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2002年6月発行の書籍

人気の作品

      月の砂漠をさばさばと

      北村薫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 母と娘のささやかで優しい日常がつまった短編集。
        とにかく可愛いんだけど、ふとした瞬間にひんやりとしたさびしさとか切なさが見え隠れするあたり(そしてそのさびしさや切なささえあたたかい何かに包まれてるあたり)、さすが北村薫というか…

        とはいえ、たぶん言われなければ(というか作者名が記載されてなかったら)北村薫が書いたとは気づかなかったです。
        この人、男の人だと知ったときも驚いたんだけど、こういう話も書くんだとまた驚かされてしまった…(笑)

        個人的には表題作の月の砂漠をさばさばとが一番好きでした。

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        2016/02/15 by kon

    • 他5人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      ローマは一日にして成らず

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.2
      いいね! tomato
      • 塩野七生の文庫版「ローマ人の物語」43巻の読み初めの「ローマ人の物語1 ローマは一日にして成らず[上]」を読了。

        木馬で有名な戦いで敗れた、トロイの王の血筋の落人たちが、辿り着いたイタリア西岸で、何代か後の子孫である、ロムスとレムスという双子が、ローマ建国者となる伝承の紹介からこの物語は始まっています。

        テヴェレ河に打ち捨てられた双子は、狼に育てられ、やがて羊飼いに引き取られ、羊飼いのボスとなって、やがて自分たちを捨てた、トロイの王家の子孫であるアルバの王(アルバロンガの王である娘が双子の母親で、ここでいうアルバの王は双子の母親の叔父です。 彼が王の座に就いたとき、将来自分を脅かすだろ王位継承者の資格を持つ双子をテヴェレ川に捨てたというわけです)を殺し、その後アルバ(ロンガ)には戻らず、ロムルスの名前を取った、ローマの国を自分たちが捨てられたテヴェレ川の下流に建設したのです。
        B.C.753年のことでした。

        ローマ人は戦いの末、ラテン民族であるアルバ人、サビーニ人、土木建築技術に優れたエルトリア人等を攻略していきますが、他民族を淘汰するのではなく、ローマにある七つの丘に、それぞれ、それらの人々を住まわせローマ化(同化)を図って大きくなっていきます。
        エルトリア人技師等によって運河や土木建築、公共建造物などの都市開発も進みました。

        このエルトリア人技師を取り込んで発展する様は、時代が違いますが、7世紀の日本が、白村江の戦いで滅んだ百済から多くの官僚、政治家、技術者等の亡命貴族を受け入れ、律令国家を確立した過程によく似ています。
        優秀な人材は、とても貴重です。

        ロムルスを初代として、ローマの王制は7代、244年(B.C.753年~509年)で終わりますが、元老院制度から、多民族同士の習慣、考えの違いを律するための法制度の制定、さらには軍制=税制=選挙制等の立脚などを行なっていきます。

        7人の違った部族の王が、ローマの指導者として、次から次へと出来過ぎと思われるくらい適時、適材適所の働きをして、やがて個人のリーダーシップよりも、法が支配する共和制国家に変わっていきます。

        王、元老院、市民集会というローマの発展を支えてきた三本柱の王が、執政官に変わっただけで、三極構造の機関設計は変わらないものでした。

        こうしたローマの発展過程を読んでいくと、そのプロセスがアメリカ合衆国によく似ているなと感じます。
        最初はWASPが、そして黒人や、アイルランド人、イタリア人等、様々な民族で、様々な宗教を持った、多種異民族の集合体法治国家として大きく発展してきたアメリカを彷彿とさせられます。

        共和制への移行と共に、それまで支配階級だけのものとされた法の適用を、民衆が要求し始め、法の成文化が急務になります。

        そこで、ローマから三人の元老院議員からなる調査団が法治都市国家として、先進国であるギリシアのアテネとスパルタに派遣されることになったのです。

        ここから時代は、B.C.1700年~B.C1500年のクレタ文明にまで遡り、トロイの落城で凱歌をあげた、ミケーネ文明のB.C.1200年頃の衰退を経て、B.C.800年前後のギリシア文明への言及となります。

        私は漠然とギリシア時代の後がローマ時代だと勘違いしていました。
        ギリシア文明が早々と衰退しただけで、ローマ時代初期とギリシア時代は、ほぼ同時代のものだったんですね。

        B.C.776年に、第1回のオリンピア競技大会がギリシアの地で開催されています。
        ローマ建国は、その13年後です。

        イタリアの南にあるナポリも、元々ギリシア人の勢力圏内でした。
        「ナポリ」の地名はギリシア人が、新しい都市国家として目星をつけた新しい都市国家(ネア・ポリス)が語源となっています。

