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2008年8月発行の書籍

人気の作品

      わたしを離さないで

      土屋政雄 , カズオ・イシグロ

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • 予備知識を全く持たずに読んでよかった。いつか再読すると思うが、同じような気持ちでは絶対に読めない。まだ読んでいない人はぜひとも何も知らないところから読んで欲しい。
        ずっとベールがかかっているような感じだった。わりと早い段階で、「これは、もしや、そういうこと・・・?」と思いつくのだけれど、やはりベールはかかったままで終盤まで引き込まれる。構成がすごい。この構成と、静かな語り口と、物語の設定・・・物語の好き嫌いは別にして、読者を引き込む力がすごい。さすがの一言。
        物語の設定自体も、「こんなことあるわけない」と一蹴できないところが、また多くの読者の心を揺さぶる一因なのかも。もしかしたら現実に起きることかも、いや、もしかしたらすでに・・・、なんて思うと虚無感に襲われる。なんで、こんなにも過酷な運命を、静かに受け入れているのか。なぜもっともっと抗わないのか・・・。実はそれこそがヘールシャムの真の目的だったり・・・いや、真の「効果」だったり・・・
        読了後、しばらく、心から離れない。

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        2020/02/12 by URIKO

    • 他21人がレビュー登録、 62人が本棚登録しています
      かもめ食堂

      群ようこ

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! momomeiai
      • 今でいうアラフォー世代が読むと心休まるストーリー。
        アラフォーに近づきつつある私もかなり癒された。

        38歳のサチエは、自然で素朴で心のこもった食堂を開くのが目標だった。
        オシャレなだけ、高いだけ…という日本のレストランに嫌気がさし、
        彼女が目指したのは北欧フィンランド。

        『かもめ食堂』と名付けたお店の一番の看板メニューは『おにぎり』だ。

        『おにぎり』は握る人の真心でいくらでも美味しくなる…という
        サチエの思いに心打たれた。私も祖母と母の『おにぎり』が大好きだったからだ。

        明確なビジョンがある訳でもない、
        30代後半から50代前半の3人の日本人女性が醸し出す
        温かな雰囲気の『かもめ食堂』はクチコミだけで繁盛していく。

        普通で真面目、それだけで十分なのだと、教えられた。
        向上心のために自分の本来の姿を変えなくてもいい、
        そんな肩の力が抜けた生き方ができればいいな…と思えた。

        忙しくて苦しかったり、自分が見えなくて焦り出した時には
        ほど良い精神安定剤になる作品である。
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        2019/01/28 by NOSE

    • 他9人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      魔王

      伊坂幸太郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 再読。
        個人的に伊坂幸太郎作品の中で上位にランクインする好きな物語。

        この『魔王』からこれまでの『ミステリー&エンタメフルスロットル』なものとは雰囲気が少し異なる作品が生まれはじめるんですよね、伊坂作品の歴史でいうと。
        魔王、モダンタイムス、ゴールデンスランバー、あるキング、SOSの猿、PK。
        この辺りが同じグループになるような気がする。

        超能力的な力を持つようになる兄弟が対決する。誰と?何と?
        相手は国でもあり、政治家でもあり、国民ともいえるかも。
        憲法改正とかファシズムとか国民投票とか、政治的な要素がかなり前面に押し出されてるから苦手な人がいるのもまぁ頷ける。得てしてこういう時は作者の政治観、国家観と物語が同等に捉えられるからかな。
        現代の日本を彷彿とさせる時代設定に現実を強く意識させられるけれど、反面、エスパー的な要素(自分が念じたことを他人の口から発することができる兄、ある程度の確率を自在に操れる弟)が非現実だから、ストーリーとしてはちょうどいい塩梅になってると思う。

        『重力ピエロ』もそうだったけど、伊坂幸太郎が描く兄弟にすごく憧れる……
        真面目な兄に、自由な弟。何が事を成すのは往々にして弟だったりする。

        初読の時と今回の再読後。一番強く思った事は相も変わらず同じでした。
        クラレッタのスカートを直せる人間になりたい。
        そう思った事を忘れずに生きていきたいなぁ。
        >> 続きを読む

