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乾信一郎 , BurgessAnthony
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スタンリー・キューブリックによる映画版が有名な本作ですが、私自身も「あの」映画の原作がどのような内容か、というところから興味を持ちました。まず、物語の半ばまでのあらすじを述べます。近未来の荒んだ英国。十五歳のアレックスは三人の不良仲間とともに、殺人、暴行、強姦、盗難、破壊と、夜な夜なあらゆる悪逆非道な行為を、良心の呵責なく心の底から楽しんでいる。両親はごく普通の勤め人で、一度は補導された息子の夜間外出にも、アルバイトだというアレックスの嘘の言葉を信じて疑わない。ある日、仲間との不和のあと強盗に押し入ったアレックスは、仲間に裏切られて逮捕されて懲役を宣告される。さらにアレックスは、刑務所内で起きた事件を機に、十年以上ある刑期の残余を、実験的な試みである『教化法』に転換することを受け入れる。以降は主に映画版との違いについてです。まず、ストーリーと設定については原作と映画に大きな違いがないこと自体に驚きました。映画化作品のイメージから、あれだけユニークな内容であれば原作との乖離も大きいのではないかと予想していたのですが、映画版は原作に忠実に作られていました。ただし、原作と映画には二点の大きな違いが認められました。一つ目は、映画版では成人男性であるアレックスが本来は十五歳に設定されていることです。この点は、アレックスの悪行があまりに酷く、年齢が低いことで観客に受け入れられ難くなることを回避するため、原作よりもマイルドにするための変更のようです。つまり、それだけ原作のほうが非道さが際立っているということになります。もう一つの大きな違いは、映画では描かれなかった、17ページ分の最終章です。これは映画版が意図して外したというより、参照したアメリカ向けの小説に含まれていなかったことに起因するようです。詳細には触れませんが、追加の最終章において十五歳の少年は「大人」になります。その意味では、二つの差異はともに主人公の年齢に関係しているものとも言えます。冒頭にあるようなアレックスの非道について、彼が家庭的に不幸ならば行動の動機として理解もできるのですが、両親があくまで普通であることからアレックスの異常性は作中の情報だけでは説明がつきません。映画版では主人公が成人であったためか、気にならなかったこの点が、読んでいて最後まで飲み込めませんでした。その意味でも、やはり映画版での年齢変更は重要なポイントだったのかもしれません。総じて(もちろん個人的な感想ですが)、もし映画と原作の一方だけを鑑賞するとすれば、やはりキューブリックの映画版を推薦します。なお、巻末に収められている映画評論家の柳下毅一郎氏の解説が参考になりました。 >> 続きを読む
2020/11/01 by ikawaArise
藤原正彦
数学者である藤原正彦氏による天才数学者の足跡を辿った物語だ。天才と称された数学者とはどのような人たちであったのか。彼らの起伏に富んだ人生は普通の精神の持ち主では耐えられそうにない。数学者独特の集中力と持続力には、ただただ感嘆するしかない。数学者という「固いイメージ」を取り扱ったテーマであるにもかかわらず、情景あふれる文章なのでまるで小説を読むような感覚に陥る。面白かった。 >> 続きを読む
2019/04/06 by KameiKoji
酒井雄哉
村木厚子さんの著書で本書を知り、興味を持ちました。四百年で三人しか達成していない二千日回峰行を最高齢で満行した天台宗の僧侶による語り。内容は「今を大切に、身の丈にあったことをひとつひとつこなしていこう」といった人生訓の王道といえそうなものと、著者の来歴を含めた実体験からなります。千日回峰行については巡拝の歩行距離の長さよりも九日間の堂入りのほうがきつそうです。著者自身は千日回峰行を何でもないことのように語っています。各章の大まかなテーマは以下のようなものです。第一章 「一日一生」 →今を大切に第二章 「道」 →来歴第三章 「行」 →修行、学び第四章 「命」 →家族第五章 「調和」 →自然、世界各章間に編者による、天台宗の修行に関連する語彙についてのコラム「比叡山」「千日回峰行」「常行三昧」「大阿闍梨」が収められています。 >> 続きを読む
