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江國香織
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読了しました。 冷静と情熱のあいだ ━ 女性目線からの rosso 。 私が男性だからなのか、この物語だけで 1冊の本とするには弱いと感じてしまいました。 著者の意図したところなのでしょうが、 ひどく怠惰で変化の少ない毎日が描かれていくため 読み続けるのに疲労を感じます。 物質的に恵まれ、溢れるほど愛情を注がれているのに、 心の奥底には熾火のように 昔の恋人への想いをひきずっている主人公。 それは上手に描けていると思います。 ひどく絵画的な印象を残す小説ですが、 そういった面でも個人的には blu の方が 成功していたように思います。 いずれにしても、1つの恋愛の物語を 女性目線、男性目線でそれぞれに描いてみせるという実験は 上手くいったと言ってよいと思います。 最後に読む順番についてですが、 1冊ずつ読むのならば blu ⇒ rosso 、 連載と同じように1章ごと交互に読むのならば rosso ⇒ blu がよいのではないかと思いました。 そこそこ楽しめたのですが、 ひとに薦めるかと問われると「微妙」というのが 正直な感想です。 >> 続きを読む
2018/11/27 by kengo
辻仁成
映画化もされた有名作品ですね。 辻仁成さんと江國香織さんが同じ時系列の恋愛小説を 男目線、女目線と交互に月刊誌へ連載していったという ある意味 実験的な作品でもあります。 どうやって読んだらいいのか少し迷いましたが、 まずは自分が男なので男目線から読んでみました(単純 笑) 主人公(順正)は5年も前に別れた彼女(あおい)が 27歳になった今でも忘れられないでいて、 むしろ日々 彼女の存在が大きくなっていく・・・ そんな感情は分からないでもないですが、 ゆえに言動も何だか根無し草のように頼りなくフラフラしており そんな様子がイタリアの景色や絵画の描写とうまくマッチして きれいな映像のように伝わってくるのは上手いなぁと思いました。 そういった意味では、本作は 純文学とエンタメ小説の中間みたいな位置づけになるんでしょうかね。 まぁ、そんなことはどうでもいいのですが、 ラストはやっと主人公が少し前を向けた 希望を持ったエンディングになっていて良かったです。 次は赤(女性目線)をスタートしました。 読む順番がこれでよかったのか、 交互に読みすすめるべきだったのか、 次のレビューで感想を述べたいと思います。 >> 続きを読む
2018/10/27 by kengo
有栖川有栖
火村シリーズの今作はタイトルにあるように、宿やホテルなどの宿泊施設に特化した4つの短編。捻ったような話が入っていて「ホテル・ラフレシア」などは特にそう。ホテルのミステリー企画でやってきた二人が謎を解くが、それとは別に宿泊客の抱えた闇が。一番ミステリらしいのが「異形の客」。宿にやってきた顔を包帯で隠した客。同じ宿に有栖川が宿泊するが、翌日怪しい客が泊った部屋で起きる殺人。絡んでくる美容整形の医師による見解なども含めて、犯人とそのトリックが火村によって明らかに。犯人の抵抗は珍しいが、こういう形もありなのかなと。 >> 続きを読む
2019/08/01 by オーウェン
三津田 信三
三津田さんのデビュー作は自身の名前を冠した、ある種のパロディみたいでもある。作家になる前は編集者であり、そこからスタートする作家体験。そこからホラー的なドールハウスに住むようになり、その家での恐怖体験が実際に三津田が書く小説にフィードバックされていく。ラストはそれまでの人物たちが一変される仕掛けが明かされる。すべて三津田の体験と小説かと思っていると、肩透かしを食らうかもしれない。ただ今とは違ってホラー要素は薄目かな。 >> 続きを読む
2020/06/05 by オーウェン
森下裕美
あー!ゴマちゃんカワイイですよね!!寒い日なんかは寝るときに毛布にくるまってキューキュー!!ってゴマちゃん気分でヌクヌクしてます!! >> 続きを読む
2012/03/26 by tamo
石田衣良
