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2009年7月発行の書籍

人気の作品

      一九八四年

      高橋和久 , ジョージ・オーウェル

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Tukiwami
      • 【絶望的な未来社会】
         ディストピア小説の古典的名作をようやく読んでみました。
         舞台となるのは世界が3大国家により分割統治されている未来社会です。
         時代は……おそらく1984年。
         「おそらく」というのは、主人公が住んでいるここオセアニアでは、年代が故意にぼやかされているようで、実のところ何年なのかよく分からなくなっているのです。

         オセアニアは、党による独裁がしかれており、全体主義、社会主義国家になっています。
         主人公のウィンストンは、ロンドンで党外郭の人間の一人として真理省に勤務しています。
         ウィンストンがやっている仕事は過去の歴史の改竄です。

         党が将来の経済などを予測して発表するわけですが、そのとおりにはならないわけですね。
         そうすると、真理省が過去に発表した将来予測を書き換えてしまうのです。
         それだけではなく、都合の悪い過去はどんどん改竄され、最初からそういうものだったとされてしまいます。
         ですから、過去がどんな状態だったのか、今はいったいいつなのかなどが分からなくなってしまっているのです。

         そんなことをしても人間の記憶は消せないのだから無意味だと思いますよね。
         でも、オセアニアの人たちは、『二重思考』と呼ばれる現実隠蔽の考え方を叩き込まれており、実際のところがどうであれ、党が発表することが真実なのだと頭から思い込み、それに反する思考はすべて自分の中でシャットアウトするようになっているのでした。

         町中至る所に『テレスクリーン』と呼ばれる装置が設置されており、これは双方向のテレビのようなもので、人びとの姿や声は四六時中党によって監視されています。
         万一、党の方針に反するようなことを言ったり、党の指示に従わないような行動が見られた場合には、即座に『思考警察』がやってきて抹殺されてしまうのです。
         そう、もとからそんな人間などは存在しなかったものとされてしまうのですね。

         この世界を支えているのは人口の約85%を占める、プロールと呼ばれる下層民です。
         彼らは、劣悪な環境で、労働力としてだけ存在意義を認められており、党もプロールが何をしようがどんなことを考えようが、そんなことは知ったことではないのです。
         叛乱など起こさず、従順に労働さえすればそれでよろしい。

         世界は、もう何年も前から戦争状態が継続しています。
         しかし、一体どこの国と闘っているというのでしょう?
         昨日まではユーラシアと闘っていたはずなのに、ある日突然、敵はイースタシアであると党のアナウンスがあり、そうなんだとみんな頭から信じ込んでしまうというとんでもない世界です。

         この世界のリーダーは、『ビッグ・ブラザー』と呼ばれている人物なのですが、実在するのかどうかも不明です。
         ただ、町中に『ビッグ・ブラザー』の、じっと見つめるような肖像写真が貼られまくっているのですが。
         
         この様な世界に反対する勢力もいる……とかいないとか。
         かつて、エマニュエル・ゴールドスタインという党中枢にいた人物が、革命に反旗を翻し、世界のどこかに潜伏して反革命活動をしていると言われてはいるのですが。
         党は、人民に対して、ゴールドスタインを徹底的に憎むように教育しており、毎日『二分間憎悪』と呼ばれる、洗脳的なプログラムを強制しているのです。

         ウィンストンは、この様な社会の有り様に疑問を抱き始めています。
         党により過去の歴史が改竄されていくことが納得できず、日記をつけ始めてしまうのです。
         もし見つかりでもしたら、すぐに『思考警察』がやってきて抹殺されてしまうような危険な行為です。
         自分でも何のためにそんなことをしているのかよく分からないのですが、『テレスクリーン』から隠れるようにして日記をつけ続けてしまうのですね。

         ある時、ウィンストンは同じ真理省に勤務するジューリアという女性からラブ・レターを密かに受け取ります。
         これも完全に反党的行為であり、見つかったら処刑されるでしょう。
         はじめは、ジューリアこそが思考警察であり、自分を罠にはめようとしているのではないかとの疑いをぬぐい切れませんでしたが、ジューリアも反党的な思想を持つ女性だということが分かったのです。
         二人は、人の目を避けるようにして危険な逢瀬を続けます。

         という、大変恐ろしい未来社会が描かれた作品です。
         そこには何の望みも、楽しみもなく、ただひたすら党に服従することだけが求められている世界です。
         物質的にも、わざと窮乏するような生産調整が行われており、党外郭の人間は、自分をプロールと比較することによって、幸せなのだという錯覚をして生きていくだけなのですね。
         あぁ、恐ろしい。
        >> 続きを読む

