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2009年8月発行の書籍

人気の作品

      空飛ぶタイヤ

      池井戸潤

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! ryoji
      • 先見の明があった本の解説の大沢在昌に乾杯!

        上下巻通して読んだ感想である。
        赤松運送の大型トレーラーが走行中、ブレーキをかけた拍子にタイヤが脱輪し、歩道を歩いていた主婦に当り、死亡事故を起こした。運送会社の整備不良が原因と片付けられるが、赤松社長は納得出来ない。そこから反撃に出るのだが、製造したホープ自動車のみならず、その系列のホープ銀行、情報を嗅ぎ付けた週刊誌等が、この事件に関与していく。
        よりによって、なんでウチなのだ。こんなに人がたくさんいて、いい加減な生き方をしている奴だって一杯いるだろうに。死にたいと思っている連中だって一杯いるだろうに。なんでウチなのだ! と嘆く被害者の夫。その小学生の子どもは、かみさまにひとつだけおねがいするとしたら、もういちど、ママとおはなしさせてくださいと、追悼文集に書いていた。
        この被害者側も制裁的慰謝料1億5千万を求めて裁判に訴える事となり、更に副次的には赤松社長の子供が小学校でイジメを受けるのだ。
        四面楚歌、八方塞がりの中で、どう展開していくのか? やはり下巻が圧巻だ。週刊誌頼みだったのが、その記者は圧力で屈し、結局、赤松社長はコツコツと一人で真相を辿っていかざるを得なくなる。多彩な人物がそこに配置され、その人物たちとの言葉の応酬に迫力があり、それでも赤松の一難去ってまた一難は続く。
        吹けば飛ぶような小さな運送会社が、大企業ホープ自動車に立ち向かう構図はサマになるが、現実は厳しく、知らず知らずのうちに手に力が入る。映画も観たが、視覚的に分かりやすさ感はあるものの、丁寧なつくりは本にかなわない。
        本書の解説が大沢在昌なので、少しばかりびっくりした。ミステリー作家が何故解説するのか? 池井戸潤は江戸川乱歩賞を受賞しており、当時、その選考委員が大沢在昌で、強く推したらしい。秀逸なのは先見の明である。本書の解説を書いている時点で、 池井戸潤はまだ直木賞を受賞していないし、半沢直樹で大化けもしていないのに、大沢在昌はこう書いている。ちかい将来、池井戸潤は大きな話題を生む作品を書くだろう。「リーチがかかっている」状態に彼はある。私は、それを楽しみにしている、と。
        >> 続きを読む

        2020/07/03 by UZUKI0410

    • 他10人がレビュー登録、 58人が本棚登録しています
      空飛ぶタイヤ

      池井戸潤

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! tanreinama ryoji
      • 読んでいて、本当に辛くなりました。
        きっと最後はなんとかなるんだろうと分かっていても、上下巻と長いのでこれでもかという程に赤松社長に試練が立ちはだかります。
        早く救われて欲しいと思いながら読んでしまうので下巻はあっという間に読み終わりました。

        自分の立場であればここまで戦えないし、途中自殺を考えてしまうシーンは涙が出そうでした。心情がリアルに描かれているので、感情移入してしまいます。
        そして、大企業と中小企業でここまで扱いに差が出るのかと悔しい気持ちにもなります。

        最終的には赤松社長の成果というより1人の人間の企業へ対しての心変わりが決定打となったようには感じますが(もちろんその過程には赤松社長の行動が影響されていたとは思いますが)、やはり最後の大逆転は気持ち良かったです。
        もう一度読みたいとはあまり思えないですが、非常に心を掴まれる作品でした。
        >> 続きを読む

        2019/09/01 by こゆり

      • コメント 1件
    • 他7人がレビュー登録、 39人が本棚登録しています
      シャドウ

      道尾秀介

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! ooitee
      • 道尾秀介の「シャドウ」は、読み出したらページを繰る手ももどかしいほど、一気に読まされてしまう本格ミステリの傑作だ。

