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2000年1月発行の書籍

人気の作品

      文学部唯野教授

      筒井康隆

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      •  久しぶりに、心の底から面白いと思える一冊に出会えた。大学における権力闘争、明快な文学史の講義、主人公が東奔西走する姿を皮肉を交えたコメディとして描くこと…実に3つの主軸が合わさり、1つのストーリーを作り上げているのは見事としか言いようがない。また、それぞれの軸がかなりの完成度を保っているのはもはや唯一無二の傑作であることの証左である。
         恥ずかしながら、今まで文学作品を乱読していたにも関わらず、文学理論についての著作は読んだことがなかった。それが、この作品を読むことで概要がわかってしまうのだから恐ろしい。底本はイーグルトンの『文学とは何か』らしいので、そのうち読もうとは思うが、文学理論以外にも、20世紀に至る文学作品や様々な文化にも触れており、筒井康隆氏の知的関心には舌を巻くばかりである。
         この本を読んで、くすぶっていた知的好奇心が再燃した。この本の中に出てきた本は、新学期からまた読み進めていきたいと思う。
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        2018/03/14 by shinshi

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ご冗談でしょう、ファインマンさん

      大貫昌子 , FeynmanRichard Phillips

      岩波書店
      カテゴリー:個人伝記
      4.7
      いいね!
      • 本当に純粋に学問自体が好きな人。
        マンハッタン計画に関わっても特に罪悪感を感じるでもなく、アメリカへの愛国心を語るでもない。

        一方で戦後日本訪問をとても好意的に叙述していて、西洋式ホテルではなく、日本式旅館や食事を絶賛している。
        湯川教授も登場する。

        絵画とかドラムとか外国語とかいろんな事に興味を持って実践してて、科学や数学の話以外のエピソード多くて読みやすかった。
        >> 続きを読む

        2016/11/11 by W_W

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      知の編集術 発想・思考を生み出す技法

      松岡正剛

      講談社
      カテゴリー:知識、学問、学術
      3.5
      いいね!
      • 私自身が自分でも多いなと感じるほど活字中毒者であり
        こうしたあらゆる情報の取捨選択と時間をいかに
        有効に使うのかを意識しながら読んだ。
        本を通して知ることのできる世界の領野からいかに
        物事の本質を把握するべきか考えさせられた。
        >> 続きを読む

        2013/10/21 by frock05

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿

      篠田真由美

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 大学院生、痩身、顔の三分の二を覆う長い前髪。

        だが、その下に隠されているのは、すれ違った女の100人に99人までは足を止めて振り返るほどの稀に見る美貌の持ち主-----ミステリ史上最高(?)の美形探偵、桜井京介の初登場となるシリーズ第1作の「未明の家」を読了。

        外遊中の教授の研究室を使って西洋館の鑑定のバイトを始めた桜井京介の許を訪れた美少女は、遊馬家の四女・理緒。

        彼女の祖父で、前年に謎の死を遂げた遊馬歴が伊豆の海岸に建てたスペイン風の別荘「黎明荘」の調査を依頼するための訪問だった。

        助手の蒼を伴って現地へ赴いた京介は、黎明荘の奇妙な設計と、建物そのものに漂う「悲しさ」に気づくのだった。

        遊馬家は、理緒の母・明音の黎明荘の取り壊し計画をめぐって真っ二つに割れていたが、やがて明音が連れて来た不動産業者が怪死するという事件が起きたのだった-------。

        怜悧な推理で事件を解決する京介だが、「建築探偵」という通称の通り、彼自身には殺人事件の捜査に関わろうなどという意志はないんですね。

        ただ、建築を調査し保護するために奔走するのであり、そのスタンスは、シリーズ第2作目以降でも変わらない。

        作者自身も語っているように、このシリーズの真の主人公は、舞台となる「建築」そのものなんですね。

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        2018/04/27 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      一億円もらったら

      赤川次郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 身寄りのない大富豪、宮島勉が思いついたゲーム。それが「一億円もらったら」だ。
        莫大な財産を持て余し「誰かを選んで、一億円を贈る」というびっくりなお遊び。

        「老兵に手を出すな(不幸買います)」を読んでしまってからこれが「一億円もらったら」という共通テーマで描かれた本作の続編であることを知って、もののついでなので、第一話から読んでみることにしました。

