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2008年9月発行の書籍

人気の作品

      天才の栄光と挫折 数学者列伝

      藤原正彦

      文藝春秋
      カテゴリー:数学
      4.2
      いいね!
      • 数学者である藤原正彦氏による天才数学者の足跡を辿った物語だ。
        天才と称された数学者とはどのような人たちであったのか。
        彼らの起伏に富んだ人生は普通の精神の持ち主では耐えられそうにない。
        数学者独特の集中力と持続力には、ただただ感嘆するしかない。
        数学者という「固いイメージ」を取り扱ったテーマであるにもかかわらず、情景あふれる文章なのでまるで小説を読むような感覚に陥る。
        面白かった。
        >> 続きを読む

        2019/04/06 by KameiKoji

    • 他4人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      スイッチを押すとき

      山田悠介

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 素晴らしい作品だと思います。
        続きが気になって仕方なくなる作品でした。
        ラストは涙が止まらなくなります。。 >> 続きを読む

        2019/02/09 by でしみ

    • 他3人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      時計じかけのオレンジ 完全版

      乾信一郎 , BurgessAnthony

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 古典文学(ここでは戦後の50,60年代)の作品はなかなか本題に入ってくれません。本作でも本題に入るのは100ページを過ぎたあたりから。もちろんそれまでに丁寧に伏線を張っているのですが、物語としては展開が乏しく、多くの人が本題に入る前に挫折してしまうのではないのでしょうか?

        私見ですが、これは現在と戦後初期の経済環境も影響していると思います。現在では本を出版するのにそれほど費用は掛かりません。誰でもパソコンのキーボードを叩けば簡単に本を出版できます。本が大量に出版される、現在では山場が早めに来る作品が好まれるのではないでしょうか。
        対して戦後すぐはまだ手書きが主流であり、本の出版に現在よりも多くの資本が必要でした。書き手も本がじっくり読まれることを知っているので山場が中盤、終盤に来る作品が多いのではないでしょうか。

        本作の内容に触れると、「気持ちのいい暴力」をテーマとしています。若者の暴力をこれでもかというほどに鮮明に激しく描かれています。また、それに付随して「善とは何か」も本作の大きなテーマです。作者は善とは外から強制されるものではなく、内から湧き出るものだと主張したかったのではないでしょうか。

        最後に一言。

        最高にハラショーだぜ、兄弟。
        >> 続きを読む

        2016/05/17 by hassy

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      一日一生

      酒井雄哉

      朝日新聞出版
      カテゴリー:各宗
      4.0
      いいね!
      • 【総括】
        クレイジージャーニーでも取り上げられていましたが、7年かけて毎日数十キロの山道を歩き続ける「千日回峰行」をなんと2度も行った酒井雄哉住職の作品。
        1度でも満行することが困難とされる修行を2度も遂げた人の感性がどのようなものなのかを知れる作品です。
        すごくおしとやかで落ち着きのある、ある意味すべてに達観している感性を感じることができる作品だと思います。
        一日を一生だと思って大事に生きようと感じることができる作品なのかなと思います。

        【心に残った一節】
        1.歩き方は人それぞれ行者によってみんなちがうものなんだ。
        僕なんか小柄でコンパスが小さいからちょこちょこいかないと。
        今の人たちは体が大きいから幅を大きく取って歩けるんじゃない?
        毛っこく人は自分んお歩き方でしか歩けないんだよな。

        2.今の若い人は良く勉強するからとても頭はいいんだけど、実践する力が弱いのかな。
        勉強して知識を広げ、物事をわきまえるってことも、もちろん大切だけれど、それをそのままにしておかないで、自分のできることを実践していくということなんだな。

        3.天台では「教行一致」といって、教えと行うことは一体にならなきゃだめだと説いている。
        知ることと実践すること、どちらも大事なんだ。
        孔子も「両輪のごとく」と言ってるけれど、同じ轍ではしらないと車が傾いてしまって走れないように、物事にはその二つの要素が必要なんだね。

