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2000年6月発行の書籍

人気の作品

      大誘拐 天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)

      天藤真

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! ybook chao tadahiko emi Minnie sunflower atsushi bakabonn kuuta
      • おもしろい!
        こんなに痛快な誘拐事件、ほかにないのでは!?
        刑務所から出たばかりの3人が企てた、紀州随一の大富豪、柳川とし子刀自の誘拐事件。
        身代金百億円という前代未聞の取引に発展した大騒動は、一連のショーのようで、爽快感がありました。

        誘拐なのに爽快って、なんだか不思議なかんじですが、ネガティブな感想が全く出てこないのです。
        刀自と虹の童子たちのやり取りにくすっと笑みがこぼれ、ほろりとさせられる。
        1978年発表と聞いてびっくりの、壮大なスケールのお話です。

        この作品の一番の魅力は、刀自のキャラクターが抜群なところです。
        なんて可愛らしい、パワフルなおばあちゃん。
        あまりに刀自が良すぎて、正直作者の他の作品が気にならない(^^;)

        「罪人のわが子の行方を言う親がおりまへんようになあ。・・・私、今ではなあ、あのものたちの母代わりみたいなもんですのや」
        最後までじーんとさせてくれました。
        >> 続きを読む

        2018/08/06 by あすか

      • コメント 7件
    • 他18人がレビュー登録、 44人が本棚登録しています
      プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか

      P.F. ドラッカー , 上田惇生

      ダイヤモンド社
      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.2
      いいね! tomato chao tomo_chan kuuta tadahiko higamasa takuya
      • 改めて読んでみたが、やはり難解。しかし名著なだけあって、金言多し。

        2017/05/08 by hiro2

    • 他13人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      破線のマリス

      野沢尚

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • やっぱり野沢尚はミステリーというよりサスペンス的な作品が多い。文中で幾度となく語られる「真実なんてどうでもいい」「目を釘付けにすればいいんでしょ」を体現している作品だった。
        物語は主人公である搖子によって報道被害を受けた麻生という男の復讐に焦点が置かれるが、搖子もまた「謎の人物」から送られてきたフィルムの報道被害者になっていく。
        二人の、まさに運命共同体な行動が面白い。
        >> 続きを読む

        2016/06/29 by yuria

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      キノの旅 The beautiful world (電撃文庫 (0461))

      時雨沢恵一

      アスキー・メディアワークス
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね! kaina
      • 世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい。


        短編連作の形で綴られる、キノとエルメス“2人”の旅の物語。

        キノの扱う武器が銃器だったり、世界を巡る足がバイクだったりと、その世界観はファンタジーよりも現実世界に近いものがある。
        が、そのバイクがエルメスという名前であり、彼が人語を解し意思をもって会話したりするという、ちょっと不思議要素も含まれている。
        そしてこの物語、旅を主軸に置いてはいるが、決してキノの冒険譚というわけではない。
        むしろメインでじっくり描かれるのはキノの訪れる国であり、その国の歴史や慣習であり、そこに住む人々なのである。
        それらに対してキノはあくまでも第3者的な立ち位置を崩さない。
        そしてキノが去った後もその国や人々の生活は続いていく。何かが変わったり変わらなかったりしながら。

        キノが訪れる国が本当にどれも個性的だったり独特で面白い。
        それは時に風刺的だったり、皮肉的だったりして、現実の私たちをドキリとさせることも。
        基本的に淡々と進んでいく物語の中で、キノとエルメスの掛け合いや、キノのバトルシーンは良いアクセントになっている。
        キノは主に自己防衛のために戦うが、これがまたとても強くて見た目とのギャップも魅力のひとつ。

        1巻には「人の痛みが分かる国」「多数決の国」「レールの上の三人の男」「コロシアム」「大人の国」「平和な国」の6話が収録されている。
        個人的にひとつ選ぶなら「大人の国」かな。
        時系列が不明で、主人公の経歴なども明かされない中、キノの過去が分かる数少ない話だと思います。
        他にも特殊な形式のプロローグとエピローグだとか、遊び心満載のあとがきだとかありますが、長くなってきたのでその辺はまた次巻以降のレビューで。

