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2007年2月発行の書籍

人気の作品

      精霊の守り人

      上橋菜穂子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! leopard niwashi nichiyobi
      •  以前 TVでアニメをやっていた作品ですね。
        近年では綾瀬はるか主演でドラマにもなっていましたが、
        そちらは見ていません。
         
         母親がシリーズ全巻 大人買いしてきて
        面白かったというので私も読んでみました。
         
         小説は全10巻の構成となっており、
        アニメ版は1巻目の内容に若干 脚色をしたような印象です。
         
         いずれにしても非常によく描かれた
        ファンタジー作品だと思います。
        登場人物が魅力的ですし、世界観もしっかりしています。
        西洋の大作ファンタジーを模倣した薄っぺらなものではありません。
        著者が志すところの「子どもが読んでも、大人が読んでも面白い物語」
        に、しっかりなっていると思います。
        続きが楽しみです。
        >> 続きを読む

        2018/02/27 by kengo

      • コメント 2件
    • 他6人がレビュー登録、 56人が本棚登録しています
      自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心

      東田直樹

      エスコアール
      カテゴリー:内科学
      4.7
      いいね! Moffy
      • 自閉症の当事者の気持ちは、当事者にしか分からないもの。
        言葉で話すことはできなくても、
        書くことで多くの人に伝えてくれているとても大きな意味のある本でした。

        息子に対していつも感じていた疑問、
        この本の中に答えがありました。


        Q:どうして何度言っても分からないのですか?

        A:わざとやっているように見えるかもしれませんが、そうではないのです。
        怒られてしまった時には、またやってしまったと後悔の気持ちでいっぱいですが、
        やっている時には前にしたことなどあまり思い浮かばずに、
        とにかくそれをやらずにはいられないのです。


        Q:声をかけられても無視するのはなぜですか?

        A:気がつかないということは、知らん顔している事とは違います。
        自分に問いかけられている言葉だと理解することが難しいのです。


        Q:どうして言われてもすぐにやらないのですか?

        A:やりたくない訳ではないのです。
        気持ちの折り合いがつかないのです。
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        2018/04/16 by wave

    • 他6人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      幻夜

      東野圭吾

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! ryoh3 chappaqu
      • 白夜行が面白かったので、続編の幻夜もと読みました。

        最後まで、新海美冬の正体が明らかにならなかったらたのは、どうかなと思いました。正体が分からないからか、白夜行の雪穂とは似ても似つかないタイプに映りました。美冬はただ単に計算高くて、嘘つきで、下品な感じがします。

        白夜行の雪穂と亮司は、強い絆で結ばれていて、お互い共有している痛みや悲しみがあったけれど…幻夜の美冬は冷酷で、だれも信用していない感じがしました。夜を生きていこうとする美冬と雅也の関係も幻ってことなのかな。
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        2018/07/30 by うらら

    • 他5人がレビュー登録、 72人が本棚登録しています
      銀河英雄伝説 - 1 黎明編

      田中芳樹

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! ybook
      • ふと手に取ったこの1巻を読み終えてから、すぐに全巻揃えてしまったほどハマった。
        なり古い本であるにもかかわらずまったくそう感じさせず、どんどんと引き込まれる。まさに不朽の名作でしょうか。
        二つの国の名将「常勝」と「不敗」との戦いや、それを補佐する将校、暗躍する第三勢力など、どの陣営にも魅力的なキャラクターがいて、物語がどう進んでいくかとても気になる。
        物語は遥か未来の話であるのも関わらず、ところどころでこの話は過去のものであるという書き方がされていることも特徴の一つだと思う。
        1巻だけでもとても引き込まれる内容だったが、この巻は顔合わせみたいなもので、これから先さらに濃くなっていく物語に期待が高まった一冊でした。
        >> 続きを読む

        2015/04/20 by 冷しカレー

      • コメント 2件
    • 他5人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      八日目の蝉

      角田光代

      中央公論新社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko masa920
      • 先日テレビで映画版を見た。永作博美が秀逸だった。原作の記憶がなくて手にとったらどうやらうっかり読みそびれていたことが発覚。角田ファン失格(笑)。深夜0時から読み始め、明け方4時半まで一気に読んでしまった。噂には聞いていたが、圧巻。