        ギリシア人は、ポリスと呼ばれる都市国家集団で、ドーリア人によって建設されたスパルタとアカイア人によって建設されたアテネが、ポリスの代表として有名です。

        普段は、ポリス同士で仲が悪い彼らですが、共通の敵ペルシアには結束して立ち向かいました。
        難敵ペルシアをエーゲ海から駆逐した「サラミスの海戦」の下りは、ワクワクしながら読みました。

        ローマが参考にしたがっていた、アテネの市民集会の直接民主制(市民一人に一票)や、追放したい人の名を陶片に記して投票する、陶片追放と呼ばれた一種の(独裁制)自浄システムのエピソードも面白く読みました。

        作家の伊坂幸太郎が、「ホワイトラビット」の中で「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユゴーが『これは作者の特権だから、ここで話を前に戻そう』とか、『ずっとあとに出てくるはずの頁のために、ひとつ断っておかねばならない』とか、妙にしゃしゃり出てきていることを面白おかしく紹介していました。

        塩野七生も、それから司馬遼太郎も、結構そうした傾向がありますね。
        そして、私はそれが嫌いではありません。
        塩野七生の作品には、ふんだんに地図を差し挟んでくれていて、文中の地名などを地図で確認する作業も、実に愉しいですね。

        この作品の中では、「スキャンダルは、力が強いうちは攻撃してこない。弱みがあらわれたとたんに、直撃してくるものである。それが当人とは無関係な事でも、有効な武器であることでは変わりはない。」という彼女の含蓄のある言葉が心に残りました。

        後は、蘊蓄として、戦略(ストラテジー)の語源は、ポリス国家アテネの内閣の構成員となる1年任期の10人に命名された「ストラテゴ」(国家政略担当官)であること。
        ローマの王制を廃し、共和制の最初の執政官となった、ルキウス・ユニウス・ブルータスのブルータスは、馬鹿者を意味する言葉であること。

        続いて、執政官となったヴァレリウスは、王制から共和制への舵取、それから民衆懐柔策として、民衆の権益にすり寄った法改正を行ない、それが公共の利益を重んずる「ブブリコラ」という綽名を付けられましたが、そのブブリコラが、パブリックの語源であること等を知りました。

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        2021/12/09 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      神様のボ-ト

      江國香織

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 過去の愛する人を信じ続ける母がどこにも居場所を作らず、娘と二人で旅を続けていく物語。

        娘はそんな現状からだんだんと自分の道を歩もうとして、それでも母親が心配でたまらなくて。

        母親は愛する人との愛の結晶である娘がいなくなることで、生きてる意味を見出だせなくなる。娘がそばにいなくなることでようやく愛する人の存在に疑い始める。でももう戻れない。。

        孤独な物語でした。

        「ママの世界にずっと住んでいられなくて」
        と泣きながら娘が謝るシーンが特に。

        そして葉子と草子という名前がこの二人の親子関係をよく現していると感じました。

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        2018/05/06 by ユート

    • 他4人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      ぼっけえ、きょうてえ

      岩井志麻子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!

      • 怪奇がホラーとなり、恐怖の意味が拡散するにつれ、ホラー小説の内容も多様化してきていると思う。

        その中のひとつに、時代ホラー小説とでも呼ぶべきものが存在していると思う。

        もともと、近代日本には、小泉八雲以来の怪談の系譜というものがありますが、こうした伝統を踏まえた上で、極めて今日的な"恐怖の物語"が続々と生まれていると思う。

        今回読了した岩井志麻子の日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した「ぼっけえ、きょうてえ」は、その代表的な作品だと思う。

        この作品は、短編であるにもかかわらず、並みいる長編を蹴散らし、第四回日本ホラー小説大賞を受賞した表題作に、書き下ろし三作を加えた短編集になっています。

        因みに「ぼっけえきょうてえ」とは、岡山地方の方言で「とても怖い」という意味だそうだが、この受賞作は、本当に怖い。

        一夜の客となった男に、女郎が寝物語で語る自分の生い立ちは、まるでグロテスクのバラエティ・ショー。

        岡山の貧しい村で暮らす一家の地獄絵図が、どす黒い恐怖を呼ぶのだ。

        この表題作をはじめ、どれも明治時代が舞台になっているので、時代ホラー小説だと言ってもいいと思いますが、多分、著者の岩井志麻子には、時代小説を書いたという意識はないと思われます。

