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2008年4月発行の書籍

人気の作品

      さまよう刃

      東野圭吾

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! satomi
      • 友人と花火大会を見に行ったはずの娘の絵摩が帰宅せず、心配する長峰重樹。

        実は絵摩は、最寄の駅から自宅までの道を歩いている途中、菅野快児、伴崎敦也、中井誠という3人の18歳の少年たちにクロロフォルムを嗅がされ、気を失ったところをグロリアの車内に連れ込まれ、そのまま敦也が、1人暮らしをしているアパートに連れ込まれていたのだ。

        誠だけは、父親からの急な電話で家に帰ったものの、絵摩は快児と敦也に覚せい剤を打たれ、レイプされ、しかもその現場をビデオカメラで撮影されていたのだ。

        そして、2日後、荒川の下流部で、絵摩の死体が発見される。
        そして、悲嘆にくれる長峰の元に、1本の密告電話が。

        電話をかけてきた人物が告げたのは、絵摩を殺した犯人2人の名前と犯行現場の場所。
        そして、現場に向かった長峰は、絵摩がレイプされているシーンを撮ったビデオを目の当たりにすることに-------。

        娘が殺されるまでは、ごく普通の会社員だった長峰。
        このような事件に巻き込まれるなど、夢にも思っていなかったはず。

        少年法についても、深く考えたことはなかったでしょう。
        しかし、実際に愛娘が殺され、しかもレイプされるシーンを撮ったビデオを見てしまい、否応なく考えさせられることになります。

        現行の少年法については、既に色々と言われています。
        どんな罪を犯しても、未成年の少年たちに、大人同様の裁きを受けさせ、罪を償わせることができないというのは、以前から指摘されてきたことです。

        同じことをしても、まだ20歳になっていないなら、本当に責任能力が問えないのかというのは、私自身以前から疑問に思っていた部分です。

        確かに、ここに登場する弁護士が言うように、少年法は、子供を裁くためのものではなく、間違った道に進んでしまった子供たちを助けて、正しい道に導くために存在するのかもしれません。

        しかし、ここに登場する少年たちを見ていると、その言葉は絵空事のようにしか響かないですね。

        これだけの罪を犯しても、未成年の場合は、3年も経てば仮出獄。
        少しでも更生する余地のある少年たちにとっては、少年法は良いものなのかもしれないですが-------。

        自分の子供、特に女の子を持つ親ならば、長峰に同情せずにはいられないでしょうし、自分たちは、未成年だからと開き直っている少年たちに対して、憤りを抑えずにはいられないと思います。
        和佳子のように、本当はいけないことだと分かっていながらも、長峰を止めることができない人も多いはず。

        一連の事件を追っていた、週刊誌の編集長の、それでは現状に合った裁きができない、被害者の受けた苦痛はどうなるのだ、加害者を助けることばかり考えるのが正しい道なのか、という言葉は、たとえ彼らが被害者を食いものにしているマスコミであるにせよ、やはり正論です。

        しかも、犯罪を未然に防ぎ、犯罪者を逮捕しなければならない立場の刑事たちにも、長峰に同情する向きがあります。
        自分たちがやっていることは、結局、加害者を守るということなのかという疑問。

        長峰に同情しながらも、しかし長峰の犯罪を未然に止め、逮捕しなければならない刑事たち。
        そんな刑事たちもまた、刑事である以前に一人の人間なのです。

        一体正義とは何なのか。未成年には、本当に物事の善悪を判断する力やそれに伴う責任がないというのか。

        少年法については、様々な意見があると思いますが、現行のままでいいとは決して思えませんし、ここに書かれているような出来事も、実際に当事者になってしまう前に、それぞれが、自分のこととして考えなければいけない時期に来ているのではないかと思いますね。

        この作品の中に結論はありません。あくまでも問題提起のみ。
        最後の結末には、賛否両論があると思います。
        これに関しては、どちらが良かったとも言い切れないですね。

        重苦しいテーマですし、それぞれの人々の苦悩が、ダイレクトに伝わってきます。
        しかし、そこは東野圭吾らしい、読みやすさとテンポの良さで、これだけの問題を、この1冊に纏め上げた力は、やはり凄いですね。