        父親同士、母親同士、子供同士が同級生で、家族ぐるみで親しい付き合いをしていた我茂家と水城家。

        だが、子供たちが小学5年生になった5月、我茂の妻が病死してしまう。
        その告別式以降、息子の凰介は、憶えのない奇妙な光景が、映像となって目の前に浮ぶという体験をする。

        それから一週間後、今度は水城の妻が、夫の職場である医科大学の屋上から飛び降りて死んだのだ。

        妻の自殺は、自分へのあてつけだと我茂に打ち明ける水城。
        実は、水城は2年前から幻覚を見るようになり、娘の亜紀が交通事故に遭い、凰介は自分の父親に不信を抱くようになる-------。

        心理学用語で「シャドウ」とは、抑圧している自分の影の部分を投影する相手のことを指すそうだ。
        いったい、誰の何が投影されているのか?

        同じ空間にいて同じ時を過ごしながらも、視点の人物によって、その表情が変わっていく。

        この物語に潜む巧妙な仕掛けは、さらに洗練され、みんなの幸せを願う凰介少年ですら怪しい空気を醸し出すんですね。

        やがて導かれる真実は、驚愕だけではない。
        真相のあとに明かされる人間の深い行動心理も、本格ミステリの核に含まれるのだと痛切に感じられる作品だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/09/14 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      新参者

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! ooitee
      • 加賀恭一郎シリーズ8作目。

        日本橋署に転任してきた加賀。
        絞殺された女性の事件解決のため、被害者に所縁の合った人形町を探索する。

        場所のためなのか。作風の変化なのか。
        9つの連続短編集の中は、どれも人情噺のようになっている。

        全てが事件に関わっている事柄であり、小さいことにもこだわる加賀の性格が全編に渡って貫かれている。

        卵焼きだとか煎餅などが紹介されるが、パッションフルーツと杏仁豆腐のゼリーが実に美味しそうに見える。
        >> 続きを読む

        2018/09/05 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 39人が本棚登録しています
      夏への扉

      小尾芙佐 , ロバート・アンスン・ハインライン

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 寒い冬の中にも、人間用のドアの少なくともひとつは、夏の世界に通じているとピートは信じて疑わなかった。
        1970年12月3日、ぼくもいっしょに夏への扉を探し続けていた。

        始まりから惹きつけられる、愛猫ピートとのシーン。登場シーンは決して多くはないのですが、ピートの勇気と可愛らしさに癒される本作です。親友のマイルズと婚約者のベルにこっぴどくやられて悔しい思いをさせられたので…。ダニエルを見ているとジョブズが浮かんできます。この作品、1956年のものですが、ハインラインの先見の明の素晴らしさにニヤリとさせられることが多かったです。
        ダニエルが奮起してからの展開はおもしろく、あっという間に読み終えてしまいました。ネタバレしてしまうとがっかりしてしまうタイプの本なので、予備知識なしで読むのを強くお勧めします。

        主人公ダニーは、2000年という年が大好きだと言っています。未来が好きだというダニエルに、ほっとすると同時に嬉しい思いをさせてもらいました。ハインラインも希望ある未来を描いていたのかな。先の未来がもっと良いものになっていますようにと、2021年を生きている私も思います。

        ―と終盤まで高評価だったのですが、リッキーへの執着にドン引きしてしまい、☆3にしております。。
        受け付けませんでした。
        >> 続きを読む

        2021/04/24 by あすか

      • コメント 2件
    • 他5人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      マグマ

      真山仁

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! ryoji
      • 真山仁の「マグマ」は、東日本大震災により、原発事故が起こる前に描かれた作品であるということに意味があると思う。

        原発の危険性を叫び、地熱発電を発展させようと、四苦八苦する者たちの物語だ。

        外資系ファンドの野上妙子が、上司から再生を命じられた企業は、小さな地熱発電の企業だった。
        正直、この作品が出版された時期は、多少の事故があったとしても、原発全盛の時代だったはずだ。

        それが、原発を否定し、新たなエネルギーとして、地熱発電に目を付けた著者の真山仁は、かなり先見の明があると思う。
        事故が起きた後に、この作品が出版されたとしたら、特別驚くことはなかったと思う。

