こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


2003年5月発行の書籍

人気の作品

      おれは非情勤

      東野圭吾

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 初期の東野圭吾はこういうミステリをよく書いており、これもその1編だが、小学生向けに書かれているというのがポイント。

        とはいえ主役は非常勤講師の男であり、子供たちとの付き合いはせいぜい数か月なので後腐れないように淡々と。
        だが学校内ではなぜか事件が起きる。

        謎を先に提示して、それはダイイングメッセージだったり、変てこな文だったり。
        それは子供たちが関わっており、いかにして非常勤が謎を解いていくのか。

        「10X5+5+1」の真相が何ともゾワッとする後味であり、「ムトタト」や「カミノミズ」の意味もよく練られていて、これ1作品で終わるのが勿体ないくらいだ。
        >> 続きを読む

        2021/06/28 by オーウェン

    • 他7人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      朗読者

      ベルンハルト・シュリンク , 松永美穂

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 【何故ハンナは罪を受け入れたのか?】

         15歳の主人公ミヒャエルは、ひょんなことから年上のハンナと関係を持つようになり、その度に様々な本の朗読を求められるようになります。
         ミヒャエルは、求められるままに本を朗読してやりました。
         ですが、ある日突然ハンナは主人公の前から姿を消してしまうんです。

         その後、ミヒャエルは大学に進み法史学を学ぶようになります。
         一方のハンナはナチスの戦犯として法廷で捌かれることになります。
         ミヒャエルはその法廷を傍聴するのですが、ハンナは人道にもとる罪で裁かれていました。
         訴追された事実の一つは、アウシュビッツに収容されていた若者を自室に招き入れ、本を朗読させていたということでした(それ自体は事実なんです)。
         それは看守の地位を利用していかがわしい行為を強要していたのに、その意味をねじ曲げた報告書を作成して隠蔽していたとして訴追されていたのです。

         ミヒャエルは傍聴を通じてハンナが文盲であることに気づきました。
         だからこそ、自分にも、収容者にも朗読を求めたのだと。
         ハンナは自分が文盲であることを明かそうとせず、有罪判決を受け入れ刑に服する道を選ぶのです。

         その後、主人公は、刑務所に収容されているハンナに宛てて、朗読テープを送り続けるのです……。

         ハンナは何故、自分が文盲であることを明かし、無実を主張しなかったのでしょう?
         プライド? それだけのことでは説明しきれないと、私には思えました。
         彼女にとって、文字とは一体どのような意味と重さをもっていたのでしょうか。
         そして、ミヒャエルや、その他の人達に朗読を求めたのは、どのような気持ちからだったのでしょうか?
         知に対する欲求?
         それは彼女にとって『罪悪』と感じられることだったのでしょうか?

         深い余韻と読後感を与える良作です。
        >> 続きを読む

        2021/10/23 by ef177

    • 他7人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      ビタミンF

      重松清

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 2001年の直木賞作品
        腰帯に最泣の一冊 100%涙腺崩壊と書かれているので購入。
        「ん~泣けませんでした」
        40歳ぐらいのアラフォーお父さんの短編集。
        お父さんの不器用な子供との関係が赤裸々に描かれています。
        個人的には私は世代がもう少し上なのと2001年という時代が
        現在の時代とは少し違うのかなと感じる。
        コロナ禍もあり、家族の接し方も変化し、子供も同様で20年前とは
        親との接し方、学校の友達関係も・・・って現代に置き換えてもしょうがないんですが(笑)
        非常に読みやすく淡々としていたが、ちょっと刺激不足で平均点。
        >> 続きを読む

        2021/05/25 by わくさん

    • 他6人がレビュー登録、 33人が本棚登録しています
      ネバーランド

      恩田陸

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! niwashi
      • 体も心も大人に近づきつつもまだ親の保護下から抜けられない微妙な少年たちの触れ合いが描かれている。

        7日間という短い期間だが、他には誰もいない寮で、はじめはそこまで深く知り合っていなかった4人が、それぞれ心に抱えたいた悩みを少しずつさらけ出し語りながら、濃密な時間を過ごし、打ち解けていくところがなんだかよかった。

