こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


2003年5月発行の書籍

人気の作品

      おれは非情勤

      東野圭吾

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • おれは25歳の非常勤講師。
        産休や急病、急死した教員の代理として短期間だけ生徒を受け持つ代理教師だ。
        生来の仕事嫌いで正門を出たら仕事は終わり、というのが主義だ。
        「もしおれが真の教育者なら、非常勤で満足しているはずがないだろうが。」
        といいながらも……なんだかんだ、かかわってるじゃね~の。(^^)
        去りゆく前に子どもに語る言葉から彼の本音が覗ける。
        人間ってどうやって生きていけばいいんだろう?お前たちよく生きろよ。そんなメッセージだ。

        部外者の目で見るから見えてくる子どもの顔やクラスの雰囲気。
        彼はそんな違いに繊細に気づいている。
        そして短い時間だからこそ先入観や贔屓目なしに生徒を直視できる。
        そして恐れがない。

        おれの子どもに対する態度は大人としての強さがあるし、人間としては平等だ。

        ここが巷によくいる先生方とは違う点なのだ。
        多くの教員は子どもの顔色をみておもねるか、子どもの気持ちを無視するか、子供扱いするかのどれかなのだ。

        非常勤は別ればかりの職業だ。
        「非常勤講師なんて契約社員と一緒。必要以上に親しくなったって仕方ない。」
        それは彼の心を守るためのポーズ。やせ我慢なのかもしれない。
        非常の文字が非情なのは、そう言い聞かせないとやっていられないから。
        ああ。だからこの小説をハードボイルドだって感じるわけね。なるほど。

        しかし、忘れ去られる人かどうかは、過ごした長さだけではない。
        非常勤ではない教師だって公立学校では数年で移動になる。
        卒業して数年もすれば、母校を訪ねても誰ひとり知っている先生は残っていないわけだ。
        小学生というもっとも心の柔らかい時期に、成長に重要な瞬間がどれだけたくさんあるだろうか。
        そのチャンスに何度も立ち会えるおれは幸せではないか。
        その巡り合いの一瞬に彼の残した言葉を受け止めて生きていく子供がどれだけいるだろう。

        そんなナイスガイな先生に出会えないと嘆く子供がいたら、まあ、こんな本でも読んでみなよ。
        そう言ってあげよう。

        謎解きよりも子どもの抱えている問題の解決方法に痺れます!

        東野圭吾も先生には悩まされた人らしい。
        きっと彼が求めている先生ってこんな人だったのかもしれないね。

        一文字、二階堂、三つ葉、四季、五輪、六角、
        小学校の名前が章ごとに数字になっている。手抜きなのかこだわりなのか。


        【目次】
        第一章 6×3  
           着任早々、体育館で女教師が殺害されるという大事件に遭遇。
           死体の脇に6×3と読める「ダイイングメッセージ」らしきものが残されていた。
           クラスにはいじめ問題が起きていることもわかり…
                
           殺人事件に関してのミステリー要素はゼロです。なぞなぞと思いましょう。

        第二章 1/64
           体育の授業中、教室内で起きた財布の盗難事件。クラスの中の生徒が犯人と思われる。
           「犯人を突き止めるのが一番いいでしょうね」
           それと関係があるのかどうか、5年3組には子供だけの秘密があるようだ。
            
        第三章 10×5+5+1
           新任の若い教員の死亡事故のためか、子どもたちが異様に大人しい。
           実は自殺と思わせた殺人事件なのでは?
           警察も調べを継続しているようでおれに接触してきた。
           死の直前に教室の黒板に書き残された数式が意味するものは?

