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奥田英朗
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「いらっしゃーい」から始まる伊良部総合病院地下にある神経科の医師伊良部は中年小太りで医師とは思えないデリカシーの無さ、患者が来ないと思った日には勝手に休診もお構いなし。その上直ぐに注射を打ちたがり、注射を打ってるのを見たがるある種の変態wそんな病院に来る患者たち。最初は不気味でろくな対応をしない伊良部に不信感を抱くが日を追うごとに不思議と伊良部を拠り所にしていく。結果病気も治っていく。此れを伊良部が狙ってやっているのかは不明ですが、不思議な医師に変な患者の模様は不思議とページが進んでいきました(笑)個人的に好きな話は「コンパニオン」です。 >> 続きを読む
2020/05/07 by ヒデト
サン・テグジュペリ , 河野万里子
いやあ、面白かった!夢中になって一気読みしてしまった・・・!児童文学侮ることなかれ・・・。子供が読んでも大人が読んでも楽しめると思うし大人になってから読むとその背景や色合いなどが全く別のものに変容していくような気さえする。惜しいのは自分はこの作品を子供の頃に読んでいなかったこと。大人になってはじめて読んだのでもし感性や感受性が豊かだった子供の頃に読んでいたら今大人になって読んだ時との対比などがわかったと思うので非常に残念。だけれども今読んで(再読して)わかったことというか感じたことは生涯忘れることはないだろうと思う。王子さまと僕の交流。王子さまと花の恋。王子さまとキツネの友情。王子さまと星々の権力者たちとの問答。そして、王子さまと僕の別れ。それぞれに深くあたたかい、でも、一筋縄ではいかない大人と子供のやり取りが時に激しく時に哀しく描かれていて「ああ、現実も人生もこういうことだよなぁ。。。」と思わせてくれました。実際王子さまのように諦めずに何度も聞き返せればどれだけ良いか、僕のように大事なことをやっている時に何度も聞き返されたら嫌だなぁとか自分の日々の生活に置き換えて考えてみるとなんにも王子さまがやっていることは不思議でも不自然でもなく本来は人間同士がやらなければいけないことで、人間同士がやりたくない、やってほしくないことなんだなぁとも読み終えて思いました。この作品は童話的ですが書いてあることは人間の営み、日々の生活なんですよね。王子さまのようにはできないけれど努力することはできる。だから、もうちょっと図々しくでも尊敬や感謝の気持ちを持っていろんな人達と交流していき、僕のように、王子さまのように豊かな心を持ちたいなとも思いました!今回chaoさんの「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」のレビューを拝見させていただいてこの「星の王子さま」を読みたい、読もうと思い結果楽しく読めたので改めて機会を与えてくださったchaoさんに感謝致します。ありがとうございました!ちょっと読んでいる最中に心配事があって何度か読むのやめようかと思ったのですが読んでいくうちにその心配事が紛れ気づけば物語の中に耽溺できていたのでやはり読書って凄いなぁ、良いもんだなぁと思いました。これからも、常に本と、読書と共に人生を謳歌していければいいなぁとも強く、強く思います!!今回も良い読書が出来ました! >> 続きを読む
2019/07/16 by 澄美空
坂木司
この作品は人と人の絆について書かれていると思う。そして主人公の二人が事件を通じて少しずつ変わっていている❗ >> 続きを読む
2015/06/02 by future
伊坂幸太郎
小惑星が地球に衝突し、滅亡するまであと三年。設定は学生の頃に読んだ新井素子の「ひとめあなたに・・・」にちょっと似ている。そちらの方は人間の狂気を感じたが、この作品はパニックや暴動がとりあえず治まり落ち着いた仙台市のとある団地が舞台。なるべく普通の生活を送ろうとする様々な人物が登場する。これからのことを悲観するよりも日常の小さな出来事を大切にして生きる。そんな人々に希望を感じた。将来の希望ではなく、今を生きている希望というか。そもそも大昔の人間の祖先はそういうものではなかったか。明日は生きているかどうかわからない。でも今は生きている。実際に起きたら大変だけど、平穏な気持ちで読めるのがなんとも不思議な作品。 >> 続きを読む