        2018/07/16 by ねごと

      • コメント 3件
    • 他8人がレビュー登録、 100人が本棚登録しています
      天使のナイフ

      薬丸岳

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 難しい言葉や漢字がなく、とても読みやすい本でした。
        少年法やメディア、現実の世界でもニュースで見ることのある現実的な問題に、非常に心を打たれました。
        最後に段階方式で黒幕が現れてくる所は、最後の最後まで目が離せない内容だったと思います。
        >> 続きを読む

        2018/08/30 by chiiiisim

    • 他7人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      ストロベリーナイト

      誉田哲也

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! rock-man
      • 只今放送している、連続ドラマ「ストロベリーナイト・サーガ」で、すっかり姫川玲子シリーズにハマり、原作を読み始めました。

        「姫川玲子シリーズ」の第一巻からして、なかなかのハードボイルドな小説でした。

        ドラマで先にこの「ストロベリーナイト」の話を見たので、内容も十分分かっていたのですが、痛々しい残虐描写などがあり、そういうのが苦手な人には、苦しい小説だなぁとも思いました。

        しかし事件の捜査が進むにつれ、どんどん事件が大きくなっていくにつれ、面白さが増してきて、あっという間に読み終えてしまいました。
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        2019/05/04 by ゆずの

      • コメント 2件
    • 他6人がレビュー登録、 46人が本棚登録しています
      Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOKでワンランク上のWebディレクションを目指す

      林千晶 , 高橋宏祐

      技術評論社
      カテゴリー:通信工学、電気通信
      4.5
      いいね!
      • Web製作の小さな仕事から当てはめられるマネジメント手法が
        分かりやすくまとめられています。
        マネジメント手段の方法の本は多々ありますが、それらとは異なり、どのタイミングで、どのようなマネジメントが必要かが分かり、マネジメントそのものに焦点が当てられています。

        私自身が開発者からマネジメントに関わるようになったときに、
        「マネジメント」として何をするのか見えておらず、手探り感がありました。
        体系化された本書はマネジメントに関わるようになったばかりの人に、理想通り完璧とはならずも、非常に助けになると思います。


        スコープについては「発注側は作業範囲を最大に、制作側は最小に考え、仲のいい関係だと明確化しようという意識が緩み、『こんなはずではなかった』になりやすい」とありました。自分の思い込みをよく洗い出すこと、細かくて明確化が大変な個所でも、先手を打って行動することが大切だとわかります。

        また、リーダーシップについても触れられており、「意識したうえで、(部下に)前向きなコメントを常に返せるように」とあり、自分自身に一貫性を持たせつつ、自分の意識が積極的であることで、チーム全体が前向きに進んでいけると感じました。
        >> 続きを読む

        2016/02/18 by mattya

      • コメント 1件
    • 他5人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      チャイルド44

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • スターリン統治下のソ連の話であり、その当時は犯罪などどこ吹く風の風潮。
        そのため連続で起こる子供たちの殺人は見て見ぬものとして処理
        される日々。

        部下の計略に嵌った捜査官のレオ・デミドフは妻と共々田舎の警察へと飛ばされる始末。
        そこで発見される死体が子供のものとなる。

        スターリンの恐怖政治が当時のソ連ではいかに民衆が無力なのか。
        また警察の力の強大さは甚大であり、デミドフの家族まですべてが報復の対象に。

        上巻は死んだ子供たちにある特徴が残ることが分かるが、いかにして事件は解決するのだろうか。
        >> 続きを読む

        2020/04/03 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      その日のまえに

      重松清

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • その日というのはこの世からサヨナラする日のことを自分や奥さんやクラスメートに対して思った気持ちを丁寧に綴ってた。
        死は必ず誰の身にも起きるが私にとって母の死は自分自身を切られたようなすごい喪失感があった。
        今まで生きてきてこんな感覚を味わったことがないから自分の子供を失った人の心痛はどれほど過酷だろう。
        お葬式とか49日とか初盆とか亡くなった人より残された人のためにある行事なんじゃないかな。


