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江國香織
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恋愛不倫東京タワー人妻学生一切他の音がしない、話し声だけが聞こえる物語だった。物語を読んでいると頭の中にイメージがわいて勝手に環境の音がなっているのに対して、この物語りの環境がすべにおいて世界では二人きりの世界になっている気がした。もちろん他の人物もいたが、二人で会う時や一人称の時でさえも、とても静かな印象をうけた。 >> 続きを読む
2016/04/10 by -water-
蘇部健一
所謂バカミス。ただトリックやギミックが突拍子もないものという類のでは無く、単にキャラクターがおまぬけというタイプのバカミスでした。すると納得できないのが、後半の「普通に謎解きをする展開」です。前半はまだ、謎を解いた!と思ったら全然違った!とか作風にあった展開が面白かったのですが、謎解き自体は驚きのないものなので後半は一転して面白みに欠ける展開に。中盤に読者への挑戦が出たときは、おおと思ったんですけどね。これを出してきて、実はトリックを見破れませんでしたなんて最高の展開になると期待したのですが…何とも残念。 >> 続きを読む
2014/12/04 by 豚山田
川上健一
爽やかすぎるのは良いんだけど。最後が余計だよなぁ。必要ない! >> 続きを読む
2016/02/19 by kurobasu
梨木香歩
【非常にレビューし辛い作品です】 祖母が住んでいた古い日本家屋、今は、孫娘の蓉子が管理人を務めて、学生向けの下宿を営んでいます。 その下宿に同居している蓉子も含めた4人の女性。 彼女たちは、染色をし、機を織り、レースを編むなどしています。 染色のために、様々な植物を採ってきては糸を染めて。 本作は、そのようにして共同生活をしている4人の女性と、その家に代々伝わっている「りかさん」と名付けられた市松人形のお話です。 彼女たちの日常の生活と、その中で起きる様々な出来事が静かな調子で語られていきます。 この家には網戸が無く、冷房もありません。 夏には窓を開け放しておくと蚊が入ってくるので、何とか網戸を入れたいと思うものの、お金が足りません。 そこで、食費を削ることにして、みんなで庭に生えている草を食べてみたり。 そうこうしているうちに秋になり、結局網戸は入れず仕舞い。 「りかさん」の由来についても少しずつ明らかになっていきます。 偶然というにはあまりにもできすぎた「つながり」があったり。 何か、一つの事件に向かって物語が進んでいくというタイプの作品ではありません。 なので、非常にレビューが難しい。 時に淡々と、時に苦しくなるような描写が続いていきます。 こればっかりは粗筋を書いても伝わらないと思いますし、この作品に関しては粗筋をご紹介することはあまり意味がないように思われます。 この静かな物語は、その過程をじっくり味わうのが良いのではないでしょうか。 それも、サマリーで確かめるのではなく、ご自身の手でゆっくりとページをめくっていただくのが良いと思います。 梨木さんらしい、とても良い雰囲気の漂う佳作だと思います。 >> 続きを読む
2019/08/14 by ef177
神林長平
前作からさらにジャムが解明され、雪風と零との関係も進展、したのかな?自分とは何か、考えさせられる話であった。雪風がほしいです。家に来てください >> 続きを読む
2016/10/02 by さったん
佐木隆三
音羽事件の事が良くわかります。あまり作者の私情や考えなどが挟まれていないのが良かったです。裁判の内容が多く、結局のところ何故そうなったのかは分かりませんが、裁判は被告人の心情ばかりが話されているので、被告人に同情してしまいそうです。被害者の両親の気持ちを考えると、怒りを覚えます。被告人の気持ちの推移が、事件の日に近づくにつれて、恐ろしいものになっていきます。こんな考え方をする人が身近にいたらと背筋が凍る思いです。実際に理解するのは難しいでしょう。夫も理解出来なかったのですから。結果が全てで、幼い2才の子供を殺害した被告人が全て悪いのではないかと、理由はどうあれ、なくなった女の子が本当にかわいそうです。本当にあってはならない事だと思います。 >> 続きを読む
2015/09/05 by まめたん
清水玲子
