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2004年9月発行の書籍

人気の作品

      センセイの鞄

      川上弘美

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! Shizu KEMURINO
      • いいな。いい関係だな。羨ましいな。美しい文章と美味しい酒と肴で綴る70歳越え恩師とアラフォー教え子女子のいなせな関係が洒脱で心地よい年の差男女居酒傾慕小説!

        宵闇のカウンター。互いに手酌で好きな肴を口に運びながら、ぽつりぽつりと言葉を交わすふたりの距離感がたまらなくよい。余計な気配り、見栄や駆け引きもない、緩やかな酔いと会話。地位、立場、年齢、性別すらない心地よい大人の男女の酒の時間が過ぎてゆく。

        世知辛い組織、対人関係からしばし離れ、のれんをくぐる。酒で生まれるマイペース、対等の時間に生きる者たちの居心地を感じる作品! すごいぜ!

        会計はおごりでも割り勘でもなく自前。互いの行きつけで顔を合わせた時だけ、互いの心の隙間を埋めるように酒と肴と言葉で少し寄り添うような甘く切なく、ほろ苦いセンセイとツキコさんの年の差関係はどう発展するのか?

        傾慕が成就するより、このままいつまでもほろ酔いのいい関係でいて欲しくなるふたりにエール! いまだ読み続けられる川上弘美のマスターピース!

        今宵ツキコさんと盃を交わせれるかも?そろそろ晩酌の準備するかな。

        本日の肴はしめさばと冷奴、マカロニサラダ。外は雨。独酌、家飲み。川上ワールド噛みしめながら、ツキコさんとセンセイが掴んだハッピーに乾杯だぜ!
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        2019/06/30 by まきたろう

    • 他11人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      ダンス・ダンス・ダンス

      村上春樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 著者の小説、3作品目。今の自分にとっては、そのなかで際立って面白いと思えた本。少しずつ読むつもりが、一気に読み終わってしまった。じわじわとくる。 >> 続きを読む

        2020/08/02 by Rumi

    • 他7人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      ペンギンの憂鬱

      KurkovAndrei , 沼野恭子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! Tsukiusagi asa_chann
      • アンドレイ・クルコフの「ペンギンの憂鬱」は、鬱病のペンギン・ミーシャと一緒に暮らしている、売れない作家の物語。

        ソ連の崩壊後に独立した、ウクライナの首都・キエフが舞台で、まだかなりきな臭い状態なんですが、そんな状況の中に、このペンギンが凄く効いているんですね。

        もう本当に、とにかく可愛い。
        主人公が座っているとその膝に身体を押し付けてみたり、バスタブに冷たい水を入れてる音を聞きつけて、ペタペタとやって来て、水がたまるのを待ちきれずに、バスタブに飛び込んだり。

        主人公をじっと見つめてみたり、どことなく嬉しそうだったり。
        勿論、何もしゃべらないんですが、なんだかとっても雄弁なんですね。

        やっぱりペンギンと聞くと、あのペタペタ歩くユーモラスな姿が浮かんでくるのがポイントなんでしょうね。
        他の動物では、ちょっと出せない味ですね。

        でも、そのペンギンは憂鬱症。
        訳者あとがきにある、クルコフのインタビューによると、ペンギンは集団で行動する動物なので、1羽だけにされると途方に暮れてしまうんだそうです。

        そして、その姿は、ソ連時代を生きてきた人間にそっくりとのこと。
        ミーシャは、動物園から解放され、人々は、ソ連から解放されても、最早「自由」に順応出来なくなっているんですね。

        そして、それは作中でペンギン学者の老人が言う、「一番いい時はもう経験してしまった」という言葉に繋がります。
        動物園での生活、ソ連に囚われていた時が「一番いい時」というのが何とも言えません-------。

