こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


2002年6月発行の書籍

人気の作品

      月の砂漠をさばさばと

      北村薫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 母と娘のささやかで優しい日常がつまった短編集。
        とにかく可愛いんだけど、ふとした瞬間にひんやりとしたさびしさとか切なさが見え隠れするあたり(そしてそのさびしさや切なささえあたたかい何かに包まれてるあたり)、さすが北村薫というか…

        とはいえ、たぶん言われなければ(というか作者名が記載されてなかったら)北村薫が書いたとは気づかなかったです。
        この人、男の人だと知ったときも驚いたんだけど、こういう話も書くんだとまた驚かされてしまった…(笑)

        個人的には表題作の月の砂漠をさばさばとが一番好きでした。

        >> 続きを読む

        2016/02/15 by kon

    • 他5人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      神様のボ-ト

      江國香織

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 過去の愛する人を信じ続ける母がどこにも居場所を作らず、娘と二人で旅を続けていく物語。

        娘はそんな現状からだんだんと自分の道を歩もうとして、それでも母親が心配でたまらなくて。

        母親は愛する人との愛の結晶である娘がいなくなることで、生きてる意味を見出だせなくなる。娘がそばにいなくなることでようやく愛する人の存在に疑い始める。でももう戻れない。。

        孤独な物語でした。片親家庭の私には響くところが多かった。

        「ママの世界にずっと住んでいられなくて」
        と泣きながら娘が謝るシーンが特に。

        そして葉子と草子という名前がこの二人の親子関係をよく現していると感じました。

        >> 続きを読む

        2018/05/06 by ユート

    • 他4人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      ぼっけえ、きょうてえ

      岩井志麻子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!

      • 怪奇がホラーとなり、恐怖の意味が拡散するにつれ、ホラー小説の内容も多様化してきていると思う。

        その中のひとつに、時代ホラー小説とでも呼ぶべきものが存在していると思う。

        もともと、近代日本には、小泉八雲以来の怪談の系譜というものがありますが、こうした伝統を踏まえた上で、極めて今日的な"恐怖の物語"が続々と生まれていると思う。

        今回読了した岩井志麻子の日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した「ぼっけえ、きょうてえ」は、その代表的な作品だと思う。

        この作品は、短編であるにもかかわらず、並みいる長編を蹴散らし、第四回日本ホラー小説大賞を受賞した表題作に、書き下ろし三作を加えた短編集になっています。

        因みに「ぼっけえきょうてえ」とは、岡山地方の方言で「とても怖い」という意味だそうだが、この受賞作は、本当に怖い。

        一夜の客となった男に、女郎が寝物語で語る自分の生い立ちは、まるでグロテスクのバラエティ・ショー。

        岡山の貧しい村で暮らす一家の地獄絵図が、どす黒い恐怖を呼ぶのだ。

        この表題作をはじめ、どれも明治時代が舞台になっているので、時代ホラー小説だと言ってもいいと思いますが、多分、著者の岩井志麻子には、時代小説を書いたという意識はないと思われます。

        しかし、日本の風土に根差した土着的な恐怖を喚起する、ひとつの仕掛けとして、封建的な時代を選んだことが、はからずもこの短編集を時代ホラー小説にしているのだと思う。

        >> 続きを読む

        2018/07/23 by dreamer

    • 他3人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      ローマは一日にして成らず

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.0
      いいね! tomato
      • 紀元前753年のローマ建国からイタリア半島統一の約500年間が上下巻で描かれる。

        2017/10/14 by Raven

    • 他3人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ローマは一日にして成らず

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.2
      いいね!
      • 転職活動が終了し、久々にゆっくり本を読みたくなりました。
        積読本はたくさんあるので、何にしようかと思いめぐらしていたのですが、選択したのは1年半もほったらかしにしていたローマ人の下巻。
        ずっと読まなきゃ、とは思っていたのですが・・・
        心境の変化かもしれませんね。

