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2000年12月発行の書籍

人気の作品

      悪意

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • こういうのを<イヤミス>とジャンル分けするんだろうか。
        とにかく読後感は悪い。救いがない。
        読後すっきりするものを望んでいるときに手に取る一冊ではないことは確かだ。
        でもやっぱりさすがの東野圭吾。するする読める文章で、人間の闇とでもいうのかな、自分でも気づかない根深い部分が犯罪のきっかけになってしまうところを浮き彫りにしてくれた。

        こういうのを読むと私は考え込んでしまう。
        この事件、どうすれば防げたのか…と。

        「気に食わないから、気に食わない」
        結局ここなんだと思う。
        <障る>ってやつだ。

        ある程度生きてきて仮にも人間関係をいろいろ営んでくれば、相手がどんなにいい人でも自分には訳もなく障る存在というものがあることを、理屈ではなくただ頭で理解する瞬間がある。
        反対に、自分はなにも悪いことをしていないのに、なぜかこの人、私のこと嫌ってるよね、嫌われているよね、という存在があることも理解する瞬間がある。
        人間関係において、100%好かれることはないし、100%好かれる必要もないのだと思う。だからある一定数は<障る>し、<障られてる>ものなんだろう。
        そしてそれは<自分の性格に難があるからというわけでもない>ということを理解しておきたい。
        どうも人間関係というものは、そういうもののようだ。

        であるならば、そういう人とは<適度な距離>をとることが上手に付き合うコツなんだろう。
        その<適度な距離>とは、人によっては<絶縁>を意味するかもしれない。
        そうすれば無用な苛立ちや心の乱れ、その人が存在することそのものから受けるストレスなどから少しは解放されるだろう。

        この本の野々口にそれを感じた。
        野々口がこれまでの人生でそういうことを考えて理解できる機会があればよかったのに。(ただ彼の母親自体がかなり粘着質の偏見をもった人物のようだったから、それを学ぶ機会をつぶされてしまったか。)

        また日高にも思うことはあった。
        どんな人物とも分け隔てなく付き合う<できた人間>だったようだけれど、うん、そこは過去が過去なんだから分け隔てておくべきだったよね、と。それが身を守る術であったわけだから。
        この日高という人は、今回このような状態にならなくても、いつかその付き合い方のせいで少なからず痛い目を見ることになったんじゃないかな~、と。



        そうそう、これは直接関係ないですが、今回いじめが問題になっていることもあってもうひとつ思いました。

        つい最近テレビドラマで話題になっていた『ミステリと言う勿れ』。
        いじめられた側がその場を離れるのはおかしい、いじめたほうが加害者なんだからそっちを法的に取り締まって施設に入れるなどすべしという意見ですが、基本的には私も同意です。
        でも今の日本は法的にそこまで守ってはくれない以上、いじめられた側が自分を守るためにその場を離れる=適切な距離を置くという選択は現実的な最適解だと考えています。

        この辺がしっかりと議論され、法的に変わっていくといいですよね。
        そんなこともつらつら考えちゃいました。


        ====データベース===
        人はなぜ人を殺すのか。
        東野文学の最高峰。
        人気作家が仕事場で殺された。第一発見者は、その妻と昔からの友人だった。
        逮捕された犯人が決して語らない「動機」とはなんなのか。
        超一級のホワイダニット。
        加賀恭一郎シリーズ


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        2022/04/15 by まみー

    • 他9人がレビュー登録、 66人が本棚登録しています
      プラネテス

      幸村誠

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.3
      いいね!
      • 全巻読んだ感想。
        まーまー。終わり方は好きな感じでした。

