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2004年7月発行の書籍

人気の作品

      13階段

      高野和明

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 久々の一気読み。
        展開の早さと内容の濃さにかなりの充実感。

        『13階段』とは処刑台の階段の段数も意味するが、
        実は死刑執行までに必要な手続きが13あり、
        それだけの人間が判断を下すのだという事。
        メインのテーマは死刑制度だ。

        死刑執行での苦悩をもった刑務官“南郷”と、
        被害者と加害者の立場で揺れ動く前科のある青年“三上”が
        冤罪の死刑囚を救うため調査を始める。
        高額の報酬が目的でもあるが、それぞれの信念を確かめるために。

        犯罪者への報復であろうとする“応報刑思想”、
        犯罪者を教育改善して社会的脅威を取り除く“目的刑思想”。
        この2つによって死刑の賛否が別れるという話は
        かなり興味深かった。

        第三者と、被害者の肉親と加害者の肉親とを
        同じ想いにするなんて到底ムリである。
        裁判員制度の難しさを思い知らされる。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by NOSE

    • 他10人がレビュー登録、 46人が本棚登録しています
      模倣の殺意

      中町信

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      2.8
      いいね!
      • 読んでいる内に時代背景がだいぶ前だと気付き、確認してみると40年も前に書かれた推理小説だった。書店チェーンの文教堂が無名の名作を平積み告知したところバカ売れしたらしい。
        内容としては出来過ぎで、同姓同名の若手小説家が1年おいた同日に自殺するところから始まるのだが、その二人の関わり方とその師匠との盗作疑惑が意外な形で絡んでいる事が明らかになるというもの。どちらの自殺者の事を書いているのか意図的に誤認させる事で複雑なストーリーとなっている。感想としては言葉遣いと構成がイマイチで書き方によってはもっと面白くなっただろうに。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by aka1965

    • 他5人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      苦海浄土 わが水俣病

      石牟礼道子

      講談社
      カテゴリー:公害、環境工学
      5.0
      いいね!
      • 著者である石牟礼道子さんが亡くなったのは今年の2月。生憎と
        私は入院中で、訃報がもたらされた時はテレビや新聞を見られる
        状態ではなかった。だから、亡くなったのを知ったのは退院して
        からだった。

        『苦海浄土』を初めて読んだのは高校生の頃だったろうか。文庫
        新装版である本書は発行後に購入していたのが、読む機会を逸した
        まま積読本の山に埋まっていた。

        気力・体力共に低下していたので、退院後もなかなか本書と対峙
        出来なかったのだが5月1日に行われた水俣病犠牲者慰霊式のあと
        にチッソ社長の「救済は終わった」発言に唖然として、本書と
        対峙する決断がついた。

        ノンフィクションでも、ルポルタージュでもない。いくつかの
        事実は散りばめられているが、本書は水俣病患者とその家族を
        見て来た石牟礼さんが創作した、水俣病犠牲者の心の声であり、
        魂の叫びだ。

        土地の言葉を活かした文章の向こう側に、有機水銀に汚染されな
        がらも青さをたたえた水俣の海が広がる。その海が与えてくれた
        豊富な魚介類が、まさか体と心を破壊してしまうとは誰も思いも
        しなかっただろう。

        そして、原因はチッソ水俣工場から排出される排水に含まれた
        有機水銀であると、早い時点で特定されていたにも関わらず
        救済を遅延させたチッソ及び行政の罪は重く、改めて怒りを
        感じる。

        「銭は一銭もいらん。そのかわり、会社のえらか衆の、上から
        順々に、水銀原液ば飲んでもらおう。(中略)上から順々に、
        四十二人死んでもらおう。奥さんがたにも飲んでもらう。胎児性
        の生まれるように。そのあと順々に六十九人、水俣病になって
        もらう。あと百人ぐらい潜在患者になってもらう。それでよか」

        「あとがき」に書かれている言葉である。切なすぎるだろう。
        加害企業として犠牲者に補償するのは当然だが、どんなに補償金
        を積まれても、亡くなった人は戻って来ないし、有機水銀に害され
        た体は元には戻らない。

        チッソの現社長・後藤氏は、本書を百万遍読んだらいい。
        >> 続きを読む

        2018/05/16 by sasha

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      銀行狐

      池井戸潤

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      2.8
      いいね!
      •  それぞれ独立した短編が5作おさめられています。
        銀行狐というタイトルですが、 
        警察官が主人公のストーリーもあります。

