか』



        一番力強く、しっかりと生きたのは、(改革後の)マリー・アントワネットだったのだろう。
        3人はそれぞれに生き直す決心をするのであった・・・
        >> 続きを読む

        2015/05/11 by バカボン

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      三つの都の物語

      塩野 七生

      5.0
      いいね!
      • 塩野七生さんの小説は珍しい。ルネサンスのベネチア、フィレンツェ、ローマで起こる殺人事件が題材。当時のイタリア、トルコ周辺の雰囲気、街の香料の匂いがぷんぷん伝わってくるような気がした。主人公のマルコが魅力あふれる。500ページを超える分厚い本だが2日で読了。読書は一瞬で時空を超えることができる好例。おもしろい。 >> 続きを読む

        2015/08/30 by Starflight

    • 1人が本棚登録しています
      巷説百物語

      京極夏彦

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 言葉が昔でおもしろい。「白河夜船・・」なんて言葉を初めて知った(調べると、同名の書籍・映画もあるようで無知でした)。やたら人が死ぬがそれぞれの謎解きも決め台詞とともに楽しめた。死人の腐敗の様子を段階的に表した背表紙もおもしろく、見ながら読み進めた。
        >> 続きを読む

        2017/04/04 by Matching

    • 2人が本棚登録しています
      バベル消滅

      飛鳥部勝則

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 離島で起こる連続殺人事件。
        それに関係するのはバベルの絵。
        推理マニアの田村正義がそれを解決しようとするが。

        本に対してその絵が挿入されているのでイメージはしやすい。
        ただし犯人当てに関しては一筋縄ではいかない。

        事件や解決は2章までであるが、終章で別の驚きが現れる。
        絵に込められたミッシングリンクが殺人に関わっていることは分かるのだが、その裏は読めなかった。

        またダイイングメッセージが登場するのだが、その条件下で犯人を推理していくのもよく出来ている。
        >> 続きを読む

        2018/11/11 by オーウェン

    • 1人が本棚登録しています
      荀子

      内山俊彦

      講談社
      カテゴリー:先秦思想、諸子百家
      5.0
      いいね!
      •  儒者の中でも孔子、孟子に比べて扱われる機会の少ない荀子。その弟子である韓非子や李斯のよほど有名です。孟子の「性善説」を説明する時に「性悪説」が取り上げられるくらいで、どちらかというと異端扱いです。思想家を紹介する時にその人の主な著書や弟子のまとめた言行録が重要な手がかりになるのは当然ですが、どういう時代に生きたのかということも同じように重要だということがこの本を読んでよくわかりました。特に春秋戦国時代の遊説家たちは、今でいう思想家や哲学者のイメージとは違い、どちらかというと訪問販売をしている営業マンに近いような気がします。モノを売るのではなく自分の思想を売り込み、国政に携わろうという目的があるところが違うところではありますが。諸子百家という言葉は漢の時代になってから春秋戦国時代の生きのいい思想家たちがいなくなってから、きれいに分類されてしまった名称で、同時代の人たちが自らを規定した言葉ではありません。ですからある思想家の思想も後代から見れば先行するさまざまな思想を自らの思想に組み入れて成り立っています。本書で何度も強調していることは、荀子の思想史的な位置づけです。筆者は春秋戦国時代の儒者を権力に近づいて国政に携わろうとしながら、果たせない存在として描きます。そして果たせなかったからこそ、鋭い批判者の位置でいることができたと。孔子は国政に携わっている時期もありましたからそういう意味で面白いのですが、孟子になるとかなり理想論を前面に出して君主を鋭く批判しています。では荀子はどうかと言いますと、もはや秦の統一は近いというところまで来ています。弟子の李斯が宰相になり、韓非子を読んで感動した秦王政が中国を統一して始皇帝と名乗るまであと少しの時代に来ているのです。群雄が割拠してどこが統一者になるかわからないという時期ではなく、そういう意味ではまだ理想を語ることができた時代と言えるかもしれません。孔子は自分に小さな国でも任せてくれれば三年で周のような国を作ってみせると言っていましたが、荀子の時代には超大国秦に対して儒者がどういう立ち位置をとる必要があるかを考えなければならない時代になっていたのです。

         孔子や孟子は堯・舜・禹のようないにしえの聖王を理想化してその治世を現代の王も見習えば理想的な政治ができると説きました。荀子は、古代の聖王たちが作った法や慣習をそのまま当今に使うのではなく、それらを基としながら、その時々の王が時代に合わせて改変していくべきだといました。しかし君主が恣意的に改変するのではなく、あくまで礼に従ってという条件付きです。荀子は現実には殺戮に殺戮を重ねて天下を統一しつつある君主を無視して理想論を語るわけにはいかない時代に生きていました。現実の王を認めつつ、儒者としての理想を語る仕組みが、君主の権威を礼の下に置くという考えでした。荀子は王になれない君主を「覇」として容認しました。韓非子や李斯は師の思想を受け継ぎながら、礼を君主の上におかず、法を君主が作りそれが規範となるという考えだけを発展させ、臣下を君主の下に秩序立ててピラミッド型の統治体制を作り上げました。この秩序自体は儒者の思想を受け継いでいます。法家と後に呼ばれる彼らとは違う系統の弟子達は秦の下でどのような儒者となっていったか、こちらも礼を君主の上に置きつつ現実と理想に折り合いをつける(現実の君主を認めつつ認めない)荀子の思想を受け継げず、君主を絶対化する方向に流れていきます。覇王である君主を聖王に近づけるために礼による矯正をかけていくのが荀子の思想でしたが(これはそのまま「性悪説」にあてはまる)、荀子の弟子たちは君主をそのままの状態で聖王として扱ってしまうということでしょう。