        2022/01/07 by dodokusho

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      裏庭

      梨木香歩

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! niwashi Moffy
      • 初見時はよく理解出来なかったところも、2回目になるとつながりが見えたり、新しい発見があって、それで思考が整理されて難解箇所もなんとなく分かってきて。
        つまり「裏庭」とはなんだろうというと、私は「傷を育て上げる場所」と解釈。
        決して傷を増やしたり大きくしたりということではなく(これについては本文にも数回触れている)、どちらかと言うと浄化させて昇華させる、的な。
        「裏庭」が荒れたのは、このような作業をしなかったから、傷から逃げたから、またはそれを行う為の「庭師」を失ったから。
        そして「根の国」は傷の根本。上辺では個々の傷でも、根っこでは繋がっていて、即ち「根の国」の解放が無ければ傷は解決しないということだろう。
        「コロウプ」とはつまり、ある人の傷を形成する際に混ざって含まれる別の人の傷のカケラなのでは。結局私達が持っている傷には、他人の傷の一部も含まれているのだろう。
        まだまだ消化し切れてない部分も多いが、思い出しつつ追記することにする。
        もう1読したらより理解が深まること間違い無しだが、かなり体力が食われる作品なので一旦ここまで。またの機会に。
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        2022/01/29 by Moffy

    • 他4人がレビュー登録、 29人が本棚登録しています
      祈りの海

      グレッグ・イーガン , 山岸真

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • グレッグ・イーガンの「祈りの海」は、現代SFの可能性を切り開いて見せてくれている、画期的な作品集だ。

        最新の科学的知見を作品に取り入れながらも、人間の思考や感情はいっこうに旧来のまま、繰り広げられるドラマは、どこかで見たり聞いたりしたものばかりというSFが多い中、イーガンの作品には、必ず「変化」があり「驚き」がある。

        テクノロジーの発達に伴う、認識の変革を描くことがSFの中核であるとするならば、イーガンはまさしくSFの王道を歩んでいるのだ。

        いささか「自分」という存在にこだわり過ぎるきらいはあるけれど、認識の変革が、まずは個人的に経験されるしかないものだと考えればそれも当然だろう。

        この本に収められた全11編を読み進めると、イーガンの題材の幅広さ、最先端科学に対する目配りの良さに感嘆せざるを得ない。
        毎朝目覚めると、別の人物になっている主人公が、真の自分を発見する「貸金庫」から始まって、遺伝子操作によって創り出された、人間の子供に似た生物の悲劇を描いた「キューティ」。

        脳の中に埋め込まれたニューロコンピュータ〈宝石〉が、人間の脳と入れ替わる「ぼくになることを」など、アイディア重視の初期短編における騙りの巧さも見逃せない。

        さらに、時間逆転銀河の発見により、未来の自分からのメッセージを読むことが可能になる「百光年ダイアリー」や、ドラッグによって世界移転能力を手にしたドリーマーが作り出す〈渦〉を描いた「無限の暗殺者」などに顕著な、論理のアクロバットとでも呼ぶべき超絶のアイディアを展開している。

        とりわけ前者の時間逆転理論には、「順列都市」の塵理論に匹敵するイーガン流マジック・リアリズムが、遺憾なく発揮されている。
        そして、近年のヒューマニスティックな感動を与える作品、ウガンダで接触伝染病イェユーカの治療に当たる医師の決断を描いた「イェユーカ」や、幼い頃の宗教的な体験を心の支えとして生きてきた、主人公の内面を描いて、ヒューゴー賞受賞に輝く「祈りの海」に至るまで、本当に粒揃いの傑作ばかりが並んでいる。

        敢えてベスト3を挙げれば、アイディアの面白さで「貸金庫」、論理の凄まじさで「百光年ダイアリー」、描写のきめ細かさと感動の深さで「祈りの海」になると思う。

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        2021/05/16 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方

      池谷裕二

      講談社
      カテゴリー:基礎医学
      4.0
      いいね!
      • この本、タイトルの「記憶力を強くする」具体的な方法について書かれているのは、結構後半です。
        ただ、それまでに書かれた脳科学的な知見も、実践の部分と密接に結びついているので、なかなか面白い一冊です。

        今は、茂木健一郎先生とか、川島隆太先生とかの影響もあって、一昔前と違って「脳は大人になってからでも鍛えられる」という考え方が浸透してきましたね。
        ただ、子供の脳大人の脳との違いを見た時に、具体的に重要になるのが、加齢に伴い「意味記憶向き⇒エピソード記憶向き」へと変化するという話でしょうか。