        短編集で一話一話独立したエピソードなので、別に最初から読む必要はないのですけれども。

        感想は
        「赤川次郎らしくもあり、赤川次郎らしくない作風でもあり」でした。
        「老兵に…」は、いつもの赤川次郎に思えたのですが、こちらは、なんとなくの印象ですけれど、ちょっと違うな~と感じました。


        思いがけず一億円という大金を手にしたとき、人はどう変わるのか?
        お金がどう使われるのか?それはその人の人間性を露わにするかもしれないし、逆に人そのものを変えてしまうのかもしれない。
        いずれにしろ人生が変えられてしまうことは間違いないでしょう。

        人間観察が「楽しみ」だという宮島老人の設定は、アガサ・クリスティの小説の登場人物、サタスウェイト氏にヒントを得たものかもしれません。
        サタスウェイト氏同様に、人がよいのだか悪いのだか、いまいちわからない人物設定なのです。
        時々含蓄の深いことをつぶやいたりしますが、彼自身は比較的無色の存在です。
        人選びも金のやり取りも秘書の田ノ倉を使っており、広い人脈は利用すれど、事件に直接介入せず基本的に傍観を決め込んでいます。

        赤川次郎作品において、このようなニュートラルな存在は実は珍しいのではないかと感じました。
        善人と罪人と悪人と嫌な奴(これ、すべて別のカテゴリーですよ)にくっきり分かれているのが彼の小説のスタイルで、だから読者は「何も考えずに」ストーリー展開に没頭して楽しめるという仕掛けになっている訳です。
        ユーモアで適当に笑わせておいて、殺人やセックスはあっさり軽い扱いをされ、残虐行為も行われますが目に浮かぶようには描写されません。
        要するに感情を深く揺さぶられることもないんですよね。
        そしてありえない展開や思ってもみなかった結末に、素直に面白かった。と本を閉じるのが普通。
        そして各作品にそれほどのばらつきがないのも特徴。

        …だと思うのですが、本作は違います。
        物足りない作品からスラップスティックから感動の小品まで、さまざまです。
        これは、いったい、どういうことなんだろう…?
        赤川次郎に何かあったのか?
        (次作のほうでは特にこういう印象は持ちませんでした)

        「故郷(ふるさと)は遠くにありて」「一、二の三、そして死」なんて、筒井康隆が書けばいいのに、というような話です。(そのほうが何倍も面白かろうに…と思います)

        そして文庫の解説の酒井順子氏の解釈のすさまじさにもびっくり。たぶん赤川さんも驚いているでしょう。
        いくらなんでも、そういう意図で彼は作品を描いていないと思うけれど( ̄∇ ̄;) ハッハッハッ
        でも、それくらい書かないとレビューに書くことがないような本だったとも言えるでしょうね。
        なんかこう、まとまりがないんですよ。この作品集。

        ハート・ウォーミングな部分にのみ着目して感動するもよし、ひっくり返して裏側から見て楽しむのもよし。
        すべて読者次第ではあります。

        私は食い足りない感が残りました。
        これをやるなら、もっと人間の醜いところを描けよ、って思いました。
        でなければ心温まるいい話に特化すればいいのに。と。


        目次  (全5話)
        1.「一億円もらったら」  
           毎朝の通勤で顔見知りになっただけのひそかに憧れる女性から突然の告白
        2.「故郷(ふるさと)は遠くにありて」
           彼女が故郷に還るとき。それは復讐劇の始まりだった
        3.「一、二の三、そして死」
           痴漢の冤罪を受けたサラリーマンの人生の大変化とは   
        4.「仰げば尊し」
           女子高の制服をかわいくアレンジしたい乙女心が友情を開花させるきっかけとなった
        5.「ミスター・真知子の奮闘」
           有能な妻をもってしまった平凡な男の内助の功