2018/03/01 by かんぞ~
角田光代
ずっと読みたかった作品の一つでした。やっと読めた! 期待していたぶん、自分の感性と合わなかったら残念だなと思っていたのですが、パズルの最後の1ピースくらいぴったり合いました。 最近読んだ恋愛小説のなかでも群を抜いて好きです。片想いをしていた頃のことを彷彿とさせてくれました。テルちゃん、とっても私に似ているところもあって、帯の「ページを捲るたびに、人ごととは思えない気持ちになる」という言葉がグサグサと突き刺さりました。 片想いって本当に切ないですね。特に大人の片想い。自分のことを客観視出来るようになっているけれど、それを知っていても無視して恋愛しているのがすごく切ないです。でも、とっても分かります。私もそういうタイプなので。実らないと分かっていても、好きという気持ちは止められない。心がきゅっと、苦しくなります。 マモちゃんの駄目男加減もすごくて、人間らしさが全面に出てました。駄目なところまで、好きになっちゃうやつだ〜って感じです。P150の「マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分勝手で子供じみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをして、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない」という言葉、本当に切ないです。 テルちゃんがマモちゃんに出会ったときの印象を「それに、指がきれいだった。重いものを持ったことのない、ピアノを弾くような指に見えた。」(P36)と言ってるんですが、細いとか、長いとかじゃなくて「ピアノを弾くような指」っていう表現とっても繊細で素敵だなぁと思いました。 掃除も、料理も、洗濯も、料金の支払いも、自分ではない誰かへのホワイトデーのチョコを買ってくることも、全部尽くすテルちゃん。尽くす恋愛って、こういうことだよね! という感じで、すごく人間らしくて好きでした。一生懸命、だけど、どこかいつも不安定。いつも顔色を伺いながら、どうしてマモちゃんが不機嫌なのか考えちゃう。頭のなかはマモちゃんで埋め尽くされてる。仕事も、マモちゃんからの電話があれば定時前に抜け出していく。本当に全力片想いですよね。笑 私も尽くしてしまうタイプだし、テルちゃんみたいに「好きな人以外はどうでもいい、に分類されてしまう」タイプなのですっごく分かります。 この小説は他の恋愛小説と違って、結局「愛とはなにか」ということは見つからずに終わります。逆にそれがすごく素敵だと思いました。これを読んで、さらに自分を客観視して「愛とはなにか」を探すヒントにするのがいいのかもしれません。難しいです。愛ってなんなんでしょう……。 それから、ナカハラくん。この小説で一番幸せになれそうな人だと思いました。というか、幸せになってほしい。心の底からそう願っています。 >> 続きを読む
2020/06/16 by ゆきの
梨木香歩
この本は、自分にとって何がそんなに良いのか言葉にできないけれど、大好きな作品で、一度目は確か図書館で借りて読んで気に入って、数年後に「あぁ、そうだった、これ好きだった」と思い出し、単行本を買って読んで、またそののちに、文庫版には単行本に載っていないエピソードが書き下ろされていることを知り、「いつか文庫本も買わなきゃ」と思いつつ、なぜ今かわからないけど、文庫本を買い、読み終わったところ。私の記憶が正しければ、三度目の読了。大好きな作品といいつつ、まだ三度目だけど。三度目にしても、何がそんな良いかやっぱり言葉にできない。単純に私の文章力の無さが一番の理由だと思うけれど、私はこの作品というより、この作品の中の梨木香歩が好きなんじゃないかと思う。ウエスト婦人を主とした、外国での、異文化を持つ人々との交流、それだけでも魅力的なのだが、それが、梨木さん独特の低いトーン(と私は感じる)の落ち着いた文章で語られているところにすごく惹かれる。梨木さんは、対象人物や、出来事に対して、思慮深く、それを的確な文章で表現していて、夜中にしんしんと降り積もる雪のように、言葉が、文章が、心に積もっていく感じがする。読んでいてすごく落ち着く。梨木香歩にかかるとどんな人物も出来事も「思慮深く、落ち着きをもったもの」になるんじゃないかと思うほど。明るくパッと華やぐようなエッセイではないけれど、また、人生の折々で再読したいと思う。(やっぱりうまく言葉にできなかった) >> 続きを読む