         儒者が権力の内部に取り込まれていった結果、儒教は国教になり儒者は王を支える官僚として国家機構を強化していくこととなります。荀子は『荀子』の中で「非十二子篇」という部分で他の思想家を排撃しています。筆者は結果として荀子は諸子百家の思想の最後に位置する思想家としてその時代を終わらせる役割も持ったのではないかと言っています。荀子の後の儒者たちはこの「非十二子篇」を引いて他の思想家を排除し、儒教は正統な思想として国家を支えていくことになるのです。
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        2014/02/11 by nekotaka

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      人形式モナリザ

      森博嗣

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • Vシリーズの第2弾。

        前回の1作目が衝撃的なラストだっただけに
        今作も期待して読み始めましたが
        いきなり保呂草さんが出てきてびっくり!

        「あれ?前回のオチから。。え!?」
        って感じで困惑のままスタートし
        そのまま読み終わってしまいました。

        トリックや犯人がかなり不親切というか
        昨今のミステリーが分かりやすすぎるのもあるのでしょう。
        森先生に置き去りにされたような感覚です(^ ^;)

        確実に読み手を選ぶ作品でしょうが
        僕はますます森ワールドに引き込まれる事になりました(笑)
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        2015/02/13 by MUSICA

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      盤上の敵

      北村薫

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 北村さんが意識しているのは明らかにエラリー・クィーン。
        チェスのように見立てて、計画を実行していく事件の顛末とは。

        妻が待つ自宅に殺人犯が籠城。
        夫は困惑するが、そこにワイドショーのカメラの中継が。

        このパートと同時に別の話が語られていく。
        当然これには意味があると思うのだが、それに気づくのはこの事件に裏があるから。

        途中で気づく可能性もあるけど、それがどういう結末をもたらすのか。
        この手の作品としては意外な落し処かも。
        >> 続きを読む

        2018/07/09 by オーウェン

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      春秋の名君

      宮城谷昌光

      講談社
      4.0
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      • 君主は誰にでもなれるものではなくて、基本的には君主の子に生まれなければなれない。
        必然的に選ばれた人の中から名君と呼ばれる人が出てくる割合は非常に少ない。
        名君が少ないがゆえに名臣が目立っているように思えるほど、歴史上には酷い君主の方が多い。
        そのせいか名君と呼ばれる人は際立っていて、その人生が圧倒的に面白い。

        後半の宮城谷さんのエッセイは、読んでいてとにかくすごいなぁと思うばかりだ。
        自分にたった一つの才能があるとすれば、それは努力する才能であろうなんて、なかなか言えることではない。
        >> 続きを読む

        2013/07/13 by freaks004

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      警視庁刑事 私の仕事と人生

      鍬本実敏

      講談社
      4.0
      いいね!
      • 警視庁のコンピュータと称された元警察官が振り返る半生。

        殺伐とした事件の中でこそ、小さな交流で救える心が有る。

        警察。まして殺人事件担当部署などと聞くと、一般的には近寄り難い存在だと思う。
        とは言え、優秀な警察組織が民衆の幸福を守ってくれていることも言わずもがなで有る。

        著者は警視庁のコンピュータと称されたほどの抜群の記憶力と、数々の難事件を解決して来た実績を持つ元警察官で有り、大女優とのロマンスやキリスト教への帰依などのエピソードも交えながら、警察との距離を縮めてくれる。

        ヤクザや娼婦たちとも人と人との関係を大切に、人情が介在する余地が有った時代の話は、サラリーマン化して、地元のことは何でも知っているような警察官がほとんどいなくなった現在からすれば
        確かにうらやましい面が多いと思い知らされる。

        地道な捜査の現実や、新聞記者との付き合い方なども読み応えが有った。

        圧巻だったのは、亡くなった著者に向けて寄せられた、宮部みゆき氏をはじめとした多くの推理作家からの賛辞。

        確かに警察の迫力有る姿をリアルに描くためには、現場を良く知る方からのインタビューが必要で有ろう。
        読み終えた今となっては良く分かるが、著者の経験と表現力は、まさに適任だと思える。

        警察組織を愛するが故の批判から、犯人に対しての誠実な対応が垣間見えるようで有る。
        >> 続きを読む

        2011/05/26 by ice

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