        >> 続きを読む

        2021/06/01 by dreamer

    • 他10人がレビュー登録、 75人が本棚登録しています
      受託開発の極意 変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法

      岡島幸男

      技術評論社
      カテゴリー:情報科学
      4.2
      いいね! cazaana
      • 受託開発の基本手法とともに、顧客やメンバとの気遣いまでが載せられています。
        プロジェクトの円滑な進め方だけでなく、お客様との関係で始まり、組織や仲間との関係で終わる構成になっており、
        プロジェクトは人あってのもの、ということが伝わってきます。

        また、技術の観点だけでなく、お客様の立場からプロジェクトの立ち位置を眺める必要性も述べられていました。
        プロジェクトは目的があり、その目的達成のための技術なので、大切だとわかります。
        開発者視点が長かったので、どうしても、手段である技術に目が行ってしまいがちでしたが、
        目的を忘れないで顧客視点で考えるようにしていきたいと思わせました。

        アウトプットだけではなく過程の評価も重視することにより顧客満足度の向上させると述べられており、コミュニケーション、人間同士のつながりをうまく作っていくことが大切と感じました。
        >> 続きを読む

        2016/02/18 by mattya

      • コメント 1件
    • 他8人がレビュー登録、 23人が本棚登録しています
      子どもたちは夜と遊ぶ

      辻村深月

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 読んで思ったのは『スロウハイツの神様』がどれだけ相手を思って行動してるのかという人が主人公だったけどこれは真逆。いくら境遇が荒んで愛情を受けないで育ったにしても復讐のために容易く人の命を奪うことをゲームにしてるのは許せない。新幹線の中で起きた残虐な事件を思い出す。あの犯人は無期懲役を下されたとき万歳をしたとか。殺し損ねた女性客を救うために命を落とした男性の家族はそれを聞いてどう思っただろう。命を生むことは簡単だけど人間らしさを育むことはものすごく大変。娘たちが優しいのは夫のお蔭だと思う。後編に。 >> 続きを読む

        2020/01/21 by miko

    • 他6人がレビュー登録、 43人が本棚登録しています
      東京バンドワゴン

      小路幸也

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! ayumi rock-man
      • 2018/4 19冊目(通算70冊目)。初読みの作家の方。読友の方の感想を見て興味を持ったのが動機。4世代が同居している古本屋を舞台に、そこに住む家族がお店で起こった日常の事件を解決していくという話の流れ。昭和の時代の家族ドラマを見ているようで読んでいるとほのぼのとしてくる。我南人は自分の中では忌野清志郎さんのイメージ。勘一は小林亜星さんかなあ。ほかの人はちょっとイメージしづらい。あと、紺さんと青さんの情報収集能力も半端じゃないなあと読んでいて思う。ともあれ、6巻までは揃えているので読み進めていきたい。

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        2018/04/29 by おにけん

    • 他4人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      震度0

      横山秀夫

      朝日新聞出版
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 女社会のドロドロは、権力争いを伴う男社会のそれに比べたら可愛いものだと思った。組織を守るという大義で黙殺されてきた罪はどれだけあるのだろう。 >> 続きを読む

        2018/04/14 by aki

    • 他3人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

      西尾維新

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • ~ミステリーの感想はどこまで書くのが許されるのか、それがわからない~

        5人の天才たちがカラスの濡れ羽島に招集され、そこで殺人が起こっていく。探偵役が不在の中で5人の天才のうちの1人である玖渚友と彼女の付添人かつ凡人であるいーちゃんが事件の解決に乗り出す。というサブカル要素という化学調味料をどばーっとふりかけたかのようなクローズド・サークルもののミステリー。事前に読んだ綾辻行人の殺人方程式で、よくも悪くも2時間ドラマを視聴したかのような感覚を味わった僕は喜々としてこの本を手に取った。

        ところが、この作品が最低最悪なものであることを300ページほど読み進めて確信することになる。
        まず、天才キャラの描写は作者が調べたであろう知識のひけらかしやどこぞのすごい機関に所属してるんだぞーという設定のみによってなされる。

