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恩田陸
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とある高校に数年前から受け継がれている「サヨコ」といういい伝え。3年に一人選ばれる「サヨコ」は誰にも気づかれずに一つのゲームをクリアしなくてはならない。 「六番目のサヨコ」の年に同じ名前の美少女・津村沙世子が転校してきた事でゲームが複雑になっていき、高校生ならではの好奇心や刹那的な勢いも手伝ってどんどんサヨコの真実に近づいていく。 ホラーだと思いながら覚悟して読み進めると青春ドラマに変わっていき、一息つく。 その爽やかさに浸っていると急にサスペンス色が強くなり油断ができなくなる。 そのメリハリによって却って、不思議な恐怖へと落とし入れられてしまう。 学園祭での全員の朗読シーンはその場にいたかのような緊張感に押し潰されそうになった。 最後まですべての秘密が回収されなかったので、いまだに「サヨコ」は謎が多いまま。伝説は続いたままである。 >> 続きを読む
2019/01/28 by NOSE
井上ひさし
仲良しの友人が亡くなって自分は生き残った。友人のお母さんに、「うちの子じゃのうて、あんたが生きとるんはなんでですか」…と言われ…。目の前の父を助けられずに、自分は生き延びてしまった。私は父を見捨てたんじゃないのか。つい、そう思ってしまう。自責の念・・・。何の罪もない普通の人々。>あの二個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりではなく、人間の存在全体に落とされたと考えるから・・・・あのときの被爆者たちは、核の存在から逃れることのできない二十世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ。(前口上より)太陽の温度は6000℃。原子爆弾は12000℃。すべてを一瞬にして焼き尽くす。その後もずっと生命を傷めつづける。原爆は人間の意志が落としたのです。飛行機に積み込んで、運んで、落としたのです。爆弾は落とさなければ落ちません。諸悪の根源は人間の意志、心。人間の心が、人間(すべての生命)の命を奪った。すべての生命は、命として平等です。奪う権利は、誰にもありません。奪えば自分の生きる権利もなくすことになる。原爆(すべての”殺すため”の道具)は人間の愚かさの象徴、愚の骨頂でしょう。なぜ、人間は学ばないのでしょうね。人間だから、学ばないのかも知れないですね。頭が悪すぎて、学ぼうとしない。その自覚もなかったりする?・・・(←無明)まずは、人間は愚かでどうしようもないあほな存在であるという自覚(←否定できない)をもつことだね。だから、この世は苦なんだと自覚しよう。人は幸せになるために、人を幸せにするため、心を磨くため、賢くなるために、、、少しでも楽になるために生きているのです。苦を楽に変えて生きていこう。もっともっと学ばなくちゃ。・・・と思います。(こんな感想しか書けません^^;) >> 続きを読む
2017/10/01 by バカボン
柳沢由実子 , MankellHenning
ヘニング・マンケルの「殺人者の顏」は、地味な警察小説だが、そこはかとない味わいのある、なかなか読み応えのある作品だ。農家の老夫婦が惨殺され、その事件を捜査する小さな港町の警察官たちの奮闘ぶりが、丁寧に描かれていく。スウェーデンの警察小説と言えば、マルティン・ベックシリーズを連想するが、この本の主人公クルト・ヴァランダーは、同じ中年男ではあっても、マルティン・ベックとは雲泥の差があるような気がします。妻に逃げられ、娘も家出、老いた父親との関係もうまくいかず、おまけに中年太りだから、カッコよくないのだ。たまに妻に会うと、帰ってきてくれないかと泣き出したり怒ったり、それで美女と会ったりするとすぐその気になって、なんだかだらしのない中年男なのだ。もちろん、警察官としての情熱は熱く、諦めることを知らない男だ。この主人公の個性豊かな人物像は、等身大の人間として描かれていて、惹かれるものがあるんですよね。それから、マルティン・ベックシリーズがそうであったように、スウェーデン社会の現在を物語の背景に置いている点が、なかなかいいと思いますね。例えば、クルト・ラヴェンダーは、スウェーデン南部の小さな港町イースタの警察官なのだが、この港町はバルト海に面しているので、ドイツ、ポーランド、エストニア、リトアニアなど、さまざまな国から亡命者や経済難民がやって来て、それが社会問題になっているんですね。だから、外国人が容疑者として浮上しても、事がはっきりする前に漏れてしまうと、外国人に対して人種差別的な反感を持つ一部の人々を刺激する恐れがあるので、伏せておかなくてはならないので、捜査も大変なんですね。地味な作風ではあるものの、脇役たちもとても丁寧に描かれていて、その着実さに好感が持てるんですね。 >> 続きを読む