このサイトで、本作がなかなかヒットしないのはなぜ?作者名とコミックシリーズ名でようやく見つかった。さて、、、とてつもないスケールと世界観で描かれた作品。1ヶ月前に一通り読んで、今度は精読している。読めば読むほど映画化は残念な出来だったと思ってしまう。これだけのスケールを2時間やそこらにまとめるのはよっぽど上手くエピソードをピックアップして整理しないと矛盾だらけになってしまう。貝沼にしろ大統領にしろ、ストーリー全体に濃淡織り交ぜながら絡んでくるのだから。心にしんどいものがあるときに読むとなんかもういろいろ考えちゃう作品である。 >> 続きを読む
2020/04/05 by ちっちゅう
今野敏
安積班シリーズで九篇収録の短編集。神南署シリーズとしては最終巻。五話目の「刑事部屋の容疑者たち」をはさんだ前半四話が、いつもの捜査ストーリー。後半の四話では、臨海署が復活するという噂が呼ぶ波紋が描かれる。「異動」では、安積班の若手刑事桜井が噂を耳にして動揺し、安積の評価を気にして手柄を焦る。「ツキ」は、不思議なツキに恵まれている須田刑事の信じがたい英雄譚。「部下」では、神南署の視察に来た野村管理官が、安積に臨海署に戻りたいかと尋ねる。安積は、できれば今の部下と離れたくはないと答える。野村管理官はやがて、臨海署の署長になる。「シンボル」では、安積はベイエリア分署のシンボルだという須田の言葉が印象に残った。神南署では交通課にいる速水警部補が、交通機動隊の小隊長としてパトカーで疾走する日々に戻れる時も近い。 >> 続きを読む
2019/05/16 by Kira
J・K・ローリング , 松岡佑子
この一冊を境に、主人公達が「子供」ではなく、一気に大人びていくのを感じた。 思春期特有のイライラ、異性に対する恋心、背伸びしたがるもまだ不安で成長しきってない幼い心…… J.K.ローリングさんは本当に気持ちを描くのが上手で、これらの複雑な心境を実にありありと描いている。どんどん主人公達の思いに引っ張られていくようだ。 後半のストーリーの展開が楽しみ! >> 続きを読む
2020/09/25 by Moffy
山本昌代
山本昌代の「手紙」は、五作からなる珠玉の短篇集だ。どの作に登場するのも、日常を大切にしながら生きる人間だ。文芸部に属する女子大生。ウォーキングを趣味とする七十歳前後の男性たち。植物園勤務の三十代の終わりと思しき独身男性。母親と二人で暮らす四十代の独身女性。三十代半ばの、結婚したばかりの夫妻。生にまつわる、不安や、水の中に小石を投げ入れた時にたつ、さざなみのような、おかしみや、虚無というほどではないが、かすかな諦念などが、それらの登場人物の周囲には、漂っている。日常というのは、いったい何だろう? 前を歩く見知らぬ老婆の背中、好きな人のみせる、ほんの一瞬の酷薄なみぶり、窓を開けた瞬間の空気のゆらぎ、ふと耳に飛び込むテレビの天気予報-----これらすべての断片が混在して、日常はかたちづくられてゆくのだと思う。そういえば、この作品集のほとんどの作品に、テレビかラジオが現われる。描かれる場面の片隅に、例えば曇り日のうっすらと輪郭しか見えない太陽のように、平坦に音を発している四角い機械が、たたずんでいる。機械の発する音は、わずかに不穏だ。けれど、音は不穏の底までは届かない。探っても探っても、つづまりのつかない、ぬかるみのような。日常。そこにあるのが、絶望なのか、希望なのか、悲しみなのか、嬉しさなのか。そのどれでもなく、ただ、つかみどころのない、それらの混じりあった、名付けることのできないものが、日常そのものであることを、著者の山本昌代は、表現しようとする内容とは正反対の、端的で簡潔な描写で表現しているんですね。どんな生も、波瀾万丈も、平穏無事も、すべてはその生における日常を重ねることからしか生まれない。そして、波瀾万丈は、その内に意外な平凡を、平穏無事は、反対に恐ろしいほどの一瞬の波瀾を、含んでいるものだろう。著者の筆は、清澄に、その事実を描き続ける。 >> 続きを読む
2018/11/07 by dreamer
松尾スズキ