        天才たちはサトラレかと思うほどに思想をそのまま垂れ流すし、探偵役は自ら謎を作り出す。
        キャラクターを記号化することによって、12人もの登場人物がいるにもかかわらず、5以上の数はフレア(たくさん)としか認識できない僕にそれぞれのキャラを区別させる手腕は見事だったけれど、それにしても天才たちがあまりにもアホっぽい。
        どこまでも作り物めいていて、背後で糸を操っているのが丸見えな人形劇を見ているかのようだった。

        さらに天才の占い師であるESP(テレパシー)の超能力もちで他人の心を読むことのできるの女性がいる。超能力、別にそれはいい。しかし、彼女は超能力によって私は君のことをなんでも知っている、といって主人公のことをいじめだす。確かに主人公は自意識過剰でモノローグで長々とご高説を垂れた挙句に、戯言なんだけれどとか言っちゃうイタいやつなんだけれど――でも彼は一切合切誰とも関わることを望まない傍観者なのだ。どこまでも何もしてない人畜無害な主人公に執拗なまでにつっかかる彼女には主人公同様、戸惑うばかりだった。そしてさらに主人公の情報がほとんどなく人となりがつかめなかった。のっぺらぼうなので感情移入がしにくいのだ。これらの理由で読み進めるのが苦痛だった。そして意外性に欠けるトリックで事件はあっさり幕を閉じる。

        事件が終わり平穏な日常を過ごす主人公の元に探偵役が遅れてやってくる。
        探偵はいきなり主人公に暴力を振るう。
        はいはいインパクトのある登場シーンで癖のあるキャラクター設定乙。
        白けきった気分で読み進めると、島でおこった事件の真相について探偵が語り始める。決して一文で全てがひっくり返るとか、バラバラだったピースがつながっていくとかいう感覚ではない。嘘だらけの世界がさらに嘘で塗り固められることによって真相が語られるのだ。これは僕にとって新鮮な感覚だったので心地よかった。ここまで堂々と嘘で畳み掛けられるとかえって悪い気分にならない。だから章のタイトルがまっかなおとぎばなしなんだなぁ、作者もこれがこじつけであることは自覚しているのかもしれないな。まぁこれはこれでいいのではないかとある程度満足して本を閉じた。

        でも、それならなぜ探偵は主人公にわざわざ会いに来て、初対面にもかかわらずボコボコに殴ったのち、事件の真相を語りはじめたのだろう?さらにこの事について考えると僕が散々挙げ連ねた不満のほとんどは作者が計算づくでやったように思えてくる。人畜無害な(少なくとも作中で問題行動を起こしていない)主人公がことごとく作中の人物から否定され、天才は愚かで、殺人事件という重大な事態が起きているのにもかかわらず、警察に通報したくないからという理由で人為的なクローズド・サークルを発生させるという作り物めいていて嘘くさい世界にしたのかがわかった気がした。案外、新本格ミステリだとかキャラクターノベルとかいうのはこの作品の一面でしかないのかもしれない。西尾維新は個性的な文体によるエンタメ乱造作家というイメージがあったのだけれど、少なくともこの作品に限っていえば若さを感じさせない高い構成力と熱い想いを感じられた。まぁ、全部言ってみただけの戯言なんだけれど――。
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        2017/03/29 by けやきー

    • 他3人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      水滸伝 - 十九 旌旗の章

      北方謙三

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • ●1回目 2007.9.23

        最終巻。
        いやあ、こういう終わり方になるのか。

        これはこれですごい終わり方だが、終わりという感じが全然しないのは、作者が作り出した虚構の世界が勝手に動き出していて、作者がここで巻を閉じようがどうしようが、作品中の人物達はそのまま生きたり死んだり戦ったりするだろうと思わせるからだろう。

        だから19巻を最終ページを読んでしまっても、これでジ・エンド、ああ長い長い物語がおわってしまったんだ、思えば遙かな道のりを作者と登場人物と読者である我々は旅してきたものだという、あの大長編小説を読んだ後の感慨は出てこずに、さあ次だ次だと思ってまわりをキョロキョロしてしまう。

