こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


2004年9月発行の書籍

人気の作品

      センセイの鞄

      川上弘美

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! Shizu KEMURINO
      • いいな。いい関係だな。羨ましいな。美しい文章と美味しい酒と肴で綴る70歳越え恩師とアラフォー教え子女子のいなせな関係が洒脱で心地よい年の差男女居酒傾慕小説!

        宵闇のカウンター。互いに手酌で好きな肴を口に運びながら、ぽつりぽつりと言葉を交わすふたりの距離感がたまらなくよい。余計な気配り、見栄や駆け引きもない、緩やかな酔いと会話。地位、立場、年齢、性別すらない心地よい大人の男女の酒の時間が過ぎてゆく。

        世知辛い組織、対人関係からしばし離れ、のれんをくぐる。酒で生まれるマイペース、対等の時間に生きる者たちの居心地を感じる作品! すごいぜ!

        会計はおごりでも割り勘でもなく自前。互いの行きつけで顔を合わせた時だけ、互いの心の隙間を埋めるように酒と肴と言葉で少し寄り添うような甘く切なく、ほろ苦いセンセイとツキコさんの年の差関係はどう発展するのか?

        傾慕が成就するより、このままいつまでもほろ酔いのいい関係でいて欲しくなるふたりにエール! いまだ読み続けられる川上弘美のマスターピース!

        今宵ツキコさんと盃を交わせれるかも?そろそろ晩酌の準備するかな。

        本日の肴はしめさばと冷奴、マカロニサラダ。外は雨。独酌、家飲み。川上ワールド噛みしめながら、ツキコさんとセンセイが掴んだハッピーに乾杯だぜ!
        >> 続きを読む

        2019/06/30 by まきたろう

    • 他11人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      ダンス・ダンス・ダンス

      村上春樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 少しずつでも歩み続けることが大切でそうしたら違った世界も開けてくるんだなと、それは当たり前のことのようだけど大事なことだと再確認できました。 >> 続きを読む

        2017/10/27 by ユート

    • 他6人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      ペンギンの憂鬱

      KurkovAndrei , 沼野恭子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tsukiusagi asa_chann
      • 【ほのぼのとした話だと思っていたら……】
         主人公のヴィクトルは、40歳の未婚男性で、独立後間もないウクライナのキエフで一人暮らしをしていました。
         おっと、もとい!
         一人暮らしではなく、皇帝ペンギンのミーシャと同居しているんでした。
         このミーシャ、もともとは動物園で飼われていたのですが、ペンギンの飼育をやめることになりヴィクトルが引き取ってきたんですね。

         ミーシャは、どうやら憂鬱症にかかっているらしいのです。
         キエフがいくら寒いと言っても南極に比べたら随分温暖ですし、それにキエフの夏はそれなりに暑いようで、この気候がミーシャには辛いらしく、それが原因で憂鬱症になってしまっているのだとか。
         とは言え、その素振りなどからは人に慣れた可愛いペンギンという感じなんですけれどね。

         ヴィクトルは作家志望なのですが、どうしても短編しか書けずにいます。
         取りあえず書き上げた短編小説を新聞社に持ち込んだところ、ある新聞社がヴィクトルの作品を気に入ってくれて、『十字架』と呼ばれる仕事を回してくれるようになりました。
        『十字架』というのは、著名人の訃報記事を書く仕事なんですね。
         しかも、生前に。
         日本でも、有名人の訃報記事は生前に書いてあるという話を聞いたことがあります。
         いざ亡くなった時にはすぐに記事を出せるように準備しているのですね。

         ヴィクトルは、編集長から回される資料を基に、特に編集長が赤線を引いた事項を織り込んで訃報記事を書くようになりました。
         それが評判を呼んだのか、記事を読んだ読者からも知人の訃報記事を書いて欲しいという依頼が来るようになったのです。
         その依頼を持ち込んだのは、ペンギンと同じミーシャという名前の男でした。

         「ペンギンじゃない方の」ミーシャは、ヴィクトルがペンギンを飼っているのを見て驚いてしまい、娘にもペンギンを見せてやりたいのだがと申し出ます。
         そんなことくらいお安い御用です。
         そこで、「ペンギンじゃない方の」ミーシャは、娘のソーニャを連れて訪ねてくるようになりました。

