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2005年7月発行の書籍

人気の作品

      時生

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 時生と名付けた息子が難病で余命わずかの時、父親の拓実は実は過去に息子と会っていたと妻に明かす。

        ここから拓実の過去となり、時生との出会いから、同棲相手の千鶴。
        その後の騒動から舞台は名古屋、大阪へと変わっていく。

        基本的には未来は変えられない。
        その過程で言うのなら、過去の結末は想像がついてしまう。
        度々時生の懇願が明らかに意味深であり、拓実の鈍感さにも多少モヤモヤする。

        いわゆる輪廻転生なのだが、予想内で落ち着く中身には物足りなさが残る。
        >> 続きを読む

        2018/09/09 by オーウェン

    • 他6人がレビュー登録、 54人が本棚登録しています
      くっついた

      三浦太郎

      こぐま社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.4
      いいね! Tukiwami
      • 5か月の孫が、いないいないばあを読んであげると、キャッキャと声出して笑います。
        ないいないばあに対抗(なんの対抗なの?)できる絵本はないかと探した末、見つけた絵本がこれ!
        喜んでくれるかなあ(^∇^)
        早く持って行って読んであげたいなあ。
        >> 続きを読む

        2019/05/26 by shikamaru

      • コメント 3件
    • 他6人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      神様ゲーム

      麻耶雄嵩

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • 表紙は子供の絵本みたいだし、中身は漢字全てにフリガナが付いていて幼稚園児でも見れる。
        でも中身は救いがまるでない物語。

        小学4年生の芳雄の周囲では猫殺しの事件が多発していた。
        そこで芳雄は元から所属していた探偵団として事件を解決しようとする。
        芳雄はそこで転校して知り合った鈴木君の、僕は神様だという言葉を鵜呑みにする。

        主役が子供だからといって、安心なわけがないのは麻耶さんだから。
        しかし予想もしない展開だし、突然の悲劇など容赦ない残酷な中身。

        天誅という言葉でケリをつける神様の仕打ち。
        終盤恐るべき真相が暴かれるが、それを嘲笑うかのような神様の天誅。
        希望も何もないラストで、待つのは絶望しかないとは。
        >> 続きを読む

        2018/07/20 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      空中庭園

      角田光代

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 一見平凡に見える家庭を
        家族の様々な視点から描いた短編集。

        この小説を読んだのが
        30歳過ぎてからで良かったと思う。

        子供の頃、自分の母は産まれた時から
        “母”という生き物だと思い込んでいた。
        大人になっていくにつれ、
        母は娘でもあり、女でもあり、人間であるという事が
        理解できるようになってきたのだ。
        そういう事を踏まえて、この小説の世界に入っていけたので
        いとも簡単に心に入り込んで来た。

        この家族は「隠し事をしない」という決まりを作っている。
        それが逆に不自然で異質な家族を作ってしまっていたのだ。

        特に母と娘の関係性が皮肉で淋しかった。
        娘の立場だから分からない、母の立場だから見えない、
        そんな悲しいすれ違いが凄くリアルだった。

        キレイ事が嫌いな私は基本的にこういう話が大好きだ。
        角田さんの作品をもっと読みたい…
        まだこれ以上の作品がある、と信じて、星4つ。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by NOSE

    • 他4人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      その日のまえに

      重松清

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      •  「とんび」「流星ワゴン」などで知られる
        重松清氏の作品で、テーマは死別。
        友人や愛する人との病による別れに直面した
        いろいろなパターンの人たちを描いています。
         
         7本のお話が収まった短編集なのですが、
        最後の3本は主人公が同じでストーリーもしっかりつながっています。
         
         でも、それ以外の4本も
        微妙にラップしてくる部分があったりして、
        読者をニヤリとさせるあたり
        やはり重松さんは上手いですね。
         
         本の帯に「涙!涙!!涙!!!」と書かれていますが、
        自他共にみとめる涙腺の弱い私が不思議と泣きませんでした。
        最後のお父さんが清々しかったからかな。
         
         お盆のお休みなどに読んでみると
        いい一冊かもしれません。
        >> 続きを読む

        2017/07/29 by kengo

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      容疑者Xの献身

      東野圭吾

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tukiwami
      • これは名作だと思う。面白い。

        東野圭吾はあまりにもポピュラーなので、好きな作家と聞かれて「東野圭吾」と言うのを躊躇する時がある。もちろん彼の他にも優れた作家は沢山いるのも知っているつもり。面白い本は世の中に沢山あるし他の方に押し付ける気ももちろんないのだが、やはり東野圭吾も面白く、私たちを楽しませてくれる作家であることは間違いない。