        あとは、コンピュータと比較することで、人間の脳の利点と欠点を考察している箇所や、実際の記憶力の伸び方は、勉強量に対して線形ではなく指数関数型だという記述など、「なるほど」と思わされます。

        記憶力を高めるお薬の話は非常に目新しい話題ですが、やっぱり科学的には可能なことでも、医学とか生物系については、倫理的な問題がどこまでも付きまとってくるんですね…
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        2017/08/04 by ピース

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      風花 (講談社文庫)

      鳴海 章

      3.5
      いいね!
      • 恋人から別れを告げられ落ち込む廉司に追い打ちをかけるように、会社から突然、リストラの宣告。
        同僚との送別会で泥酔した廉司だが、なぜか目が覚めた時隣に寝ていた見知らぬ女・風俗嬢レモンと一緒に旅することになった。
        希望を失い自暴自棄になった男と女が、人生を取り戻していく道程を描く。

        鳴海章さんのいくつかの作風のうち、卑屈で駄目なサラリーマンの再生譚があります。
        本作も、その流れの作品のひとつ。
        まだ、物語の構成自体が若く粗削りな印象なのですが、同じ流れをくむ傑作『痩蛙』、『俺は鰯』へと繋がるものを感じさせます。
        全編を通じて描かれる北海道の大自然の様子と、思いもよらずみちづれになった二人の男女を通して、人間の弱さをみとめつつ、希望を失わない人生の再生を謳ったロードムービー的な佳作です。

        営業ノルマがすべて、戦々恐々としたサラリーマン生活を送っていた澤城廉司は、ことし30歳になりました。
        同期が次々とリストラされる激戦地、同僚うちで、映画名からもじって“ハンバーガー・ヒル”と揶揄していた勤め先でしたが、ついに廉司自身も肩を叩かれる日が。
        クサクサした気持ちを抱え、少なくなった同期と別れの宴のあと。
        悪酔いした廉司が、重い胃袋の苦しみのなか目覚めたのは、見知らぬ女の部屋でした。
        青ざめる廉司、そんな廉司を見て苦笑する女。
        「これで、だれか分かる?」
        長い髪をうしろで束ねて見せる化粧っ気のない女は、紛れもなく懇意にしている風俗嬢・レモンでした。
        どうやら昨夜の廉司は、同僚たちと別れたあと、ひとり、レモンの勤める新橋のピンクサロン“ジューシーフルーツ”を訪れたようでした。
        というのも、廉司にはそのあたりの記憶がまったく無かったのです。
        どうにもバツが悪い間のあと、廉司は「それじゃ」と礼を言いつつ部屋を出ようとします。
        「ほんとに何も覚えていないんだ」
        唖然とするレモン。
        いったい自分は何を約束したんだと、不安に駆られる廉司。
        そんな廉司の背中に、優しかった声音とは一転「はやく出てってよ」と冷水を浴びせかけるようなひとことが。
        無視して、出て行けばよかったのかもしれません。
        酔った上の言葉など真に受ける方がおかしいと、振り切ればよかったのかもしれません。
        そんな風に、他人の心を思わずに、要領よく自分本位に行動できるのであれば、廉司は会社をリストラされるような男ではなかったのかも。
        「卑怯者には、なりたくないんだ」なんてカッコつけてみたものの、ほんとうのところは違っていました。
        レモンの涙と、手首のためらい傷の跡。
        それから、馘首を告げられ、自分のすべてを否定されたような卑屈な気持を引き摺ったまま、ありていに言えば“女を買って”ちっぽけな自尊心を満たそうとしていた酔った、みっともない昨晩の自分への自己嫌悪。
        ないまぜになった感情のまま、廉司はレモンのもとに留まります。
        酔った勢いでレモンと約束したのは、北海道への旅行の同行だったのです。