        最近、カバーイラストが一新された新装版が出てしまい、中身は同じなのに買い揃えたい衝動に駆られています。
        >> 続きを読む

        2015/02/24 by kaina

      • コメント 4件
    • 他3人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      長くつ下のピッピ

      大塚勇三 , LindgrenAstrid

      岩波書店
      4.0
      いいね!
      • ピッピは赤毛のひっつめ三つ編みがトレードマークの9歳の女の子。そばかすもだぶだぶの黒靴も片方ずつ色違いの長くつ下も、全部がお気に入り。

        お母さんはずっと昔に天使になってしまったし、船長だったお父さんは波にさらわれてしまって、帰ってきません。
        でもピッピはお父さんが黒人の島に流れ着いて王様になっていると信じていて、いつか迎えに来るはずだから、まったく寂しくないのです。
        小さな町のはずれにお父さんが残してくれた素敵な庭に建つ家「ごたごた荘」にニルソン氏という名のかわいいサルと馬と一緒に暮らしています。

        小学生のころ大好きだったシリーズ。
        大人が読んでも素晴らしい童話も数多いですが、これは子供のころに読んでほしいタイプの児童小説です。

        お行儀、衛生観念、社会規範、そんなもの、ピッピの前にはないも同然。
        馬を軽々と持ち上げる怪力の持ち主なので、怖いものなし。
        自活するに十分な料理の腕とお父さんが残してくれたトランクいっぱいの金貨があるので、何の不自由もありません。

        ピッピの破天荒な言動は時に眉をひそめたくなるでしょう。
        床でクッキー生地を延ばしてみたり、サーカスに飛び入りしてみたり。
        でも子どもってある点で過激なことだって、全然平然と受けとめるものですね。
        ピッピが教育上よくない子だなんて全く思ってもみませんでしたから。

        ピッピを見ていると「自由」という言葉が浮かんできます。
        何をどう受け止め、どう考えるか。
        実は世界は認識で成り立っている訳で、その認識が異なれば善悪も常識も変わってくる訳です。
        ピッピには孤児院も学校も何も「必要」ではありません。

        ピッピを指導しようとして逆にやり込められる大人たちを見ているととても愉快。
        子どもって実はこんな風に自分も大人をやっつけてやりたいと思っているのかもしれませんね。

        胸をときめかせる毎日は、自分の心が作るのです。
        何か面白いことはないかなあと、待ち望んでいたお隣に住むアンニカとトミーはピッピによって世界が変わりました。
        何が起きるかわからないワンダーワールドに!


        この本を再読すると大人になっちまった自分がちょっぴりうらめしいです。
        「コーヒーの会」でのピッピのふるまいは、トミーとアンニカのお母さんの立場についつい思いが行ってしまうのですよね。いくらなんでも、これでは、お行儀が悪いと、出入り禁止を食らうのも無理ないな…。なんて。
        でも、上品に悪口大会を繰り広げるご婦人と、大ぼらを吹いて盛り上げて楽しませようとするピッピと、心根はどちらがいいのか?と言われたら?
        結局常識なんてその程度の吹けば飛ぶようなものだったりするのですね。
        そして大人だったリンドグレーンがなんでこんなに子供心を持てたんだろうと。驚嘆するばかりです。

        今の日本の子どもは社会的な不自由はあまりないかもしれません。
        お金は自由に使えるし夜町中をうろついたり、といった自由はあるようですよね。
        その代わり、大人の干渉から逃れるすべを持っていないと感じることが多々あります。
        大人の論理をそのまま生きているように見えるんです。
        子どもだけの世界を持っていないような。
        大ぼらを吹いたり調子に乗ったり夢中になったり冒険をしたり。
        子どもにはいろいろな特権があるのにね。
        なんだか、子どもの特権を大人が奪って、いつまでも手放さない結果、子どもの住処が減っているのかな。とも思います。
        文明社会人に浸食されて滅びゆく原住民の話みたいですが。

