こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


2002年2月発行の書籍

人気の作品

      私が彼を殺した

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! ooitee
      • 加賀恭一郎シリーズ第5弾。

        3作目の「どちらかが彼女を殺した」をさらに発展させた形
        今作は犯人の可能性が3人になり、より推理も難しい領域に。

        婚約する予定の日高と美和子の自宅に現れた日高の元彼女。
        その後彼女は服毒自殺を。
        日高の扱いに業を煮やした3人の男女は、それぞれ殺意を抱く。

        殺害の方法は薬の扱いになるわけだが、それをしまうピルケースが重要な鍵になる。
        また描写が3人ともに殺害するチャンスがあったことが混乱に拍車をかける。

        本編を読んでも特定が出来なかったが、巻末の推理の手引きを見てようやく分かった。
        >> 続きを読む

        2018/08/29 by オーウェン

    • 他8人がレビュー登録、 52人が本棚登録しています
      自助論 スマイルズの世界的名著

      SmilesSamuel , 竹内均

      三笠書房
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.7
      いいね!
      • 以前、同じ著者の『向上心』もレビューしていましたが、それと同じく、「実務能力」の重要性を説いた一冊です。

        やはり、有名・無名を問わず、歴史上の人物のエピソードに絡めて解説している箇所が多いです。
        「実務能力」と言っても、それを我流で身につけるのは、やはり難しいのでしょうね。

        印象を受けたのは、若者に対し「誘惑に乗らない」という主旨の記述があるのですが、その中で「飲酒はその誘惑の中でも最悪の部類に入る」と言われている箇所です。
        私もお酒は常習的に飲む方だと思いますが、自分で「やろう」と思っていること(この読書ログのレビューを書くことと、そのための読書も含みます^^;)があっても、飲むと面倒くさくなって「明日で良いか」ということを思ってしまうんですよね。
        >> 続きを読む

        2018/08/12 by ピース

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      神の子どもたちはみな踊る

      村上春樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 『神の子どもたちはみな踊る』(村上春樹) <新潮文庫> 読了です。

        阪神・淡路大震災を契機に書かれた短編集で、どの作品にも少しずつこの地震が出てきます。
        しかし、決して暗い話ではなく(深刻ではあるかもしれませんが)、未来への希望やユーモアさえも感じられるものです。
        それでも、作者のかなり深いところから汲み上げられた話ばかりで、どの話も「何か」を感じさせます。

        作者はタイトルと書き出しだけ決めて、あとは筆に委せて(?)書き進めると聞いたことがあるのですが、この作品もそうなのでしょうか。
        もしそうだとしたら、このタイトルとこの書き出しから統一感のある作品を作り出したのは神業だと思います。

        長編以外は結構ばらばらに読んでいる村上作品ですが、この作品の前と後を読み比べてみたくなりました。
        >> 続きを読む

        2015/11/07 by IKUNO

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      楽毅

      宮城谷昌光

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  「孟嘗君」ですっかりはまってしまった宮城谷昌光の世界。
        もっと読んでみたくて時代的につながっている
        「楽毅」を手にとってみました。
          
         物語のスタートとしては、
        白圭の冒険譚的にスタートする「孟嘗君」の方が
        明るくて楽しいのですが、
        滅亡しそうな国の宰相の息子である「楽毅」が
        いろいろ悩みながら進んでいく
        こちらの物語も十分面白いです。
         
         本書での楽毅はまだ28・9歳でありながら、
        かなり優秀な武将の印象です。
        細かな反省点がいくつかあったりするのですが、
        ここから かの有名な諸葛亮孔明が
        激賞した武人にどのようになっていくのか、
        大変楽しみです。
        >> 続きを読む

        2015/04/12 by kengo

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      人魚とミノタウロス 強力本格推理

      氷川透

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • 今回読了したのは、氷川透の"探偵・氷川透シリーズ"の一作「人魚とミノタウロス」。

