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2005年11月発行の書籍

人気の作品

      マドンナ

      奥田英朗

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • マドンナに嵌る(笑)奥田さんは少年の心を持った恋する中年を描くのが巧みよね。これは読む女性も楽しいしきっと男性が読んでも面白いんじゃないかな。恋するのは楽しいけど嫉妬心に悩まされるのは辛いよね。男性の方が嫉妬心に翻弄されるのかなと感じながら笑わせていただきました♪
        >> 続きを読む

        2018/05/15 by miko

    • 他6人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      つきのふね

      森絵都

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tsukiusagi
      • 人間に疲れ植物になりたがる中学生のさくらにズンっとする始まり。親も教師もあてにならないし、親友梨利とも万引き事件で気まずくなる。捕まった方と逃げた方どちらの方が心の傷が深いのだろう。さくらを助けてくれたのは心優しい智さん。だけど彼も心が病んでいて。死ぬことと生きることどっちがいいのか、どっちが楽なのか…どんどん悪くなる智さんを助けようとする事で変わっていくさくら達。「この世にはあいまいにおかしい人などいくらでもいるのかもしれない」。みんな少し病んでいる?だからこそ大切な誰かにそばにいて欲しいし、そばにいてあげたいと思う。手紙の使い方が上手いなぁ。 >> 続きを読む

        2015/05/15 by けいたん

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      模倣犯

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 第五部は、被害者家族、警察、マスコミ、犯人(網川)の視点を通して、事件を見つめる様子とそれぞれの人生に落す影を描いていました。

        犯罪が一度起こると、事件が解決しても、被害者の生活はもう元には戻らない。哀しみは、変わらず残る…やるせなさを全面に感じる中、有馬義男の正義感、勇気と優しさには救われました。
        「本当のことはどんなに遠くまで捨てに行っても必ず帰り道を見つけて帰ってくる」

        そして、塚田真一の成長にも救われました。
        「世の中には、悪い人間がいっぱいいる。俺やおまえみたいに、辛いことがあって、一人じゃどうすることもできなくて、迷って苦しんでるような人からも、何かをしぼりとろうとしたり、騙そうとしたり、利用しようとする人間が、いっぱいいる。 だけど、そうじゃない人だって、やっぱりいっぱいいるはずなんだ。だから、おまえはそういう人を探せ。本当におまえを助けてくれる人を。」

        読み終わったら、すぐ映画を観ようと思っていましたが、内容が重すぎて、すぐに観る気にはなりません…。しばらくしてから、観ようと思います。
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        2018/10/28 by うらら

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      模倣犯

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • カズがとにかくイケメンすぎる。それも小学校の頃の先生のおかげなので、あの計画が狂ったのも先生のせいになるんだろうなーと。
        浩美も「かわいそう」なんだろうけど、あれしきで狂われたら子どもを殺された親はたまらないだろう。あれしきって言っちゃうのもまた偏見か。みんな耐えられないの基準が違うから心って難しい。
        >> 続きを読む

        2018/10/14 by aki

    • 他3人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      模倣犯

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 模倣犯第四部では、網川浩一(ピース)が高井由美子に接近。

        警察は、事故死した栗橋浩美と高井和明を連続殺人の犯人として捜査を進めていた。ルポライターの前畑滋子は、この事件について取材する中、高井和明の妹、由美子に出会う。由美子は、必死の面持ちで兄の無実を訴えていた。

        網川の自然体で、しなやかな態度、魅力的な笑顔の裏側は、闇を抱えたモンスターだということを、周りの人間はまったく気づいていない。

        網川は、なぜこんな残虐は犯罪を起こしたんだろう。今のところ、闇を抱えたモンスターになるまでの生い立ちは書かれていない…けど、第五部で分かったとしても、その考え方を理解することはできないだろうな。

        >> 続きを読む

        2018/10/20 by うらら

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      推理小説

      秦建日子

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • ドラマ化もされたこの小説。

        しかも書いた人が、数々のドラマの脚本を手掛けた、秦さん

        だから、面白くないわけがない!