2020/10/23 by URIKO
三浦しをん
まほろ町に事務所を抱える便利屋の多田と、そこに転がり込んできた同級生の行天。彼らの共同で働く1年を追うドラマ。便利屋なので、犬の散歩だとか、今彼と別れるための彼の役など、しょうもない依頼が多い。でも次第にまほろ町という繋がりの中で、ヤバ目の依頼も増えてくる。多田と行天の明日には何が起こっても心配ないというスタンス。特に行天のだらっとした感じの割に、多田を知らぬところでサポートしてる当たりの絆は興味深い。お互いバツイチと辛い過去を乗り越えて、明日もまた便利屋は開店するのである。 >> 続きを読む
2020/07/17 by オーウェン
桐野夏生
「本当の自分」を知るというのはどこかに探し求めに行くのではなく、自分の奥底に潜んだ感情を認めることだと思う。 それが、たとえ「悪意」であっても。 だけど怖いのだ。 認めた瞬間、今立ってるこの世界が「リアルワールド」なのかが分からなくなりそうで。 そんな奥底の「本当の自分」に気付き始める年頃の女子高生たち4人。そのうちの1人の隣家で「母親撲殺事件」が起きる。 犯人である少年の逃亡を手助けすることになってしまった彼女たちは、それぞれの関わりかたの違いにそれぞれの本意が見えてくる。 そして、4人の「リアルワールド」がねじれていく。。 名作『OUT』を思わせる巧みな心理描写は健在。 キレイごとから抜け出た解放感や、そのあとにくる後悔や葛藤がうずまく苦しさ。 それこそが全部「リアル」だった。 >> 続きを読む
2019/03/09 by NOSE
森絵都
1人の少女の成長記録。深堀りなく直球な分、過去の自分ともリンクし易かった。わりと好みの話でした。 >> 続きを読む
2017/11/01 by hiro2
阿部知二 , ジェーン・オースティン
【( ゚∀゚)o彡°婚活! 婚活!】 サマセット・モームが「世界の十大小説」の一つに選んだ作品だということもあり、また、名の通った作品でもあったことから読んでみました。 最初はどうにも面白くない作品だなぁと感じていたのは事実です。「え゛~、これが十大小説の一つなの?」と思いました。 これは婚活物語です。 イギリス西南部ハーフォードシャの中流家庭であるベネット家には5人の若い娘がいました。 ベネット婦人は娘達をどこかの金持ちの家の嫁にすることばかり考えている様な深みのない軽薄な女性。 そんな時、ハーフォードシャの空き屋敷にビングリーという金持ちの若い青年が引っ越してくることになりました。 母親は狂喜乱舞します。何とか娘の誰かをビングリーの嫁にしてしまおうと画策するのです。 娘達だって、何とか良い男を捕まえて嫁に行きたいと思っています。 実際、ビングリーは気だての良い若者で娘達の評判も上々。 特に長姉のジェインは、ビングリーとも気が合い、二人とも良い感じです。 ただ、ビングリーの親友としてやってきた名門のお金持ち、独身青年のダーシーだけはどうにもみんなの評判がよろしくない。 高慢だというのです。 次女のエリザベスも鼻持ちならない男だと当初から良く思いませんでした。 で、まぁ、この後、娘達が何とか良い家に嫁ごうというテーマで物語は展開するのですが、私が気に入らなかったのはお金がついてまわることです。 まぁ、当時のイギリスの社会風俗や制度がそうなっていたから仕方ないことなのかもしれませんが、大した資産も無い家の娘は、生活していくためにはなるべく金のある男をつかまえてそこに嫁ぐということが一大テーマだったわけですね。 だから、金絡みの婚活騒ぎが描かれていくわけです。 正直これには辟易しました。 また、女性達の思考も今とは相当に違うこともあり、違和感ありまくりでした。 ですが、まぁ、そういう時代、制度だったのだからと割り切って読む様になるとこれが結構悪くない。 人物描写は上手く描き分けられていますし、心理的な綾も巧みです。 なるほどね、この作品の面白さはここにあるのかとようやく理解しました。 タイトルの「高慢と偏見」とは、基本的には名門の青年であるダーシーの「高慢」と、事情を良く分かってもいないのにダーシーに否定的な評価をするエリザベスの「偏見」という意味に捉えるのが第一義でしょうけれど、その逆もあるのではないかと感じました。 これは言葉の訳が難しいのですが、ダーシーの中にある「偏見」と、エリザベスの「高慢」という読み方ももちろんできるのではないかと感じました。 物語は、ジェインとビングリー、エリザベスとダーシー、そしてそこに絡んでくる五女のリディアとウィカムという美貌の青年の結婚物語ということになるのですが、それぞれの思惑や誤解、騙しや軽薄が巧みに織り込まれていてなかなかに読ませます。 金だけを目当てにした婚活物語という「偏見」で読み始めたefですが、そこから脱することができれば相応に評価できる作品ではないかと感じました。 むしろ、これは女性の方が共感する作品なのかもしれませんね。 >> 続きを読む