        皆、親(ほとんどが父親)の都合・問題に振り回され、傷ついていたり寂しかったり、トラウマを抱えていたりと、事情は違っていても、互いに理解し、尊重しながらわかり合っていく姿がちょっとうらやましかった。自分のことに対しては子供っぽく、短絡的な考えしかできなくても、人のことはものすごく客観的に、大人に対応するところが面白かった。

        自分にはそんなに濃密な時間を過ごした同性の友達はいなかったかも。それでも、もう一度あの頃に戻りたいと思わされる秀作。
        >> 続きを読む

        2020/01/19 by Sprinter

    • 他4人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      仮面の告白

      三島由紀夫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tukiwami
      • 三島由紀夫を読むなら、まず真っ先にこの「仮面の告白」を読むべきだと思った。これを読んだ後だと「金閣寺」などの読み取りかたもかなり変わってくる。
        園子のことはきっと愛してるんですよね。でも、性癖はマッチョ好き。自分が2つに引き裂かれる感覚。つらいな、これは。知らんけど。
        明らかに変態なのに、なんで魅力を感じるんだろう‥‥‥‥三島由紀夫の人生を追うように、他の作品も読みたくなってきた。
        >> 続きを読む

        2019/08/31 by たい♣

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 29人が本棚登録しています
      ボーン・コレクター

      池田真紀子 , DeaverJeffery

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 【究極のArmchair-Detective】

         大変評判が良いので、初めてジェフリー・ディーヴァーの作品を読んでみました。これがリンカーン・ライム・シリーズの第一作目で良いですよね?
         このシリーズの主人公はリンカーン・ライム。元警察官で、現役時代はN.Y.市警の中央科学捜査部長。捜査中に事故に遭い、全身麻痺の寝たきり状態になっています。
         まさしく究極のArmchair-Detective(安楽椅子探偵)ですね。
         科学捜査の鬼でして、とにかく物証を収集・分析することに精力を傾けます(動機なんて興味無いと、極端なことをおっしゃる)。

         この作品の犯人はどうやら、タイトル通り、人間の骨を集めているようです(まだ上巻を読了した時点なのではっきりした状況は判明しませんが)。サイコ・パスと感じるんですけどね。
         最初は空港でタクシー待ちをしていた男女2人組を誘拐し、二人とも殺害してしまいます。
         既に引退して、自殺を考えていたリンカーン・ライムのもとに、元同僚らがやってきてこの事件についての助言(というよりは、実質的な捜査指揮)を頼み込みます。
         最初はやる気が無かったのですが、捜査報告書を見ているうちにいてもたってもいられなくなり……という展開。
         犯人は、死体のそばに次の犯行を予告するかのような証拠物をわざわざ残しているかのようです。ライムはその証拠物を分析することにより着実に犯人を追い詰めていきます。
         
         非常にテンポ良く物語が進んでいくのでどんどん読み進んでしまいます。
         リンカーン・ライムは、性格的には褒められたもんじゃないですが、捜査の手腕は超一流の様ですし、何よりも科学的捜査を徹底しますので、その辺の面白さがこのシリーズの魅力なのかなと感じます。
         まだ上巻を読んだ時点なので最終的な評価は何とも言えませんが、ここまで読んだ限りでは評判が良いのも頷けます。
         下巻に期待ですね。
        >> 続きを読む

        2019/08/22 by ef177

    • 他4人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      素晴らしい世界

      浅野いにお

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.6
      いいね!
      • 2014年に読んだ本整理中

        2014/12/31 by ブービン

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      無人島に生きる十六人

      須川邦彦

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! niwashi
      • 明治31年、帆船・龍睡丸が太平洋上ハワイ島近くで座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁の小さな島(パールエンドハミーズ礁)に漂着しました。
        そこで16人の海の男たちが救援がくるまでの3ヶ月以上、その無人島で生き延びた、実話に基づく話です。

        文章のテイストが、明るく楽しく書かれているので、さらっと通りすぎてしまうんですが、よくよく考えて見ると九死に一生の難破です。9割り以上あの世に足を突っ込んでいたと思います。全員無事に島に辿りついたのは奇跡です。