        空白期間はありましたが、特に問題ありませんでした。
        読書ログに記録していたおかげかも。


        ローマは、王政から共和制国家へ。
        下巻は百年以上続く貴族対平民の抗争や、ケルト族によるローマ占拠、天才ピュロスとの闘いが書かれています。
        戦争におけるローマ人の学ぶ姿勢がとても興味深い。
        彼らは敗北を喫しても、その害を最小限にとどめる才能をもっていました。
        勝てば勝ったで、その勝利を最大限に活用する術も心得ていました。
        ローマは新興勢力として拡大していきます。
        エピロス王ピュロスとの対決は、特に熱かったです。
        ターラントの要請により、ピュロスとの闘うことになったのですが、自国の防衛を他国人の傭兵にまかせる習慣が不思議でした。

        次はついに、ハンニバル戦記です・・・!
        わくわく。
        >> 続きを読む

        2018/03/06 by あすか

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      寝ながら学べる構造主義

      内田樹

      文藝春秋
      4.0
      いいね! oka-azu
      • 最近はじめて知った(聞いた)「構造主義」とはなんぞや??という素朴な疑問から、読んでみました。
        全くの素人?入門者ですが、とても読みやすい本でした。”寝ながら学べる”くらいですから。
        で、思ったのは、別に何主義って気にすることもないのかな~ってことでした。

        社会主義がはやった(で、失敗に終わった?)頃は、これは真の社会主義ではないといい、民主主義だってやっぱり真の民主主義にはなってないし、(ジャンルは違うけど)きっと構造主義だってうまくいかなければ、これは真の構造主義ではなかったのだ、といって終わるのでしょう。この世の常識というものは、そういうもの。「とりあえず無難」とみんなが思っている意見のことを「常識」という。で、世の変化とともに変わっていくんです。(これ、構造主義的考え方?)

        とはいえ、この構造主義の見方考え方は、大変興味深い。

         >私たちは自分では判断や行動の「自律的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や  自律性はかなり限定的なものである

        自分の思考や判断にはいったいどれくらいの客観性があるのだろうか。
        自分の立ち位置によって人間のものの見方は変わってくる。人間の思考を規定するもの、それが階級(マルクス)だったり無意識(フロイト)だったり・・・ 
        言語によっても自分の思考は規定される。思考が先ではなく、言葉が先。

         「構造的無知」(私たちはあるものから無意識的に目をそらし続けている)によって、私たちは思考の自由を損なわれている。

         >私たちにとって自明と思えることは、ある時代や地域に固有の「偏見」に他ならない(ニーチェ)
         >「自己意識」とは、要するに、「いまの自分」から逃れ出て、想像的に措定された異他的な視座から自分を振り返る、ということに他ならない (ちょっとややこしい言い方だけど)

         >私たちは自分が何ものであるかを知らない・・・「自己意識」を持つことができない存在(ヘーゲル)

        構造主義とは、・・・さまざまな人間的諸制度(言語、文学、神話、親族、無意識など)における「零度の探求」(ある制度が「生成した瞬間の現場」、汚れる前の「なまの状態」を探求すること)
        だそうです。

        どうやったら、私たちは自由になれるのか。なれないのか。なら、どう生きるか。みたいなことを考える時に、参考になるかもしれません。

        (2500年前にお釈迦様が言った「無常」「無我」「一切皆苦」の話に近いかな?
        変わり続ける不完全な人間がつくっているこの世は不完全で変わり続ける。思い通りにならなくて当たり前。できるのは、努力すること。自分の心を磨く(管理する)努力だけ。明るく精一杯生きようとすること。そのためには客観的にしっかり観察する。主観である感情に囚われない etc・・・)

        ちなみに、
        子どもに「体育座り」(「三角座り」)を強要してはいけません。(子どもを管理するための、文部省による陰湿で残酷な「身体の政治技術」の行使だったのですね。知らなかった・・・)
        呼吸が浅くなり、背中はこわばり、自分で自分の手足をしばる・・・。

        とても面白く読めました。また読み返してみようかな?
        >> 続きを読む

        2014/01/28 by バカボン

      • コメント 4件
    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      王朝春宵ロマンセ

      秋月こお

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • ちょっと期待しすぎたかな。攻めの諸兄がヘタレで魅力に欠けていて残念だった。これから先もこの攻めの情けなさにつき合わされるのかと思うと、続きを読みたいとは思えない。しかも、烏帽子の横から髪の毛が垂れ下がっているイラストにどうしても違和感がある。平安時代の風俗を描いた絵巻にそういう姿の男子はなかったように思うのだが。 >> 続きを読む

        2017/10/01 by Kira

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      仕事は楽しいかね?