2019/11/22 by ef177
恩田陸
「ガラスの仮面」の北島マヤを思い出す。 演劇を始めたばかりの佐々木飛鳥は、自分の天才的な才能を全く自覚していない。 自意識や野心というものが全くない。ただ舞台の奥にあるものを見てみたいだけ。 特になんの才能ももっていない私だが、飛鳥の演技(演出)にワクワクどきどき。 演劇界の裏?中?の様子も興味深かった。 あっという間に読めた。 面白かった。 >> 続きを読む
2013/01/15 by バカボン
ニコライ・ゴーゴリ , 平井肇
明治から昭和初期の日本文学はドイツ文学派とロシア文学派に分かれるような気がします。プーシキンやこのゴーゴリはドストエフスキーにも大きな影響力のある作家として有名です。当然日本の作家も彼らの作品の影響なしに存在しないと思われます。漱石も、芥川も足穂もロシア文学の影響を強く受けている作風であるように思います。ゴーゴリのこの2篇は短篇でとても読みやすい、必読作品の一つだと思います。有名すぎてストーリーを知っていて、そのために読んだことがなかった作品の代表格でもあります。このたび真面目に読んでみました。(`・ω・́)ゝ「外套」『その人生の伴侶とは、ふっくらと厚く綿を入れて、まだけっして着ずれのしていない丈夫な裏をつけた新調の外套にほかならなかった。』訳者は人間の存在価値とか、一寸の虫にも五分の魂的な一種暖かいニュアンスでこの小説を解釈していましたが、私はちょっと違う印象を受けました。「外套」はすなわち「権威・権力」を意味します。それまでずっと自己完結した楽しみの中に生きていて、他者の目線や価値観など全く気にも留めなかった末端官僚のアカーキイ・アカーキエヴィッチ(命名からして手抜き人生を象徴している)が、物欲・金銭欲と無縁な独自の生活目標を地道に守っていた彼が、新しい外套を新調することによってはじめて人生に高揚感が生まれ、執着を知ります。しかし一度生まれた執着は理不尽に奪われた外套に固執し、それまでの生き方を変貌させてしまうのでした。持たざる者の幸福と不幸の境目が描かれます。一方官僚の世界においては、有力者ともなれば善良な一人の男ではいられないのです。権力を持った人間は権力を常に意識し、沽券にかかわることをせぬようにとばかり気遣う日々を送らなければならなくなります。そして権力の座にある人間(持てる者)も、ひとたび外套を脱がされれば…笑い話として読むにはあまりに恐ろしい作品なのです。光文社の新訳のほうは、これを落語調に…?それはちょっとゴーゴリの作品とは別物なんじゃないでしょうか。だってゴーゴリはギャグのつもりでこの小説を書いたわけではありません。少なくとも日本文学に影響を与えた作品として味わうことは不可能になるでしょうね。また本作を芥川の「芋粥」との類似を指摘する書評が多いのですが、共通項は主人公がしがない下っ端役人で人から軽んじられている貧乏人という点だけにすぎません。芥川がインスパイアを受けたことは確実だと思いますが、全く別のベクトルの作品なので、比べると面白いとは思いますが、ディテールやテーマについて比較する意味はないと思います。「鼻」『おっ魂消たことに、鼻はなくて、その場所がまるですべすべののっぺらぼうになっているではないか!』 八等官のコワリョーフがある朝早く眼を覚ますと、顔から鼻がなくなっていました。『せめて鼻の代りに何かついているならまだしも、まるっきり何もないなんて……』噴き出しました。ゴーゴリさんのユーモアのセンス、好きです。その失われた鼻こそは床屋の食卓にのぼったパンの中から現れた鼻でした!そしてその鼻は一人歩きを始めます。『一台の馬車が玄関前にとまって、扉があいたと思うと、中から礼服をつけた紳士が身をかがめて跳び下りるなり、階段を駆けあがっていった。その紳士が他ならぬ自分自身の鼻であることに気がついた時のコワリョーフの怖れと驚きとはそもいかばかりであったろう! 