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横山秀夫
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空の特攻が神風特別攻撃隊などと呼ばれるのに対し、 海にも神潮特別攻撃隊と呼ばれるものがありました。 人間魚雷「回天」。 脱出装置のない魚雷に乗り込み敵艦に突っ込む まさに人間兵器。 「天を回らし戦局を逆転させる」という 悲痛にも聞こえるネーミングですが、 狂気の果ての産物としか思えません。 本書は、その回天特攻隊に志願した青年:並木浩二が主人公。 かつて甲子園の優勝投手だったけれども肘を故障し、 まわりからは大学野球での再起を絶望視されている中でも 本人は「魔球を投げる」と希望を語ります。 そんな主人公が何故、絶対的な死が約束されている 特攻隊に志願したのか。 訓練のシーン、実際の出撃のシーン、 そこにいたるまでの葛藤やあわい恋模様など、 盛りだくさんな小説なのですが・・・わたし的には 残念ながらいまひとつ感がぬぐえませんでした。 主人公が最後に辿りついた回天に乗る=死ぬ理由。 それは納得のいくものではあります。 しかし、それに対して結末が残念すぎる気がするのです。 ん~・・・仕方がないのかもしれませんが、 個人的に★3つとさせていただきます。 >> 続きを読む
2019/02/23 by kengo
平野啓一郎
この本では主に本の読み方について書かれているスローリーディングとは何か、またメリットは何かを速読と比較して説明しているまたこの本ではやり方だけではなく、名作を実際にスローリーディングして説明している実際にスローリーディングをしているのでどんな風にすべきかが分かった様な気がする今まで本を何となく読んでいたが、この本に出会いより深く本をよんでいけたらなと思った >> 続きを読む
2015/02/15 by ホムリリィ
喜多川泰
今現在病気闘病中の方は別として、大抵の人は、明日がある前提で生きているような気がします。何となく流されたり、漫然と過ごしてしまったりする事も少なくないのではないでしょうか?後書きで書かれていますが、著者は教え子を亡くされているそうです。彼の明日が無くなった、誰にも明日がくる保証はないのに、普段そんな事を考える事もなく、何となく日々をやり過ごす、それで本当に良い?と聞かれている気がしました。 主人公と彼が出会った少女が、ゲーム感覚で、やりたい事、行きたい所、等々できるできないを考えずリストアップします。金持ちになりたい、有名になりたい、等それなりにたくさんあると思います。そして、もう一つのリストに、自分が人にしてあげたい事のリストを書きます。やりたいリストより圧倒的に少ない人も、けっこういるのではないでしょうか。 人にしてあげられる事より、自分が望むものが欲しい。これで望むものって叶うでしょうか?少女の言葉に主人公がどんどん変わっていきます。彼女の秘密を知らないまま。何の職業に就くか、ではなく、どんな人間になりたいか。この視点が、若い頃の私にあったなら、と思います。でも若くはなくても、できる事は小さくとも、もっと柔軟に人の話に耳を傾けたい、目の前の人を笑顔にしたい、感謝の気持ちをいつも持ち続けたい、とか心掛けて毎日を過ごしていきたいと思いました。図書館本でしたが、これから事あるごとに読み返していきたいので、購入します。 >> 続きを読む
2018/05/19 by チルカル
堀江敏幸