作家で演出家の松尾スズキさんが、各演劇界の注目の方と対談。吉田日出子さん、柄本明さん、ラサール石井さん、天海祐希さん、板尾創路さん、野田秀樹さん、大竹しのぶさん、串田和美さん、中村勘九郎さん、河原雅彦さん、舞台人としての、各自のスタンス、そして仲間と一緒につくる愉しさなど、皆さん苦労されたようですが、楽しかった思い出として昇華されているみたい。天海さんととの対談で、映像と舞台の違いについて舞台では「いかに動くか」ですが、映像では「いかに動かないか」「いかに小さな動きで表現するか」・・・。舞台人は、声は大きく、表現がオーバー、でも大きいのを小さくするのはまだ楽だが、反対に、映像人が、初めて舞台に立って、声を出せと言ってもシンドイみたい・・・・・。でも、勘三郎(当時勘九郎)さんの、歌舞伎に対する熱意を伺うと、歌舞伎界にとどまらず演劇界にとっても、あ惜しい人をなくしたと痛感しますな。この題の「演技でいいから友達でいて」、洒落てますな。「恋人でなくていいから友達でいて」「嘘でもいいから好きと言って」「文庫本でいいから、一度手にとって」でおます。 >> 続きを読む
2014/08/08 by ごまめ
佐藤 正午
なんともいえないこの感じ。もちろんいい意味で。為になりそうな箇所とか、好きなフレーズとか、付箋を貼りたくなるようなところは、正直ひとつもない。こう書いてしまうと、なーんだ。。って思われるかもしれないけど、違う。そうじゃない。文章が心地よい。…といえば、伝わるかな。もっともっともっと読みたい。といえば、、短いエッセイの中で、キチンとオチをつけて面白く読ませてくれる。けど、構えず気楽に読めちゃう。久しぶりに、当たりに出会えました。 >> 続きを読む
2016/07/04 by shizuka8
脇明子 , チャールズ・ディケンズ
去年のクリスマスに、クリスマスっぽいことをしようと思って読みました。ケチな主人公の所に3人の幽霊が出てきて、過去、現在、未来を見させられるという…むごい話です…(笑)最後は主人公が改心してめでたしめでたし。別に主人公はとてつもなく悪いことをしてるわけでもないと思うんですが、なんかめっちゃ責められてます…。これ読んでて思い出したのが、"あなたが生まれた時、周りの人は笑って、あなたが泣いたでしょう。だから、あなたが死ぬ時は、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生を送りなさい。"という言葉です。自分も幸せ、相手も幸せ。ってのは難しいのですねーー(´×ω×`) >> 続きを読む
2014/01/26 by iwiw405
サマセット・モーム , 海保真夫
幸せ~って 何だっけ 何だっけ♪ うまい醤油のある家(うち)さ うまい醤油はキッコーマン♪ 七月某日、ぼくは木場公園で一時間ばかり泣きました。そして何か笑える本を読もうと思い立ち、大型書店に寄ってこの『夫が多すぎて』を買い、さらにスーパーにも行って減塩醤油などを購入した。減塩醤油はいざ知らず、モームの戯曲であるこの本は抱腹絶倒もので大当たり。それではあらすじをと行くまえに、ちょっと愚痴をいいですか(読み飛ばしても構いません)。<愚痴> 三十代の頃に腎臓を摘出し、おまけに二度大きな手術を経験してから、三か月ごとに健康診断を受けていて、今月は検査の月。去年あたりからずっと健康数値が芳しくなく、病院に行くのを考えるだけで身の毛もよだつ。この恐怖は、病気になって死ぬこともよりも、かなり健康に気をつかった生活をしているのに関わらず、それが結果として表れないため、医者と話すのが辛いといった方が正しい。試験でわるい成績が返ってくるよりも試験を受けることが辛いといえば納得されようか。 悩みはまだある。ぼくは月に二回カウンセリングを受けているのですが、その先生(60才)がなんと再婚した。しかもお相手の方は36才ですって。だからぼくは、「絶対に遺産目当てですね」と茶化してかかるのだけど、向こうは、「いや、前世からの契りだから」とおどける始末。なんか腹が立つ。とはいえ病院を代えることもできなくて、受付の子が好みだし、この先生、今のぼくが本の貸し借りをする唯一の友だちなんです。今度会わせてくれるらしいけど、それを喋るときの先生の表情がめちゃくちゃムカつく。次は若い妻が浮気に走る小説を貸し付けてやる(なにかいい本があったら教えてください よろしくねぇヽ(〃´∀`〃)ノ) 最後の悩み、それは最近なんだか淋しい。心なしかカミさんも冷たい気がするし(更年期かな?)、妙に胸がつまる。河合隼雄の著作によく「中年の危機」というフレーズが出てくるのだけど、もしかしたらそれかもなあ~。ぼくは何事にも打ち込んで来なかったから、積み上げたものが一つもないのね。だから悲しいのかなあ? 一昨日上司に、「近況はどうだ?」と訊かれたから、かくかくしかじかで公園で泣いちゃいましたと返すと、肘でぼくの腕をつつきながら、「おまえは友だちがいないわりには休日が充実してるんだな」と冷やかされたので、「ほっとけ」と微熱のこもった声を漏らした。