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        2019/01/28 by miko

    • 他4人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      シャイニング

      深町真理子 , スティーヴン・キング

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 【秀逸なホラーだと思います】
         私の好きな映画の一つに、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』があります。
         どうも主演のジャック・ニコルソンの『うひひ振り』ばかりがクローズ・アップされがちですが、映像がとてもすごいと思いますし、幻想シーンは圧巻で良質のホラーだと思っています。

         さて、本作は、その原作となった作品です。
         未読でしたので映画との比較も念頭に置いて読んでみました。

         物語は、主人公のジャックが、生活費を稼ぎ出すために冬季閉鎖されるホテルの管理人の職を得てきたところから始まります。
         ジャックは、アル中で癇癖持ちの中年男です。
         高校教師だったのですが、生徒とトラブルを起こし、それが原因でクビになってしまいます。
         小説なども書いており、リーダース・ダイジェストに作品が掲載されたこともあるのですが、すっかりスランプで、新しい作品が書けません。

         すさんだ生活の中、執筆途中の原稿をまだ幼い長男のダニーが汚してしまったことに激怒し、ダニーの腕を折るなどということもしでかした事がある男でした。
         妻のウィンディは離婚も考えたのですが、ジャックが酒を断ったこともあり、かろうじて踏みとどまっているという状況です。
         ジャックは、生活のため何とか収入を得なければならず、かつての飲み仲間で裕福な知人の紹介でホテル管理人の職を手に入れたのです。

         ジャックは一家揃ってホテルに移り住み、冬の間、雪のため外部と途絶されるホテルで戯曲を書き上げようと考えていました。
         確かに美しい場所に建つ老舗のホテルであり、食料もふんだんに蓄えられているので良い仕事とも思えたのです。
         確かに良い仕事ですよね~。
         外部との交通が途絶されるとしても、私もこんな仕事ならやってみたいと思います。

         ですが、ジャックの採用面接をした支配人は危惧感を抱いています。
         それは、前任の冬季管理人は、閉鎖的な生活に耐えきれず、冬の間に発狂し、同道していた家族を惨殺して自分も死ぬというとんでもない事件を引き起こしていたからです。
         支配人は、ジャックが以前アル中だったということも知っていましたので、またおかしくなるのではないかと不安で仕方がないのです。
         本当ならジャックなど雇いたくないのですが、ジャックの裕福な知人の口添えもあることからやむなく採用したのでした。

         さて、ジャックの長男のダニーには特殊な能力が備わっていました。
         それは、他人の心が読めたり、過去あったことや未来起こるであろうことが分かったりと、そんな能力です。
         ダニーはまだ5歳なので、それが特殊能力だということを完全に理解できてはいないのですが、『かがやくもの』と、その力のことを認識していました。
         つまり、『シャイニング』ですね。

         ジャックに連れられてこのオーバールックホテルに初めて来た時、紹介された料理人にダニーの力が見抜かれます。
         料理人も同じ力の持ち主だったのです。
         でも、ダニーの方が数倍強い力を持っていたのですが。
         料理人は、ダニーに217号室だけには行ってはいけないと強く忠告します。
         また、ここで恐ろしい物を見るかもしれないが、それは絵本の挿絵のようなものに過ぎず、お前に危害を加えることはない。
         目を閉じれば消えてしまうから大丈夫だとも忠告するのでした。
         そして、もし何かあったらその力で俺を呼べとも。

         ホテルという場所は、沢山の事が起きる場所です。
         特に老舗のホテルともなると、そこで様々な事件が起き、また、人が死ぬことも少なくないのです。
         ここ、オーバールックホテルも例外ではありません。
         そんな死の痕跡が、ダニーのような能力を持つ者には見えてしまうのですね。

         ホテルに移り住んだ一家は、当初は非常に順調でした。
         夫婦仲も円満に推移し、それが分かるダニーもごきげんです。
         でも、このホテルに巣喰う過去の死や様々な出来事の重圧でしょうか。
         徐々にジャックの様子がおかしくなっていきます。
         特に、物置部屋でこのホテルに関する過去の事件のスクラップブックを見つけて以降は。
         オーバールックホテルでは、過去相当ひどい事件が起きていたことが分かってしまったのです。