      DautenDale A , 野津智子

      きこ書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 前作がかなり好きだったので、期待が大きかったが、その期待を超えるほどではなかった
        それでも面白い。

        今回は部下との関係や部下の育成、採用などを悩む人をターゲットにしている。
        主人公も中間管理職。

        さらっと読めるけど気付きも多いので、またその時がきたらもう一度読みたい。
        >> 続きを読む

        2013/01/04 by mahalo

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      法月綸太郎の功績

      法月綸太郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • 法月綸太郎の第55回日本推理作家協会賞短編部門の受賞作「都市伝説パズル」を含む計5編の作品が収録された、法月綸太郎シリーズの第三短編集「法月綸太郎の功績」を再読。

        サークルコンパの夜、二次会の会場となった大学生の部屋で、殺人事件が発生する。
        現場には「電気をつけなくて命拾いしたな」という血文字が残されていた。

        前後の状況から、犯人は有名な都市伝説を模したと思しいのだが-------。

        "脱格系"といった潮流が話題を呼んだ時期に、カジュアルな本格ミステリを志向して書かれた短編集ですが、あらためて今読み直してみても、その軽やかなたたずまいは魅力を失ってはいないと思う。

        例えば「都市伝説パズル」の女子大生のような、巧みに造型された市井の人物と、膨大な固有名詞の地名を登場させながら、綸太郎と法月警視の会話によって進むストーリーは、風俗小説的な方向には向かわず、どこか抽象的な物語に結実していると思う。

        限られた人間関係の中で、そのパターンを組み替えパズルのように炙り出して、その営みは、エラリー・クイーン風の証拠を基にした論理捜査とはまた違った魅力と可能性に満ちていると思う。

        つまり、著者は作中の人間関係をいかに組み替えるかに熱中し続けていて、事件が幕を開けると、三角関係をめぐる殺人、偽装自殺、無差別殺人などといったパターンが登場し、それに見合った登場人物たちの関係図が浮かび上がるという構図なのだ。

        そこで、しかし、「ちょっと待てよ」と綸太郎探偵はつぶやくのだ。
        そうした人間関係を入れ替え、置き換えて、彼は意外な別のパターンを見い出してゆくのだ。
        冒頭の謎を解決するというよりは、事件の構図をどんどん変形させてゆく過程の面白さと言ったらいいだろうか。

        そこでは、都築道夫の「退職刑事」を思わせる淡々とした語り口が支配的なので、ある意味、非常に地味な印象を与える作品集なのですが、パターンを知り尽くした者が繰り出す技の数々には、我々、法月綸太郎ファンを堪能させる濃厚な味わいがあるんですね。

        >> 続きを読む

        2018/11/06 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      日曜日の夕刊

      重松清

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • どこにでもあるような日常を、昨日よりちょっと前向きに見られるようになる、そんなお話しでした。

        12の短編集です。ひとつひとつの話は完全に独立しています。

        家族を中心にしたものが多く、父の視点・母の視点・息子の視点・娘の視点…と、日常を見る角度によって描かれる思いも様々。また、喧嘩してしまった恋人との関係や、大学で知り合った女の子との少し変わったやりとりなど、ありふれたものの中に個性が光っています。

        どの話のどの登場人物も、誰もがどこかで触れたことのある悩みや葛藤をもっています。平凡で、なにかが劇的に変わるわけではないけれど、そこにあるささやかな幸せを感じます。
        >> 続きを読む

        2015/03/21 by 林檎餡蜜

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ラッシュライフ

      伊坂幸太郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 複数の登場人物。見事に繋がるストーリー。まさにエッシャーの騙し絵のような作品。

        み進めていく途中で感じる違和感、その違和感が見事な結末への道標と気が付いた瞬間に成る程、上手い!と唸ってしまった。
        何気ない描写が実は重要なヒントになっている。