        映画と原作を比較することはナンセンスでもあるけど、映画に感動した人は、ぜひ、恵里菜の母親や妹や恵里菜自身の内面が描かれた原作の方も読んで欲しいな思った。

        また、私自身は、映像や音楽や俳優の声で物語を与えられるより、活字だけの世界で縦横無尽に自分で想像するほうが、圧倒的に好きなんだろうなと実感もした。

        角田さんは、「紙の月」でも犯罪を扱っているが、どちらも罪を犯す人物の方に読み手が気持ちを吸い寄せられる、そのベクトルみたいなものが私は好きだ。

        >> 続きを読む

        2016/03/06 by umizaras

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 33人が本棚登録しています
      夢を与える

      綿矢りさ

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 綿矢りさが「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞後の作品「夢を与える」を読了。

        ある商品のCMのチャイルドモデルに選ばれた夕子は、そのCMに半永久的に出演するという契約をかわされてしまう。

        やがて夕子は芸能人としてブレークする。期せずして彼女は人々に「夢を与える」職業についたことになる。
        ところがそれは、当人の人格が根こそぎ搾取される悪夢のような仕事だったのだ-------。

        夕子に待っているのは、悲劇的な結末だ。だが、読み終えて感じるのは、悲しみではなく、「不安」と言った方がいいかもしれない。

        夕子をはじめとする登場人物には、「理想」や「葛藤」あるいは「悩み」といった読み手が共感できるような要素が描かれていない。
        むしろ、読み手の共感を拒絶するかのように俯瞰的な視点から、この小説の語り手は、夕子の観察日記を語るのだ。

        資本に搾取され、労働に疎外される人物の物語は、数多くある。
        この作品が際立っているのは、この小説の主人公には搾取されるべき内面がもともとないという点だと思う。

        夕子は、幼少時からマネージャーである母親によってCMモデルとして育てられてきた。
        つまり、夕子の人格は、はじめから虚像として作られていたことになる。
        はじめから持っていた人格など彼女にはないのだ。
        あるのは他人が勝手に作り上げたイメージだけなんですね。

        したがって、この物語は、当然の帰結として破局に終わるほかはないのだ。
        このような状況は、個人の「意志」や「努力」によって、なんとかなるようなものではないからだ。

        この小説をただの芸能人の悲惨な物語として読むこともできる。
        あるいは、芥川賞受賞をきっかけに自身が「現象」となってしまった著者・綿矢りさと主人公を重ねて読むこともできるだろう。

        しかし「夢を与える」職業は、どこにでもあるものだ。
        自動車を売っている人は、自動車の夢を与えて、ハンバーガーを売っている人は、「スマイル」という夢を与えている。

        夢を与え続ける奴隷。綿矢りさの小説は、そのような人たちに向けて書かれているのだと思う。

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        2018/08/30 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      水滸伝 - 五 玄武の章

      北方謙三

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • ●1回目 2007.8.31

        重要な巻。

        宋江包囲戦。
        鄧飛による魯智深救出作戦。
        そして青面獣楊志の戦い。

        最初のクライマックスとなる巻である。


        ●2回目 2014.12.21

        衝撃の第5巻。誰もがあっと驚く展開。
        最初のクライマックスである。

        火眼狻猊(かがんしゅんげい)鄧飛の魯智深救出劇も壮絶。
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        2017/10/07 by Raven

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      株価暴落

      池井戸潤

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! ryoji
      • 都銀で働く主人公が、要注意取引先として管理していたスーパーで爆破事件が起こる。スーパーの経営はさらに苦境に立たされ、スーパーの再建のための追加融資を拒もうとする主人公と、スーパーへの追加融資を行うべきという行内の敵対勢力との確執を描くストーリー。
        メガバンクに勤める主人公がピンチになりながら、最後は勧善懲悪で悪者を懲らしめるというストーリーは、半沢直樹シリーズの下敷きになったと思う。本作でもラストはスカッとする展開が待っている。ただ、文章の洗練され具合は、後から書かれた半沢直樹シリーズの方が断然、レベルが高い。
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        2015/10/31 by kenji

    • 他2人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      物語の役割

      小川洋子

      筑摩書房
      4.0
      いいね!
      • 物語は特別なものではなく、誰もが日々作り出しているもの。作家の仕事は、それらの物語を自らの感性でキャッチし、「言葉」によって形作ることである。つまり、「言葉は常に遅れてやってくる」。
        第二部の、小川洋子さんが一つの小説を生み出すまでの過程は興味深い。小説を書いてみたくなる。柳田邦男氏の息子さんのエピソードが印象的だった。人間は、物語を必要とする生き物なのだ。
        >> 続きを読む

        2014/07/25 by seimiya

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      夜の来訪者 (岩波文庫 赤294-1)

      プリーストリー

      5.0
      いいね! Tsukiusagi
      •  ある雨の夜、裕福な実業家のお嬢さんの結婚祝いの会が身内で開かれていました。
         楽しく会食をしている最中に訪れたのは一人の警部でした。

         「一人の貧しい女性が自殺したのです。」
         そう、淡々と告げる警部の言葉に一同は不快感を表します。
         それはそうでしょう。
         せっかく娘さんの結婚をお祝いしているというのに、何で自殺したお嬢さんのことをわざわざ、しかもこんな雨の夜に言いに来るのですか!

