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2004年3月発行の書籍

人気の作品

      パレード

      吉田修一

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 読みやすいけど気持ち悪い。

        「ひなた」は家族の表と裏を描いてて割りとありそうかなと思えてそれでも差し障り無く日常は続いているところにある意味評価できると思えた。

        ここでは他人の男女5人がルームシェアする。そのひとりひとりにスポットを当てて1章ずつ進む。みんな一見いい人っぽいが影の部分で病んでる人もいる。

        この本を読むといきなり残酷な殺人を犯す人の周囲の人の「まさかあの人が・・」という状況が理解できる気がする。

        直輝がみんな知ってたのかと感じたところはどんなことがあっても守ろうとするルールがここでは第一になるのかな。殺人を犯したことよりも。。。。
        >> 続きを読む

        2019/05/23 by miko

    • 他10人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      しゃばけ

      畠中恵

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! niwashi
      • 病弱な一太郎とその周りの妖怪達の物語。
        妖怪の話が読みたくてまたまた探して買った小説です。
        舞台は江戸の町。付喪神や鳴家、精霊や毘沙門天など、江戸×妖怪の組み合わせは堪りません。

        慕われているのか一太郎の周りには常に妖怪達がいます。だけど時には機嫌を損ねて反発したり。近いけれど、そこには人間と妖怪の時の流れや考え方の違いがあって、どうしても一線が敷かれてあります。身体の弱い一太郎は妖怪達に助けられることが多いですが、その考えかたの違いをきちんと理解した上でうまく付き合い、共存しているところが素敵だと思いました。
        >> 続きを読む

        2017/01/09 by えま子

      • コメント 4件
    • 他6人がレビュー登録、 38人が本棚登録しています
      プチ哲学

      佐藤雅彦

      中央公論新社
      2.7
      いいね!
      • イラストと解説が交互に入る構成。
        ゆるいイラストと内容ながら、ビビッとくるものもあった。

        「結果と過程」ってのが特に良かった。
        受験生とか社会人になる前とかなってすぐって、「過程はどうでもいい結果が大事、結果しか評価されない」って人から言われまくると思う。
        そういう人に読んで欲しいと思った。

        擬人化されたおサルさんが神様にお願いする。
        「おなかいっぱいバナナが食べたい」
        →一瞬でおなかがバナナでふくれる。
          →「そういうことじゃなくって」

        擬人化されたカエル君が神様にお願いする。
        「あこがれのケロ子ちゃんと一生を添いとげたい」
        →一瞬でよぼよぼになったカエル君とケロ子ちゃんになる
          →「そうじゃなくって」
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        2016/09/13 by W_W

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      空中ブランコ

      奥田英朗

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね!
      • 不思議な先生とその患者さん達のお話。
        伊良部先生の患者さんを治療する(振り回す?)様子にどんどん引き込まれ、他の2作品も読まなければと思う。
        シリーズ物だと知らなかったことに後悔。
        (10.05.15 読了)
        >> 続きを読む

        2015/05/14 by のこ☆

      • コメント 5件
    • 他3人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      おおきく振りかぶって

      ひぐちアサ

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 硬式野球部が新設された西浦高校。1年生だけの野球部のエースは暗くて卑屈で!?

        アニメ化もされたことのある野球漫画です。
        正直、初期は主人公でありエースである三橋の性格にイライラして途中で本を置こうかと思ってしまいました。

        が、読み進めていくとめちゃくちゃ面白い。
        スポーツ漫画でこうも自身のない主人公が据えられていることに驚きました。
        キャラクターも非常に魅力的です。1巻ということもありチームメイトの内、数名にしかスポットが当たっていないのですがみんなカッコイです。
        ただ、初期のキャッチャーの阿部くんはちょっと高慢すぎてちょっと嫌ですが。

        素人なので「ストレートもまた変化球」であるなんてこと全然知らなかったので勉強にもなりました。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/287/】
        に感想をアップしています(2011年1月のものです)。
        >> 続きを読む

        2014/05/14 by hrg_knm

      • コメント 4件
    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん

      嶽本野ばら

      小学館
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね!
      • 桃子の考え方が私はとても好き!!自分をもってるかんじも!

