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辻村深月
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辻村氏の作品でお勧めとされていたので読んでみた。面白かった。他のも読んでみようと思った。物語は前半比較的ゆっくり、後半次々と大きな出来事が起こり、謎解き、伏線回収しながら終末へと進んでいく。予想通りなこともあったり、驚きの展開もあったりと、かなりドキドキしたし、なるほどそうだったのかと安堵したりしながら一気に読み終えた。それから、この話のメイン部分と思われる、あの人はどう現れ、途中どう振舞っていたのか気になり、思い出しながら、確認しながら結局二度読みした。登場人物が感じる閉塞感のようなものを表すのがこのタイトルなのかなと感じたが、それに準じて暗めで、悲しい要素が多いストーリー。でも不幸だった主人公の女の子が独り立ちをして、やはり不幸な境遇にいた男の子も成長して、最後になんだか楽しそうにやり取りしている姿が救われた。ドラえもんとその作者の藤子・F・不二雄氏がかなり濃く絡んでいるので、馴染みの薄い人はあまり面白くなく感じるかもと思ったりした。私は子供の頃、ドラえもんを読んだり、観たり触れる機会が多かったのでかなり楽しめたけど。 >> 続きを読む
2020/01/03 by Sprinter
角田光代
本にまつわる特別な物語が、あとがきを含めて10編入った短編集。一応、趣味・読書としているけれど、私と本との特別な思い出・・・うーん、すぐにピンとくるほどの思い出はないなぁ。あとがきとしてのエッセイで、作者自身が大学の文学部に入って、周りの学生の読書経験に圧倒され、気後れしたことが書かれていた。角田さんほどの人でも気後れするほど読書をする人たちが、たくさんいるのか~と感心しつつ、ちょっとほっとした。私はいわゆる名作・傑作、古典を全然読んでいない。外国文学となるともう全然・・・なんだかずっとそれが恥ずかしいと思っていたのだけれど、「私を呼ぶ本を一冊ずつ読んでいったほうがいい。」という角田さんの言葉に、読みたい本を読んでいいんだ、それで趣味・読書って言ってもいいんだと背中を押された気持ち。うれしかった。なかなか電子書籍に手を出せない自分も肯定できた(笑)単行本時のタイトルは「この本が、世界に存在することに」だったらしく、こっちのタイトルの方が好きだなーと少し残念。特に気に入ったのは、「旅する本」と「不幸の種」だった。 >> 続きを読む
2022/03/18 by URIKO
森下典子
茶道にいそしむ中で、頭ではなくて手が覚えるということ。繰り返し繰り返しの中で、ある時、突然、世界が変わる。感覚が目覚めるというのが適当なのかもしれない。感じ方、見え方が変わる瞬間。これは、日常の暮らしの中でもあること。茶道を通して、生き方そのものを考えなおすことにつながる。その時その時を大切に過ごすこと・・・これに尽きるのだが、なかなかこれが難しい。 >> 続きを読む
2021/09/24 by けんとまん
池井戸潤
読み始めた当初は、「あ、短編集か」でした。短編集だと話の濃さが簡略しなければならないので、あまり好きではないのですが、短編でここまですごい作品にするなんて流石だなって思ったところ、第2話を読んでぶっ飛びました。1話の違う人物の視点だったからです。読み進めていくうち、人物も話も繋がっていて短編とは違うなと思いましたが、それぞれに主人公が存在しました。これまでたくさんの銀行を舞台にした作品を作られていますが、よくこんなにも「銀行」という設定で多様でしかも無力のある面白い作品が作れるものだと、関心、尊敬、驚愕なんと表現していいかわかりません。とにかく面白い。 >> 続きを読む
2021/09/05 by ryoji
香月日輪