<あらすじ> 舞台は第一次大戦後すぐのイギリス。美人で我が儘のヴィクトリアは、夫であるウィリアム少佐を戦争で失ったため、きちんと喪に服したのち、ウィリアムの親友のフレデリック少佐と再婚した。 この戯曲はヴィクトリアとマニキュア師(婚約したばかり)との会話からはじまり、ヴィクトリアは前の夫も今の夫も両方愛しているけれど、もしフレデリックが死んでも、三番目の夫を心から愛すると言う。 マニキュア師が帰ると、母親のシャトルワース夫人が訪ねてきて、お金持ちのレスター・ペイトンと結婚してほしかったとヴィクトリアに打ち明ける。噂をすれば何とやらで、ペイトンも家にやって来る。彼はヴィクトリアに惚れており、不足している生活物資を持って来てくれるので、ヴィクトリアも好意を持たずにおれない。 そこへフレデリックが家に戻るとヴィクトリアはおかんむり。約束していたランチをふいにされた事情も訊かずに延々とまくしたて、「ウィリアムに帰ってきてほしい」と嘆けば、フレデリックがそれを聞いて嬉しい「三分後には彼はここに到着するはずだから」<補足> ウィリアムがなかなか面白い男で、フレデリックとヴィクトリアが結婚したことに言われるまで気づかないのが可笑しい。もっと可笑しいのは、ウィリアムとフレデリックが彼女を譲り合うところ。どちらが夫になるか争っていたはずなのに、じつは二人ともヴィクトリアと別れたがっていた(フレデリックは浮気してるらしい)。 ヴィクトリアが弁護士を連れてきて、二人の夫と離婚交渉するのだけれども、そのやり取りも愉快で笑える。とにかく笑えます。そして三番目の夫になるペイトンの多難を案じて幕が下ります。 かなり無茶苦茶な話ですが、この戯曲は笑劇であり、笑えれば何でもありの芝居です。一年くらいまえかな、大地真央さんがヴィクトリア役の舞台が公演されてました。 >> 続きを読む
2015/07/29 by 素頓狂
大塚 公子
大塚公子『「その日」はいつなのか。―死刑囚長谷川敏彦の叫び』(角川文庫)を読み終わった。2001年に刑が執行された、長谷川敏彦さんについてのノンフィクションである。長谷川さんは、保険金殺人で二名、別件で一名を殺害し、死刑判決を受けた。たしかにまぎれもなく重い罪だが、この本を読むと、「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」、なんらかの条件があれば、人はどのような振る舞いでもしてしまうものだ、という歎異抄の言葉を思い出さずにいられなかった。長谷川さんは事業も順調で妻も子もいて、多くの友人もおり、もともとは至って幸せだったそうである。しかし、ある時、スナックの経営を始めると、そこに暴力団関係者が恫喝にやってくるようになり、わずか四か月で店をたたむ。その時に、暴力団関係者に借金をしてしまい、法外な利息によりあっという間に借金の額が雪だるま式に膨れ上がり、四六時中返済を催促されるようになった。もともと持っていた財産は身ぐるみはがれ、必死に働いたがなお返済には到底及ばなくなった。まともな思考ができない状況の中で、窮余の一策として共犯者と共に保険金殺人事件を二件行った。しかし、それでも借金の全額には届かず、最終的にずっと自分を苦しめてきた暴力団員を殺害し、そこから犯行が露顕して逮捕され死刑判決を受けた。獄中で長谷川さんは、深く自分の罪を反省し、キリスト教に深く帰依するようになったという。そして、その心境をあるキリスト教雑誌に綴ったところ、多くのキリスト教の人々から手紙が来て、やりとりするようになったそうだ。また、おささなじみの友人が一人、ずっと事件後も友情を保ち支え続けたという。しかし、事件後、心痛のあまりか、長谷川さんの姉の一人は自殺。その数年後、長谷川さんの大学生になっていた息子さんも自殺した。長谷川さんの父親は、とても良いまじめな人だったそうだが、家族の悲劇を次々に味わった後、ほとんど晩年は家から外出することもない中、病気で亡くなったという。長谷川さんは、贖罪の思いをこめて、絵を獄中で描き続けて、一度は個展も開かれたそうだ。しかし、死刑が最高裁で確定すると、絵を描くことにも大きな制約が課せられるようになり、個展も二度と開かれなかった。この本を読んでいて、考えさせられるのは、長谷川さんによって保険金めあてで殺害された被害者の兄にあたる野原さんという方の御話である。野原さんは当初は当然のことであるが、長谷川さんに対して深い憎しみを抱いたが、百通以上の御詫びの手紙を、はじめは開きもしなかったが、やがて読むようになり、そして長谷川さんの家族や友人と会い、ついに長谷川さんとも面会する。