2020/07/29 by ikawaArise
山田悠介
素晴らしい作品だと思います。続きが気になって仕方なくなる作品でした。ラストは涙が止まらなくなります。。 >> 続きを読む
2019/02/09 by でしみ
伊坂幸太郎
前日譚であった「魔王」から50年後の世界。あらゆることに監視される社会の中で、違和感を持つ渡辺。上司の五反田が謎の失踪を遂げたことで、それがあることを検索したためという事実を知る。冒頭はどこに向かうのかと謎めいているが、主要な人物が出揃うと展開がいつもの伊坂節に。大石倉之助や井坂幸太郎なるキャラまでいるが、何といっても奥さんの佳代子。夫の浮気を絶対に許さず、強烈な毒舌も持ち合わせている。だが不思議と見終わるころには印象が変わる。こういう変化は伊坂さんの小説では珍しく、読後感も非常に良い後味。 >> 続きを読む
2019/08/04 by オーウェン
吉田秋生
暮らしを大切にしている感じがとても好き。やっぱり一番感情移入できるのは長女の幸だ。映画での細かい設定の変更…なんだかなぁ。 >> 続きを読む
2020/01/17 by ちっちゅう
中野圭二 , NahumLucien
冒険小説の名作。最初のバンパイア編隊の連呼がかっこいい。ミステリ作家のデントナーが若い女性のマネキン人形を船内に積んで、それぞれ名前を付ける危ないシーンがある。「太陽にこんがり肌を焼いた食指をそそるカリフォルニアのかわい娘ちゃん」にフォクストロットという名前を名づけたところでは、真っ先に「TROTTLA」のサイトを連想した(もしかしたら高木伸代表は、本書のファンなのかもしれない)。アメリカ空軍大尉キーガンの「小物にでかい仕事をあてがうとどうなるか知ってるか?・・・どでかい小物さ!」というセリフは面白かった。ハイジャックした最先鋭戦闘爆撃機を「シャドー81」と名付けられたところから、俄然緊張感が増してくる。ハイジャック犯のアメリカ空軍大尉グラントの「急に機械が故障したなどというばかげたつくり話はしないことだ」という冷静なセリフがよかった。ハイジャックに関する報道でニュースキャスタが精神科医の紹介とともに彼の著作と値段まで宣伝するシーンには笑わされた。グラントがハイジャック中に尿意と眠気に悩まされるシーンにはリアルさを感じた。ラストでグラントがボートに乗り込むシーンでは綾辻行人の某作品を連想した。ミステリ的な要素もしっかりあり、本書が冒険小説の記念碑的傑作であることに疑いようはない。 >> 続きを読む
2021/01/19 by tygkun
梨屋アリエ , 乙一 , 有川浩 , 角川書店
家にある未読の本を探していたら偶然発見。最近小説系を読んで無かったので、何となく読みました。「あおぞらフレーク」は女の子の気持ちが「味」になって表現されていたのが印象的。「しあわせは子猫のかたち」は不気味な情景や心理描写を表現しながらも、最後は前向きになれたのでなんかスッキリ。「植物図鑑」はありそうな日常で等身大の感じが良かった。「黄泉の階段」は最後の最後まで引っ張ったが、今までにありそうなオチなので少々残念。「小さな故意の物語」はドラマで見ていて結論を知っていたので飛ばし読み。トータルで4の評価にしました。しかし短編物で色々な作者が一つになったものはお得感がありました。近くの図書館にシリーズが全て揃っているようなので、早速借りて読もうと思います。青春物は読みやすくて私は好きですね。 >> 続きを読む
2015/01/23 by tetyu
久坂部 羊
ドラマを観てから読んだ
2016/09/16 by ゆ♪うこ
山本兼一
登場人物がみな色んな欲に支配されているのが面白い。そしてその上でひたすら下品と蔑まれる秀吉がちょっと不憫。利休にこれと思った女と死ねる度胸があったら茶の湯もまた違う発展をしたんだろうな。結局美に愛された自分を一番愛しているのかなと思った。あくまで個人の感想です。 >> 続きを読む