』『哀れなコワリョーフは気も狂わんばかりであった。』そりゃーそうでしょう。このあたりがカフカの「変身」とは違うところですね。ところで、この「鼻」氏の正体は?妄想か幻か?はたまた何かの比喩なのか?と思うでしょう?でもことごとく否。と作者は読者の解釈の可能性を打ち砕きます。コワリョーフは事実として鼻を失い、鼻は鼻の姿のままで紳士としてふるまい会話もし、他者からも紳士として遇されていますが、その見た目は鼻の姿のままです。謎!ここまでぶっ飛んでいるともはや読者の想像を超えていてシュールですらありません。面白いでしょう?続きはご自身でお読みください。『誰が何と言おうとも、こうした出来事は世の中にあり得るのだ――稀にではあるが、あることはあり得るのである。』 >> 続きを読む
2017/09/27 by 月うさぎ
野村克也
本書執筆当時、野村さんは楽天の監督を勤められていました。球界随一の論客が、衰退する一方の球界の雄・読売巨人軍へ苦言を呈するといった趣の本書。当時の巨人軍の悪しきところをあげつらうというより、水原・川上監督時代(いわゆる巨人軍黄金期)の指導者たちの素晴らしさ、選手たちの意識の高さなどを褒め上げることで、今の世代の指導者や選手たちを非難し、意識改革を促しています。二〇〇六年の巨人軍といえば、第二次原体制の一年目。巨人ファンとしては思い出したくもない堀内巨人軍体制がようやく終わり、新たな門出を踏み出した先々の希望あふれる年でした。しかし、前年までの負債は殊の外大きく、清原やローズに代表されるような不良選手たちの整理から始まり、生え抜きの選手の離脱、主力選手の怪我などでシーズンは四位と低調におわりました。野村さんは、そこに至る数年の巨人軍を見て呆れられたのだと思います。野村さんは「巨人軍はパイオニアであった」と力説しています。日本で初の職業野球集団であり、常に本場アメリカから技術、道具、指導法を、どの球団よりもはやく日本に取り入れてきたプライドが、黄金期を築いた巨人軍には間違いなくあった、と言います。野村さんの著書にしばしばでてくるのが、集団(チーム)は模範的な中心選手がいなければ機能しない、だから技術教育よりも人間教育にこそ時間を割くべきなのだという持論です。自己中心的な主軸ではチームプレーは成功しない、これは一般社会、会社にも通じる考え方です。時代はくだって現在の読売巨人軍も「いいチームだ」と胸を張れる球団ではありません。育成枠を創設し生え抜きを育てる姿勢には首肯できる部分がありますが、意味不明な補強を繰り返し選手たちのモチベーションを下げているGM含めた編成部門に不満があります。また、これはいちばんいけないことだと思うのですが、現場首脳を原中心のお友達内閣化してしまっているところ。原に対して耳の痛いことを言うコーチの不在です。もっとも、原監督自身もそのあたりは自覚しているようで、頻繁に一・二軍のコーチを入れ替えたりして血の刷新を図っています。それでもなおですね。元凶は妖怪・渡邉恒雄です。彼の鶴の一声でコーチ人事や編成方針が変わってしまうという現状が、ファン離れを加速させている原因です。評価は分かれるところですが清武氏の反乱も、渡邉独裁に終止符を打ちたかった世代間の戦いであったのだと、僕は思うのです。毀誉褒貶の激しかった清武氏でしたが、ことその卓越した辣腕ぶりは結果が示す通りで、新生巨人軍のレールを敷いた功労者のひとりであったことは間違いないところかと思います。どの現場も、時代に抗い、寄る年波を甘受できず、妄執を引きずる老醜が事態を悪化させていると思うと、ある意味一線を退いてぼやきつづけているだけの野村さんはいい歳の取り方をされていらっしゃるな、といつも感心しています。 >> 続きを読む
2014/12/01 by 課長代理
西加奈子
登場人物の名前が面白い。主人公のツマさんは、色んな声が聞こえます。ぽわ〜んとした話かと思ったら、濃い!刺青の経緯地蔵さんの所で頭痛がする理由不登校の理由※大人気で、図書館で大分待って借りました。 >> 続きを読む
2015/04/16 by chiiko
江國香織
江國作品を読むのは二冊目。主人公の19歳の少年2人よりも彼らに恋をする女性2人に感情移入して読みすすめました。さっぱりとしたものではないですが、これはこれで青春小説なのだと思います。 >> 続きを読む
2015/04/21 by 燻製煮玉子
リリー・フランキー
笑える!