        この作品はそんな彼が提供してくれるエンターテインメント性を再確認させてくれる。
        >> 続きを読む

        2012/11/15 by mahalo

      • コメント 5件
    • 他2人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      犬はどこだ

      米澤穂信

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • 紺屋は紺屋S&R社という探偵社を開いたが、探すのは犬専門。
        ところが来た依頼は人探しと古文書の解読という二つ。
        しかし経過していくと実はこの二つに関連が。

        紺屋の過去だったり、妹がやってる喫茶店だったり、雇われる部下になるハンペーだったり。
        かなりキャラの設定が出来上がっており、それが謎解きの過程で魅力的になっていく。

        そしてラストである事態によって苦みが残る結末に。
        これは探偵としての能力なのか。限界なのか。
        だからこそ犬でも飼うかとなる。

        普通に続編は作れそうだけど、もう出てから10年以上経つし難しいかな。
        それにしてもGENよ。有能すぎだろ(笑)
        >> 続きを読む

        2018/05/10 by オーウェン

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    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      きょうの猫村さん

      ほしよりこ

      マガジンハウス
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.4
      いいね!
      • 久々に猫村さんに会いたくなって読み返しました。
        ほんと、かわいいなぁ。
        どんな事にも一生懸命で。
        ぼっちゃんが作ってくれた「Neco」エプロンの紐を
        縦結びにし身に付けて、
        犬神家の家政婦になった猫村さん。
        早くぼっちゃんに会えるといいね。
        >> 続きを読む

        2015/02/08 by すもも

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      自分を磨く方法

      弓場隆 , LockhartAlexander.

      (株)ディスカヴァー・トゥエンティワン
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.3
      いいね!
      • 基本的にはシビアな意見をバシッといってくれるような本が好きだが、迷ったりしている時はわかりきっているような優しい当たり前のことろ自分に言い聞かせたい時もある。そんな時に適した本だと思う。

        「あなたは素晴らしい可能性を秘めている。」という帯の言葉も好き。

        自分はダメなんだって思ってしまったら悲しすぎるし、自分を信じられるからこそ頑張ることもできると思うし、嬉しいことにも気付けるはずだから。
        >> 続きを読む

        2013/11/25 by mahalo

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      画図百鬼夜行全画集

      鳥山石燕

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:日本画
      4.5
      いいね!
      • 面白かった。

        それまで、ふわっと存在していた一つ一つの妖怪に、形と背景を加えた妖怪集の古典。

        あ、こんなのまで妖怪なんだ、と思うものが多く、また怖くないものが多いのも面白い点。

        昔の人は、怖いもの=妖怪、ではない角度で捉えていたように感じます。


        この作品には出てこないけれど、狐の嫁入りなんかも、好きな奇譚。

        単なるにわか雨を、
        狐が嫁入りする道すがら、見られないように雲をさーっと通して陰が出き、雨はお嫁さんの涙。
        とする想像力、
        昔の人は凄いなあ、と感嘆します。

        こういう不思議で素敵な日常のファンタジーを集めて、子どもに教えてあげたいと思ってます。
        >> 続きを読む

        2017/08/18 by フッフール

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      Last

      石田衣良

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • ハッピーエンドの青春小説や切ない恋愛小説が多い石田衣良作品の中では異色のダーク系短編集。

        追い込まれた人たちのラストを綴っている。
        目を覆いたくなるような酷い7つの状況は読み進めるのが辛い。特に最終話の「ラストシュート」は重すぎて読了後の気分はかなり悪い。

        しかし、どれほど酷い状況であってもすぐ近くで起こりうる日本社会の現実。きつかったけど読んで良かったと思う。
        >> 続きを読む

        2012/11/04 by ybook

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      魔人探偵脳噛ネウロ

      松井優征

      集英社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.7
      いいね!
      • 探偵ものの皮をかぶった娯楽漫画です。推理物では一切ありません。
        シュールギャグと犯人の豹変、現代風刺のような小さな挿絵、そしてなかなかな伏線を楽しむ漫画です。

        今暗殺教室がはやってますがネウロのほうがアクが強かったです。それが面白いと思うかは人次第です。
        ただ暗殺教室の際作者が語ってますが、暗殺教室が読まれる昨今はテレビ離れが進み挿絵を描くのが難しいそうです。ネタが分からないと笑ってもらえませんからね。
        その点ネウロの時代はそういったネタが多くありそれを多く作者が拾っているため小さなコマ一つ一つがとても面白いです。
        事件も日常もそういったちりばめられたギャグのために感じられるほどです。
        中身を難しく読もうとせずともそういった挿絵で笑うだけでも楽しい漫画だとは思います。
        絵はまだまだといったかんじです。
        >> 続きを読む

        2015/05/15 by mesh

      • コメント 3件
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      Pay day!!!