         それでもやはり、
        銀行の内面をよく知っている池井戸氏ならではの
        トリック設定や謎解きが随所にあり、
        期待にたがわず面白いです。
         
         ところで作品と直接的にかかわりはないのですが、
        本の帯のコメントが気になりました。
        『エスカレートする「狐」からの要求』とあるのですが、
        「銀行狐」に登場する犯人「狐」の犯行は
        たしかにエスカレートしていきますが
        具体的な要求は何もしてきません。
        きちんと読んでいない方がコピーを書いちゃったのかなぁ…。
        でもそれがチェックを通って売り物に巻かれちゃうのって
        どうなんでしょう?
        余談でした。
        >> 続きを読む

        2017/11/23 by kengo

    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      片想い

      東野圭吾

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.1
      いいね!

      • 今回読了した、東野圭吾の長篇ミステリー小説「片想い」。それにしても、うまい。実にうまい。そして、唸らされる。

        主人公はアメフト部のOB、西脇哲郎。年に一度集まるアメフト部員の飲み会があった夜、欠席した当時の女子マネージャー日浦美月と、店を出たあとに10年ぶりに再会するのが、この物語の発端だ。

        男になったと、彼女は言うのである。女として生まれ、結婚し、子供まで作ったものの、やっぱり女には馴染めない。もともと自分は男なのだから、これからは男として生きたいと彼女は告白するのだ。

        すなわち、性同一性障害をモチーフに、この長篇小説はスタートします。この設定だけでも、今の東野圭吾なら、ドラマティックな物語を構築し得ただろうが、なんとここから意外な方向にズレていき、実にスリリングなミステリーを開始するから、唸ってしまうのだ。

        その展開こそが、この長篇ミステリー小説のミソなのだろうが、詳しくは書けないので、西脇哲郎と理沙子の夫婦を作者がどう描いているかというと、理沙子もまたアメフト部の女子マネージャーで、卒業後に結婚したのだが、8年もたってみると、二人の間には隙間風が吹いている。それがこの夫婦の設定なのだ。

        哲郎はフリーの物書きで、理沙子はカメラマン。最初のうちは、互いの仕事を尊重して、身の回りのことは空いた方がやるという暗黙の了解事項があったのだが、二人とも仕事が忙しくなってくると、どちらもやらなくなるため、台所の流し場には使用済みの皿やコップが山のようになっているというありさまなのだ。

        共稼ぎ夫婦のこの亀裂を、作者が丁寧に描き出すのは、主人公の私生活を描くことで奥行きを作るという狙いでは決してない。この長篇小説のテーマを浮き彫りにするために他ならないのだと思う。

        それでは、そのテーマとは何かと言うと、それは理沙子の次のセリフがヒントになると思う。「あなたは、心が女でレズでないなら、男性の肉体を持った人間しか愛せないと思うのかもしれないけど、心はやっぱり心に反応するのよ」。「大事なことは心を開いてくれることなの。姿形は関係ない」。

        あるいは、手術も受けず、ホルモン療法もしない人物の「私は自分のことを異常だとは思っていないからです。この心で、この身体を持っている、それが自分自身だと信じているからです」。「私は性同一性障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは、少数派を排除しようとする社会のほうなんです」というセリフがヒントになると思う。

        つまり、男と女という性差は、もっと曖昧なものなのに、我々の固定観念がその境界線を作ってしまっているのではないか。この物語はそう問いかけてくるのです。

        読み終えて、あらためて思うのは、この長篇小説は、実にスリリングなミステリーだということだ。


        >> 続きを読む

        2018/02/17 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      屋根裏の散歩者

      江戸川乱歩

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 乱歩の初期短編集で非常に勉強になります。明智小五郎初の登場作品も有り面白いです。

        2016/03/22 by rock-man

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      誰だってちょっと落ちこぼれ スヌーピーたちに学ぶ知恵

      河合隼雄

      4.5
      いいね! Moffy
      • 深い………ピーナッツの世界は本当に深い。

        ピーナッツを知ったのは、子供の頃母がピーナッツのアニメDVDを買ってくれた時。
        パッケージもなんかやんわりとした感じで、興味を持てなかったのですが、しまいにはアニメの中で一番好きな作品になっていました。
        「あー面白かった」より、私の心にもっと重く働く力があって、充実感を覚えてしまう。
        特にチャーリーブラウン。彼の頑張りには何度励まされたことか。
        そして、完璧無欠でなくても、それが個性で、愛されることも。