        作者も当然、書き尽くしたという感じはないはずで(たくさんの主要登場人物達がまだあの世界で作者が活躍の場を与えてくれるのを待っている)、その証拠に続編である楊令伝がはじまっている。現在2巻目が刊行中。全部で10巻はあるらしい。まあなんというか、すごい馬力だ。




        ●2回目 2015.1.24

        ついに最終巻。
        童貫対梁山泊軍の最終決戦。

        そして楊令伝へ。
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        2017/10/09 by Raven

    • 他3人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      坂道のアポロン

      小玉ユキ

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.2
      いいね!
      • この作品の影響でジャズが好きになりました!タイトルのアポロンはギリシャ神話のアポロンからきており、神話と同じで登場人物みんなが片思いをしています。少女漫画でありながら主人公は東京から長崎へ転校してきた高校生の男の子なので、少女漫画特有のきらっっきらした感じはいい意味であまり感じず男性にもお勧めしたい作品です!恋とジャズに一生懸命な高校生のお話です。 >> 続きを読む

        2015/10/26 by めーこ

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      花まんま

      朱川湊人

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 昭和30~40年代の大阪の下町を舞台にしたファンタジー短編集。これまでに読んだことのないタイプの作品でした。

        どのお話も読み終わると、不思議な気持ちになったまま、少しの間、放心してしまいます。

        「花まんま」は、特によかったです。「トカビの夜」「送りん婆」も好きです。不思議な中に、切なかったり、少しぞくっとしたり、心が暖かくなったりする要素があり、心に深くしみじみとした気持ちが広がります。またしばらくしたら読み返したいと思いました。
        >> 続きを読む

        2019/07/07 by うらら

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか

      山本ケイイチ

      幻冬舎
      カテゴリー:スポーツ、体育
      3.5
      いいね! Moffy
      •  すごい……すごいぞ!
         これはもう筋トレ書以上の価値がある本で、もはや人生との向き合い方そのもののアドバイス書と言っても過言ではない。

        「中断・再開はエネルギーの無駄づかい」
        「たんに流行を追いかけているだけの人が、トレーニング効果が上がらないのも、『自分自身がどうありたいか』という意識が薄いからだ」
        「成功する人には、もう一つ重要な共通点がある。それは、一度に多くを変えない、ということだ」
        「結論を急がない、保留できるということは、成功者の共通点である」
        ……

         「へぇ~」、「ほぉ~!」と感心しながら読み、随分と悟らされた。

         筋トレについても、客観的にバランス良くアドバイスが書かれているのが良い。
         私も著者と同じ、「〇〇すれば〇〇なる!」といった宣伝文句や、個体特徴を完全無視したゴリ押し系助言が嫌いなので、共感できるところが多かった。

         筋トレも勉強も仕事も、成功するかどうかは結局如何に正しく自分としっかり向き合えるかが一番のポイントなのだ。
        >> 続きを読む

        2020/12/05 by Moffy

    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      優しい音楽

      瀬尾まいこ

      双葉社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        駅でいきなり声をかけられ、それがきっかけで恋人になったタケルと千波。だが千波は、タケルをなかなか家族に紹介しない。その理由にタケルは深い衝撃を受けるが、ある決意を胸に抱いて一歩を踏みだした―表題作「優しい音楽」。つらい現実を受けとめながらも、希望を見出して歩んでゆく人々の姿が爽やかな感動を呼びおこす。優しさに満ち溢れた瀬尾ワールド全開の短編集。
        ---------------------------------------------------------------

        短編集。
        どれも温かい物語のように仕上げているが、私にはどうも倫理的に納得いかない。

        以下、ややネタバレあり。

        「優しい音楽」☆☆☆
        タケルと千波の二人の時間の過ごし方はゆったりしていてうらやましい。
        何もアクティブに過ごすだけがデートではない、のんびりうだうだと時間を無駄に過ごすのが贅沢だったりするんだよな。
        食事の食べ方の違いを「愉快なこと」と受け入れられる千波は素敵だし、二人のリズムが合っていて、いいカップルだと思う。