        話も普通に面白いのですが。
        私が特にこの小説が好きな理由として。

        「推理小説」というこのタイトル。

        「<推理小説>という、推理小説を読んでます。」
        誰かに紹介すると、こういう事ですよね(笑)

        このタイトルの付け方が斬新的で、私の好きな部分でもあります。
        >> 続きを読む

        2018/06/23 by ゆずの

    • 他3人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      バッテリー

      あさのあつこ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 運命の2人の関係がギクシャク。
        ラブストーリーのような表現ですがこんな感じです。
        才的な人間は常人には想像もできないものなのでしょうが、大人の感覚でみると、巧の感性は異常に移ります。
        巧の感性は全く理解できませんでした。面白くないという意味ではなく他人の気持ちがわかることで打者の裏をかけたり、他人を受け入れることでより自分を高められるのではないかというジジ臭い考えに至ってしましました。
        本巻は停滞期って感じだったので次巻がいっそう期待大です。
        >> 続きを読む

        2019/02/07 by ryoji

    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      ソラニン

      浅野いにお

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.5
      いいね!
      • はじめて読む、浅野いにおさんでした。NHKの「漫勉」という番組をみたことがあって、どんな漫画を描かれるの方なのかな~?と思っていました。以前、映画のソラニンは観たことがあるのですが、記憶がぼんやりとしているので、また観てみようと思い立ち、その前に原作を読みました。登場人物がみんな、あったかい人たちでいいな。わたしは、なんだかビリーさんに魅かれます。
        >> 続きを読む

        2017/04/28 by pippi

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      世界で一番の贈りもの

      ForemanMichael , MorpurgoMichael , 佐藤見果夢

      評論社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 戦争。
        これほど、人間性を無視したものはない。
        そんな中で起きた奇跡。
        そこには、人間の可能性というものも感じることができる。
        前線の兵士も、故郷に帰れば、一人の人として、職業を持ち、家族とともにある暮らしを持っている。
        その実感が、ますます遠のくように思う最近。
        机上でのゲームに似た要素すらあるではないかと思う。
        敵味方なく、ともに人として共有できるものがある。
        そこから先に、希望の光があるはずと思う。
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        2016/02/11 by けんとまん

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      スペシャルエディション ナルニア国物語 全1巻

      瀬田 貞二C.S.ルイスポーリン・ベインズ

      4.5
      いいね!
      • 【みんな大好きナルニアのお話……『ナルニア友の会』はこちらですよ~】
         もうみなさんご存知の『ナルニア国物語』です。
         私も子供の頃夢中になって読みました。
         でも、それ以来すっかりご無沙汰でした。随分忘れてしまった部分もありました。
         「やっぱり手元に一冊欲しいなぁ、どうせ買うなら良い本を」ということで選んだのがこの本でした。

         大判、フルカラー、文章は凝った枠で囲まれ、素敵な挿絵が入った本です。
         とても良いのですが、大きくて重い!(笑)
         でも、久々のナルニアですので、楽しみながらレビューしましょう。

        ① 魔術師のおい
         ディゴリーとポーリーの物語です。
         ナルニア国が生まれる時の物語ですね。
         まだ、あの有名な箪笥は出てきません。
         ディゴリーとポーリーがナルニア国に行くには、ちょっと悪役のアンドルーおじが作った魔法の指輪が必要です。
         ライオンのアスラン、ナルニア国の初代王と王妃になる馬車屋のフランクとその奥さんのヘレン、後に天馬になるフランクの馬車馬イチゴ、そして魔女となるジェイディスなどが主要な登場人物です。
        人間界とナルニア国を結ぶあの箪笥がどうやってできたのかも語られますよ。