主人公の少年が老人の手ほどきを受けながら株式投資を学んでく。その裏では老人には思惑がありそして。。売買がうまくいきすぎる点はマイナスだけど、市場の動向を読んだり株の基本的なことを学べて、勇気がいるけどちょっと手を出してみても良いかも。世界情勢や政府が行う政策などが市場に影響があり、経済を勉強するきっかけになるかもしれないし、読んで損はないです。欲を言えば物語にもう一波乱あっても、というのが感想。 >> 続きを読む
2015/12/14 by がーでぶー
福井晴敏
アニメ視聴済み。ラストが少しアニメとは違ったけど方向性は同じでしょうか。作者らしさが出ていて良かったとは思うけど、キャラクターを整理しているとはいえ、親衛隊のハリーに部下がいなかったり、ディアナにお付きの侍女がいなかったりと組織に深みがでていないのが残念。月からの帰還作戦がしょっぱなから躓いたり、危機感を持てずにどこまでもエスカレートする戦場、人の愚かさと上手くいかない理想に歯がゆさと苛立ちを感じ少し気が重くなる。いつであってもどこで過ごそうと、人の本質は変わらないということだろうか。アニメでは分かりづらかった部分も補完できたと思うが、ラストの印象はアニメのほうがよかったように思う。機会があればアニメをもう一度見てみたい。 >> 続きを読む
2018/11/18 by ユクスキル
ロバート・ルイス・スティーヴンソン , 夏来健次
原典にあたる必要がないと思える程知られ過ぎている小説だろう。しかし実際に読んでみると、意外にも美しい文章。作品として品があり、キワモノ的小説とは別格だ。そして、ハイドが……あまり極悪人に感じない……現実世界で起こる凶悪な非情な事件が多いため、感覚がマヒしているのだろうか?それもあるかもしれないが、どうやら、自分でイメージを肥大させ、極悪人の恐ろしいハイド氏を創造していたようなのだ。以下ネタバレも含みます!この本を無垢の状態で読みたい人は、ぜひ先に買って読んでから、戻ってきてください。こちらは創元推理文庫から2001年に出た新訳で、非常に読みやすく、訳も的確でおすすめです。『顔色は青白いし、体格は異様なほど小柄だし、そのうえに、どこといって指摘しようのない漠然とした奇形的な印象がまとわりついている。笑い顔はなんとも気味悪いし、態度にはおずおずした感じと妙な不遜さとが混在しているし、声はかぼそくしかもしわがれている』不愉快ではあるが、恐怖を感じるというのとはニュアンスが違い、あわれな姿にさえ思えるではないか?作品のテーマからいうと、これはある意味正解なのだと思う。一人の人間に内包される善悪なんて、「巨悪」というものとは違っているはずで。善悪を増幅するのではなく、分離させるのがジキル博士の実験だったとすれば、むしろ当たり前のことだったかもしれない。心理学的にも作者はかなり正しい指摘をしている。『人間とは究極的には、無数の多種多様な独立した人格の集合体と考えられるかもしれない』これは現代では間違いない真理と認められている考え方だが、当時、この考え方は、かなり斬新だったのではないかと思われる。現代人は、この考え方を知っているため、自分の中にハイドがいることを認め、受け入れられる。そして、新たな恐ろしさをこの作品から見出すのだと思う。でも私の最大の感想は「人間性にひそむ善悪とその葛藤について」ではなかった。この小説は実は『薬物依存症』を描いた小説だった。薬を使う時の高揚感と薬をやめられなくなったジキルの苦闘は麻薬患者の末期そのもの。初めて薬を服用した時のジキルの叙述を少し長いのですが、引用してみましょう。『しかし感覚がどこかおかしい。なにか今までにない感じがした。なにかが驚くばかりに新しくなったようで、しかもそれのみにとどまらず、いわくいいがたいほどのいい気持になっていた。自分がずいぶん若くなったようで、体が軽くなったようで、なによりもとても幸せな気分だった。一方ではそれと同時に、頭のなかが危険を顧みない向う見ずな性向になっている気がした。混乱し激昂したイメージが勢いよく脳裏をめぐりだした。水車に流れかかる奔流のように。束縛から解き放たれた気分で、魂が自由になったかのようだ。初めて知る、しかし決して純粋無垢というわけではない自由さだ。』これが、麻薬でなくて何なんでしょうか?ジキルは自分の中の『悪』 に負けたのではない。ジキルは、薬物への渇望に つまり『欲』によって、身を滅ぼしたのだ。 >> 続きを読む