        コミックはより吟味して読めるのでもっと味わいがある。
        ピーナッツのコミックは、味わって読むことが大事。ストーリーを追うより、セリフ一つ一つを噛み砕き、何度も読み直す………
        時折、詩集のようなものだと思ってしまう。
        >> 続きを読む

        2017/09/29 by deco

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      指揮官たちの特攻 幸福は花びらのごとく

      城山三郎

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  ここ数年、せめて8月ぐらいは「昭和戦争」関連の書物を読むことにしていますが、本書は「軍神」として称えられた関大尉、中津留大尉を中心に戦争という非常に息苦しい時代に生を受け、しかも命令一つで「特攻隊」として命を散らせていった人達とその家族達のドラマです。両大尉の生きざま(死にざま)もさることながら、関大尉の母、サカエさんの生きざま(死にざま)も非常に感動的でした。
         戦争が無い世界が理想ですが、現在も地球上の多くの人達が自分の意思に反して戦争に巻き込まれ、戦争に直面している現実です。このような平和な現在の日本に生を受けた一人として、ありがたい反面申し訳ない、という複雑な気持ちになってしまいますが、来年も少なくとも8月ぐらいは「昭和戦争」ものを読もうと思っています。
        >> 続きを読む

        2014/08/29 by toshi

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      青列車の秘密 クリスティー文庫)

      アガサ・クリスティ

      早川書房
      3.0
      いいね!
      • もう本当におもしろかった!
        いつも通り、犯人にあっと言わされたし、全くノーマークの人が犯人だった。
        新事実がでてきてから犯人に結び付くのではなく、今まであった記述を元に、裏付けするようにポアロは犯人を導いてくれるからすごい。
        ロマンス的な要素もあって良かった。クリスティーが書くロマンスは、誠実でロマンチックで好き。
        ポアロの機転のよさ、発想力、観察力、灰色の脳細胞最高です!
        >> 続きを読む

        2014/10/31 by えま子

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ポアロ登場 クリスティー文庫)

      アガサ・クリスティ

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • ポアロの初期短篇を集めたクリスティ初の短編集。
        ヘイスティングズ、ジャップ警部も登場。
        簡単に内容のご紹介をしておきます。しつこいレビューでごめんなさい。

        【“西洋の星”盗難事件】
        The Adventure of "The Western Star” (The Sketch誌1923年4月11日号)
        〈西洋の星〉〈東洋の星〉と呼ばれる大粒のみごとな双子のダイヤモンドの盗難予告の手紙が送りつけられた。
        このダイヤは、もともと中国の寺院の神像の眼にはめ込まれていたという逸話があるという。
        ポアロはダイヤモンドを守ると受け合うが…。

        ヘイスティングズ相手にポアロがシャーロック・ホームズごっこをするという、パロディに近い作品。
        ダイヤの盗難ネタで、登場人物が映画スターと貴族の2組の有名人夫婦。
        犯人像に謎の「辮髪の中国人」まで登場し、短いながらクリスティの大好きなネタが盛りだくさんです。
        「スタイルズ荘事件」のメアリが話題として登場。

        【マースドン荘の悲劇】
        The Tragedy at Marsdon Manor (The Sketch誌1923年4月18日号)
        多額の保険金を掛けた直後に死んだ男の調査を請け負ったポアロ。
        医者は脳内出血と診断したが、保険会社は若く美しい妻に金を残すための自殺を疑っていたのだ。
        亡くなった男のそばにはカラス打ち用ライフルが残されていた。

        【安アパート事件】
        The Adventure of the Cheap Flat (The Sketch誌1923年5月9日号)
        ロンドンの一等地の贅沢なアパートが、相場380ポンドが80ポンドで貸し出されていた。

        ヘイスティングズがホームズ気取りでセリフの真似をしていますが、
        作品も「赤毛連盟」を下敷きにしていることは明白です。

        うまい話にゃ裏がある。もしかして幽霊が出るの?
        安い家賃で借主を探す本当の理由は何か?
        「日本人スパイ」も絡む国際的な陰謀の匂いがします。