         集まった一同の心情は理解できるものでしょう。
         「それが私たちに何の関係があると言うのですか?」
         ですが、警部はさらに言葉を続けます。

         本作は、舞台劇の形式で書かれています。
         実際、舞台でも何度も演じられた傑作だということです。

         雨の夜に訪れた警部の言葉はとても重いです。
         徐々にこの場所にいる誰もが、その貧しい女性の自殺に関わっていたのだということが明らかにされていきます。

         みなさんは裕福で、このような素晴らしいディナーを楽しんでいらっしゃるのでしょうけれど、みなさんがしでかしたことで、一人の貧しい女性は命を絶たなければならなくなったのですよ、と。
         
         一人ひとりが糾弾されていくようです。
         あぁそういうことだったんだ。

         と、思うのは早計です。
         この作品の醍醐味は「どんでん返し」にあります。

         「どんでん返し」の最近の作品で私が真っ先に思い浮かべるのはジェフリー・ディーヴアなのですが、その先駆者と言って良いでしょう。
         いや、本作はそれ以上に強烈です。

         そういうことだったんだ……それは本当に酷い話だったね……って納得した途端にまたひっくり返されます。
         「それだけではないのです」という警部の言葉は重いです。

         どんでん返しまくりの極めて巧妙に作られた名作だと思います。
         詳しいことは絶対に書けないのですが、とても短い作品なので、是非ご自身でこの「驚愕」を体験してください。
         
         あぁ、だから読書って素晴らしい!と、私は思ってしまった名作です。
        >> 続きを読む

        2019/06/02 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      自省録

      Aurelius Antoninus,Marcus , 神谷美恵子

      岩波書店
      カテゴリー:古代哲学
      4.5
      いいね!
      • 訳者後書きの、神谷さんの書評が素晴らしくてならない。
        この作品は、この神谷さんの後書きがなければ格段に魅力を落とすだろう。


        「マルクス・アウレリーウスはエピクテートスのあまりにも忠実な弟子であって、そこには思想的になんの新しい発展も無い」
        「ストア哲学の思想と言うものが現代の我々にとっていかなる魅力を持つかと考えてみると、そこには自ずから限度がある」
        「その説くところの物理学も論理学ももはや我々にとって殆ど意味が無い」
        「この教えは不幸や誘惑に対する抵抗力を養うには良い。我々の義務を果たさせる力とはなろう」
        「しかしこれは我々の内に新しい生命を湧きあがらせるていのものではない」
        「そういう力の泉となるには、全人格の重心のありかたを根底からくつがえし、おきかえるような契機を与えるものが必要である。それはストア哲学には無い」

        「しかしこのストア思想も、一度マルクスの魂に乗り移ると、なんという魅力と生命を帯びることであろう」
        「それは彼がこの思想を身を持って生きたからである」
        「想像力をあれほど排斥するストアの学徒でありながら」「すばらしい比喩がひらめいて思想を一つの結晶に凝結させる」
        「自省録の思想内容には独創性が無い。しかしその表現にはたしかにある」


        朴訥な作品ながら、序章が周囲の人への感謝の言葉で書きつくされているのがとても美しい。
        こういう人に治められたら幸せで平和だろうと思う。

        >> 続きを読む

        2017/08/18 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

      紅玉 いづき

      4.3
      いいね!
      • ひとたび読み始めたら、一気に終わってしまいました。
        登場人物全員が特殊な設定で、飽きません。題名の通りミミズクと夜の王の関係が読み進めるにつれ、変わっていくのがポイント

        奴隷の扱いをうけていたミミズクが夜の王に言った「あたしを食べて」というキーワードやミミズクが様々な人と出会ううちに、感情をしるところも面白い。

        電撃文庫というと、ラノベの印象を受けがちだがそういったことは感じさせず、おとぎ話のような物語。一気読みをしたうえに大号泣おもけにもう一度読みたくなる引力。これはおススメです。
        >> 続きを読む

