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浅田次郎
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自分の会社を潰し、金も奪われ、 妻子や兄弟に見放された どうしようもない安男、40歳。 女手一つで4人の子供を育てあげた母が心臓病を患い、 天才心臓外科のいる病院目指して、奇跡を信じて、 安男は百マイルの道を行く。 母は強い。力強く優しい。 母の背負って来た苦労を思うと、泣ける。 子供に『無償の愛』を捧げる立派さを思うと、更に泣ける。 逆境から這い上がった人間は 揺るぎないたくましさを持っている。 窮地にさらされた時こそ その人の真価が問われる。 安男が立ち上がったその時から、 悪意をはねのけて善意が集まってくる。 神様なんて信じてなかったけど信じられる気がする。 というより、信じれば救われる気がする。 >> 続きを読む
2019/01/28 by NOSE
恩田陸
遠く遠く果てのない地にあるお話。でも実は皆の側に心の中にあるかもしれない常野のお話……恩田陸さんの作品は今までも何冊か読んできていますが、この作品ほど1冊の中でリンクし行き来するお話は無かったなぁと読み終わってからも、あっち読んだりこっち戻って読んだりしていて、あの女の子がこの女性で、あの赤ん坊が実はこの娘で…みたいなリンクしている作品特有の楽しさがあって、とても面白くでも不思議な気持ちになった読書体験でした。常野という地に住まわる人達のちょっと変わったお話なんですが、常野の人達は、みなある能力を持っていてその能力は、遠くの物や人を見れたり、遠くで起きていることや人々の声を聞ける能力だったり、或いは空を飛べたり草を取ったり。腕を十時にして光線を出したりというような能力ではなく、古来からある不思議なチカラというような能力で、ある時を境に方方に散って行った常野の人達が、何かおおきな事を成すために今収束している、といった感じで今だったり昔だったりを行き来しながら、物語は進んで行きます。時に優しく時に烈しく。残酷なまでのどうしようもない物語の次は現実の中にあってでも、不可思議な光景が拡がっていたり。ファンタジーと云ってしまえばそれまでですが、解説にもあった通り、今現在に生きている人達よりよっぽど真っ当ではないですか?常野の人達は…という言葉通りで、常野の人達は、一族の為引いては世の為に使命を持って生きているな、と思いますし、もしかしたら自分達が生きているこの世の中でも、常野の人達みたいな方々が、色々裏で動いてくれているのかもな?と思わせてくれる良質なお話、作品だったなぁと読み終わって思いました。久しぶりの小説の読了と成って、少しいやかなり興奮しているのですが(笑)やはり、本を読むのは楽しいな!とも思わせてくれたこの作品に感謝カンゲキ雨嵐ですね👍👍👍外は相変わらず土砂降りの雨模様ですが、心は不思議に沸き立っていてでも、凪のような漣のような澄んだ心地で居たりします(*^^*)今回も良い読書が出来ました✨👏……あ、ちなみにレビューが完全に作品にあてられていてちょっといやかなり恥ずかしいです(/// ^///)笑笑 >> 続きを読む
2021/08/14 by 澄美空
宮部みゆき
受験のため上京したホテルで火災に遭った尾崎孝史。ところがその時不思議な雰囲気の男平田に命を助けられる。だがそこは二・二六事件直前の東京だった。タイムトラベルものではあるけど、ミステリでもある。実際の二・二六事件によって、孝史が匿われている蒲生家は狙われる対象にもなりうる可能性が。そして当主の蒲生憲之は拳銃で自決したような状態に。現場を詳しく調べていくと状況的には家にいる家族と使用人だけにしか犯罪が不可能という結論に。ふきとの報われない恋愛もそうだし、平田との儚い友情も含めて、孝史は多くを経験して前へと進む。 >> 続きを読む
