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2008年8月発行の書籍

人気の作品

      わたしを離さないで

      土屋政雄 , カズオ・イシグロ

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • こんなにも感情を抑えて物語が書けるのか。
        些細な事をものすごく細かく書いているのに、登場人物たちの内面にはあまり踏みこんで描かれていない。誰にも感情移入できず、なんだか突き放されたような、不安な気持ちにさせられる。

        あまりにも過酷な運命なのに、登場人物たちはそれを疑うこともなく、当たり前のこととして受け入れているように見える。どうして異を唱えないのか、あらがおうとしないのか。終盤で主人公が行動を起こす場面もあるが、それだってあまりにもささやかだ。こんなことが許されていいはずがないと思いつつ、いつか現実のものとなる日が来るのではないかと、空恐ろしい気持ちになった。

        最後の場面があまりにも悲しい。

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        2019/05/19 by asaki

    • 他20人がレビュー登録、 59人が本棚登録しています
      かもめ食堂

      群ようこ

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! momomeiai
      • 今でいうアラフォー世代が読むと心休まるストーリー。
        アラフォーに近づきつつある私もかなり癒された。

        38歳のサチエは、自然で素朴で心のこもった食堂を開くのが目標だった。
        オシャレなだけ、高いだけ…という日本のレストランに嫌気がさし、
        彼女が目指したのは北欧フィンランド。

        『かもめ食堂』と名付けたお店の一番の看板メニューは『おにぎり』だ。

        『おにぎり』は握る人の真心でいくらでも美味しくなる…という
        サチエの思いに心打たれた。私も祖母と母の『おにぎり』が大好きだったからだ。

        明確なビジョンがある訳でもない、
        30代後半から50代前半の3人の日本人女性が醸し出す
        温かな雰囲気の『かもめ食堂』はクチコミだけで繁盛していく。

        普通で真面目、それだけで十分なのだと、教えられた。
        向上心のために自分の本来の姿を変えなくてもいい、
        そんな肩の力が抜けた生き方ができればいいな…と思えた。

        忙しくて苦しかったり、自分が見えなくて焦り出した時には
        ほど良い精神安定剤になる作品である。
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        2019/01/28 by NOSE

    • 他9人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      魔王

      伊坂幸太郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 再読。
        個人的に伊坂幸太郎作品の中で上位にランクインする好きな物語。

        この『魔王』からこれまでの『ミステリー&エンタメフルスロットル』なものとは雰囲気が少し異なる作品が生まれはじめるんですよね、伊坂作品の歴史でいうと。
        魔王、モダンタイムス、ゴールデンスランバー、あるキング、SOSの猿、PK。
        この辺りが同じグループになるような気がする。

        超能力的な力を持つようになる兄弟が対決する。誰と?何と?
        相手は国でもあり、政治家でもあり、国民ともいえるかも。
        憲法改正とかファシズムとか国民投票とか、政治的な要素がかなり前面に押し出されてるから苦手な人がいるのもまぁ頷ける。得てしてこういう時は作者の政治観、国家観と物語が同等に捉えられるからかな。
        現代の日本を彷彿とさせる時代設定に現実を強く意識させられるけれど、反面、エスパー的な要素(自分が念じたことを他人の口から発することができる兄、ある程度の確率を自在に操れる弟)が非現実だから、ストーリーとしてはちょうどいい塩梅になってると思う。

        『重力ピエロ』もそうだったけど、伊坂幸太郎が描く兄弟にすごく憧れる……
        真面目な兄に、自由な弟。何が事を成すのは往々にして弟だったりする。

        初読の時と今回の再読後。一番強く思った事は相も変わらず同じでした。
        クラレッタのスカートを直せる人間になりたい。
        そう思った事を忘れずに生きていきたいなぁ。
        >> 続きを読む

        2018/07/16 by ねごと

      • コメント 3件
    • 他8人がレビュー登録、 100人が本棚登録しています
      天使のナイフ

      薬丸岳

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 難しい言葉や漢字がなく、とても読みやすい本でした。
        少年法やメディア、現実の世界でもニュースで見ることのある現実的な問題に、非常に心を打たれました。
        最後に段階方式で黒幕が現れてくる所は、最後の最後まで目が離せない内容だったと思います。
        >> 続きを読む