        1~3 全部甘いです。短篇というのはこんな半端な終わりでは心に残りません。
        ストーリーの「意外性」というよりも「ありえなすぎてコントみたい」です。(ならばコントにしてほしい)
        4 唯一完璧なハートウォーミングドラマに仕上がっています。赤川次郎が女子高生を描くのがまだ上手いとはね!
        おそらくこの本を読んだほぼすべての人がこの作品が一番よかったという感想を持つでしょう。
        5.原田マハさんの「総理の夫」を連想しました。どうしてデキる女の夫はこういうタイプってことになるんでしょうね?ハートウォーミングでいい話ですが、物語としてはちょっとスケールが小さいかなあ。もっと巨悪と戦えばいいのに。

        宮島氏が「ドストエフスキーの愛読者なので」このゲームに乗り気になった。というような記述があるのですが、いったいどういう共通点があるのかしらと、気になっています。
        何か思い当たる方がいらしたらぜひ教えてください。

        以上勝手な感想でした。<(_ _)>
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        2017/12/21 by 月うさぎ

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      海峡の光

      辻仁成

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 『海峡の光』(辻仁成) <新潮文庫> 読了です。

        技巧の跡の残る文体が私には鼻につき、楽しむことができませんでした。
        (どこか川端康成の表現を思い起こさせます)
        初めての辻仁成作品でしたが、多分、今後辻仁成を読むことはないと思います。

        ただ、私には合わなかった、というだけで、いい作品だとは思いますので、少しでもご興味ある方はぜひ。
        >> 続きを読む

        2015/09/19 by IKUNO

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      フェルマ-の最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで

      青木薫 , サイモン・シン

      新潮社
      カテゴリー:数論(整数論)
      4.0
      いいね!
      • 数学は専門ではないですが、難しげな証明や定理も詳しく説明されているので内容がよく理解できました。
        数学者という人種が少し身近に感じられるようになりました。
        訳者の方のあとがきにも書かれていましたが、女性数学者や日本人数学者の活躍がたくさん触れられていて興味深かったです。
        フェルマーの最終定理以外にも、歴史上の数学のいろいろなエピソードが読めます。数学や世界史の知識が豊富な人ならもっと楽しめたかな、と思います。
        読み終わると少し頭が良くなったような錯覚を感じられます。笑
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        2015/04/22 by するめいか

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      東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ

      遥洋子

      筑摩書房
      4.5
      いいね!
      • 東京大学で上野千鶴子先生から学んだ遙洋子先生による著書。議論、ディベートする意味や正しい議論、ディベートの仕方、議論、ディベートの勝ち方を学べます。日本社会がいかに男性優位社会、女性蔑視社会で、女性が過酷な状況に置かれているかも学べます。素晴らしく勉強になる良書で、女性はもちろん、男性にも読んで欲しい一冊。上野千鶴子先生のような能力も信念もあって、かつ明朗快活な女性が増えると、日本社会もきっと変わるはず。 >> 続きを読む

        2017/11/23 by 香菜子

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      歴史物語・アフリカ系アメリカ人

      猿谷要

      朝日新聞出版
      5.0
      いいね!
      • アフリカ系アメリカ人、つまりアメリカの黒人の歴史の本。
        はじめて知るエピソードがたくさんあった。
        あたかも大きな河の流れのような、歴史の大叙事詩を読んだ気がした。

        大航海時代の始まりとともに、アフリカからは多くの人が奴隷として連れ去られ、新大陸でタバコや綿花の生産のために働かされた。

        世界史の教科書では、大航海時代の先駆者として描かれるポルトガルのエンリケ航海王子は、勝手にアフリカ大陸のかなりの部分をポルトガルの領土だとローマ教皇との間で取り決めて、そのうえ毎年アフリカに出かけては七百人もの黒人奴隷を連れて帰ったという。
        その後、こうした奴隷の輸送は、ずっとエスカレートしていった。

        十六世紀から十九世紀半ばのリンカーンによる奴隷制廃止までの間のおよそ三世紀半の間、どんなに少なく見積もっても千二百万人以上、おそらく三~五千万人ぐらいの人が、アフリカから奴隷として新大陸に連れ去られたそうである。
        そうした奴隷貿易の三角貿易が、イギリスのリバプールに産業資本の蓄積をもたらし、産業革命のきっかけになったし、新大陸の白人には多くの富をもたらした。

        黒人は抵抗せずにただ従ったわけではなく、アメリカがまだ独立していない、イギリスの植民地だった時代にも、1712年にはニューヨークで黒人による暴動が起ったり、1739年にはサウスカロライナでカトーという黒人がリーダーとなって反乱が起っているそうである。