         断酒しているジャックは、酒を飲みたいという強い欲求にかられ、過去、酒を飲んでいた時に頻出していた、口をぬぐう癖が再発してしまい、また、二日酔いの時に常用していたエキセドリンを、頭痛を理由に噛み砕くようにして飲み始めてしまいます。
         いえ、実際に頭痛がしたのですが。

         というわけで、上巻は、徐々にジャックがおかしくなり始める辺りまでが描かれます。
         これが映画ではどうだったかというと、上巻の最初の方はあっと言う間にすっ飛ばしています。
         第一部なんてほとんど映画では触れていないんじゃないかな?
         また、小説ではここまで描くあいだに様々なエピソードが挿入されていますが、映画ではそれもすべてカットされています。
         時間の関係ももちろんあるのでしょうが、映画では、非常にシャープにジャックの狂気やダニーが見る幻覚に集中して描かれていきます。
        その手法がクリアなんですよね~。

         キングの原作も、じわじわ迫る狂気と恐怖を描いていて秀逸ですが、それをああいう映画にしたキューブリックの手腕のすごさが、原作を読んでより一層際だったように感じました。
         下巻レビューもお楽しみに。
        >> 続きを読む

        2019/07/04 by ef177

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ユージニア

      恩田陸

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      2.6
      いいね! taiji Tukiwami
      • 突如青澤家を襲った帝銀事件にも似た大量毒殺事件。
        合計17名が死亡、
        現場には、ユージニアという言葉が出てくる一通の手紙が残されていた。

        事件は混迷を極め、捜査は遅々として進まなかった。
        しかし突如として一人の男の自殺にて事件は収束する。
        不眠と妄想に苛まれ、精神を病んだ男が自分が犯人だと遺書を残していたのだ。不明な点、不可解な点、納得出来ない点も多々あったものの、事件は一応の決着を見た。

        事件から数十年、見落とされていた事件の真実を小説『忘れられた祝祭』を元に人々が語り出す。

        読んでいて凄く惹きつけられていくのに何故か読書スピードが上がらない、犯人を知りたい、事件の真相を知りたいのに知りたくない。
        そんな感情を湧きあがらせる作品でした。
        しかし実際は本当の意味で犯人も真相も解らなかった・・・
        >> 続きを読む

        2019/05/04 by ヒデト

    • 他3人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      チャイルド44

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 下巻は殺された子供たちの残した跡から、社会的弱者の知的障害者だったり、犯罪を犯した者たちが次々と犯人として捕らえられる。
        だが真犯人は別にいることを嗅ぎつけるデミドフは、独自の捜査で犯人へと迫っていく。

        妻との関係や自身の出生の秘密まで明かされるデミドフ。
        そしてラストあたりに明かされる真実が、そのまま真犯人へと繋がっていく構成が見事。

        ソ連の濃密な空気も緊張感が常に感じられ、最後の決断がまた後に続く続編に関わって来る。
        次作もそのまま楽しみにしたい。
        >> 続きを読む

        2020/04/04 by オーウェン

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      空飛ぶタイヤ

      池井戸潤

      実業之日本社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! emi ybook kurobasu
      • 小さな運送会社のトレーラーから、突然タイヤがはずれ、
        若い主婦の命を奪ってしまう。
        トレーラーは大手自動車会社製。
        原因は整備不良と決めつけられ、窮地に立たされる運送会社社長。
        しかしそこには、見逃せない真実が隠されていた…。

        実際の事件をモチーフにした、巨大企業のリコール隠しと、
        それと戦う中小企業社長を中心としたお話。

        半沢シリーズの池井戸潤さんのお話を読むのは、
        「下町ロケット」以来、2作目。

        序盤は、辛い事件の描写に暗い気持ちになりましたが、
        真実を突き止めるため、毅然と立ち向かう社長・赤松さんの
        心意気が光ります。
        たくさんの人の立場、現実が交錯する姿に、どうなるのか?!とドキドキしながら、あっという間に読みました。