        4.仏教でいう「感得」とは字のごとく、”感じて会得すること”だけど、自分なりに消化して、心の糧にすることなんじゃないかな。

        5.子供にとっては貧乏でも金持ちでもいいんだよ。親が一生懸命いきている、その背中を見せてやることじゃないかな。

        6.八十年生きたからどうの、これまで何をしてきましたのではなくて、大事なのは「いま」。
        そして「これから」なんだ。いつだって「いま」何をしているのか、「これから」何をするかが大切なんだよ。

        7.たとえば若くして亡くなった人の悲しい話を聞く。
        だけど、その人が一生懸命生きて、世の中の人たちになるほどなぁ、っていうような何かを残して亡くなったんだったら、それは素晴らしい。
        大きな存在から見れば、10年も80年もそれほど違いはないのかもしれないよ。だからこそ、なんのために生きているのか、何をやって生きているのか。今何のためにこの場所にいるのか。今何のために息をしているのか、ということを一生懸命考えなくては。とても無駄なことはできない。
        >> 続きを読む

        2019/03/12 by べるさん

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      きみが見つける物語 十代のための新名作

      梨屋アリエ , 乙一 , 有川浩 , 角川書店

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 家にある未読の本を探していたら偶然発見。最近小説系を読んで無かったので、何となく読みました。「あおぞらフレーク」は女の子の気持ちが「味」になって表現されていたのが印象的。「しあわせは子猫のかたち」は不気味な情景や心理描写を表現しながらも、最後は前向きになれたのでなんかスッキリ。「植物図鑑」はありそうな日常で等身大の感じが良かった。「黄泉の階段」は最後の最後まで引っ張ったが、今までにありそうなオチなので少々残念。「小さな故意の物語」はドラマで見ていて結論を知っていたので飛ばし読み。トータルで4の評価にしました。しかし短編物で色々な作者が一つになったものはお得感がありました。近くの図書館にシリーズが全て揃っているようなので、早速借りて読もうと思います。青春物は読みやすくて私は好きですね。 >> 続きを読む

        2015/01/23 by tetyu

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      モダンタイムス

      伊坂幸太郎

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 確かにゴールデンスランバー読んだ時と同様、面白いけど長尺さを感じた。典型的受難タイプの主人公が展開するもテンポや魅力がいま一歩突き抜け無い感覚。いや、面白いんですけどね。 >> 続きを読む

        2017/11/13 by hiro2

    • 他2人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      海街diary

      吉田秋生

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.8
      いいね!
      • 人間って生きていれば色々なことがあるんだなと改めて感じた。
        結構重い内容の話もあるんだけどそこは作者の絵柄と鎌倉の風景に救われている感じがする。
        この姉妹と風景と食べ物に会いに旅行へいざ鎌倉ってしたくなるけど 今は写真や映画なんかで我慢かな。
        言い作品だった
        早く7巻出ないかな
        >> 続きを読む

        2015/07/11 by くじら

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      無痛 (幻冬舎文庫)

      久坂部 羊

      3.3
      いいね!
      • ドラマを観てから読んだ

        2016/09/16 by ゆ♪うこ

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      利休にたずねよ

      山本兼一

      PHP研究所
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!

      • 千利休は豊臣秀吉から切腹を命じられた。
        侘び茶の世界で己の美学を頑ななまでに貫き通したゆえに、秀吉の怒りをかったのだ。

        それほどまでに利休を茶の湯に突き進ませたものはなんだったのか?

        切腹の天正19年2月28日から、ある女性と出会った19歳までを、秀吉や妻の宋恩らの回顧とともに遡りながら、利休の美学の根源を探り、秀吉と対峙した利休の生涯を描いた、山本兼一の第140回直木賞受賞作「利休にたずねよ」を読み終えました。

        歴史上の人物を描いた小説の面白さは、仮設の大胆さにあると思う。
        この作品においては、千利休を恋に生きた人として描いたことだ。

        なんと斬新で衝撃的な考えだろう。
        けれども、そこにはまったく違和感がなく、気づけば利休にすっかり魅せられていた。

        利休といえば、言わずとしれた詫び寂びの世界。
        その言葉からは、枯れた風情を想像するが、著者の山本兼一は、利休好みの水差しを見て、詫び寂びと対極にあるような艶やかで、匂い立つほどの優美さを感じたのだという。