      山田詠美

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!

      • いいこと言うなあ。読みながら何度も頷かされた一冊が、山田詠美の「PAY DAY!!!」なんですね。

        主人公は双子の兄妹ハーモニーとロビン。
        彼らが十五歳の時に両親が離婚したため、妹のロビンは、イタリア系アメリカ人の母親とニューヨークに残り、兄のハーモニーは、アフリカ系アメリカ人の父親と共に父の故郷である南部へと移り住み、祖母、伯父のウィリアムと一緒に暮らしている。

        両親の離婚から一年たった夏、ロビンが父と兄を訪ねて南部にやって来るところから、物語は幕を開けるのだ。

        ブルースが好きで、南部という土地に自分のアイデンティティを重ね合わせようとしているミュージシャン志望のハーモニー。
        一方、賢くて要領のいい、典型的なニューヨークっ子のロビン。

        両親の離婚に心を痛める一方で、二人はティーンエイジャーらしく恋に心を浮き立たせてもいる。
        ハーモニーは、年上の人妻ヴェロニカとの情事に溺れ、ロビンは、心優しい二十代の青年ショーンに憧れを抱いている。

        彼に心を残しながらも、夏が終わってニューヨークへと帰って行くロビン。
        ところが、九月十一日、同時多発テロが起こり、ワールド・トレード・センター・ビルで働く母親が、行方不明になってしまう。
        ロビンは、傷心を抱え、父と兄の待つ南部に戻って来る-------。

        あの事件を背景に置きながら、しかし、作者の山田詠美は、そこいらに十把一絡げで転がってる、大きいけれど空疎な言葉を決して用いない。
        ショーンに慰められて心の安寧を取り戻すロビンに、山田詠美はこう言わせるのだ。

        「いつだって世の中の大きな悲しみには、ちっぽけな枝葉がある。極めて個人的な生活が、そのはしをになっていて、もがく自分に必要なのは、世界の行く末を憂える人々ではなく、私だけの手を引いて歩かせてくれる人」なのだと。

        その通りだと思う。こういう等身大の力強さと健全さを示すアドバイスこそが、弱ってる人間を慰めてくれるのだと思う。

        でも、その優しさの一方で、大切な人を失っても人生は続き、それどころか他者の死によって自分の生が輝きを増すことすらあるという、現実の残酷な一面から目をそらさない作家でもあるのだ、山田詠美は。

        例えば、事件が起こった後、心配して電話をしてきたヴェロニカの声を聞いて泣いてしまうハーモニー。
        彼は気づく。「悲しくて泣いてるんじゃない。なんてことだ。悲しみが、彼女の声を聞ける喜びを引き立てている!!」。

        肉親の死がもたらす深い悲しみが、恋をより一層甘く演出してくれるという皮肉な事実。
        それもまた、私たちの等身大の心のありようなのではないだろうか。

        湾岸戦争から帰って以降、酒浸りの生活を送っているウィリアム伯父は、母親のことで心を不安定にさせているハーモニーをこんな直球の言葉で労わる。
        「死んでるよ。人は誰でも死ぬんだ。そして、そのたいていの場合、理不尽な理由によるものなんだ」と。

        死と生をめぐるあれこれには、確かに残酷さや理不尽さがまとわりつく。
        でも、それを認める心の強さがあればこそ、逆に世界を冷ややかな眼差しで眺める虚無に、落ち込まずにすむはずなのだ。
        「時間は、人を楽にするけれども、大切なものを葬り去ってしまう」という哀しみの裏には、「ここにいない人のために、多くの歌が作られて来た」という希望がある。

        ここにいない人に気持ちを馳せることが、どれほど魂に栄養を注ぎ込んでくれることか。
        この作品は、そのことを、よく伝えてくれる滋養あふれる小説なのだ。

        >> 続きを読む

        2018/07/04 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      破戒

      島崎藤村

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 出だしから文章が難しく、心が折れそうになりましたが、なれてくると読み進められるようになります。