        借りたものを返さない理由とか、

        母が再婚する時にかけた言葉とか、

        『幸せを勝ち取ることは不幸に耐えることより勇気がいるの』



        >> 続きを読む

        2016/10/05 by asa_chann

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      スティームタイガーの死走

      霞流一

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • 玩具会社コハダトーイの創業者・小羽田伝介は、かつて計画のみに終わった幻の蒸気機関車C63を、残された設計図から実際に作り上げ、中央本線を走らせる。

        だが、この特別列車「虎鉄号」が華々しく出発した後の東甲府駅で、乗客の死体が発見された。

        一方、雪の中を疾走する「虎鉄号」の前には、列車強盗が立ちはだかる。
        さらに車内では、密室と化した客室に、全身赤剥けのグロテクな死体が忽然と出現したのだった-------。

        この霞流一の「スティームタイガーの死走」における列車とは、群像劇を乗せた、走るクローズドサークルだ。
        メカニズムに乗客を乗せて進んで行く列車は、プロットにドラマを乗せて進んで行くストーリーでもあり、本格ミステリの味わいさえ感じさせてくれる。

        この作品は、冒険小説的なフォーマットに、トラベルミステリの味わい、人間消失、密室の変死体といった不可能興味、犯罪活劇にコンゲームと、色とりどりのガジェットを積み込んで、それを力業で牽引する伝奇趣味に満ちている。

        さらには、蒸気機関車自体に仕掛けられたトリックと対になる、この作品全体への大仕掛け。
        エンターテインメント小説のありとあらゆる要素が詰め込まれていて、最後まで飽きさせない。

        毎回、動物尽くしの趣向で作品を彩ってくれる霞流一だが、この作品におけるテーマは、ズバリ"虎"だ。
        そして、注目すべきは、夥しいトリックのみならず結末のつけ方まで、すべてが虎尽くしの趣向に奉仕しているという徹底ぶりなのだ。

        ただ、惜しむらくは、数多くのギミックを詰め込み過ぎたせいか、推理のために必要な伏線が乏しい憾みもあるが、絶え間なく炸裂し続ける爆竹のように連打される、ドンデン返しとギャグに籠められた著者の執念が、その不満を補っていると思う。

        >> 続きを読む

        2018/07/22 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      妖怪アパートの幽雅な日常

      香月日輪

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 1巻がおもしろかったので、引き続き図書館から借りて読みました。

        1巻よりも、主人公の夕士君の精神が安定しており、非常にほっこりして読むことができました。また親友の長谷君とのやり取りは、本当にお互いを大切にしていることが伝わって、「良かったね…」と思わずにはいられませんでした。もう学生ではないからこそ、こんな風な温かい友情に心打たれるのでしょうか?

        次巻もぜひとも読みたいと思います。
        >> 続きを読む

        2018/03/16 by sei

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      宇田川心中

      小林恭二

      中央公論新社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  この物語は、現代小説であると思います。

         プロローグとエピローグで現代の渋谷の街(宇田川町)で出会う若者を描きますが、ほとんどは江戸末期、安政年間がメインとなります。

         しかし、この安政年間の登場人物たちは、さらにさかのぼって鎌倉時代の男女の生まれ変わりである、というのが底辺にあります。そして現代の渋谷の街で出会った少女と少年も・・・

         つまり、道ならぬ恋に身を焦がした故に悲劇となった男女は成仏できずにいつまでもいつまでもその怨念というか執念に身を焦がし、それは輪廻転生という形でもって後の世の男女の愛憎にまるで車輪のように受け継がれていくのです。

         安政年間、豊かな商家の娘、はつと僧侶の招円が出会い、恋に落ちる。

         しかし、はつには許嫁がいるし、招円は仏門の身です。しかし、惹かれあった2人の恋情は誰も止めることができない。
         
         現代小説、と思ったのは、言葉使いが、鎌倉時代であっても、江戸時代であっても実に現代風。

         そのせいで、大変読みやすいものになっていると同時にこれは、時代小説ではない、という思いにもかられます。

         恋というのはいいもの、だけではありません。恋が故に人生が破滅した者は、恋を呪う。

        「すべては恋のせいなのだ。そんなものがあるから、娘たちは耐え難き苦しみを背負ったのだ。恋こそは憎悪と諍いの根源だ。これを絶たぬ限り、世に悲劇は繰り返されるだろう。
        恋を賛美し、恋を謳歌する者に呪いあれ」