           これ真相はあまりにも唐突で嘘くさいし数式の意味はとっても簡単。
           なんとなくミステリーになっているのは、道筋の付け方がミステリー手法に沿っているから。

        第四章 ウラコン
           学校の向かいのマンションのベランダから飛び降りようとしているのはおれの生徒だ!
           必死で救いに走るおれ。原因はウラコンにあるとにらんだおれだが、生徒達は口を閉ざす。
           このクラスだけ異様に仲良しなのにもなにか理由があるのか。
            
           この時代はハガキだけれど今はもっと簡単にインターネットが使えてしまう。
           「わざわざ嫌いな人間を探す必要もない」
           私たちも、このおれのメッセージ。心に残しておきたいですね。

        第五章 ムトタト
           運動会に修学旅行。おれが苦手な行事が目白押し。
           そこに「修学旅行を中止にせよ しなければ自殺する いたずらではない」という脅迫状が。
           みんながみんな行事を楽しみにしているわけではないですよね。
            
           黒板に書かれた 先生ムトタトアケルナ の文字が犯人探しの鍵となった。
           というこの部分はなぞなぞなので超簡単ですね。
           子どもの心を開放し明るい方に向かって背中を押してあげる。ちょっと感動。
               
        第六章 カミノミズ
           授業中に突然苦しみだした少年は毒物中毒だった。
           ペットボトルの水に砒素が混入していたのだ。
           小学生が毒物を?そのボトルには「神の水」という言葉がマジックで書かれていた。
           警察も事件として動き出し、子供を守るために真相解明に乗り出すおれが見たものは?

           事件は、子供ならではの意外性があります。
           「子供に飯だけくわして、その子供がどういうふうに育つかは知ったこっちゃない
           という顔をする親がいたら、無責任だと思うだろう?」
           解決しておしまい、でないところがいいですね。

        確かにおれに再登板して欲しいかも。もうちょっと大人な事件で、もうちょっと長い物語で。

        放火魔をさがせ
        幽霊からの電話
           小林少年が登場するこの2篇はさらに昔の短編で、語り手も小学生。
           なので、本当にごく軽い読み物で、謎は小学生レベルで解ける謎です。
           幽霊からの電話はハートウォーミングな仕上がりでなかなか。です。
           でも自宅の電話番号掛け違いってほぼありえませんよね。
        >> 続きを読む

        2015/10/13 by 月うさぎ

      • コメント 4件
    • 他6人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      ビタミンF

      重松清

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!

      • 重松清の第124回直木賞受賞作「ビタミンF」を読み終えました。
        読み終わって本を閉じたら、ぽっと暖かい湯気が立ったような気がしました。

        人生は理不尽で残酷だけど、そう悪いものではないかもしれない。
        家族って、時にはお互いを息苦しくさせるものだけど、やっぱりいいものだなと素直に思いました。

        現代の家族を描いて定評のある著者・重松清による七編からなる物語。
        思春期の息子、娘と父、妻と夫、老父と息子。
        さまざまな家族の日常に潜む疵や悲しみや怒り、そして救いを丁寧なディテールで読ませていく。

        「三十八年も生きて、じゅうぶんにおとなになって、幽霊が怖かったこどもの頃よりもずっと心細い思いで夜道を歩かなければ」ならないサラリーマン。

        「おやじ狩り」の少年たちに立ち向かう姿は、決してカッコよくはない。
        彼を支えるのは、幼い時にくちずさんだ「仮面ライダー」のテーマソングだ。

        四十歳近くなった父親から、遠く離れてゆく娘や息子たち。
        本当にもう分かり合えないところに、子供たちはいるのだろうか。
        大人になった親は思い出す。自分にだって不安におびえた思春期があったことを。
        親がうっとうしく情けなく思ったことを。

        十代の若者たちが変わってしまったと、したり顔で嘆くのは簡単だ。
        ある本で読んだのですが、子供の家庭内暴力やひきこもりに悩む親に共通したのは、言葉の貧困さでした。

        精神医学用語をふんだんに使うけれど、子供に対する生身の感覚を感じることがないんですね。
        どうしてだろうと思っていたら、両親の間に会話らしい会話がないままに、年月を重ねたケースがあるみたいなんですね。
        家族の中に言葉がない、そして、それを自覚していないことこそが問題なのだと思う。