        ② ライオンと魔女
         さあ、いよいよ箪笥を通ってナルニア国に向かう物語が始まります。
         4人のきょうだいの名前は、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィです。
         4人は疎開のため、今や年老いたディゴリー(今は独身の老学者先生になっています)の大きな家に住むことになったのです。
         4人はディゴリーの家にあったナルニア国のりんごの木から作られた箪笥を通ってナルニア国に行くのですが、そこはすっかり冬の国になっていました。
         クリスマスも来ない冬なんて~!
         それは白い魔女の仕業だったのです。
         エドマンドは魔女に騙されて(プリンも食べさせてもらったし)魔女の味方についてしまいます。
         でも他のきょうだい達はモグラ夫妻の手助けもあってアスランと会うことができ、正しい道を進み始めます。
         アスランがやってきたことでナルニア国の雪は溶け始めました。
         そしてエドマンドもようやく魔女がとんでもない悪者だと気付き、動物達に助け出されてアスランの元に連れてこられます。
         ついに魔女とアスランが対峙します。
         魔女は言います。「裏切り者を処刑する権利は私にある。エドマンドを寄こせ。」と。
         確かに、ナルニアの国が始まってからの掟ではその通りでした。
         アスランは、エドマンドを助けるために自分が犠牲になり、魔女や魔女の手下の手にかかって殺されてしまいます!
         ナルニア国はどうなってしまうのでしょうか?

        ③ 馬と少年
         カロールメンという国で漁師の息子として育てられてきたシャスタが、奴隷に売られそうになり逃げ出したところ、ナルニア出身の人の言葉をしゃべる馬、ブレーと知り合い、二人(?)でナルニア国を目指すというお話です。
         途中で、カラバール地方の領主の娘であるアラビス(意に添わぬ婚姻から逃げ出してきたところです)と、アラビスの乗馬であり、やはりナルニア出身の言葉をしゃべる馬、フィンと知り合いになり、一緒にナルニアを目指します。
         ところが、その途中でアーケン国の姫であるスーザンに横恋慕したカロルメーン国の愚かな王子ラバダシのいさかいごとに巻き込まれ、戦争になるというお話。
         全体の流れからはやや番外編的なお話になるでしょうか?

        ④ カスピアン王子のつのぶえ
         ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィが再び活躍する物語です。
         彼らがナルニア国を去った後、ナルニア国では何百年、あるいは千年もの時が流れていました。
         実は、ナルニア国は正統な王であるカスピアン9世が摂政のミラースに廃され潜奪されていたのです。
         本来はカスピアン10世こそが王位につかなければならないのに、カスピアン10世はミラースに命を狙われ、居城から逃げ出し、今やひっそりと身を潜めて暮らしていたナルニアの住人達(人の言葉をしゃべる動物たち)に身を寄せていました。
         もともとのナルニア国の住人達は、カスピアン10世に味方してミラースを倒す決意をするのですが、戦況は苦しく、敗色濃厚になってきました。
         この時、『ライオンと魔女』の物語で、アスランからルーシィに贈られたつのぶえがあることに気付きます。
         このつのぶえは、ピンチの時に吹き鳴らすと必ず助けがやってくるという魔法の笛でした。
         カスピアン10世がつのふえを吹き鳴らすと……ピーターたちが人間の世界からナルニア国に吸い寄せられてやってきたのです。
         そしてまた、アスランも危機を察知して東の海の向こうからナルニア国にやってきました。
         ピーター達はナルニア国を元通りの平和な国にすることができるのでしょうか?

        ⑤ 朝びらき丸 東の海へ
        エドマンドとルーシィが、性格のよろしくないいとこのユースチスと共にナルニア国に行く物語。
         今回は『海洋冒険編』で、カスピアン10世率いる朝びらき丸という船に乗船して、東の果てで消息を絶った7人の貴族を捜しに旅に出ます。
         東の果てには、アスランの国もあると考えられており、そこも探検の目的の一つです。
         実は、ピーターとスーザンはもうナルニア国に行くことはできないのです。
         どうやら、ある程度成長してしまうとナルニア国には行けなくなるということらしい。
         本編の終わりで、エドマンドとルーシィも、もうナルニア国に来ることはできないとアスランに言われてしまいます。
         でも、アスランの国に行くことはできるそうですし、何らかの形でアスランと会うこともできるんだって。