        しかし、日本の風土に根差した土着的な恐怖を喚起する、ひとつの仕掛けとして、封建的な時代を選んだことが、はからずもこの短編集を時代ホラー小説にしているのだと思う。

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        2018/07/23 by dreamer

    • 他3人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      ローマは一日にして成らず

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.4
      いいね!
      • 塩野七生の「ローマ人の物語2 ローマは一日にして成らず[下]」を読了。

        この2巻目では、ギリシアから視察団が戻ります。
        ローマはしかしながら、秩序重視型のスパルタの政体も自由重視型のアテネの政体も取り入れることはなく、独自のシステムを模索していきます。

        結果として正解だったのではないでしょうか、ギリシアは結局、都市国家以上の発展はできず、ペルシア戦争には結束して勝利しますが、その後は再び、アテナイとスパルタとかの有力都市同士の激突となり、深刻な内乱状態に陥りました。

        プライドが高くて自国(都市国家)ファースト過ぎました。
        結局、ギリシアの辺境のマケドニアのフィリッポス2世によって統合されてしまいました。

        そのフィリッポス2世の息子のアレクサンドロスが、マケドニア王になったBC336年にはマケドニアとギリシア軍がオリエントに遠征し、ペルシア帝国を滅亡させます。

        ただアレクサンドロスは、BC323年に33歳の若さでバビロニアで病死してしまいます。

        彼の死後、帝国はプトレマイオス朝エジプト、セレウコス朝シリア、アンティゴノス朝マケドニアの3大国とその他の小国に分離・分割され、ギリシャ本土は、小ポリス国家が、再度分立する状態になってしまいました。

        これらの国々は、BC2世紀からBC1世紀までの間に、全てローマに滅ぼされ、征服されてしまうという結果になったのですから、結果論ですが、当時は新興国であったローマは、先進国として絶頂期にあったアテネやスパルタの政体を取り入れなくてよかったのです。

        著者の塩野七生が、ローマの優れていた点をいくつかとりあげていました。

        ①その一つにローマは、敗北から学ぶということがありました。
        エピソードとして面白かったのは、BC390年にケルト人にによって、7カ月ローマを占領されたエピソードです。

        ケルトは、ギリシア式の呼称です。ローマ人はガリア人と呼びました。
        今日ではケルト人は、アイルランドに押し込まれた感がありますが、古代では、ヨーロッパの最も広い地帯に住み着いていた民族でした。

        紀元前6世紀頃から移動を始め、一部のケルト人がアルプスを越え、今日のミラノからポー川流域に住み着きました。
        ローマと彼らの間にはアペニン山脈が横たわっていたうえに、エルトリア人の勢力圏もありました。

        ところが、ローマがエルトリア系の王を廃して、共和制に移行したことから、ローマはエルトリアを敵に回し、ケルト民族の防波堤となっていた、エルトリアを撃破してしまったのです。

        やがて、エルトリア領内に侵入してきた、勇猛なケルト人は、ローマに狙いを定めます。
        タイミングの悪いことに、ローマはエルトリア撃破に活躍した武将でもあった、カミルス独裁官を貴族と平民の対立に巻き込み、挙句の果てに、平民派によってローマから追放されていました。

        結果として、ケルト人のローマ占領を許してしまいました。
        ケルト人は、さんざんローマでの強奪・破壊を徹底した後、居心地が悪くなり、ローマから賠償金を払うから、ローマから出て行ってくれというオファーをのみました。

        ローマは、カミルスを呼び戻し以降20年かけて、
        1)防衛を重視しながら破壊されたローマの再建、
        2)離反した旧同盟諸部族との戦闘と国家安全の確保、
        3)貴族対平民の抗争の解消を行ったのです。

        敗北から学んだローマは、再建のために必要な政治改革を結果的に実行することになりました。

        呼び戻されたカミルスは、戦闘のためにローマ人が圧倒されたケルト人の戦法を模倣しました。
        そして、武器や武装も改良したそうです。
        このことでカミルスは、ロムルスに次ぐローマ第二の建国者と呼ばれるに至りました。

        カミルスに、武田信玄の戦法や赤備えの甲冑などをそっくり模倣した、徳川家康の印象が重なりました。

        何事であれ改革は、効果が見えてくるまでに、長い期間を要するものですが、ケルトショックの屈辱が、カミルスの政治・軍備改革を推し進める原動力になりました。

        ②フランチャイズ方式 ローマ連合共同経営
        著者は、ローマ人の美点を寛容と開放性であると指摘していました。
        ローマ人は、敵を打ち破っても、敵に市民権を与えるなどして同化して勢力圏を拡大していきました。