        2018/08/30 by chiiiisim

    • 他7人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      ストロベリーナイト

      誉田哲也

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! rock-man
      • 只今放送している、連続ドラマ「ストロベリーナイト・サーガ」で、すっかり姫川玲子シリーズにハマり、原作を読み始めました。

        「姫川玲子シリーズ」の第一巻からして、なかなかのハードボイルドな小説でした。

        ドラマで先にこの「ストロベリーナイト」の話を見たので、内容も十分分かっていたのですが、痛々しい残虐描写などがあり、そういうのが苦手な人には、苦しい小説だなぁとも思いました。

        しかし事件の捜査が進むにつれ、どんどん事件が大きくなっていくにつれ、面白さが増してきて、あっという間に読み終えてしまいました。
        >> 続きを読む

        2019/05/04 by ゆずの

      • コメント 2件
    • 他6人がレビュー登録、 46人が本棚登録しています
      Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOKでワンランク上のWebディレクションを目指す

      林千晶 , 高橋宏祐

      技術評論社
      カテゴリー:通信工学、電気通信
      4.5
      いいね!
      • Web製作の小さな仕事から当てはめられるマネジメント手法が
        分かりやすくまとめられています。
        マネジメント手段の方法の本は多々ありますが、それらとは異なり、どのタイミングで、どのようなマネジメントが必要かが分かり、マネジメントそのものに焦点が当てられています。

        私自身が開発者からマネジメントに関わるようになったときに、
        「マネジメント」として何をするのか見えておらず、手探り感がありました。
        体系化された本書はマネジメントに関わるようになったばかりの人に、理想通り完璧とはならずも、非常に助けになると思います。


        スコープについては「発注側は作業範囲を最大に、制作側は最小に考え、仲のいい関係だと明確化しようという意識が緩み、『こんなはずではなかった』になりやすい」とありました。自分の思い込みをよく洗い出すこと、細かくて明確化が大変な個所でも、先手を打って行動することが大切だとわかります。

        また、リーダーシップについても触れられており、「意識したうえで、(部下に)前向きなコメントを常に返せるように」とあり、自分自身に一貫性を持たせつつ、自分の意識が積極的であることで、チーム全体が前向きに進んでいけると感じました。
        >> 続きを読む

        2016/02/18 by mattya

      • コメント 1件
    • 他5人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      その日のまえに

      重松清

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • その日というのはこの世からサヨナラする日のことを自分や奥さんやクラスメートに対して思った気持ちを丁寧に綴ってた。
        死は必ず誰の身にも起きるが私にとって母の死は自分自身を切られたようなすごい喪失感があった。
        今まで生きてきてこんな感覚を味わったことがないから自分の子供を失った人の心痛はどれほど過酷だろう。
        お葬式とか49日とか初盆とか亡くなった人より残された人のためにある行事なんじゃないかな。


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        2019/01/28 by miko

    • 他4人がレビュー登録、 29人が本棚登録しています
      ユージニア

      恩田陸

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      2.6
      いいね! taiji Tukiwami
      • 突如青澤家を襲った帝銀事件にも似た大量毒殺事件。
        合計17名が死亡、
        現場には、ユージニアという言葉が出てくる一通の手紙が残されていた。

        事件は混迷を極め、捜査は遅々として進まなかった。
        しかし突如として一人の男の自殺にて事件は収束する。
        不眠と妄想に苛まれ、精神を病んだ男が自分が犯人だと遺書を残していたのだ。不明な点、不可解な点、納得出来ない点も多々あったものの、事件は一応の決着を見た。

        事件から数十年、見落とされていた事件の真実を小説『忘れられた祝祭』を元に人々が語り出す。

        読んでいて凄く惹きつけられていくのに何故か読書スピードが上がらない、犯人を知りたい、事件の真相を知りたいのに知りたくない。
        そんな感情を湧きあがらせる作品でした。
        しかし実際は本当の意味で犯人も真相も解らなかった・・・
        >> 続きを読む

        2019/05/04 by ヒデト

    • 他3人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      シャイニング

      深町真理子 , スティーヴン・キング

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!