        島に上陸してからは、より良く前向きに無人島生活をするための16人のすばらしいアイデアが数限りなく発揮されていきます。

        我々現代人にはいろいろと便利なものが与えられ過ぎてしまい、この創造工夫の精神・知恵が失われてしまっていると、身に詰まされる思いがします。
        もっと身の回りのものをシンプルにして生活できないものかと考えてしまいます。余りにモノが溢れている現代。

        それにしても、無人島に取り残されそのままそこで一生を終えるかもしれないという状況なのに、16人の超ポジティブな考え・生き方は何なんでしょう!
        過酷な状況でも生き抜こうとする力は時代や環境が変わっても大切ですね。

        とにもかくにも、終始一貫楽しく明るく物語が書かれていることが、この本の一番の魅力だと思います。
        >> 続きを読む

        2018/02/01 by Reo-1971

    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      涼宮ハルヒの憂鬱

      谷川流

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 中学から高校に入学するまでの時期にハマった本。主人公キョンが高校に入学したところからストーリが始まるので感情移入がしやすかった。

        その頃の自分は本も読んで勉強もできたつもりだったが、本も読まないし勉強もできない主人公のナレーションが明らかに自分より頭が良くて愕然としたのを覚えている。「高校生ってこんなに頭いいのか・・・」となった。

        キョンの立場がとても羨ましかった。この本のせいで、高校に入ったら自分から行動せずとも女子と仲良くなれて休日に遊べるのだと勘違いさせられた。


        あとから見返してみると表紙のハルヒは可愛くないし、挿絵もあんまりだった。アニメの絵は可愛くて、そっちのイメージが強い。
        >> 続きを読む

        2016/04/06 by ryochan333

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      りかさん

      梨木香歩

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! niwashi
      •  『りかさん』は、「りかさん~養子冠の巻、アビゲイルの巻~」と「ミケルの庭」の2つの話から成っていますが、『からくりからくさ』の前後譚ともいうべきもので、時代順としては「りかさん」『からくりからくさ』「ミケルの庭」となります。

         ようこは、リカちゃん人形が欲しかったのですが、人形に詳しいおばあさんから、プレゼントされたのは、市松人形の「りかさん」でした。

         最初は、がっかりするようこですが、だんだん、りかさんの不思議な魅力というか、力によって色々な人形たちの声が聞こえ、スクリーンのようにその人形の歴史を見ることになります。

         おばあさんは、女の子は人形遊びをしないと疳が強くなるからね・・・と言います。
        最初は、りかちゃん、と呼んでいるのを、「話しはじめた」りかさんが

        「すこし言いにくそうに、私のこと、りかさん、と呼んでくださらない?」

        と申し出ます。(この言葉で、りかさん、というのがただの「少女」でないことがわかります)

          しかし、ただ飾ってあるだけだったような雛人形は、りかさんの登場によって、ようこの目には話しが聞こえ、動きが見えるようになります。
        なんと、ひな壇の人形たちの「人形関係」は大変、悪いのでした。

        ―悔しやのう、悔しやのう。
        ―うるわしのせのきみ、うるわしのせのきみ。
        ―おのれ、悪党め、おのれ、悪党め。

         あの雛人形一式って、考えてみれば、男雛と女雛の2人を頂点としたピラミッド人間関係そのもので、ようこの家の雛人形たちは、ばらばらに大騒ぎしていることに、ようこも驚きますが、私も驚きました。

          人形になぐさめられる話はあっても、ようこは、りかさん(そして困ったときのおばあさん)という助けのもと、人形たちの遺恨をひとつずつ晴らしていく、という物語。

         ようこは、人形たちを一生懸命なぐさめようとしています。
        おばあさんもりかさんもとても寛容です。そして、大変、物事を冷静に見ています。

         いつも寛容であること。
        それは、「かわいい」と心の底から感じることだ・・・と言いますが「かわいい」という言葉の、その向こうには、きちんと検証されていないで放っておかれた膨大な闇が屈んでいる、ともあります。

         不思議なものを不思議なままに、追い詰めることなくすらり、と書ききる梨木さんの文章は相変わらず、読みやすく、気持よいものでした。
        >> 続きを読む

        2018/07/07 by 夕暮れ

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      半身

      WatersSarah , 中村有希

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • サラ・ウォーターズのサマセット・ムーム賞受賞作「半身」を読了。