        著者は、古代ローマ人が後世の人々に遺した真の遺産は、広大な帝国でも、2000年経ってもまだ残っている遺跡でもなく、宗教の違いや人種の肌の違いも超えて同化を進めた、彼らの開放性だと言っています。

        「われわれ現代人は、あれから2000年経っていながら、宗教的には非寛容であり、統治能力より統治理念に拘泥し、他民族や多人種を排斥しつづけている」との嘆きも付け加えていました。

        ローマは同化制度で成長を続け、ハンニバルに完膚なきまでの敗北を喫した時も、同化先の新しい血を新陳代謝のように取り入れることで立ち直りも容易にできたのです。

        ③高速道路のアッピア街道
        ローマだけが都市国家として生まれながら、都市国家を超えていった原動力となったのが、このインフラ整備でした。
        他国にはこうした発想がありませんでした。

        道路が国土の「動脈」であることは、今日ならば誰でも知っていることですが、2300年もの昔、それをわかっていたのは、ローマ人だけでした。

        ローマ人は、政治・軍事・行政上の必要からアッピア街道だけではなく、次々にローマに通じる幹線道路を敷設していきました。
        そして、この高速道路網こそが、「ローマ連合」を有機的に機能させる上での重要極まりない動脈になったのです。

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        2021/12/25 by dreamer

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      寝ながら学べる構造主義

      内田樹

      文藝春秋
      4.0
      いいね! oka-azu
      • 最近はじめて知った(聞いた)「構造主義」とはなんぞや??という素朴な疑問から、読んでみました。
        全くの素人?入門者ですが、とても読みやすい本でした。”寝ながら学べる”くらいですから。
        で、思ったのは、別に何主義って気にすることもないのかな~ってことでした。

        社会主義がはやった(で、失敗に終わった?)頃は、これは真の社会主義ではないといい、民主主義だってやっぱり真の民主主義にはなってないし、(ジャンルは違うけど)きっと構造主義だってうまくいかなければ、これは真の構造主義ではなかったのだ、といって終わるのでしょう。この世の常識というものは、そういうもの。「とりあえず無難」とみんなが思っている意見のことを「常識」という。で、世の変化とともに変わっていくんです。(これ、構造主義的考え方?)

        とはいえ、この構造主義の見方考え方は、大変興味深い。

         >私たちは自分では判断や行動の「自律的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や  自律性はかなり限定的なものである

        自分の思考や判断にはいったいどれくらいの客観性があるのだろうか。
        自分の立ち位置によって人間のものの見方は変わってくる。人間の思考を規定するもの、それが階級(マルクス)だったり無意識(フロイト)だったり・・・ 
        言語によっても自分の思考は規定される。思考が先ではなく、言葉が先。

         「構造的無知」(私たちはあるものから無意識的に目をそらし続けている)によって、私たちは思考の自由を損なわれている。

         >私たちにとって自明と思えることは、ある時代や地域に固有の「偏見」に他ならない(ニーチェ)
         >「自己意識」とは、要するに、「いまの自分」から逃れ出て、想像的に措定された異他的な視座から自分を振り返る、ということに他ならない (ちょっとややこしい言い方だけど)

         >私たちは自分が何ものであるかを知らない・・・「自己意識」を持つことができない存在(ヘーゲル)

        構造主義とは、・・・さまざまな人間的諸制度(言語、文学、神話、親族、無意識など)における「零度の探求」(ある制度が「生成した瞬間の現場」、汚れる前の「なまの状態」を探求すること)
        だそうです。

        どうやったら、私たちは自由になれるのか。なれないのか。なら、どう生きるか。みたいなことを考える時に、参考になるかもしれません。

        (2500年前にお釈迦様が言った「無常」「無我」「一切皆苦」の話に近いかな?
        変わり続ける不完全な人間がつくっているこの世は不完全で変わり続ける。思い通りにならなくて当たり前。できるのは、努力すること。自分の心を磨く(管理する)努力だけ。明るく精一杯生きようとすること。そのためには客観的にしっかり観察する。主観である感情に囚われない etc・・・)

        ちなみに、
        子どもに「体育座り」(「三角座り」)を強要してはいけません。(子どもを管理するための、文部省による陰湿で残酷な「身体の政治技術」の行使だったのですね。知らなかった・・・)
        呼吸が浅くなり、背中はこわばり、自分で自分の手足をしばる・・・。

        とても面白く読めました。また読み返してみようかな?
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        2014/01/28 by バカボン

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      王朝春宵ロマンセ

      秋月こお

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • ちょっと期待しすぎたかな。攻めの諸兄がヘタレで魅力に欠けていて残念だった。これから先もこの攻めの情けなさにつき合わされるのかと思うと、続きを読みたいとは思えない。しかも、烏帽子の横から髪の毛が垂れ下がっているイラストにどうしても違和感がある。平安時代の風俗を描いた絵巻にそういう姿の男子はなかったように思うのだが。 >> 続きを読む

        2017/10/01 by Kira

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      仕事は楽しいかね?