        この小説は、不器用な家族が、次第に言葉を得てゆく物語なのかもしれない。
        「きっかけがつかめない。歌でいうなら、歌い出しの音の高さを決められない」家族たち。
        この物語は、家族というハーモニーを奏でている。そこが、素晴らしいと思う。

        >> 続きを読む

        2018/12/09 by dreamer

      • コメント 3件
    • 他5人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      朗読者

      ベルンハルト・シュリンク , 松永美穂

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 読後に自分の中でたくさんの宿題が残るストーリー。
        切なさとやり切れなさでいっぱいになった。

        舞台は第二次世界大戦後のドイツ。
        主人公ミヒャエルが15歳の時に愛し合った
        36歳の女性ハンナが突然姿を消してから、
        皮肉な事に法廷で再会する。
        ナチ時代の強制収容所裁判の傍聴者であるミヒャエルは、
        戦犯として裁かれているハンナの秘密を知る事になる。

        戦争においては“正義感”というものが、
        いかに主観だらけの曖昧なモノかを思い知らされる。
        人の生活だけでなく心までも奪ってしまう。

        戦後、ハンナのような生涯を終えた人は
        きっともっとたくさんいるのだろう。
        私達はたとえ何もできないとしても、
        その事を知っておかないといけない。

        この本は、世代を飛び越えていつまでも読み継がれてほしい。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by NOSE

    • 他5人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      仮面の告白

      三島由紀夫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 再読だが、改めて感銘を受ける。
        文体だけでも充分圧倒される。

        2018/12/27 by tygkun

    • 他4人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      ネバーランド

      恩田陸

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! niwashi
      • 読み始めてすぐ、このシチュエーションは見たことがある。
        と思いました。
        作者さんのあとがきいわく「当初は‟トーマの心臓”をやる予定だった」ということで、ああ、と気が付きました。
        トーマの心臓をモチーフにした映画「1999年の夏休み」の設定に似てる。
        学校の長期休みに、帰省せずに寮に残る4人。

        でも、当初の「硬質で緊迫した心理ゲーム」のはずが、ほのぼのとした主人公の性格につられてしまったとあります。
        その通りで、初めは、びくっとするような始まりから、深刻な過去があかされても、どこかあたたかい、少女まんがのようなかわいい作りになっていてさらっと読める作品になっていたと思います。
        夏休みではなく、冬休み、しかも年末の一週間の出来事でしょうか。
        高校生男子4人なのに、清潔感あふれているのも不思議。
        でも、お酒のみ過ぎなのも不思議。

        >> 続きを読む

        2016/04/04 by あかねこ

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 36人が本棚登録しています
      素晴らしい世界

      浅野いにお

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.6
      いいね!
      • 2014年に読んだ本整理中

        2014/12/31 by ブービン

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      無人島に生きる十六人

      須川邦彦

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! niwashi
      • 明治31年、帆船・龍睡丸が太平洋上ハワイ島近くで座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁の小さな島(パールエンドハミーズ礁)に漂着しました。
        そこで16人の海の男たちが救援がくるまでの3ヶ月以上、その無人島で生き延びた、実話に基づく話です。

        文章のテイストが、明るく楽しく書かれているので、さらっと通りすぎてしまうんですが、よくよく考えて見ると九死に一生の難破です。9割り以上あの世に足を突っ込んでいたと思います。全員無事に島に辿りついたのは奇跡です。

        島に上陸してからは、より良く前向きに無人島生活をするための16人のすばらしいアイデアが数限りなく発揮されていきます。

        我々現代人にはいろいろと便利なものが与えられ過ぎてしまい、この創造工夫の精神・知恵が失われてしまっていると、身に詰まされる思いがします。
        もっと身の回りのものをシンプルにして生活できないものかと考えてしまいます。余りにモノが溢れている現代。

        それにしても、無人島に取り残されそのままそこで一生を終えるかもしれないという状況なのに、16人の超ポジティブな考え・生き方は何なんでしょう!
        過酷な状況でも生き抜こうとする力は時代や環境が変わっても大切ですね。