        主人公も孤独でペンギンも孤独、一緒にいるからって孤独じゃなくなるわけではなくて、孤独が寄り添っているという辺り、よく分かるなあ。

        読みながら、どこか村上春樹作品の雰囲気があるなと思っていたら、訳者あとがきに、クルコフは「羊をめぐる冒険」が好きだと書かれていてびっくりしました。

        文章だけの問題じゃないのは分かっていますが、それでも、日本語をロシア語に変換して(「羊をめぐる冒険」)、ロシア語を日本語に変換しても(「ペンギンの憂鬱」)、やっぱり雰囲気が似てるってなんだかとても不思議です。

        この作品は、新潮クレストブックスの1冊。
        やっぱりこのシリーズ、もっともっと読みたいものです。

        >> 続きを読む

        2021/12/01 by dreamer

    • 他7人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      袋小路の男

      絲山秋子

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 無駄をなくして研ぎ澄まされた文章。
        風景描写も人物相互関係もしかり。
        書き込んで書き込んで表現するのも嫌いじゃないが、無駄をそぎ落とした文章の中で、行間を読んでいくのも悪くない。
        でも、数十年前の作品だからか、この作家にしては、ちょっとパンチが足りない気もした。
        >> 続きを読む

        2015/12/16 by shizuka8

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      百鬼夜行

      京極夏彦

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      •  一年一冊ペースで京極夏彦。
         普段より薄めの六百頁ほどだが、十の短編が収録されているため普通。
         スピンオフ的な立ち位置で、彼らが妖に憑かれた様を描く。
         憑かれただけの作品なので、京極道は登場せず、妖怪的な怪談めいた話の結末は、ほったらかしのまま本編に続く。
         既刊を読んでいて、詳細まで覚えていて初めてなんとなく納得がいくスタイル。
         わたしの場合、年に一冊ペースと言うこともあり、こんな設定もあったなぁとぼんやりしながら読んだので・・・ミステリ的には微塵も面白くなかった。
         せめて解決まで欲しかった。
        >> 続きを読む

        2022/01/02 by 猿山リム

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      モーターサイクル・ダイアリーズ

      Guevara Ernesto , 棚橋加奈江

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:南アメリカ
      3.0
      いいね!
      • この映画を映画館で観る機会があって、良かったので、本も読むことに。
        読みやすい文章では無かった。原文はスペイン語で、日記であり、彼は作家では無いのだからしょうがない。でも旅ってこういうことなんだろう。7ヶ月の時間を体感し、彼と一緒に出発時とは違う自分に成ってると感じられた。
        あと、スピーチは流石に上手いね。
        >> 続きを読む

        2018/05/13 by まさあき

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      生首に聞いてみろ the Gorgon's look

      法月綸太郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Tukiwami

      • 友人の写真家の個展を訪れた名探偵・法月綸太郎は、そこで旧知の翻訳家の川島敦志と姪の江知佳に出会う。

        江知佳の父親は、前衛的な彫刻で知られる川島伊作。
        近年は、創作上のスランプに陥り、随筆家として活躍していたが、ちょうど大病の手術を終え、江知佳をモデルにした久々の新作の彫刻に取り掛かっているところだった。

        しかし、ちょうどその日、新作に情熱を注ぎ過ぎたためか、アトリエで倒れ、帰らぬ人となってしまう。
        その上、葬儀が終わった直後、江知佳をモデルにした件の彫刻「母子像」の首が切断され、持ち出されているのが発見される。

        まるで殺人予告かのような盗難に江知佳の身を案じ、敦志は綸太郎に捜査を依頼するが、伊作の追悼展が開かれる名古屋の美術館に江知佳の切断された首が送りつけられてしまう-------。

        この法月綸太郎の長編ミステリ「生首に聞いてみろ」は、第5回本格ミステリ大賞受賞作で、著者が受賞時のコメントで「はじめにタイトルありき」と述べている題名は、都築道夫の「なめくじに聞いてみろ」のもじりであり、川島家の複雑な家庭事情や、中盤のある関係者への事情聴取の場面は、ロス・マクドナルドの影響がうかがわれますね。