        あまりといえば、あまりにもリアリティに溢れる廉司という主人公。
        就職難の望まない勤め先であったり、何の目標も持たず「ただ生きていた」20代であったり、僕自身も投影する部分が多く、それこそそこらに小石を投げれば必ずあたる男性像です。
        2流、3流の私大文系卒なんて、極端な話、社会から需要がないんですよね。
        溢れていて。
        そんなこと自分でもわかっているから、卑屈になるんです。
        やっとこさ潜り込めた会社でも、いつでも自分が必要とされているかが不安で仕方ない。
        万が一、廉司のようにクビを告げられれば、やっぱり全人格、能力、これまでの人生すべてを否定されたように打ちひしがれるでしょう。
        それが、有りもしない話ではないから、身につまされます。

        いったい、おれは何をしたかったんだろうか。
        大学を受験するとき、人並みに眠い目をこすって受験勉強をし、英単語の本を蛍光色のマーカーで汚したりしていた。模擬試験の結果に一喜一憂し、それで将来のすべてが決まるんだと、本気で思い込み、悩みもした。だが、大学に入ると、周囲の空気に流され、また、親元を離れたことでタガが外れたこともあって、遊びほうけてしまった。
        いや、大学に入った時点で悟ってしまったのだ。世の中で優遇されるためには、東大か京大でも出ていなければならないし、私立ならせめて慶応か、早稲田だ。
        10代の終わりとはいえ、廉司が通っていた大学の学生たちは、自分たちが決して主役を張れないこと、舞台の上では、事件を取り巻いて眺めている野次馬役でしかないことを悟っていた。
        「どこで間違ったんだろうな」廉司は天井を見上げてつぶやいた。

        この「せめて慶応か、早稲田だ」という部分は、躊躇なくグサグサとわが身を刺してきます。
        何年前の後悔だ、と嘲笑われようとも、「もっと勉強してりゃよかった」という悔いは、いつまでも残っています。
        いくら勉強したところで慶応や早稲田に入れたかどうかはわかりませんが、せめて世間に名の通った、就職に役立ちそうな大学に受からなかったものか。
        生き方はそれぞれ学歴じゃない、なんてこの歳になりゃわかります。
        一歩、社会に踏み出せば、学歴なんて屁のツッパリにもならない。
        でもね、それでも、今よりもっといい人生が送れていたんじゃあないかって、どうしたって考えてしまうものなんです。
        本作では、自慢するほどの取り柄もない、見た目だって十人並みかやや劣る、おもしろおかしい話ができるわけでない、ごく普通の2・3流私大出文系男子のコンプレックスを見事に描いています。
        あますところなく。

        わが身と重ねる部分が多く、共感をよぶのでしょう。
        みっともないですね、男の泣き言。
        そんなみっともない男は、レモンを貶めるような、自分の発言に愕然とするわけです。

        「たかがピンサロ女に誰がまともにつき合うっていうんだよ」

        心の奥底でレモンをそんな風におもっていた自分の愚かさに気付いて、引き裂かれるだけまだまし。
        職業に貴賤なしだなんて建て前だって、よく理解っています。
        人とはこうあるべきだっていう理想像を聞かされるのも飽きあき。
        それでも。
        それでも、最低限、この線だけは死守しなきゃいけないっていう線。
        男として、ここだけは越えてはいけないって線。
        それを必死になって守ろうとする廉司の姿が、同じようにみっともない僕ら中年男たちには、ジンとくるのです。
        >> 続きを読む

        2015/09/22 by 課長代理

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      GANTZ - 1

      奥浩哉

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 宇宙人と戦います

        一度読むと止まりません

        映画にもなりましたが
        漫画のほうがおもしろいです
        >> 続きを読む

        2015/05/13 by ENRIKE

      • コメント 6件
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      Dr.コトー診療所

      山田貴敏

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.7
      いいね!
      • Dr.コトー診療所 第1/第25巻(未完結)