どこか懐かしい感じのする、おだやかな日常が綴られた味わい深い作品です。この物語には、個性的な職人たちが多く登場します。背中に昇り竜を従えている印章彫りの正吉さん、ベテラン旋盤工の林さん。慣れた手つきで商品の古本にパラフィン紙のカバーをかける店主の筧さんや、「みそ汁を啜ったあとでもちゃんと珈琲が飲みたくなる」定食を出す「かおり」の女将さんもすばらしい職人技の持ち主です。講師や翻訳を生業としている主人公は、たとえば正吉さんの知識は「私のように活字から引っ張ってきた浅薄さはみじんもなく、どれもこれも具体的な体験に裏打ちされているふうで…なんともいえない説得力が生まれる」とあるように、彼らに尊敬とあこがれをもって接しています。姿を消しつつある黒電話について、「じりじりとダイヤルを回す感触や指を離したときに爪がひっかかったときの痛みの喪失を嘆く人々がいるとしたら、まちがいなく私もそのひとり」と考える主人公だからこそ、アナログな感性を大切にする職人たちに心を動かされるのでしょう。特に印象深く感じたのは、黒電話の修理を待つ私が電話会社の人間を「待機」するのではなく、目的も無く待つという「美しい行為」に半ば強引に転換しようとする場面です。純粋にただ待つことを味わい、それに耐え抜く精神的エネルギーの高まった状態に意義を見出す(座禅をイメージすると、分かりやすいかもしれません)。静かながらも、ひとつの生きざまを貫こうとする意志の強さを感じました。このような「純粋に待つこと」への憧れに共感できる人なら、やや長めなセンテンスの文体に呼吸を合わせて読むことができると思います。またこの作品は『書斎の競馬』という雑誌に掲載されていたので、ところどころに馬が登場します。馬が好きな方にもぜひ、おすすめしたいです。「正吉さあん、袋、袋を忘れてるよと叫びつつなおもホームを目指して駆けつづけ、転びそうな私にこんどは甲高い実況が、さあどこへ出す、外だ外へ出した、内からはバンブオントール、鞭が飛んで苦しそうだがしかし出た、キタノカチドキが出ましたと追い打ちをかけ、最後の鞭が飛んで口を割った私は声にならぬ声で正吉さんの名を呼び、呼びながらよろけ、よろけながら走り、しかしゴールまであと五十メートル残したところで一両編成の黄色い逃げ馬は後ろを振り返ることもなく湿った闇のなかを走り去っていった。」 >> 続きを読む
2016/10/09 by カレル橋
アルボムッレ スマナサーラ
少しスッキリしない部分はあるが、仏教について少し知りえる事が出来ました
2016/06/13 by zenchan
関泰祐 , SpyriJohanna , 阿部賀隆
昔から知っているタイトルだったけど、アニメしか知りませんでした大人になって初めて読んだのですが、アルプスの美しい景色や美味しそうな食べ物の描写が素晴らしくて、一気に読んでしまいました特にハイジの目に映る大自然の生き生きとした美しい景色の描写は素晴らしくて、私もそこに立って絶景を眺めているようでした食事の話も読んでいてお腹が鳴ってしまって…あー、アルムおじいさんのご飯が食べたい!笑でもそれ以上に人の優しさとか思いやる気持ちの大切さや美しいと思う綺麗な心のあり方がわかりやすく書かれていて、何年たっても色んな人に愛されるお話だよな~としみじみ思いました大人になってから児童文学を読むと、子供のとき以上に沢山得るものがあると思えた一冊でした >> 続きを読む
2016/07/13 by MOMIX
小畑健
【完】 ↑このタイトル通り実質的な完結巻なので基本構造は割愛。 一応全13巻とすることが多いですが、13巻はファンブック的な構成の様です。 13巻も買ったはずなのに部屋を片付けた拍子にどこかへ失くしてしまったので、諦めてもう一冊買っていつか読みます。 オチを語ってしまっても勿体ないので多くは語らず。 なんかもぅ、もっと面白い結末があった気がして・・・。 この結末が一つの作品のテーマだったとは思うし、デスノートの解説まで読んでいれば、予定された結末であることも分かってはいたんだけど・・・。 最初、あれだけ念には念を入れてあらゆる事柄を警戒しすぎるほどの警戒さを見せて、準備していたのに、新章あたりから結構杜撰になってきているのよね。 油断しているというより、この結末へ向けての逆算な気がして・・・。 最後まで、警戒に警戒を重ね重ね重ね、その上を行く知略の応酬、どんでんどんでんどんでんを読みたかった。 や。充分面白かったから、無責任な読者のわがままなんのも分かっているんだけれど・・・。 >> 続きを読む
2020/10/24 by 猿山リム
佐々木倫子