         ところがある日、「ペンギンじゃない方の」ミーシャは、娘のソーニャをヴィクトルの家に残したまま姿を消してしまったのです。
         どうやら何かのトラブルに巻き込まれたらしく、身を隠さなければならなくなったというのです。
        自分がそうなってしまった原因の一端はお前の書いた訃報記事にもあるんだと言い、「埃が収まったら娘を迎えに来る」と書き残して消えてしまったのです。
         困ってしまったヴィクトルは、知人の警察官の姪だというニーナをベビーシッターに雇い、以後3人とペンギン一匹の生活が始まるのでした。

         という物語で、ユーモアたっぷりだし、何だかほのぼのとした話なのかなぁと思い読み進めて行ったところ、これがさにあらず。
         ヴィクトルが書いていた『十字架』には、実はある秘密が隠されていたのですね。
         後半になるとどんどんサスペンス的な色合いが濃くなっていきます。
         そして、ラストはちょっと恐い終わり方になっています。

         この作品に警察官とペンギンを登場させようと思ったのは、ある小咄を聞いたことがきっかけになったのだそうです。
         作中にもその小咄のことがチラッと出てきますが内容までは書かれていません。
         最後にその小咄をご紹介しておきましょう。

         警官がパトロールをしていたところ、部下警官がペンギンを連れて歩いているのに気が付きました。
         「何をしてるんだね。すぐにそのペンギンを動物園に連れて行きたまえ。」
         「分かりました。」
         上司はパトロールを続けたのですが、しばらく後に再び部下警官がペンギンを連れて歩いているのに出くわしました。
         「何をしているんだ。さっき動物園に連れて行けと言っただろう!」
         「動物園にはもう連れて行きました。映画にも行きました。これからサーカスに行くところです。」
        >> 続きを読む

        2019/11/16 by ef177

    • 他5人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      袋小路の男

      絲山秋子

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 無駄をなくして研ぎ澄まされた文章。
        風景描写も人物相互関係もしかり。
        書き込んで書き込んで表現するのも嫌いじゃないが、無駄をそぎ落とした文章の中で、行間を読んでいくのも悪くない。
        でも、数十年前の作品だからか、この作家にしては、ちょっとパンチが足りない気もした。
        >> 続きを読む

        2015/12/16 by shizuka8

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      夕凪の街桜の国

      こうの史代

      双葉社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 映画「この世界の片隅に」の原作者こうの史代が被爆者をテーマに描いた作品。

        こうの史代の絵柄は柔らかく優しいタッチであるが、人々の心の陰影も鋭く描き出されている。
        その為、登場人物達の苦しみや悲しみがより深く心に突き刺さってくる。
         
        夕凪の街
        この作品は、原爆が投下されてから10年が経過した広島で慎ましく懸命に生きている若い女性、皆実が主人公である。
        ほのぼのと優しい絵柄だけに、彼女が経験した壮絶な体験が語られるときその恐ろしさが際立つ。
        彼女は幸せを掴みかけるが、原爆の後遺症により亡くなってしまう。
        本当に悲しい物語であった。
        被爆した方々の癒すことのできない心の傷と、いつ発病するかわからない恐怖を抱えて生きていかなければない苦悩を感じた。

        桜の国
        夕凪の街の主人公の弟旭の娘七波が主人公である。
        舞台は現代で、家族に内緒で広島に向かう父を尾行する七波のお話。
        現代から過去の回想シーンへの移行が情緒豊かで本当に美しいと感じた。
        皆実と七波がよく似ているのが、この物語に何か特別な意味を与えている気がする。

        >> 続きを読む

        2018/04/21 by くにやん

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      モーターサイクル・ダイアリーズ

      Guevara Ernesto , 棚橋加奈江

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:南アメリカ
      3.0
      いいね!
      • この映画を映画館で観る機会があって、良かったので、本も読むことに。
        読みやすい文章では無かった。原文はスペイン語で、日記であり、彼は作家では無いのだからしょうがない。でも旅ってこういうことなんだろう。7ヶ月の時間を体感し、彼と一緒に出発時とは違う自分に成ってると感じられた。
        あと、スピーチは流石に上手いね。
        >> 続きを読む