      • 20世紀前半の恐怖小説をハワード・フィリップ・ラヴクラフトが代表したとすれば、後半の恐怖小説を体現したのが、今回再読した「シャイニング」(上・下巻)のスティーヴン・キングだと思います。

        「ローズマリーの赤ちゃん」に始まり、「エクソシスト」などのオカルト映画が続々と製作されていた真っ只中の1974年に「キャリー」でデビューした、スティーヴン・キング。

        ブライアン・デ・パルマ監督による映画化も大ヒットし、その後もミリオンセラーを連発して、ほとんどの作品が映画化されるなど、それまではマイナーのジャンルだったホラー小説に市民権を与えたのは、紛れもなく彼だと思いますね。

        まさに、"モダン・ホラーの帝王"、スティーヴン・キング。

        ラヴクラフトの書く恐怖小説は、怪談だと思う。つまり、夜一人でトイレに行けなくなるスタイルの読み物。
        でも、キングの書くホラー小説は、全然、別物だと思うんですね。

        怖さも凄いけど、その後にある種のカタルシス、浄化や解放感があるんですね。
        また、そのカタルシスがいつも半端じゃないから、快感に中毒したみたいに、貪るように次々と作品を読みたくなってしまう。

        恐怖と快楽の落差が、麻薬的ですらあるんですね。
        キングの出現によって、恐怖小説の幅が、とてつもなく広がったと思う。

        キングの書くホラー小説は、言ってみれば"ワンアイディア"なんですね。
        車の中の母子が狂犬病の犬に襲われますという「クージョ」とか、意志を持った車の話の「クリスティーン」とか。
        それを、あれだけの分量に膨らませて、かつ、どこにも隙がないんですね。

        徹底した描写力とキャラクターの造型の妙。
        それから、お決まりを少しずつ、ずらしていくプロットの巧さ。
        それほど突飛なことが起きなくても、小さなことの繰り返しで、どんどん思いがけない方向に、物語が導かれていく。

        それと、キングの新しさはもうひとつあって、恐怖の温床を家庭に置いている点だと思うんですね。
        メディアによって喧伝された、明るく健全なアメリカの内実は、実はドラッグや暴力によって、すでに瓦解し始めていたわけで、家庭に内在するそうした歪みを、キングは"恐怖"という形で暴いてみせたとも読めるのではないかと思う。

        それは、絵空事ではない深層心理に訴えるリアルな恐怖。
        我々読み手は、心のどこかで「これは本当だ」とわかっているから、ますます怖い。
        だけど、まがいものではない真実が見たいという気持ちもあるから-------。

        その意味でも「シャイニング」は、傑作中の傑作だと思う。読まずにはいられない。
        消費社会を象徴するリゾートホテルを舞台に、父・母・子の三位一体とも言うべき関係で成立していた家庭が、父の狂気と暴力によって悪夢に飲み込まれる。

        いわば、「強い父=強いアメリカ」幻想のアンチテーゼなんですね。
        一番頼りになると思っていた父が、実は一番狂っていた-------。

        この小説は、雪に閉ざされたホテルという一種の密室ものなんですが、ホテルがとてつもなく広いんですね。
        その広い中に、三人しかいないという、空間恐怖症的な手触りがある。

        もちろん、色々なものが潜んではいるし、逃げ場のあること自体が恐怖という発想も新しかったと思う。
        それに、「シャイニング」を持っている者、すなわち予知能力を持っている救世主が、子供と黒人というのも凄いと思う。

        この黒人ハローランを考えついた時点で、キングは並みの小説家ではないなと思いましたね。

        もともと、スティーヴン・キングという作家は、少年をよく書くんですが、父とか社会、イデオロギーに汚染される前の、母なる自然とのつながりを残した、聖なる存在なんですね。