        【狩人荘の怪事件】
        The Mystery of Hunter's Lodge (The Sketch誌1923年5月16日号)
        インフルエンザで休養中のポアロに変わって孤軍奮闘するヘイスティングズ。
        狩場の一軒家での殺害事件の犯人を追うが。

        完璧に「安楽椅子探偵」のスタイルのお話し。
        ヘイスティングズとの電報のやりとりだけで犯人を当ててしまいます。
        犯人は証拠不十分となるも…。
        現代の捜査なら100%立証できますけれど。

        【百万ドル債券盗難事件】
        A Million Dollar Bond Robbery (The Sketch誌1923年5月2日号)
        百万ドルもの自由公債が輸送中の船で盗難に合い売られてしまった。
        密室空間の船内では公債は発見できず。

        ポアロが、がっかりするほど単純な事件という通り。簡単すぎ。

        【エジプト墳墓の謎】
        The Adventure of the Egyptian Tomb (The Sketch誌1923年9月26日号)
        古代エジプトのメンハーラ王の墳墓の発掘に関わる人が立て続けに死亡する事件は王の呪いだと世間を騒がせた。
        護身を依頼されたポアロは真相解明に乗り出す。
        王の呪いは本物なのだろうか?

        エジプトで砂やラクダに悩まされるポアロに笑いつつ、
        オカルト的な味わいも楽しめる異色作。
        これは短編ではもったいなく、長編にすべき内容だと思うのですが。
        「迷信」は信じていないが「迷信の力」は信じているというポアロの言葉は名言だと思います。

        【グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件】
        The Jewel Robbery at the Grand Metropolitan (The Sketch誌1923年3月14日号)
        見栄張りの富豪が集まるブライトンの有名ホテルで、非常に高価な真珠の首飾りが盗まれた。
        その場に居合わせたポアロは真珠の奪回に乗り出す。
        一見密室に見えたホテルの客間での盗みのトリックとは?

        【首相誘拐事件】
        The Kidnapped Prime Minister (The Sketch誌1923年4月25日号)
        名実ともに英国のリーダーである首相が重要な国際会議出席のため、フランスへ渡った直後に姿を消した。
        国際的陰謀の解決を依頼されたポアロは時間までに首相を無事に発見しなければならない。

        【ミスタ・ダヴンハイムの失踪】
        The Disappearance of Mr. Davenheim (The Sketch誌1923年3月28日号)
        銀行家、ダヴンハイム氏がある日忽然と姿を消した。
        家の金庫は荒らされ、池には彼の衣服が投げ入れられ、指輪が質入れされていた。
        彼の生死は?生きているとしたら、どこに?

        「木の葉を隠すなら森の中」ってのは、ブラウン神父でした。

        【イタリア貴族殺害事件】
        The Adventure of the Italian Nobleman (The Sketch誌1923年10月24日号)
        高級アパートの一室で起こった殺人事件。
        死の間際に医者に助けを求める電話がかかり、ポアロと医者が駆けつけると…

        意外な犯人と密室殺人のミックス。
        これも種明かしが忙しい感じで、中編くらいのボリュームが欲しい。
        ポアロの殺人事件ものには短編は向かないといわれるのは、
        彼女のプロットではトリックと人物描写が複雑なため、
        慌ただしい解決になってしまうからでしょう。

        【謎の遺言書】
        The Case of the Missing Will (The Sketch誌1923年10月31日号)
        財産家の男がなくなり、隠されたもう一通の遺言状の存在を匂わせる不思議な遺言を姪に残した。

        短編として楽しい。こういう殺人モノ以外の活躍が読めるのは短篇ならでは。
        ラストの台詞も気が利いている

        【ヴェールをかけた女】
        The Veiled Lady (The Sketch誌1923年10月3日号)
        やんごとなき身分の美女が悩み事を依頼に訪れる。
        昔書いた恋文をネタに高額の金銭を要求されているという。

        面白い。ふざけすぎ、とも言える。
        ポアロが暇すぎて、自分が犯罪者なら一流の犯罪者になって荒稼ぎできるのに、自分は道徳心がありすぎる。なんて考えていたちょうどそのタイミングだったので、
        違法な家宅侵入を嬉々としてやったりします。
        真相を知ったら誰でも唖然とするでしょう。