2018/3 16冊目(通算47冊目)。アニメ化された作品であり、どのような物語なのか気になったのが動機。幽霊アパートに住み、騒動に巻き込まれる話を想像していたが、割と真面目な雰囲気で話が進むので驚いた。とは言っても、読んでいて同意できるようなことが多かった。人と人とがコミュニケーションをとることが大切なのだと主人公の夕士は妖怪アパートに住むことで気が付くが、まさにその通りだと思う。ともかくラストでまた妖怪アパートに住むことになった夕士。どんな出来事が待っているのだろう。引き続き読んでいきたいと思う。 >> 続きを読む
2018/03/24 by おにけん
米澤穂信
米澤穂信の短編集「儚い羊たちの祝宴」は、ミステリ短編集というよりは、ホラー短編集という趣が強いように感じられた。それぞれが独立した短編作品となっているが、共通項がいくつかあり、女性が主人公、資産家の屋敷、"バベルの会"というものが挙げられる。「身内に不幸がありまして」昭和のミステリ作品を思わせるような内容と雰囲気がマッチした作品。タイトルに付けられている一言が、ラストで大きな効果を挙げている。「北の館の罪人」資産家の館で働く事になった女性の視点から、その館に閉じ込められている人物の謎について言及していく内容になっている。これもまた、うまくどんでん返しが用いられた作品だと思う。館に閉じ込められている人物の不可解な買い物という謎だけにとどまらず、資産家の家族全体を前面に押し出してくるような、終盤の展開が見事だ。「山荘秘聞」山の中の山荘の管理を任された女性の物語。いかにもという展開がなされながらも、読者の予想を上まわる展開に裏切られることになる。極めて現実的な主人公による現実的な作品だ。「玉野五十鈴の誉れ」資産家の娘とその使用人の娘との物語。設定は「身内に不幸がありまして」に似ているのだが、全く異なる話の展開が繰り広げられる。物語の流れとしては、平凡のように思えるのだが、最後に口にされる一言については、この短編集の中で、一番薄ら寒くなる一言であった。「儚い羊たちの晩餐」海外の「料理人」という作品を思わせるような内容。ただ、ちょっと幻想的すぎる内容になってしまったかと思われる。特に、この作品では、他の作品の中に出てきた"バベルの会"そのものについて言及しているせいもあってか、他とは少々趣の異なるものになってしまったと感じられた。他の作品に比べると食い足りない気もするのだが、一連の物語の結末をつけるうえでは必然とも言えるだろう。 >> 続きを読む
2021/05/06 by dreamer
七河迦南
児童養護施設の七海学園教師の春菜は学園に伝わる七つの不思議に出くわしていく。日常の謎を1章ごとに完結させていく連作集。問題が提示されその中に伏線があり、最後は海王さんの力を借りて結論を出していく。そのミステリは性別だったり誤認だったりといった割とオーソドックスなもの。しかし最後の7章でこれまでをひっくり返す推論を出してくる。別に驚くほどではないが、すべてはこの最後のためという展開。この構成は確かに新人らしからぬ見せ所だが、続編もあるらしく見てみたい。 >> 続きを読む
2019/05/28 by オーウェン
奥田英朗
1964年の東京オリンピック開幕までの約40日間。爆破テロを狙った男と、警察の息詰まる攻防が描かれるドラマ。なによりもテロリストになる行く末が他の作品とは大きく異なるのが特徴。普通は危険な思想や、何かしらの恨みが転換してとなるのだろうが、この島崎国男という男は成り行きによってテロリストになっていく。一応ヒロポンという麻薬が大きく関わっているが、それも決定打ではない。オリンピックが開かれることによって流れてくる外国文化が、信念を形作っていく。当時の風俗や文化。また刑事たちの対立や、開会式に向けてのクライマックスの作戦。結構な分量だが、読み応えはしっかりとある。 >> 続きを読む
2019/09/18 by オーウェン
本多孝好