        1874年9月、ロンドン。マーガレット・プライアは、慰問の貴婦人として、テムズ河畔に建つ五角形の獄、ミルバンク牢獄を訪れ、そこで出会った、クリヴェッリの描く天使か聖女の絵を思わせる、静謐な雰囲気を持った、美しい女囚に心を惹かれます。

        その女囚は、シライナ・ドーズ。まだ19歳という若い霊媒師で、罪状は詐欺と暴行。
        シライナが世話になっていたブリンク夫人が、降霊会で起きたアクシデントを目撃してショック死、シライナがその責めを負うことになったのです。

        シライナは、度々不思議な出来事でマーガレットを驚かし、それらは全て霊によるものだと語ります。
        シライナに強く惹かれたマーガレットは、慰問のたびに彼女を訪れ、シライナもまたマーガレットの来訪を待ち望むことに-------。

        物語は1974年のマーガレットの日記と、その丁度2年前、1972年のシライナの日記から交互に語られていきます。

        マーガレットの日記から伝わってくるのは、疎外感や喪失感、そして絶望。
        まだ30歳にもなっていないマーガレットに対する「老嬢」という言葉が、非常に残酷に響きます。

        一方、シライナの日記に書かれているのは、主に降霊会の場面。
        トリックを使う霊媒師も多いということが強調されてはいるものの、まだまだ迷信と科学が混在している、19世紀のイギリスが舞台ということもあり、それらのオカルティックな部分が、現代とは一味違う真実味を持って迫って来ます。

        もちろん日記形式なので、書いている本人のことが、客観的に描写されることはなく、特にマーガレットのことについて、なかなか具体的なことが分からないのがもどかしかったのですが、詳細で丹念な描写によって、陰鬱なミルバンク牢獄の情景が、目の前に広がるようでした。

        このミルバンクの情景以外は、登場人物たちの思考回路にしても、ヴィクトリア朝というよりも、むしろ現代的なものを感じるような気がしましたね。

        しかし、この結末は凄いですね。これには本当に驚かされました。
        まさかこう落としてくるとは、想像もしていませんでした。

        途中の過程が、やや長すぎるように感じていたのですが、これまでの丹念な描写の積み重ねは、このラストのためにあったのですね。

        こつこつと築き上げられてきた世界が、一瞬にして崩壊する様は圧巻。
        ここにきてようやく、囚われていたのは、囚人だけではなかったことに気付きました。

        ミルバンクという存在は、それらの囚われた存在を象徴し、この世界の危ういバランスを保っていたようですね。

        >> 続きを読む

        2021/12/17 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ブッタとシッタカブッタ

      小泉吉宏

      メディアファクトリー
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.7
      いいね!
      • 久々の読書ログレビューにして、初の4コマ漫画本のレビューです。

        「ブッタとシッタカブッタ」は、私が中学生だったときの先生が一部抜粋し紹介していた本ですが、なかなか含蓄のある漫画だと思いました。

        「好き/嫌い」という感情の大元にあるもの、そして「存在」というより深入りした哲学的な内容もあります。

        「そういう内容はどうも苦手だ」と言う方でも、全体的に「絵が可愛い」と言うことで親しみを持つのにはいいかなと思います。
        >> 続きを読む

        2019/05/11 by ピース

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      新訳 ハムレット (角川文庫)

      ウィリアム シェイクスピア

      4.5
      いいね!
      • 冒頭の数行を読んで、これなら読める、と思った。台詞が生き生きと迫ってきて、どんどんページをめくった。

        本書は、狂言師の野村萬斎氏が『Hamlet』上演に際して河合祥一郎氏に翻訳を依頼し、耳で聞いて実感の持てる日本語の劇的言語になるまで、音読テストをくりかえした上演台本である。なので、難解な言い回しや訳語は、ひとつもない。『ハムレット』って、こんなに面白かったのかと、初めて実感した。

        河合氏訳はまた、「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」という訳を初めて採用したものとなった。この有名な台詞の訳の歴史をたどった、訳者あとがきを興味深く楽しませてもらった。