        そして、その根源に恋を着想した。
        茶の湯の巨人として君臨した男の心の内を恋ごころとするとは、実にロマンティックだ。

        しかし、甘美なだけに終わらせず、傲慢なまでに己の道を究めんとする姿や天下人・秀吉にも屈しない男の矜持が、利休の生涯に深みを増していると思う。

        作中に浮かび上がるエネルギッシュな生の躍動には、ある種の憧憬すら抱いてしまう。

        読み終えて、なんとも贅沢な気分に浸ることができました。
        あたかもそれは、利休が点てた一服の茶を飲んだかのように。

        >> 続きを読む

        2019/02/21 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      船に乗れ!

      藤谷治

      ジャイブ
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 読み始めは大人びた考えを持った自分以外を見下すつまらない主人公だなという印象でしたが物語が進んでいくにつれ主人公が仲間達に仲間意識やライバル心を持ち始めていってどんどん好きになっていきました。
        南と主人公が共にどんどん成長していく様は見ていてとても楽しくなり、これからの成長が楽しみでなりません

        また、この本の凄いところは演奏のシーンにあります。まさにその場にいるような気持ちになれて、クライマックスの演奏シーンや協奏しているシーンが頭に浮かび上がってきました。
        これまでアニメや小説でこの手のものを見ましたがここまで実際に聞いてみたいと思ったものはありませんでした。
        それほど演奏のシーンは素晴らしいです。

        他のレビューの方が書いていたように自分も実際に音楽を鳴らしながら見てみたいと思いました。

        私は楽器のことや音楽の専門用語みたいなものについては素人以下ですがこの小説はとても楽しむことが出来ました。

        今までミステリーや同一の作家の本ばっかりを読んでいた私ですが新しい音楽というジャンルに出会えて感謝です

        たくさんの人にこの本を読んでもらいたいです!
        >> 続きを読む

        2016/01/06 by iatt

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      モーム短篇選

      サマセット・モーム , 行方昭夫

      岩波書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • サマセット・モームをなぜかフランスの作家と記憶していたのだが間違いでした。
        そういえば英国情報部MI6に所属していたんだっけ。
        パリで生まれ、世界に冠たる大英帝国のヴィクトリア女王期に生きた人で
        諜報活動をし、数カ国の言語に通じ、生涯を通じて海外旅行を好んだ。
        なるほど彼は正真正銘のコスモポリタンな訳だ。
        アジアのコロニアルのムード、英国上流階級のサロンなど、
        彼の立場でなければ知りえない世界が小説の中に広がっている。
        同時にディッケンズのような典型的な英国文学の香りはここにはない。
        オスカー・ワイルドのような退廃的美学もない。

        モームの小説は言い方は悪いけれどその中途半端さが味わいなのかもしれない。
        完璧な虚構ではなく人間観察の冷静な結果。
        そしてかえってそのために彼そのものが透けて見えるような、
        そんな物語の数々は、同時にその時代を間違いなく写し込んでいる。

        今、モームがブームになりえないのは、その時代性なのかもしれない。
        時を越えた普遍を求める小説とは少し違う。
        彼が演劇を多く手がけていることもそれを反映している気がする。
        さあ、時代とともに生きたモームに出会いにいこうか。

        「エドワード・バーナードの転落」1921年47歳
          アメリカにおける家柄のよい血筋の人々の正しき愛。
          彼らの理想の生き方とタヒチに暮らすことを選択したアウトローの対比は、
          我々には後者の方がより魅力的に映るだろう。
          エドワードを「転落」と断じるのは本気だろうか逆説なんだろうか?
          