2012/05/07 by 月うさぎ
この本も以前買って途中までしか読んでいなかった。何でだろう?こんなにさらさらと読めるのに。江國さんのお父さまが書いた香織さんの成長日記が温かくて良かった。私もよく夢を見るので(たぶん主に怖い夢)なんだか親近感がわきました。 >> 続きを読む
2015/01/28 by すもも
ニッコロ・マキャヴェッリ , 河島英昭
悪人の読む書物とされる有名な本の一つ、君主論。これを本気で読むためには当時のイタリア半島の情勢を徹底的に知らなければ読み間違えます。つまり、混迷した戦国時代としてのイタリア半島と地続きのヨーロッパの軍事、政治的介入と混迷。それをどうにかしたかった一人の男,マキャベリという立場を理解する必要があります。書かれている内容は容赦なく、しかし合理的です。とてもまねするべきとは思えない事が様々書かれているものの、損害最小に思えてしまったり・・・。それでも、時代的にはあの半島ではダメだったのですけれどね。正直内容は無視しておけ。人として非道。その後の時代も啓蒙思想時代も現代も延々否定され続けていて、否定する事が美徳とされている事が書かれていますから。真似するとハブられた挙句に社会的に抹殺されますよ?ただ、この本、岩波文庫版の翻訳文はとても素晴らしいのです。他の翻訳文がどうなのかは読んだことが無いのですが。文章術として、実はとても合理的なのです。各章のタイトルで一文で内容を明瞭かつシンプルに正確に説明しています。本文一行目で前提および問いかけを同時に行い、二文目で解としてAもしくはBと回答を収束させています。それ以降はAの場合は過去に置いてはA,A',A''、現在に置いてはA+,A+',A+''、Bに置いては・・・となりAではかくかく云々なのでこうなり、Bではかくかく云々なのでこうなるのでAorBの方が優れていると結論付ける。文章表現のパターンは技術的にはとても秀逸。竹を割ったように分かり易い。表現の正確さだけではなく表現方法のパターンも実は大事です。結局はどこまで行ってもコミュニケーションは相手への思いやりなのですけれどね(想定して合わせこむのです。多少の瀟洒さを持って・・・)。明確な表現様式を持って他人に技術的な何かを伝えたい人には一瞥してみてもいいかなと思います(普通の人は読まない方が身の為です)。内容自体は全面否定する事!が前提ですが・・・。 >> 続きを読む
2013/06/07 by Shimada
BalázsBéla , 徳永康元
子供の頃に読んだお話。図書館で見かけて、懐かしくて再読した。大人になって読むとそれ程面白くないなぁ~……と思いつつ、ラストの重さにずしんと来た。子供を捨てていくって、こういうことなんだな。 >> 続きを読む
2020/07/13 by Moffy
原 研哉
デザインにはすべて意図がある・・・とは思っていたが、なるほどなあ~ということが満載。原さんの、肩肘張らない語り口が何ともたまらず、じわあ~~っと効いてくる感じ。語り口と言いながらも、実際は文章なのだが、語り口と言ったほうがあっている。マカロニの穴の三つの意味のうち、二つは知っていたのだが^^; 何事も、デザインという視点を持つと、面白い! >> 続きを読む
2016/05/03 by けんとまん
現代人に求められる教養のひとつに、学校教科の言葉でいうところの現代社会、要するに現代史がある。しかし、これがけっこう厄介な代物で、覚えてもすぐに忘れるし、そもそも学習する気があまり起きない。ほら、いるでしょ、戦国時代や幕末、ローマ帝国やフランス革命とかにはめっぽう詳しいくせに、戦後史の話になると音もなくその場から消える人。困るんだよなあ、ぼくもそういうタイプだけど。そういえば15年くらい前、学習意欲がまだ健在だったとき、少しだけ年下の同僚とこんな感じのやり取りがあった。「○○さん(わたし)、現代史ってどうやって勉強すればいいんですかね?」「おいおい、質問する人がちがうだろ。老人扱いされるにはちょっと早いぜ。うーん、よく分からんけど結局はその時代の空気を吸うしかないんじゃないの」「はあ、身も蓋もないこと言うなあー、けど○○さん、やたら人物の名前だけは知ってるじゃないですか」「名前だけで悪かったな、朝日の特集を流し読みしてるだけだから。