2019/01/06 by dreamer
桐生操
全部は読まなかったが、それなりに面白かった。
2016/07/30 by 匿名
ヴィクトル・ユーゴー , 豊島与志雄
2005.5月読破。
2015/12/17 by Y96
Cervantes SaavedraMiguel de , 牛島信明
読了日は適当。ドン・キホーテといえば風車に向かって行った狂人として知られている。が、狂った理由を聞けば、諸兄らはぎくっとするだろう。本の読みすぎ。騎士道物語を読みすぎて、彼は狂ったのだ。諸兄らもないかな?夜、手元の灯りで、ワインなぞかたむけて、血沸き肉踊る冒険譚を読み、ああ、俺はやるぞ、地の果てまで駆けてやる、ひそかに興奮していることが。あるいは顔も知らぬ美しい姫が(顔は分からないが美しいのだ)夜毎自分の助けを求めているなどと。本ほど人生を助けてくれるものもないが、本ほど命を縮めるものはない。さらに分かっていても止められない。されば槍持て馬に乗り、走り出すしかない。当然荒野ではなくなじみの本屋に。馬は表に繋いで、槍であの本が欲しいと示せば良い。そしてまた本に酔っぱらう。 >> 続きを読む
2016/05/20 by kido
河野一郎 , ヘンリー・ミラー
ヘンリー・ミラーと言えば、処女作の「北回帰線」が最も有名だろう。この「南回帰線」は、「北回帰線」と同じく主人公の「ぼく」が著者の分身として書かれているが、作品上のつながりはない。1920年代のニューヨークを舞台としたこの自伝的な作品には、ヘンリー・ミラー風に言うと、二十九歳の「ぼく」のまだ温かい吐瀉物が、ふつふつとした湯気を上げてぶちまけられているようだ----というところかもしれない。妻子を抱える「ぼく」は、さまざまな職業を転々としてきたが、ニューヨークで電信会社の雇用主任の職を得る。ちぎっては投げるように仕事をこなしつつも、「ぼく」は眼に入る女と性的な関係を結ばずにはいられない。女性配達員の志望者から寝たい女を選び出しては、次から次へとセックスを繰り返す。借金をしていた友人が死ねば、金を返さなくて済んだと小躍りし、果ては葬式を機に狙いをつけていた彼の妹に会える----と舌なめずりする。ほかでもなく"自分"が、生きるための、これほどまでの自己中心的ぶりが、実に清々しい。目まぐるしく「ぼく」の脳裡に浮かび上がる思考のあぶくを、街角で視界に入る醜い現実を、これでもかこれでもかと描き、写し出す言葉の渦。そのたたみかけるような文章の波濤に呑み込まれ、私の精神は昂揚する。生きることの意味を追求するあまり、混沌とした世界に身を投じる「ぼく」の人生をひと時、伴走した後には、心地よい疲労感が待っている。 >> 続きを読む
2018/04/29 by dreamer
原宏一
短編小説としては良い作品だと思います。さくっと読めますね
2016/03/26 by madison28
富士元寿彦
本屋さんで一目惚れして、どこかで見たこと有るなぁ・・・と思いながら即ゲットしました♪レビュー書こう♪と思ったら、emiさんがレビューされていたんですねーどうりで見たこと有ると思いましたwエゾモモンガの「元気」くんが、表紙の通りカワイくって仕方がありません♡飛べるからこそモモンガじゃない?という声もありそうですけど、もう表紙だけで大満足♪お部屋の良く見えるところに立てかけておくことにしましたー >> 続きを読む
2013/07/26 by makoto
上野健爾 , 大野晋
ゆとり教育のせいで自分の子が可哀想な学力しか持てなくならないように、自分が勉強しなきゃって痛感。 >> 続きを読む
2013/06/15 by freaks004
大貫昌子 , FeynmanRichard Phillips