        えた、部落差別というテーマの話なのですが、その時代の差別の酷さにはぞっとするものがあります。
        読んでいて好感を持てるような登場人物も、権力者も、総じて部落出身者を汚いもののように見ているのですから、驚きです。

        しかし、そういった重たい部分を書きつつも、ストーリーの面白さがあるので、読んでいてついつい続きが気になります。
        差別は差別される側が行動を起こさない限りなくならないけれど、差別される側は社会的に立場が弱いのは皮肉です。

        現代でも、差別とまではいかなくても、偏見や、古くなった常識ってありますよね。
        そういったことについて知るのは大切だけど、自分の考えを持つことで他人の何気ない発言が引っかかったり、思わず反論したくなったり...。
        他人と価値観が違うのは当たり前だけど、それに折り合いをつけるのは難しいと思いました。
        >> 続きを読む

        2018/10/06 by りっか

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      向田邦子の恋文

      向田和子

      新潮社
      カテゴリー:日本文学
      4.0
      いいね!
      • 向田邦子さんの恋人へ宛てた五通の手紙。

        日常のことが、淡々と綴られているなかに、揺れ動く恋心が滲みでる。

        相手は妻子ある男、脳卒中で倒れ足が不自由に・・・・。
        そんな彼に、仕事に缶詰になったホテルから合間を縫って手紙を・・・。

        世間からは、仕事からは遠のいている彼、仕事でも、経済的にも支える邦子。

        尽くすことで、どこか満たされる邦子の思い。

        洪水のごとくドラマとラジオの原稿が押し寄せる中で、
        ご自分の生きがい、自分が尽くせる対象をずっと“秘め事”としてご自分の中へ。

        全ては、ご自分の・・・で、決して自己本位の自分ではなく、自分さえよければ、
        自分さえ我慢すれば・・・甘え、燃える女ではなく、強い、耐える女を演じる。

        その、二人のやりとりの手紙は、まさに向田邦子のドラマそのもので、
        言葉少なく、情念は濃い。

        この時代に、携帯電話があり、二人がメールを交わしていたら、
        どんな展開になっていたのか・・・・障害のある中での恋。

        向田邦子の世界は、私生活の中でも一途に展開されていた。
        >> 続きを読む

        2013/05/19 by ごまめ

      • コメント 3件
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      アムステルダム

      小山太一 , McEwanIan

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  この物語はある一人の女性の葬式から始まります。
        モリーという40代にして、痴呆性の難病にかかってしまい、最後には自分の事すらわからない「みじめな死」だったという。

         モリーは、自由奔放というか、たくさんの男の人と関係し、その葬式には、今は大手新聞の編集長のヴァーノン・ハリディと現代クラッシック音楽の大家と言われるクライブ・リンリーが呼ばれました。

         この2人は時代が違ってもかつてはモリーと暮らしていたという過去があります。
        最初はモリーの若すぎる死を悼む2人ですが、第三の男、外務大臣のガーモニーの登場に驚きます。

         さらにこの2人のところにある写真が届く。その写真をめぐってモリーと関係があった、というだけの共通点の3人にさざなみが立ち、事件が起きます。

         この3人は、大臣、編集長、音楽家と世間からみれば成功者であり、裕福です。
        The man of the world、日本語で仮に「有識者の集まり」などというものがあったとしたらこの3人は有識者に選ばれるでしょう。

         しかし、この3人はそれぞれ、もう若くない身体を駆使してそれぞれの仕事をしている。
        特に描かれるのは、2000年、新世紀を迎えるにあたっての国を代表する交響曲を作曲しているクライブののたうつような作曲の姿。

         そして、ライバルがたくさんいるなかで、生き馬の目を抜くような新聞の競争の中で、さらに売上をのばし、高級新聞編集長のプライドを持ちながらも、仕事に追われるヴァーノンの姿。

         単語の羅列のような短いセンテンスの連続。
        それは、切れ味のよいナイフでまさに身を削っているような幻覚を覚えるほど、鋭い観察と考察と毒のある怜悧な言葉の連続で、ストーリーよりもその文章、音楽を、新聞記事の文章を創り上げる苦悩を描きます。

         しかし、何故アムステルダムなのか?
        それは、最後になってわかるのですが、許されることが許されない、そうかと思うと許されないものが許される、そんな人間の苦渋の世界を甘えのない苦み走った文章で描き出します。