        2019/10/13 by ef177

    • 他15人がレビュー登録、 60人が本棚登録しています
      図書館の神様

      瀬尾まいこ

      筑摩書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tukiwami
      • 清く正しく生きてきた清(きよ)。
        何事にも誠実に取り組む性格で、特にバレーボールに全てを注いでいた。
        しかしある事がきっかけで全て崩れてしまい、バレーボールを辞めて、不倫を誠実にするという不合理な恋愛をするようになった。

        不倫相手からの勧めで高校の講師となった清。
        バレーボールの顧問を希望したが任命されたのは部員1名の文芸部。

        部長の垣内君はスポーツが得意なのに、それ以上に文学にハマってしまった高校三年生。

        彼との出会いで清は少しずつ変わっていく…。

        というお話。

        特別何か大きい事件もなく、淡々と時が流れていくのだけど、生きていく上での大事なことがうっすらじんわり感じられる本。

        「のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする。」

        垣内君の言葉で清が自分にとっての「それ」は何なのか考えたように、読後自分も物思いに耽ってみた。

        垣内君もいいキャラだが、清の弟や不倫相手も清にとって大きな影響を与える人物だ。

        今の自分を構成している周りの人達のことも思い返せる機会になった。

        序盤は少し重い内容だけど、ぼんやり読んで、ぼんやり暖かくなる、そんな本でした。

        追記
        なぜ図書室の話なのに図書館というタイトルなんだろう…
        >> 続きを読む

        2021/01/24 by 豚の確認

      • コメント 2件
    • 他8人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      赤い指

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 加賀恭一郎シリーズの大ファンです。
        渋い・・・。
        加賀さん相手には何も誤魔化せないなと。
        ちょっとした一言で全てが暴かれていくのが面白い。
        映画とは違って、加賀さんの細かい心境も伝わってくるのが、小説のいいところ。

        一見、どこにでもいそうな家族で、
        自分の身の周りにも起きてもおかしくないところが怖いところです。

        タイトルにある「赤い指」の意味がわかった時、
        スッキリするかと思ったのですが、結局何となくもやもやが残った作品でした。
        >> 続きを読む

        2021/08/14 by 藤堂修

    • 他7人がレビュー登録、 64人が本棚登録しています
      陽気なギャングの日常と襲撃 長編サスペンス

      伊坂幸太郎

      祥伝社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 再読。
        愉快なギャング達と再会!

        『陽気なギャングが地球を回す』の続編。
        まぁ前作を読んでた方が楽しめるかな。読んでる方が無難無難。
        ギャング達4人の日常に描かれた短編がいつのまにか1つの長編につながっていく。

        第3者視線から語られるギャング達の日常がすごく面白い。
        各々のパートを経て、4人が集結する場面はなんかちょっと感動的でもあって、自分はホントこのギャングたちが大好きなんだなぁと実感。
        特にギャングメンバーの響野が愛すべきいじられキャラで最高。
        なんとなく伊坂先生も響野のシーンを書いてるときが一番楽しそうな気がする。

        あ、それと本編とは直接関係のないボーナストラックが巻末に収録されてるんだけど、そっちも秀逸。
        4人それぞれがさりげない登場の仕方で人助けをするのが、微笑ましくてニヤニヤしちゃう。

        あぁいつか僕もこんな陽気なギャングたちの仲間に入れてほしい。
        >> 続きを読む

        2018/08/05 by ねごと

    • 他7人がレビュー登録、 78人が本棚登録しています
      コインロッカー・ベイビーズ

      村上龍

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! KEMURINO
      • 文庫新装版を復読。ぎっしり文字が詰まった全34章、562頁の長編大作。

        どの章も衝撃と狂気の連続! 時間を経て再読しても火傷しそうな熱量は全く変わらないなぁ。

        社会の重圧や不条理から逃れられない屈折と反発が底知れぬエネルギーと化して人々を突き動かしてゆくカオス感がスゴイ。

        キク、ハシ、アネモネって社会からはみ出てて、クレージーでアナーキーだけど憎めないのはなぜだろう?