        群像劇ながらミステリーとしての愉しみを持ち合わせた作品。
        >> 続きを読む

        2013/10/16 by ybook

      • コメント 7件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      わたしのグランパ

      筒井康隆

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      •  たとえ誰が読んだとしても、その人相応の楽しさを見出せる作品は、ただそれだけで価値がある。
         『わたしのグランパ』はそんな作品だ。中高生にとっては、読書感想文の恰好の題材だし(薄くて読みやすく、自己体験と絡めやすい)、中高年にとっては、若い時分には考えもしなかったことを考えさせられるかもしれない。誇張を恐れずにいうと、三世代にわたって楽しめる。こういう本は貴重である。わたしは「斜めの関係の大切さ」について考えてみた。
         その前に少しあらすじを語ろうか。中学生の五代珠子は、学校や家庭に深刻な問題を抱えていた。そこに刑務所から祖父謙三が帰ってくる。それから幾度かトラブルを乗り越えた末、すべてが快方に向かっていく。かなりご都合主義だが、この辺は仕方ないだろう。
         話を私見に戻します。
         ちょいと昔、ビジネス誌を読んでいたら(日経ビジネスだったかも)、斜めの人間関係の特集に出くわした。しかし、そのときは通り過ぎる新幹線を見るようにページを繰った。もちろん考える暇などなかった。
         ところが、その少し後に教育関係者の人と話す機会があって、こんなお話をされた。
         「斜めの人間関係が重要なんですよ。核家族化のいちばんの問題かもしれません」
        わたしは話が上手く飲み込めず、『男はつらいよ』の寅さんと満男くんみたいな関係ですか?と訊いたのだが、向こうが寅さんに不案内で困った。そこで国民アニメ『サザエさん』を思い出し、裏のおじいちゃんと磯野家の関係ということでケリがついた。やはり長谷川町子は偉大である。
         『わたしのグランパ』を読んでいたとき、「斜めの関係の大切さ」が頭以外の部分でも分かる気がした。頭以外の部分、そこが何処なのかが大事なのだが……。
        >> 続きを読む

        2015/02/02 by 素頓狂

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      昭和恋々 あのころ、こんな暮らしがあった

      山本夏彦 , 久世光彦

      文藝春秋
      4.5
      いいね!
      • 昭和生まれである。それも後半以降の生まれなので大正4年生まれ
        の夏彦翁と、昭和10年生まれの久世氏の書いていることやふたり
        の対談の内容のすべてが「懐かしい」と感じる訳ではない。

        それでも子供の頃の思い出の中には「あ、そういえばあったな」
        と感じる風物や物が結構あった。

        共著ということで第一部の「戦前を見に行く」を夏彦翁が、第二部
        「過ぎ行く季節のなかで」を久世氏が担当し、第三部「昭和恋々
        記憶のなかの風景」がおふたりの対談との構成になっている。

        「戦前を見に行く」の項も書かれたのは平成10年。その頃でも
        戦前の建物が残ってたのかと感じた。あれから20年が経過してる
        現在、僅かに残っていた戦前のものたちも再開発の波に飲み込まれ、
        姿を消しているのだろうな。

        子供の頃、何故か蚊帳が好きだった。夏の夜、蚊帳を吊って寝るの
        は何か特別な感じがしたし、蚊帳の内側から見る部屋の風景は普段
        と違って見えた気がした。

        金魚売りは知らないけれど、夜鳴きそばは知っている。テレビドラマ
        のお母さん女優はもれなく割烹着を身に着けて常に忙しそうにしていた。

        足踏みミシンが上手に使えなくて、それが私の裁縫嫌いのきっかけだ。
        尚、電動ミシンは恐くて使えない。あ、それ以前に不器用だとの理由
        があったわ。

        小学校の裏門すぐにあった駄菓子屋は既になくなって久しい。改築する
        前の実家には縁側があったし、裏木戸もあった。

        小さな庭があって、季節の花が咲き、外に水場があって、縁側と裏木戸の
        ある平屋の一戸建てに住みたい。今じゃ贅沢なのかもしれないな。

        おふたりが書かれているエッセイはどれも短文でサクッと読めるが、
        どれも余韻を残す名文である。

        「うっとりするような美しさには、背中合わせに、消え入るような
        儚さが張りついていることを、人生ではじめて教えてくれたのは、
        子供の日の花火である。」