        とにもかくにも、終始一貫楽しく明るく物語が書かれていることが、この本の一番の魅力だと思います。
        >> 続きを読む

        2018/02/01 by Reo-1971

    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      涼宮ハルヒの憂鬱

      谷川流

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 中学から高校に入学するまでの時期にハマった本。主人公キョンが高校に入学したところからストーリが始まるので感情移入がしやすかった。

        その頃の自分は本も読んで勉強もできたつもりだったが、本も読まないし勉強もできない主人公のナレーションが明らかに自分より頭が良くて愕然としたのを覚えている。「高校生ってこんなに頭いいのか・・・」となった。

        キョンの立場がとても羨ましかった。この本のせいで、高校に入ったら自分から行動せずとも女子と仲良くなれて休日に遊べるのだと勘違いさせられた。


        あとから見返してみると表紙のハルヒは可愛くないし、挿絵もあんまりだった。アニメの絵は可愛くて、そっちのイメージが強い。
        >> 続きを読む

        2016/04/06 by ryochan333

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      伊豆の踊子

      川端康成

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 表題作は瑞々しい作品。
        「温泉宿」は、もろに風俗の話で度肝を抜かれる。
        表題作と対象的な作品。 >> 続きを読む

        2018/12/31 by tygkun

    • 他2人がレビュー登録、 27人が本棚登録しています
      りかさん

      梨木香歩

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! niwashi
      •  『りかさん』は、「りかさん~養子冠の巻、アビゲイルの巻~」と「ミケルの庭」の2つの話から成っていますが、『からくりからくさ』の前後譚ともいうべきもので、時代順としては「りかさん」『からくりからくさ』「ミケルの庭」となります。

         ようこは、リカちゃん人形が欲しかったのですが、人形に詳しいおばあさんから、プレゼントされたのは、市松人形の「りかさん」でした。

         最初は、がっかりするようこですが、だんだん、りかさんの不思議な魅力というか、力によって色々な人形たちの声が聞こえ、スクリーンのようにその人形の歴史を見ることになります。

         おばあさんは、女の子は人形遊びをしないと疳が強くなるからね・・・と言います。
        最初は、りかちゃん、と呼んでいるのを、「話しはじめた」りかさんが

        「すこし言いにくそうに、私のこと、りかさん、と呼んでくださらない?」

        と申し出ます。(この言葉で、りかさん、というのがただの「少女」でないことがわかります)

          しかし、ただ飾ってあるだけだったような雛人形は、りかさんの登場によって、ようこの目には話しが聞こえ、動きが見えるようになります。
        なんと、ひな壇の人形たちの「人形関係」は大変、悪いのでした。

        ―悔しやのう、悔しやのう。
        ―うるわしのせのきみ、うるわしのせのきみ。
        ―おのれ、悪党め、おのれ、悪党め。

         あの雛人形一式って、考えてみれば、男雛と女雛の2人を頂点としたピラミッド人間関係そのもので、ようこの家の雛人形たちは、ばらばらに大騒ぎしていることに、ようこも驚きますが、私も驚きました。

          人形になぐさめられる話はあっても、ようこは、りかさん(そして困ったときのおばあさん)という助けのもと、人形たちの遺恨をひとつずつ晴らしていく、という物語。

         ようこは、人形たちを一生懸命なぐさめようとしています。
        おばあさんもりかさんもとても寛容です。そして、大変、物事を冷静に見ています。

         いつも寛容であること。
        それは、「かわいい」と心の底から感じることだ・・・と言いますが「かわいい」という言葉の、その向こうには、きちんと検証されていないで放っておかれた膨大な闇が屈んでいる、ともあります。