2022/01/22 by オーウェン
NortonMary , 林容吉
ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作ジブリな気分で読んでまったく違和感なし。楽しい借りぐらしの生活ぶりはアニメ化にはピッタリなイメージ。ストーリーは単純明快な児童小説なのでワクワク気分がどれだけ出てくるかというところ。 >> 続きを読む
2018/07/11 by motti
倉知 淳
倉知淳の「壺中の天国」を読了。なかなか読み応えのある小説でしたね。牧村知子は、一人娘の実歩に実父の嘉臣と一緒に地方都市の稲岡で暮らしている。10歳とは思えぬほど利発で生意気盛りの娘と、野次馬根性旺盛な父とに囲まれ、知子の日々は騒がしいながらも平穏無事に続いていた。ご近所には、彼女の幼馴染みで今は自宅で子供相手に絵画教室を開く、呑気者の棚橋正太郎や、知子の勤め先のクリーニング店の主人で、町の発明家を気取る葉場照次らがいる。副題に「家庭諧謔探偵小説」と添えられているように、「日常の謎派」的なミステリになっているようだが、その稲岡市を騒がす事件は、なぜか殺人鬼による無差別連続殺人なのだ。しかも、犯人は奇々怪々な電波妄想に脳髄を蝕まれているらしく、その犯行声明たるや全く意味不明の内容で、それに加えて、犯人ばかりか、被害者たちもまた精神のどこかが壊れているんですね。占い師の予言や護符に夢中の女子高生に、優等生を演じることに疲れて過食症に陥った娘、生活の全てを新聞への投稿に費やし、我が家を顧みぬ主婦、偏執的なまでに健康的な生活にこだわる老人。すなわち、「日常の謎派」的な家庭の傍らにあるのは、彼らが垂れ流す「日常の狂気」なんですね。もっとも、著者の倉知淳は、犯人や被害者の狂気を皮肉っぽく点描しつつ、読み手である我々自身もまた、自分だけの世界---「壺中の天国」に閉じこもっているのではないかと問いかけているのだ。犯人を特定するロジックが、蓋然性に留まっていたり、犯人像の提示の仕方が本格ミステリとしては、かなり破格であったりするため、読み手を選ぶ小説かも知れません。 >> 続きを読む
2018/08/22 by dreamer
土屋晃 , DeaverJeffery
世紀末の大晦日、午前9時、ワシントンの地下鉄駅で乱射事件が発生する。間もなく市長宛に、2000万ドルを要求する脅迫状が届く。正午までに、"市の身代金"を払わなければ、午後4時、午後8時、そして午前0時に、無差別殺人を繰返すという内容だった。さらには、現金を受け取りに来た犯人は、アクシデントによって、通りがかったトラックにひき逃げされてしまう。残された、無差別乱射犯の方は、ただ機械的に時刻が来たら定められた場所で、無差別殺人を行い続けるのだった。犯人の手掛かりは、手書きの脅迫状だけ。FBIは、筆跡鑑定の第一人者パーカー・キンケイドに出動を要請した-------。先に、リンカーン・ライムのシリーズが出ているので、どうしてもそちらの作品と比べてしまう。内容的にもかなり似ているし、さらにはご愛嬌で、ライムまでが電話のやりとりで登場する。内容的には、文句のつけようがない出来なのだが、どうして、これがライムのシリーズではないのだろうと感じてしまう。特にそう思うのは、キンケイドの立場に思うところがあるからだ。確かに、キンケイドは腕利きの、元FBIの筆跡鑑定家であるのだろうが、そのキンケイドが、事件の陣頭に立って、采配を振るい始めるのが、今いちよくわからない。筆跡鑑定家は、あくまでも筆跡鑑定家であって、事件を指揮するのは、妙な感じがしてならないのだ。だからこそ、これをライムのシリーズにして、キンケイドは、ライムの部下の一人として手掛かりを見つけ出し、それに基づいてライムが、事件を指揮するというほうが、構図としてわかりやすいと思うのだ。しかし、そういったことを抜きにしても、この作品は、見所満載の内容と筆跡鑑定による科学捜査というように、実に興味深い内容になっている。特に、この話の焦点となる、筆跡鑑定による科学捜査は、目を見張るものがある。巷の犯罪者達は、おちおち脅迫状や予告状も送ることが出来なくなること請け合いだ。 >> 続きを読む