2020/10/20 by aki
藤谷治
読み始めは大人びた考えを持った自分以外を見下すつまらない主人公だなという印象でしたが物語が進んでいくにつれ主人公が仲間達に仲間意識やライバル心を持ち始めていってどんどん好きになっていきました。南と主人公が共にどんどん成長していく様は見ていてとても楽しくなり、これからの成長が楽しみでなりませんまた、この本の凄いところは演奏のシーンにあります。まさにその場にいるような気持ちになれて、クライマックスの演奏シーンや協奏しているシーンが頭に浮かび上がってきました。これまでアニメや小説でこの手のものを見ましたがここまで実際に聞いてみたいと思ったものはありませんでした。それほど演奏のシーンは素晴らしいです。他のレビューの方が書いていたように自分も実際に音楽を鳴らしながら見てみたいと思いました。私は楽器のことや音楽の専門用語みたいなものについては素人以下ですがこの小説はとても楽しむことが出来ました。今までミステリーや同一の作家の本ばっかりを読んでいた私ですが新しい音楽というジャンルに出会えて感謝ですたくさんの人にこの本を読んでもらいたいです! >> 続きを読む
2016/01/06 by iatt
サマセット・モーム , 行方昭夫
サマセット・モームをなぜかフランスの作家と記憶していたのだが間違いでした。そういえば英国情報部MI6に所属していたんだっけ。パリで生まれ、世界に冠たる大英帝国のヴィクトリア女王期に生きた人で諜報活動をし、数カ国の言語に通じ、生涯を通じて海外旅行を好んだ。なるほど彼は正真正銘のコスモポリタンな訳だ。アジアのコロニアルのムード、英国上流階級のサロンなど、彼の立場でなければ知りえない世界が小説の中に広がっている。同時にディッケンズのような典型的な英国文学の香りはここにはない。オスカー・ワイルドのような退廃的美学もない。モームの小説は言い方は悪いけれどその中途半端さが味わいなのかもしれない。完璧な虚構ではなく人間観察の冷静な結果。そしてかえってそのために彼そのものが透けて見えるような、そんな物語の数々は、同時にその時代を間違いなく写し込んでいる。今、モームがブームになりえないのは、その時代性なのかもしれない。時を越えた普遍を求める小説とは少し違う。彼が演劇を多く手がけていることもそれを反映している気がする。さあ、時代とともに生きたモームに出会いにいこうか。「エドワード・バーナードの転落」1921年47歳 アメリカにおける家柄のよい血筋の人々の正しき愛。 彼らの理想の生き方とタヒチに暮らすことを選択したアウトローの対比は、 我々には後者の方がより魅力的に映るだろう。 エドワードを「転落」と断じるのは本気だろうか逆説なんだろうか? 「手紙」 1926年52歳 女の心の奥底に沈む熱い恐ろしい一面を男の目線で見つめた作品。 植民地、シンガポールに暮らす英国人という設定があればこその リアリティであるような気がする。「環境の力」1926年52歳 イギリス領ボルネオの奥地駐在所で仕事をしているガイとその新婚の妻 幸せな二人だったが、現地の女が現れるようになると夫の精神が不安定になり始めた。 イギリス人の植民地政策の基本は現地人と結婚しない。 統治者と被統治者は厳密に区別するというルールだった。 それをふまえてこの作品は読むべし。です。「九月姫」1930年56歳 美しい声で歌を歌う鳥は自由でなければ死んでしまう。 おとぎ話はいつでも正しいメッセージをストレートに届けてくれます。「ジェーン」1931年57歳 『ピグマリオンは奇想天外な傑作を完成し、ガラテアは生命を吹き込まれた。』 この作品が私は一番気に入りました。とても面白いですし、ひとつの真理を表しています。 モーム自身が語り手となって見たままを描いたように書かれた小説。 生真面目で、野暮ったく、田舎者」の50過ぎの未亡人が27歳歳下の男性と再婚した。 彼のデザインするドレスに身を包んだジェーンは突如として社交界の人気者へと変貌する。 