         不思議なものを不思議なままに、追い詰めることなくすらり、と書ききる梨木さんの文章は相変わらず、読みやすく、気持よいものでした。
        >> 続きを読む

        2018/07/07 by 夕暮れ

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      ボーン・コレクター

      池田真紀子 , DeaverJeffery

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 恐らく映画の予告か何かを観て、怖くて避けていたはずなのに、
        なぜか原作を読み始めていました。
        ほんと、自分が謎・・・

        職務中の事故により四肢麻痺となり、
        安楽死を手伝ってくれる人を探し続けている主人公リンカーン・ライム。

        そんなライムに捜査協力の依頼があり、
        ベッドから動けないライムの代わりに
        現場で鑑識をしてもらうために選んだのが鑑識経験のないアメリア。

        現場経験のないアメリアが次々と目にすることになる
        壮絶な殺人(あるいは未遂)現場。

        想像以上に背筋が寒くなり、吐き気を感じるのに
        読むのをやめられない。

        食欲を落としたい人におすすめ。。。
        >> 続きを読む

        2018/08/23 by アスラン

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ブッタとシッタカブッタ

      小泉吉宏

      メディアファクトリー
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.7
      いいね!
      • 久々の読書ログレビューにして、初の4コマ漫画本のレビューです。

        「ブッタとシッタカブッタ」は、私が中学生だったときの先生が一部抜粋し紹介していた本ですが、なかなか含蓄のある漫画だと思いました。

        「好き/嫌い」という感情の大元にあるもの、そして「存在」というより深入りした哲学的な内容もあります。

        「そういう内容はどうも苦手だ」と言う方でも、全体的に「絵が可愛い」と言うことで親しみを持つのにはいいかなと思います。
        >> 続きを読む

        2019/05/11 by ピース

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      葬列

      小川勝己

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • お金のために中年の主婦や若者、気弱なヤクザが一致団結する。
        「OUT」に非常に似ている物語だが、違いはやはりアクションの方に振り切っている点。

        S&Wやらマガジンなど、どう見ても作者の小川さんはガンマニアか調査したとしか思えないリアリティ。
        それらを主婦がぶっ放す描写はなかなか鮮烈。

        また防弾チョッキをはじめとする防弾グッズなども、現実存在するかどうかは抜きにしても盛り上げる小道具。

        一連の流れが終わった後の実は…という展開も好み。
        特に渚というキャラは印象的で、こっちが主役になっても面白くなりそうだと思う。
        >> 続きを読む

        2018/10/19 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ラインマーカーズ the best of Homura Hiroshi

      穂村弘

      小学館
      カテゴリー:詩歌
      3.5
      いいね!
      • 好きな穂村弘さんの純然たる歌集。

        「ラインマーカー」の題ですが、
        もったいなくてマーカーで印入れることができず、
        付箋んをずっと挟みこんできました。

        各、歌集単位で、好きな歌が偏っているような、
        まずは気になった歌からあげていきます。

        【シンジケート・#01】

        体温計くわえて窓に額つけ「ゆらひ」とさわぐ雪のことかよ

        「猫投げるくらいがなによ本気だし怒りゃハミガキしぼりきるわよ」

        【シンジケート・#02】

        ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は

        サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

        「さかさまに電池を入れられた玩具の汽車みたいにおとなしいのね」

        「耳で飛ぶ象がほんとうにいるのならおそろしいよねそいつのうんこ」

        【シンジケート・#03】

        抜き取った指輪孔雀になげうって「お食べそいつがおまえの餌よ」

        終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

        【ドライ ドライ アイス】

        真夜中の中古車売り場で思い切り振って渡した三ツ矢サイダー

        キスに眼を閉じないなんてまさかおまえ天使に魂を売ったのか?

