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2003年1月発行の書籍

人気の作品

      プリズム

      貫井徳郎

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!

      • 小学校教諭の山浦美津子が、アパートの自室で殺された。
        胃の中からは睡眠薬が検出され、頭にはアンティークの置時計で殴られた跡があった。

        だが、状況は一筋縄ではいかなかった。
        部屋には、同僚の男性教諭から送られた箱入りのチョコレートがあり、それに睡眠薬が混入されていたのだ。

        さらに窓がガラス切りで切り取られており、侵入者が入り込んだ可能性もあった。
        また、被害者の無邪気すぎる性格は、同僚や友人の間に、さまざまな軋轢をも生んでいた-------。

        この貫井徳郎の「プリズム」は、ミステリ好きなら誰しもがわかるように、アントニー・バークリーの名作「毒入りチョコレート事件」にオマージュを捧げ、この作品に敢然と挑んだ作品なんですね。

        すなわち、意外な結末で読者にカタルシスを与えることが眼目の作品ではなく、何通りもの結末を開示していくことが狙いの作品だと思う。

        小学校の教え子から始まり、同僚の教師、元恋人、父兄といった具合に、次々とそれぞれが連関するように、推論を構築していくんですね。
        それも、アントニー・バークリーの六通りを上回る十通りも。

        そして、最後に衝撃的な推論が用意されてはいるものの、果たしてそれが真実かどうかは断定できない。

        この作品は、我々ミステリ好きの読者の参加を誘う、企みと実験精神に満ちた貫井徳郎の挑戦作なんですね。

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        2018/05/15 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      嘘をもうひとつだけ

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 加賀恭一郎シリーズ第6弾。
        長編だったこれまでから代わり、5つの短編集となった。

        どの話も50ページくらいなので、シリーズとして重要な動機は極力省き、最小限の人数で推理は展開する。

        基本的には加賀と犯人の会話がほとんどで、いかにしてその中から加賀が嘘を見抜くのか。

        加賀が興味を持つバレエの話。
        社会問題にもなった子供の放置。
        教育ママの成れの果て。
        犯人の思惑と加賀の思惑がすれ違う殺人事件。

        以上の4つに加えて、加賀の友人が登場する5つ目。
        友情よりも事件を優先する加賀のこだわりが見れる。
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        2018/08/30 by オーウェン

    • 他3人がレビュー登録、 36人が本棚登録しています
      火の粉

      雫井脩介

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tukiwami
      • 裁判官の梶間勲が凶悪犯と目された武内に下した無罪判決。
        時は経ち、退任した勲の隣の家に武内が一軒家を構えて引っ越してきた。
        次第に家族と接していく内に、不穏な事件や家族間の亀裂が生まれていく。

        明らかに何かが起こる気配満々だが、武内の目的は何なのか。
        また起こる事件の元が武内と確証できないのは証拠がないから。

        家族を取り込んでいく手口。
        そして人間はかくも脆く、信頼という絆はあっさり断ち切られる。

        ただラストにああするのなら、その人物をもっと本筋に絡ませたほうがより感情移入できると思うけどね。
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        2019/01/08 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      嘘つき男と泣き虫女

      藤井留美 , PeaseBarbara. , PeaseAllan.

      主婦の友社
      カテゴリー:基礎医学
      4.0
      いいね!
      • 嘘つき男と泣き虫女。アラン・ピーズ先生とバーバラ・ピーズ先生の著書。ベストセラーになった話を聞かない男、地図が読めない女の続編のような内容。男女が分かり合えないのはある意味当然の帰結なのかもしれないと思わされる一冊です。
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        2018/08/16 by 香菜子

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ドリームキャッチャー

      スティーヴン・キング , 白石朗

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!