        短文の中でこんな文章を書かれたらやられるわ。久世氏、上手過ぎ。
        それでも向田邦子氏に嫉妬しているというんだから、私の文章なんて
        駄文中の駄文じゃないか。シクシク。

        「路面電車」の項を読んでいて思い出したのだが、東京都はなんで
        「都電荒川線」を「東京さくらトラム」なんて名称にしちまったの
        だろうな。東京に唯一残った路面電車なのに。ブツブツ…。

        来年、平成が終わる。昭和はまた遠くなるんだろうな。
        >> 続きを読む

        2018/10/10 by sasha

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      まほろ市の殺人春 無節操な死人

      倉知淳

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 架空の都市まほろ市を舞台に、4人の作家が四季を基に描く中編ミステリ。

        春編は倉知淳

        美波が受けた電話は親友のカノコ。
        七階のマンションの屋上から侵入した男を落下させてしまったと。
        しかし地上に姿はなく、次の日男は川で死体となり発見。
        だが男はマンションの出会いから数時間前に死んでいたことが判明する。

        興味をそそられる出だしではあるが、推理の整合性などは多少無理がある。
        そもそも結論ではなく予想で終わらせるので、スッキリしたい人には向かない中身かも。
        >> 続きを読む

        2018/05/24 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      まほろ市の殺人夏 夏に散る花

      我孫子武丸

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね! ooitee
      • 売れない新人作家君村に一通のファンレターが届く。
        熱烈な女性ファンであり、同じまほろ市に住んでいるため会うことに。
        君村は一目で恋をするが、その後彼女とは音信不通になってしまう。

        4人の作家の競作2作目は我孫子武丸。

        我孫子さんなので当然すんなりいかないことは分かるが、一体どんな仕掛けがあるのか。
        姉妹が出てきたときに感づく人はいるかも。

        終わり方もブラックであり、我孫子さんらしい仕上がりです。
        >> 続きを読む

        2018/05/25 by オーウェン

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      まほろ市の殺人秋 闇雲A子と憂鬱刑事

      麻耶雄嵩

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね! ooitee
      • 作者4人による四季のアンソロジー。秋編は麻耶雄嵩。

        刑事天城の車に乗り込んできたのはミステリ作家の闇雲A子。
        その理由は、まほろ市に出没する真幌キラーを追うため。

        真幌キラーの殺人の後には死体の耳が焼かれ、傍にはぬいぐるみや角材などが置かれている意味とは。
        そして真幌キラーと同時に現れる怪盗ビーチャムとは。

        短編なのに非常に切れ味鋭い簡潔さ。
        伏線が少々あざとい点はあるが、麻耶さんらしくラストにガツンとした衝撃もある。

        このシリーズ3作目だけど一番印象に残る中身でした。
        >> 続きを読む

        2018/05/28 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      まほろ市の殺人冬 蜃気楼に手を振る

      有栖川有栖

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 四季を彩ってきたアンソロジー。
        最後の冬編は有栖川有栖。

        真幌市の冬は季節外れの蜃気楼が出る。
        その蜃気楼に手を振ってはいけないという母親のいいつてを無視して、手を振った兄は事故死。
        残された兄弟の二人は成長し、偶然手に入る3千万に翻弄される。

        基本この兄弟の視点になるので、驚くようなトリックが仕掛けられているわけではない。
        しかしこの犯罪がいかにして刑事たちに見破られるのか。

        また殺してしまった兄の幻影が見えるようになり、これは幽霊なのかそれとも。
        多分仕掛けはこの部分だけだが、短編らしく理由付けもなされているのが特徴。
        >> 続きを読む