        校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け

        「童貞に抜かせちゃ駄目よシャンパンの栓がシャンゼリアを撃ち落す」

        【蛸足配線】

        約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき

        さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり

        こんなめにきみを会わせる人間は、ぼくのほかにはありはしないよ

        【手紙魔まみ、夏の引越し】

        目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき

        【手紙魔まみ、意気地なしの床屋め】

        このピンク、この柔らかさ、本物の魚肉ソーセージでございますよ、閣下

        『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』をみせてあげたら夢中で齧る

        【手紙魔まみ、完璧な心の平和】

        ハロー 夜。 ハロー 静かな霜柱。 ハロー カップヌードルの海老たち。

        【手紙魔まみ、ウェイトレス魂】

        お客様のなかにウェイトレスはいませんか。 って非常事態宣言

        なれというなら、妹にも姪にでもハートの9にでもなるけれど

        なんという無責任なまみなんだろう この世のすべてが愛しいなんて

        これと同じ手紙を前にもかいたことある気がしつつ、フタタビオクル

        【ラブ・ハイウェイ】

        冷蔵庫が息づく夜にお互いの本のページがめくられる音


        400首が一冊にまとめられています。

        こうして並べてみて、一番はといわれると、

        終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

        でございまする・・・・・・。

        >> 続きを読む

        2018/04/24 by ごまめ

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      魚籃観音記

      筒井康隆

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • ▶「BOOK」データベースより)
        童貞歴一千年孫悟空が、神と畜生の垣根を乗り越えて、観音様と禁断の関係に踏み込むポルノ版西遊記「魚籃観音記」。市街戦が発生するなか、ホームドラマのロケ隊が“日常的描写”にこだわって撮影を続ける倒錯状態を描いた「市街戦」。他に「分裂病による建築の諸相」「谷間の豪族」など全10編を収録。ポルノ、スラップスティック、ホラー、ジャズと筒井ワールド満載の絶品短編集。

        ▶内容(「MARC」データベースより)
        駘蕩たる南風が悪いのか、観音様と孫悟空が禁断の関係に。度肝を抜くポルノ西遊記ほか、猛毒ドタバタ、ジャズ愛、甘美な幻想、全部入った作品集。
        --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
        >> 続きを読む

        2018/05/23 by rikugyo33

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      禿鷹の夜

      逢坂剛

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • なんでもありの悪漢刑事、ここにあり!!

        南米マフィアと老舗暴力団の抗争に甘い蜜を吸いに現れた悪徳警官の物語

        ヤクザ家業のベテランさんより、南米マフィアが送り込んだ殺し屋より、不気味で恐ろしいのがこの物語の主役である刑事・禿富鷹秋なのだ!!!!!!!!

        そう、彼の周りに集う極悪人たちがとてもかわいらしく感じてしまう

        不気味さの所以は、禿富の心が読めないところ

        様々な登場人物目線で語られるストーリーの中に禿富からの視点は一つもない

        親しみを感じる唯一のくだりは恋人に向けた恥じらいだけ

        刑事として極悪人たちと係わる姿と恋人に見せる初々しさ

        どちらが真実なのか

        シリーズ第一弾のこちらの作品・・・・内容自体は名刺代わりという感じ

        二弾以降の飛躍に期待したいなと思う
        >> 続きを読む

        2014/12/15 by momokeita

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      延長戦に入りました

      奥田英朗

      幻冬舎
      カテゴリー:スポーツ、体育
      4.0
      いいね!
      • 奥田さんはシリアスなものもいいけれど、読んでいて、微笑・爆笑という作品は、当たりかまわず笑ってしまうので、傍目に注意がいる。
        勿論 伊良部先生のシリーズはどれもこれも手放しで面白い。最近作は読んでないか、ミステリの滓がたまったときに残りを読もうと思っている。

        これは、デビュー前に雑誌に連載していたエッセイだそうで、今読むと、少しデータがずれるが、少しくらいの過去は、まだすぐそこだと感じる年なので、おぅおぅそういうことがあったなと思い出す。
        連載時は「スポーツ万華鏡」という題名だったそうで、テーマは各種スポーツを取り上げている。

        * * *

        「日常の真実と目の行きどころ」
        そうそう、選手やゲームの動きより、バックネット裏や升席の観客が気になることは多い。
        勿論野球を見るときはバックネット裏や、甲子園の放送席の脇などに座りたい。