        2015/08/04 by chocolo

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      ひまわりのかっちゃん

      西川つかさ

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • かっちゃんは小学校に上がるも、簡単な読み書きや足し算、時計の読み方もわからず、特殊学級ひまわりに入るのです。
        周りからの扱いもひどいものです。
        ところが5年生の時引っ越しで転校となり、その学校には特殊学級はなく、そいういったところへ通うには遠い小学校になってしまうのです。
        ところが新しい小学校の普通学級の先生との出会いは、かっちゃんの運命を大きく変えるのです。

        これが自伝だというから驚きです。良い出会いは人をこんなにも大きく変える力があるのだということを改めて強く感じずにいられません。
        最後は涙をぬぐいながら読んでました。
        >> 続きを読む

        2016/05/03 by taiaka45

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      緑の調査ファイル ST警視庁科学特捜班

      今野敏

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 「ST 色シリーズ」の第4弾です。
        今回の色は、緑。
        なのでこの話の中心人物は、結城翠です。

        最初はただの盗難事件でしたが、捜査をしているうちに、密室殺人事件が起こります。

        一見、違う事件のように見えますが、この二つの事件が一つになっていく展開は面白かったです。
        >> 続きを読む

        2015/10/26 by ゆずの

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      秘密の花園

      三浦しをん

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 主に3人の女の子を軸にそれぞれの視点で展開される、かなーり危うい感じ。嫌いじゃないです。

        でもですね、どこかこう、三浦しをん先生は女性性を意識しすぎるというか、すごくこだわりが強いというか。
        確かに大事な視線ではあるんだけど、「女の子に生まれたこと」がこの日本でどんな意味を持っているのか、みたいなことへのこだわり強いのだなあと思うのです。

        もっと自由になっても良いのに。とかちょっと思ってしまう。

        内容がちょっと息苦しい割には、「どんな話?」と聞かれたときに2-3行で説明できてしまいそうな感じだったりもして、
        三浦しをん先生とはテイストが合わないのかも知れないと本気で思い始める今日この頃。

        とはいえ、これが発表された2002年という時代を考えると確かにこういう感じの世相だったのかもな・・・と。
        >> 続きを読む

        2018/03/13 by lafie

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      花宵道中

      宮木あや子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 江戸末期、吉原の遊女を描いた6編。
        『花宵道中』
        『薄羽蜉蝣』
        『青花牡丹』
        『十六夜時雨』
        『雪紐観音』
        『大門切手』
        それぞれ主人公が変わりますが、基本的には朝霧を中心とした人たちの物語となっています。
        特に色濃く関係してくるのが「青花牡丹」の姉弟、「十六夜時雨」の八津。
        弟はなぜ人を斬ったのか、その因縁が描かれています。

        夜になると他の男に抱かれる、過酷な中に身を置き逃げることもできない。
        愛する人が出来たとき、それが叶わぬ恋となってしまう切なさがあります。

        宮木さんの美しい文章が、物語を艶やかに彩ります。

        映画では、朝霧を安達祐実さんが演じていますが、私のイメージじゃなかった・・・
        朝霧の話になるとちらつき、残念な気持ちになってしまいます。(ごめんなさい)
        好きな話は「十六夜時雨」の八津と三弥吉。
        自殺や病気で死ぬ人が多い中、幸せな未来を手に入れる希望ある終わり方をしたので。

        ああ、現代に生まれてきて良かったです(T_T)
        >> 続きを読む

        2014/12/30 by あすか

      • コメント 6件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      老人と宇宙

      内田昌之 , ScalziJohn

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 【何だって~?! 75歳以上しか入隊できない軍隊だって?!】
         まずこの設定に一発かまされます。
         そんな老人ばかり集めてどうするんだろう?使い物になるのか?
         と、思ったら、なるほど、噂話によれば、入隊すると最先端の科学技術によって立派な若い体に改造してもらえるらしいとか(入隊した者は、退役後も植民星で生活することが入隊の条件となっており、二度と地球に戻ってくることはできないため、地球に住む人たちは、入隊した人がどうなっているのかは知らないのです)……正確にはちょっと違っていたんですけれどね。

         大変ユーモアに溢れた作品です。
         主人公は、愛していた妻を亡くし、老い先も短いことから、もはや地球には何の未練もなく、もう一度若返ることができるのならという気持ちで、今は亡き妻と二人で既に10年前に登録してあったCDF(コロニー防衛軍)に入隊希望を出します。集まった志願兵はおじいちゃん、おばあちゃんばっかり!
         特に前半は笑わせてくれます。
         読んでいて思わず噴き出してしまう場面もいくつもありました。