        そして、その佇まいは意外と軽やかで、エラリー・クイーン的な思索は一旦、後景に退き、綸太郎によるいくつかの失策も、苦悩よりはむしろパズルのピースとして我々読者を驚かせる構図に繋げられる。

        そういった在り方は、二転三転する石膏像の首を巡る議論や、精緻な伏線が真相に収束する筆致と相まって、克己的ともいえる印象を与えていると思う。

        芸術家と、彼が遺した作品を巡るミステリというと、著者の名作「カット・アウト」が思い出されますが、この作品も人体を直取りした石膏像の"模倣"についての掛け合いなど、謎解き推理のアナロジーとして、芸術を見つめる視線が散見される。

        これは最終的には否定されるのだが、早い段階で美術評論家・宇佐見によって提示された仮説は実に魅力的だ。

        そういった衒学趣味が知的興味を喚起する一方、最終的に明るみになるのは、芸術家の周縁で運命に蹂躙された女性たちの姿であり、ラストで一人残された家族が漏らす嗚咽は、何とも物悲しい。

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        2019/02/22 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      魔笛

      野沢尚

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! yakatyu
      • 小説でこんなにエンタテイメント性溢れる作品が書けるのは、さすが脚本家でもある野沢尚なんだと思う。
        一文一文読み進める度に、その情景が克明に頭に浮かぶ表現力は物凄い。この作品は中でも群を抜いている。
        >> 続きを読む

        2015/05/12 by yuria

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      蒼穹の昴

      浅田次郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 中国清朝末期(19世紀後半~)を舞台にした歴史小説巨編。

        科挙に登第し官僚として立身を試みる文秀と、貧しさゆえに宦官として出世を試みる少年・春児。第1巻では、それぞれのスタートポイントが描かれています。

        非常に大きな世界観の中で、伸びよう伸びようとする2人の生き様に逞しさと清々しさを感じます。自身も些事にこだわらず、大きく伸びたいと思える本です。
        >> 続きを読む

        2014/09/30 by こいこい

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 24人が本棚登録しています
      蒼穹の昴

      浅田次郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • 今まで浅田次郎をちゃんと読んでいなかった自分を叱りたい。全4巻。「真実」というものは見る角度によってまったく異なるのだということを、これほど説得力を持って描いた小説を読んだことはなかったかもしれない。「事実」はひとつだけれど、「真実はいつもひとつ」じゃないんだよ。
        歴史は「たったひとつの真実を記した物語」ではなく、1行で書き得る事件の内側には、幾多の真実が複雑に絡み合っている。歴史修正主義はその複雑な真実を単色に塗り替えてしまう暴挙だ。この作品は小説(フィクション)だけれど、歴史(ノンフィクション)というものを知ることの重要性を教えてくれている。
        >> 続きを読む

        2021/05/09 by 室田尚子

    • 他1人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      肩ごしの恋人

      唯川恵

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • なんだろう、このいびつな幸福感は!
        女であることを最大の武器に生きる「るり子」と、恋にのめりこむことが怖い「萌」
        対照的なふたりの生き方を通して模索する女の幸せ探しの物語。
        子どもを産める女ならではの幸せを感じた。

        恋とセックス。
        るり子と萌の視点が交差する物語。
        そこに、エロスは感じない。
        食欲や睡眠欲と同じように、性欲は日常。
        生きている、愛している、愛されている実感を感じたい。

        美貌を武器に、恋して、結婚して来たるり子。
        やがて、歳を取り、その美貌も武器にならなくなる。
        けれど、それでも、好きなことを通し続ける彼女に、
        だんだん親近感を覚えてくる。