        「トップバッターの資質と学校の出席簿」
        またこれが面白い。例にもある「相川君」が高校時代にもいた。彼は常に入学式も卒業式も一番先だった、私も旧姓は「イ」だったので、授業の指名率が断然高かった。

        「スポーツのがに股と女子選手の葛藤」
        これも思い出話になるが、体育測定が年に一度有った。私はまじめに50メートルを全力疾走して、体育祭では記録順にクラス対抗選手に選ばれた。
        ところが、運動部の足自慢が出てない、適度に手を抜いて、特に奥田さんが言う大また開きの走り高跳びは早々にバーを引っ掛けて降りたらしい。何だよ!と気が付いたのは誰かの話に出たからで、まじめは、要領がいい人に負けるのだと気がついた。何事も要領が悪いと労多くして功少ないのというのが大人の智恵。

        「不良高校生の顔色とハンドボールの真実」
        これは、あまり馴染みのないものだった。ルールは、サッカーは足だけだがハンドボールは手だけ使え、といわれた。
        同じようにゴールキパーがいてそこにボールをシュートするのだが、サッカーと比べて、今はあまり聞かないが、どこかでは行われているのだろうか。

        読んでいると、そのとおりと感じながら、つい自分を振り返ってしまう。

        そういう見方もあると、斜めから観戦、うちから考察。いやどの項目も、笑って読める。言われてみれはおかしい、思えば実に変なことを見過ごしているものだ。

        「どちらともいえません」というエッセイもあるようでそのうち読んでみたい。
        >> 続きを読む

        2016/06/12 by 空耳よ

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      捕虜収容所の死 (創元推理文庫)

      マイケル ギルバート

      4.3
      いいね!
      • 第二次大戦下のイタリアの捕虜収容所に捕らえられた英国兵たち。
        脱走のため掘っていたトンネル内でスパイ疑惑の兵が死亡。
        その謎解きと共に並行して進んでいく脱出劇。

        映画の「大脱走」みたいなシナリオそのまんま。
        そこにミステリを入れ込んだ中身。

        結構な登場人物がいるが、かなり簡潔に仕上げているため無駄はない。

        伏線はしっかりしているし、小道具も意味がある。

        特にラストで明かす裏切者の存在はよく考えられていた。
        >> 続きを読む

        2019/05/21 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      ブッタとシッタカブッタ

      小泉吉宏

      メディアファクトリー
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        <そのまんまでいい>を
        言いわけにするなよ。
        >> 続きを読む

        2013/10/31 by 本の名言

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ブッタとシッタカブッタ

      小泉吉宏

      メディアファクトリー
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 「ブッタとシッタカブッタ」シリーズ、第三巻、シリーズ完結編。
        といいながら、続編ともいえる、“愛のシッタカブッタ”と“ブタのいどころ”も
        出版されているようで、また機会があれば読んでみたいですな。

        ものの見方の癖を知れば、人生と自分が見えてくると、
        作者はあとがきでも言ってますが、漫画を描いている意識はなく、
        むしろエッセイを書いているような気持ちでしたと・・・。

        読書に関するところをご紹介すると、

        『読書』

        本を読んで感動した時たいせつなのは

        誰が書いたのかということより
        自分が読んで感動したということである

        感動とはそこに書かれていることで
        見つけた自分の心である

        読書とは著者との対話ではなく
        本を通しての自分の心との対話である


        『本と自分』

        本に感動して
        自分の心を見つけたとしても

        いつまでも本の中に
        いるわけにはいかない

        ・・・・・・・・

        自分の現実に帰るしかない


        『「空」という言葉がある』

        空ということは

        全てでもあるということ

        空を知ったら

        満ちていることも知る

        空は無いでもあるでもない

        無いでもあるでもないということでもない


        読み終わったとき、静かに本を閉じる・・・・
        そんな気持ちにさせてくれます。
        >> 続きを読む

        2018/05/08 by ごまめ

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています

出版年月 - 2003年5月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本