        黒人も、「グリーンマイル」でもそうですが、虐げられたが故に歪で、しかし、無垢で崇高。
        ただ、どちらにも社会的な力はないんですね。

        とにかく、この「シャイニング」を読んだのは、四回目なんですが、「シャイニング」に限らず、キングの小説は全部面白い。
        それこそ、何十年に一人の天才だと思いますね。
        筆力、描写力、アイディアのすべてにおいて、否定のしようがないんですね。

        >> 続きを読む

        2018/07/22 by dreamer

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      空飛ぶタイヤ

      池井戸潤

      実業之日本社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! emi ybook kurobasu
      • 小さな運送会社のトレーラーから、突然タイヤがはずれ、
        若い主婦の命を奪ってしまう。
        トレーラーは大手自動車会社製。
        原因は整備不良と決めつけられ、窮地に立たされる運送会社社長。
        しかしそこには、見逃せない真実が隠されていた…。

        実際の事件をモチーフにした、巨大企業のリコール隠しと、
        それと戦う中小企業社長を中心としたお話。

        半沢シリーズの池井戸潤さんのお話を読むのは、
        「下町ロケット」以来、2作目。

        序盤は、辛い事件の描写に暗い気持ちになりましたが、
        真実を突き止めるため、毅然と立ち向かう社長・赤松さんの
        心意気が光ります。
        たくさんの人の立場、現実が交錯する姿に、どうなるのか?!とドキドキしながら、あっという間に読みました。

        >> 続きを読む

        2015/03/20 by オリーブ

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      チャイルド44

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!

      • トム・ロブ・スミスの衝撃のデビュー作「チャイルド44」を、あまりの面白さに一気に読了しました。

        この作品の舞台は、スターリン時代のモスクワ。捜査官のレオは、我が子の変死が殺人だという訴えを却下した。
        正しい社会であるソ連に、殺人犯など存在しないからだ。

        だが、そんな理想社会でレオは罠に陥れられた。
        左遷され、妻とともに田舎町に移った彼が遭遇したのは、幼い子供の変死体だった。

        その状況は、かつて彼が捜査を拒んだ子供の死にそっくりだった。
        これは同一犯の仕業なのだろうか?
        だが、レオには公然と捜査することができないのだ。

        なぜなら、連続殺人などという異常な犯罪は、資本主義社会のもので、ソ連には存在しないことになっているからなのだ。
        それでも、密かに捜査を進めるレオの身に、危険が迫る-------。

        この作品は、旧ソビエト連邦での実話をヒントに、連続殺人犯の追跡を描いた物語になっていて、不条理な官僚社会が強烈な印象を残している。

        このレオの捜査は、ソ連社会ゆえの障壁に阻まれるんですね。
        捜査の過程だけでなく、堅物のエリート捜査官だったレオが、転落を経て、生まれ変わる姿も忘れ難い。

        手も足も出ない、出さないほうがいいかもしれない状況で、人は何をなし得るのか、旧ソ連の政治体制をストーリーの中で巧みに活かし、サスペンスを盛り上げていて、実にうまい。

        心身ともに凍り付かせる長大骨太のミステリになっていて、かつて読んだマーティン・クルーズ・スミスの「ゴーリキー・パーク」に匹敵するほどの、ロシア警察物の秀作だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/12/03 by dreamer

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      椿姫

      西永良成 , アレクサンドル・デュマ・フィス

      光文社
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • あなたがじぶんのためではなく、あたしのためにあたしを愛してくれるから


        久々に、時間を忘れて一気読み。
        あとがきまで入れると500頁弱ありましたが、集中すると短時間で読めてしまうのですね。
        合間に自分の感想をメモする余裕もありませんでした。
        それほどおもしろかったです!
        作者はアレクサンドル・デュマの息子(フィス)さんで、自身の経験に基づいた作品。
        「体験の辛さをそのまま語ればいい」と言っていますが、二十四歳で、しかも1ヶ月でこんな素敵な作品を完成させるってすごい。
        やはり才能ですね。