        対照的なふたりの貪欲な生き方に共感を感じる。
        そして、家出したきた15歳の崇との3人の同棲生活。

        ヤケになったるり子が、15歳の崇へ言う。
        「ねえ、抱いてよ」
        「抱けないけれど、抱きしめることならできるよ」

        人は人の温もりを感じて生きてゆける。
        そんな微笑ましさを感じる。
        そして、子どもを宿った萌の落ち着いた様子。
        最後、腐れ縁の対照的な二人のやりとりに、いびつな幸福感に包まれた。
        第126回直木賞受賞作
        >> 続きを読む

        2015/10/17 by てるゆき

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      Death note

      小畑健

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.3
      いいね!
      •  3巻だけど、有名過ぎる話なので基本構造は割愛。
         主人公が大学生になったあたりの話。
         石持浅海のミステリ小説のごとく、名犯人と名探偵が相手の手を読み合う推理戦。
         すべての行動の意味を考え、自らの言動をかえりみて、まめに修正していく。
         
         大抵、この手のチートアイテム物は、絶対無敵のアイテムを手にしながら調子に乗ってミスをしそれを突破口に看破される勧善懲悪的な流れになりがちではあるが、凡人ではなく天才にチートアイテムを持たせると、それが無敵でないことを見抜いたうえで可能な限りのフォローを入れ限りなく無敵に近づいていく。
         まぁ今作、失言シーンがあるように思ったが、読み込みが甘かったか後の巻で言及されるのか。

         中学校のテニス大会は軟式と記憶していたので調べてみたら、今は硬式もあるのね。

         次巻、新しいノート所有者が現れる気配。
         これが普通にミスをする凡人か天才か、それがどう二人に絡むのか楽しみ。
        >> 続きを読む

        2020/10/14 by 猿山リム

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ユリウス・カエサル ルビコン以後(上) (新潮文庫)

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.5
      いいね!
      • 軍の即時解散と帰国を命ずる「元老院最終勧告」に従わず、国賊と呼ばれるのを覚悟でルビコン川を越えたのが前の巻のラスト。カエサルが目指したのは国家ローマの将来の指針ともなるべき、新秩序の樹立。さらに同胞の血を可能なかぎり流さないで成し遂げるという、困難な道を選びます。
        ローマを発って軍を率いギリシアに上陸、ポンペイウスとの直接対決が描かれていました。
        ドゥラキウムの攻防戦では、ポンペイウスが勝利をおさめます。ポンペイウス側についた元老議員の多くは、もはや勝ったも同然、首都に凱旋したと同様の気分になっていました。ファルサルスの会戦を前に、勝利後の報酬について議論が集中します。カエサル側についた元老議員たちの資産没収、カエサルが就いている最高神祇官の後任選び等。

        元老議員の浮かれっぷりを見ていると情けなくなるのですが、メインは歴史的なポンペイウスとカエサルの決戦です。とにかく熱いです(…私が)。今までスキピオとハンニバルの対決が一番と思っていましたが、それを軽々と越えてくれました。カエサルの起死回生の戦術が、全てをひっくり返しました。その後のポンペイウスの辿った死までの道のりが悲しい。
        その後エジプトでの内乱で足止めされていたカエサルでしたが、クレオパトラを愛人として休暇を楽しんでいたのが、彼らしくて笑いがでました。
        この辺りは世界史で習った記憶も残っていて、後の展開が想像しやすいです。
        >> 続きを読む

        2021/01/30 by あすか

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ユリウス・カエサル

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.0
      いいね!
      • かの有名な戦果の報告、「来た、見た、勝った」。
        ポントス・ミトリダテスの息子、ファルケナス王へのあざやかな勝利、ポンペイウスのクリエンテスであった東地中海地方を自分の地盤にするため、それぞれの問題解決にあたります。
        ポンペイウス派であった人々も、元老院主導の共和制主義者もすべて許し、帰国を認め、本国で元通りの生活を与えます。