        悲劇のはずなのに、台詞にユーモアを感じるのは不謹慎だろうか。
        でも、「Something is rotten in the state of Denmark.(何かが腐っているのだ、デンマークでは。)」や、「Words, words, words. 」には、いつも口元がゆるんでしまう。

        次は河合氏訳の『マクベス』を手に入れて、四大悲劇の残りをちゃんと読んでいこうと思う。



        >> 続きを読む

        2021/05/10 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      葬列

      小川勝己

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • お金のために中年の主婦や若者、気弱なヤクザが一致団結する。
        「OUT」に非常に似ている物語だが、違いはやはりアクションの方に振り切っている点。

        S&Wやらマガジンなど、どう見ても作者の小川さんはガンマニアか調査したとしか思えないリアリティ。
        それらを主婦がぶっ放す描写はなかなか鮮烈。

        また防弾チョッキをはじめとする防弾グッズなども、現実存在するかどうかは抜きにしても盛り上げる小道具。

        一連の流れが終わった後の実は…という展開も好み。
        特に渚というキャラは印象的で、こっちが主役になっても面白くなりそうだと思う。
        >> 続きを読む

        2018/10/19 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      将棋の子

      大崎善生

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      •  将棋のプロ棋士になるためには、
        全国から志と才能ある若者達の集まった
        奨励会という競争の場で、
        年齢制限というタイムリミットをむかえる前に
        4段へ昇段しなければなりません。
         
         本書は日本将棋連盟に20年間勤められ
        内10年間「将棋世界」の編集長をされていた筆者が、
        プロになれなかった若者達にスポットライトをあてた
        ノンフィクションとなっています。
         
         筆者自身が直接、濃密に付き合った
        若者達との思い出をつづったもので
        その目線はとても優しいのですが、
        ひるがえって無情といえるほど
        非常に厳しい現実をえがいています。
          
         プロになれなかった若者達。
        夢破れた後の彼らにももちろん人生は続いており、
        その荒波にむかう様はまさに千差万別。
        おそらくはプロ野球選手以上に狭き門であるプロ将棋棋士。
        そこに魅了された人々の人生のいくつかの形が
        ここに凝縮されています。
         
         将棋がお好きな方や
        将棋マンガで「奨励会」というものの存在をご存知な方は
        興味深く読める作品となっています。
        ぜひ手にとってみてください。 
        >> 続きを読む

        2019/05/31 by kengo

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ラインマーカーズ the best of Homura Hiroshi

      穂村弘

      小学館
      カテゴリー:詩歌
      3.5
      いいね!
      • 好きな穂村弘さんの純然たる歌集。

        「ラインマーカー」の題ですが、
        もったいなくてマーカーで印入れることができず、
        付箋んをずっと挟みこんできました。

        各、歌集単位で、好きな歌が偏っているような、
        まずは気になった歌からあげていきます。

        【シンジケート・#01】

        体温計くわえて窓に額つけ「ゆらひ」とさわぐ雪のことかよ

        「猫投げるくらいがなによ本気だし怒りゃハミガキしぼりきるわよ」

        【シンジケート・#02】

        ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は

        サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

        「さかさまに電池を入れられた玩具の汽車みたいにおとなしいのね」

        「耳で飛ぶ象がほんとうにいるのならおそろしいよねそいつのうんこ」

        【シンジケート・#03】

        抜き取った指輪孔雀になげうって「お食べそいつがおまえの餌よ」

        終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

        【ドライ ドライ アイス】

        真夜中の中古車売り場で思い切り振って渡した三ツ矢サイダー

        キスに眼を閉じないなんてまさかおまえ天使に魂を売ったのか?