一年後に自殺するために生きる。その心情がよく表現されている。3つの自殺に懐疑心を抱き真相を探る記者。その真相は最後の最後で読者をあっと思わせるうまい作りとなっています。ただハラハラもドキドキもしない、淡々としすぎているのが個人的にふまんだけど読後感に救われる。 >> 続きを読む
2015/11/30 by がーでぶー
池田真紀子 , DeaverJeffery
リンカーン・ライム シリーズです。まさに手に汗握るとはこのことですね。文中に「プリンセス・テンコー」と「マツダ車」が出た所は、一瞬心の中で唸ってしまいました。詳しくは書きませんが、面白いです。下巻が楽しみです。 >> 続きを読む
2021/07/24 by BLUE
ShimoffMarci , 茂木健一郎
人生をもっと幸せに生きるための考え方がかかれているように感じました。自分は人と比べたら楽観的で、あまり辛い思いをせずに生きていますが、そうなるための考え方や方法など、自分が実践してきたことと重なる点がいくつもありました。この本にかかれたことを一つや二つやってみるだけでも、人生幸せに、そして辛い思いをする機会を減らせると思います。『幸せを感じることが少ないなぁ』と思う人に是非読んでみて欲しい一冊です。 >> 続きを読む
2015/09/08 by kzkzk
初野晴
ちょっと気になっていたシリーズを読み始め〜。この学校はアホの子ばっかりね!(穂村さんはどうか思うか知らないけど褒め言葉ですw)日常の謎系にちょっとシリアスなのもありなかなか。ハルタだけでなく草壁先生がいるっていうのがアクセントね。物語冒頭の穂村さんの自己紹介が好きw >> 続きを読む
2016/01/10 by 降りる人
荻原浩
荻原さんらしいユーモアにあふれた短編が7つ。「いじめ電話相談室」は、主人公に対して、よし、よくやった!とすがすがしい気持ちになる物語。「いじめられる方にもなんらかの問題がある」というような記述には大反対だけど。いじめはいじめる方が100%悪い、という姿勢で臨まないと!!「犬猫語完全翻訳機」と「正直メール」は、これぞ荻原ワールドという気がした。おもしろかった~。開発が失敗だということは目に見えているはずなのに・・・でも、きっとどこかでこういうことを夢見て考えて、真面目に取り組んでいる人はいるに違いないと思うと、現実味もあってますます可笑しい。「ガーデンウォーズ」も、ご近所問題がユーモアたっぷりに描かれていて、両者とも憎めない(笑)軽く読めて楽しめて、隙間時間に読むにはぴったりでした。 >> 続きを読む
2021/07/26 by URIKO
亀山郁夫 , フョードル・ドストエフスキー
本書は1865年夏、当時のロシアの首都サンクトペテルブルグが舞台となっています。農奴解放前夜1850年代末~60年代半ばにかけて首都ペテルブルグの犯罪率は高まり、一大犯罪都市のごとき観を呈していたらしい。巻末ではモデルとなった事件がいくつか紹介されています。主人公・ラスコーリニコフが罪を犯し、その後の精神状態が詳細に描かれています。熱に浮かされ、鬱屈とした日々。貧困にも関わらず、お金を大切にしないところも異常をきたしているからでしょうか。そして犯罪者心理としては、殺害現場に戻ってしまうのですね。彼の罪が表沙汰になってしまうと、母とこれから結婚する妹はどうなってしまうんだとハラハラしながら読んでいました。いまいち殺人の動機がよくわからず、ラスコーリニコフに感情移入することができません。『ひとつの命とひきかえに、何千もの命を救える』と作品紹介に書かれていますが、本当にこのような目的があっての殺人だったのか。それともただの妄想なのか。「白痴」とは違い、ドストエフスキーの思想が多く入り込んでいないので、ストーリーを追えばいい分読みやすく感じました。ラスコーリニコフが最終的にどのような選択をするのかが楽しみです。私は罪の意識に苛まれ、自首すると思っています。もちろんそれだけでは終わらないのでしょうけど。 >> 続きを読む