2021/05/03 by dreamer
東山紘久
この本の通りに実行するとつまらないヤツと思われて逆に疎遠になってしまうような気がするのだがどうなんだろうか。にわかには信じられないところがあるけどどにかく一度実践してみよう。それとこの本を読んで嬉しかったのは自分は案外聞き手の特性備えてるということ。著者が正論ならば自分の未来も少しは明るいかも >> 続きを読む
2020/05/06 by キトー戦士
山田順子 , Almond, David, 1951-
ファンタジーとしては、押しが弱いかもしれない。色々賞は取っているようだけれど。異世界に丸ごと連れていかれて大冒険て事もなく、あくまでも現実の中の異物。子供のマイケルとミナの描写の方が多い。天使とハッキリ明言されてはいないが、天使らしき、天使のような翼を持った「スケリグ」。ガレージの隅でボロボロになって、異臭を放って動けない。心まで荒んでいて名前も名乗らずマイケルを追っ払う。これが大人だったら、見ないふりをするかもしれないし、「あっちへ行っちゃ駄目」と我が子を引き寄せるかもしれないが、そこは子供。得体のしれないものに近づかずにいられない。マイケルとミナにもっと安全な所に連れて行ってあげる、と言われて、「こわいんだ」と弱音を吐いたり、骨がきしんで苦痛に泣いたりする。全くもって天使らしくない。でも、大人になっても、怖い事や不安な事はある。泣いたりもする。だからこそ、天使らしきものが怖いのも泣くのも、あーそういう事もあるよねー、と思える。子供の力を借りてちょっとずつ力とか心とか、たぶん諦めていたんだろうなと思うものを取り戻していく。そしてどこかへ行ってしまう。最後に素敵な物を残して。 不思議な余韻のある、作品だった。読んで良かった。もし私がいつかまた猫を飼ったなら、(なぜ猫に話が飛ぶ!というと、私が無類の猫好きであり、私の読書感想文だからだ)野良猫でボロボロの猫を飼おう。そしてスケリグという名前を付けて、できる限り精一杯の事をしてあげようと思う。なぜだか無性にそうしたい、という気持ちになってしまうほんわりとした、自分的には名作。 >> 続きを読む
2018/06/07 by チルカル
銀色夏生
銀色夏生さんが、子連れ家族旅行に出かけた際の、旅行記。どちらもゆる~く、飾ることなくつづられていました。モルジブは、期待外れだったのかな、バリの方が楽しめたようです。モルジブ行きを考えている人は、行くのを止めてしまいそう(^^ゞでも、本の半分ほどを占めていた写真はどちらも素敵でした。 >> 続きを読む
2018/08/17 by taiaka45
荒俣宏
著名人に訪れた様々な死を紹介。99人は多く、数をこなすために内容が薄くなっている。着眼点が面白く期待が大きかったが、幾人かの深い記述は意義が有ったものの、人数合わせのように登場する人物達は、正直余計だったように思う。前半は人物紹介、後半は死に直面する状況の紹介という構成。本当に著名な方の場合、人物紹介はほとんど不要で有るため、本作品のテーマで有る死というものに多くのページ数を割くことが出来る。反面、それほど知られていない方を対象とする場合、ただでさえ著名人と比較すると割り当てが少ないページ数の中で、詳細に人物像を語る必要が有るため、ますます臨死部分の記述が希薄になってしまうという問題が見えた。数々の死に直面して思ったことは、人生の整理の時間が有るのは幸せだということ。