      DautenDale A , 野津智子

      きこ書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 前作がかなり好きだったので、期待が大きかったが、その期待を超えるほどではなかった
        それでも面白い。

        今回は部下との関係や部下の育成、採用などを悩む人をターゲットにしている。
        主人公も中間管理職。

        さらっと読めるけど気付きも多いので、またその時がきたらもう一度読みたい。
        >> 続きを読む

        2013/01/04 by mahalo

      • コメント 2件
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      法月綸太郎の功績

      法月綸太郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • 法月綸太郎の第55回日本推理作家協会賞短編部門の受賞作「都市伝説パズル」を含む計5編の作品が収録された、法月綸太郎シリーズの第三短編集「法月綸太郎の功績」を再読。

        サークルコンパの夜、二次会の会場となった大学生の部屋で、殺人事件が発生する。
        現場には「電気をつけなくて命拾いしたな」という血文字が残されていた。

        前後の状況から、犯人は有名な都市伝説を模したと思しいのだが-------。

        "脱格系"といった潮流が話題を呼んだ時期に、カジュアルな本格ミステリを志向して書かれた短編集ですが、あらためて今読み直してみても、その軽やかなたたずまいは魅力を失ってはいないと思う。

        例えば「都市伝説パズル」の女子大生のような、巧みに造型された市井の人物と、膨大な固有名詞の地名を登場させながら、綸太郎と法月警視の会話によって進むストーリーは、風俗小説的な方向には向かわず、どこか抽象的な物語に結実していると思う。

        限られた人間関係の中で、そのパターンを組み替えパズルのように炙り出して、その営みは、エラリー・クイーン風の証拠を基にした論理捜査とはまた違った魅力と可能性に満ちていると思う。

        つまり、著者は作中の人間関係をいかに組み替えるかに熱中し続けていて、事件が幕を開けると、三角関係をめぐる殺人、偽装自殺、無差別殺人などといったパターンが登場し、それに見合った登場人物たちの関係図が浮かび上がるという構図なのだ。

        そこで、しかし、「ちょっと待てよ」と綸太郎探偵はつぶやくのだ。
        そうした人間関係を入れ替え、置き換えて、彼は意外な別のパターンを見い出してゆくのだ。
        冒頭の謎を解決するというよりは、事件の構図をどんどん変形させてゆく過程の面白さと言ったらいいだろうか。

        そこでは、都築道夫の「退職刑事」を思わせる淡々とした語り口が支配的なので、ある意味、非常に地味な印象を与える作品集なのですが、パターンを知り尽くした者が繰り出す技の数々には、我々、法月綸太郎ファンを堪能させる濃厚な味わいがあるんですね。

        >> 続きを読む

        2018/11/06 by dreamer

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      日曜日の夕刊

      重松清

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • どこにでもあるような日常を、昨日よりちょっと前向きに見られるようになる、そんなお話しでした。

        12の短編集です。ひとつひとつの話は完全に独立しています。

        家族を中心にしたものが多く、父の視点・母の視点・息子の視点・娘の視点…と、日常を見る角度によって描かれる思いも様々。また、喧嘩してしまった恋人との関係や、大学で知り合った女の子との少し変わったやりとりなど、ありふれたものの中に個性が光っています。

        どの話のどの登場人物も、誰もがどこかで触れたことのある悩みや葛藤をもっています。平凡で、なにかが劇的に変わるわけではないけれど、そこにあるささやかな幸せを感じます。
        >> 続きを読む

        2015/03/21 by 林檎餡蜜

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ラッシュライフ

      伊坂幸太郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 複数の登場人物。見事に繋がるストーリー。まさにエッシャーの騙し絵のような作品。

        み進めていく途中で感じる違和感、その違和感が見事な結末への道標と気が付いた瞬間に成る程、上手い!と唸ってしまった。
        何気ない描写が実は重要なヒントになっている。