         しかし、この物語ではそんな「呪詛」をはねとばす「心中を辞さない恋の強さ」も描きだします。

         現世で恋が成就せねば、来世で結ばれよう・・・そこまで思い詰める恋人たち。

         恋愛小説というのはその人の感情に直撃するものを持っているから共感と反感の狭間にゆれる難しい分野です。

         しかし、作者は芝居仕立てにして、非現実の中にある現実を見事に描き出し、そして読む者の気をそらさない。

         読みやすいのですが、その底に流れている「恋愛感情」の深さはとことん深いとみました。
        >> 続きを読む

        2018/06/11 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      御宿かわせみ

      平岩弓枝

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • シリーズ第一弾。八篇収録。

        江戸の大川端にある小さな旅籠かわせみの女主人るいと、その恋人神林東吾が様々な事件に遭遇しながら愛を深めていく物語。

        るいと東吾は結ばれながらも、添いとげるのは難しい事情がある。事件を通して知る男女の情念に自分たちの想いを重ねながら、二人はかわせみを守っていく。
        二人の愛がどういう形に落ち着くのか、長いシリーズを少しずつ読みながら見届けたい。

        >> 続きを読む

        2019/06/04 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      こうちゃん

      須賀敦子 , 酒井駒子

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 深いですね。
        こうちゃんっていったい何だろう?
        いろんなことを想像しました。
        忘れかけた自分なのか、自然なのか・・・読みながらこころが穏やかになっていく自分がいた。
        そして、この画も独特であって素晴らしいですね。
        内容と画とがマッチして、何とも言えない雰囲気を醸し出していると思う。
        >> 続きを読む

        2015/02/02 by けんとまん

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      闇の子供たち

      梁石日

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 虚しい。最後にはその気持ちだけが残される。
        どんなに信念を持って戦っても消せない『悪』があるのだ。

        東南アジアで日々起こっている幼児売春、臓器売買。
        これはもはや小説ではなく、ドキュメンタリーである。

        貧困から自分の子供を売ってしまう親。
        自分の子供を救うため、生きたまま提供される子供の臓器を買い取る親。
        それを仲介するマフィア、黙認する警察、その事実を抹消する政府。

        『1人でも多くの子供を救いたい』という思いで体を張って
        闘い続けてる人間達の努力も虚しく、暴力と権力でねじ伏せられてしまう。


        あまりにも残酷でグロテスクな現実を事細かに描かれていて、
        ただ読んでいるだけの私ですら逃げたくなった。

        性の意味も知らない子供達が大人の性的玩具になる事も勿論、
        1人の人間が親や世の全てから見放されてしまう事が悲しい。

        東南アジアなどの発展途上国の人々の安い人件費によって、
        日本人が安価で物が買えるのも事実。
        言い方を変えれば、彼らの犠牲によって
        私達の『豊かな生活』は成り立ってると言っても過言ではないと思う。

        その裏では人間としての生活すら出来ない子供達がいるのだ。

        それを知った今でも、私には何もできない。それが虚しい。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by NOSE

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      イニシエーション・ラブ

      乾くるみ

      原書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • バリバリの恋愛小説。久々だったから、ドキドキしながら一気に読めた。静岡の大学四年の男が合コンで惹かれ合った歯科衛生士の女と付き合う。男は彼女と離れたくないため、折角決まっていた東京の一流企業の内定を蹴り静岡の会社に就職するが皮肉にも東京に出向となる。
        あー、ここまで話すと最後まで言ってしまうので終わり。
        >> 続きを読む

        2017/05/03 by konil

    • 他1人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      現場発 スローな働き方と出会う

      杉村 和美田中 夏子

      5.0
      いいね!
      • 仕事に追われてカリカリしていた頃、そして仕事がなくなりゆっくり暮らしていた頃・・・どちらも何か「このままじゃいけない」と気ばかり焦っていたような気がします。

         そんなとき、もっと早くこの本や、この考え方に出会っていたら、と思います。

         「ゆっくり働く」ことに積極的な意味を持たせる「スローワーク」という言葉は、引きこもり支援などで知られる「ニュースタート」の1990年代後半の考え方によるものだそうです。

         「ゆっくり働く」ことが、改善すべき悪いことだと信じていた自分にとって、スローであることに価値がある、というのは驚くべき発想の転換でした。

         本書によれば、スロー(スモール:身の丈に合ったこと)が評価されてきたのは、1986年のE・F・シューマッハの本などがきっかけとしてあるようです。そして、まさにゆっくりと、スローの持つ価値が認められつつあるようで、我が国でも「スローフード」という用語が浸透したように、だんだんとその価値が認められてきているようです。

         それは、逆説的に、いかに「スローでないことを要求され、それによる弊害が目に見える形で出てきているか」を示しているようにも思います。

         本書にあるように、スローであることは、いろんな意味でブレーキになったり、安全であることにつながるかもしれません。イデオロギーというより、スローであることの安全性は、もっと高く評価されていいと思います。