        推理小説家志望の氷川透は、旧友の生田瞬が務める病院の見学に行くことになった。
        しかし、氷川は現地に近づくにつれ、様子がおかしいことに気づく。

        病院で火事が発生し、そこから生田と思われる死体が発見されたのだ。
        死体があったのは生田の部屋であり、状況的には死んだのは彼であると思われた。

        だが、被害者は本当に生田なのか? それとも、生田が犯人で、誰かを殺して入れ替わったのか?-------。

        氷川は、論理だけを頼りにこの謎に挑んでいくのだった。

        この作品では、「顔のない死体」が扱われている。
        作中では本格ミステリにおける「ゲーデル問題」についての言及が行なわれるが、氷川は偽の手掛かりがばら撒かれた、巧妙な事件を想定した場合、DNA鑑定すらも役に立たなくなる局面があることを指摘する。

        このような言及は、探偵の推理に対する、読む者のハードルを一気に高めてしまうが、氷川はそれを持ち前の論理的思考で飛び越えようとする。

        こうして推理の果てに、氷川が至った答えとは何か?
        本格ミステリとしての完成度がとても高いこの作品は、一読に値しますね。

        >> 続きを読む

        2018/10/12 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

      西尾維新

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 初めて読んだ西尾維新の本
        今思えばこれが原点だったのかも。
        これがあったから分厚い本にも挑めた、のかな >> 続きを読む

        2015/02/27 by 後ろの正面

    • 他1人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      こちら『ランドリー新聞』編集部

      田中奈津子 , 伊東美貴 , ClementsAndrew

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • カーラ・ランドリーは転校前の学校で、ランドリー新聞なるものを発行してきた。事実を伝えているものの、その内容は、誰かを攻撃・批判するものも多く、大人たちの批判を買っていた。
        そして、転校先の小学校でもランドリー新聞なるものを発行するのだ。

        カーラのクラス担任は、授業を放棄するようは先生で、宿題も出さないし、勝手にクラスで勉強させ、本人は新聞をゆったり読んでいるような、周囲の保護者や校長達から煙たがられる存在。校長は、ラーソン先生をどうにかして辞めさせる材料はないかと狙っている。

        そんな中でカーラはラーソン先生のやり方を問う記事を書いた新聞を発行。ラーソン先生を読んでショックを受け、一度は怒るものの、家で今までの自分の行動を振り返り、これではいけないと、考えを改める。

        これをきっかけにラーソン先生は教室で新聞を通して、報道と表現の自由についての授業を行っていく。
        一方、カーラは、母親からたとえ事実ではあっても人を傷つけ悲しませるような記事を書くことはあってはならない、と言われ、ラーソン先生の授業も相まって、自分の書いてきた新聞内容を振り返り、どのような新聞が『良心』のある新聞なのか、を考える。
        ランドリー新聞は、学級新聞であったが、反響は大きく、目立たない存在だったカーラは一気に注目を集める。
        そして、新聞発行にクラスから協力者も現れ、新聞のファン(大人も子どもも)も増え、カーラは編集長に、ラーソン先生が新聞における責任者となり、発行部数も増やしていく。

        ところが、ある日発行された新聞を校長が読み、それを材料に、ラーソン先生を退職に追い込もうとするが、先生は、自らの退職の危機をも客観的にとらえ、授業として、アメリカの憲法でも保障されている、報道と表現の自由、についての授業を進めていくのだ。


        報道と表現の自由。

        事実は事実として、それを好意的にとらえるか、批判的にとらえるか、それとも中立的にとらえるのか、多方向からのアプローチがあります。
        同じ事実でも、そこに新聞の『良心』が現れるのです。
        ランドリー新聞のモットーは『真実と思いやり』
        授業を通して新聞を作っていく子どもたちに色々な気づきが出てきてきます。


        私が素晴らしいと思ったのは、この授業風景。
        日本とは違って、教科書にだけ沿って授業を行うのではなく、あるテーマを先生が投げかけ、生徒同士で自由に意見を交わし、それを最後に先生がまとめていく、というスタイル。

        今、日本が学校に取り入れていこうとしている『アクティブ・ラーニング』の世界がここにあります。
        こういった授業を進めることにより、子どもたちは、疑問に思ったこと、意見を交わす力を自然と身につけていくことができるのだな、と感じました。