2017/09/20 by あすか
楡周平
父の転勤に伴い渡米し、フィラデルフィアのミリタリースクールで聡明な頭脳と強靱な肉体を造り上げた朝倉恭介。その彼を悲劇が見舞う。航空機事故で両親が他界したのだ。さらに正当防衛で暴漢二人を殺害。以来、恭介は、全身全霊を賭して「悪」の世界で生きていくことを決意する。彼が創出したのは、コンピューター・ネットワークを駆使したコカイン密輸の完璧なシステムだった。楡周平さんのデビュー作です。巻末をみると、どうやら本作の主人公・朝倉恭介を主人公もしくは関わらせた作品6作がシリーズとしてあるということです。最後までお付き合いできるかわかりませんが、次作の『猛禽の宴』は読もうと思いました。2005年に宝島社さんから文庫化されたものを、2008年に角川書店が再度、文庫化したものです。ですから、単行本として出版されたのは2005年より1年以上以前のことだろうと推察されます。ハードボイルドの主人公としての条件をすべて兼ね備えている朝倉恭介、兼ね備え過ぎていて気味が悪いほど。資質は超級、教育は熱心な両親からたたき込まれ、敢えて青春時代を厳しい環境におかれた青年です。アメリカのエリート大在学中に両親を飛行機事故で亡くし、その後はひたすら自分を鍛え上げ、文武両道、まさしく人間凶器と化した恭介には正義にゆくか、ひたすら悪の道をゆくか、大きく二つの選択肢を選ぶことができました。そして選び取った選択肢、それは安定とは程遠い、生きているという実感を得られるアウトローの途でした。大学在学中に得たコネクションを活かし、東京への薬物の密輸ルートを開拓、自らオペレーションを始める恭介。いちどの密輸で得られる巨額の利益。しかし恭介の興味は利益にはなく、ただひたすら、その利益を生むシステムの構築と運用にありました。ファミリーの信頼を勝ち取り、徐々に組織内での地位も上がってゆく恭介でしたが、慢心ならぬ細心すぎた故に、思わぬ落とし穴にはまりこむのでした。これ以上ないと言っていいほど、「悪」のエリートとしての条件を兼ね備えた朝倉恭介。こんな奴はいない、ここまでの英才教育を受け、結果を残している者ならば少なくとも悪の道には走らない、悪事を働くにしても陽の当たる道の途上であくまで合法的に行う…という感想はあまりにも現実過ぎていて面白味がありません。こんなにも優れた人材が、刹那的な、悪の道に走ることを描くからこそのフィクション、エンタテインメントです。知性溢れた頭脳が創り上げたコカインの密輸方法は大胆不敵、かつ巧妙です。薬物についてや、密輸について、たいへん勉強になりました。日本とアメリカで成長期を過ごした恭介が、日本社会を客観視して、それに全く染まらないというのも興味深かったです。日本とアメリカ、どちらかを選ぶとき、きっとどちらをも経験した者ならアメリカを選ぶのでしょう。東京が薬物に汚染されても、中国系か台湾系かわかりませんが、大陸マフィアがのしてきても関係ないのでしょう。愛国心というものをもった日本人が存在するのか。本作はそんな問いをも投げかけているような気がします。 >> 続きを読む
2015/03/19 by 課長代理
海堂尊
「死者の言葉に耳を傾けないと、医療は傲慢になる」幼馴染である新聞記者・別宮葉子から碧翠院桜宮病院で連続する不審死の正体を暴くためスパイとして潜入捜査を依頼された東城大学医学部生の天馬大吉のお話桜宮の最先端治療を結集した東城大学医学部付属病院とその下請けとも言うべき終末期医療と死亡時医学検索を受け持つ碧翠院桜宮病院この病院間で起きる桜宮医療界の光と影この作品は田口・白鳥シリーズ(バチスタシリーズ)と対を成す物語で、以後、最終巻の『ケルベロスの肖像』『輝天炎上』で重要なエピソードとして用いられる物語である田口・白鳥シリーズと比べてみてもミステリー色が強い方かな事件の真実に繋がる伏線が随所に隠されていたりして過去の事故と事件・・・・・これはビックリ!!