        2018/05/13 by まさあき

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      生首に聞いてみろ the Gorgon's look

      法月綸太郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Tukiwami

      • 友人の写真家の個展を訪れた名探偵・法月綸太郎は、そこで旧知の翻訳家の川島敦志と姪の江知佳に出会う。

        江知佳の父親は、前衛的な彫刻で知られる川島伊作。
        近年は、創作上のスランプに陥り、随筆家として活躍していたが、ちょうど大病の手術を終え、江知佳をモデルにした久々の新作の彫刻に取り掛かっているところだった。

        しかし、ちょうどその日、新作に情熱を注ぎ過ぎたためか、アトリエで倒れ、帰らぬ人となってしまう。
        その上、葬儀が終わった直後、江知佳をモデルにした件の彫刻「母子像」の首が切断され、持ち出されているのが発見される。

        まるで殺人予告かのような盗難に江知佳の身を案じ、敦志は綸太郎に捜査を依頼するが、伊作の追悼展が開かれる名古屋の美術館に江知佳の切断された首が送りつけられてしまう-------。

        この法月綸太郎の長編ミステリ「生首に聞いてみろ」は、第5回本格ミステリ大賞受賞作で、著者が受賞時のコメントで「はじめにタイトルありき」と述べている題名は、都築道夫の「なめくじに聞いてみろ」のもじりであり、川島家の複雑な家庭事情や、中盤のある関係者への事情聴取の場面は、ロス・マクドナルドの影響がうかがわれますね。

        そして、その佇まいは意外と軽やかで、エラリー・クイーン的な思索は一旦、後景に退き、綸太郎によるいくつかの失策も、苦悩よりはむしろパズルのピースとして我々読者を驚かせる構図に繋げられる。

        そういった在り方は、二転三転する石膏像の首を巡る議論や、精緻な伏線が真相に収束する筆致と相まって、克己的ともいえる印象を与えていると思う。

        芸術家と、彼が遺した作品を巡るミステリというと、著者の名作「カット・アウト」が思い出されますが、この作品も人体を直取りした石膏像の"模倣"についての掛け合いなど、謎解き推理のアナロジーとして、芸術を見つめる視線が散見される。

        これは最終的には否定されるのだが、早い段階で美術評論家・宇佐見によって提示された仮説は実に魅力的だ。

        そういった衒学趣味が知的興味を喚起する一方、最終的に明るみになるのは、芸術家の周縁で運命に蹂躙された女性たちの姿であり、ラストで一人残された家族が漏らす嗚咽は、何とも物悲しい。

        >> 続きを読む

        2019/02/22 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      百鬼夜行

      京極夏彦

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • サイドストーリーとはいえ京極先生、これはファンを殺すなあ、と(笑)。

        まず、各短編の主役が脇役過ぎる。。。

        杉浦(女郎蜘蛛の脇役的殺人鬼)
        平野(同上)
        鈴木(百鬼夜行シリーズでは不登場・・・)
        棚橋・堀越(鉄鼠の消防団。ただし棚橋は鉄鼠では不登場・・・)
        山本(女郎蜘蛛の犠牲者の女教師。出るなり死んでた人物で印象薄い)
        岩川(塗仏で子供に弄ばれた無能な警察)
        円(鉄鼠の貫首。ほぼ登場しない)
        木下(警察。色んな作品に出てくるが地味で存在感なし)

        目を引く話はせめて二つで、
        久遠寺涼子(姑獲鳥の主キャラ)と関口夫妻、の話くらいだろう。
        それらもとはいえ暗く、特に読んで何か思い入れが深まるような情報も逸話もないしと。


        京極シリーズは、
        姑獲鳥が切れ味鋭く一部のファンの口コミを中心にヒットして、
        魍魎で受賞と共に大ヒットしてファンが増えて、
        しかし狂骨と鉄鼠で分量が長大になったこともありライトなファンを振り落として、
        女郎蜘蛛が巧い話で残っていたファンを満足させて、
        しかし塗仏が異常な長大さでコアファンのみを残してほぼファンを駆逐して、
        そのコアファンをも殺そうというのがようやく出たこのサイドストーリーで、