        群像劇ながらミステリーとしての愉しみを持ち合わせた作品。
        >> 続きを読む

        2013/10/16 by ybook

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      わたしのグランパ

      筒井康隆

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      •  たとえ誰が読んだとしても、その人相応の楽しさを見出せる作品は、ただそれだけで価値がある。
         『わたしのグランパ』はそんな作品だ。中高生にとっては、読書感想文の恰好の題材だし(薄くて読みやすく、自己体験と絡めやすい)、中高年にとっては、若い時分には考えもしなかったことを考えさせられるかもしれない。誇張を恐れずにいうと、三世代にわたって楽しめる。こういう本は貴重である。わたしは「斜めの関係の大切さ」について考えてみた。
         その前に少しあらすじを語ろうか。中学生の五代珠子は、学校や家庭に深刻な問題を抱えていた。そこに刑務所から祖父謙三が帰ってくる。それから幾度かトラブルを乗り越えた末、すべてが快方に向かっていく。かなりご都合主義だが、この辺は仕方ないだろう。
         話を私見に戻します。
         ちょいと昔、ビジネス誌を読んでいたら(日経ビジネスだったかも)、斜めの人間関係の特集に出くわした。しかし、そのときは通り過ぎる新幹線を見るようにページを繰った。もちろん考える暇などなかった。
         ところが、その少し後に教育関係者の人と話す機会があって、こんなお話をされた。
         「斜めの人間関係が重要なんですよ。核家族化のいちばんの問題かもしれません」
        わたしは話が上手く飲み込めず、『男はつらいよ』の寅さんと満男くんみたいな関係ですか?と訊いたのだが、向こうが寅さんに不案内で困った。そこで国民アニメ『サザエさん』を思い出し、裏のおじいちゃんと磯野家の関係ということでケリがついた。やはり長谷川町子は偉大である。
         『わたしのグランパ』を読んでいたとき、「斜めの関係の大切さ」が頭以外の部分でも分かる気がした。頭以外の部分、そこが何処なのかが大事なのだが……。
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        2015/02/02 by 素頓狂

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      昭和恋々 あのころ、こんな暮らしがあった

      山本夏彦 , 久世光彦

      文藝春秋
      4.5
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      • 昭和生まれである。それも後半以降の生まれなので大正4年生まれ
        の夏彦翁と、昭和10年生まれの久世氏の書いていることやふたり
        の対談の内容のすべてが「懐かしい」と感じる訳ではない。

        それでも子供の頃の思い出の中には「あ、そういえばあったな」
        と感じる風物や物が結構あった。

        共著ということで第一部の「戦前を見に行く」を夏彦翁が、第二部
        「過ぎ行く季節のなかで」を久世氏が担当し、第三部「昭和恋々
        記憶のなかの風景」がおふたりの対談との構成になっている。

        「戦前を見に行く」の項も書かれたのは平成10年。その頃でも
        戦前の建物が残ってたのかと感じた。あれから20年が経過してる
        現在、僅かに残っていた戦前のものたちも再開発の波に飲み込まれ、
        姿を消しているのだろうな。

        子供の頃、何故か蚊帳が好きだった。夏の夜、蚊帳を吊って寝るの
        は何か特別な感じがしたし、蚊帳の内側から見る部屋の風景は普段
        と違って見えた気がした。

        金魚売りは知らないけれど、夜鳴きそばは知っている。テレビドラマ
        のお母さん女優はもれなく割烹着を身に着けて常に忙しそうにしていた。

        足踏みミシンが上手に使えなくて、それが私の裁縫嫌いのきっかけだ。
        尚、電動ミシンは恐くて使えない。あ、それ以前に不器用だとの理由
        があったわ。

        小学校の裏門すぐにあった駄菓子屋は既になくなって久しい。改築する
        前の実家には縁側があったし、裏木戸もあった。

        小さな庭があって、季節の花が咲き、外に水場があって、縁側と裏木戸の
        ある平屋の一戸建てに住みたい。今じゃ贅沢なのかもしれないな。

        おふたりが書かれているエッセイはどれも短文でサクッと読めるが、
        どれも余韻を残す名文である。

        「うっとりするような美しさには、背中合わせに、消え入るような
        儚さが張りついていることを、人生ではじめて教えてくれたのは、
        子供の日の花火である。」

        短文の中でこんな文章を書かれたらやられるわ。久世氏、上手過ぎ。
        それでも向田邦子氏に嫉妬しているというんだから、私の文章なんて
        駄文中の駄文じゃないか。シクシク。