2015/03/27 by moridaisuk
坂崎 千春
作者の過去の恋愛や、本、料理レシピなど、A~Zで始まる単語をタイトルにして書かれている、かわいい本。男性経験がないこと、うまくいかなかったことなどを、素直に書いててなんだか身近に感じてしまう。バウルーがほしくなった。あと、ホットケーキ作りたくなった。ホテルに行ったけど、キスしただけで何もしなかった男性の話がよかった。あと、新装版で追加されたという2つのお話も好きでした。私も自分にまつわるABCを書いてみたいな、とか思った。なーんにも書くことなくて困ってしまいそうだけど・・。 >> 続きを読む
2015/08/03 by もんちゃん
HamsunMarie , 石井桃子
「小さい牛追い」の続編です。読む前から、絶対に、安心して読める物語だ、と思いました。読んでその通り。本を読む前に、心がざらつくようなちょっとしたことがあったのですが、この本を読むうちに、自分の心が安定して、和やかになっていくのがわかりました。ノルウェーの、牧場一家の話ですが、一つ一つのエピソードが、キラキラしています。作家の中川李枝子さんが、「小さな牛追い」と「牛追いの冬」が大好きで、自分のとは別に、プレゼント用にも棚に置いて備えているというのも、わかります。常に手元に置いて、何かあったときには、そっと開きたい本です。 >> 続きを読む
2014/03/19 by ヒカル
GulaRobert J , 山形浩生
『論理で人をだます法』(ロバート・J・グーラ/山形浩生訳) <朝日新聞社>読了です。この本はタイトルで損をしています。原題は『A Handbook of Logical Fallacies』で、内容もむしろ「詭弁に気が付く法」「意図無く詭弁を使わない法」といった感じです。詭弁のパターンが155例も載っています。完全に網羅しているわけではないでしょうし、重複しているものもありますが、まずはこれだけ例示しているというだけで価値があると思います。「それはちょっと言い過ぎでは?」とか「書かれている内容が間違っているような……」というところもありますが、そういう観点が養われるのもこの本のお蔭ではないでしょうか。先に読んだ『詭弁論理学』と合わせて、どんな詭弁のパターンがあるのか、自分でも分類したくなりました。 >> 続きを読む
2016/07/02 by IKUNO
越前敏弥 , ダン・ブラウン
ルーブル美術館での殺人事件、残されていた謎のメッセージからどんどん展開していく大ヒットした小説。キリスト教や絵画に関して学術的な内容も多く、その真偽のほどはわかりませんが、ミステリー小説としてエンターテインメント性抜群です。すらすら一気に読めます。何度も読み返したい印象的な名作というより、万人が面白く読める本という印象です。個人的には、導入部分の引き込み方は最高。最後の方の展開は付いていけなくなりました。映画も観ましたが、色々省略しすぎてイマイチです。映画だけ観た人は何のこっちゃ…となりそうです。読み終わった後、ルーブル美術館に行きたくなりました。これからフランス旅行のご予定がある方でこの本を未読の方は読んでみると良いかもしれません。 >> 続きを読む
2012/10/06 by ただひこ
出版年月 - 2006年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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