        やがて、アメリカの植民地において、主に白人を中心に、イギリスの支配に対して抵抗が始まり、独立戦争が起った。
        その直接のきっかけとなった、1770年のボストン虐殺事件は、イギリスの軍隊が一般市民のデモに発砲した事件だったのだけれど、その時に市民の先頭にいて、最初の犠牲になったクリスパス・アタックスは混血の黒人だったそうである。
        独立戦争には、五千人もの黒人が軍隊に参加して戦い、白人とともにアメリカの独立のために奮闘した。
        しかし、独立後も、奴隷制は続き、かえって南部を中心に奴隷貿易はますます盛んになり、プランテーションのために過酷な奴隷労働が強いられるようになった。

        そうした中、デンマーク・ヴェセイを中心に、大規模な何千人という黒人奴隷の反乱の計画があったが、未遂の段階で摘発される事件が1822年にあったそうである。
        また、1831年にはナット・ターナーの反乱があった。
        1859年には、ジョン・ブラウン(ブラウン自身は白人)による黒人解放のための武装蜂起があった。

        十九世紀の前半に断続的にフロリダで行われたセミノール戦争では、インディアンと黒人がともに協力して、侵略してくる白人と闘ったそうである。
        当時は、逃亡してきた黒人奴隷をインディアンがかくまうことが多かったそうだ。
        セミノール戦争のリーダーだったオシオーラは、父はインディアンの酋長で、母は逃亡してきた元黒人奴隷だったそうである。
        白人中心の歴史では見えてこない、いろんな歴史があるものだと、読みながら考えさせられた。

        こうした、実際の武装蜂起以外にも、言葉によってなんとか奴隷制をなくそうとする取り組みもずっと行われ、アボリショニスト(奴隷制廃止論者)による活発な言論活動がずっと行われた。
        彼らは、言論による闘いと同時に、南部の奴隷州から北部の自由州に「地下鉄道」と呼ばれる秘密のルートをつくり、多くの黒人奴隷の逃亡を援助した。
        自分自身、元はその一人で、自由になってから多くの人々を逃がすために努力した人々も、フレデリック・ダグラスやハリエッド・タブマンのように数多くいた。

        こうした努力の中、徐々に奴隷制をめぐって北部と南部の対立が深まり、南北戦争が勃発。
        リンカーンが大統領として、幾多の困難を乗り越えて、奴隷解放を宣言する。

        だが、そのあとが大変だったんだなぁ、とこの本を読んでいてつくづく思った。

        奴隷の身分から解放されたものの、多くの黒人はほとんど何の財産もなければ、教育もなく、差別も依然として続いていた。
        その中で、奴隷解放のあと、多くの黒人の間でとても教育熱が高まり、老人と子どもが席を並べて学校でアルファベットを学んだそうである。

        しかし、貧困と差別は変わらなかった。
        そもそも、南北戦争のあと、南部の大土地所有者から土地を没収し、黒人に分配するという計画もあったそうである。
        北軍の指揮官で南部に侵攻したシャーマン将軍や、政治家のサディアス・スティーブンスはそのつもりだったそうだ。
        しかし、リンカーンが暗殺され、アンドリュー・ジョンソンが大統領になり、その計画は頓挫し、結局元の南部の地主の所有権の保護だけが優先された。

        リンカーンが南部で農地改革をやるつもりだったのかどうか、記録からはわからないそうである。
        しかし、リンカーンは奴隷解放の時も、わりと途中までは黙して語らず、時期を見て政策を実現していった。
        ひょっとしたら、胸中には南部の農地改革のプランがあり、それを知った人々に消されたのかもしれないと、この本を読みながら考えさせられた。

        リンカーンの後の大統領たちは、南部にあまりにも寛大な対応を行い、南北戦争の責任者だったはずの南部の指導者たちは、わりとすぐに許されて南部の政治の中心に復帰した。
        そのため、相も変らぬ黒人への抑圧や差別は、法律上は一応奴隷制廃止で平等になったとはいえ、根深い形で再び形成されていったそうである。