        「手紙」 1926年52歳
          女の心の奥底に沈む熱い恐ろしい一面を男の目線で見つめた作品。
          植民地、シンガポールに暮らす英国人という設定があればこその
          リアリティであるような気がする。

        「環境の力」1926年52歳
          イギリス領ボルネオの奥地駐在所で仕事をしているガイとその新婚の妻
          幸せな二人だったが、現地の女が現れるようになると夫の精神が不安定になり始めた。
          イギリス人の植民地政策の基本は現地人と結婚しない。
          統治者と被統治者は厳密に区別するというルールだった。
          それをふまえてこの作品は読むべし。です。

        「九月姫」1930年56歳 
          美しい声で歌を歌う鳥は自由でなければ死んでしまう。
          おとぎ話はいつでも正しいメッセージをストレートに届けてくれます。

        「ジェーン」1931年57歳
          『ピグマリオンは奇想天外な傑作を完成し、ガラテアは生命を吹き込まれた。』
          この作品が私は一番気に入りました。とても面白いですし、ひとつの真理を表しています。
          モーム自身が語り手となって見たままを描いたように書かれた小説。
           
          生真面目で、野暮ったく、田舎者」の50過ぎの未亡人が27歳歳下の男性と再婚した。
          彼のデザインするドレスに身を包んだジェーンは突如として社交界の人気者へと変貌する。
          二人はこのままハッピーに人生を送れるのだろうか?

        「十二人目の妻」 1931年57歳
          モームがシーズンオフのリゾート地で実際に体験した話を書いたかのようにみえる小説。
          『私は有名な結婚詐欺師なのです。』
          結婚詐欺師の勝手な言い分に説得される…訳ないですよね~。
          それでも、夢をみたい人に対して夢をみることを止められない。それも人生の現実な訳で。
          

        巻末にモーム略年譜が掲載されているが、かなり詳しい「略」年譜で
        彼の人間形成や生涯について想像、理解の助けになる。
        これはありがたいおまけです。
        >> 続きを読む

        2013/12/23 by 月うさぎ

      • コメント 12件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      私という運命について

      白石一文

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ryoji
      • あっという間に読了してしまいました。

        1人の女性のことが、繊細な描写によって
        自分のことのようにさえ感じられました。

        同じ年頃という事もありますが、
        この時分の、、、人を愛したり、結婚したり、
        子を持ったり、死に向き合ったり、運命に翻弄され生きていく
        そんな人生のやり切れなさみたいなものを感じながら、
        でも「選択」し、自分で折り合いをつけていかなきゃならない
        、そんな場面もとても共感できました。

        ドラマは観てはいませんが、
        白石一文さんがここまで女性の深くまで描写できるのは
        やはり人気な理由はここか、と思いました。
        >> 続きを読む

        2015/09/05 by hito

    • 他1人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      レヴォリューションno.3

      金城一紀

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! ybook
      • 本当におバカでしょうもない高校生「ザ・ゾンビーズ」の3年間のお話し。
        やってる事がくだらなさ過ぎて、でもパワーが有り余る状態での疾走がやけに面白すぎる。

        メインはお嬢様学校の学園祭に潜り込もうとする計3回の作戦を実行する様を描く話。
        1年目は「出前作戦」で大量の出前を学校に届け、その騒動中に潜り込む。2年目は「ええじゃないか作戦」として、校門前から「ええじゃないか、ええじゃないか」と踊り狂いながら突破を試みるもの。そして最後の3年目は・・・「正面突破」(笑)
        何の捻りもありません。。でもこの3回目で奇跡が起きるんです!!

        計3回の作戦は短い話であり、実は本編はその前後にある悲しい話がメインであると思います。
        でも、最後にまたドカンとやってくれます。
        文句なしに★5あげちゃいます!

        ちなみに自分が高校生の時に「スコラ軍団」を形成していたことはここだけの話です。
        >> 続きを読む

        2013/08/22 by yasuo

      • コメント 7件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      さいはての彼女

      原田マハ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 短編集。どの話も過去、もしくは現在に心の闇を持っている女性が主人公となっている。
        きっと誰しもが大小違えど心の闇は持っていると思う。本書では旅先にて(最後の話は違うけど)人と関わり、少し前向きになれる、そんな温かくなる内容になっている。

        個人的にはナギが好き過ぎて、もっと話に出てきてほしかったなぁ。

        原田マハさんの本は、読み終わった後に「自分らしく生きたい」と思わされることが多い。
        「さいはて」は終わりではなく、どこまでも行けることを示しているのかな、と思った。

        旅がしたい。人と触れ合いたい。
        >> 続きを読む

        2017/10/22 by 豚の確認

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      本当はちがうんだ日記

      穂村弘

      集英社
      3.3
      いいね!