        難しいテーマでも、疑問の投げかたを優しくすれば、子どもたちもそれを考えて、理解していくことができるのだ、教えてくれました。

        ラーソン先生も子どもたちにとっても楽しい授業をすることで、子どもたち、そして大人たちから再び信頼を得ていくのです。

        児童書ではあるけれど、読みごたえがたっぷりの面白みのある本でした。大人にもお薦めです。

        >> 続きを読む

        2019/05/17 by taiaka45

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      流星ワゴン

      重松清

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      •  「とんび」を読んで一気に好きになった
        重松清 氏の本です。
        今年の初めにドラマ化されて作品の存在を知り、
        いつか読んでみようと思っていたのですが
        古本が安くなっていたので購入してみました。
        (ちなみにドラマは見ていません)
         
         結論から言うと期待が大きすぎたのか、
        イマイチ感がぬぐえません。
        もっとハッピーエンドになってほしかったのですが、
        作品の狙いから外れてしまうからそれはないと理解しつつも
        ん~・・・微妙な読後感です。
        ただ、主人公に対して「これから頑張れよ!」って
        気持ちにはなります。
        自分に対しても何がしかの励ましめいたものは
        伝わってきているかもしれません。
         
         励ましめいたものが伝わってきている時点で
        作者の思惑の半分は達成されているのではないでしょうか。
        あとは帯に書かれている重松氏の言葉通りに
        「父親と家族の物語」を書きたかったのでしょうね。
         
         「もう死んだっていいや」と思っていた主人公が
        自分の後悔をめぐる過去への旅に出るというところまでは
        よくある話かもしれませんが、
        その道中に時間軸がまったくずれてしまって
        なぜか今の自分と同じ年齢の父親が登場し交流することになる
        というアイデアはなかなか奇抜で秀逸だと思います。
         
         主人公の壊れてしまった家庭は回復するのか?
        主人公と父親との亀裂は修復されるのか?
        など先が気になってどんどんページをめくってしまいます。
        読者を乗せる手腕はさすがだなぁと感じました。
          
         主人公の家庭が壊れてしまった理由には納得します。
        運が悪かったところもありますが、
        自分にも理由があることに気付けたことは大きいです。
        「人生は甘くない」という作者からのメッセージも折り込みつつ、
        だからラストもあれでいいのです。
         
         ただ、読了後もなんだかよく分からないのは、奥さんの行動。
        普通に浮気という設定では駄目だったんでしょうかね?
        ん~・・・あれは本当によく分かりません。
         
         なんだかその辺がもやもやしているのと、
        なぜだか泣けなかったということで★3つです。
        >> 続きを読む

        2015/07/19 by kengo

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      あしたのジョー 全12巻セット (講談社漫画文庫)

      ちば てつや高森 朝雄

      講談社
      4.0
      いいね!
      • 萌えたよ 萌えつきたよ 真っ白にな・・・

        思い出すのは同志の家で全巻読破したジョーなんだな。

        chibadebu夏の陣は先ほど終了。
        そして、今日明日で戦利品の仕訳をしてミッションコンプリート。

        ただ、今月の食費まで投入しちまったからには、このまま実家へ逃げ込むしかないのだが、この荷物をマミーに見られるのが、ちょっぴり親不孝なあんちくしょうだと言う自覚症状に立ちすくみんぐなうなんだな・・・
        >> 続きを読む

        2013/08/12 by chibadebu

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      楽毅

      宮城谷昌光

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  ひきつづき大変おもしろいです。
        もはや滅亡寸前と思われる故国の存亡をかけて
        全の準備を施そうとする楽毅のはたらきぶりがすごいのひと言。
        ちょっとジャンルが違いますが
        銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーを思い出しました。
          
         守城を明け渡す場面では
        その潔さから赤穂浪士を彷彿させられたのは私だけでしょうか。
        作者が日本人向けに書いているからなのでしょうが、
        その見事さに日本人好みの美を感じさせられます。
         
         本書の最後になって有名な
        「隗より始めよ」の逸話が出てきました。
        ことの詳細は3巻に入ってから語られるようです。
        うまいつなぎ方ですね。
        次巻もたのしみです。
        >> 続きを読む