        【消えた廃坑】
        The Lost Mine (The Sketch誌1923年11月21日号)
        中国人実業家が殺され、ある重要な書類が奪われた。

        アヘン窟に潜入したりってところが、ちょっと珍しい。

        【チョコレートの箱】
        The Chocolate Box (The Sketch誌1923年5月23日号)
        荒天の夜に暖炉にあたりつつの昔話はベルギー警察の刑事課にいたころのポアロの大失敗の物語。

        心臓麻痺で急死した大物政治家の死因を不審に思う家族の一人からの依頼で
        休暇中のポアロが単独で調査を開始する。
        何もなさそうに思えたが、故人が好きだったチョコレートの箱が目に留まり、事件性を確信。
        調べを進めると不審な人や出来事が浮かび上がる。

        この話はその後のシリーズの中に何度となく、ポアロの口から「チョコレートの箱の件」として話題にのぼるので、
        この短編集の中で最重要かつ有名なお話しです。

        彼にとって、この失敗は「戒め」であり「思い出」なのです。
        ポアロが敬虔なカトリックというのは、意外な事実でした。(本当~?)

        雑誌連載時の日付を添えておきました。
        本の順番は連載順にはなっていませんので、
        連載順に読むのも一興かと思います。
        >> 続きを読む

        2012/10/04 by 月うさぎ

      • コメント 8件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      あさ

      吉村和敏 , 谷川俊太郎

      アリス館
      カテゴリー:詩歌
      5.0
      いいね!
      • 朝には、独特の瞬間がある。

        1日が切り替わる時間帯が、それ。

        それを、この本からも感じ取れる。

        自分で、畑仕事をするようになって、そんな時を感じることがあり、いのちを感じるようになった。
        >> 続きを読む

        2018/05/13 by けんとまん

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ジス・イズ・ニューヨーク

      松浦弥太郎 , SasekMiroslav

      ブルース インターアクションズ
      4.5
      いいね!
      • ニューヨークの街を描いた絵本。

        本当にいろんな人種や民族が集まっている、世界の縮図のような大都会なのだろう。

        いつか行ってみたい。
        ブルックリン橋も見てみたいものだ。
        >> 続きを読む

        2013/04/11 by atsushi

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      六世笑福亭松鶴はなし

      戸田学

      岩波書店
      カテゴリー:大衆演芸
      4.0
      いいね!
      • 鶴瓶がインタビューする米朝、文枝、春団治などの証言により、
        六代目松鶴の、芸に寄せる真摯な想いが明らかになる。

        一言で云うと、豪放磊落でありながら、上方落語の復興に果たした功績は、
        図り知れぬものがある。

        その中で、落語の芸と題し、松鶴と越智治雄氏との対談が興味深くおもしろい。

        「らくだの演出」についてと、松鶴がネタおろしする前のメモ書きがある。

        枕・・・・千日の火屋
        時・・・・夏。それも残暑の厳しい頃とする。昼過ぎから夕方。
        場所・・長屋の造り。豆腐屋(表通り)。大家。月番(コグチから二軒目)

        遊び人のこしらえから入っていく。
        ・・・・・カスの遊び人だが、なりはしっかりしている。
        紙屑屋の性格
        ・・・・・酒と博打で身をすったのは嘘。酒だけ。嫌にになっている。
        ・・・・・最初の一声から描き方を変える。今迄の、初め愛想笑いをしていて、
        最後にやくざのようになるのは演出の謝り。-暗い感じ、重い口、上品なところのある言葉。

        酒の呑み方
        ・・・・・やけくそになって紙屑屋は呑んでいる。一升徳利三本をうまく空けなければならない。
        勿論紙屑屋の方が強い。・・・荒い事を言わず凄みをきかせる。一合茶碗、一息で呑める。
        箸が乱れてくる。おかずはあまり食べない。」・・
        ・・・・・・・箸の置き方まで、最初は小皿、次は左手で受けながら、ぼちぼちじか箸に、
        きっちり前に置いた箸が、だんだんぞんざいになりお膳の上にポンと落とすようになる
        ・・なんて細かいことまで、留意されているのか、米朝さんならいざ知らず、六代目の口から
        発せられるのが、驚き。・・豪放磊落に見せながら、いかに細かい計算があったのか、感動。