        2018/06/01 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      容疑者の夜行列車

      多和田葉子

      青土社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 今日の終わりと明日のはじまりが溶けあっているかのような、たっぷりとした時間のなかをくぐりぬけながら旅をする女性ダンサーの物語。
        彼女は旅で出会った人たちと関わるなかで、リュックサックにコーヒー豆の包みを忍ばせたり、恋人に別れを告げる手紙を代筆したりと、怪しげなことや危なそうなことを次々と経験する。しかしどんな人やモノも、彼女に近づくことはあっても手を出すことはない。なぜなら、彼女はずっと旅をし続けなくてはならないからだ。

        過去の日記のような文体が現実の輪郭をぼやけさせていて、気づけば夢の世界にいることもあるのがなんとも幻想的だった。あれこれと無理に読み解こうとせずに文章のおもむくままに身をゆだねれば、きっと心地よく感じられると思う。文章そのものはシンプルで読みやすく、それでいて著者のセンスのよさがつまっている。誰にも、何をすることも期待されない旅の最中だからこそもてる、心の余裕を味わえるのも良い。本物の退屈さの中にいなければ絶対に出てこないような言葉に出会えるのもものすごくぜいたくで、読んでいて嬉しくなった。

          ダンサーにとって、静止の時間というのは大切かもしれない。いや、静止というのは、こちらの誤解。花だって、動いている。太陽のある方向に首を曲げたり、茎が伸びて成長したり、枯れたり。ただ、その動きが恐ろしく遅いだけだ。植物の動きに比べたら、かたつむりなど特急列車ではないか。遅い動きというのは、体力を多く消耗するから、疲れる。ひまわりのように、一時間かけて首を右から左へ動かせと言われたら、大変だ。どうして、ひまわりは、そんな動きをしても疲れないんだろう。そんなことを考えていたら、なんだか、たまらなく植物園に行きたくなってきた。(『ハンブルクへ』より引用)

        ひょんなことから爪切りを奪われてしまった彼女は、伸び続ける爪に己の運命のおかしさをそっと忍ばせて、夜から夜へと旅を続けるのだろう。「わたし」に見守られながら。
        >> 続きを読む

        2018/10/08 by カレル橋

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ガンダム「一年戦争」

      円道祥之

      宝島社
      カテゴリー:映画
      4.5
      いいね! ice makoto
      • ガンダムの本もそこそこ読んできたが毛色が全く違くて面白かった。
        割と見かけるのは、ガンダムという史実の中での裏設定など、ガンダムが主軸で語られているものだったりするが、本作は現実世界での戦争が結果としてガンダムの世界でどのように作用があったか。等、今僕らが過ごしている世界が主軸であったりする。

        僕らの生きている先に宇宙世紀が待っていると考えるとワクワクしません?
        ちょっぴり怖いですけどね。。

        ワクワクした方は是非どうぞ。
        >> 続きを読む

        2012/07/09 by mojo

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      クマの名前は日曜日

      丘沢静也 , ミヒャエル・ゾーヴァ , HackeAxel

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 日曜日という名前のクマのぬいぐるみと、そのクマを友人と信じる少年の物語。

        春先にヴィレッジ・バンガードで偶然、ミヒャエル・ゾーヴァの絵本を見つけたので購入してみました。

        朝起きたら隣に寝ていたクマのぬいぐるみを生きているクマと思い込み、そしてしゃべらないので弟分でもあるかのように世話をする少年がなかなかに微笑ましい感じです。
        でも、クマのぬいぐるみがいっこうに動かないので疑いを持ち始めて・・・。

        挙句には無理やり朝食のトーストを食べさせようとしてジャムとミルクだらけにしてしまいます。

        その後、日曜日は洗濯機へ運ばれて・・・。物干しに吊るされている日曜日の悲しそうな目を見て少年は反省します。

        でも、その夜。

        少年は日曜日と少年の立場が入れ替わった夢を見ます。おもちゃ屋さんでクマに買われる時をずっと待っている少年の悲しい夢。

        そして朝を迎えると・・・。

        ミヒャエル・ゾーヴァ絵と話の愛らしさが良い感じの絵本です。
        小さいお子さんをお持ちの方にお勧めです。
        >> 続きを読む

        2013/12/21 by Shimada

      • コメント 4件
    • 3人が本棚登録しています

出版年月 - 2002年6月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