        都会の病院で何か問題を起こした結果、田舎の島の診療所に勤務することになった医者。

        生命を救うという性質上、ドラマになり易い設定では有るが、やはり感動的で満足させられた。

        本土から船で6時間かかる陸の孤島。

        そこに赴任した島で唯一の医者の物語。

        しばらく、この島に医者は不在だったようだし、島民からは大歓迎されそうなイメージでいたが、逆に、どうせヤブ医者だろうと、冷たくあしらわれてしまう。

        過去に何か大きな問題が有るとは言え、抜群の名医で有る彼は、貧弱な設備の中で重症患者をも次々と救って行くことで島民の信頼を少しずつ勝ち得ていく。

        看護婦さんが、なかなかカワイくて、ドラマ版では誰が演じているのだろうと気になって調べたが、なんと柴咲コウ!マンガそっちのけで、ドラマを観たくなってしまった(笑)

        離島ならではの大自然も非常に美しく、最初は冷たかった島民達の心もまた美しい。
        >> 続きを読む

        2013/06/08 by ice

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      オーデュボンの祈り

      伊坂幸太郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 不思議な世界

        電車もない、車も少ない、自転車も・・
        音の出るものがない空間で法律も関係ない
        非日常だった。
        >> 続きを読む

        2015/12/03 by -water-

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      ガセネッタ&シモネッタ

      米原万里

      文藝春秋
      カテゴリー:言語学
      4.0
      いいね!
      • 【頭の良い人だなぁ】
         同時通訳も堪能な米原さんのユーモア溢れるエッセイ集です。
         仕事柄、言葉に対する感覚は鋭く、通訳や言語にまつわるネタもふんだんにちりばめられています。
         また、タフな方なんでしょうね。
         非常に精力的に思えました。

         いずれにしても、大変頭の良い方だというのは間違いないでしょう。
         ユーモアのセンスも良いのですが、これも頭が良いからこそなのではないでしょうか。

         同時通訳と言えば、大分前にとある国際会議に出席した時のこと、「オレオレ詐欺」という言葉が出そうな会議だったのですが、「それってどう訳すんだろう?」と思ったことがありました(結局、その言葉が出なかったので訳を聞きそびれてしまったのですが)。

         このエッセイの中にも、似たような話題があって、米原さん曰く、この手のものは言葉を訳すのではなく意味を訳すのだと書かれていました。
         とは言え、あまりにも説明調になると言葉が長くなり過ぎて通訳が遅れるという面もあるそうなので(そうだろうなぁ)、適度な短さでやらなければならないのだとか。
         これは頭が良くないとできない仕事です。

         また、駄洒落の類、故事成語的な言い回しも難しいのだとか。
         分かる、分かる。

         作中に、柳瀬尚紀さんとの対談があり、柳瀬さんと言えばジェームス・ジョイスのあの「フィネガンズ・ウェイク」を翻訳された方じゃないですか(対談中にも出てきます)。
         「フィネガンズ・ウェイク」なんて、言葉遊びの固まりみたいな作品ですので、あんなのどうやって訳せるのかと思いますけれどね(実際、翻訳を読んでもよく分からなかった!)。
         同時通訳と文学の翻訳とは違うということも語られていましたが、言われてみればその通りかもしれません。

         いずれにしても、大変興味深い話題が満載の、楽しい一冊でありました。
        >> 続きを読む

        2020/01/08 by ef177

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      優雅に叱責する自転車

      エドワード ゴーリー

      4.0
      いいね!
      • 表紙とこのタイトルだけで、すべてを持っていけそうな、カルト的絵本作家ゴーリーのシュールな作品。
        逆に言えば、ここで読みたくならない人には向かないかもしれない。

        火曜日の翌日で、水曜日の前日から始まる物語。

        終わりから考えると、確かに一言も発することなく、叱責したとも言えなくもない。
        これが優雅に叱責するということなのか、いやはや!
        >> 続きを読む