        ⑥ 銀のいす
         『朝びらき丸 東の海へ』の冒険を経てすっかり良い子になったユースチスとクラスメイトのジルの二人がアスランから呼ばれてナルニア国に行く物語です。
         アスランは二人にミッションを与えます。
         それは、行方不明になっているカスピアン10世の息子の王子を捜し出せというもの。
         この冒険に同行してくれるのは、沼人の『沼足にがえもん』です(原語がどうなっているのか分かりませんが、ナルニアの物語ではこういった古風な名前がつけられているキャラがよく登場します。例えば巨人の『天気てんくろう』とかね)。
         二人がナルニアにやって来た時、ナルニアでは前の冒険から約70年が過ぎていて、ユースチスもよく知っているはずのカスピアン10世もすっかりおじいさんになっており、ユースチスは気がつきませんでした。
         さて、二人は無事に王子を見つけ出すことができるのでしょうか?

        ⑦ さいごの戦い
         ナルニア国が消滅してしまう最後のお話です。
         そのきっかけは、悪賢い毛サルのヨコシマが、偶然ライオンの毛皮を手に入れ、それを頭がちょっと弱くて純朴なロバのトマドイに無理矢理着せてアスランを騙ったことでした。
         ヨコシマはやりたい放題やるために、「アスランの命令である」として、ナルニアの物を言う動物達をこき使い、暴力的な隣国カロールメンと結び、ナルニアを自分の物にしようとしたのです。
         その過程で、言い逃れのためにアスランとカロールメンが信じる邪神タシは同じ物だと言い張ったからさあ大変。
         邪神の名など軽々しく口にしたから実際に邪神タシがナルニアに現れてしまうのです。
         この時代、ナルニアを治めていたのは若いチリアン王。
         腹心の友、ユニコーンのたから石と共にヨコシマの野望を打ち砕こうとするのですが、物言う動物達は偽アスランを恐れるあまり、チリアン王の味方をしようとはしません。
         そんな時、『銀のいす』で活躍したジルとユースチスの二人がナルニアに現れ、チリアン王と共に闘うのですが、城もカロールメンによって陥落させられてしまい、圧倒的戦力差の前にチリアン王も絶望的な状況に追い込まれます。
        もはやこれまでか……と思われた時、歴代の『ナルニアの友』たちが集結します。
         そもそもナルニアの国が生まれた時に立ち会った、ディゴリーとポーリーや、一の王ピーターを始めとするきょうだい達がナルニアに呼び寄せられたのです(ただし、ルーシィだけは、子供の素直な心を捨て大人になることに夢中でナルニアを信じる心を失ってしまっていたためやって来ませんでした)。
         そして、遂に、本物のアスランが姿を現します。
         あれ? そもそもピーター達はもうナルニアに来ることはできないとアスランに宣言されたのではなかったでしょうか?
         ええ、その通りなのです。
         だって、ナルニアの国は終わってしまうのですから!
         ラストは、ちょっと哀しくなるようなところもある、最後のお話です。

         さて、随分と長くナルニアの物語をお話してきました。
         この物語のコンセプトは、美しく幸せなナルニアの国を信じる心をもつ人は、いつまで経っても『ナルニアの友』であるのだということなのでしょう。
         私も子供の頃読んだナルニアの心を持ち続けていたいものだと、改めて思いました。
        >> 続きを読む

        2019/06/01 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ポテト・スープが大好きな猫

      RootBarry , 村上春樹 , FarishTerry.

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.7
      いいね!
      • 本屋さん(今回はヴィレッジバンガードではありません、笑)で、見かけた。
        わー素敵なセンスの良い本だな~、どこかで見かけたことあるな~と思ったら、月うさぎさんとchaoさんのレビューでしたね♪

        大人のための絵本。
        しかも秋とか冬に、ゆっくりした時間を過ごすのに最高な本。

        表面的なストーリーを追うと、大したことないように見える。
        でも猫とおじいさんの間に流れる想いみたいな、そういうものをとてもとても感じて、なんか愛しかった。

        猫好きな友達の誕生日プレゼントにしたいような、そんな感じ。
        >> 続きを読む

        2013/09/30 by sunflower

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      えんじ色心中

      真梨 幸子

      3.5
      いいね!