鉄道オタのお祖父さんから財産相続のために招かれた女子高校生の空海。乗り込んだ列車は、幻夜号。そこで起きる密室殺人・・・よりも、幻夜号の「仕掛け」におおっと思いました。人が何人も殺されているのに、テツたちの行動がユーモラスで、乾いた笑いのある作品ですが、佐々木さんの冷たい描線が、この作品にピッタリですね。乗務員があやしいのか、弁護士は・・・とかいろいろ考えながら読みました。何しろ雪の中に佇む鉄道の描写が美しく、車内の描写もステキで、北の旅へ出たくなります、殺人は困りますが・・・。個人的には佐々木さんの絵は男子たちがカッコイイと思ってます、市職員の沼尻さんが好きだなあ。 >> 続きを読む
2021/01/12 by みやま
三浦しをん
三浦しをんさんのエッセイ。前回読んだ最初のエッセイは「しをんのしおり」でしたが、その本のタイトルにしをんさんが最初に考えていたのは、この「人生激場」だったとか・・・。先週、東京、岐阜、金沢への仕事での出張の際、電車の中で読破。このしをんさん、書いてる内容からは、どうみても大阪のおばさん。でも、実際は東京生まれで、大阪でも、豊中、箕面、池田、伊丹、西宮あたりのなんとなくの上品さはちょっぴりあるが・・・・。下ネタ大好き、好きなサッカー選手を映さないとNHKに怒り、免許書の更新案内の手紙の、更新手数料の表示の不親切にいかり、「世論」を「せろん」と読むべきところを、NHKさえ「よろん」と読みだしたと街行く若い男女にも、苛立つ・・・、読んでいるとこちらまで、世間様に苛立ち、言葉遣いまで悪くなる。丁度、帰りの快速の中、四人掛けの私の前の通路側の席が一つ空いていて、USJ帰りのカップルがそこへ、やはりレディファーストで女性が座る。静かだなと、この本から目を上げると、左手どおしはしっかりとつながれているしかし、各々の右手にはスマホが、片手でずっと器用に操作を続けている。カップルなら喋れよ・・・、電車の中で遠慮するなら見つめ合えよ・・・。スマホで愛を語ってるなら、多少顔を上げて見るやろうし、ゲームでも対戦してたら、対戦相手と手を握りあってる場合とちがうやろ、おい、カップルさん仲が良いなら、オジサンにも解るように、いちゃついてくれよ・・・。おじさんは、この本を読みながらも、其方が気になりだして、前に進まないやんか、どうしてくれんのや・・・・快速が止まる前の駅で、通路越しの席が空くと男の子、さっさと手を離して座る、(おいおい、やっぱり座りたかったんや)。ああついに、おじさんが降りる駅が最寄の駅が来てしもうた・・・。おじさんが座ってた、向かいの席に男が座りなおすのか、それともそのままなのか。思いと違う行動をとるカップルにイライラっと、出張の疲れがドッとでた、関空快速の車内でおました・・・・・とほほ。 >> 続きを読む
2014/10/02 by ごまめ
藤沢周平
図書館本。それぞれに一癖ある下級武士の姿を描いた八篇を収録した短編集。主人公の特色と名が各話のタイトルになっている。主人公はいずれも剣の遣い手で、その腕を見込まれて上意討ちを命じられたり、非業の最後を遂げた者に代わって仇討をするという話が多い。理不尽さに耐えながら城勤めに精を出す下級武士の悲哀が漂うものもある。特に気に入ったのは、「ど忘れ万六」「祝い人(ほいと)助八」の二篇。 >> 続きを読む
2019/09/01 by Kira
川上弘美
「ユキヒコはあおざめていた。わたしのことを、甘くみていたのだ。いつもいつも。わたしはユキヒコを甘くみていなかったのに。でも、甘くみあわないで、どうやってひとは愛しあえるだろう。許しあって、油断しあって、ほんのすこしばかり見くだしあって、ひとは初めて愛しあえるんじゃないだろうか。」 以前、読んでいたのですが、配信で映画版を観たので再読。 川上弘美さんの「恋愛の実感度」が非常にうまく出ている小説でした。漢字を少なくして、簡単なようで、深いのは川上文学の特徴です。 西野幸彦は、たくさんの女性とつきあう。各章は、そのつきあった女性たちの目から描かれており、西野君、ニシノさん、ユキヒコ、ニシノ・・・と女性たちはそれぞれに名前を呼ぶ。たくさんの女性とつきあっても、「恋」が出来ないニシノユキヒコ。 たくさんの女のひとにもてて、つきあって、ふられる男、ニシノユキヒコ。