二人はこのままハッピーに人生を送れるのだろうか?「十二人目の妻」 1931年57歳 モームがシーズンオフのリゾート地で実際に体験した話を書いたかのようにみえる小説。 『私は有名な結婚詐欺師なのです。』 結婚詐欺師の勝手な言い分に説得される…訳ないですよね~。 それでも、夢をみたい人に対して夢をみることを止められない。それも人生の現実な訳で。 巻末にモーム略年譜が掲載されているが、かなり詳しい「略」年譜で彼の人間形成や生涯について想像、理解の助けになる。これはありがたいおまけです。 >> 続きを読む
2013/12/23 by 月うさぎ
白石一文
あっという間に読了してしまいました。1人の女性のことが、繊細な描写によって自分のことのようにさえ感じられました。同じ年頃という事もありますが、この時分の、、、人を愛したり、結婚したり、子を持ったり、死に向き合ったり、運命に翻弄され生きていくそんな人生のやり切れなさみたいなものを感じながら、でも「選択」し、自分で折り合いをつけていかなきゃならない、そんな場面もとても共感できました。ドラマは観てはいませんが、白石一文さんがここまで女性の深くまで描写できるのはやはり人気な理由はここか、と思いました。 >> 続きを読む
2015/09/05 by hito
金城一紀
本当におバカでしょうもない高校生「ザ・ゾンビーズ」の3年間のお話し。やってる事がくだらなさ過ぎて、でもパワーが有り余る状態での疾走がやけに面白すぎる。メインはお嬢様学校の学園祭に潜り込もうとする計3回の作戦を実行する様を描く話。1年目は「出前作戦」で大量の出前を学校に届け、その騒動中に潜り込む。2年目は「ええじゃないか作戦」として、校門前から「ええじゃないか、ええじゃないか」と踊り狂いながら突破を試みるもの。そして最後の3年目は・・・「正面突破」(笑)何の捻りもありません。。でもこの3回目で奇跡が起きるんです!!計3回の作戦は短い話であり、実は本編はその前後にある悲しい話がメインであると思います。でも、最後にまたドカンとやってくれます。文句なしに★5あげちゃいます!ちなみに自分が高校生の時に「スコラ軍団」を形成していたことはここだけの話です。 >> 続きを読む
2013/08/22 by yasuo
原田マハ
短編集。どの話も過去、もしくは現在に心の闇を持っている女性が主人公となっている。きっと誰しもが大小違えど心の闇は持っていると思う。本書では旅先にて(最後の話は違うけど)人と関わり、少し前向きになれる、そんな温かくなる内容になっている。個人的にはナギが好き過ぎて、もっと話に出てきてほしかったなぁ。原田マハさんの本は、読み終わった後に「自分らしく生きたい」と思わされることが多い。「さいはて」は終わりではなく、どこまでも行けることを示しているのかな、と思った。旅がしたい。人と触れ合いたい。 >> 続きを読む
2017/10/22 by 豚の確認
穂村弘
自意識をこじらせている情けないサブカルおじさんのエッセイ。だけど、悲しいことに共感のオンパレードだった。何となく自分の中に理想の自分という幻想があるけど、いつまでたっても近づけない。それなのにいつまでもたっても諦めきれない。ダイエットをしようと思ったその日にポテトチップスを食べてしまったり、お弁当を毎日作れなかったり、仕事でつい不機嫌になってしまったり、そんなことばかりだけど、いつか、いつか完璧な自分になれるはずという期待をしてしまう。そんな人達への指南書にはならないけどただただ寄り添ってくれる本だった。印象に残った項は「それ以来、白い杖を持ったひとをみつめてしまう」。著者は失明する可能性を医者に告げられ、それ以来、白杖を持つ人が未来の自分のように思えて目で追ってしまう、という話だった。そこに出てきた目の見えない人どうしのカップルの話は思わず泣きそうになった。暗闇の中、2人はお互いの顔もわからずに声と匂いと感触でお互いを認識するのだ。きっと、目の見える私なんかよりもずっと相手のことを感じ取れているのだろうなと思った。 >> 続きを読む