      • 「孤虫症」で第32回メフィスト賞を受賞してデビューした真梨幸子は、どこにも逃げ場のない地獄を書かせては、現在、無敵の作家かも知れない。

        「孤虫症」は、寄生虫の恐怖と、誰一人として感情移入できない登場人物たちが繰り広げる相克劇の相乗効果で、おぞましい生理的嫌悪感を演出してみせた小説だった。

        著者の第二長篇であるこの作品「えんじ色心中」では、グロテスクな描写こそ影を潜めたものの、気が滅入るような世界を描き出す迫真の筆致は健在だ。

        名門中学に入学したものの、家庭内暴力を起こすようになった息子を、父親が殺害するという事件が起きた。
        世間で「西池袋事件」と呼ばれたこの悲劇から十六年後、犯行を自白したはずの父親が、真犯人は他にいると訴え始めた。

        一方、この事件のことを忘れかけていた当時の関係者たちは、運命の女神に操られるかのように再び巡り合ってゆくのだった-------。

        一応、ミステリ的な趣向はあるし、過熱する受験教育やマスコミのやらせ問題といったモチーフも取り上げてはいるものの、最後まで読んでみると、社会派ミステリというよりは、やや古風な因縁話という印象が強く残る。

        人間の自由意思ではどうにもならない運命の数奇さが、かなり大きな要素として作中に君臨しているからだ。

        ただし、単に古めかしいだけの話ではない。
        前作同様、著者が描こうとしているのは、"現代社会の暗部"であり、それを抉り出す筆致に容赦はない。

        そして、何といっても圧巻は、派遣社員である主人公の転落ぶりと、それに伴う暗鬱を極めた心理描写だ。
        確実な保証のない不安定な社会的立場に、人間関係の崩壊が追い打ちをかけて、主人公を蟻地獄へと追いやるのだ。

        誰も頼りにならず、誰も理解してくれない。
        悪化する境遇に比例して、心もどんどんすさんでゆく。

        現代社会で生きる多くの人間が、大なり小なり、この主人公に共感するのではないだろうか。
        平成という時代の閉塞感を、これほどリアルに描き出した小説は珍しいと思いますね。

        >> 続きを読む

        2019/03/01 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      深川黄表紙掛取り帖

      山本一力

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 男3人女1人の4人組がカッコいいのです!持ち込まれる難題を 気持ちよいほど見事に解決する様は、読んでいて爽快です。個人的には、登場する食べ物の美味しそうなところにも魅了されました。 >> 続きを読む

        2012/08/12 by youziL

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      ヒストリエ vol.3

      岩明均

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね! Sairen
      • ついにエウメネスの旅立ちの日。

        母、従者・カロンも心の奥底に多くのことを抱えつつもエウメネスに何も言えません。カロンの涙。罪悪感という言葉では言い表せない複雑な感情がひしひしと伝わってきます。

        初の航海から新天地パフラゴニアへ。

        剣を習い、図書室で蓄積した本の知識を教えることで人々に受け入れられます。年月は流れ立派な若者へと育ったエウメネス。

        本作の魅力はなんといっても主人公エウメネスの人物像にある。
        豊富な知識、洞察力、発想力。飄々としながら人間味溢れる愛嬌ある性格。過酷な運命に翻弄される苦難の人でもある。
        もう読者の誰もがエウメネスに夢中になるわけで。

        平穏な日々に忍び寄る不穏な空気。次巻、いよいよエウメネス初陣へ。
        >> 続きを読む

        2015/09/09 by ybook

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      激走福岡国際マラソン 42.195キロの謎

      鳥飼否宇

      小学館
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 冒頭からラストまでが、フルマラソンを走り終わるまでという構成の物語。

        舞台は福岡国際マラソン。
        北京オリンピック出場権を巡って幾多のランナーが鎬を削る。
        その競技中に一人の選手にアクシデントが起こる。

        マラソンミステリーとでも言えばいいのか。
        基本は先頭を引っ張る選手たちのドラマの中に確執があり、それが中盤のアクシデントや、終盤の驚きへと繋がる。

        意外と知らない事実があって、ペースメーカーはそのままゴールしても問題なしというのは初めて聞いた。
        そのペースメーカーが主役なので、一癖あるという展開にも頷けると思った。
        >> 続きを読む