        まるで事故を予見するかのような流れが素晴らしい。
        地熱発電の素晴らしさは、イマイチ伝わってこないが、原発否定の流れを作り上げているところが凄い。

        俗にいうハゲタカファンドが、「日本地熱開発」を買い取り、地熱発電を日本のメインエネルギーにしようとする。
        国策として、原子力政策がある中で、地熱発電をメインに据えるには、かなりの根回しと労力が必要だろう。

        東日本大震災による、原発事故が起こった現在ならまだしも、原発依存を強めようとしていた時代に、地熱発電へとシフトするには、かなりの理由が必要だ。

        この作品では、外圧と内部の自浄作用により、原発を削減する方向へと流れている。
        ただ、そこまですんなりと進むとは思えない流れであることは確かだ。

        外資系ファンドの強烈なやり口が描かれているのも、特徴かもしれない。
        目的を達成するためには、邪魔なものは全て飲み込んででも、自分の思い通りに物事を動かそうとする。
        そんな外資系ファンドの日本のトップともなると、謀略に長けている。

        純粋に地熱発電を成功させるのとは別に、自分たちの目的を達成するために、あらゆる手段を講じる部分は、非常に恐ろしく感じた。

        企業は、金勘定だけできれば大きく成長するわけではない。
        社員の頑張りをどの程度想定するのか。
        外資系の強烈な目標への熱量を感じずにはいられない。

        地熱は、日本の未来を救うのか。
        謀略が蠢く政治の世界での暗躍と、原子力村と呼ばれる利権を得ている者たちの結束力。

        既得権益を持つ者たちとの戦いというのは、相当な労力が必要だ。
        この作品は、そのあたりを権力を持つ政治家の暗躍と、外資系ファンドの親玉の圧力により覆すという流れがある。

        地熱発電が真に素晴らしく、日本のエネルギー問題を救う可能性があるのなら、現実世界でも、地熱発電がもっと注目されても良いと思うのだが-------。

        そうならないのは、この作品に描かれているのとは、別の理由があるのかもしれない。

        いずれにしろ、東日本大震災前に、この作品が描かれたというのが、なによりの驚きであり、意義のあることだと思う。

        >> 続きを読む

        2021/08/06 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ボトルネック

      米澤穂信

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Ryoun taiji
      • ミステリーでは無いが、終わり方が最高に好きです。金沢の町を舞台にしており、聖地巡礼したくなります。 >> 続きを読む

        2018/03/21 by たい♣

    • 他4人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      アイアムアヒーロー

      花沢健吾

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.2
      いいね!
      • 売れない漫画家志望の助手を勤める鈴木英雄は、不甲斐ない現実に腹立ちながらも、自分だけの妄想に浸る事で、その焦燥から逃れる日々を送る中、彼の世界を侵食するかのような恐怖が足を運ばせる物語。

        静寂に抗うように妄想に耽るは、言いしれぬ虚しさからの逃避行。 

        誰もが同じように眠りに就く深夜に、自分だけが何故か眠れないと、当たり前の世界から取り残されたように錯覚を覚える。
        そんな漠然とした不安が心に立ち込めると、些細な違和感に恐怖の幻影を自ずと創ってしまう。
        無理にでも虚勢を張らないと、この先を逃げるように戦えないのだ。
        >> 続きを読む

        2018/11/17 by ebishi

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      グラーグ57(フィフティセヴン)

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • トム・ロブ・スミスの「グラーグ57」(上・下巻)は、「チャイルド44」の直接の続篇。

        物語は、「チャイルド44」の3年後、1956年に始まる。
        この年は、フルシチョフによるスターリン批判が行なわれた年だ。

        当局者の中には、スターリン時代の投獄者が釈放されたり、既存の政策の間違いを国のトップ(ソ連の指導者の場合は、共産圏のトップであったことにも留意する必要がある)に認められてしまうと、立場が悪くなる者が出て来る。

        あるいは、一部の反体制派が勢いづく。かくて、体制は動揺する可能性が出て来るのだ。
        そして現に、同年秋にはハンガリーで、反ソ連蜂起・ハンガリー動乱が勃発する。