      • 自意識をこじらせている情けないサブカルおじさんのエッセイ。だけど、悲しいことに共感のオンパレードだった。
        何となく自分の中に理想の自分という幻想があるけど、いつまでたっても近づけない。それなのにいつまでもたっても諦めきれない。ダイエットをしようと思ったその日にポテトチップスを食べてしまったり、お弁当を毎日作れなかったり、仕事でつい不機嫌になってしまったり、そんなことばかりだけど、いつか、いつか完璧な自分になれるはずという期待をしてしまう。そんな人達への指南書にはならないけどただただ寄り添ってくれる本だった。

        印象に残った項は「それ以来、白い杖を持ったひとをみつめてしまう」。著者は失明する可能性を医者に告げられ、それ以来、白杖を持つ人が未来の自分のように思えて目で追ってしまう、という話だった。そこに出てきた目の見えない人どうしのカップルの話は思わず泣きそうになった。暗闇の中、2人はお互いの顔もわからずに声と匂いと感触でお互いを認識するのだ。きっと、目の見える私なんかよりもずっと相手のことを感じ取れているのだろうなと思った。
        >> 続きを読む

        2018/02/01 by 満開の下

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      シャドー81

      中野圭二 , NahumLucien

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • コールネーム「シャドー81」が表紙にあるような形でロサンゼルス発のボーイング747型機をハイジャックする話だけど、肝心なストーリーが裏表紙でも分かる。これがなければナと思ったのは私だけだろうか。と言う冒頭からの愚痴はさておく。

        発刊されたのがベトナム戦争がパリで締結されてすぐ、著者はフリーの新聞記者で、現場に強く、その上パイロットの資格があり、航空機にはもちろん詳しい。面白くないわけがない。
        第1回の「週刊文春、ベストミステリー10」で内外を含んで1位だったそうだ。読んで面白ければ1位も2位もないけれど、推理作家協会の作家の方々が文句ない賛辞を贈っている。
        でしょうでしょう。戦争・冒険・金塊強奪・逃走劇・犯人像・航空関係者の敵味方を越えて生まれる連帯感・アメリカ大統領・国防長官・ペンタゴン・陸海軍長官・地区警察官の右往左往。新鋭爆撃戦闘機と古すぎる双発水陸両用航空機。もうこの言葉だけでも、わくわく要素はMAXで、それが最後まで続く。

        まず、ベトナムに投入された最新鋭のTX75E戦闘爆撃機、垂直に離着陸でき翼をたたんで格納できる。爆弾はもとより、空対空、地対空ミサイルを搭載、ロケット弾も機関砲爆弾搭載。、これはどこにも知られたくない秘密兵器・火災兵器だった。
        これには超エリートしか乗れない。

        これが爆撃され行方不明になる。と言うのが幕開き。

        そして、香港を舞台に細心緻密に計画されたハイジャック劇の前哨戦、まず準備編が始まる。金塊強奪用の船は古い貨物船を改造、中に漁船を格納、ゴムボートも。ほかにも必要物資と、航海用の様々な計器と使途不明のもろもろ。

        犯人は201人を人質に旅客機の背後、死角に入る。
        管制塔主任と機長は犯人が伝える指示に従いつつ打開策を講じるが、人質の保護の前にはなすすべもない、犯人は目的は別として紳士的で指示に無駄がない。

        犯人たちは2000万ドルの金塊の在り処も、補助に使う双発ジェットの倉庫も調べ済みだった

        両機は燃料の限界が近づき、終盤を迎える。

        冒頭、どうして最新鋭の爆撃機を墜落と同時に爆発せよ、という指令があったとしても、木っ端微塵に何も残さず吹っ飛んでいたか。

        次のぺージをめくらずにはいられない。


        最初に、変装までして用具をどうやって揃えたか、入出港書類が必要な船、電子機器まで調達したか。
        貨物船に漁船を格納し、なおゴムボートや電子機器まで整備し、大西洋を目指したか。
        船に乗っている犯人一味のグラントが時間待ちの間に過ごす愉快で奇妙な時間。
        地上では囚人護送車に乗り込んだ、ダイナマイトを体に巻いたサンタの支持で、護送中の警官に銀行・宝石店・為替交換手などを襲わせる。警官も次第に嬉々としてサンタの指示通り動き出す心理。