        2015/04/19 by kengo

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      翔ぶが如く

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 長かった。長い戦いだった。そう思った。が、、
         
        10巻もの長大作だというのに、
        明治維新後の征韓論争から西南戦争にかけて、
        たった5年ほどの物語だったことに驚いた。
          
        登場人物の数だけエピソードがあり、
        そのぶん物語が濃密になったからだ。
          
        この物語に「主役」はいない。
         
        維新の立役者「西郷隆盛」という、
        あくまでも「主軸」の存在があるだけだった。
         
        「西郷隆盛」をカリスマとして慕う元・士族達。
        「西郷隆盛」の力を恐れる新政府。
        「西郷隆盛」と薩摩藩に怨みをもつ他藩の士族達。
         
        そして、、
        「西郷隆盛」と共に戦ってきた戦友から
        政敵へと変わった大久保利通。
          
        「西郷隆盛」を取り囲む人々のさまざまな想い全てが
        西南戦争への起因になってしまったように思う。
         
        ラストの城山の決戦から紀尾井坂の変までは、
        それぞれの葛藤が浮き彫りになって
        切なすぎて辛すぎて胸がしめつけられそうだった。
          
        「西郷隆盛」の存在があまりにも大きく、
        動かした歴史が大きすぎた。
         
        薩摩軍も新政府軍もその大きさに翻弄され、
        「これで良かったのか」
        各局面で誰もが一度は頭によぎったはず。
          
        だけど、批判されてでも貫き通し、
        たくさんの命と引き換えにつくりあげた改革が
        今の時代をつくってるのなら、、
          
        「正しかった」
         
        今を生きる私たちがそう思う事で
        彼らの歴史は証明されるのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2019/02/07 by NOSE

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      翔ぶが如く

      司馬遼太郎

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 長かった。長い戦いだった。そう思った。が、、
         
        10巻もの長大作だというのに、
        明治維新後の征韓論争から西南戦争にかけて、
        たった5年ほどの物語だったことに驚いた。
          
        登場人物の数だけエピソードがあり、
        そのぶん物語が濃密になったからだ。
          
        この物語に「主役」はいない。
         
        維新の立役者「西郷隆盛」という、
        あくまでも「主軸」の存在があるだけだった。
         
        「西郷隆盛」をカリスマとして慕う元・士族達。
        「西郷隆盛」の力を恐れる新政府。
        「西郷隆盛」と薩摩藩に怨みをもつ他藩の士族達。
         
        そして、、
        「西郷隆盛」と共に戦ってきた戦友から
        政敵へと変わった大久保利通。
          
        「西郷隆盛」を取り囲む人々のさまざまな想い全てが
        西南戦争への起因になってしまったように思う。
         
        ラストの城山の決戦から紀尾井坂の変までは、
        それぞれの葛藤が浮き彫りになって
        切なすぎて辛すぎて胸がしめつけられそうだった。
          
        「西郷隆盛」の存在があまりにも大きく、
        動かした歴史が大きすぎた。
         
        薩摩軍も新政府軍もその大きさに翻弄され、
        「これで良かったのか」
        各局面で誰もが一度は頭によぎったはず。
          
        だけど、批判されてでも貫き通し、
        たくさんの命と引き換えにつくりあげた改革が
        今の時代をつくってるのなら、、
          
        「正しかった」
         
        今を生きる私たちがそう思う事で
        彼らの歴史は証明されるのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2019/02/07 by NOSE

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ぐりとぐらのおおそうじ

      中川李枝子 , 山脇百合子

      福音館書店
      3.0
      いいね!
      • 娘が保育園から借りてきました。

        タイトル通り、ぐりとぐらが大掃除する話です。
        掃除道具が壊れているから、体にぐるぐるとぼろ布を巻き付けて…!