         この本はきっと「ゆっくりであることが、即、素晴らしい」というのではなく、人間が本来持っている時間の流れに即した生活時間を持つことが、人間らしく活きる為に大切だと教えてくれているのでしょう。
         
         いろんな時間の流れを持っているいろんな人間たちが、誰も落伍しないような、そんな多様な時間の流れであって欲しいと願っています。
        >> 続きを読む

        2016/07/18 by みやま

    • 1人が本棚登録しています
      仙ガイの書画

      鈴木 大拙

      いいね!
      • 仙厓(1750~1837)は江戸時代の禅僧である。
        名前は何となく知っていたし、絵も見たことはあったが、『かわいい江戸絵画』(府中市美術館企画展図録)に収録された絵を見て、あまりの「ゆるさ」にあっけにとられた。
        ちょっとまとめて拝見しようと探していたらこの本に行き当たった。

        著者、鈴木大拙(貞太郎:1870~1966)は仏教学者である。僧侶ではなく在家参禅者であり、「大拙」は東京帝国大学哲学科専科生であった際、鎌倉円覚寺の釈宗演から受けた居士名である。
        禅に関する英語の書籍を多く著わし、日本の禅文化を海外に広く知らしめた。本書も元々は英語で書かれたものであり、訳者がいるのはそのためである。
        円覚寺は仙厓の兄弟子にあたる僧が再興した寺であり、大拙も仙厓の逸話や絵に触れる機会があったようである。

        本書にはもう一人、陰の役者がいる。出光佐三(1885~1981)。出光興産の創業者である。
        仙厓が後半生を過ごした博多に生まれた佐三は、青年期から仙厓の絵に惚れ込み、さほど注目されていない頃からこつこつと蒐集していた。

        1956年、カリフォルニア州オークランドの日本文化祭で佐三が所蔵する仙厓の絵も展示されたのをきっかけにして、大拙と佐三の交流が始まった。大拙は佐三の別荘で仙厓の書画の研究に没頭し、執筆に励んだ。本書収録の書画128点は、1点を除き、出光美術館所蔵である。
        最後の加筆を前に、大拙は病に倒れ、本作が遺稿となった。
        西洋で出版されることを希望した大拙の意志にしたがい、本書は1971年に、英語で出版されている。

        大拙は、序論で、禅における笑いについて考察している。禅は「笑の余地を見出す」教義だという。ここで、大拙は哲学者ベルグソンの笑の分析に言及しつつ、仙厓の笑いは、言語や論理の厚い雲を払って「本来の」我が出てくるときに現れる喜悦であると説く。心を解き放ち、実在と直に接し、無限に広がる「我」。それは「あまねく宇宙を渡って広がる」。

        禅の修行は苛烈で、ときに凡人には意味不明だ。
        仙厓の絵にも何人か、伝説の禅匠が登場する。
        常に棒を持ち、「問おうが問うまいがわしの棒で三十打ち」と棒を振り回していたという徳山。仏像を燃やして「舎利(仏の遺骨)を探していたのだ」とうそぶく丹霞。棒で殴りかかってきた師匠に反撃して押し倒した黄檗。
        一見、冒涜的でやりたい放題のようでも、矛盾・対立・二元性を見極め、越えていくための手法であるらしい。
        悟りを開き、しかし悟りに囚われることのないようそれを手放し、無になり、そしてまた街に出でよ、と説く『十牛図』を思い出させる。

        仙厓は「ゆるい」絵ばかり描いているわけではない。収録された絵の中には非常に細密で端正な絵も何点かある。つまりは、技術や画法が備わっている上での「ゆるさ」なのだ。
        仏画はもちろん、花鳥画や、風景画もあれば、風俗画のような市井の人々の暮らしもある。
        さまざまな対象を描こうとも、根底にあるのはいずれも禅の精神なのだろう。

        128の書画を見て、坐禅蛙や布袋の絵、どこかかわいらしい虎の絵がやはり好きだ。
        偉くなっても民に慕われ、うるさがりながらも請われると絵を描いていた仙厓は、手の届かないほどその道を究めつつも、親しみやすく慕わしいお坊さんだったのだと思う。
        難解なものや不可解なものを内包しつつ、十牛図で最後に布袋となって街へ戻る牧童さながらに、人々に慕われながら、仙厓は88歳の生涯を閉じる。
        本書の表紙にもある布袋の絵は、しみじみ、生への大いなる肯定のように思える。
        >> 続きを読む

        2016/05/09 by ぽんきち

    • 1人が本棚登録しています
      虚栄の市

      中島賢二 , ThackerayWilliam Makepeace , 三宅幾三郎

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 虚栄の市、全四巻で幕を閉じました。いやぁ、面白かったです!