        校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け

        「童貞に抜かせちゃ駄目よシャンパンの栓がシャンゼリアを撃ち落す」

        【蛸足配線】

        約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき

        さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり

        こんなめにきみを会わせる人間は、ぼくのほかにはありはしないよ

        【手紙魔まみ、夏の引越し】

        目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき

        【手紙魔まみ、意気地なしの床屋め】

        このピンク、この柔らかさ、本物の魚肉ソーセージでございますよ、閣下

        『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』をみせてあげたら夢中で齧る

        【手紙魔まみ、完璧な心の平和】

        ハロー 夜。 ハロー 静かな霜柱。 ハロー カップヌードルの海老たち。

        【手紙魔まみ、ウェイトレス魂】

        お客様のなかにウェイトレスはいませんか。 って非常事態宣言

        なれというなら、妹にも姪にでもハートの9にでもなるけれど

        なんという無責任なまみなんだろう この世のすべてが愛しいなんて

        これと同じ手紙を前にもかいたことある気がしつつ、フタタビオクル

        【ラブ・ハイウェイ】

        冷蔵庫が息づく夜にお互いの本のページがめくられる音


        400首が一冊にまとめられています。

        こうして並べてみて、一番はといわれると、

        終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

        でございまする・・・・・・。

        >> 続きを読む

        2018/04/24 by ごまめ

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      伊豆の踊子

      川端康成

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 夏の山に降る雨と爽やかな山道をはっきりと思い描くことができた。
        描写がすばらしい。

        2019/10/15 by REM

    • 他1人がレビュー登録、 27人が本棚登録しています
      だめだこりゃ

      いかりや長介

      新潮社
      カテゴリー:大衆演芸
      4.0
      いいね! KEMURINO
      • 戦後、米軍キャンプ、JAZZ。「女にモテたい」とベース片手にバンドマンを目指した若き日の長さんが歩んだ道のりが凄すぎる♪

        紆余曲折あるが、伝説の武道館、ザ・ビートルズ初来日コンサートの前座を大人の都合で。務めることになってしまい、一発生演奏とギャグをかまして、アンプのジャックを引っこ抜き、長さん『退却!』の一言で、会場を去る、粋な心意気こそ、後に国民皆んなが、熱中したザ・ドリフターズの原点に思えた。

        修行を積んだ芸人、お笑いタレントではなかった、バンドマンたちが、テレビという当時のニューメディアに飲み込まれながら、芸を築いでしまった過程がすごくリアルで面白い自叙伝!

        バンド名の由来、「流れる」「漂流者」が、ロックやパンクスピリットに通じていて、改めて日本のエンタテイメントの礎を築いた流れ者だったんだ、と感動の書!
        >> 続きを読む

        2021/02/15 by まきたろう

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      魚籃観音記

      筒井康隆

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • ▶「BOOK」データベースより)
        童貞歴一千年孫悟空が、神と畜生の垣根を乗り越えて、観音様と禁断の関係に踏み込むポルノ版西遊記「魚籃観音記」。市街戦が発生するなか、ホームドラマのロケ隊が“日常的描写”にこだわって撮影を続ける倒錯状態を描いた「市街戦」。他に「分裂病による建築の諸相」「谷間の豪族」など全10編を収録。ポルノ、スラップスティック、ホラー、ジャズと筒井ワールド満載の絶品短編集。

        ▶内容(「MARC」データベースより)
        駘蕩たる南風が悪いのか、観音様と孫悟空が禁断の関係に。度肝を抜くポルノ西遊記ほか、猛毒ドタバタ、ジャズ愛、甘美な幻想、全部入った作品集。
        --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
        >> 続きを読む

        2018/05/23 by rikugyo33

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      二十歳の原点

      高野悦子

      新潮社
      カテゴリー:個人伝記
      4.0
      いいね!
      • 1969年に自死を選んだ大学生の日記。
        ネットの何かのおすすめ記事に影響されて読んでみた。
        累計230万部発行されているそうだ。

        とにかく等身大。
        当たり前だけど全部本音。
        多くの人に読まれているのは時代を超えて似たような感情を皆持つからだと思う。

        自身が生まれる前の「知らない時代」の人って何を考えているか想像するのは難しい。
        1969年だけど“戦後”って雰囲気は文章からはまったく感じない。
        歴史書でも小説でもなく、プライベートな“日記”は非常に心に響く。
        まったく古いと感じなかった。

        「私は誰かのために生きているわけではない。私自身のためにである。ホテルのソファに坐りながら、自殺しようと思った。 」
        この言葉と最後の詩が印象的。


        あとがきの父親の言葉も重い。
        「せめて、何でも言える友人、共闘の同士、恋人、誰でもよい、一人でもいてくれたらと思います。」
        本当にこの言葉に同感。
        >> 続きを読む

        2021/09/25 by W_W

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています

出版年月 - 2003年5月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本