        これもそうですし、
        「ぐりとぐらのえんそく」も「ぐりとぐらとくるりくら」も同じなのですが、、
        ぐりとぐらのシリーズを読もうとすると、どうしてもどうしても、
        あのカステラの「ぐりとぐら」のワクワク感を期待してしまうのです。
        で、絶対にかなわない。
        期待を超えることができない。
        「ぐりとぐら」最強。

        なので、どうしても評価が低めです。

        あ、でもぐりとぐらの他の本でいいのないかなぁと思っている方、
        「ぐりとぐらのいちねんかん」はおススメです!
        ちょっと違う雰囲気の本ですが、
        とっても優しい言葉の数々に、ぐりとぐらの世界観を楽しめるイラストを
        たっぷり楽しめます!
        >> 続きを読む

        2019/05/07 by chao-mum

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      ユダヤ教入門

      柄谷凛 , De LangeNicholas Robert Michael

      岩波書店
      カテゴリー:ユダヤ教
      4.0
      いいね!
      • 一人で書いたとは思えないほど、多岐にわたる分野を網羅して書かれていて、とても面白かった。

        ユダヤ教の祈祷書や、神学、歴史、現代における取り組みやさまざまな流れと方向性、音楽や聖歌などが紹介してあり、とても興味深かった。
        祈祷書はいつか手に入れて読んでみたいし、聖歌や音楽などもぜひ聴いてみたいと思った。

        特に興味をひかれたのは、イツハク・ルリアという中世の思想家。
        スペインからユダヤ人が追放になった後に、その大きな衝撃や危機の中から思想を紡いだそうで、「世界の修復」ということがテーマになっている。
        ヘブライ語では修復は「ティクン」、世界の修復は「ティクン・オーラム」というそうで、もともとはカバラにもとづき、自分たちが今、悪をやめて善をおこなうことで、断片化されたこの世界を修復し、神の光を取り戻し、メシアの到来を早く招くことができる、という考え方だったそうである。
        現代では、イスラエルなど、特にカバラとは関係なく、この「ティクン」という概念にもとづいて、植林植樹やエコロジーや緑地化運動が盛んに行われているそうだ。
        今の日本も、「ティクン」こそが大切なのかもしれない。

        また、ヘルマン・コーヘンというユダヤの宗教哲学者は、出エジプト記の三章に出てくる「ありてあるもの」と訳される、神の名前のところを、「あるがままにあるもの」と哲学的に解釈した、という箇所が、とても興味深かった。
        一方、ブーバーは、同じ箇所を、むしろ「臨在」を強調する方向で解釈したという話も興味深かった。
        これは、日本の浄土教における自然法爾と光明にも、どこかしら相通じる話のように思えた。

        それにしても、全人口からいえば少ないユダヤ人の、なんと膨大なすごい伝統の蓄積があることか。
        たいしたものだとあらためて感嘆した。
        >> 続きを読む

        2013/07/18 by atsushi

      • コメント 9件
    • 1人が本棚登録しています
      笑いのセンス―文章読本

      中村 明

      4.0
      いいね! Tukiwami
      •  初笑いは済まされましたか? もちろん、でも何に笑ったかはわすれちゃった。いいや、わたしは何何で笑った。どっちがいいんですかね~ わたしは前者の暢気さを買いますが、実際は後者でひどく気落ちします。この著者は辞書編纂にも携わる日本語のスペシャリストで、わたしが贔屓にしている国文系の学者です。とくに、『悪文』は瞠目すべき一冊、文章作法に興味のある方は是非手に取ってみてください。
         この『笑いのセンス』は、川柳・小噺・落語・漫才に加え、パニョルから井上ひさしまでの近現代作家を扱い、「笑い」を学術的に分析します。引用される題材のおもしろさ、「笑い」を分析する著者の姿勢、これを参考にして人を笑わせたいという読み手の下心。この三つが奇妙に交わり、この本でしか味わえない風情が残ります。
         
        >> 続きを読む

        2015/01/06 by 素頓狂

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      あしながおじさん

      ジーン・ウェブスター , 谷口由美子

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 誰もが知っている、名作!!!

        なんて素敵な物語なんでしょう!
        孤児である、主人公ジュディが、あしながおじさんの援助を受けて、どんどん素敵に成長して、輝いていきます!