そして、死刑制度の廃止を訴えるようになり、長谷川さんの家族とも交流を続けたという。この本は、長谷川さんの刑が執行される以前に書かれた本なのでそのことは載っていないが、野原さんは長谷川さんの葬式にも参列したということを聞いたことがある。しばしば、死刑制度は、被害者の遺族の報復感情を満たすためだとか、被害者の遺族の気持ちを考えれば死刑制度を維持すべきだという意見を聞く。しかし、野原さんのように、被害者の遺族が死刑執行を望まず、死刑制度の廃止を主張しても、それとは関係なく死刑というものは執行されてしまうことを考えると、それらの理由は本当なのか、死刑制度とは何なのだろうと思わざるを得ない。この本を読んでもう一つ印象深いのは、長谷川さんに対して聖書の差し入れを最初に行った弁護士の方や、手紙を出して交流するようになっていったクリスチャンの方がた(その中には死刑が確定すると親族以外面会できなくなるので長谷川さんと養子縁組をした方もいる)の、親身な優しさである。世間的に言えば、忌まわしい大罪を犯した犯罪者に対して、親身なかかわりや、愛を示すそのあり方は、この冷たい世の中に、こんな人々もいるのかと脅かされるものがあった。地獄に仏とは、まさにこのことだったろう。本当は、もっと早くから、日ごろから、この社会が、そうした多くの善意や思いやりがはっきり示されている場であれば、事前に多くの悲劇を防ぐことができるのかもしれない。長谷川さんは事件の前に暴力団の恐喝で苦しんでいた時に警察に相談に行ったが全く相手にされず、絶望して帰ったことがあったという。その時に、警察なり、他の誰かが、もう少し親身になって適切な助言をすれば、あのような事件は起こらずに済んだのかもしれない。そして、また、人を生かそう生かそうとするそうした善意や愛の積み重ねが、死刑という制度の前に冷酷に断ち切られることにも、暗澹たる思いがせざるを得なかった。死刑制度を廃止し、無期刑を設定する方が、本当は良いのではないか。この本を読んで、あらためてそう思わざるを得なかった。 >> 続きを読む
2016/05/21 by atsushi
林誠人 , 堤幸彦 , 蒔田光治
ドラマ・映画と好評の作品のノベライズです。主人公の山田奈緒子と、上田次郎のコンビが、とても面白いです(^^) >> 続きを読む
2014/05/01 by ゆずの
梓 河人
「アナン」の世界へ向かう途中1本道を間違えて迷い込んでしまったような「アナン」とは少し違った不思議な世界。バケツから見たアナンとナガレの物語。バケツはアナンの兄弟分である事が本当に誇りだったんだね。児童書とあってどうしようもない程の哀愁や闇や暗さはなく少し物足りなさを感じるけど、色んな人にまた会えて嬉しかったしラストもよかった。あんなナガレさんもいい。親子の愛、猫の愛、三人は繋がっている、永遠にね。酒井駒子さんのバケツがとても綺麗で表紙を見てドキッ。アナンはぼくが守るよって言っているのかな? >> 続きを読む
2015/05/15 by けいたん
佐藤勝彦 , HawkingStephen W
ゆっくり読んでいます!!
2016/03/12 by さおり
殊能将之
探偵石動の3作目。前2作でもかなりのトリックが散りばめられていたが、この3作目もあるトリックが仕掛けられている。梵貝荘で起きた弁護士の刺殺事件。名探偵の水城優臣が解いた謎を、14年後名探偵の石動が再び挑戦する。3章に分かれていて、1章だけ見ると正直何が起こっているのか分からない。2章で事件と謎解きが始まり、3章で真相が明かされるという構成。謎のトリックというよりも、人物に隠された秘密が多く、実はあれがこうでという驚きが終盤次々飛び出す。アンフェアに見える部分もあるが、伏線は充分にあるので素直に驚いてしまった。 >> 続きを読む
2018/04/30 by オーウェン
SchulzCharles M , TwerskiAbraham J. , 笹野洋子
スヌーピーのマンガってこんなに奥が深いんだ…精神科医がピーナッツの仲間達の性格を分析しています。スヌーピーは閉所恐怖症だから犬小屋の屋根で寝てたのねU^ェ^U >> 続きを読む
2015/01/27 by すもも
出版年月 - 2001年12月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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