        アメリカの南部を見ていると、乏しい資源で無謀な戦争に突っ込み、敗戦後は多くの指導者が公職追放になるも短期間で復帰し、あまり価値観の反省もなく、かえってわが勝手な理屈を振り回し始め、排他的で偏狭な価値観を形成していった、という歴史がある。
        日本にとってもあまり他人事ではないのかもしれないが、なんとも人間の世の中というのは、一朝一夕には良くならないものだと考えさせられる。

        しかし、そうした南北戦争後の困難な時代においても、「今いる場所でバケツを投げ下ろして水を汲め」と主張するブッカー・ワシントンや、大著『黒人のたましい』を書いたデュボイスなどの指導者が、黒人の地位向上や解放のために努力したそうである。

        そして、第一次大戦後は、ニューヨークのハーレムを中心に、黒人の文学や音楽でさまざまな才能が開花したそうだ。

        だが、依然として差別と貧困と排除は続いていた。
        そこに、1950~60年代、キング牧師とマルコムXという二人のすぐれたリーダーが現れ、公民権運動や黒人の権利への取り組みや意識革命は大きく進んだ。
        この本は、このわりと現代に近い時代のこれらの動きもとてもわかりやすく生き生きと叙述していて、とても感動的だった。
        読みながら、キング牧師について、本当に道徳の力と言葉の力だけで世の中を動かしたことに、あらためて深い感動を覚えた。
        愛の言葉と心が、世の中を動かす力があることを身をもって立証したのだと思う。
        しかし、それまでには本当に苦難の道のりだったし、公民権法が成立したあとも本当に大変だったと読んでいてよくわかった。
        マルコムXも、本当に惜しい人物だったと読んでいて思われた。

        この本には、多くの文学も紹介されていて、ホイッティアの詩や、マーク・トウェインの「地獄のペン」や、クロード・マッケイの詩集「ハーレム」や、ジェームズ・ボールドウィンの「次は火だ」や、グロウの「ハウランド家の人々」や、アレックス・ヘイリーの「ルーツ」なども、いつか読んでみたいと思った。

        さまざまな方法により、長い歴史を通じて、黒人の人々が自らの自由と平等を求めて、多大な犠牲を払いながら努力してきた歴史は、本当に読みながら深い感動を覚えた。
        著者が言うとおり、アメリカにおけるキング牧師らの黒人の自由や平等のための努力は、他の少数民族の権利のための闘いにも、とても大きな影響を与え、先駆となるものだったと思う。

        アメリカと一口に言っても、今もって、ともすれば、白人中心に語られがちだし、そうした歴史しか知らない場合も多い。
        私は恥ずかしながら、つい最近まで、黒人の歴史についてはほとんど何も詳しいことは知らなかった。
        白人と黒人とネイティブ・アメリカン(インディアン)の三つの歴史は、どれもアメリカの歴史として重要で、本来は等しく同じウェイトで語られるべきものなのかもしれない。
        その一つの壮大な物語をとてもわかりやすく書いているという点で、この本はとても貴重な本だと思う。
        >> 続きを読む

        2013/03/01 by atsushi

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      一瞬の光

      白石一文

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 小さい頃から、成績もスポーツも優秀だった橋田浩介は、容姿にも優れていたので周りから一目置かれる存在だった。浩介自身は容姿の為に特別扱いされることを嫌っていた。しかし、いつも周りはそんな浩介をほおっていく事はなく、一流企業に就職しても社長の懐刀として活躍していた。そんな時、人事課長として面接した女子短大生で、面接のときは不採用にした女の子を、偶然町で助けることになる。
        その時の女の子の怯え方に不可解な物を感じた浩介は、改めて履歴書を見返すのだった。この出会いが 後の浩介の人生に影響を及ぼすとは、その時は考えてもいなかった。
        世の中の男性は、なぜ女性のか弱そうな外見に心奪われるものなのだろうか。見た目はしっかりしていても、心の中はとてもか弱い女性だっているのに・・。見た目だけで、俺が守ってやらないと・・とおもってしまうのだろうか。この結末には同意しかねる気がした。たぶん私の個人的な偏見だと思うけれど、いい話の結末なのに心がモヤモヤしてしまいました。
        >> 続きを読む

        2014/07/09 by ゆうゆう

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      夏の約束

      藤野千夜

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 芥川賞受賞作品とは思えないポップな表紙に興味を持ちました。