      • ホラーの帝王、スティーヴン・キングの「ドリームキャッチャー」(新潮文庫1~4)は、一見、三人称多視点のハリウッド・スタイルに見えますが、いかにもキングらしいというか、キングにしか許されないタイプのエンターテインメント小説の傑作だと思う。

        ただし、映画版はまったく駄目でしたが-------。

        メイン州の山奥に宇宙船が墜落する。
        胞子状の異星生命が、人体に感染して広がるのを防ぐため、特殊部隊が周囲一帯を封鎖する。

        鹿撃ち猟にやってきた幼馴染みの中年男四人組は、山小屋で事件に巻き込まれ、その中の一人は異星人に体を乗っ取られてしまう。

        封鎖を突破した彼を追って、熾烈な追跡劇が幕を開ける---のですが、実を言うと、こうした派手なスペクタクルは、少なくとも私にはどうでもいいんですね。

        この小説の真の舞台は、登場人物たちのインナースペース。
        体を支配された男は、自分の心の中の部屋に立てこもり、段ボール箱に入れて積み上げた"記憶"だけを武器に、地球外生命体に立ち向かうんですね。

        テレパシーを操る宇宙人に取り憑かれた人間は、偶然にも超能力者でした---みたいな設定だから、並みの作家が書けばご都合主義の極みだと謗られるか、プロット段階でボツを食ってもおかしくないんですね。

        しかし、キングの魔術的なストーリーテリングは、その偶然を必然に変えてしまうのだ。
        ちらちらと小出しにされてきた四人組の少年時代の話が、小説の現在に追いついた時、事件の様相は一変するのだった-------。

        中年男の"心象風景"をこんなかたちで書けるのは、恐らくキングだけだろうと思う。

        客観的にみて、娯楽小説としてもSF小説としても破綻しているとは思いますが、そんな欠陥は些細なことだと思う。
        この異様な迫力を堪能すればいいと思う。

        そして、映像化できない部分がキモなので、うっかり映画を先に観た人も大丈夫だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/05/28 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ハゴロモ

      吉本ばなな

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 長年の不倫関係にピリオドを打たれたほたるは、空っぽの状態で川の流れる故郷へ帰る。
        ちょっと変わった父親。蘭でうめつくされている喫茶店で祖父直伝の美味しい珈琲を淹れる祖母。かつての父親の恋人であり再婚し損ねてしまった相手の娘、るみ。
        そして、どこかで出会った様な、でもどうしても思い出せない、赤提灯を掲げインスタントラーメンを作るみつる。
        それぞれが少しずつ絡み合っていて、それがまるで、おとぎ話の様。
        誰もが何かしら傷を抱えていて、その癒し方も様々。もがいてもがいて進もうとする人もいれば、ただじっと向き合い、時が流れ、少しずつ自然治癒しようとする人。
        みんな同じじゃつまんない。色んな人がいるから、面白い。
        とてもふわふわした、お話。
        ばななさんの作品、よく川が出てくる。
        川の流れや煌めき、よどみは、全てを受け入れてくれる様で、それでいて押し流される様で、怖くて、優しい。
        そんな川の側の街の、ちょっと変わった、不思議なお話。
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        2014/09/13 by ayu

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      きみの血を (ハヤカワ文庫NV)

      シオドア スタージョン

      4.5
      いいね! Tukiwami

      • 幻の名作と言われているシオドア・スタージョンの「きみの血を」を読了。

        東京郊外の米軍駐屯地で、そのささやかな事件は発生した。

        ジョージ・スミスという兵士が、精神科医である少佐の質問を受けている最中、突然グラスを握り潰し、少佐に襲いかかろうとしたのだ。
        だが、自分の手から流れ落ちる血を見るや、兵士は少佐のことも忘れて血の匂いを嗅ぎ始めた。

        彼はおぞましい吸血鬼なのか? 本国に送還された彼に関心を抱いた精神科医アウターブリッジ博士は、彼の心の奥に潜む秘密に迫ってゆく。

        この小説の大部分は、アウターブリッジ博士とその友人であるウィリアムズ大佐との間でやりとりされる夥しい書簡によって占められており、それらを読み進めることで、ジョージの生い立ちを知らされることになるんですね。