        自分の場合にはその後の作品含めもう沢山出ている状態なのでまだ耐えられるが、
        寡作になった当時の京極シリーズで、これはきついだろうな(笑)。
        当時にファンだったら果たして残れていたかどうか。。。


        というのが一番の感想だったのだけれど、もう一点、これは前向きな感想で、
        この短編集そのものは大して面白くないのだけれど、一つ一つが、百鬼夜行画集に載る妖怪から発想を得て書かれた話で、この妖怪の絵からよくまあこんな話を考え出したな~という観点で見ると感心が尽きない作品。

        個人的にはこれで妖怪への興味が飛躍的に増してしまって、今や、百鬼夜行画集はおろか、妖怪談義の類いもネットで買い集めてしまっています。
        今度、アベノハルカスの大妖怪展にも行ってきます。

        妖怪は奥が深そうな世界で、これは拓かれた思いです。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      魔笛

      野沢尚

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! yakatyu
      • 小説でこんなにエンタテイメント性溢れる作品が書けるのは、さすが脚本家でもある野沢尚なんだと思う。
        一文一文読み進める度に、その情景が克明に頭に浮かぶ表現力は物凄い。この作品は中でも群を抜いている。
        >> 続きを読む

        2015/05/12 by yuria

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      蒼穹の昴

      浅田次郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 中国清朝末期(19世紀後半~)を舞台にした歴史小説巨編。

        科挙に登第し官僚として立身を試みる文秀と、貧しさゆえに宦官として出世を試みる少年・春児。第1巻では、それぞれのスタートポイントが描かれています。

        非常に大きな世界観の中で、伸びよう伸びようとする2人の生き様に逞しさと清々しさを感じます。自身も些事にこだわらず、大きく伸びたいと思える本です。
        >> 続きを読む

        2014/09/30 by こいこい

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 24人が本棚登録しています
      肩ごしの恋人

      唯川恵

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • なんだろう、このいびつな幸福感は!
        女であることを最大の武器に生きる「るり子」と、恋にのめりこむことが怖い「萌」
        対照的なふたりの生き方を通して模索する女の幸せ探しの物語。
        子どもを産める女ならではの幸せを感じた。

        恋とセックス。
        るり子と萌の視点が交差する物語。
        そこに、エロスは感じない。
        食欲や睡眠欲と同じように、性欲は日常。
        生きている、愛している、愛されている実感を感じたい。

        美貌を武器に、恋して、結婚して来たるり子。
        やがて、歳を取り、その美貌も武器にならなくなる。
        けれど、それでも、好きなことを通し続ける彼女に、
        だんだん親近感を覚えてくる。

        対照的なふたりの貪欲な生き方に共感を感じる。
        そして、家出したきた15歳の崇との3人の同棲生活。

        ヤケになったるり子が、15歳の崇へ言う。
        「ねえ、抱いてよ」
        「抱けないけれど、抱きしめることならできるよ」

        人は人の温もりを感じて生きてゆける。
        そんな微笑ましさを感じる。
        そして、子どもを宿った萌の落ち着いた様子。
        最後、腐れ縁の対照的な二人のやりとりに、いびつな幸福感に包まれた。
        第126回直木賞受賞作
        >> 続きを読む

        2015/10/17 by てるゆき!

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      間宮兄弟

      江國香織

      小学館
      カテゴリー:小説、物語
      2.7
      いいね!
      • 何かが起こりそうで結局元の日常に戻ってく、冴えない兄弟の物語。父性愛が働くのか、好きにはなれんが愛着のわく兄弟でした。 >> 続きを読む

        2017/08/28 by hiro2

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      電車男

      中野独人

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!