        ゲイという性的マイノリティの2人の日常を描いた作品です。

        ゲイという一点がなければ、極めて普通の日常にすぎない話が、その一点だけで特殊性が有る。そんな印象です。

        同性を愛してしまうことに対して、既に悩み切ってしまい、完全に受け入れているかのような2人。

        それでも、やはり先が見えない不安感までは拭い去ることができず、どうしても悩みは尽きません。

        読者は、この作品から何を感じるのでしょう。

        私の場合は、月並みながら、周囲の目を気にせずに愛情を表現できる点で、異性を愛するノーマルな自分の幸福さに感謝する気持ちになりました。

        性別を超越した愛と言うと素敵な響きも感じますが、当事者からすればあまりに過酷な宿命を負っているということを、あまりにも普通な日常との対比から感じさせられました。
        >> 続きを読む

        2013/01/21 by emi

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      GREEN(1) (講談社コミックスキス (263巻))

      二ノ宮 知子

      3.0
      いいね!
      • 結構面白い。2巻目読みたい!!

        2017/03/12 by ふみえ

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      魁!!男塾

      宮下あきら

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 名作ですね~。剣桃太郎サイコー!

        驚邏大四凶殺(きょうらだいよんきょうさつ)とか、オドロオドロしい漢字といい独自の世界観が堪りません。

        アニメ版では一世風靡SEPIAの曲がマッチ!

        実写映画版はネタの宝庫!
        富樫源次役の照英が素で違和感無いのが大爆笑でした。

        ああまた読みたくなって来た!!
        >> 続きを読む

        2012/04/19 by yutaka

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    • 1人が本棚登録しています
      機動警察パトレイバー

      ゆうきまさみ

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 友達から貰った本。
        名前だけは知ってしたけど…こうゆう本だったんだぁ\(◎o◎)/
        警察庁機械化(ロボット)部隊"パトレイバー"のお話。 >> 続きを読む

        2012/06/23 by あんコ

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      栄光一途

      雫井脩介

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 雫井脩介のデビュー作。

        柔道界を舞台にしており、オリンピック候補の81キロ級の候補の二人。
        そのどちらかがドーピングをしているという情報が流れ、コーチの望月篠子が判断をするため面接を行う。

        柔道界を舞台にするミステリ作品。
        次第に殺人まで起こり、ドーピング問題は広がりを見せる。

        試合描写の繊細さはすごいが、作風が込み入っており、今見ると過剰な部分もある。
        冒頭から仕掛けがあるが、あまり機能してないのが気にかかる。
        そのせいかラストの悲痛さも、もっと迫ってくるものがあったと思う。
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        2018/06/07 by オーウェン

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      平家物語

      横山光輝

      中央公論新社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • 吉川英治の「新・平家物語」をkindleに入れてるんだけど、全16巻、、、長すぎる。途中で飽きて他のことをしてたらいつの間にか忘れてしまってた。近いうちにもう一度初めから読もうと思ってるんだけど、「本を読み終えるまで:109時間…」・・・。

        で、とりあえず粗筋だけでも把握しておこうかとマンガを借りました。全三巻、あっという間に読めた。

        まあ、権力者の栄枯盛衰のお話。現代で言えば「○○党物語」みたいな感じ??

        祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。奢れる人も久しからず。ただ春の夜の夢の如し。猛き者も遂には亡びぬ。偏に風の前の塵に同じ。

        いつの時代も、権力争い、殺し合い(戦)というものがあって・・・。でも、この時代の武士(平家も源氏も)は大将(リーダー)が自らが先頭に立って一応戦地に出て危険な目にあったりしてた。あれこれ(どっちが偉いとか、やられる前に追討とか)本人たちは必死なんだろうけど、はたから見れば愚かしく、哀れです。で、関係のない平民庶民も、女性や子供も巻き込まれて犠牲になる。いつの時代もね。打ち首さらし首とか、やってることは残酷でテロリストと変わらない。

        それにしても、日本の僧侶たち(天台宗?南都六宗?よくわからん)は何やってんだ?!?まったく仏教徒を名乗る資格がない。僧兵や僧兵を出した寺は即破門だね。殺生するワ、高慢だワ、欲と怒りと執着と、、、もう、むちゃくちゃ。