        物語は、ジュディが、あしながおじさんに送る手紙で語られるのですが、その手紙が、素直で、好奇心に満ちていて、まさに、「生きている!!」

        何よりも、「今を生きる」ことを大事に、精一杯生きているジュディ。本当に素敵。

        どうしたら、幸せになれるかも、手紙の中で語っています。
        『世の中には、幸せがいっぱいあって、みんなにいきわたるくらいあるんです。自分のほうにやってきた幸せのかけらを、すすんで受け止めればいいんです。幸せになる秘訣は、素直であること』

        自分に娘がいたら、絶対に読むように勧めたい本です。

        大人になっても、原点に戻って、素直に幸せのかけらを受けとりたいな。

        >> 続きを読む

        2014/04/20 by ヒカル

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      千曲川のスケッチ (岩波文庫)

      島崎 藤村

      5.0
      いいね!
      • 【死ぬほど退屈な、極上の絵本】
         こんなにつまらなくて、読んでいても文字を追っているのか舟を漕いでいるのかわからなくなるほどなのに、妙に手放したくない気持ちにさせられるのはなぜだろう。ずっとわからなかったけれど、今は、何となくわかるような気がする。
         目の前の美しい景色。色とりどりに移ろう季節。淡々と過ぎ行く静かな日々。気心の知れた仲間、袖擦り合った縁さえも。そうしたひとつひとつが煌めいて、愛しく大切で、それらが自分の心に留まったまま、いつか消え去ってしまうのを惜しむ気持ち。
         それを、絵に描く者がいる。現代ならば、写真や映像に収め、音楽などを重ねて華々しく彩る者もいる。
         そして筆者は、言葉を細やかに連ねた詳細な描写によるスケッチを描くことで、それを残そうとした。
         『千曲川のスケッチ』には、そんな筆者の愛惜の念が詰まっている。だからきっと、こんなにも愛しく感じられるのだろう。
        >> 続きを読む

        2015/04/05 by かやっこ

    • 1人が本棚登録しています
      レインわが半生 精神医学への道

      中村保男 , LaingRonald David

      岩波書店
      カテゴリー:個人伝記
      5.0
      いいね!
      • レインが好き、というとミーハーだなあと言われそうです。
        20代の若さで「引き裂かれた自己」を書き、スターになった精神科医、そして詩人。
        描くものは難解ですが、詩ではひととしての率直さ、のようなものが伝わってきて愛読しています。この半生記も、ときどき取り出しては、読んでいます。

        印象に残った部分をしるします。

        ★最初の項が「今日の精神医学」。
        キルケゴールが狂人だからキルケゴールの文章が「いかにも狂人らしい」と解釈する精神医学者。
        そのような解釈に疑問を呈しています。
        精神医学に対する違和感が描かれています。

        ★スコットランド人とイングランド人の対立
        レインはスコットランド人であり、イングランド人ではないと強調しています。
        第二次世界大戦が終結しても、それで平和が来るなどと、誰も考えていなかった。将来起こることの、ほんの束の間の休息だとみなが考えていたということ。
        ピアノに優れ、音楽の道に進もうと思ったが、左手にケガをし、それからは読書にはまったということ。そしてグラスゴウ大学の医学教育について、ヤスパースと研究はずだったが、英国陸軍に入らされ精神科病院で働いたこと。なんと、「患者が声をかけるのを許してはならない」という規律があったが、それを指示する立場であるレイン自身は守らなくてもよかったので、患者からさまざまな話を聴けたこと・・・・。

        そしてレインは、陸軍で期待されている精神科医の役割とは、すっきりした治療以上の何か(人間管理、行政、組織)であったと述べています。

        自分自身の職能性に対する厳しい自己批判を忘れない姿勢は、読者にも同じものを突き付けてきているようで、ドキッとします。そんな自己批判を忘れないためにも、時々読み返したい本です。

        それだけでなく、憧れのスコットランドやグラスゴーの生活(クリスマスの様子など)がうかがい知れて、わくわくする一面もあります。
        >> 続きを読む

        2016/07/11 by みやま

    • 2人が本棚登録しています
      ロシア同時代史権力のドラマ ゴルバチョフからプーチンへ

      木村明生

      朝日新聞出版
      カテゴリー:政治史・事情
      3.0
      いいね!
      • ゴルバチョフ時代のソ連から、エリツィン、プーチンのロシア時代の現代ロシアが刻銘にわかる。 >> 続きを読む

        2013/05/06 by togusa

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      だって,買っちゃったんだもん!