      • ひとりの青年が、ネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」に、ある体験を書き込んだ。

        電車の中で酔っ払いに絡まれる女性を勇気を振り絞って助けた。
        数日後、彼のもとに、かの女性からお礼のカップが届く。

        二十二歳のその日まで女性とまったく縁がなかった彼は、動転し掲示板に助けを求める。
        「電話をかけたい。もう一度話したい。でもどう話しかけたらいいんだろう。」
        見るにみかねた掲示板の投稿者たちが、彼にアドバイスを始めるのだった-------。

        今や日本で最も有名になった匿名青年「電車男」の物語だ。
        この中野独人の「電車男」は、その投稿の一部始終をまとめた抱腹絶倒のノンフィクションだ。

        一見はやりの純愛ブームに便乗した愛の物語のようだが、この顚末には、恋をしたことのある人なら誰にでも覚えがある、恋愛への欲望と計算とぶざまが惜しげもなくさらされているという点で、「裏ソナタ」とでも言うべき等身大の魅力に満ちていると思う。

        そして、チャーミングなのは、何と言っても、よってたかって彼に忠告をするネット投稿者たちの存在だ。
        彼らのほとんどが、実は彼と同じように日頃、女性と接触のない男性たちで、それゆえ、そのアドバイスは時に深読み、時に迷走、そして暴走する。

        生まれて初めて女性に電話をかける「電車男」を励ます言葉が「小学校の時に最初で最後の下着泥した勇気でよければくれてやる!」。

        やがて彼は、見知らぬネット投稿者に支えられ、「電車男」は、愛と勇気に彩られた奇跡の二カ月を生み出すことになるのだが-------。

        この物語を空前絶後の恋愛と見るか、マインドコントロールされた若者の貧しい恋愛劇ととるか、はたまたすべてが仕組まれた壮大な作り話と割り切るかは、読み手の感性にかかっていると思う。

        この小説は、笑って笑って、そして最後に訪れる奇跡の瞬間に心揺さぶられる一冊だ。

        >> 続きを読む

        2018/10/27 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      考える短歌 作る手ほどき、読む技術

      俵万智

      新潮社
      カテゴリー:詩歌
      4.5
      いいね!
      • 歌がうまくなりたい一心で買い求めた本。

        短歌上達の秘訣は、優れた先人の作品に触れることと、
        自作を徹底的に推敲吟味すること、と。


        あの、俵万智さんが読者からの投稿を元に、添削指導。
        でも、その添削対象の短歌でさえ、私からすれば雲梯の違い。

        もっと、基礎から教えて欲しいんですが・・・。

        教えとして、各講のお題を列挙しときます。

        ・「も」あったら疑ってみよう
        ・句切れを入れてみよう
        ・思いきって構造改革をしよう
        ・動詞が四つ以上あったら考えよう
        ・体言止めは一つだけにしよう
        ・副詞には頼らないでおこう
        ・数字を効果的に使おう
        ・比喩に統一感を持たせよう
        ・現在形を活用しよう
        ・あいまいな「の」に気をつけよう
        ・初句を印象的にしよう
        ・色彩をとりいれよう
        ・固有名詞を活用しよう
        ・主観的な形容詞は避けよう
        ・会話体を活用しよう

        しばらく、これらに、注意しながら、短歌づくりに励みまっせ。

        >> 続きを読む

        2018/05/28 by ごまめ

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      ハーバードからの贈り物

      幾島幸子 , WademanDaisy.

      武田ランダムハウスジャパン
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.0
      いいね!
      • 85ページ: 私がのちにCEOになったとき、友人はこうみごと言ってのけたものだ。「スティーヴ、もう二度と手に入れられないものが二つあるよーーまずい食事と真実だ」 >> 続きを読む

        2015/03/19 by Neo*

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      203号室 (光文社文庫)

      加門 七海

      1.5
      いいね!
      • 本の表紙につられて読みたくなる、ということってありますよね。
        この本も表紙のおどろおどろしいのにつられて読みました。
        が、内容はがっかり。おすすめしません。つまんない。

        最近のホラーだとやっぱり「リカ」ですね。
        ディーン・クーンツもおもしろいです。
        ホラー系本で背筋が凍る思いをまたしてみたいです(^^)
        >> 続きを読む