        >> 続きを読む

        2015/03/20 by オリーブ

      • コメント 4件
    • 他3人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      椿姫

      西永良成 , アレクサンドル・デュマ・フィス

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • あなたがじぶんのためではなく、あたしのためにあたしを愛してくれるから


        久々に、時間を忘れて一気読み。
        あとがきまで入れると500頁弱ありましたが、集中すると短時間で読めてしまうのですね。
        合間に自分の感想をメモする余裕もありませんでした。
        それほどおもしろかったです!
        作者はアレクサンドル・デュマの息子(フィス)さんで、自身の経験に基づいた作品。
        「体験の辛さをそのまま語ればいい」と言っていますが、二十四歳で、しかも1ヶ月でこんな素敵な作品を完成させるってすごい。
        やはり才能ですね。

        マルグリット・ゴーティエは、パリの社交界で金持ち貴族を相手にする高級娼婦。
        奔放で、豪遊しながら生きていたのは、病気で自分は長くないことを確信していたから。
        自分は商品であることをわかっていたから。
        人を愛することができなかったマルグリットを、アルマンは娼婦としてではなく、一人の女性として誠実に愛します。

        マルグリットは気高く美しい。
        同性として、彼女は理想の女性像でした。
        愛する人のためにいさぎよく身を引き、病苦の末に亡くなります。
        彼女は日記や手紙をアルマンに残しましたが、私なら真実を胸に秘めたまま、愛情があることを伝えないままひっそり終わらすと思います。
        伝える勇気がない、と言った方が正しいかも。
        そんなところも含めて、彼女に女性としての魅力を感じます。
        アルマンのひどい行動も、マルグリットの美しさをより高めているの私はOKです。
        実際あんなことをされると辛いけれど、何も反応がないより遥かに嬉しいと思う。
        後半は涙ボロボロでした。
        二人の愛に、ではないです。
        マルグリットの誇り高い生き方に感動しました。

        「ムーラン・ルージュ」に似ているなぁと思っていたら、「ムーラン・ルージュ」は「椿姫」と「ラ・ボエーム」を元に創作した、と書かれていました。
        この手のストーリーが好きなのかも。
        私も清らかな誇りを持って、強く生きていきたい。
        >> 続きを読む

        2017/05/07 by あすか

      • コメント 8件
    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      陰日向に咲く

      劇団ひとり

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 「マルチタレント」と呼ぶにふさわしい劇団ひとり氏の小説家デビュー作。40ページほどの短編を5話収める連作短編集だ。

        個々が独立した短編ではなく、それぞれの編が他の編に影響を与える構成は上手い。叙述トリックも使用しているし、且つ読みやすさは抜群だ。

        しかし、私にとっては「上手い」という感想以上のものが出てこなかったのも事実。私自身の問題もあるだろうが、登場人物に今一つ共感できず、どこまでも他人事として読んでしまう。さきに「そのノブは心の扉」を読んでいなければ別の感想も出てきたのかもしれないが・・・。

        2006年刊行当時は、「お笑いタレントが本気で書いた小説」ということで話題を集めたそうだ。10年も経って、本職のお笑い芸人が芥川賞を受賞することになるとは・・・時代の先駆けという点では評価されるべきだろう。でも私はエッセイの方が断然好きだ。
        >> 続きを読む

        2016/08/18 by 飛車香落ち

    • 他2人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      銀河英雄伝説 - 10 落日篇

      田中芳樹

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! hiro_ Tukiwami
      • 銀河英雄伝説 第10/10巻。

        長かった銀河英雄伝説の正伝全10巻を読み終えた。

        架空の戦記ものはグイン・サーガのような中世的な世界観には抵抗が無いものの、宇宙を舞台したような未来設定のものには正直苦手意識が有った。

        銀英伝はまさに宇宙が舞台の作品だが、魅力溢れるキャラクターと、三国志を思わせる壮大な国家間の駆け引きは非常に読み応えが有り、満足度も高い。

        振り返って強く印象に残っているのは視点の有り様。

        個人として、家庭人として、そして組織人として。
        また、戦闘においても、戦略と戦術の違いには大いに考えさせられるものが有る。

        人はプライベートでも組織内でも、様々な立場に置かれ、どの視点で見るかによって、正義の意味合いも変わっていく。

        言葉にすれば「バランス感覚」と言う陳腐なものになってしまうが、必要な局面で、スピードを持って、その後の自分が支持できる判断を下していくためには、やはり常日頃から多くのケースについてシミュレーションしておく必要が有るのではないかと思わされた。