自らの生命を絶つ自殺で有ってさえ、能動的な死で有るだけに、会いたい人に会い。伝えたいことを伝え、身辺を整理する機会が有る。これに対し、交通事故などに代表されるアクシデントで生命を落とす方は、全く時間が与えられずに死んでいくという意味でも辛い死と言える。余命宣告と効くと、死刑宣告のような残忍さを感じていたが、気持ちの整理をする時間を与えられるという意味で、人間の尊厳に配慮した制度と言える。ちょうど手塚治虫氏の書籍を併読していた関係で、1人目が手塚氏だったことに因縁を感じた。 >> 続きを読む
2011/07/02 by ice
鈴木光司
「リング」「らせん」ときて、この「ループ」。三部作のラスト。もはやリングとは全くの別物。壮大なSF?ラブロマンスも登場するが、やや安っぽく感じてしまう。読者も選ぶし、評価が分かれるであろう作品。らせん、ループは作者の新しい試み、チャレンジ精神を感じるものの、個人的にはリングは良かったのであれ1作で終わらせた方がよかったのではないかと思う。 >> 続きを読む
2013/08/19 by mahalo
鳴海章
活躍の場をなくした革命戦士の行く末。相当前から想像がついたのにラスト1行が泣けた。新宿2丁目のオカマバーに集う人々を中心に展開するアクション。場所柄も有ってか、新宿鮫など歌舞伎町を舞台とするアクション小説に似た雰囲気が有った。まさにイロモノの登場人物が多くなるに連れて、不安な兆しも有ったのだが、読み終えてみると感情を素直に表現する人々の心の美しさを感じなくも無かった。年代的に学生運動や革命戦士などという言葉は現実感に欠けるのだが、本作品では全く違和感なく受け入れることが出来た。悲しい結末かもしれないが、救われた観も有り、後味は決して悪くない。 >> 続きを読む
2007/06/16 by ice
志麻永幸
絶版でネットでは高額で売買される今作。たまたまブックオフをぶらついていた時に発見。競取りも一時期からするとブームが去った感があるが、やる人の気持ちがよく分かった今日この頃(今の所売る予定はない)。園子温の「冷たい熱帯魚」の元ネタで知られる今作。DVDで後追いで見たが、鑑賞後、本当に圧倒された。凄惨な描写も凄かったけれど、やはりでんでんのサイコパス演技が特に際立っていた。この本を読んで、「為になった」とか「人生に役立つ」なんてことは一切ないということを最初に断っておきたい。それでもこんなに一気に読まされてしまうのは、映画とほぼ変わらない、いやいや、むしろ映画より狂っている関根元という男のキャラクター性の強さ故。物語は殺人鬼・関根元の手伝いをさせられていた山崎の視点から書かれている。実は山崎はブルドックの繁殖事業で成功しており、いっぱしの実業家だったりするわけだが、基本的にはごく普通の一般人だといって差し支えないと思う。そんな彼が気がつけば殺人(正確には死体遺棄、作中でもそこがひとつ重要なポイントとなる)の片棒を担がされる。ふとした拍子に。やはり暴力の前では理性的であることがどんなに無意味かが書かれていて、くらくらする。向こうは当然、こちらの都合など一切関係がないのだ。世界的に起こってるテロなりなんなりの暴力も、関根元も、根本的には似ていると思う。私たちの感情なんて気にせず、それは突発的にやってくる。こちらの理屈などまったく関係ない。上記で、理性的であることは、理屈無き暴力の前で無意味だと書いたが、それでも理性的である以外に私たちに、彼らに対抗する術はない。こちらも暴力で返す訳にはいかない。一応、私もまだ人間でありたいから。 >> 続きを読む
2017/01/04 by れのお
福井晴敏