        この本が時を越え、ずっと子供たちのそばにありますように!
        >> 続きを読む

        2018/08/24 by 月うさぎ

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      希望の国のエクソダス

      村上龍

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 全国的に中学生が集団不登校となり、その中学生たちがネットワーク集団となり、様々な方法で日本社会、経済を大きく揺るがしていく…。
        設定が斬新。
        中に日本経済の話がたくさん出てきていて、難しすぎて頭に入っていかず、経済苦手の私は途中で読むのがくじけそうになりました。
        ネットワークで結ばれた中学生の行動がすごくて、大人もこの流れを止めることができない。こんな中学生がいたら…と空恐ろしさも感じました。

        「この国には何でもあるが、希望だけがない」といっていますが、それは何だかわかる気がします。
        >> 続きを読む

        2016/11/20 by taiaka45

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      クマのプーさん

      MilneAlanAlexander , 石井桃子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • ディズニーでもお馴染みのクマのプーさんの本。ディズニー版より本書のほうが落ち着いた雰囲気ですね。作者のミルンが息子であるクリストファー・ロビンのために、クマのぬいぐるみであるウィニー・ザ・プーの物語を作り、語るという体裁になっています。物語や親子の会話から、ミルンの息子への愛情と優しさを感じて、思わず微笑んでしまいます。
         
        プーはお馬鹿なクマさん。頭がよくないから、ハチの監視をくぐり抜けてハチミツを取ろうとした時も、未知の動物ゾゾを捕獲しようとした時も失敗してしまいます。

        知性の欠如というと悪いふうに囚われがちですが、知識に囚われない分プーは自由な発想をするんです。ハチの目をくぐり抜けるため、泥を体に塗って黒雲に、青い風船で浮かんで青空に見せてハチミツを手に入れようとします。

        結局失敗してハチミツを手に入れることはできなかったのですが、こんな楽しい冒険はプーだからこそできた事だと思います。そんなプーのお馬鹿な姿をみて、クリストファー・ロビンとともにこう言わずにはいられないでしょう。「ばっかなクマのやつ!」、と。


        また、この物語はイギリスの児童文学には珍しく?お話の中に教訓といえるものはあまり含まれていないと思います。「~しちゃダメ」「~しなきゃいけない」というメッセージのようなものが感じられないんですね。だから純粋にプーたちの物語を楽しむことができると思います。

        百エーカーの森に住んでる動物たちは皆個性的で、ある種欠点を含んでいます。プーはお馬鹿だし、コブタ(ピグレット)は臆病だし、オウルは知識をひけらかそうとして難しいことばかり言います。私は児童文学にそれほど詳しいわけではありませんが、特にイーヨーのように陰鬱でネガティブな発言ばかりするキャラクターは珍しいのではないでしょうか。

        ところが、そんなイーヨーでも仲間から愛され、誕生日を祝ってもらえます。プーだってみんなからばかだなぁ、と言われつつ愛されています。欠点によってひどい目にあうなんてこともありません(実際はプーが穴にハマってでられなくなったりするんですが、「ほらみたことか。バカを直さないとこうなるぞ」、とはなってないんですね)。だからこそ「みんなちがって、みんないい」、というメッセージを物語全体から感じることができました。

        物語から教訓を得て、人生に活かす。それも素晴らしいことだと思いますが、現実から離れた物語のなかでまでああしなさいこうしなさい、と言われ続けたら子供も疲れてしまうのではないでしょうか。そんな中で押し付けがましさのないプーの物語は、教訓を含んだ物語とは異なる価値を持った、子供にも大人にも愛される素晴らしい本だと思います。
        >> 続きを読む

        2016/01/28 by けやきー

      • コメント 6件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      不思議の国のアリス

      脇明子 , ルイス・キャロル

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      2.7
      いいね!
      • ツタエタイコトガサッパリワカラナイ;;;;;;;;
        やっぱり英語原書でないと伝わらないのかな...... >> 続きを読む

        2018/01/03 by deco

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      クロ-ディアの秘密

      KonigsburgE.L , 松永ふみ子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 家出した姉弟が、ニューヨークのメトロポリタン美術館に隠れ住むというちょっと変わったシチュエーションの物語。