        「路面電車」の項を読んでいて思い出したのだが、東京都はなんで
        「都電荒川線」を「東京さくらトラム」なんて名称にしちまったの
        だろうな。東京に唯一残った路面電車なのに。ブツブツ…。

        来年、平成が終わる。昭和はまた遠くなるんだろうな。
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        2018/10/10 by sasha

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      まほろ市の殺人春 無節操な死人

      倉知淳

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 架空の都市まほろ市を舞台に、4人の作家が四季を基に描く中編ミステリ。

        春編は倉知淳

        美波が受けた電話は親友のカノコ。
        七階のマンションの屋上から侵入した男を落下させてしまったと。
        しかし地上に姿はなく、次の日男は川で死体となり発見。
        だが男はマンションの出会いから数時間前に死んでいたことが判明する。

        興味をそそられる出だしではあるが、推理の整合性などは多少無理がある。
        そもそも結論ではなく予想で終わらせるので、スッキリしたい人には向かない中身かも。
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        2018/05/24 by オーウェン

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      まほろ市の殺人夏 夏に散る花

      我孫子武丸

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね! ooitee
      • 売れない新人作家君村に一通のファンレターが届く。
        熱烈な女性ファンであり、同じまほろ市に住んでいるため会うことに。
        君村は一目で恋をするが、その後彼女とは音信不通になってしまう。

        4人の作家の競作2作目は我孫子武丸。

        我孫子さんなので当然すんなりいかないことは分かるが、一体どんな仕掛けがあるのか。
        姉妹が出てきたときに感づく人はいるかも。

        終わり方もブラックであり、我孫子さんらしい仕上がりです。
        >> 続きを読む

        2018/05/25 by オーウェン

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      まほろ市の殺人秋 闇雲A子と憂鬱刑事

      麻耶雄嵩

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね! ooitee
      • 作者4人による四季のアンソロジー。秋編は麻耶雄嵩。

        刑事天城の車に乗り込んできたのはミステリ作家の闇雲A子。
        その理由は、まほろ市に出没する真幌キラーを追うため。

        真幌キラーの殺人の後には死体の耳が焼かれ、傍にはぬいぐるみや角材などが置かれている意味とは。
        そして真幌キラーと同時に現れる怪盗ビーチャムとは。

        短編なのに非常に切れ味鋭い簡潔さ。
        伏線が少々あざとい点はあるが、麻耶さんらしくラストにガツンとした衝撃もある。

        このシリーズ3作目だけど一番印象に残る中身でした。
        >> 続きを読む

        2018/05/28 by オーウェン

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      まほろ市の殺人冬 蜃気楼に手を振る

      有栖川有栖

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 四季を彩ってきたアンソロジー。
        最後の冬編は有栖川有栖。

        真幌市の冬は季節外れの蜃気楼が出る。
        その蜃気楼に手を振ってはいけないという母親のいいつてを無視して、手を振った兄は事故死。
        残された兄弟の二人は成長し、偶然手に入る3千万に翻弄される。

        基本この兄弟の視点になるので、驚くようなトリックが仕掛けられているわけではない。
        しかしこの犯罪がいかにして刑事たちに見破られるのか。

        また殺してしまった兄の幻影が見えるようになり、これは幽霊なのかそれとも。
        多分仕掛けはこの部分だけだが、短編らしく理由付けもなされているのが特徴。
        >> 続きを読む

        2018/06/01 by オーウェン

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      ガンダム「一年戦争」

      円道祥之

      宝島社
      カテゴリー:映画
      4.5
      いいね! ice makoto
      • ガンダムの本もそこそこ読んできたが毛色が全く違くて面白かった。
        割と見かけるのは、ガンダムという史実の中での裏設定など、ガンダムが主軸で語られているものだったりするが、本作は現実世界での戦争が結果としてガンダムの世界でどのように作用があったか。等、今僕らが過ごしている世界が主軸であったりする。

        僕らの生きている先に宇宙世紀が待っていると考えるとワクワクしません?
        ちょっぴり怖いですけどね。。

        ワクワクした方は是非どうぞ。
        >> 続きを読む

        2012/07/09 by mojo

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      クマの名前は日曜日

      丘沢静也 , ミヒャエル・ゾーヴァ , HackeAxel

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 日曜日という名前のクマのぬいぐるみと、そのクマを友人と信じる少年の物語。

        春先にヴィレッジ・バンガードで偶然、ミヒャエル・ゾーヴァの絵本を見つけたので購入してみました。

        朝起きたら隣に寝ていたクマのぬいぐるみを生きているクマと思い込み、そしてしゃべらないので弟分でもあるかのように世話をする少年がなかなかに微笑ましい感じです。
        でも、クマのぬいぐるみがいっこうに動かないので疑いを持ち始めて・・・。