        マルグリット・ゴーティエは、パリの社交界で金持ち貴族を相手にする高級娼婦。
        奔放で、豪遊しながら生きていたのは、病気で自分は長くないことを確信していたから。
        自分は商品であることをわかっていたから。
        人を愛することができなかったマルグリットを、アルマンは娼婦としてではなく、一人の女性として誠実に愛します。

        マルグリットは気高く美しい。
        同性として、彼女は理想の女性像でした。
        愛する人のためにいさぎよく身を引き、病苦の末に亡くなります。
        彼女は日記や手紙をアルマンに残しましたが、私なら真実を胸に秘めたまま、愛情があることを伝えないままひっそり終わらすと思います。
        伝える勇気がない、と言った方が正しいかも。
        そんなところも含めて、彼女に女性としての魅力を感じます。
        アルマンのひどい行動も、マルグリットの美しさをより高めているの私はOKです。
        実際あんなことをされると辛いけれど、何も反応がないより遥かに嬉しいと思う。
        後半は涙ボロボロでした。
        二人の愛に、ではないです。
        マルグリットの誇り高い生き方に感動しました。

        「ムーラン・ルージュ」に似ているなぁと思っていたら、「ムーラン・ルージュ」は「椿姫」と「ラ・ボエーム」を元に創作した、と書かれていました。
        この手のストーリーが好きなのかも。
        私も清らかな誇りを持って、強く生きていきたい。
        >> 続きを読む

        2017/05/07 by あすか

      • コメント 8件
    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      陰日向に咲く

      劇団ひとり

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      2.9
      いいね!
      • 「マルチタレント」と呼ぶにふさわしい劇団ひとり氏の小説家デビュー作。40ページほどの短編を5話収める連作短編集だ。

        個々が独立した短編ではなく、それぞれの編が他の編に影響を与える構成は上手い。叙述トリックも使用しているし、且つ読みやすさは抜群だ。

        しかし、私にとっては「上手い」という感想以上のものが出てこなかったのも事実。私自身の問題もあるだろうが、登場人物に今一つ共感できず、どこまでも他人事として読んでしまう。さきに「そのノブは心の扉」を読んでいなければ別の感想も出てきたのかもしれないが・・・。

        2006年刊行当時は、「お笑いタレントが本気で書いた小説」ということで話題を集めたそうだ。10年も経って、本職のお笑い芸人が芥川賞を受賞することになるとは・・・時代の先駆けという点では評価されるべきだろう。でも私はエッセイの方が断然好きだ。
        >> 続きを読む

        2016/08/18 by 飛車香落ち

    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      銀河英雄伝説 - 10 落日篇

      田中芳樹

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! hiro_ Tukiwami
      • 銀河英雄伝説 第10/10巻。

        長かった銀河英雄伝説の正伝全10巻を読み終えた。

        架空の戦記ものはグイン・サーガのような中世的な世界観には抵抗が無いものの、宇宙を舞台したような未来設定のものには正直苦手意識が有った。

        銀英伝はまさに宇宙が舞台の作品だが、魅力溢れるキャラクターと、三国志を思わせる壮大な国家間の駆け引きは非常に読み応えが有り、満足度も高い。

        振り返って強く印象に残っているのは視点の有り様。

        個人として、家庭人として、そして組織人として。
        また、戦闘においても、戦略と戦術の違いには大いに考えさせられるものが有る。

        人はプライベートでも組織内でも、様々な立場に置かれ、どの視点で見るかによって、正義の意味合いも変わっていく。

        言葉にすれば「バランス感覚」と言う陳腐なものになってしまうが、必要な局面で、スピードを持って、その後の自分が支持できる判断を下していくためには、やはり常日頃から多くのケースについてシミュレーションしておく必要が有るのではないかと思わされた。

        全体を通じての主役としては、やはりラインハルトとヤンになるのだろうが、感情を揺さぶられたのは、ロイエンタールとメルカッツ。

        それぞれの生き方に美学を見出し、大いにシンパシーを感じた。
        >> 続きを読む

        2015/06/03 by ice

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ナイチンゲールの沈黙

      海堂尊

      宝島社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 化学と非化学のように思われる
        霞のかかった世界
        人間の未知と可能性を含む未来のようだった
        白鳥の出番が少ないことでこのような話になったのではないだろうか
        >> 続きを読む