        暴力的な父、母の死、逮捕、伯母夫婦のもとでの暮らし、恋人アンナとの出会い、軍隊への志願-----と進む彼の人生は、ただならぬ暗鬱さを漂わせてはいるものの、それすらも"表の物語"にすぎないのだ。

        後半、博士の心理分析と推理によって暴かれてゆく"裏の物語"は、より一層深い闇に覆われている。

        ジョージは、教育からも道徳からも取り残された田舎で、あらゆる人間的感情と無縁のまま育ったために、常人とは異なったスタイルでしか愛を表現することの出来ない不幸な存在なのであり、繁栄を謳歌する米国が置き去りにした周縁部が、文明に対して突きつけた剣であるとも言える。

        物語の真偽を宙吊りにした上で、ジョージのようなアウトサイダーを嫌悪する、我々読者に対して問いを投げ返してくるラストが、何とも言えない余韻を残すんですね。

        吸血鬼ホラーの常套を逆転させると同時に、謎を解くことで別種の戦慄を紡ぎ出した構想は、著者の深い洞察に基づいているのだと思いますね。


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        2019/01/06 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      嫌われ松子の一生

      山田宗樹

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ただ、愛されたかっただけ。それのみに執着しすぎた女の末路を壮絶に描いた長編。ある事件がきっかけで連鎖的に波紋が広がり、道を踏み外してしまった松子。転落していく人生に、時には聖女に、時には般若になり、自分を相手を傷つけながら愛を求め続ける。出会った人たちに爪痕を残して逝った女の生き様。愛に生きるってことはエネルギーを放出し続けるってことなのね。 >> 続きを読む

        2018/11/17 by かんぞ~

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      機工魔術士 enchanter

      河内和泉

      スクウェア・エニックス
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 一番好きな作品。
        前半はお色気コメディっぽいけど進むにつれてどんどんシリアスに面白くなっていく。
        テーマがなかなか他にないもので面白い。キャラもホント魅力的!
        あと絵の上手くなり方が半端ない…
        >> 続きを読む

        2015/07/29 by うえんつ

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ギリシア・ローマ名言集

      柳沼重剛

      岩波書店
      カテゴリー:人生訓、教訓
      5.0
      いいね!
      • とても面白かった。
        はっとさせられる、考えさせられる、深いことばや機知や智慧がそこにはあった。

        古代ギリシャ・ローマに学ぶことは、やはり今もってはかりしれない。

        時折読み返し、またいろんな他の本も読んでみよう。



        「一羽の燕は春を作らず」
        (古代ギリシャのことわざ)

        「一羽の燕、ある一日が春をもたらすのではなく、同様に至福な人、幸福な人は、一日で作られるわけではない。」
        (アリストテレス)

        「事はまったく剃刀の刃に乗っているようなものだ。」(ホメロス『イリアス』)

        「食わんがために生きるのではなく、私は生きんがために食う。」(ソクラテス)

        「煙を逃げて、火に飛び込む」(古代ギリシャのことわざ)

        「賢人は敵から多くのことを学ぶ」(アリストパネス)

        「人の性格は言葉から知れる。」(メナンドロス)

        「言葉は行為の影である。」(ソロン)

        「言葉に打たれぬ者は、杖で打っても効き目はない。」(古代ギリシャのことわざ)

        「現在の難儀もいつの日か良い思い出になるであろう。」(ホメロス『オデュッセイア』)

        「堪え忍べ、わが心よ、おまえは以前これに勝る無残な仕打ちにも辛抱したではないか。」(ホメロス『オデュッセイア』)

        「愚者は打たれてはじめて知る」(ヘシオドス)

        「悩みによって学ぶことこそ、この世の掟」(アイスキュロス)

        「始めは全体の半分」(古代ギリシャのことわざ)

        「必要なことは二度でも言うがよい」(エンペドクレス)

        「一人は無人」(古代ギリシャのことわざ)

        「貧乏だけが技を呼びさます。」(テオクリトス)

        「陶器づくりの術を学ぶのに、大きな甕から始めようとす」(古代ギリシャのことわざ)

        「竪琴を轢くことを学ぶ者は、竪琴を弾くことによって、竪琴を弾くことを学ぶ。」(アリストテレス)

        「何事も無からは生じない」(ルクレティウス)

        「昔、ミレトス人は勇敢だった。」(アナクレオン)

        「怒りは一時の狂気である。」(ホラティウス)

        「喜んだ人は喜びの種を忘れるが、悲しんだ人は悲しみの種を忘れない。」(キケロ)

        「われわれは、教えることによって学ぶ」(古代ローマのことわざ)
        Docendo discimus.