        「グラーグ57」の背景にあるのは、このような社会情勢だ。

        主人公は、「チャイルド44」と同じく、国家保安省捜査官のレオ・デミドフだ。
        前作で彼は、自分が過去に、職務上殺害した人物の娘二人を、贖罪の意味で養女に迎え入れた。

        しかし、この養女が懐かない。特に姉の方のゾーヤは、両親を殺したレオを恨んでいるのだ。
        このように家庭に危機を抱えつつ、レオはモスクワで仕事をしている。

        しかし、スターリン批判の前後から、スターリン時代の捜査官や密告者が、次々に殺されるという事件が発生する。
        レオとその家族にも、魔手が伸びて来る。

        レオは以前、捜査官という身分を偽って、司祭ラーザリに接近し、彼を思想犯として逮捕したことがあった。
        この一件で切れてしまった、ラーザリの妻フラエラは、犯罪組織に身を寄せるようになり、現在はモスクワのギャング団で女ボスにまで上り詰めている。

        自分の生活を壊したレオを恨むフラエラは、養女ゾーヤを人質にとって、レオに対し、ラーザリを収容所から脱獄させろと要求する。
        脅迫に屈したレオは、収容所に囚人として潜入するが、そこでは、自分たちの罪状をでっち上げて投獄した捜査官や、密告者に対する怒りが渦巻いていた。

        レオの正体は、早速ばれてしまい(彼自身が逮捕した囚人もいるのだから当然だ)、大ピンチに陥ってしまうのだ。

        一方、誘拐されたゾーヤは、レオを恨む立場はフラエラと同じだし、彼女の部下の少年マリシュと心を通わせたこともあって、組織に協力するようになった。

        そして舞台は、ソ連に対する憤懣が高まっているハンガリーに移る。
        フラエラはハンガリーで反ソ暴動を扇動しようとしていたのだ。

        復讐にまつわるサスペンスとして始まった物語は、ゾーヤ誘拐以降、一気に冒険小説色を強める。
        当然、劇性は強く、舞台も東はシベリア(収容所)から西はブタペストに及ぶ「グラーグ57」は、前作に比べ、よりダイナミックでスケールが豊かになっている。

        その一方で、シリアスな人間ドラマも楽しめる。
        レオは以前、粛清に邁進していたが、心を入れ替えて正義を追及するようになった。
        彼の妻ライーサは、そんな夫を愛するようになったが、養女の扱いについて、夫に不信感や失望感を抱いてしまう。

        その養女ゾーヤは、レオを両親の敵と信じ、夜中にナイフを片手に彼の枕元に立つことすらある。
        女首領フラエラは、ソ連に対する復讐を決意して夜叉と化した。
        一方、元司祭ラザーリは、収容所の過酷な状況の中で、すっかり性格が暗くなってしまった。

        彼らの葛藤と相克も読みどころの一つだが、やはりソ連の暗部が一番印象に残る。
        全員の上に、当時の共産主義国家の暗黒面が、情け容赦なく圧し掛かっているのだ。

        彼らの苦悩を通して、当時のソ連と東側諸国の歪みが、強烈に臭い立つのだ。
        この他、ストーリーテリングも巧みで、一気に読み通すことができるなど、リーダビリティの面でも万全だ。

        よって、この作品は、稀に見る傑作だ----と言いたいところだが、無視できない欠点がある。

        この作品のプロットは専ら、<レオ=ライーサ=ゾーヤ>と、<ラーザリ=フラエラ>という二組の家族、そして、それらに比べると重要度は低いが、<ゾーヤ=マリシュ>の幼い恋人たちによって織り成される。

        それ以外の主要軸は、存在しない。
        要するに、ストーリーが全て、「極めて近しい」人間関係に拠って立つのだ。

        一方、この作品で扱われる問題は、スターリン批判やハンガリー動乱など、スケールの大きい国家的・国際的なものだ。
        それを作者は、家族や恋人などの人間関係に落とし込んでしまった。

        確かに、この手法は、ソ連という国の歴史について興味を持たない読み手----いきなり国家という大所高所から語られても、ソ連社会の負の側面を感得できない読者----には、感情移入が容易になる、非常に効果的な手法だと思う。