        しかし謎が明らかになった後、タケルはあくまでもタケル自身として受け入れてもらえるように振舞うべきだったと思う。
        家族は誠の喪失を受け止めなければ前に進んでいけない。
        誠もその方が幸せなはずだ。
        そこをわざわざタケルが成り代わって穴を埋めるというのは違う気がする。
        結果としてタケルは誠と違うことを示すことができたが、過程に納得がいかない。


        「タイムラグ」☆
        不倫相手の娘を預かるという時点で抵抗があるが、これは瀬尾まい子も織り込み済みの反応だと思う。
        そのイメージを払拭するほどの温かい物語に仕上げようという魂胆であろうが、最後までそれはかなわなかった。

        たしかに、佐菜との時間は微笑ましいものだったが、祖父の家に行くあたりからおかしい。
        正体を明かさないまでも、息子の不倫相手が夫婦の結婚を認めろというのは、出しゃばりすぎだ。
        というか、不倫してるくせにどの口が言っているんだ。
        それに言いくるめられる祖父も滑稽でしかない。

        平太の家庭にとって、この物語はプラスだったかもしれないが、深雪はいいように使われただけだ。
        平太にだけ都合のいい状況をずるずると続けて、結婚も難しくなったころに捨てられて、一人で寂しく死んでいくしかない。
        不倫で温かい物語を作ろうなんて言うのが間違い。


        「がらくた効果」☆
        同棲している彼女がある日突然「拾ってきちゃった」なんて言ってホームレスを連れてきたら、私ならその場で別れる。
        「佐々木効果」がどうとかそういう話じゃない。
        愉快だなんて言っていられない。
        価値観がここまでずれていると、共同生活は無理だ。
        居座るホームレスも気持ち悪い。


        どの短編も、物語として客観的に見れば滑稽なのかもしれない。
        しかし、『図書館の神様』に救われた思いがしただけに、瀬尾まい子の作品は自分に重ねて読んでしまう。
        そうやって現実を意識して読むと、どの短編も受け入れがたい。
        奇抜さはいらないから、素直な温かい物語を書いてほしい。

        >> 続きを読む

        2017/06/14 by しでのん

    • 他3人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      孤独のグルメ

      谷口ジロー

      扶桑社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.5
      いいね!
      • 主人公の五郎がひたすら飯を食うだけの漫画です。
        料理のうんちくが出るわけでもなく、
        思ったことをぽつりと言うだけ。
        なのに謎の面白さがあります。
        見事な食いっぷりと哀愁を漂わせる五郎さん、
        見てるだけでおなかがすいてきます。
        >> 続きを読む

        2015/05/19 by つむじかぜ

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      傷物語

      西尾維新

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 誰も幸せにならないことでしか解決しないこともある

        2014/12/30 by book-nic

    • 他2人がレビュー登録、 23人が本棚登録しています
      悩む力

      姜尚中

      集英社
      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.5
      いいね! 1212ryoko
      • 悩むという行為を、ネガティブにとらえず、肯定してくれる本です。

        夏目漱石の引用がとても多くて、
        ほとんど、夏目漱石の本の紹介というか、
        解説本に近いような気がしました。

        何冊か読んでいるのですが、こういう風に読み解けばいいのかと、
        思い当るところは多数ありました。


        夏目漱石の小説をこの考え方のもとに、読み返してみるのもいいかもしれません。

        結構、悩む性分なので、肯定していただける本は、
        ちょっとありがたいという気もします。

        >> 続きを読む

        2016/05/19 by きりちょん

    • 他2人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      さよならバースディ

      荻原浩

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 霊長類研究センターにて、ボノボという種に分類される、猿"バースディ"に言語を取得させるという実験が行われていた。
        実験は順調であり、バースディが挙げる成果には、外部から来た者たちも手放しで賞賛した。

        研究が順調な中、この研究の主任ともいえる田中真は、同じく研究の助手を務める藤本由紀にプロポーズをする。
        そのプロポーズが認められたかと思いきや、その後、由紀は研究所から飛び降り自殺してしまう。

        いったい何が原因で? 一年前にこのプロジェクトの創始者である助教授が自殺した件と何か関係があるのだろうか? -------。

        動物実験をしているということを聞いただけで、物語全体に悲劇的なものを感じてしまうのは何故だろうか。
        やはり、このような作品の場合、悲劇的な内容に終始するものが多いということなのだろうか?