        一方、離陸間もなく意外な方法でハイジャックされた機内コックピットの冷静沈着な対応。
        乗っていた次期大統領候補のこっけいな自己PR。
        機内の様子もいささか滑稽でここもいい。


        公に出来ない事情を持つベトナム戦争。かさむ軍事費。過激な解決案に対する大統領の苦慮。
        中にちりばめた作者のユーモアも光る。長時間の緊張のうちにもウォーキートーキーを使って話している間に生まれる連帯感が、時に怒号のやり取りが、相手の心に響いたり、面白要素一杯で、少し長いが一気に読めた。

        解説で「ジャッカルの日」「鷹は舞い降りた」などにつづく作品だと、読みながらそうだこれこそおおいに気分転換の本だと愉快な気分になった。

        映画化されない事情も、そろそろ解禁してもいい頃かな。

        「鷹は舞い降りた」は読んでない、そのうち。
        >> 続きを読む

        2016/07/14 by 空耳よ

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      貧困のない世界を創る ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義

      YunusMuhammad , 猪熊弘子

      早川書房
      カテゴリー:企業、経営
      4.0
      いいね!
      • 確かに新しい資本主義の誕生だと思う。
        貧困層に無担保でお金を貸してもしっかり返済があるのには、それなりの理由がありそうだ。5人のグループを作り助け合うようルールを決めていることで、被融資者は他のメンバーに迷惑をかけられないという意識を持つようになっていることや、子供を養うことを優先して考えるのは女性で、その女性に融資する方が信頼性があると見ている点です。ソーシャルビジネスがもっと拡大することを願ってるし、この格差社会に歯止めをかける1つのベストな手段となり得る。貧困に苦しむ人々を目の当たりにし、実際に行動を起こした素晴らしい人だった。 >> 続きを読む

        2015/08/16 by がーでぶー

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      少しだけ欠けた月 季節風

      重松清

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • “冬”から読み始めて「季節風」シリーズも最後の“秋”。

        重松さんのやさしさに満ちた作品集。

        「オニババと三人の盗賊」
        昔ながらの文具店(中学校の前にもあったなあ)を続けている子どもたちにはおっかない店番のおばあさん。
        オニババと三人の子どもたちとの交流があったかい気持ちにしてくれる。

        「サンマの煙」
        引っ越しで不安な娘。お母さんの転校の思い出。
        大変な心の葛藤があるだろうなあ。とくに子どもは新しい環境には不安だろう。
        私も3回の転勤は毎回緊張し、不安だったなあ。

        「風速四十米」
        年老いた両親。愚痴っぽくなる母。脳梗塞の後遺症がのこる父。ふるさとを離れて暮らす息子。
        台風におびえる母のために帰郷する。なんだか身につまされるようで、心が痛かった。

        「ヨコヅナ大ちゃん」
        6年生になって、太ってることを意識してしまった大ちゃん。子どもながら、悩んでいるのだ。

        「田中さんの休日」
        「父親とはこうあるべき、父親として・・・」と、力みすぎて空回り?疲れ気味?の田中さんを、実は冷静に見て心配している妻と高校生の娘。娘の方が大人だったりするんだよね。

        ・ ・ ・

        短篇なので、さらっと読めてしまう。
        さわやかな秋風に吹かれながら、庭のベンチで(ないけど)読みたい。
        >> 続きを読む

        2013/01/07 by バカボン

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      小銭をかぞえる

      西村賢太

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 相変わらずのゲス野郎っぷりですが、そこがまた癖になります。

        2017/05/16 by hiro2

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      シューカツ!

      石田衣良

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • おもしろかった(笑)
        就活を行っている女性の物語。
        就活というのはとても難しいものだと思う。絶対的な答えが存在しないなかで進めなければならない就活は大変なものである。
        主人公も一つ一つの物事に一喜一憂しながら少しずつ進んでいく。彼女ならこれからもいろんな困難を乗り越えられると思う。
        >> 続きを読む

        2015/12/07 by future

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出版年月 - 2008年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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