        人は産声を上げた瞬間から、見えない「外圧」を弾き返すビート(鼓動)を刻んでいるからかもしれない。
        >> 続きを読む

        2022/03/06 by まきたろう

    • 他6人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      ソードアート・オンライン

      川原礫

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • すごく良かったです。
        みんな戦っているんだと思いました。

        >> 続きを読む

        2019/07/05 by GEED

    • 他5人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      獣の奏者(そうじゃ)

      上橋菜穂子

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! niwashi kohaku Tukiwami
      • 長男に勧められ、シリーズ読み始めました。作者は『鹿の王』で屋大賞を取った上橋菜穂子さん。お初の作家です。
        長男の話ではNHKでアニメ化にもなったそうで。
        Ⅰは闘蛇編。主人公のエリンが住む、闘蛇村でのお話しから母の死そして蜂使いのジョウンに救われ、蜂使いの生活の日々までが描変えている。闘蛇編は序章といったところでしょうか?
        異世界と実在しない獣が登場するバリバリのファンタジー。
        登場人物が多く、ちょっと一覧を見ないとわからないですが、
        とにかくエンディングでこれは次も読めねばと長男にシリーズ全巻借りました。
        王獣編が楽しみです!!

        >> 続きを読む

        2021/02/05 by わくさん

    • 他5人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      神様のカルテ

      夏川草介

      小学館
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! masa920
      • 長野県松本市の地域医療に携わる医師のお話です。
        私は医療関係には疎いし苦手ですが、語り手である主人公の古風な喋り方とテンポの良さで楽しく読むことが出来ました。地域医療の問題、日々出会う様々な患者との接し方、病院で働く中での心の持ち方に読み入ってしまいます。悩んだり細君に癒されながら働く主人公にはきっと好感が持てるので、どんどん頁を進めたくなる本だと思います。 >> 続きを読む

        2018/04/09 by nona

    • 他4人がレビュー登録、 29人が本棚登録しています
      サマーウォーズ

      角川書店 , マッドハウス , 細田守 , 日本テレビ放送網株式会社 , 岩井恭平

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      •  夏に夏の映画を観ようとDVDで本編を鑑賞してからのノベライズ版。
         著者はライトノベル作家と言うことで、映画版のスタッフではないのかもしれない。
         映画本編を基本忠実になぞり、映画ではテンポ重視でさらっと流してしまった部分を細かにフォローしていく作り。
         その時その時の心理描写や、映画で説明しきれなかった設定周りなどを小説の文法で不自然ではない形で添えていく。
         わたしの理想なノベライズのひとつの完成形。
         なので、内容については敢えて語らず。
         まず映画を観て、それから読むとより面白くなると思う作品。
        >> 続きを読む

        2021/08/19 by 猿山リム

    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち

      内田樹

      講談社
      3.8
      いいね!
      • 恐らく、内田さんのいう若者の範囲の中に
        僕も入っているのだろう。
        若者を今を表す表現の中に、妙に納得してしまう事が多かった。

        物事の回答がすぐに求められる今。
        情報がすぐに探せてしまい、それを信じ込んでしまう今。

        やはり自分という受け皿にすぐに何か良いものが
        入り込まないと、自分の存在意義みたいなものが
        ないように感じてしまう。
        それを焦るばかりに意味のないものに対して
        消費社会であることを悪用して
        何に対しても取引をはじめてしまう。

        要はもう少し余裕を持てってことなんだろうけど
        そんな事にも気付けずに過ごすように
        世の中を作ってしまったんだろう。

        北野武の間の話とも通じるところ。
        >> 続きを読む

        2015/08/23 by KMHT

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      看守眼

      横山秀夫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      •  『陰の季節、動機、顔FACE、深追い、第三の時効、影踏み』と横山さんの短編を読んできたが、私は、この短編集が一番好きだ。中でも、自分にもたらされた不幸を盾に、誠実さを失い欲に走ったために地金を見極められてしまうという『自伝』は、名作だと思う。

         不可抗力によってもたらされる事件、自分の不注意が原因で起こる事故、いずれも見ようとしなければ見えないし、隠そうとすればするほど大きくなる可能性を持っている。また、誰もが自分の不幸には敏感だが、自分の幸運には鈍感であり、陰で悔しがっている人に気がつかないものである。
        >> 続きを読む

        2014/09/02 by カカポ

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      太陽を曳く馬

      高村薫

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      2.3
      いいね!
      • 最近とりつかれたように髙村薫に取り組んでいるが、両親が告訴したために、仏教施設で事故死した青年について調べていくのだが、巻末で元オウム信者だとわかって、うむ、という作品。警察小説で、トリックがどうだという作品でもなく、さりとて読んでいて事件解明の流れが理解しやすいかといえばそうでもない。盛り上がりに欠けるが、なぜか読みすすめてしまう。 >> 続きを読む