確かに魅力的な男ではあるのですが、何かが足りない。だから女達はニシノユキヒコとつきあうけれど、結婚したりはしない、去っていく。でも、ニシノユキヒコは憎まれない。 女性たちはニシノユキヒコに固執しない。好き、と言わず、「好きになったのかな・・・・」といった漠然とした気持を抱くだけです。つきあう女性がニシノユキヒコを好きになっても「恋」はしない、というきっぱりとした線を皆、引いているようです。冷静な女たち。 恋愛小説なのに恋が出てこない、女性たちとのあれこれも「冒険」ではない。そしてはかなかったニシノユキヒコの一生。そんな微妙な男女関係が本当によく描けていると思います。 映画は、恋愛の実感を撮るのが上手い井口奈己監督。ニシノユキヒコを演じたのは竹野内豊。飄々とした雰囲気が良かったですし、周りに登場する女優さんたちも豪華。でも、独特の長回しやゆったりとしたテンポが独特の空気を持つ映画でした。 ニシノユキヒコは、幽霊になっても、「好き」になってもらえない。寂しい、哀恋物語です。 >> 続きを読む
2018/06/01 by 夕暮れ
吉本ばなな
出てくる登場人物がことごとく愉快でない過去や立場の人ばかりなのだが、本人たちが飄々としていて立ち直りが早いので重苦しい感じや後味の悪さは一切ない。また作中に出てくる作者や登場人物たちの考え方が非常に面白く深い。・時間もお金もあれば人は誰にでも優しくなれる・男は『穴』しか見ていない・上司に休めと言われた時は、これ以上問題を起こす前に休んでくれと言われているのと同じ・虐待された記憶がないのは親を憎むことも嫌うことも出来ないからさほど幸せなことではない・店や家庭を長く続けるには、酷い事や暗い出来事が起きても徐々に無かったことにしてどんどん進んで行く技術が必要・神様は何もしてくれない・子供でいた方が喜ばれる環境もある・男尊女卑の定義の一つは妻や彼女の本質を知ろうとせず物の見方がパターン化していることどれもこれも「言われてみればそうだな」もしくは「そんなこと知ってるよ」と思うことだが、実際に人生の岐路にたった瞬間にすぐ思い出すのは困難そうなものばかり。 >> 続きを読む
2017/08/17 by kikima
トーベ・ヤンソン冨原眞弓
誠実な詐欺師。現実にあり得そうだけれど、あり得なそうでもある。そんな不思議なお話。読めば読むほど続きが気になってあっという間に最後まで読み終えてしまいました。 >> 続きを読む
2018/01/28 by 香菜子
SwendsonShanna. , 今泉敦子
登場人物たちが、個性的で愉快な人たち!そんな中でも主人公の二人は奥手で、中々進展しない恋愛にやきもきしたりして読みました。毎回丁寧に前巻からの流れが分かるので、続けて読めない場合ゆっくりでも楽しめます。○登場人物の分類○魔法使い魔法の見えない(カモフラージュが利く人、大多数)魔法が見える人(主人公、レア)※サブタイトルにも、ご注目を。 >> 続きを読む
2015/04/16 by chiiko
荻原浩
考えさせられる。戦争を考えさせられる本。でも、面白い。笑えるところも多くあった。
2016/07/24 by kurobasu
浅野いにお
--------------------------------------------虹ヶ原には不思議な言い伝えがあったトンネルの中の怪物が世界を終わらせる虹ヶ原で起こる不可解な事件それは一人の少女に関連しているのであった登場人物の過去と現在、交差するサスペンスフルストーリー--------------------------------------------全体的に、装丁通り暗い印象のするマンガ作品プロローグとエピローグを含めると15の短編の組み合わせで成り立つストーリーになっている11年前の小学校をメインとする話と現在の殺人が起こる時世とが交互に進んでいき、パズルのように過去と現在がつながっていく >> 続きを読む
2015/10/12 by migishita
田中清代
最後のオチ、気持ちよさそう~(^^)
2015/08/30 by けんとまん
小林茂