        物語は、小学生の子供たちの目線で語られ、感受性豊かな子供たちの心の動きが巧みに表現されています。
        その為、大人が読んでも、子供の時の気持ちがよみがえってきて少し懐かしい気分になれる気がします。
        また、メトロポリタン美術館に隠れ住む日々の中で子供たちがとある謎に直面し、それを解決する過程で、少し成長するといった要素も盛り込まれており、まさに児童文学の王道を行っている作品じゃないかと思いました。

        ただ欲を言えば、せっかくメトロポリタン美術館を舞台にしているので、できれば美術館にまつわるエピソードとかその歴史みたいなものをストーリーのに絡めて紹介してもらえれば良かったかもしれません。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by くにやん

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 12月の課題図書。

        最初読んだときは「なんてファンタジーなんだ!」「もっと人間の奥底深い話が読みたいんだ!」「子供だましか!」「ハリーポッターと変わらないじゃないか!」なんて思いながら読んでいた。

        このファンタジーな感じ、懐かしかった。
        子供の頃はハリーポッターやダレンシャンが大好きでファンタジーに胸を躍らせていたが、今はもっと人間の深層が知りたいなんて思ったりして「たかがファンタジー」と思っていた。

        でも読み進むにつれてどんどん引き込まれていく。

        年末、大掃除をしていてもファンタージエン国について考えてしまう。
        「それで一体どうなるんだろう、早く続きが読みたい!」なんて思いあっというまに上巻を読み終えた。

        今日から下巻を読む。
        これが一体私の何に作用しているのかわからないがとりあえず、斬新で面白い構成なのでどのように終わるのか楽しみだ。
        >> 続きを読む

        2015/12/31 by snoopo

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 下巻読み終えた。

        下巻になると更に面白くなってくる。

        最後は心がジーンと暖かくなる終わり方で親子っていいなと思った。

        心に深く深く刻んでおきたい物語だった。
        古今東西の文学や思想がいたるところに散りばめられていて優しく、時には厳しい文章に出会い、本当に良かった。

        この年末年始の連休は「はてしない物語」を読んだだけで終わったようなもんだが、そのおかげでたぶん忘れられない年末年始になったような気がする。

        これは児童文学?みたいだけど、結構長く文章もびっしりなので優秀な子供しか読めないんじゃないかと思ったり…

        少なくとも私が子供のころなら読了できてないと思う。
        「わかったさんシリーズ」や「かいぞくゾロリ」を読んでいたレベルなので…汗

        でも子供の頃に読んでいたら、また読後感は違うものになっていただろうなと思い、もう少し早く出会いたかったなぁと思った本だった。
        >> 続きを読む

        2016/01/03 by snoopo

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      英国庭園の謎

      有栖川有栖

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 資産家が悲劇を招く表題作をはじめ6編を収録した短編集。
        火村と有栖川のコンビが謎に迫る!

        国名シリーズ第4弾。
        今回収録されている作品はアリスが役に立っている話が多いです(笑)

        というか、アリスが作家だからわかることとでも言いましょうか。
        とりあえずテンサイの変換候補を自分の名前にしていたというアリスが愛おしいです(笑)

        別作品で殺されたアリスの友人が登場していてなんだかさみしい気分になりました。赤星先生もうちょっと見てみたかったなぁ。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/200/】
        に感想をアップしています(2010年10月のものです)
        >> 続きを読む

        2014/02/21 by hrg_knm

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      すいかの匂い

      江國香織

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「記憶は断片的だがはっきりしていて生々しい。たとえば父の晩酌用の枝豆や空豆の、冴えた緑、やわらかな緑。汗をかいたビール瓶のちゃいろ」

         この12の短編のすべて語り手は、小学生の少女です。
        年代的にはほとんど同じということもあるのでしょうが、昭和の小学生たち、毎回、同じ主人公ではないのに、この短い物語にでてくる12人の少女がまるで自分のように思えるのです。