        荻原浩の「さよならバースディ」では、ボノボという種類の猿を用いての言語実験が行われていく様子が描かれている。

        この実験をどのように世間に表していくのかという、研究者達の葛藤を描く作品なのかと最初は思ったのだが、途中で物語の主要人物が自殺を遂げることから話は一変し、ミステリ色の強い内容へと展開していく。

        ミステリ風に言えば、"猿は見ていた"といったところ。
        その自殺の現場に居合わせた猿から、その時の状況を言語実験の成果を利用して、猿から聞き出そうと主人公が鬼気迫る努力を行っていく。

        そして、やがては、このプロジェクトの裏に隠された真相へと辿り着くことになる。

        最初はミステリ調にしてしまったがゆえに、せっかくの動物実験が描かれた内容が薄くなってしまうのではと思われたのだが、真相に辿り着いてみると、この作品はどちらかといえば、ミステリが先にありきの作品であったということに気付かされる。

        ただ、ミステリといっても、あくまでもサスペンスタッチのものであり、喪失という悲劇的なテーマが、色濃く出ている内容の作品と言えるだろう。

        >> 続きを読む

        2021/12/21 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      アンの娘リラ

      L・M・モンゴメリ , 村岡花子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • いよいよアンシリーズの最後。アンを取り巻く人たちのお話でまだ読んでいないものはあるようだけれど、私の中ではいったん、最後と位置付けたので、ついに、という感じで読み進めた。

        アンとギルバートの末っ子、リラの視点で物語は進む。アンシリーズではこれまでになかった戦争(第一次世界大戦)が物語に大きく影を落とす。
        アンの息子も3人とも戦地に赴くことになり、辛く苦しい時期が続く。そんな中でも、戦場と化していない場所では生活は続くのだと改めて認識した。女性は女性なりにできることをし、戦況に一喜一憂しながら、日々は続いていく。本作の一番の見どころは、リラの成長だと思う。本来なら若く楽しく美しいばかりのはずの10代を、こんなはずではなかったと思いながらも戦争という時代とともに生き、素晴らしいひとりの女性へと成長していく。特に戦争孤児のジムスの存在は大きかったのだろうと思う。

        物語の序盤では、さらっと、すでにマリラが亡くなっていることが描かれていて、当然だけど、もうアンもいい歳なんだなーと感慨深かった。

        リラのお相手、ケンが帰還し、「リラ・マイ・リラ」と呼びかけるエンディングは、アンの想像力に負けず劣らずロマンチックだったような気がする。
        >> 続きを読む

        2021/12/13 by URIKO

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      銀河英雄伝説 - 8 乱離篇

      田中芳樹

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
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      • 「常勝」と「不敗」の最後の戦いが始まる8巻。
        ヤンの不正規隊はまさに総力戦と言うべき凄まじい戦いを繰り広げる。ラインハルトもヤンの戦術を読み一進一退の攻防は今まで以上の激しい戦いとなり、双方の中核を担うようなキャラクターも消えてゆく。
        その中でも特に驚いたのはヤンの最期だった。激しい戦いの中まったく予想もしていなかった状況で亡くなってしまう。
        ヤンが居なくなってしまっても戦いは続く。ヤン無き不正規隊は帝国相手にどう対抗するのか。ユリアンたちの立場はますます厳しいものになっていく。同盟の魂は消えてしまうのだろうか。
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        2015/04/30 by 冷しカレー

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      愛しの座敷わらし

      荻原浩

      朝日新聞出版
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • なるほどねえ。なんとなく題名から座敷童萌えを想像していましたが、まさにそれでした