        著者のサッカレーのドビン贔屓っぷりはすごかったけれど、最終的にはアミーリアとくっつくんだろうとは思っていたけれど、そうきたかー!という感じでした。盛り上げ方素晴らしかったです。

        最終巻では訳の中島賢二さんの解説もついていて、サッカレーについても語られていましたが、彼、放蕩息子だったんですね。虚栄の市は群像劇ですが、メインの登場人物の一部にそれぞれサッカレーの一部が宿っているのでしょう。

        中心となる登場人物はやはりアミーリアとレベッカですが、たぶんサッカレーはどちらのことも好きなんだと思います。レベッカは悪女だとか、最終的に殺したか殺してないかという議論もあるようですが、サッカレーがどちらとも断言しなかったのは正しい姿勢だと思います。断言しちゃいけないところですよね。
        私個人としては、レベッカは殺してない派です。立派な小悪党ではありますが、そこまでの悪女ではないと思っているので。

        しかしドビン少佐はいい男だった。何よりアミーリアにとって、自分を本当に大事にしてくれる人をちゃんと好きになれたことが最大の幸せだと思います。どんなに自分を大事に思っていてくれて、相手がどんなに素晴らしい人であっても、恋人として好きになれないことってありますからね。アミーリアは幸運だった。
        レベッカもロードンのことは好きだったと思いますけどね。解説でも語られていましたが、ロードンが相続するはずだったお金が手に入らなくても笑い飛ばせる女房だったわけで、それってなかなかいい女じゃあないですか。タフだし。クライマックスでアミーリアの目を覚まさせるときの振る舞いなんて、中国の列伝ものに数えられそうなくらいの名場面でしたよ。

        全巻通して、非常に面白かったです。19世紀の虚栄の市でのどんちゃん騒ぎ、そして今日も明日もこれからも、人生劇場は続いていくのですね。
        >> 続きを読む

        2016/02/27 by ワルツ

    • 1人が本棚登録しています
      ΑΩ 超空想科学怪奇譚

      小林泰三

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 表紙や、カバーの煽り、文体は小難しく薄暗いSF小説そのもの

        ですが、読んでいるうちにアレって思います、怪獣?巨大化ヒーロー?
        これ中身は完全にウルト○マンです。

        SF特有の超科学的考察に基づいた説得力で、書かれており、面白いのは、特撮の様な、ご都合主義な展開がなく、リアルな街でリアルにウルトラ○ンが闘っていることです。


        とくに前半、暗い雰囲気で物語が進みますので、そこの当たり好みは分かれそうな気がします。
        ウルトラマン好き、SF好きな方は是非。
        >> 続きを読む

        2014/06/18 by オオスカシ

      • コメント 4件
    • 3人が本棚登録しています
      パイロットフィッシュ

      大崎善生

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • ずっと気になっていたのですが、ようやく読むことができました。
        非常に落ち着いた、しっとりとしたいい小説でした。

        新人賞!?と思ったら、もともとノンフィクション作家で、小説としてはこの作品が処女作なのですね。道理で文章がうまいわけだ。しかし小説としての構成も非常に完成されていて、書かれるべくして書かれた作品という感じ。いいですね、とてもいいです。好きです。

        ちなみに。
        作中に出てくる、航空機の撃墜事件って、史実なんですね。はじめて知りました。
        >> 続きを読む

        2015/10/18 by ワルツ

    • 9人が本棚登録しています
      日本はなぜ敗れるのか 敗因21カ条

      山本七平

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:戦争、戦略、戦術
      4.5
      いいね!
      • ・無改善の量的対応をしても意味がない
        「やるだけのことはやった」←単なる量的対応だけではダメ
        ・現状を正確に数字で把握することが大事
        数字での管理と振り返り
        ・周りを巻き込む。全員が我が事に感じられるように。
        関係者内での対立をつくらない
        ・思い込みを前提としない
        「自分が正しい」ことを前提としない。相対的判断
        ・標準化が大事
        属人的な芸・術 では意味がない。技術にしないとダメ
        ・思想を徹底させる
        +ルールの設定
        >> 続きを読む

        2014/12/11 by ksugiura

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      機動戦士ガンダムthe origin

      安彦良和

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • アルテイシアと知ってなぜ銃を向けるか。ラルとの過去が描かれたおかげでより悲しい名場面に。 >> 続きを読む

        2016/06/26 by aya5150

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