        「機会は容易に与えられないが、容易に失われる。」(プブリウス・シュルス)


        「生きている限り私は希望を抱く」(ことわざ)
        Spero dum spiro  (息ある間は希望を抱く)

        「友よ、われわれはこれまでに不幸を知らずにきた者ではない。ああ、もっと辛い事にも耐えてきたのだ。これにも神は終わりを与えよう。…辛抱せよ、幸せな日のために自重するのだ。」
        (ウェルギリウス『アエネイス』)


        「人生は人間に、大いなる苦労なしには何も与えぬ」(ホラティウス)

        「後の日は前の日の弟子である。」(プブリウス・シュルス)

        「幸運の女神は、自分が大いにひいきにするものを愚かにする。」(プブリウス・シュルス)

        「私は生きおえた、運命が私に与えた筋道を、私は歩きとおしたのだ」(ウェルギリウス『アエネイス』)

        「何を笑うのか?(登場人物の)名を(お前の名に)変えれば、この話はお前のことを言っているのだ。」(ホラティウス)
        Quid rides? Mutato nomine de te fabula narratur

        「遅れは危機を引いてくる。」(古代ローマのことわざ)

        「多読より精読すべきだと言われている。」(小プリニウス)

        「力があると思うゆえに力が出る。」(ウェルギリウス『アエネイス』)
        Possunt, quia posse videntur

        「喉が渇いてからやっと井戸を掘ることになった。」(プラウトゥス)

        「髭は哲学者を作らない。」(古代ローマのことわざ)

        「確実な平和は、期待されるだけの勝利にまさり、かつ安全である。」(リウィウス)

        「すべての日がそれぞれの贈り物を持っている。」(マルティアリス)
        Omnis habet sua dona dies.
        >> 続きを読む

        2012/12/21 by atsushi

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      神の守り人

      二木真希子 , 上橋菜穂子

      偕成社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • どうしても現実(今の日本や世界)とリンクさせて読んでしまう。


        バルサやタンダの、冷静さ、人間の可能性を最後まで信じてあきらめない姿勢、大きくて広い心、やさしさ。


        「ここに集まっている者は、南部・北部という区別よりも、まず、ロタ王国の臣民ではないのか?」
        「ならば、なによりも、国を安定させることを第一に考えるがよい・・・・・富をもつ者に、より多くの権力を与えることに、どんな平等があろうか」
        というロタ国王ヨーサムと王弟イーハンの賢さ。視野の広さ。冷静さ。公正さ。

        累進課税?に反対する豊かな南部に住む者たち。北部の老人もかたくなに「穢れた」羊をふやすことに反対する。
        「おのれの欲望、権力、かたくなな偏見、身勝手さをむきだしにして、はてしなく議論を続ける男たち」と嘆くイーハン。

        「惨殺されてしまった者たちの命はかえらぬが・・・」「もう二度とこんなことをおこしてはならぬ」「われらロタ王族は記憶を風化させてしまったわけだ。政と財政だけに全身全霊を注ぐうちに・・・」「これからも、かくじつに子孫に伝えなければな」

        「タルのような異族が不幸であることは、かならず、国をゆるがす。彼らを、幸福にせねばならぬと、わたしも思っている。・・・・・・糸を片方にゆらしてはならぬ・・・」


        そして「カミサマ」・・・。アスラにとって「カミサマ」とは? アスラは解放されるのか?