        らくだをただ怖がるのはいけない。
        水滸伝の人間のように大きな事ばかり言ってもいたらくだ。
        先ず最初の月番の所へ行く。泣き笑いの祝儀。
        返事を聞かんと困ると言われて、気軽に荷物を預ける。
        大家の所へらくだを背負って行く。「豚と相撲とった夢見て、らくだ背負う」
        ・・・別のくすぐりに変える(実際は、豚をまめだに変更)。長屋の人間の扱い。
        びっくりして香奠を持ってくる。
        家主・・“かんかんのう”・・・死骸を見てすぐ謝る。・・・小文冶さんの演出。
        “ちっとは嫌がられている家主”やと言った手前、踊らせる迄強がっている。
        桶・・・八百屋ではいけない。

        西日の中を歩いていく。(20分位の道)約1時間・・・・。

        私たちは、舞台の落語を聴いて、単にあははと笑っているだけですが、
        噺家さんの高座には、演者としての、深く緻密な計算された演出があるんですな。

        このあと、「市助酒の酔い」、「噺の変幻」、「言葉の深さ」、「呼吸のむずかしさ」と
        六代目が真正面から語る、芸談は、日頃聴いている噺だけに、読み応えがありまっせ。

        是非、笑福亭ファンは図書館でも、手にされることをお勧め致します。
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        2013/06/07 by ごまめ

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      古代オリンピック

      橋場弦 , 桜井万里子

      岩波書店
      カテゴリー:スポーツ、体育
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      • 2004年のアテネオリンピックに合わせて出版された本。
        オリンピックの起源である古代ギリシャのオリンピックについて10人の研究者が、最新の考古学・歴史学の成果を元に様々な側面からその実像を浮き彫りにする。

        内容は、オリンピックの起源、発祥の地オリンピアの発見と発掘までのエピソード、祭典としてのオリンピック、競技者や競技内容、ヘレニズム、ローマ世界でのオリンピックの変容が網羅されており、これ一冊で古代オリンピックに関する総括的な知識を得ることができる。

        私が特に興味をひかれたのが、競技の優勝者に備わると考えられた”キュドス(栄光)”の概念であった。
        競技の優勝者は、実力だけではなく神々に祝福されたこそその地位を得た事ゆえ、ある種のオーラがあるといった概念であるが、これが場合によっては、政治資本として活用されたりもしたという事はなかなか興味深かった。

        また、オリンピックの花形競技のマラソンは、ペルシア戦争の故事に由来するものであるが、この伝承の信ぴょう性に大きな問題があるという事も驚きであった。
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        2018/01/02 by くにやん

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      曹操注解孫子の兵法

      中島悟史

      朝日新聞出版
      カテゴリー:古代兵法、軍学
      4.0
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      • 乱世の奸雄として名高い魏の曹操。孫子の兵法を説く。

        戦略と戦術。人心の機微。確かにこの内容は時空を超越する。

        確か「孫子の兵法」に初めて触れたのは、映画「ウォール街」でのマイケルダグラスのセリフだったように記憶している。

        ウォール街という西洋文化の象徴的な言葉と「孫子の兵法」が結びつかず、当時は激しい消化不良に襲われたものだが、同時にいつか読みたいと深く心に刻んだことを思い出す。

        そんな「孫子の兵法」だが、まずラッキーだったのは、曹操註解のものを最初に手に取ることが出来たこと。

        おそらく研究者なら原理主義と言うか、曹操注解ではないものに価値を見出す気がする。
        しかし、あくまでも趣味として捉え、あわよくば実生活に生かせるものは無いかという視点においては、実戦面で曹操の註解が入ることは、その説得力を増すことに大いに貢献していることを素直に認めることが出来る。

        一度読んで全て見に付くというようなものではなく、何度も読み返すべき。
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        2011/08/01 by ice

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      野性の証明

      森村誠一

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 「お父さん、怖いよ。何か来るよ。大勢でお父さんを殺しに来るよ」

        これは映画でだけの台詞だったのだね。原作にはなかった。という
        訳で、「映画は観たけど原作は読んでなかった」シリーズで久し振り
        に小説である。

        東北の寒村で起きた村民虐殺事件。唯一生き残った少女・頼子は目の
        前で両親が惨殺されたショックで記憶を失った。

        その頼子を養女とし、彼女を伴って福島県羽代市で保険の外交員として
        生活する味沢だったが、地元の有力者・大場遺族が警察までをも牛耳る
        街で新たな事件に遭遇する。