「亡国のイージス」で、その日本人離れのしたエンタメ性で魅了された福井晴敏の「川の深さは」を読書の悦びを満喫しながら読了。この作品は、組織と個人の相剋を描いた、福井晴敏の実質的な1作目の作品ですね。ある夜、桃山剛が警備をするビルに、保という青年と葵という少女が逃げ込んで来た。保は重傷を負いながらも、葵を守ろうとする意志を失っていなかった。保はある組織の兵士で、葵の護衛が彼の任務だった。しかし、突如下された葵の抹殺指令------。保は組織を裏切り、葵とともに逃亡する。二人は保の属した組織だけでなく、公安やCIAなど複数の組織に追われる身となった。桃山は警察を退職後、無為な生活を送っていた。しかし、強い信念を宿す保の目に、自分が失ったものを見た桃山は、二人をかくまい、国家を揺るがす争いの中に身を置くことになった。組織と個人の相剋を熱い筆致で描く作者・福井晴敏の特質と魅力は、実質的な1作目であるこの作品から、すでに色濃く顕れていたと思う。現実に起きたカルト宗教集団のテロ事件を背景に、国家の在り様を問いかけながら、人間の再生と復活を描いていると思う。この作品は、まさしく稀代のエンターテインメント作家・福井晴敏の原点を問う作品だと言えると思う。 >> 続きを読む
2018/04/11 by dreamer
山田 智彦
数々のビジネス小説を書いている山田智彦の「蒙古襲来」(上・下巻)を読了。専門外の時代小説にトライした著者のこの本に対して、半信半疑で読み始めました。だが、本を開いて驚きました。面白い。とにかく面白いのだ。蒙古襲来を阻止せんとする壮大な物語が展開するんですね。蒙古襲来の可能性を、いち早く察知したのは、日蓮宗の開祖となる日蓮であった。そして、その日蓮に見込まれたのが、好漢・対馬幻次郎だ。宋人の師から、剣術と棒術と半弓、さらには宋の言葉まで学んでいた彼は、日蓮の依頼を受け、大陸へと向かう。しかし、幻次郎の乗った宋船が時化に遭い、巨済島に漂着。記憶を失った彼は、林忠一と名乗り高麗軍に加わり、蒙古軍と戦うのだった。一方、日蓮と幻次郎に注目していた鎌倉幕府の執権・北条時頼も、手の者を大陸に派遣することを決めた。家来の相良三郎通永とその配下の十六郎、宋僧の竜江は準備を整え旅立つ。そして、江華島に到着した三人は、そこで幻次郎の消息を知るのだった。この本のように蒙古襲来を扱った作品は、海音寺潮五郎の「蒙古来たる」や井上靖の「風濤」などをかつて読んでいたため、題材自体に驚きはしませんでした。しかし内容的には、かなり驚愕しましたね。元寇が起きるのは、もうかなり最後の方で、それまでは蒙古襲来を阻止しようとする、幻次郎や通永たちの苦闘が、壮大なスケールで語られているからです。蒙古襲来に、こんな切り口があるのかという驚きなんですね。この本は驚異のリーダビリティーを誇る、歴史ロマンになっていると思いますね。 >> 続きを読む
2019/04/21 by dreamer
京極夏彦
またまたとても面白かったです。 この作品は好きなシーンが多いです。榎木津が教会に颯爽と登場するシーン。救われることなどできないという人間の気持ちが君には分かるまい、と言われて返す台詞「解らないよ。そんなもの解る訳ないさ。救われないのは、救われたくないからに決まっている。だって信じるものは救われると云うじゃないか」「世界中の不幸と苦悩を纏めて背負ったような顔をして、そんなもの誰だって背負ってるぞ! ちっとも偉くない。心の暗闇だか何だか知らないが、心に光度(カンデラ)や照度(ルクス)があるか。明るい暗いで善し悪しが決まるのは、電灯くらいだ」このシーンに限らず彼のことは大好きになってしまいまして、最近生まれた次男にはれいじろうと名付けてしまいました・・・。放胆でもいいので、彼のように明るく生き生きとした人物に育って欲しいと願ってます。最後京極堂が登場し調伏を行うシーンも好きです。解決話になるはずが、回収不可能と思えるほどにまで話が拡散していく恐怖。それを木場に荒々しく代弁させる。「京極!脱線が過ぎねえか? いい加減に本線に戻れ!」「おい、京極。