        アスラをつれたバルサは、彼女を救うことができるのか。


        ドキドキの「帰還編」に続く。
        >> 続きを読む

        2013/02/13 by バカボン

      • コメント 4件
    • 7人が本棚登録しています
      神の守り人

      二木真希子 , 上橋菜穂子

      偕成社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 「よい人をすくってくれて、悪人を罰してくれる神には、まだ一度もあったことがない。悪人を裁いていくれるような神がいるなら、この世に、これほど不幸があるはずがない。」

        「命あるものを、好き勝手に殺せる神になることが、幸せだとは、わたしには思えないよ。・・・・そんな神が、この世を幸せにするとも、思えない。」

        「そんな力をもてば、どんな人間でも、かならず、独善的な暴君になるだけだ」

        「たしかに、この世には、残酷な人がたくさんいる。そいつらに殺されそうになっている人を見たら、なんとかして、たすけたいと思う。・・・そうできる力があったら、と思う。だけど・・・。むりだよ。人を自由に殺せるような、神の力をもつなんて・・・・どんな心の清い、つよい人だって重すぎると、おれは思う。・・・そんな力で、人を幸せにすることなんて、きっとできないよ。」



        人の心の弱い部分(不満、怒り、神や権力に頼りたくなる心)を利用して、アスラの力(恐ろしい神の力)を手に入れ、国を自分の思うようにしようとしたシハナ。ほんとうに巧みで、これでは騙されても仕方ないかも。いや、シハナ自身、神の力さえあればなんでもできる、それがみんなの為になると信じていたのだ。


        でも、人を殺すことはこれ以上ない不幸。どちらにとっても。
        人を不幸にすることで、自分が幸せになることは絶対にない。

        「人を傷つけるということーー人を殺すということ。その意味を実感したときには、もう、なにもかも手おくれなのだ。後悔もなにも、役に立たない。苦悩は一生魂につきまとい、消えることはない。
        ・・・・・人に槍をむけたとき、おまえは、自分の魂にも槍をむけているのだ。」


        そして神も権力。権力、力では幸せにはなれないのだ。


        「この子は、どちらかというと、おくびょうで、こわがりだったよね。それなのに、おそろしい神の力をつかえるようになって、憎しみを思うぞんぶんたたきつける快感を知っても、人を殺すまいと思った。それよりは、神をわが身に封じようとした。・・・そんなこと、わたしにはとてもできないよ。 この子が生きてはいけないなら、わたしなんぞ、とうに死んでなきゃならない。

        だけど、わたしの生き死にを、人にどうこういわせる気はないね。

        アスラが目ざめるかどうかは、アスラが決めることだよ。」


        アスラの魂は帰ってきているのだ。


        「神」の来訪編と、「魂」の帰還編。よかった!
        >> 続きを読む

        2013/02/14 by バカボン

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    • 7人が本棚登録しています
      楽園

      岩井志麻子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • どうしてヒロインは男の幽霊に取り憑かれたのか?…と思っていたら最後の最後で衝撃の結末が。
        なるほど死の匂いがするわけだ。
        >> 続きを読む

        2018/01/26 by kikima

    • 1人が本棚登録しています
      セカンド・ショット

      川島誠

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 実は繊細だったりする。もっと書いてくれればいいのに。。

        2011/03/29 by yasuo

    • 2人が本棚登録しています
      症例A

      多島斗志之

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 心理学を勉強しています。なので、興味を持って読ませていただきました。精神分析を一刀両断しているあたりなど、とても面白かったです。ただ・・・他の方もおっしゃってますが、わたしもやっぱり、「結」に納得できず。恋愛絡めなくてもよかったんじゃ?雑誌連載ものなのかな?尻切れトンボというか、オチがイマイチというか・・・。無理やり終わらせた感は否めません。 >> 続きを読む

        2014/01/31 by ともぞう

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    • 6人が本棚登録しています
      いつでもいっしょだよ

      SchulzCharles M

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • スヌーピーって文句なくカワイイです!!
        スヌーピーと聞くとどうしても思い出すのは「ライナスの毛布」。
        「ブランケット症候群」というのが正式名称?みたいですが、誰にでも有るものなのかもしれませんね。

        わたしにとってのライナスの毛布はなんだろう??
        >> 続きを読む

        2012/04/03 by tamo

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      フレームアウト

      生垣真太郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 映画編集者のデイヴィッドが眼にした一分足らずのフィルム。
        そこには、白いドレスを血に染めてくずおれる女が写されていた。

        女の顏は確かに、B級映画の女王と謳われたアンジェリカ・チェンバースのはずだが、なぜ彼女がこんなフィルムに姿を見せているのか?