        うだつの上がらない父が東北の地方都市に転勤になりました。
        家族皆で引っ越す事になりましたが、父が僻地の古い一軒家にすっかり入れ込んでしまい、家族の了承もそこそこに移り住むこととなりました。

        お調子者で会社でもいやと言えず、家庭を犠牲にしがちの父

        父の身勝手に振り回されながらも、家庭を切り盛りする母

        内弁慶で友達との関係が上手く作れず人知れず悩む姉

        ぜんそくで今まで好きな事が出来なかった弟

        老人性うつという診断で家に籠りがちの祖母

        お互いの距離感が上手くつかめずにどこかバラバラな家族。新しい環境にとまどいつつも、田舎の独特リズムに併せているうちに次第に溶け込んでいく家族たち。

        そんな中時々家に響く「と と と と」という小さな足音。鏡にうつる小さな顔。仏壇から出てくる手。
        この家には何かがいる!

        さて、この座敷童ですがおかっぱで頭のてっぺんにはちょんちょりん結わき。色が真っ白で顔が真ん丸。大きな目を見開いて、鼻水を垂らしている。
        縁側でタンポポの綿毛を吹いて飛ばして、耳に種が入らないように「きゃ!」という感じで耳をふさぐ。一人ぼっちで歌らしきものを歌って口をぱくぱくしている。けん玉をやってみせると目を真ん丸にして喜ぶ。お母さんの背中にしがみつく。買い物の籠に乗って一緒に出掛ける。弟の服の裾を一生懸命つかんでついてくる。

        こんな座敷童がいたらかわいくて仕方が無いでしょう。はっきり言って座敷童にきゅんとする為の本であってそれ以上でもそれ以下でもないでしょう。諸々いいエピソードはありますが、繰り返し言おう。これは座敷童に萌え萌えになるための本なのであります。
        あー、ほっぺたぷにぷにして、一緒におにぎり食べたりもふもふしたりしたい。
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        2015/05/28 by ありんこ

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      霧笛荘夜話

      浅田次郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 初読みの作家の方。読んだきっかけは勤務先の大学生にこの作家の作品が良いと勧められて。霧笛荘にかつて住んでいた住人のエピソードを管理人の老婆が語っていくという話のあらすじ。3話目の任侠に成り損なった男の話と、4話目のスターになった男の話、5話目のオナベになった女性の話がそれぞれ印象に残った。ただ、反面イマイチ作品の良さが解らないまま淡々と読んでしまったのも事実。もう少し有名な作品を探して読んで良さを確認をしたいと思う。 >> 続きを読む

        2016/09/06 by おにけん

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      ゆめつげ

      畠中恵

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • しゃばけシリーズでお馴染みの畠中恵さんの時代ミステリー。

        時はペリーが浦賀に来航してから10年ほどの江戸末期。時代が大きく動いている時。上野の小さな神社の神官である弓月は「夢告」ができるため、財ある札差の一人息子の行方を「夢告」で見てほしいと頼まれるところから物語が始まる。

        しゃばけのようなほんわかした事件解決を想像していたら、けっこう生臭く、死人は出るは、岡っ引きは斬られてケガ負うは、弓月自身、吐血しながら「夢告」を行うは・・・。

        札差の息子探しがどうしてこんなことになったのか、そこに至るまでの話の流れは先が気になって面白かったけれど、真実に行き着いてみると、少し首を傾げてしまった。ん?それが、こんなに大袈裟なことに・・・?と。

        ただ、一方で、時代が大きく変わるとは、こういうことなのか、とも思った。世の中が激しく揺れ動く中で、何がどうなるのかそもそもわからない、一部の人だけが握っている情報も信じられるものなのか・・・そんな中では己の信じる道を突き進むしかなく、神官の立場を守ろうとした彰彦の自分の作戦への一途な思い込みも、一蹴できるものでもないのだろう。

        神道と仏教の微妙な距離感とか、江戸時代における両者の関係とか、もっと背景知識を知っていたら、と思った。
        >> 続きを読む

        2021/09/27 by URIKO

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出版年月 - 2008年4月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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