         それは江國さんのその紡ぎ出す世界が、もう誰にも真似できないような技で記憶のワンシーンを見事に切り取って、ないでみせるからだと思うのです。

         すいかの匂い、といわれて、ほのかな、水っぽいような、草のような匂い・・・そういったほのかな匂いだけでなく、子供ならではの周りの大人や他の子供へのほのかな匂いのような嫌悪感を描く。
        なんかいやだな・・・でも、逃げ出すほどでもなく、怒るほどでもなく、泣くようなことでもない。
        なんとなくいやだな・・・少女たちは、そんな嫌悪感を抱きながらも普通に生活して、大人になる。

         大人には2種類あって、すぐに叱りつける「怖い大人」と、頭をなでたり、子供言葉で近寄ってくる「気持ちわるい大人」という文章に驚くと同時に、今、自分が大人になって
        どう子どもを見ているのか・・・まで、胸のうちを読まれたような気分になります。

         子どもの頃の遊び。松の葉でひっぱりあう、おしろい花で落下傘を作る、いちごパックを2枚重ねてその間に色とりどりの布をはさんで、小物入れにする、紙せっけんを集める・・・人さらいが出るといううわさが立つ。

         そういった子ども時代にしか見ていないようなことまで、江國さんはきっぱりとした、はっきりとしたそして難しい言葉を使わないで、目の前にさりげなく出してみせます。

         江國さんの物語は、どれも不思議と物悲しいと同時に、心なつかしい。そんな雰囲気が、本のタイトルとなった「すいかの匂い」なのだと思います。

         夏の物語が多いのも、やはり子ども時代、夏というのは、夏休みがあって、普段と違う生活という区切りがあって、夏の蝉、夏のすいか、夏の花、夏の海水浴やプール・・・そして夏は葬式が多いといったことまで、思い出させてくれます。
        その思い出すということは、楽しいとか、感動といったことではなく、静かに脳裏にもう二度と来ることのない夏休みが再びやってきたような、そんな気持になるのです。
        >> 続きを読む

        2018/05/28 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ

      谷岡一郎

      文藝春秋
      カテゴリー:社会学
      5.0
      いいね!
      • 実際に行われた、いい加減であるとしか考えられないような社会調査の結果に対しての批判がなかなかにスカッとするものでした。

        社会調査全てが信憑性がないものとは思いませんが、これだけの杜撰な調査例を見ると、マスメディア各社は何か満足な結果を追い求めているように思えてしまいます。

        読了後は、「頼むから何も考えずに中立的な調査結果を示してくださいお願いします。」と言いたくなりました…


        本書で紹介されている、軸がどう考えてもおかしいグラフとイラストが組み合わされた図は必見です。
        >> 続きを読む

        2014/05/07 by moon_light

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      茨姫はたたかう 長編推理小説

      近藤史恵

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 合田力シリーズ第2段。前作同様、すぐに世界に入り込めて、すらすら読めた。

        「恋愛って、心を無理に軋ませて寄り添うことなんやろうな。そうやって、心を軋ませても、そばにいたい、と思うことなんやろうな」

        「自分の身を守るために、臆病でおるのは悪いことやない。悪いのは、臆病でおれば、誰かが守ってくれる、と思い込むことや」

        「人間、一本筋はとおしつつ、柔軟なんがいちばんええで」

        「飛び抜けて幸福な人間も、不幸な人間も、ほんまはそんなにおれへんで。みんなどんぐりの背比べや。自分を不幸やと思う奴は、自分を不幸にしているんや」

        力先生の名言が沢山でした。
        私も心と身体、まっすぐにしてもらいたいなぁ…。
        >> 続きを読む

        2014/09/10 by もんちゃん

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      せどり男爵数奇譚

      梶山季之

      筑摩書房
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 「ビブリア古書堂の事件手帳」で、初めて、作者と作品名を知りました。
        そこで、興味を惹かれて、読むことにしました!

        一冊の本を手に入れる為なら、殺人だっておかしてしまう…。

        私はそこまでして欲しい本に出会った事はないのですが、同じ本好きの私も、そうなってしまう事もあるのかな…なんて思ってしまいました。
        >> 続きを読む

        2014/04/15 by ゆずの

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      ぴょ-ん

      松岡達英

      ポプラ社
      5.0
      いいね!
      • 住んでいる市からプレゼントしてもらいました。

        ・ぴょーん
        ・ととけっこう よがあけた

        2冊のうち好きな方を1冊、ということでこどもが自分で選びました。

        そして、この絵本のおかげで最近私は筋肉痛です。
        なぜか?