        2020/06/25 by 和田久生

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      フリーター、家を買う。

      有川浩

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! konil
      • フリーターである主人公が母の心の病をきっかけに一念発起し、徐々に働く人間として頭角を現していく話。実に痛快! >> 続きを読む

        2017/04/25 by konil

    • 他2人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      切れない糸

      坂木司

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 日常ミステリーを読みたくなったら坂木司
        お仕事ミステリー読みたくなったら坂木司
        ほんわかミステリー読みたくなったら坂木司

        和也は卒業を控えた大学生。
        彼の周りには困って助けを求める動物が何故か現れる。
        彼は特に動物が好きなわけではないが、いたいけな目で見上げられてスルー出来る程の図太さは持っていない。
        今までも子猫や子犬、イグアナや鳥さまざまな動物を不本意ながら助けて来た。

        そんな和也の父が急死する。家族が意気消沈し引きこもっているのを背中を押してくれたのは従業員たちだった。
        和也の家の家業はクリーニング屋。父が集荷配達、仕上げ職人のシゲさん、母と3人の快活なおばちゃんがカウンターで愛想を振りまき、高い技術も有り、町の皆から愛されている店だった。

        就職を止め和也は父の役目である集荷配達を務める事となったが、軽く考えていた彼は、営業能力、知識、観察力を要求される事に驚いた。
        そんな彼の元に、困った動物ではなく、洋服を通じて人々が持ち込んでくるトラブルに向き合う事になったので有った。

        神のような洞察力を持つ沢田。彼は大学の同級生。色々な人から相談を受けアドバイスをするが、彼自身は人と深く関わらず遠巻きにしてしまう性質を持つが和也とは馬が合い彼自身変わっていく事となる。

        和也が生まれる前から務めているアイロンの魔術師シゲさん。彼は和也の良き相談相手であり、仕事の師匠。買い食い好きでおやつ仲間でもある。

        この2人に助けて貰いながらトラブルを解決する毎に、仕事の楽しさ、商店街の奥深さを感じて行くのであった。


        さてさてこれもまた坂木さんお得意のお仕事ミステリーです。誰も死なないミステリーを読みたい時にはとても助かる作家さんです。沢山人が死ぬ本と交互に読むと、ポテチとケーキの関係のように交互においしく食べる事が出来るのであります。甘いしょっぱい甘いしょっぱい甘いしょっぱい。

        登場人物がいい事言ってました
        「きちんと機能している商店街っていうのは、小さな規模のプロフェッショナル集団だと俺は思う」

        クリーニング屋さんの大変さが分かったので、せめてポケットの中は点検してからいく事と致します(´・ω・`)
        >> 続きを読む

        2015/05/09 by ありんこ

      • コメント 17件
    • 他2人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      ばらかもん

      ヨシノサツキ

      スクウェア・エニックス
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.3
      いいね!
      • 匿名

        センチメンタルな独り言に「そーか」と返される先生が笑える。

        2014/09/18 by 匿名

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状 奇跡の招待状

      村山 早紀

      ジャイブ
      4.2
      いいね!
      • 新装版の第2弾、命の巡り逢いと、物語からの見出せる希望の光が温かく優しい。悲しい訃報続きで気持ち的にブルーになっていたのもあって、読んでいてちょっと涙ぐんでしまいました。 >> 続きを読む

        2019/02/16 by aki0427k

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      オール1の落ちこぼれ、教師になる

      宮本延春

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:個人伝記
      4.0
      いいね!
      • 実話か?と疑いたくなるような経歴の持ち主.
        中学1年でオール1だったパーフェクトな落ちこぼれだった著者が,
        最終的には名古屋大学大学院で理学の修士までとり,現在教師をしているという.同じく落ちこぼれだった私も共感できた.