        ポンペイウスのいない戦、この後もアフリカとスペイン南部の蜂起に向かいますが、安心感がありますね。絶対勝ってくれるだろうと。小カトーやラビエヌスら敵対していた人々が、一人、また一人と亡くなります。これだけ政治も戦も才能を発揮してしまうカエサルが死ぬとしたら、天寿を全うする以外では暗殺しかないのでしょうね。

        後半は、王位を狙っているという風聞に終止符を打つため、アントニウスが捧げる冠を退けるシーンが描かれます。
        それから一ヶ月も過ぎない三月十五日、元老院の議場でカエサルは殺されます。
        死が、目前まで迫っているところで十二巻は終わり。
        ついにこの時がきてしまった、というかんじです。
        >> 続きを読む

        2021/02/03 by あすか

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ユリウス・カエサル

      塩野七生

      新潮社
      カテゴリー:古代ローマ
      4.0
      いいね!
      • カエサル暗殺には、「カエサルに許された旧ポンペイウス派」だけでなく、カエサル派の人々も加わっていました。
        しかし、まさかデキムス・ブルータスが加担していたとは。ガリア戦役から才能を認められていた人物だったので、読んでいるこちらが「お前もか」と言ってしまうほど衝撃でした。
        しかしブルータスというと主犯のマルクス・ブルータスが浮かぶので紛らわしいですね。
        「ブルータス、お前もか」はデキムスであるとする研究者も少なくないようです。塩野さんもこちらの説に同調すると書かれていました。

        カエサルの暗殺者たちは、その後の消極的行動のせいで絶望的な状況へと陥ります。
        キケロが奔走し、両執政官、オクタヴィアヌスと共に、カエサルの死後自らの立場を強化していったアントニウスを攻撃します。
        カエサルにとって代わるには、誰もが役不足のように思えました。
        後継者として指名された時、オクタヴィアヌスはまだ十八。これから経験を積み、実力をつけていく年齢です。これまでカエサルの成し遂げた出来事に胸を躍らせてきましたが、彼の功績の偉大さに、改めてはっと目の覚める思いをしました。

        本作は、次から次と内戦が続き、戦の度に登場してきた人物が一人、また一人と散っていきます。
        アントニウスとクレオパトラのロマンスも読みごたえあり、一気に読了となりました。

        アントニウスを破ったオクタヴィアヌスは以後の施政の基本方針に、「パクス(平和)」をかかげます。ローマによる平和、即ち「パクス・ロマーナ」の始まりでした。
        >> 続きを読む

        2021/02/06 by あすか

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      電車男

      中野独人

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • ひとりの青年が、ネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」に、ある体験を書き込んだ。

        電車の中で酔っ払いに絡まれる女性を勇気を振り絞って助けた。
        数日後、彼のもとに、かの女性からお礼のカップが届く。

        二十二歳のその日まで女性とまったく縁がなかった彼は、動転し掲示板に助けを求める。
        「電話をかけたい。もう一度話したい。でもどう話しかけたらいいんだろう。」
        見るにみかねた掲示板の投稿者たちが、彼にアドバイスを始めるのだった-------。

        今や日本で最も有名になった匿名青年「電車男」の物語だ。
        この中野独人の「電車男」は、その投稿の一部始終をまとめた抱腹絶倒のノンフィクションだ。

        一見はやりの純愛ブームに便乗した愛の物語のようだが、この顚末には、恋をしたことのある人なら誰にでも覚えがある、恋愛への欲望と計算とぶざまが惜しげもなくさらされているという点で、「裏ソナタ」とでも言うべき等身大の魅力に満ちていると思う。

        そして、チャーミングなのは、何と言っても、よってたかって彼に忠告をするネット投稿者たちの存在だ。
        彼らのほとんどが、実は彼と同じように日頃、女性と接触のない男性たちで、それゆえ、そのアドバイスは時に深読み、時に迷走、そして暴走する。