        しかし反面、全てが、「主人公の周辺の人間関係」という卑近なレベルに押し込められてしまい、テーマの真の大きさ、根深さ、重さが抜け落ちてしまうのではないか。

        終盤のハンガリー動乱の段は、特に問題視したい。
        ソ連の犯罪者集団や少年少女が、ハンガリー動乱を扇動し、これにソ連人の主人公が立ち向かうという虚構は、実際のハンガリー国民に悲劇をもたらした史実の前には、娯楽臭があまりにも強過ぎると思う。

        真の当事者である、ハンガリー国民の頭越しに、「グラーグ57」の主要な登場人物を、ここまで出しゃ張らせる必要があったのか、私には疑問が残りましたね。

        >> 続きを読む

        2021/05/31 by dreamer

    • 他3人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      あるキング

      伊坂幸太郎

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      2.8
      いいね!
      • 野球の天才が主人公で、その生涯を中心としたストーリー。
        シェイクスピアの特にマクベスを想起させるエピソード等が混ざっておとぎ話のような雰囲気。

        野球がテーマなので最後スカッとしたり人間関係で葛藤とかがあるかなと少しでも思ったけどそういう方向性ではなかった。
        エンタメ度はちょっと高くないかなー。
        >> 続きを読む

        2020/07/11 by W_W

    • 他3人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      すごい弁当力! 子どもが変わる、家族が変わる、社会が変わる

      佐藤剛史

      五月書房
      5.0
      いいね!
      • 普段何気なく食べている手作り弁当。
        探ってみると奥が深い!深すぎる!
        自分も学生時代、独身時代、母親に毎日作ってもらっていたけれど、いざ、自分がお弁当を作る番になったら、母親のしてくれていた当たり前だと思っていたお弁当の大変さ、愛情をひしひしと感じてます。
        嫌いなものをいかに食べやすくするか、栄養面、彩り、好きなものも入れて…と色んな思いが詰まっているんですよね~。
        お弁当を作ることで、色んな社会が見えてくる、食事のバランス、食べる人への愛情、食の安全、果てには日本の食料自給率…
        子どものうちにお弁当を作らせてみることの大切さ。

        わが子の学校では年に1度、弁当の日、というものがあり、初級は一緒に買い物に行く。献立を考える。詰める。中級は一緒に1品作ってみる。上級は全部自分で作る。今年は半分くらい自分で作らせてみました。自分で作った方が早いけれど、これも子どもを成長させるため、とジッと見守りました。
        お弁当を作れるようになると、いざ、自立したときに、まごまごせずに、食事がつくれるようになりそう。食生活の基盤ができそう。

        毎朝早起きはつらいけれど、さあ、また明日もお弁当作るぞ!という気にさせる1冊でした。
        >> 続きを読む

        2017/06/15 by taiaka45

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      犬の力

      WinslowDon , 東江一紀

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • 評価は勿論だけど、ドン・ウィンズロウの作家としての方向性が大きく変わった3部作の1作目。

        メキシコの麻薬戦争の渦中の中で、DEAの捜査官アート・ケラーは巻き込まれていく。
        そこには麻薬カルテルの兄妹の姿や、娼婦としてのし上がろうとする女。
        そして殺し屋へと成長していく少年などが絡む。

        膨大な登場人物が複雑に交わっていき、一時代を彩る構成。

        序盤から圧倒的なパワーが感じられる文体。
        主要な役と思っていた人物があっさり殺される意外性。

        ラストは更なる混乱が起きること必至な描写であり、この上巻だけでもすごい重量感でした。
        >> 続きを読む

        2021/05/27 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      犬の力

      WinslowDon , 東江一紀

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 下巻はいよいよケラーとバレーラ兄弟に終止符が打たれることに。

        思った以上にノーラの存在感がデカくなり、アダンは元よりカランとも関係を持つ始末。

        そして終盤は主要な人物が集合しての壮絶な殺し合い。
        DEAに加えてFBIとマフィアの銃弾が乱れ飛ぶ。

        エピローグによって生き残った人物たちは第2部へと移行するのだろうが、ケラーの孤独な旅路は終わりそうにない。
        >> 続きを読む

        2021/05/28 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      プリズン・トリック

      遠藤武文

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 江戸川乱歩賞受賞とはいえ、かなり好みの分かれる中身だと思う。