        著者の学ぶという行為の定義?が明快だった.要約すると,
        「自分にとって価値ある目標を達成する(全ての)努力が『学ぶ』という行為」

        ということらしい.落ちこぼれの気持ちが分かる,だけでも素晴らしいが,著者は温かみが感じられる人柄なだけでなく,最終的には苦手な勉強も研究者レベルまで到達しているところが立派.大器晩成というが,多分著者は本物の人間なのだろう.
        >> 続きを読む

        2015/01/29 by 物理と数学

      • コメント 4件
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      ふちなしのかがみ

      辻村深月

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ほんとうにこわいのは、なに?この世のものでない怪異は、人の心の闇が呼び寄せてしまうものかもしれない。

        そんな作品でした。すんごくこわくて続々するのに、怖がらせようっていうよらりも人間の弱さ、ずるさ、切なさが際立つ作品でした。不思議な話も。

        どうしてもどうしてもおとうさんしたいがあるよが迷路になったので誰かと議論したいですし、もう一度読み返そうと思います。

        でも、それだけ心に残る作品って素敵だと思います。死体はどこまで現実だったのか、最後の葬式は誰のものなのか、謎に答えを提示してしまうのは簡単だけど、実際は答えなんてわからないものだらけなのかも。ブランコの話だって、なんで死んだのかほんとのとこ誰にもわからないし、明らかにはされてない。そんなものかもね。

        最後の話は切なかったです。大人になってからされる種明かし。子供の時の悲しい思い出。それでもそれは幸せな思い出に変わったと思う。ずるいとか弱いとかあっても架空の友達や嘘を時に混ぜないと生きられない子供の世界。いや、大人も同じか。ほんとうになればいいのにという願いが叶った裏側には悲しい真実があったとしても、三人過ごした時間だけは絶対に嘘じゃない。嘘じゃない幸福な思い出が二人のこれからを結んでくれますように。
        >> 続きを読む

        2019/06/30 by kaoru-yuzu

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      白雪堂

      瀧羽麻子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 入社したばかりの新入社員とは思えないような素晴らしい働き方をする女の子でした!

        粧品会社に入社し、マーケティング部門で働き始めた女の子が、看板商品の30周年記念キャンペーン担当として走り回る1年が描かれています。

        働いているといろいろなことがありますが、時には落ち込みながらも、しかし前に進んでいく姿。
        働きはじめた自分の会社や、製品に対する愛情も素晴らしく、羨ましく思いました。
        私もこのように働きたいと思います!
        >> 続きを読む

        2016/06/15 by うたかた

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      同期

      今野敏

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! ooitee
      • 暴力団事務所をガサ入れした際に、危ういところを救ってくれたのは、同期の公安部刑事の蘇我だった。
        それから3日後、その蘇我が、突然、懲戒免職となったうえに、行方知れずとなる。

        主人公で警視庁捜査一課の刑事の宇田川が、同期として、蘇我のことが気になり、個人的に調べようとすると、何故か警察組織の上部から妨げが入る。

        さらに、暴力団組員の殺人事件が2件続いて発生し、捜査本部に招集されると、何とその容疑者として蘇我の名前が挙がっていたのだ。
        一体、蘇我の身に何があったのか?-------。

        暴力団同士の抗争による殺人事件という、捜査方針の下、組織対策本部四課の主導で組織された、特別捜査本部に加わって捜査に邁進する一方、宇田川は、蘇我の謎を追い求める、というストーリーになっている。

        いかにも、サスペンス小説という様相でストーリーは展開していきますが、この作品の主眼は、警察組織と、それを構成する刑事たちを描くことにある、と言って間違いないだろう。

        暴力団抗争事件なのか、殺人事件なのか。
        捜査の主導権を巡って、組対と刑事の対立、さらに背後に公安の影がちらつく。

        何も知らされず、上層部に指示されるまま、捜査を進めようとする管理者たち。
        それに対し、現場の刑事たちは、黙々と指示に従って捜査に当たりながらも、組対部あるいは刑事部という枠組みを越え、誇りをもって事件の捜査に当たろうとする。

        いみじくも、その刑事魂をこの事件で揉まれ上げられることになるのが、主人公の宇田川であり、その象徴として、警察上層部から様々な圧力を受けることになるという展開になってくる。

        当初、主人公像としては、頼りなかった宇田川だが、ストーリーが進むにつれ、次第に硬骨漢ぶりを発揮していくところが、味わいの一つだ。

        もちろん、その背後に、彼をバックアップするベテラン刑事たちがいて、こんな事柄に巻き込まれたくはなかったという本音を洩らしつつも、刑事としての誇りを捨てないところが、これまたこの作品の味わい深いところで、そんな刑事たちの姿こそ、この作品の魅力なのだと思う。

        サスペンスとして面白かったかどうかは別として、警察組織そのものを描いた作品としても注目に値する作品だ。

        警察小説も面白くなったものだなというのが、読み終えた後の率直な感想ですね。

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        2021/08/06 by dreamer

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