        2018/04/05 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      風林火山

      井上靖

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 予想以上に面白かった。山本勘助については知らなかったので新鮮でした。

        2019/02/22 by Mura_P

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      ぬしさまへ

      畠中恵

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! niwashi
      • しゃばけシリーズの「ぬしさまへ」は、ミステリーも入った時代ファンタジーの短編集。廻船問屋の17歳の若旦那、一太郎と魅力的な妖のお話でした。

        体の弱い一太郎と手代の仁吉と佐吉をはじめ、鳴家などの魅力的な妖怪が、江戸の町で大活躍します。中には殺人事件などのお話も出てくるにもかかわらず、一太郎と妖のやりとりにくすっと笑ってしまったり、お話全体の印象が、ほのぼのとして、心が和みます。

        「ぬしさまへ」の中では、一太郎の兄の松之助を主人公としたお話「空のビードロ」が一番印象的でした。松之助が辛い境遇の中で、自暴自棄になりそうになったとき、まだ見ぬ兄を想う一太郎の願いが救うというお話なのですが、松之助と一太郎の誠実さ、優しさが素敵でした。


        >> 続きを読む

        2019/05/04 by うらら

    • 他1人がレビュー登録、 24人が本棚登録しています
      4アウト ある障害者野球チームの挑戦

      平山譲

      新潮社
      カテゴリー:球技
      3.5
      いいね!
      • 耳にすることも多い言葉「残されたものを、どう活かすか」。
        障碍を持たれた場合に、芽にする言葉。
        言葉としてはわかるが、なかなか、実感を伴って理解までには至らない。

        4アウトというタイトルの意味が、最後のほうになってわかった。

        「やるか、やらないか」の大きな違い。
        なるほどと思う。
        実際、自分も、躊躇してしまって、手を出さないことがとても多いと思う。
        もちろん、ただやればいいという思いはないが、やらないことには始まらないということだけは真実だと思う。
        一歩進むと、見えてくる世界が違う。

        そんなことを、痛感。
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        2015/10/14 by けんとまん

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      フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる

      築山節

      NHK出版
      カテゴリー:基礎医学
      3.5
      いいね!
      • 普通にできると思っていること(思っていることを話す,人の話を聞いて理解する,等)が咄嗟にできないといった状況を,本書ではフリーズと呼び,ボケの進行に繋がり兼ねない高次脳機能の低下と位置づけ,10の症例とその原因(と思われること),対策などが述べられています.

        著者は「脳は環境によってつくられる」と述べ,現代の環境は脳に特定の機能のみを強いるためにその他の機能が低下していきやすい,ということを,10の症例を用いて示しています.10の症例は,その症状もさることながら,その患者さんの環境についても,「自分にも思い当たるふしがある」と思わせられるものでした.

        本書で脳の機能低下に繋がりやすい生活環境がどういうものかを知った後で,姉妹書の「脳が冴える15の習慣」で,脳機能の低下を防止する方法を学ぶと良いと思います.
        >> 続きを読む

        2014/08/24 by medio

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      SEのフシギな生態 失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条

      北見隆二

      幻冬舎
      カテゴリー:情報科学
      4.0
      いいね!
      • SEの現場と、そこから得られる教訓。

        笑えるだけではなく、得られる教訓は数多い。

        自分が属する業界ということも有り、本書に類似したテーマの作品を手に取ることが比較的多いのだが、厳しい勤務状態を自虐的に取り上げることのみに終始しているものが多い。

        本書は確かに起こり得ると頷ける失敗パターンとともに、何故それが起こったかという点と、再発させないための具体的な対応方法案が示されているため、少なくともIT業界で開発/評価業務に就いている人にとっては、有効なケーススタディとして機能する。

        これまでSEという職種の説明を求められることは何度も有ったが、少し客先交渉部分が強すぎる観は有るものの、もしかすると本書が最適の説明資料かもしれない。

        随所に出てくるイラストも好みに合ったらしく笑えた。
        >> 続きを読む

        2012/01/13 by ice

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出版年月 - 2005年11月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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