        2017/11/13 by kotori

    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      街道をゆく

      司馬遼太郎

      朝日新聞出版
      カテゴリー:日記、書簡、紀行
      3.5
      いいね!
      • 7巻まで読んで、改めて自分が関西方面に行った経験が少ないと思った。
        司馬さんは大阪に住んでらっしゃったので、その文章からも近くでよく知っているように感じられる。

        甲賀と伊賀なんて忍者イメージしかないのだが、実際に戦場諜報の技術にたけ、戦国期の諸国の大名や小名に役立っていたらしい。
        山の中歩くのがあんまり好きじゃなくて、行ってみたいとは思わないのだが、話自体は興味深い。


        読書ログって、「街道をゆく」が43巻もあるのに、タイトル表示が常に「街道をゆく」としか出ないから、何本レビュー書いても同じ本を読んだみたいに表示されるのが不満。
        きっといつもレビュー読んでくれている方々も読んですらくれなくなって寂しい。
        >> 続きを読む

        2014/04/12 by freaks004

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      よつばと!

      あずまきよひこ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.5
      いいね!
      • よつばと! を読み進めていくうちに、いつの間にか足にまとわりつくよつばの姿を想像し、いつの間にか親の目線になっている自分に気がつきます。お祭りのシーンは、初めて読むのにまるでよつばの写真アルバムを見ているかのよう。

        初見なのに勝手に当時を思い出して夏本番これからなのに、「終わったなぁ、今年の夏も」みたいな気持ちになっていますw 重傷だww
        >> 続きを読む

        2014/07/05 by ブービン

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    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      誘拐児

      翔田寛

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 乱歩賞~。

        戦後の混乱時に起きた誘拐事件。
        警察ったら身代金の現場にいながらも失敗。
        そしてその誘拐された5歳の男の子が生死不明。

        そして15年後・・・

        うん。読み応えありました。
        結構好きなパターンのお話でしたが、神崎グループと輪島グループが混乱してしまいまして、一気に読まないと分かりづらい話でもありました。

        なんっていうか・・・暗い(爆)

        『自分は誘拐された子供なんだ』
        『自分を誘拐した母親が自分を育てたんだ』

        という負の無限ループに陥ってしまった良雄。
        違う。そうじゃない。実の親子だ。
        勘違いしているに違いないと、恋人の幸子は本当の親子であろうとする証拠を集めるために奮闘するんだけど、浮き上がってくる物証は良雄が誘拐されたというものばかり。

        幸子の頑張りに心打たれました。
        全体的に暗い中、ラストはそれなりに明るい終わり方でした。
        >> 続きを読む

        2013/09/24 by igaiga

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      五月女ケイ子のレッツ!!古事記

      五月女ケイ子

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • ゆるい(´Д`;)

        こうしてみると内容も内容ですね。


        (amazon)
        ケイ子が古事記を描きました!

        古典なんてお堅くて……なんて思っているそこのあなた!
        あの、大人気イラストレーターが、他の本とはひと味もふた味も違う神々を描きました。五月女ワールド全開の「古事記」をご堪能あれ!!
        >> 続きを読む

        2018/10/26 by motti

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      私を変えた一言

      原田宗典

      集英社
      3.5
      いいね! momomeiai
      • 原田 宗典は 原田マハさんのお兄さん。それだけの理由で読んだ本。
        というと、お兄さんにとっても失礼ですね。
        彼の作家としてのキャリアの方が断然長いのですから。

        山田詠美の「ぼくは勉強ができない」の解説を書いていたことが判明!
        それが私の「初の原田宗典」だったみたい。当時は気づかなかったけれど。
        あれ、それってもっと失礼かも(^^;)