        刑務所内での密室殺人というテーマは面白く、受刑者の行動や刑務所の館内などかなり細かい描写が多い。

        しかし視点が次々移っていく構成はなんとも微妙。
        どの人物に感情移入してよいか迷うし、せっかくのトリックも驚きが少ない印象。
        どうせなら犯人側の視点で見せてもよかった。

        加害者側と被害者側のやり取りは非常にリアルであり、事件とほとんど関わりないが、これは入れて良かったと思う。
        >> 続きを読む

        2018/10/04 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      グラーグ57(フィフティセヴン)

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! Tukiwami
      • 【スターリン体制の爪痕は未だに深く残り続ける】
         本作は、以前レビューした『チャイルド44』の続編です。
         前作で主人公のレオは44人の子供を殺害した犯人を検挙すると共に、それまで勤務していた国家保安省を辞し、党のイデオロギーに拘束されずに一般犯罪を捜査する殺人課の創設を求め、その責任者に就任しました。
         部下には、前作で共に事件解決に当たった地方民警の署長だったネステロフを迎え入れたのです。

         あれから3年。
         スターリンの死後、フルシチョフが権力の座に就くと、これまでの恐怖政治を完全に否定する新たな方針が示されました。
         ただし、フルシチョフの新方針は本来であれば国民に広く知らせることを意図してまではいなかったはずなのに、その原稿が国家保安省の元職員で現在は印刷所の所長を務めているスレンのもとに持ち込まれたのです。
         スレンは、国家の重要な書類の印刷だと騙されてその原稿を大量に印刷してしまうのですが、その際何かに気付いたのか、自ら首を吊って自殺してしまったのです。

         スレンが印刷した文書には、過去、国家保安省が無実の人々を何の証拠も無しに告発し、処刑し、あるいは強制労働収容所送りにしてきた事実が記されており、それは誤りであると否定するフルシチョフの方針が明記されていたのでした。
         そのような文書が市民の間にばらまかれ、また、かつて国家保安省で無実の一般市民を告発してきた捜査官のもとにも送り付けられ始めたのです。

         そのような文書を見たかつての捜査官の中には、自分がこれまでソビエトのためにしてきたことが否定され、今後は自分が糾弾の矢面に立たされることになると知り、家族を巻き添えにして無理心中する者も現れました。
         または、その文書をたてに、過去の過ちを清算させると主張するいわばテロ組織により粛清される者も出始めたのです。
         そのような粛清を進めていたのは、過去に強制労働収容所に送られ、方針転換によって釈放されたフラエラ(本名アニーシャ)が組織した、ヴォリと呼ばれる犯罪集団からはじき出された者らによるテロ組織でした。

         確かに過去の国家保安省の行動は否定されたものの、このような私的粛清までをソビエトが許すわけがなく、KGBへと姿を変えた旧国家保安省は、総力を挙げてフラエラの組織壊滅に乗り出すのですが、一向にその動きをつかめずにいたのです。

         そんな時、レオの元にも新方針を印刷した文書が送り付けられてきました。
         それと共に、レオが妻のライーサと二人で養女として孤児院から引き取った幼い二人の少女のうちのの一人であるゾーヤがフラエラの組織によって誘拐されてしまったのです。
         レオらが二人の少女を引き取ったいきさつについては前作で書かれていますが、レオは、国家保安省の捜査官として働いていた際、ゾーヤとその妹のエレナ姉妹の両親を、暴走した部下が虐殺するのを止めることができず、ゾーヤとエレナは劣悪な孤児院に引き取られてしまったことから、その償いとして二人の姉妹を養女にしたのでした。
         
         まだ幼いエレナはレオにもライーサにもなつき、新しい生活にも順応していったのですが、年上のゾーヤはレオを自分の両親を殺した張本人として考え続け、決してレオを許そうとはせず、夜な夜な包丁を持って眠っているレオのベッドのそばに立つことを繰り返していたのでした。
         そんなゾーヤが誘拐されてしまったのです。