でもあれだろ、名前さえ知ってれば上手く取り繕えるだろ。お前も読めよ」「また始まった、○○さんの朝日押し、週刊朝日きちんと持って帰って下さい。邪魔です」「うるせー、赤エンピツがお似合いの新聞ばっかり読む奴には言われたくねーわ」 (多分に脚色しておりますが、内容は忠実に再現しました。わたしは、上からはいびられるし、下からはからかわれます) なんだか思い出したらすこし悲しくなりましたが、しかしこの本はとてもいい勉強になります。この100人の大まかな経歴さえ頭に入っていれば、高坂正堯の現代史の本にもついて行けるでしょう。気が向いたら下巻の方でちょっぴり人物紹介するかもです。 >> 続きを読む
2015/03/29 by 素頓狂
大沢在昌
主人公ケン・ヨヨギのたくましさと、近未来の東京には身寄りのない混血児が増加して犯罪都市になっている・・・なんていう設定がとても魅力的だった。 >> 続きを読む
2011/05/06 by bob
服部まゆみ
読み応えありました。難しいわけではないのに、読んでいるとおのずと深読みしようとしてしまう作品です。ストーリーの結末としては、驚いたり慄いたりするようなものではないですが、闇の中にある鮮やかすぎるほどの「色」を文章で感じることのできる本でした。絵のような本、といえばいいのでしょうか。作者さんが芸術関係をされていたこともあって、他にはない色彩を感じられる内容に仕上がっています。 >> 続きを読む
2017/04/08 by Akane
芦辺拓
前から気になっていた作家のひとり、芦辺拓の「十三番目の陪審員」を読了。ライター志望の青年・鷹見瞭一は、編集者の船井から、冤罪者となって体験ルポを書いてみないかと持ち掛けられる。大掛かりなプロジェクトが動き始め、見事、強姦殺人の容疑者となった鷹見。その時、彼は裏切られたのだ。「冤罪計画」は姿を消し、彼は孤立無援で法廷へと送られることになったのだ。しかもそこには、復活した陪審制度を破壊するための、さらに大きな陰謀が秘められていたのだった-------。芦辺拓のこの作品には、市民としての矜持が満ちている。昭和の一時期、たった15年間だけ施行された陪審制度の復活を巡り、どす黒い陰謀が渦巻く「十三番目の陪審員」は、支配層からたとえどんなに見下され侮蔑されようとも、必死の叡智を発揮し、情の通った理によって、民主主義を実践していく姿を、同じく市民たる私たちにエンターテインメントの形で問うているのだと思う。ただでさえ、日本ではあまり扱われない素材を、さらに幾重にも捻った、ミステリ的な仕掛けと人間ドラマの融合が、ディスカッションによって展開していく第Ⅱ部は圧巻だ。しかし、これが"SF"としてしか成立し得ない日本の現状こそが、最大の驚きかもしれない。 >> 続きを読む
2018/06/21 by dreamer
木本栄 , HächlerBruno , RisslerAlbrecht
とても良い絵本だった。 胸を打たれた。 この絵本の主人公のように、たとえ雷が落ちて割けてしまったりんごの木でも、大事にして、新しい木とともに、ずっと両方を大事にしていくような人間でありたい。 そう読んでて思った。 >> 続きを読む
2012/12/24 by atsushi
室井滋
室井滋さんのエッセイも好きです。 芸能プロダクションのすごい女社長「ふぐママ」の数々のエピソードを綴ったエッセイ集。 文章も上手で、エピソードも楽しかった。 コマーシャルでは時々見るけど最近どうしてるのかな・・・ 「やっぱり猫が好き」から、小林聡美さんとともに味があって好きな女優さんです。 >> 続きを読む
2013/01/18 by バカボン
浅田次郎
笑って泣ける任侠ドラマの第3弾今回は命がテーマなのかな、短いけど、すごく考えさせられた。4作の中でヤクザ感は一番薄い。 >> 続きを読む
2014/11/14 by bob
萩尾 望都
面白かった。カオスからコスモスへ。そのためのレクイエム。 >> 続きを読む
2015/08/20 by atsushi
出版年月 - 2001年8月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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