        生まれて初めて女性に電話をかける「電車男」を励ます言葉が「小学校の時に最初で最後の下着泥した勇気でよければくれてやる!」。

        やがて彼は、見知らぬネット投稿者に支えられ、「電車男」は、愛と勇気に彩られた奇跡の二カ月を生み出すことになるのだが-------。

        この物語を空前絶後の恋愛と見るか、マインドコントロールされた若者の貧しい恋愛劇ととるか、はたまたすべてが仕組まれた壮大な作り話と割り切るかは、読み手の感性にかかっていると思う。

        この小説は、笑って笑って、そして最後に訪れる奇跡の瞬間に心揺さぶられる一冊だ。

        >> 続きを読む

        2018/10/27 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      考える短歌 作る手ほどき、読む技術

      俵万智

      新潮社
      カテゴリー:詩歌
      4.5
      いいね!
      • 歌がうまくなりたい一心で買い求めた本。

        短歌上達の秘訣は、優れた先人の作品に触れることと、
        自作を徹底的に推敲吟味すること、と。


        あの、俵万智さんが読者からの投稿を元に、添削指導。
        でも、その添削対象の短歌でさえ、私からすれば雲梯の違い。

        もっと、基礎から教えて欲しいんですが・・・。

        教えとして、各講のお題を列挙しときます。

        ・「も」あったら疑ってみよう
        ・句切れを入れてみよう
        ・思いきって構造改革をしよう
        ・動詞が四つ以上あったら考えよう
        ・体言止めは一つだけにしよう
        ・副詞には頼らないでおこう
        ・数字を効果的に使おう
        ・比喩に統一感を持たせよう
        ・現在形を活用しよう
        ・あいまいな「の」に気をつけよう
        ・初句を印象的にしよう
        ・色彩をとりいれよう
        ・固有名詞を活用しよう
        ・主観的な形容詞は避けよう
        ・会話体を活用しよう

        しばらく、これらに、注意しながら、短歌づくりに励みまっせ。

        >> 続きを読む

        2018/05/28 by ごまめ

      • コメント 2件
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      ハーバードからの贈り物

      幾島幸子 , WademanDaisy.

      武田ランダムハウスジャパン
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.0
      いいね!
      • 85ページ: 私がのちにCEOになったとき、友人はこうみごと言ってのけたものだ。「スティーヴ、もう二度と手に入れられないものが二つあるよーーまずい食事と真実だ」 >> 続きを読む

        2015/03/19 by Neo*

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      203号室 (光文社文庫)

      加門 七海

      1.5
      いいね!
      • 本の表紙につられて読みたくなる、ということってありますよね。
        この本も表紙のおどろおどろしいのにつられて読みました。
        が、内容はがっかり。おすすめしません。つまんない。

        最近のホラーだとやっぱり「リカ」ですね。
        ディーン・クーンツもおもしろいです。
        ホラー系本で背筋が凍る思いをまたしてみたいです(^^)
        >> 続きを読む

        2016/07/02 by madison28

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      ダライ・ラマに恋して

      たかのてるこ

      幻冬舎
      カテゴリー:アジア
      4.5
      いいね!
      • この著者の2冊目です。
        旅のお話自体面白いですが、旅先で出会った人たちの哲学的な言葉や考え方などを読んで、すごく深いなぁと感じました。
        たまたま別の本でも立て続けに同じような「自分とは何か」というのを読んだばかりのタイミングだったので、不思議な縁を感じました。

        個人的にはダライ・ラマに会いに行く前の段階で、かなり濃い旅/出会いだなぁと感じたので、その後のダライ・ラマに会いに行く行かないとかどうでもよくなるくらいの素晴らしい内容でしたが、会ったら会ったでやはりまたありがたい内容。
        この本がきっかけでダライ・ラマについても知りたくなりました。
        単なる旅の本ではなく、とても深い内容です。
        でも読みやいすし面白いので文句なしの★5。
        とてもお勧め。
        >> 続きを読む

        2020/06/23 by Mika

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出版年月 - 2004年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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