笑いすぎると涙がでるのは、涙と笑いが無二の友だからである。 いま、わたしが考えた言葉なので真に受けてはいけませんよ、とはいっても、シューベルトの歌曲に「笑いと涙」という曲があるらしい。どうやら涙と笑いが二人三脚で時をかけてきたのは本当のようだ。 こんなことを空想したのは、おそらくファインマンのエッセイを読み返したせいだろうか。理系の人のエッセイを読んでいると、日頃使わない神経が刺戟され、おもわず読み耽ってしまうから困る。なかでもこの本は度々読み返す。 殊に、一人めの妻の病を語った話がわたしのお気に入り。泣かせる話をするくせに、要所々々で笑わせてくれるので、話が深刻になりすぎない。程よく泣かせ、程よく笑わせ、最後はやはり‥・・・・ 他にもいいものが入っている。たとえば、チャレンジャー号爆発事故調査のいきさつや、科学の価値とは何か等。そしてもしかしたら、涙がでるほどの笑いにも出会うかもしれない。 >> 続きを読む
2015/01/20 by 素頓狂
宮城谷昌光
今回読了した、私のお気に入りの作家・宮城谷昌光の「沙中の回廊」は、彼の名作「重耳」の後日譚的な意味合いを持つ作品で、彼の作品の中でも特に好きな作品の一つであり、まさしく力作だと思います。重耳=文公の死から、晋王室内での後継者をめぐる確執、戦闘と外交が宰相の士会を軸として描かれていて、ちょうど彼の代表作とも言える「晏子」と重なるあたりで終幕を迎える事になります。宮城谷昌光の作品が大好きで、ずっと読み続けて来た一読者の立場からすると、この「沙中の回廊」はこたえられない作品ですが、そうでなくてもこの長編小説が私に深い感銘を与えるのは、この作品が持つ、"テーマの普遍性"ではないかと思うのです。そのテーマとは一言で言えば、"人間の孤独"という事です。主人公の士会は、驪姫の乱に際し、父が負の選択を行なったため、世に出る機会を失った人物として登場してきます。この作品は、自分自身の中の"孤独"に惑溺する事を覚えた男が、"人生の未知の回廊"を進みつつ、これを克服していくさまを、いつもの宮城谷昌光の端正で風格のある文体で綴られていくのです。権力を握ろうと奔走する者は、結局のところ、他者への憎悪や嫉妬、あるいは猜疑というものに満ちており、そうした者たちは国家自体をも深い"孤独"の中に追いやる危険性を孕んでいるという事を、作者は言いたいのではないかと思います。この作品において正義を果たし得るのは、おのれの中に巣食う"孤独"に打ち勝った者のみなのです。その点、人の世の孤舟に乗り合わせた士会と謀反人の烙印を押された郤缺が、報恩を通しての互いの"孤独"を救済していく箇所は、宮城谷昌光の端正で深みのある文体が持つ温度と相まって、見事なほどに美しくさえあるのです。 >> 続きを読む
2016/10/26 by dreamer
吉村 達也
大学の映画製作同好会の5人のメンバーが撮影のためエジプトの王家の谷にやってきた。ミイラにふん装した岡崎拓哉は王家の谷に横たわり、その間、無人のビデオカメラが回され続け、5時間後にメンバーが戻ってきて、包帯を外すと、卓哉はすでに息絶えていた。事故として片づけられたこの事件の3年後、同じ同好会メンバーの一人、拓哉の兄の雅也が、やはりこの同好会メンバーの紅一点で拓哉の恋人だった美保子に結婚を申し込みにやってきたところから、作家で名探偵と評判の朝比奈のところに、事件の再調査の依頼が来て‥‥。エジプトでの殺人事件、に魅かれて手に取った本。エジプトの風景を思い描きながら、ちょっと旅してる気分を味わいました。海外でも、国内でも、地域や歴史が絡んでくる本は旅気分を味わえてワクワクさせてくれる。 >> 続きを読む
2018/03/31 by taiaka45
島田荘司
4篇収録の短篇集。ミステリ色が強いのは「IgE」と「ボストン幽霊絵画事件」で、あとの2篇は事件性のない御手洗にまつわる思い出についての手記。4篇に共通するのはタイトルが醸し出す雰囲気そのままのセンチメンタルさだろうか。「SIVAD SELIM」の追憶の甘みのくだりが印象的。p104 「どんな陰惨な事件も、時を経れば追憶に甘みが出る。それはまさしくただの酸っぱい水が酒に変わっていく過程なのだが、同時に他人事たる残酷な事件が、ますます他人事になっていく過程と言えないこともない」夏になるとテレビ局がこぞって感動系の戦争ドラマを放映する。そんなことを連想した。 >> 続きを読む
2015/03/01 by seimiya
殊能将之