         その後、主人公の新兵としての生活が始まるのですが、この辺りの感じは、オーソン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」の雰囲気を思い出させるなぁと思っていたら、なるほど、巻末解説では、「エンダーのゲーム」や、ハインラインの「宇宙の戦士」が引き合いに出されていました。
         そうですね、確かに「宇宙の戦士」でもあります(本作の方がもうちょっとウェットではありますが)。

         徐々に軍隊にも慣れ、結構な活躍を見せるおじいちゃん、おばあちゃん達。
         何故わざわざ年寄りを徴兵しているのかという理由も明かされます。
         主人公も、いくつものミッションを経験し、生き残り(CDFの生存率はわずか25%という、かなり過酷な運命です)、そして昇進していきます。
         そこで出会ったのがとある特殊部隊。
         この点についてはネタばれになるので詳しくは書けませんが、この特殊部隊の兵士達は、とある事情からその精神は無茶苦茶若いのです。
         6歳とか、かなりのベテランでも14歳とかです。
         身体はもちろん、壮健な若者の身体なんですよ(いや、それどころかスペシャルに改造されたエリート達です)。

         ここで特殊部隊の悲哀みたいなものも描かれます。
         彼らには過去が無いんですね。
         語るべき子供時代も何もなく、ただ兵士としてこの世に生まれ落ちるわけです。
         その辺りのモノローグは、過去の記憶を持たない悲哀を描いた「ブレード・ランナー」(アンドロイドは電気羊の夢を見るか)のレプリカントを思い出させます。
         そして、最後には……

         いや、なかなか秀逸な作品でした。
         何よりも老人しか入隊できない軍隊という設定が頭抜けています。
         でも、面白いだけではないのです。
         面白うて、やがて悲しき……。
        >> 続きを読む

        2019/02/17 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      孤高のメス 外科医当麻鉄彦

      大鐘稔彦

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! ryoji
      •  知人が本書の続編を読んでみたら
        あまりの面白さに一気読みした
        と言っていたのを聞き、
        そういえば以前TVでみた映画版も
        けっこう面白かったなぁ とか思い、
        文庫本11冊 大人買いしてしまいました(笑)
         
         医療系のエンターテイメント小説なのでしょうが、
        期待に反せず面白いです。
        主人公がかっこいいのもあるのですが、
        目下のところ作品中の悪役もハッキリしていて
        実力も人望もある主人公が
        思うように立ち回れないジレンマなど、
        読者の読みたい気持ちをくすぐる
        上手いバランスで描かれていると思います。
         
         これから全11冊のつきあい楽しみだな~
        と考えていたら、
        なんと今年の8月に続編が出るんですね。
        そっちも買わなきゃ~(笑)
        >> 続きを読む

        2016/07/31 by kengo

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      影踏み

      横山秀夫

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
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      • 警察側の小説は今まで何度も読んできましたが、泥棒が主役の本は初めてでした。
        それぞれが短編ですが、どの話も読み始めたら止まらなくなり、耳の中にいる双子の弟とのやりとりが新鮮でした!
        ラストが少し切なくなりますが、それもまたいいです。
        >> 続きを読む

        2015/04/24 by れーー

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      守護天使

      上村佑

      宝島社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  古本屋の100円コーナーで
        「何かの賞をとっている本」という視点で
        物色していたときにみつけました。
        「日本ラブストーリー大賞 大賞受賞作」の帯にひかれました。
        ん~、聞いたことのない賞だなぁ。

         ところで守護天使とかいうと、
        なんか大そうなキリスト教がらみの本かと思ってしまいますが
        まったく違います(笑)

         50歳のハゲデブおやじが女子高生に恋してしまい、
        完全なプラトニックを貫き
        彼女に知られることなく秘かに見守り続ける
        守護天使になることを決意した という設定。
        こうやって書くと完全にヤバイおっさんというか
        一歩間違えばストーカーなんですが、
        主人公はピュアに本気なんです。

         そんな彼女がインターネット上で悪意の標的にされており
        現実に誘拐されてしまう可能性があることに
        ひょんなことから気付いた主人公が、
        2人の仲間と一緒に大奮闘の末
        彼女を救出するというストーリー。
        完全な娯楽作です。

         まったくもって読まなくてもイイたぐいの本なのですが、
        キャラは立ってるしテンポもいいし
        ちょっと狙いすぎな部分はありますが
        エンターテイメントとしてはしっかり成立しているので
        ★3つです。
        >> 続きを読む

        2015/02/02 by kengo

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出版年月 - 2007年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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