        全体を通じての主役としては、やはりラインハルトとヤンになるのだろうが、感情を揺さぶられたのは、ロイエンタールとメルカッツ。

        それぞれの生き方に美学を見出し、大いにシンパシーを感じた。
        >> 続きを読む

        2015/06/03 by ice

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ナイチンゲールの沈黙

      海堂尊

      宝島社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 化学と非化学のように思われる
        霞のかかった世界
        人間の未知と可能性を含む未来のようだった
        白鳥の出番が少ないことでこのような話になったのではないだろうか
        >> 続きを読む

        2017/11/13 by kotori

    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      街道をゆく

      司馬遼太郎

      朝日新聞出版
      カテゴリー:日記、書簡、紀行
      3.5
      いいね!
      • 7巻まで読んで、改めて自分が関西方面に行った経験が少ないと思った。
        司馬さんは大阪に住んでらっしゃったので、その文章からも近くでよく知っているように感じられる。

        甲賀と伊賀なんて忍者イメージしかないのだが、実際に戦場諜報の技術にたけ、戦国期の諸国の大名や小名に役立っていたらしい。
        山の中歩くのがあんまり好きじゃなくて、行ってみたいとは思わないのだが、話自体は興味深い。


        読書ログって、「街道をゆく」が43巻もあるのに、タイトル表示が常に「街道をゆく」としか出ないから、何本レビュー書いても同じ本を読んだみたいに表示されるのが不満。
        きっといつもレビュー読んでくれている方々も読んですらくれなくなって寂しい。
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        2014/04/12 by freaks004

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      よつばと!

      あずまきよひこ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.5
      いいね!
      • よつばと! を読み進めていくうちに、いつの間にか足にまとわりつくよつばの姿を想像し、いつの間にか親の目線になっている自分に気がつきます。お祭りのシーンは、初めて読むのにまるでよつばの写真アルバムを見ているかのよう。

        初見なのに勝手に当時を思い出して夏本番これからなのに、「終わったなぁ、今年の夏も」みたいな気持ちになっていますw 重傷だww
        >> 続きを読む

        2014/07/05 by ブービン

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      誘拐児

      翔田寛

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 乱歩賞~。

        戦後の混乱時に起きた誘拐事件。
        警察ったら身代金の現場にいながらも失敗。
        そしてその誘拐された5歳の男の子が生死不明。

        そして15年後・・・

        うん。読み応えありました。
        結構好きなパターンのお話でしたが、神崎グループと輪島グループが混乱してしまいまして、一気に読まないと分かりづらい話でもありました。

        なんっていうか・・・暗い(爆)

        『自分は誘拐された子供なんだ』
        『自分を誘拐した母親が自分を育てたんだ』

        という負の無限ループに陥ってしまった良雄。
        違う。そうじゃない。実の親子だ。
        勘違いしているに違いないと、恋人の幸子は本当の親子であろうとする証拠を集めるために奮闘するんだけど、浮き上がってくる物証は良雄が誘拐されたというものばかり。

        幸子の頑張りに心打たれました。
        全体的に暗い中、ラストはそれなりに明るい終わり方でした。
        >> 続きを読む

        2013/09/24 by igaiga

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      五月女ケイ子のレッツ!!古事記

      五月女ケイ子

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • ゆるい(´Д`;)

        こうしてみると内容も内容ですね。


        (amazon)
        ケイ子が古事記を描きました!

        古典なんてお堅くて……なんて思っているそこのあなた!
        あの、大人気イラストレーターが、他の本とはひと味もふた味も違う神々を描きました。五月女ワールド全開の「古事記」をご堪能あれ!!
        >> 続きを読む

        2018/10/26 by motti

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