      中村うさぎ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:雑著
      4.0
      いいね!
      • 『どうする、うさぎ?このまま逃げるかっ!?そう、それができるなら、逃げて逃げて、地球の果てまで行ってしまいたい気分だぜ。そんでさぁ、北極のイヌイット族と一緒に暮らして、もう一生、シャネルとは縁のない人生を送るんだぁ!氷の家に住み、魚を釣り、素朴な人々と素朴な毎日を・・・・。』

         「お待たせしましたぁ!」
         店員の声が朗らかに響いた瞬間、私とイヌイット族の素朴な生活は、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
        「72番のワンピース、凄い人気なんです。ご試着を希望されてるお客様がたいへんいらして・・・でも、やっと取ってまいりましたわ。さぁ、どうぞ、ご試着室へ!
         「は、はい」

         店員の後に従って試着室に向かう私の心境は食肉処理場に向かう仔牛のそれと似ていたかもしれない。我が身の破滅が、もう目の前に迫っている。そして私は、それを止めることができないのだ。ドナドナドーナ、ドーナ~・・・。

         私はうなだれて試着室に入り、72番のワンピースに着替えた。もしも、あまり似合わなかったら、買わずに無事に帰宅できる。それだけが、今の私の、希望の灯火・・・。

         「まあ、お似合いですわ!
        試着室を出た途端、店員がうっとりと叫んだ。もちろん、こんなの社交辞令だ。ひと目見た瞬間に気絶しそうなほど似合わない客にだって、この人たちはこのセリフを言うことができるのだ。そんなのわかってるけど、でも・・・

         このワンピース、かわいいじゃんっ!!!!
        その時である。私の中で、何かがキレた。
        突然、私はクレオパトラのごとく傲然と頭を上げると、
        「じゃあ、これ、いただくわ!」
        「ありがとうございます。他にも、お目に止まった物は? 』
          
        以上は、「ああ、恐怖のシャネル受注会(inだって買っちゃったんだもん!):中村うさぎ:角川書店:2000年」から引用しました。
         中村うさぎは、知る人ぞ知る、で、現在の持ち金(1000円以下でも)にかかわりなく数十万円単位のブランド品を買いまくり、財政破綻したけど、その際の体験談をエッセイにして大当たりした小説家です。ここで取上げた文章も、その頃の経緯を赤裸々に綴ったものです。現在はデリヘリ体験談をエッセイにしているようです。なに、SMだって?

         それにしても、躍動感のある文章です。このような書き方は、男性より女性の書き手が得意とするものでしょう。少なくとも私(♂)には書けません。なかでも、さすがにブランド品に手を出すのに罪悪感があるのか、「屠畜される仔牛」に自分をなぞらえていたかと思ったら、「ドナドナドーナ、ドーナ~」というフレーズが飛び出すあたり、普通じゃあありません。もちろん中学校の音楽でたいてい習う「ドナドナ」を意識しているわけですが、あまりにブッとんでいます。

        これって、自分自身を茶化していますね。自分自身を笑っています。ブランド品に嵌る自分を、ひいてはその種の人種、ひいては全世界を笑っているように思えてなりません。バカなことをしていても、不動の視点があることを感じます。その意味で、シニカルでヴィヴィッドな世界観を彼女は持っている、と思われます。

         恐るべし、中村うさぎ。もちろん、上掲の話の後もブランド品を購入なさいます。ああ、このようにキレるんだな。

        最後に:実生活上で中村うさぎの模倣はしないのが賢明ですね。それにしても、うさぎさん、次から次へと、ヤバイことをして、エッセイのネタにするようですけど、危ない綱渡りをしているように思います。いつまで続けることやら・・・飛び跳ねる・う・さ・ぎ。
        >> 続きを読む

        2013/02/02 by iirei

      • コメント 8件
    • 1人が本棚登録しています

出版年月 - 2002年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