200ページ余りしかない本だが、濃い内容だったと思う。感情だけに流されて物事を見るのではなく、多角的な視点で捉え、「今、何が起こっているのか」「何が必要なのか」を見極めることが重要だと気付かされた。過ぎゆく日々を、当たり前に過ごす。身近な事柄が、実は他者から見ると衝撃的な出来事であったり・・・。国や人種、果ては性別が異なることで見えているものが違うのかもしれない? >> 続きを読む
2013/11/24 by sayo
朝日新聞社
全作では、超上から物を言われたので、それ無理、と鼻についた。ちょっとソフトになって、放り出すのではなく、応援、アドバイス、という印象を受けて、図書館本だから折り目もつけられず付箋だらけ。それぞれ苦労した人が、これ大事だよ~と教えてくれる感じ。人が違うとこうも違うか、言ってる事の本質は変わらなくても、言い方って大事だと思った。林真理子とか、全然好きじゃなかったけど、思ったより優しい人でした。幾つになっても、まだまだ学ぶ事はたくさんある。これも返したくない本。買うと思います。何度も読み返したいので。迷ったり混乱した時に、初心に戻り、目の前の事にきちんと向き合う為に。 >> 続きを読む
2018/04/23 by チルカル
Redfield, James , 山川紘矢 , 山川亜希子
いわゆるスピリチュアル系というかニューエイジ系。連作なのでこれだけ読んでもピンと来ないかも。主人公の冒険というスタンスを取りながら、色々な知恵を学んで行くシリーズ。一番心に残ったのは、悪口は言わないだけでなく、そういう心でいっぱいになって、恐怖や怒りに縛られている事そのものが、あまり周囲にも自分にも良い影響を与えるものではない、というもの。言葉にすれば、そりゃそうだ、とも思うが、不機嫌な人が一人職場にいると、皆が居心地悪く、逃げ出したくなったりイライラしたりする。逆に、オープンで人の良い部分を見つけ出そうとする人が一人いると、何となく皆穏やかな気分になれる事もある。そういう態度に反応するのは勿論だが、そういう心でいる人が周りに無意識に与える影響は大きい。それが周りにも本人にも良い影響を与える事は少ない。人のエネルギーは良くも悪くも感染する事が多い。現代は様々なテクノロジーによって便利になった。けれども、資源に限りがないかのような、贅沢に慣れてしまっている割に満たされる事は少なかったりする。企業や一部の人間の利益の為に環境が汚染されている事。そういう事を人間は本当に目指しているのか?自分一人に何ができるわけでもなし、と傍観者でいる事で、間違った方向に進む事に加担していないか。自分のベースに怒りや恐怖がある為に、いつも同じ問題を引き寄せてしまったりするのは何故なのか。霊性を高め、より良い方向へテクノロジーを利用しよう、と言われても、自分の霊性とやらが低いのか、なかなか簡単に理解・実行できるかというと難しいのだが、自分の怒りというもの、それが及ぼす影響というものを最近ずっと考えていただけに、ひっかかる部分がたくさんある本だった。世界を自分のさほど広くもない視野で見てみても、望ましい状況にある、未来はバラ色、という訳ではない事は理解できる。世界を変えるという意識には遠く及ばずとも、自分の怒りを見つめ、コントロールして、自分の中にも人の中にも、ほんの僅かでも愛情とか良心とか親切とかを見つけて、与え合う事は、今からでもできるのではないかと、そうありたいと心掛ける事はできるのではないかと。少しでもひっかかる物があるならば、今の自分にとって意味があったのではないかと思えた本でした。そういうものには懐疑的。資本主義万歳!という人には向かないが、多かれ少なかれ、生きていれば何かしらの問題にぶつかる。そこで何の本に縁があるかは人それぞれだが、人生何が起きるか分からないし、いつか必要な時が来た人には、目にとまる事もあるかもしれない。 >> 続きを読む
2017/11/21 by チルカル
出版年月 - 2006年7月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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