どうしてそれで解るんだ? 根拠を云え根拠を!」「おい。本当にいい加減にしろ! ものごとの筋道ってのはよ、順を追って初めて辿れるもんじゃねえか。そうそう素っ飛ばされたんじゃ解るものも解らねえよ!」「まだ誰かいるのか!」「説明しろ!京極!」「おい。歴史の講釈はいいんだよ。宗教の講釈だってうんざりなんだ。事件の話をしろ!」「話が錯綜する一方じゃねえか?お前さん、本当に見えているのか?」「おい、答えろよ。京極! おい、何とか云えよ!」「おい!京極堂。まだ増えるのか!」・・・いやあ、、、本当にこの木場の荒々しい台詞には読者みな共感だと思うんです。もう衝撃の拡散の連続で、、、それが最後に全てしっかり回収されるんですから、もう驚嘆です。感服しました。 >> 続きを読む
2017/08/19 by フッフール
河野 美香
少コミのヒロインかよってくらい性に寛容な中高生の事例がたくさん載っていて驚いた。筆者は、治療法などについては専門家であるからおそらく事実を述べているのだろうが(詳しくないから判断できないが)、専門からずれたことを考察するときは偏見を多少に含んでいるなあという印象。14年前の常識と今の常識がずれているということもあるのかもしれないが。主張の本筋には影響はないのだが読んでいて気になった。知らない世界を知られたという点で興味深く読んだ。 >> 続きを読む
2014/08/06 by sh11083
尾瀬あきら
前回の夏子の酒の祖母が主人公の物語です。戦中や戦後を舞台に悲しく切ない物語となっています。 >> 続きを読む
2014/03/17 by tetyu
平松伸二
ブラック・エンジェルズ 第3/全12巻前巻で登場した松田がブラック・エンジェルズに加入。人間として許せない標的に対しての制裁では有るのだが、雪藤に勝るとも劣らない彼との最強タッグは、爽快感を感じさせてくれるところが救われる。また、雪藤の少年時代が描かれ、彼がなぜブラック・エンジェルズ入りしたのかが語られる。姉と親戚の家に居候していた彼を襲う、あまりにも非道な運命。胸に十字の傷を受けた彼を救ったのは、ブラック・エンジェルズの元締めたる教会の神父だった。亜里沙、羽殺舞(ハシム)と言う先輩とともに、その道を進む少年、雪藤が悲しい。「黒い天使、死の掟。悪しき魂への制裁、これ死の裁断あるのみ」フィクションとしては面白いが、この作品が少年ジャンプに連載されていたことを考えると、若干、複雑な思いは有る。 >> 続きを読む
2015/10/07 by ice
ブラック・エンジェルズ 第4/全12巻司法が裁けない悪人を暗殺と言う手段で裁く、現代の仕置人とも言うべきブラックエンジェルズ。前巻で語られた雪藤の生い立ちとともに登場するブラックエンジェルズの仲間たち。彼らはそれぞれ得意な暗殺の手段を持っているわけだが、男性特有のところをグシャっと握り潰す...ハシムは、男性としては最も出逢いたくないメンバーと言える。本巻で登場するのは、ブラックエンジェルズを規模で圧倒的に凌駕する竜牙会と言う影の組織。彼らが推し進めるM計画を阻止すべく、対抗できる仲間を集めるために散開するブラックエンジェルズのメンバーたち。個別のエピソードは面白いものの、全体を通じたストーリーが見えなかった部分が有ったので、歓迎するような展開では有るのだが、気が付けばマッドマックス的な極悪非道のバイク集団が登場したりと、何となく、現代の仕置人チックだったストーリー重視の部分が派手なアクションに置き換わりつつ有るのを感じて寂しい。 >> 続きを読む
2015/12/29 by ice
出版年月 - 2000年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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