        当時の平家と源氏の関係、天皇や貴族との関係などよくわかりました。瀬戸内海を舞台にした逸話なども(船の上の扇を弓矢で落としたとか、巴御前とか)ちらっと出てきた。

        マンガは読みやすいねえ。他の日本の古典も読んでみようかな。

        吉川英治の「新・平家物語」も読みたいけど、何年かかるか・・・。
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        2018/05/01 by バカボン

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      この国のかたち

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      3.0
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      • 終わってしまった。と言ってももう20年近く前のことなのだが。

        最後は歴史のなかの海軍の話。
        ペリーが浦賀にやってきてからの国内での海軍をめぐるあれやこれや。
        「坂の上の雲」とか「龍馬がゆく」とか読んでるともっと理解が深まるかと。

        全六巻読んで、司馬さんの随筆は非常に読み易くて良かったなぁという感想なので、次は「街道をゆく」にしようかなと。

        まだまだしばらく楽しめそうだ。
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        2014/02/28 by freaks004

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      象牙色の眠り

      柴田よしき

      廣済堂あかつき
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 豪邸の原家の家政婦を務める瑞恵。
        だがかおりが事故で意識不明の状態になったとき、家族の中で微妙だった糸が切れ、連続で殺人事件が。
        また瑞恵自身の家庭にも夫の不倫という難題が。

        二つの事が同時進行で起きていき、瑞恵を中心に事件の断片が徐々に明かされていく。
        冷静に見れば事件の犯人は予想がつく。
        でもそれを避けるかのように各人によって惑わされる。

        トリックとしては納得できるし、タイトルの象牙色の眠りという意味もしっかりと分かる。
        登場人物のほとんどが不幸な結末というのもある意味新鮮だった。
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        2018/05/16 by オーウェン

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      陰陽師鬼一法眼〈1之巻〉 (カッパ・ノベルス)

      藤木 稟

      3.0
      いいね!
      • 藤木稟さんによる伝奇小説。
        朱雀十五の事件簿とバチカン奇跡調査官の間くらいに刊行されていた本らしい。
        「そんなもの誰が知るか」「知ってなんの得があるのか」と言いたくなるようなウンチクがたくさん盛り込まれているという点は朱雀十五シリーズやバチカンシリーズと同じだが、藤木稟さんの作品にしては文字が大きくページ数が少ない。

        また女性キャラが多く、男女の濡場があり、BL要素も皆無なので、バチカンシリーズしか読んだことのない読者はかなり戸惑うかもしれない。

        個人的には作品よりも若い頃(といってもアラフォーだが)の著者によるあとがきに目がいった。
        堅苦しい人柄なのかと思いきや、よく言えばハイテンションで気さく、悪く言えば女子小中学生が書いたような文体で書かれており、露出の少ない藤木さんの人となりを知ることが出来る。
        因みにこの巻のあとがきによると、藤木さんは大酒飲みなので夕方以降仕事が出来ず、結果として朝型人間という作家としては珍しい生活をしているとのこと。
        >> 続きを読む

        2017/06/09 by kikima

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      (裏)アルバイトニュース 知りたかったバイトの実態・条件・給与etc…のホントのトコロ

      アルバイト向上委員会

      永岡書店
      カテゴリー:労働経済、労働問題
      3.0
      いいね!
      • 内職から怪しくて危険な高額バイトまで。

        アルバイトとは言え、様々な職業を疑似体験できるのは有意義。

        タイトルに「裏」という字が含まれているため、怪しくて危険な高額バイトを扱ったものだろうと想定したが、ごく普通のものも含めて幅広くアルバイトが紹介されている。

        これだけ多くのパターンが有るため、どれか心惹かれるものが有って当然のように思うのだが、全く他人事としてしか感じられなかった。

        おそらく本業の内容にも待遇にも不満が無いため、アルバイトというもの自体に必要性を感じていないのだと気付いた。

        とは言え、年齢を重ね、背負うものが大きくなるに連れて、現状維持の守備的思考が強まっているのを感じる。

        若くして老害とならぬよう意識して思考の柔軟性を維持したい。
        >> 続きを読む

        2012/07/14 by ice

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