        味沢の過去、東北の事件で味沢を有力容疑者として追う刑事、唯一頼子
        が覚えている「青い服の男の人」、大場一族が次々と味沢に仕掛ける
        罠が複雑に絡み合う。

        映画で味沢を演じたのは高倉健でかなりストイックな印象だったが、
        原作では味沢の内面が描き込まれていた。味沢の過去についても
        原作では後半にならないと明らかにならない。

        映画のストーリーが頭にあったので、「あれ、こんな話だったけ」
        と感じる部分も多々あったが、原作は原作で面白くぐんぐんと
        引き込まれた。

        映画のラストは味沢と自衛隊のドンパチとなってる。原作でも味沢の
        大立ち回りはあるがそこまで派手ではなく、「あ、これで終わり?」
        と些かあっけなかったが、読後には切なさが残る。

        やっぱり上手いな、森村誠一は。さぁ、原作とは別物として、もう一度、
        映画を観よう。
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        2018/05/28 by sasha

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      姉妹―Two Sisters (角川ホラー文庫)

      吉村 達也

      3.0
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      • これどうやって映像化したの…?
        問題だらけの家族とその後妻もどき。争いが起きる気配しかないが、女たちのドロドロ合戦は目をそむけたくなるほど。それにしてもお父さんだめすぎるぞー。 >> 続きを読む

        2018/09/11 by aki

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      日本全国離島を旅する

      向一陽

      講談社
      カテゴリー:日本
      3.0
      いいね!
      • 「島に行きたい!」と以前からの思いを今年の夏、実行することにしました。ところが、旅行の計画をした島の情報は旅行代理店でも少しだけしか得られませんでした。情報収集に図書館へ出かけ、出会ったのがこの本でした。
        沖縄の島、日本海の島、東京の島まで様々な島の様子が取り上げられています。
        特にそそられたのが「青ヶ島」。見出しには「究極の離島、絶壁の上の楽園」と書かれており、「いつかは行くぞ!?」と思ったのでした。
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        2012/08/05 by montitti

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      論理思考の鍛え方

      小林公夫

      講談社
      3.0
      いいね!
      • 論理思考のカタマリのようになっている人には
        いい書物である。新書でどれだけ論理思考
        書かれているのかを思考すればよいので
        新書の中で哲学系の好きな人にはおすすめ。
        心理学の好きな人は楽しめる一冊だろう。
        >> 続きを読む

        2013/10/21 by frock05

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      コロボックルふねにのる

      佐藤さとる , 村上勉

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • コロボックルの男の子「トコちゃん」の夏の大冒険のお話です。
        「だれも知らない小さな国」はなんの変哲もないおむすびみたいな山の中にあります。
        そこに住む小指ほどの大きさのコロボックルたちは自然の中でたくましく平和に、実に人間らしく生活しています。

        好奇心旺盛なトコちゃんは今日も一人で国を探検しています。
        コロボックルの国では危機管理として国と外界との堺目には見張番を配置しています。
        それは外敵に備えるだけではなくて、子供達の安全を守るためでもあります。
        彼らは頭ごなしにしかることは決してありません。
        まずどうしたいのか聴いて、こうするといいよ、というアドバイスをします。
        子どものほうも嘘をついたり反抗したりすることはありません。
        だってそんな必要がないのですから。

        人間が作って置いて行った笹船に乗って、池を漕ぎ出したトコちゃんは、予想外のハプニングに出会ってしまうのです。

        物怖じを全くしないトコちゃんに、大人の私はハラハラさせられてしまいますが、子どもにとっては冒険にはこれくらいの危険がなくっちゃね。ということなんじゃないかしら。
        コロボックルは小さいけれど、身体能力は人間よりも優れていて、その動きは目にもとまらぬほどに素早くて身軽です。

        それにしても小人の目線ではさらさら流れる小川も大河にみえることでしょうね。一度経験してみたいです。
        巨大虫とか無理だけど…( ̄∇ ̄;)

        最後にコロボックルの国のレイアウトが図解されていて、イメージがふくらみます。

        トコちゃんの冒険は秋、冬へと続きます。お楽しみに!
        >> 続きを読む

        2016/12/31 by 月うさぎ

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