        2016/07/02 by madison28

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ジス・イズ・パリ

      松浦弥太郎 , SasekMiroslav

      ブルース インターアクションズ
      4.5
      いいね!
      • 美しい構図の絵が多いロンドン、思い入れのあるミュンヘンと読んできた。そしてシリーズ原点のパリ。
        やっぱり世界の都市の中でパリは憧れの街と実感。

        半世紀も前の書籍なので情報は古いがそれもまたノスタルジックな雰囲気で良い味となっている。
        映画でお馴染みの建物・公園・カフェが登場するとそれとわかる忠実でカラフルなイラスト。

        この本を読んだおかげで2歳の息子は東京タワーを観て「エッフェル塔!」と間違えたり、パン屋に行くと「フランスパン!」とテンションが上がるようになったw
        >> 続きを読む

        2013/04/23 by ybook

      • コメント 6件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      肉単

      河合良訓 , 原島広至

      エヌ・ティー・エス
      カテゴリー:基礎医学
      4.0
      いいね! tiger watawata
      • 昔英単語を憶えるために買った参考書はたしか「ゲリ単」と呼ばれていました。

        久しぶりに出会ったお勧め単語集は本書「肉単」。
        タイトルで思わず手に取りました。
        医学向けに筋肉の名称を解説している本です。

        シリーズ物で「骨単」「臓単」「ツボ単」「生薬単」「骨単Map & 3D」がありまして
        だめ押しなのか「3D踊る肉単」というものもありました。

        裏表紙には鍼灸 ・カイロ・介護・スポーツ科学・美術解剖学・ボディビルダーにも、と書かれており、大変ふところの広い単語集です。


        図版はとても豊富。
        各筋肉の漢字の名称にかな・ギリシャ語・ラテン語が表記されています。

        なにより本書(このシリーズ全体)で特筆すべきは
        うんちくの守備範囲です。
        ギリシャ語・ラテン語表記の語源の解説やコラムがとても面白いです。
        例えば、
        「ヒラメ筋」の解説はこんな感じです。
        ラテン語でソレア「靴底、サンダル」に由来。英語のソウル「足底、ソール」も同根語。
        サンダルの形に煮た「舌ビラメ」も英語でsoleという。

        コラムだと
        「肛門括約筋とスフィンゴ脂質とスフィンクス」
        「広頚筋(こうけいきん・あごから鎖骨にのびている筋肉)と血小板、プラザと高原とプラトン」
        「腓腹筋(ひふくきん・ふくらはぎの筋肉)と大根役者と無線通信」
        といった具合で雑学的に楽しめます。


        2004年の初版から自分の手元にある2007年版でなんと29刷目。
        発行部数は分かりませんがものすく売れている本ではないでしょうか。


        シリーズをざっと見た限りどれも面白そうでした。
        「ツボ単」はさすがにラテン語表記はなかったようです。
        次は「生薬単」を読もうかなと思ってます。こちらの本の情報量は半端なかったです。
        いまから楽しみ。

        追記 著者はイラストも担当。
        「歴史・サイエンスライター。古代言語愛好家で明治大正時代の絵はがき収集家」と紹介に書いてあり納得しました。
        序文にレンブラントの「トゥルプ博士の解剖学講義」の間違いについて詳しく書かれていてこの本は大丈夫だと確信しました。

        他所で書いたものを転載しました。
        >> 続きを読む

        2017/11/10 by katabami

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      デモクラシー

      金田耕一 , CrickBernard , 添谷育志

      岩波書店
      カテゴリー:政治学、政治思想
      4.0
      いいね!
      • 本当にビターな味わいのある、すばらしいデモクラシーについての本だと思う。

        著者が言うには、デモクラシー(民主制、民主主義)は、善き統治にとって重要な要素ではあるが、それだけで善き統治になるとは限らない。

        歴史上、デモクラシーと呼ばれてきたものには大きく四つある。

        1、ギリシャのデモクラシー(直接民主主義)
        2、ローマの共和政(混合政体。元老院と民衆の権力の混合。)
        3、ルソーなどの、素朴で無知な庶民が政治参加によって道徳的になりうるし、政治参加すべきであるという思想。
        4、ミルなどの、法的に保障された個人の権利と人民の権力が適度に混合された代議民主制。