        ぴょーん

        で毎回11キロを「たかいたかーい」するハメになったからです。

        ちなみに

        いぬが・・・ぴょーん!

        のページの時には
        「ペットの犬にも高い高いをしなさい!」
        と命令され、
        嫌がる犬がむりやり「高い高い」されるのを見て、
        キャッキャッと喜んでいます。

        この絵本が本棚から出てくると犬もビクビクしています(たぶん)
        >> 続きを読む

        2012/10/29 by アスラン

      • コメント 10件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      エスキモーに氷を売る 魅力のない商品を、いかにセールスするか

      中道暁子 , SpoelstraJon

      きこ書房
      カテゴリー:マーケティング
      3.0
      いいね!
      • 「観客動員数最下位の全米バスケットチームを、最弱のまま高収益チームへと変貌させた、奇跡のマーケティング」という帯の文句にあるとおり、著者が自らジャンプ・スタート・マーケティングと名付けた手法を駆使して、ニュージャージーネッツの売り上げを飛躍的に伸ばした実績をいささか自慢げに語った本。

        題名が面白そうだったのと、マーケティング関係の本をちょっと読んでみようと思ったので、隣の同僚をそそのかして買わせてから(笑)、借りて読みました。

        第1章 商品はあってはまずいところに欠点があるもの
        第2章 「我が社ではいつもそうやってきた」は、何かが間違っている最初の警告

        とか、魅力的な章が並んでいて、読んでる間は結構面白かったです。もう忘れたけど。
        このジャンルに詳しい同僚の反応もイマイチ。特に目新しいことを言っている訳じゃない、という意見。

        自分で買わなくて良かった(笑)
        >> 続きを読む

        2017/11/22 by Raven

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      成吉思汗の秘密

      高木彬光

      角川春樹事務所
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  ほうほう、義経=ジンギスカン?ほんとに?

         と思いつつ読んでみると、けっこう「義経死亡説」ってひっくり返りやすいんですね!いろいろ「状況証拠」が出てきます。

         たとえば・・・

         ・鎌倉に義経の首を持っていく期間が長すぎる=首を腐らせるた 
         め?

         ・藤原泰衡が義経を討つ時期が6月=草がボーボーの季節なので、義経が「逃げやすい」時期を狙った?

         ・蝦夷、シベリアに残る、義経を思わせる遺跡の数々=義経がじっさい立ち寄った?

         などなど・・・へぇ、義経追討の命を下した頼朝の追及の手は意外と穴だらけ?いや、義経を生かそうとした「運命のいたずら」?もしくは奇跡?

         いや、本当だったらすごいですよね!作中に出てくる史跡はでも妙にリアリティがあって、本当にそういうロマンチックなことを考えちゃいます。まさに歴史ロマン。そして歴史ミステリー。

         義経ほどの戦の才があればモンゴル帝国ぐらい作れちゃうかもなぁ・・・
        >> 続きを読む

        2013/08/11 by kissy1986

      • コメント 5件
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      星の王子さま

      内藤濯 , サン・テグジュペリ

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 匿名

         何度読み返しても、その時々で(自分の成長過程や、置かれた状況で)新しい発見がある作品です。
         子どもも充分に楽しめ、心に残る作品だと思いますが、歳を経るごとに、子どもの頃には気づかなかった部分が胸に響くようになるというか…。

         この作品は、小学生の頃、子ども向けのミュージカルで観てから、原作を読みました。
         月並みな表現ですが、自分にとって「聖書」と呼べる作品の1つです。
         所有しているのはハードカバーの方なのですが、今ちょっと奥付などを調べられないので、こちらの新書版を本棚に入れました。

         近年、色んな方が翻訳したバージョンが発行されましたが、やっぱり一番最初に触れた内藤濯さんの訳が一番しっくりきます。

         ギフトにも適した作品だと思います。
        >> 続きを読む

        2012/09/29 by 匿名

      • コメント 4件
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