今回読了したのは、秘宝探索と身元不明の殺人事件に名探偵・石動戯作が挑む、「美濃牛」に続くシリーズ2作目の作品。ねじくれた諧謔趣味のサイコ・サスペンスでありながら、驚愕のエンディングで鮮烈なデビューを飾った「ハサミ男」の異才・殊能将之。シリーズ1作目の「美濃牛」では、横溝正史の世界を借り、意図的に冗長で饒舌な物語世界を構築して、我々ミステリ好きを煙に巻くなど、全く持って油断のならない作家だ。主人公の名探偵・石動戯作は、名僧・円載に所縁のある仏像探しを依頼され、仏像が隠されているという福岡県の寺を訪れた。そこで石動を待っていたのは、寺の本尊だという顔を削り取られた黒い仏だった。一方、福岡市内のすべての指紋が消された安アパートの一室で、身元不明の死体と黒い数珠が発見された。いつしか石動の調査は、その殺人事件に引き寄せられていくのだった-------。仏教の該博な蘊蓄に加えて、容疑者をめぐるアリバイ崩しという、本格ミステリの結構を見せておきながら、そのすべてを破壊しつくす、この最後の解決には唖然、呆然、言葉も出ない。読み手の常識を破壊する著者・殊能将之の悪魔的な企みには脱帽だ。 >> 続きを読む
2018/03/27 by dreamer
高田 明和
初版2001年発行.現代ではよく知られている事実ではあるが,成人になってからも脳細胞が増えることがある事実を紹介している.また,私はアルツハイマー病にリポEたんぱくの型が影響するということを知らなかったのだが,本書ではリポEたんぱくはe2,e3,e4の三種類あり,両親からひとつづつ受け取る仕組みになっていて,e4型がアルツハイマーを発症しやすくなる因子であることを説明している.e3/e3型などとe4/e4型では発症リスクが10杯以上違うなどについても書かれている.これを読んで自分もアルツハイマーの遺伝子診断を受けてみようと思った.また,思いだせない記憶でも,無理してでも思いだす努力を続けると,無意識下の脳内で,配線が作られて思いだせるようになる場合が多いことが書かれ,なるほどと思った.この仕組みはきっと科学の勉強に生かせそうだと思う. >> 続きを読む
2016/02/06 by 物理と数学
山田 正紀
何人たりとも凶器を持ち込むことなど出来ない裁判所内で、弁護士が刺殺された。彼が担当していた神宮ドーム放火事件に関係があるのか?検事であり続けることに疑問を抱く佐伯は、突如、聞こえてきた"神"の声に突き動かされるようにして、ドームを設計した異端の建築家の影を追うのだった-------。探偵に犯人を裁く権利はあるのか?探偵の推理の正当性は、何によって保証されているのか?本格ミステリがしばしば直面する、こうした問題に対し、著者の山田正紀が「神曲法廷」において提示した"解答"は、想像を絶するものだった。何とこの探偵は、"憑き物"によって"神"の声を聴くんですね。自分の行なう"正義"に正当性を見い出せない探偵を、真実の"神"は、容赦なく責め立てる。そこには、真実を否応なしに知ってしまう、"探偵"と呼ばれる人間の苦悩がある。しかし、その一方で、神の声=真実とは、探偵の狂気=幻想にすぎないのではないかという問題提起もまたなされている。やがて、それが、日本人自体が憑き物に憑かれて、個としての生を全うできない存在なのではないかという、日本人論へと展開していくあたりは、いかにも山田正紀らしい地獄巡りだなと思いますね。 >> 続きを読む
2018/07/19 by dreamer
逢坂剛
昭和の香り漂う刑事もの。安東能明の生活安全課シリーズを読んでいて、切り口の面白さに、大御所の同様の作があると知り、手に取った。コミカル。今のミステリに欠けている懐かしさがある。結末に丁寧な工夫がほどこしてあり、非常に好感。 >> 続きを読む
2014/07/20 by 課長代理
高橋 よしひろ伊藤 昭
犬と人間との物語を集めた短編漫画集。とても胸を打たれる一冊だった。特に、戦時中の軍用犬の供出についての話は印象深かった。よく知らなかったが、先の大戦中には、多くの犬が軍に供出され、毛皮などのために殺害されたそうである。モーパーゴの作品にも第一次世界戦中に犠牲になった動物たちのことがよく描かれているけれど、日本においても上野のゾウの話をはじめ多くの動物が犠牲になった。戦争は、動物まで犠牲にしてしまうという点で、本当に悲惨なものだとあらためて思う。他にも、人間の犬たちへの冷たい仕打ちにもかかわらず、健気に人間のために尽くす動物たちの姿が描かれて、不覚にも涙させられる作品があった。多くの人にお勧めしたい名作漫画。 >> 続きを読む
2015/10/04 by atsushi
出版年月 - 2001年1月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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