        それぞれかなり違うものであり、実際にどのような歴史的経緯があったかを、該博な知識とユーモアに富んだ深みのある筆致で描いている。

        そして、トクヴィルを引きながら、デモクラシーにおける多数者の暴政の危険(画一性、凡庸さ、多様性・卓越性への不信など)を指揮しつつ、

        中間団体・国家・個人的な権利の三者の継続的な相互作用としてデモクラシーをとらえ、中間団体の重要性を指摘し、単に個人と強力な中央集権とではデモクラシーはきちんと機能しないと述べているのは共感させられた。

        さらに、本書ではなかなか辛辣にポピュリズムの危険性を指摘している。

        決してデモクラシーとは、それ自体で必ずしも理想的とも善い統治になるとも言いきれず、さまざまな留保が必要な、ともすれば堕落や危険を伴いやすいものであるというわけである。

        にもかかわらず、デモクラシーは専制政治や全体主義よりはるかに良いと筆者は述べる。

        一、デモクラシーより、専制の方が、真実を暴かれた時のリスクが大きい。
        二、政府が開かれていて透明性が高いこと、情報の自由があるだけでなく、実際に情報を手に入れ流布できること。

        この二つは、実際に政治に参加することと同じぐらい重要だと、筆者は述べる。

        そして、末尾で、西欧における二つの大きな政治思想の流れ、つまりデモクラシーと共和主義の二つは、ある意味摩擦のあるものだが、近代デモクラシーを前提とした上で、教育によって公民的共和主義の能力を涵養し、身近な多元的な中間集団において参加の機会を得て行く道筋が語られている。

        決して民主主義を理想視もせず、かといって見捨てもせず、ビターなユーモラスな、そして深みある筆致で、目指すべき善き統治とは何かを読者に道案内し、歴史の多様な要素の中から選ばせる本書は、決して初心者向けの入門書というよりは、デモクラシーについて深く考えたい人のための、かなり玄人向けの、さらなる深いデモクラシーや政治への思索の「入門書」として最適だと思う。
        >> 続きを読む

        2012/12/22 by atsushi

    • 1人が本棚登録しています
      可愛い女

      アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ , 神西清

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  19世紀は、50年、いいや100年に1人クラスの天才(小説家)がとにかく多くて、あるバスケ漫画の「キセキの世代」どころの騒ぎではなかった。バスケのチームが三組は組める。どのチーム相手でも、20世紀代表や21世紀代表では練習にもならないだろう。
         なかでも、バルザックとチェーホフ、この二人のプレーが群を抜いてすごかった。あれ? 引きこもりプレーをやらせたらピカイチのドストエフスキー選手や、天才の眼と比類なき恐妻家で知られるトルストイ選手はどうなの、という声が聞こえてきそうだが、ここではあの二人にしておいて下さい。まあ、長篇部門はめんどくさいけれど、短篇はチェーホフで決まりでしょう。ついこの間、ノーベル賞をもらったアリス・マンローも、「現代のチェーホフ」と言われている訳ですし。
         では、ここからは作品について。この岩波文庫には、「可愛い女(ひと)」、「犬を連れた奥さん」、「イオーヌィチ」の三篇が入っている。翻訳は神西清のもので、彼の流麗な日本語を大いに楽しむことができる。が、新潮文庫の小笠原豊樹(詩人 岩田宏の本名)の訳文も当世風で心地がよいから困る(神西訳はやや古めかしい)。どっちにしようか? 小声で言いますが、できれば大きい書店に行く方がいい。チェーホフにはそれだけの値打ちがあります。
         長くなったので、作品の中身はまたいつか。ちなみに、「犬を連れた奥さん」は陽気なタイトルのくせに、じつは不倫物なんです。ああー、チェーホフは犬を連れた奥さんを選ぶのかあー、くそーォ。じゃあ、ぼくは猫をかぶった巫女さんにしよう。
        >> 続きを読む

        2015/04/07 by 素頓狂

      • コメント 5件
    • 2人が本棚登録しています

出版年月 - 2004年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本

小さな習慣