ロジカル・モンスターこと、厚生労働省医政中立第三者機関医療事故調査委員会設置推進準備室室長・白鳥圭輔と碧翠院桜宮病院の医院長・桜宮巖雄の対決これも見もの!!ただ・・・・終末期医療の問題点を定義しながらそれ自体をミステリーとして仕上げた・・・・ちょっとお話にのめり込めなかったかなー・・・・・「本当に、詰めが甘いんだから」・・・・・そして、物語は、『ケルベロスの肖像』へ続く・・・・・・http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-265.html >> 続きを読む
2013/04/14 by momokeita
飴村行
驚異の人物設定と異形の怪物達が、愛憎交え奇妙な物語を織りなす、粘膜シリーズの第1作である。全作と比較すると、飴村の雰囲気を味わうに丁度いい話ではあるが、どこか予定調和気味でスッキリしなかったので評価は低めになる。興味がある方は『粘膜蜥蜴と『粘膜兄弟』をオススメします。どちらも長編ではありますが、それに見合った夢中になる他にはない魅力を秘めた、作品です。 >> 続きを読む
2020/03/24 by IQ33人
曽根 圭介
装丁だけでもホラー作品と分かりそうだが、ホラーというよりはブラックな後味を残す3つの作品群という感じ。「熱帯夜」借金を抱える夫婦の元へ借金取りが脅迫をかける。そこにたまたまいた僕。夫が実家に金の工面を求めるため向かい、妻と僕と借金取りが残る。車パートと家のパート交互に描いていき、実はこうでしたと明かす構成。ほぼ全員にブラックな結末が待っているというのは笑える。表題作は高齢化社会に厳しい是非を問いかける中身。召集されるだとかヤバ目の内容で進んでいき、実は繋がりがあったということ。1作目はそんなに感じなかったけど、こういう作風だと他作品も見たくなる。 >> 続きを読む
2019/06/27 by オーウェン
家出友達いじめ児童会長大人っぽい影響力のある子供最初のお話で二人とも男の子だと思っていた。名前や、性格、志の高さ、家出をする勇気などできっとこの子は男の子だろうと思いながら話を進めていました。雰囲気や、イメージで捉えてしまうことが多いのではっとさせられました。 >> 続きを読む
2015/12/04 by -water-
北山猛邦
物々しい機械が、錆びつくまま放置された雪の孤島。世界の終末を思わせるモノクロームの光景。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」とルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」をかけあわせるがごとく、鏡の世界で不可思議な犯罪が粛々と進行する。第24回メフィスト賞を受賞したデビュー作『「クロック城」殺人事件』に始まる"城シリーズ"の3作目の作品だが、作品としては独立している。かつて朝鮮戦争の補給基地だったと噂される孤島、江利カ島。誰もその正体を知らないアイテム「アリス・ミラー」を入手せんと集められた探偵たちはしかし、連続殺人の生贄となっていく。鏡の上に置かれた死体は、硫酸で顔を焼かれ、合わせ鏡の部屋で、アリスは鏡の中に消える。各章の扉には、チェス盤が描かれ、白の駒が物語の進行にあわせて、ひとつずつ屠られていく。徹底して冷たく無機質でありながら、だからこそ、むしろ人間という存在の悲痛さが浮き彫りになる。ハウダニットに瞠目し、ホワイダニットに唖然とし、最後にフーダニットが解き明かされる時、読み手である我々は、鏡の向こう側を覗きこむことになるのだ。 >> 続きを読む
2020/04/03 by dreamer
出版年月 - 2008年10月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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