        2015/06/18 by ミコト・T

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      HELLSING - 3

      平野耕太

      少年画報社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      •  読んだのは大分昔ですが。

         英国出国、見敵必殺の第三巻。

         やりたい放題が止まらないヘルシング。ダンナの髪が伸びたり縮んだりする小さい所を気にしつつ、伊達男をふっとばせ!と檄を飛ばしました。

         暴力描写に余念がない漫画ですが、故がきちんとしているので読んでいて嫌な気分にはならないです。

         とりあえず、吸血鬼になるとマイ棺桶がないと寝られなくなる所が「枕を旅先に持っていくやり手のサラリーマン」みたいで笑っちゃいました。
        >> 続きを読む

        2014/08/09 by B612

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      銀河鉄道の夜

      宮沢賢治

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 宮沢賢治さんの作品は、暗いものが多く、あまり好んで読みませんが、唯一『銀河鉄道の夜』は何度も読み直したくなります。

        私もクリスチャンです。この作品で出てきた神様のことや空遥か彼方にある美しい国のことも分かる気がします。
        ジョバンニが自分の弱さに向き合い、犠牲になってもみんなの為になろうと決心する気持ちも。
        一人ぼっちが長いため、ジョバンニも友情に飢えていたのでしょう。
        弱い心は、「自分の足で歩く」よりも、支えてもらえる仲間に頼りながら進むことを望んでいたでしょう。
        でも結局人生は人それぞれの旅。自分歩き続けなければなりません。
        その歩みが誰かに希望を運ぶように。
        その道程の先に、夢みた幸せがありますように。
        >> 続きを読む

        2017/09/01 by Moffy

    • 1人が本棚登録しています
      失踪holiday しっそう×ホリデイ

      乙一

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は...となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって...!?心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに、そっと触れます。
        ---------------------------------------------------------------

        「しあわせは子猫のかたち」は、『失はれる物語』で読んだことがあるので飛ばした。
        こちらは「しあわせは子猫のかたち~HAPPINESS IS A WARM KITTY~」という副題がついているが、内容は変わらないみたいだ。

        「失踪HOLIDAY~しっそう×ホリデイ」は、乙一にしてはあまり心をつかまれない、ダレた展開が続くなーと思っていたら、ラストはさすがだった。
        全く疑いもせずに読んでいたから、ほとんどなににも気づかなかった。

        狂言誘拐を演じた主人公の女子中学生が、事件を機に家族関係を見直す話かと思っていたら、確かにそのような展開にはなるのだが、実はいろんなことが起こっている。

        切なさの乙一とはまた違って、温かい感じの物語。
        >> 続きを読む

        2017/06/10 by しでのん

    • 10人が本棚登録しています
      集中力

      谷川浩司

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:将棋
      5.0
      いいね!
      • 5名しかいない中学生棋士の一人。
        天才という言葉にふさわしい谷川九段だが、この本を読んで「ああ、同じ人間なんだ。」と強く感じた。
        栄光へと昇りつめた高さと同じだけ挫折を見ている。だからこそ、悩み、考え、試行錯誤してきた過程が私がたどってきた道と似ている部分が多い。もちろん、実践のレベルは全く違うけれど…
        やはり、鬼のように強い棋士の方々は、自分をしっかりと理解してコントロールしている。羽生三冠と同様、谷川九段にも本を読みながら強く実感した。勝つか負けるかの勝負の世界。しかし、スポーツは全く違う世界が広がっているところがとても面白く、興味をそそられる。
        スポーツを長く続けてきて、子ども達にスポーツを教る立場になった今、棋士の人たちの考えや姿勢は、スポーツの中でも子ども達を育て、指導していく上で参考になることが多々あった。
        小さいころから何か一つを極め続けることは、決して視野を狭くはしない。視野を広げなければ、続けられないから。と、読み終えて強く感じた。
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        2017/02/10 by おかりん

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      不知火海

      内田康夫

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 通常、このシリーズは殺人事件が起こり
        その真相解明に浅見光彦が関わっていく
        展開が多いのですが、
        物語はあるアパートの住人が
        隣人から預かった“ある物”が
        発端となります。

        “ある物”がなぜそこにあるのか?、
        “ある物”を預けた隣人はなぜ失踪したのか?
        を中心に展開していきますが、
        いつもの話と違って新鮮でした。

        登場人物間に殺人事件は絡みませんが、
        (“ある物”に関してそれらしいことがあった
        記述はありますが。)
        興味を持ちながら最後まで
        読み進めることが出来て満足しました。

        ということで☆☆☆☆☆5つです。
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        2013/06/12 by marosuke

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      Dive!!