         結局、モリーは最後の最後まで主人公だったのです。

         冒頭、その葬式から始まったとしてもモリーから誰も逃れられなかったのだから。死んでも、死なず。死んでも、生きる。死んでも手玉にとる。死んでも、死んでも・・・モリーは死んでいない。
        それがこの物語の一番の恐怖だと思います。
        >> 続きを読む

        2018/06/24 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      日本の歴史をよみなおす

      網野善彦

      筑摩書房
      カテゴリー:日本史
      3.6
      いいね!
      • ちょっと周囲からあきれられるほど歴史に関しても無知蒙昧な私だけれど、それでも(いや、だからこそ、か)中世から江戸時代に至るまでの日本の田舎に対するイメージは、漠然と持っていた。
        いわゆる「お百姓さん」が厳しい年貢の取り立てに苦しみ飢饉の際には真っ先に餓えつつ、貧しくとも地道に実直に日々の農業に勤しむ…とまあこんな感じ。
        でもそのイメージは間違ったものなのかもしれないよ、とこの本で網野善彦氏は切々と語りかけてくる。説得力があり、面白い。
        新たに発見される資料を先入観少ない目で見ていくと、新たな歴史が発見され、組み立てられていく。その過程も窺う事ができ、興味深かった。

        欠点といえば、長い!ことですね。あとがきで氏も述べておられる通り、重複する箇所が多い。整理すれば、たぶん三分の二程度には短くなったはず。
        それから話し言葉を本にまとめたためか、「〜と思います」だの「〜に違いありません」だのが多用されており、読んでいてなんとなく心許ない気分にさせられる。これらは編集の問題でしょうかね。
        >> 続きを読む

        2016/04/08 by maru

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      IWOR知床・生命の聖域

      後藤 昌美

      山と溪谷社
      カテゴリー:写真集
      5.0
      いいね!
      • 知床・生命の聖域というタイトル。
        聖域でもあり、また、生命の溢れる地という表現がピッタリでもある。
        動物・植物・鉱物に限らず、形のあるすべてのもの、そして、形がなくても感じられるもの、すべてが凛とした姿で現れてくる。
        もちろん、ほんわかにたものもあるが、その中にも、凛としたものを感じてしまうのは何故なのだろう?
        自分が、今暮らしているところにも、そんな命の息吹が多く感じられる。
        それを感じ取れなくなることだけは避けたいと切に思う。
        >> 続きを読む

        2015/10/03 by けんとまん

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      大型店とまちづくり 規制進むアメリカ、模索する日本

      矢作弘

      岩波書店
      カテゴリー:商業経営、商店
      4.0
      いいね!
      • 郊外で焼畑商業を繰り返す大型店があちこちの町をどんどん壊しながら成長していく様子は気持ち悪い。便利な町に住んでいるから思うのかもしれないけど。 >> 続きを読む

        2013/06/15 by freaks004

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      お悩み祭り

      みうらじゅん

      朝日新聞出版
      カテゴリー:雑著
      4.0
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      • “人が生きるとき悩みはいつも側にいて“幸せってそうじゃないよ”と囁き続けます。「じゃ本当の幸せって何なのよ?」聞き返しても教えてくれません。悪いやつです。だから人は悩みをバラすことで気を軽くしようとします。「そんなの大した悩みじゃないね」と、誰かにツッ込んでもらうことで、悩みのヤツをボコボコに蹴散らすのです。それが人生の吉例行事『お悩み祭り』です。深刻ぶらないためにもいつも心にひょっとこ面。乗り切ろうじゃありませんか!”   ~前書きより~

        って みんなホントに悩んでんの?

        「犬が画びょうを踏みます ・・・なぜこの広い地球にいて、あの小さい足で画びょうが踏めるのでしょうか?このままでは将来が不安です・・」

        「妻が僕のことを『このオタンコナス』『ボケナス』などとなじる。言い返してやりたい」

        「青魚が大好きなのにショウガが大の苦手なのでサバの生姜煮など好きな青魚が食べられません」

        「若者のダブダブのズボンを見ると思わず思いっきり引き上げベルトで腰を締め上げたい衝動にかられます」・・・   などなど(勝手に要約してます)

        どの相談を見ても「悩んでんのか???」みたいなのばっかり

        それに対するみうらさんの答えも答えてんだか答えてないんだかみたいな・・・

        このゆる~い感じ、テキトーな感じ、やわらか~い感じ(底にはなんとなくお釈迦様の教えがあるのだが・・)がいいですねえ。

        見習いたいです。
        >> 続きを読む

        2013/01/11 by バカボン

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出版年月 - 2005年7月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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