         レオは、フラエラの呼び出しに応じて一人で出かけていきました。
         実は、レオは国家保安省の捜査官だった頃、フラエラの夫であった司祭のラーザリを痛めつけて告発し、強制労働収容所送りにしたことがあったのです。
         しかも、その際、レオはフラエラに対し、夫のラーザリを捨てて自分の所に来いと口説いてもいたのでした。
         しかし、フラエラはレオの誘いを拒み、ラーザリと共に強制労働収容所送りになり、方針転換により一人釈放されていたのです。

         フラエラのことなどすっかり忘れていたレオでしたが、フラエラはレオらに対して復讐することを固く誓っていました。
         その手始めとして、ゾーヤを誘拐して人質にした上、レオに対してラーザリを強制労働収容所から解放するように要求してきたのです。

        フラエラらが元国家保安省の職員らを殺害し始める前であれば、あるいはそれも可能だったかもしれません。
         しかし、既にフラエラらは殺人を繰り返してしまっており、今はKGBによる徹底捜査の対象になってしまっているのです。
         そんな状況下でラーザリを強制労働収容所から釈放するなど、ソビエトが認めるわけがありません。
         レオはそのように説明するのですが、フラエラは聞く耳を持ちません。
        方法はどうでも良いのでラーザリを救出しろ、そうしなければゾーヤを殺すと脅すのでした。

         レオは上司とも相談し、ある計画を立てます。
         それは、レオが囚人に化けて強制労働収容所に潜入し、国家職員を装うネステロフと協力してラーザリを脱獄させるという計画でした。
         ソビエトもそれを裏で支援するということになりました。
         ラーザリをまともに釈放することはできないが、脱走したとなれば普通なら生きて帰れるわけはなく、当然死んだものと考えられるのでそれなら容認できるというのです。
         そして、上層部はそのようにして手に入れたラーザリを餌にしてフラエラらの組織を壊滅させようと考えたというわけなのです。

         レオはさっそくネステロフと共に強制労働収容所に潜入する計画を開始しました。
         レオらが潜入する収容所こそが、タイトルになっている『グラーグ57』と呼ばれている収容所だったのです。
         レオらのこの計画は、次々と起きる不測の事態により大きく狂わされていきます。
         そのため、レオとネステロフの身に危険が迫ります。
         二人は生き延びることができるのか?

         物語は下巻へと続きます。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2021/03/04 by ef177

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      キラークエスチョン 会話は「何を聞くか」で決まる

      山田玲司

      光文社
      カテゴリー:社会学
      3.7
      いいね!
      • キラークエスチョン~会話は「何を聞くか」で決まる~。山田玲司先生の著書。会話のコツ、コミュニケーションのコツは何を話すかではなくて、何を聞くかということ。質問力、キラークエスチョンができる力が円滑な人間関係につながることが学べる良書です。自分自身の反省になってしまうけれど、私は一方的に話しがちで人の話を聞かない馬耳東風になりがち。聞く力が足りないし、場違いでデリカシーにのない違う意味での「キラークエスチョン」をしてしまっていことも頻繁にあるかもと反省。 >> 続きを読む

        2018/10/09 by 香菜子

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      すーちゃん

      益田ミリ

      幻冬舎
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.8
      いいね! KEMURINO
      • 益田ミリさんの初期の作品か・・・。
        最近のつぶやき、ためいき、に比べると
        仕事での人間関係の悩み一辺倒で、こちらまで気が重くなる。

        でも、前に読んだ、「さん家シリーズ」は、あらためてお薦めです。
        >> 続きを読む

        2020/09/11 by ごまめ

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      僕は友達が少ない

      平坂読

      メディアファクトリー
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • パっと見たときに中々に興味を惹かれるタイトルのライトノベルだと思います。

        主人公はそのヤンキーのような外見のせいで友達が出来ずに悩んでいる。ヒロインの一人と隣人部という変な部活を作ってそこにこれまた残念な変人たちが集まってみんなで友達作りを試行錯誤していくというお話です。

        会話のテンポは中々に良く、ノリが肌に合わない人でなければ苦痛なく読むことができると思います。各キャラクターの残念さを笑ってあげてください(笑)