        挙句には無理やり朝食のトーストを食べさせようとしてジャムとミルクだらけにしてしまいます。

        その後、日曜日は洗濯機へ運ばれて・・・。物干しに吊るされている日曜日の悲しそうな目を見て少年は反省します。

        でも、その夜。

        少年は日曜日と少年の立場が入れ替わった夢を見ます。おもちゃ屋さんでクマに買われる時をずっと待っている少年の悲しい夢。

        そして朝を迎えると・・・。

        ミヒャエル・ゾーヴァ絵と話の愛らしさが良い感じの絵本です。
        小さいお子さんをお持ちの方にお勧めです。
        >> 続きを読む

        2013/12/21 by Shimada

      • コメント 4件
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      自由への大いなる歩み―非暴力で闘った黒人たち (岩波新書 青版)

      M.L.キング

      5.0
      いいね!
      • マーティン・ルーサー・キングの自伝です。バス乗車ボイコット運動が成功し、モントゴメリーが変わりつつあることを感じながらも、まだ黒人(本文では二グロと書かれている)たちへの偏見が変わらずにある現状を分析し、運動を粘り強く続ける決意を述べて終わっている。黒人の公民権運動に指導し、あの有名なワシントン大行進でI have a dream の演説を行ったこと、またその後、凶弾に倒れたことを知っている私たちの時点から見ると、中間報告のような本ということになるだろう。この本を読むと、キング牧師が一貫して非暴力という運動の方針を貫いたことが分かる。そしてそれはガンジーの運動を学んで応用したものではあるが、キング牧師の内面的な志としては、キリスト教精神に基づくものであることは間違いない。このように書くとキング牧師が超人的な人物で、奇跡のようなお話として感じられるかもしれないが、本書に描かれているのはむしろキング牧師が自らの弱さと向き合い、悩みながら決断を下していく姿だ。
         モントゴメリーでは黒人と白人の座席が分けられ、どんなに空いていても黒人は白人の席に座ることは許されなかった。また、運転手は全員白人で、黒人に対して失礼な態度をとり、白人が後から乗ってきて、席がなければ、黒人を立たせて席を確保するようなことをしていた。しかし一人の婦人(パークス婦人)が席を白人に譲ることを拒否したことから、この運動が始まっていく。キング牧師はこのように書いている。「彼女は、過去の日々に蓄積された屈辱とまだ生まれてこない世代の無限の希望のために、あの座席に坐って動こうとしなかったのだ。彼女は、歴史の力と運命の力の犠牲で、「ツァイトガイスト」つまり時代精神によっていわばあの座席にすえつけられたのだった。パークス婦人は逮捕された。バスボイコットの気運が高まる。キング牧師たちは話し合い、バスボイコット運動を始めていく。ここからの経緯は本書を読んで欲しいと思う。そうすんなりと物事が運んだわけではないことが分かるだろう。また、その運動の最中にキング牧師自身が何度も気弱になりかけ、再び力を取り戻したりしている人間的な姿を見るだろう。白人たちは無教養で愚かな黒人が組織的な運動を継続できるはずがないと高をくくっていた。キング牧師を初めとする代表者たちの誠実な態度とまともに取り合おうとしないバス会社や市長たちの不誠実さが対比的な描かれている。結局こうした白人たちの頑なな態度が運動を長引かせていく。お互いに車を出し合って職場への往復をしたり、バスを使わずに歩いたりすることで、バス会社は経済的なダメージを蓄積していった。一年以上にわたる運動は、最高裁判所の命令によってバス内での座席分離が違法とされるまで続く。キング牧師は黒人たちに非暴力を貫くこと、闘いに勝利したからと白人たちにおごった態度をとらないことを何度も何度も語り、黒人たちは紳士的な態度で勝利をつかみ取っていくのである。しかし白人たちの暴力的な攻撃は完全にはなくならない。キング牧師の目は貧しい無教育な白人にも向けられている。彼らを巧みに操作して黒人憎悪に駆り立てている権力者がいるのである。この本は過去を語った物語ではない。こうした差別に絡む運動のあらゆる側面が見えてくるからである。貧困が憎悪を生み、テロ行為に駆り立てられる現代、キング牧師の愛に基盤をおいた非暴力的抵抗という理論が省みられるべきだと思う。果たして現代にこうした運動に耐えられる指導者が現れるだろうか。
        >> 続きを読む

        2018/01/12 by nekotaka

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