        「私を変えた一言」…かようなタイトルではありますが、
        この本を読んでもあなたの人生は変わらないのではないかと思います。

        つまり、このエッセイは著者の交遊録みたいなものだと思われます。

        いわゆるエライ人の「名言集」ではなくて、
        自分にはこんな友がいて、あの有名な人に会ったこともあって
        その人の印象を伝えてくれるエピソード、自分にとって忘れがたい一言。
        そんな切り口でかかれたコラムの連載をまとめたものです。

        国連の緒方貞子さん、武者小路実篤から、自分のじいちゃん、父さん、高校時代からの友人やレンタルビデオ屋のおにいちゃんまで。
        その人選の幅広さは、多分、他書にないくらいのふり幅でしょう。
        原田さんはおそらくは、他者を大切にしてくれる人なのでしょう。

        言葉のチョイスや話題の中から現れるのは実は語る本人なのです。

        「愛」や「正義の味方」が胡散臭いと思ってしまう人、「想像力の欠如」を憂える人、
        普通じゃない人にたまらなく魅力を感じてしまう人、
        そんな人が原田さんだということがなんとなくわかりました。


        気に入った箇所を抜き書きしてみます。
        「あの子ねぇ、前世がないのよ。人間やるのはこれが初めてなのよ。
        だからあんなふうなの。許しちゃって――。」
        そうか、あいつ人間やるの初めてか――じゃあ、しょうがないか。

        いいでしょう?これ。
        私は前世なんて見えないですし、あるって信じてもいないのですが、
        これ言われたら許せちゃいます。きっと。

        この間、瀬戸内寂聴さんが書いてたんですけど、
        作家の原稿料は30年以上前から全然変わってないのだそうです。
        編集者の人たちは出版社が30年前と同じ給料しかくれなかったらどうしますか?
          (東京都/匿名作家 44歳)
        この質問にまともに答えられる編集者の人は、おそらく一人もいまい。

        よく言いました(^-^)//""ぱちぱち


        人は誰もがある人の大切な人になりうるし、自分の一言で他人を幸せにできることだってある。

        その後のその人の「行動」を変えてしまうこともある。

        この中で一番原田氏の「行動」を劇的に変えたのは、
        実はビデオやのアルバイトのおにいちゃんの一言
           「あ、いつも読んでますよォ」
        だと思うのだけれどォ(o ̄ー ̄o)


        好奇心が足りませんね――元国連難民高等弁務官 緒方貞子の一言
        好きなことをやってごらん 必ず成功するから――祖父 原田 馥栄の一言
        テメエは大馬鹿ヤロウだ――評論家 小林秀雄の一言
        あ、いつも読んでますよォ――レンタルビデオ店店員 某青年の一言
        進め、進め。――作家 武者小路実篤の一言
        馬鹿ばかしくなくちゃ、遊びにならない。――友人 長岡毅の一言
        御大切――島原 隠れ切支丹の一言
        じゃあ、皆で芝居しようよ。――俳優 大谷亮介の一言
        〆切――出版社社員 編集者の一言
        ロオンブロオゾー――『黄金バット』の悪役 ナゾーの一言
        何でもいい、日本一になれ――父 原田剛直 の一言
        で、死にたいという気持はもうなくなりましたか?――精神科医 中村先生の一言
        お前は中川一政だからしっかりしろ、お前は誰でもない中川一政だ。――画家 中川一政の一言
        どうだ、元気か?――三女 辰子への武者小路実篤の一言
        おれはビールの鑵詰がなにより好きだ――『老人と海』の主人公 サンチャゴの一言
        乗っていっていいよ――ガソリンスタンド「坂本商事」のご主人の一言
        人間に生まれたのは、これで何度目なのかな――作家 鷺沢萠の一言
        想像力は、必ず意志の力を上回る。――医学者 エミール・クーエの一言
        仕事は、味わいながらやるものです。――岐阜長良川 鵜匠の一言
        解説 長岡 毅

        2002年11月号~2004年9月号「生本」 アクセス・パブリッシングにて連載
        >> 続きを読む

        2013/07/17 by 月うさぎ

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出版年月 - 2008年8月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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