        アニメも2期やっていてそちらでも結構話題にはなったと思うので気になった方は是非チェックしてみてください。
        >> 続きを読む

        2014/04/17 by sangatu

      • コメント 4件
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      冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実

      アーロン グランツ反戦イラク帰還兵の会

      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 「人間が歴史を学んで分かることは、人間は歴史から何も学ばない
        ということだけだ」と言ったのは哲学者ヘーゲル。確かに学んでは
        いないのだ。

        ヴェトナム戦争時、当時は存在さえ極秘だったアメリカ軍の特殊部隊
        タイガーフォースが繰り返した民間人虐殺、そしてヴェトナム反戦の
        契機となったソンミ村事件。

        湾岸戦争時、一時停戦を受けてウェートから撤退するイラク軍や民間人
        に対してアメリカ軍の戦闘機は非武装の車両を徹底的に爆撃した。明ら
        かなジュネーブ条約違反である。

        それでもアメリカは学ばなかった。2003年3月に始まったイラク戦争
        でもアメリカ軍は交戦規定さえ遵守せず、暴虐の限りを尽くした。

        本書は2008年に行われた公聴会での証言集である。イラク戦争に
        派兵され、自らも無辜のイラク人に銃口を向けた兵士たちが己の
        罪を認め、人間性を奪い、アメリカ兵にもイラクの人々にも心身
        共に深い傷を残したイラク占領からの即時撤退、現役・退役軍人へ
        の医療保障等の給付、イラク国民への賠償を求めて、声を上げた
        兵士たちの話は生々しく重い。

        彼ら・彼女らのなかには9.11同時多発テロの後、国の役に立ちたちと
        軍に志願した人たちも多い。だが、送り込まれたイラクで目にしたのは、
        体験したのは狂気としか言いようのない現実だった。

        食糧を入れた大きな袋を持っていた女性が射殺される。たまたま屋上に
        いた幼い子供に銃口を向ける。間違った家に家宅捜索に押し入り、何も
        かもを滅茶苦茶にして謝罪の言葉一つ残さずに引き上げる。アメリカ軍
        車両の前方を走っているだけで狙撃される。道端に放り出されたままの
        イラク人の遺体と記念撮影をする。

        書き出したらキリがない。イラクの自由作戦はイラク国民にアメリカを
        憎ませることしかしなかった愚行だ。

        ヴェトナム帰還兵と同様に、イラクから帰還した兵士たちの多くが心的
        外傷後ストレス障害を発症している。だが、退役軍人省は彼ら・彼女ら
        に手厚い医療保障を用意しているのではない。だから、アルコールに
        溺れ、家庭内暴力にストレスの捌け口を見つけ、自ら命を絶つことで
        すべてを終わらせようとする帰還兵がいる。

        自分たちと同じ思いをしている兵士を救いたい。大義なき戦争で犠牲に
        なる前線の兵士を、戦場となった国の国民の犠牲をなくしたい。そんな
        思いで反戦兵士となった人たちの証言に、一番耳を傾けなければいけない
        のは戦争指導者たちなのではないだろうか。

        安全な場所にいて、命令を出すだけの指導者こそが彼ら・彼女らの背負っ
        たものを受け止め、考えるべきではないのだろうか。

        アメリカだけの問題ではない。日本の自衛隊もいつか、他国の人々に
        銃口を向けることがあるかもしれないのだ。加えて、時の日本政府は
        いち早くこの欺瞞に満ちた戦争を支持したのだから。
        >> 続きを読む

        2019/01/19 by sasha

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      雷の季節の終わりに

      恒川光太郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 面白かった。夢中になった。
        雷季、風葬、鬼衆、他にも色々な設定がとても魅力的。特に風わいわいはネーミングだけでがっちり掴まれるカンジ。

        別々に進んでいた物語が融合した時は興奮して、先が読みたくて読みたくてしかたなくなる感じでした。

        最後、読み終わって余韻にひたるような大満足なものではなかったけど、ストーリーよりも、読んでる間はこの世界観にどっぷり浸かれるということ、読書というものが本当に楽しいと思わせてくれることがこの本の魅力だな、と思う。

        >> 続きを読む

        2016/11/02 by もんちゃん

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出版年月 - 2009年8月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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