        作り物というには生々しすぎるこの映像は、本当の殺人を写したものではないのか?-------。

        第27回メフィスト賞受賞作として世に出たこの小説、アメリカを舞台にとり、殺人フィルムにまつわるサスペンスフルな物語を紡ぎ出していくところは、メフィスト賞には稀な洗練された作風ということもできるが、ここにもやはり現代日本の本格ミステリらしさが刻印されていると思う。

        京極夏彦に代表される、我々の現実認識の危うさを暴こうとする志向がくっきりと表わされているからだ。

        フレームとは、映画のコマの意味で、映画の観客はコマの外を見ることができないし、編集によって切り捨てられたコマに何が写しこまれているかを知ることもできない。

        それと同じように、我々の見ている現実の陰にも、不気味に笑う編集者がいるのではないだろうか。
        そんなことを考えさせる作品なのだ。

        >> 続きを読む

        2019/01/08 by dreamer

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      大型版 あらしのよるにシリーズ(6) ふぶきのあした (大型版あらしのよるにシリーズ)

      あべ 弘士きむら ゆういち

      4.0
      いいね!
      • 「あらしのよるに」シリーズの第6弾。
        メイとガブの物語もいよいよクライマックス。

        「ひみつのともだち」が秘密でなくなってしまったため、逃避行をするメイとガブ。
        遥か彼方の山の向こうには、ヤギとオオカミが仲良く暮らしても、何も言われない土地があると信じて。

        だが、「約束の地」へは、吹雪が荒れ狂う山道を抜けなければならない。
        その上、ガブを追う、追手も近くまで迫っていた・・・。

        メイとガブは、それぞれ相手を思うあまり、自分が犠牲になろうとする。

        そこまで相手の事を思いやる事は尊い、と思う。
        が、そういう事は、かえって残った方を苦しめてしまうのでは、という気がする。

        たとえ善意からであっても、残った方は、常に「他に方法はなかったのか」と、自分を責めてしまう事になるのでは?
        さらに、なによりも相手を孤独にしてしまう。

        「君のためなら、死ねる」
        というのは、ドラマの中では、カッコいいし、感動的な場面になる。

        が、現実では残った方を苦しめるだけにしかならない気がする。
        (まあ、現実にそんな状況に陥るような事は、まずないだろうが・・・。)

        メイとガブにはカッコ悪くて、ドラマ的に盛り上がらなくても、違う選択をして欲しかった。
        それでは物語にならないか・・・。
        >> 続きを読む

        2014/06/15 by Tucker

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      山田詠美

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      いいね!
      • 10代の頃はこの著者の本をいくつか読んだことがあったのですが、久しぶりに気分転換で選んでみました。

        基本的に小説などは特別好んで読まないので、個人的には本当にいつも読んでいる本をちょっと横に置いて気分転換という感じで読み終えました。

        たぶんこういうタイプの話を読むにはちょっと年を取り過ぎてしまったのかな(苦笑)
        普通に楽しめましたが、それ以上でもそれ以下でもなくという感じなので評価はなしです。
        >> 続きを読む

        2019/05/12 by Mika

    • 12人が本棚登録しています
      寄生獣 完全版 -  1

      岩明均

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • どこから生まれ、何のために生まれたかわからない謎の寄生生物と
        人間の共存と争うを描く物語です。

        少し怖い話ですがおすすめ
        >> 続きを読む

        2014/04/25 by アライグマ

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