      森絵都

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 中学生の教科書に一部が載っていたので、当時図書室にあったこの本を読みました。最終巻だけ読んでませんが。

        飛び込み競技をやってる高校生のお話で、
        授業で習ってから何年か経って実写化もしたような。
        当時読書はほとんどしなかった私が最終巻以外は読んだわけで、
        けっこう面白かった記憶があります。

        たしか主人公は飛び込むのが怖いのに何故かやってたり、
        優等生がいたり、
        激しい飛沫をあげるのが持ち味の選手が腰痛持ちで
        飛び込んでる空中で回転とか全くしない不思議な技に挑戦してたり
        (それがサブタイトルのスワンダイブだったはず)

        飛沫をあげるかどうかは曖昧ですが名前は飛沫だったはず。
        高2にして大分男前な奴で、田舎から来たけど
        彼女とめちゃくちゃヤってます的な。
        そんな彼のセリフは男性が読んだら面白いかもしれないですね。

        もう一度読みたいです。
        今度は最後まで。
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        2015/05/12 by わだち

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      バリバリ伝説

      しげの秀一

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • 颯爽と750ccのCBを駆るグンの登場。

        久々に読み返したが、強烈に単車に乗りたくなった。

        単車を降りて久しいが、マシンを操る呼吸が蘇る感覚を強烈に感じた。
        とくに前後の車のわずかな隙間をマシンを左右にグイグイ振って抜けて行く場面では、全身の感覚が昔を取り戻したようだった。

        以前に読んだ際は、確か免許を取る前だったので、マシンの感覚も実感が無かったため、読み返すと、別の作品を読んでいるように感じた。

        聖子派?明菜派?などというコピーが存在するなど、さすがに古さは隠せないが、本質的な面白さは何も変わっていない。

        恐ろしいことにストーリーも、ほぼ完全に忘却しているため、モチベーション高く読み進められそうだ。

        10年以上のスパンをおいて改めて手に取るバリ伝。青春の感傷も有るのかもしれない。
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        2011/07/07 by yutaka

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      青雲はるかに

      宮城谷昌光

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 呂不韋の方を先に読んだので、范雎は名前くらいしか覚えてなかったが、この復讎譚を読むとコレ実話なんだよな?と驚くばかりだ。それにしても賢い女性は一目で才能ある男を見抜くんだなぁと宮城谷作品を読んでていつも思う。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

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      NANA - 2

      矢沢あい

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • NANA 第2/第21巻(未完結)

        東京へ向かう奈々。電車で隣になったのはナナだった。

        訳がわからなかった1巻で若干途方に暮れたのだが、2巻からが事実上の始まりのようで安心した。

        実は憤るほど記憶にはない...のだが、NANAの1巻はヒドかった。

        2人のナナが何の関係性も無く登場するし、そこに説明も全くない。
        これほどの知名度が有る作品という予備知識が無かったら、とても2巻を読もうなんていう気にはならなかったはずだ。

        とは言え、手にとった第2巻。これが面白い♪

        東京行きの電車で偶然隣り合わせた奈々とナナ。
        運命は、今度は2人をルームシェアの相手という形で引き合わせる。

        惚れっぽくてドタバタ元気な奈々と、クールで一本気に見えるナナ。
        2人の共同生活というか、やりとりが本当に見ていて微笑ましい気分にさせてくれ、珍しくストーリー展開なんかなくても良いという気にさせてくれる稀有な作品になりそうだ。

        訪ねて来たノブの書いた曲に刺激され、部屋に作った即興のステージに立つナナが最高に気持ち良さそうで素敵だった。
        >> 続きを読む

        2013/03/20 by ice

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出版年月 - 2000年12月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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