2018/02/01 by 満開の下
市川拓司
内容紹介----------------------------------------------------------カメラマン志望の大学生・瀬川誠人は、嘘つきでとても謎めいた女の子・里中静流と知り合う。誠人はかなりの奥手だったが、静流とは自然にうちとける。そして静流は誠人に写真を習うようになる。やがて誠人は静流に思いを告げられるが、誠人にはずっと好きな人がいて、その思いを受け取ることはできなかった。一年後、卒業を待たずに静流は姿を消した。嘘つきでしょっちゅう誠人をからかっていた静流だったが、最後の大きな嘘を誠人についたまま…。------------------------------------------------------------------市川拓司らしい文章と物語の作品だが、終盤でいきなりファンタジーになるのは気に入らない。話の良さとかは関係なく拒否反応が出てしまう。自分と全く関係ない世界の話に思えてしまうからだろうな。もちろん最初からそういう舞台設定だということを提示して進めてもらえば問題ないのだが。繊細で傷つきやすい、でも優しい主人公の話は好きだが、市川拓司の作品がそれ一辺倒になるのも新鮮さにかけてしまうな。あとこれは僕の方の変化かもしれないが、文章が少し甘すぎた。それでも、「あなたは、一人分の幸福をその手に持っているのよ」というセリフはとても気に入った。ヒロイン不在で恋愛小説を進めるのは難しいよなあ。思い出を巡るか、単なる主人公の妄想になりがち。 >> 続きを読む
2019/06/28 by しでのん
YunusMuhammad , 猪熊弘子
確かに新しい資本主義の誕生だと思う。貧困層に無担保でお金を貸してもしっかり返済があるのには、それなりの理由がありそうだ。5人のグループを作り助け合うようルールを決めていることで、被融資者は他のメンバーに迷惑をかけられないという意識を持つようになっていることや、子供を養うことを優先して考えるのは女性で、その女性に融資する方が信頼性があると見ている点です。ソーシャルビジネスがもっと拡大することを願ってるし、この格差社会に歯止めをかける1つのベストな手段となり得る。貧困に苦しむ人々を目の当たりにし、実際に行動を起こした素晴らしい人だった。 >> 続きを読む
2015/08/16 by がーでぶー
重松清
“冬”から読み始めて「季節風」シリーズも最後の“秋”。 重松さんのやさしさに満ちた作品集。 「オニババと三人の盗賊」昔ながらの文具店(中学校の前にもあったなあ)を続けている子どもたちにはおっかない店番のおばあさん。オニババと三人の子どもたちとの交流があったかい気持ちにしてくれる。 「サンマの煙」引っ越しで不安な娘。お母さんの転校の思い出。大変な心の葛藤があるだろうなあ。とくに子どもは新しい環境には不安だろう。私も3回の転勤は毎回緊張し、不安だったなあ。 「風速四十米」年老いた両親。愚痴っぽくなる母。脳梗塞の後遺症がのこる父。ふるさとを離れて暮らす息子。台風におびえる母のために帰郷する。なんだか身につまされるようで、心が痛かった。 「ヨコヅナ大ちゃん」6年生になって、太ってることを意識してしまった大ちゃん。子どもながら、悩んでいるのだ。 「田中さんの休日」「父親とはこうあるべき、父親として・・・」と、力みすぎて空回り?疲れ気味?の田中さんを、実は冷静に見て心配している妻と高校生の娘。娘の方が大人だったりするんだよね。 ・ ・ ・ 短篇なので、さらっと読めてしまう。さわやかな秋風に吹かれながら、庭のベンチで(ないけど)読みたい。 >> 続きを読む
2013/01/07 by バカボン
西村賢太
相変わらずのゲス野郎っぷりですが、そこがまた癖になります。
2017/05/16 by hiro2
出版年月 - 2008年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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