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2009年8月発行の書籍

人気の作品

      空飛ぶタイヤ

      池井戸潤

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! ryoji
      • 先見の明があった本の解説の大沢在昌に乾杯!

        上下巻通して読んだ感想である。
        赤松運送の大型トレーラーが走行中、ブレーキをかけた拍子にタイヤが脱輪し、歩道を歩いていた主婦に当り、死亡事故を起こした。運送会社の整備不良が原因と片付けられるが、赤松社長は納得出来ない。そこから反撃に出るのだが、製造したホープ自動車のみならず、その系列のホープ銀行、情報を嗅ぎ付けた週刊誌等が、この事件に関与していく。
        よりによって、なんでウチなのだ。こんなに人がたくさんいて、いい加減な生き方をしている奴だって一杯いるだろうに。死にたいと思っている連中だって一杯いるだろうに。なんでウチなのだ! と嘆く被害者の夫。その小学生の子どもは、かみさまにひとつだけおねがいするとしたら、もういちど、ママとおはなしさせてくださいと、追悼文集に書いていた。
        この被害者側も制裁的慰謝料1億5千万を求めて裁判に訴える事となり、更に副次的には赤松社長の子供が小学校でイジメを受けるのだ。
        四面楚歌、八方塞がりの中で、どう展開していくのか? やはり下巻が圧巻だ。週刊誌頼みだったのが、その記者は圧力で屈し、結局、赤松社長はコツコツと一人で真相を辿っていかざるを得なくなる。多彩な人物がそこに配置され、その人物たちとの言葉の応酬に迫力があり、それでも赤松の一難去ってまた一難は続く。
        吹けば飛ぶような小さな運送会社が、大企業ホープ自動車に立ち向かう構図はサマになるが、現実は厳しく、知らず知らずのうちに手に力が入る。映画も観たが、視覚的に分かりやすさ感はあるものの、丁寧なつくりは本にかなわない。
        本書の解説が大沢在昌なので、少しばかりびっくりした。ミステリー作家が何故解説するのか? 池井戸潤は江戸川乱歩賞を受賞しており、当時、その選考委員が大沢在昌で、強く推したらしい。秀逸なのは先見の明である。本書の解説を書いている時点で、 池井戸潤はまだ直木賞を受賞していないし、半沢直樹で大化けもしていないのに、大沢在昌はこう書いている。ちかい将来、池井戸潤は大きな話題を生む作品を書くだろう。「リーチがかかっている」状態に彼はある。私は、それを楽しみにしている、と。
        >> 続きを読む

        2020/07/03 by UZUKI0410

    • 他10人がレビュー登録、 58人が本棚登録しています
      空飛ぶタイヤ

      池井戸潤

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! tanreinama ryoji
      • 読んでいて、本当に辛くなりました。
        きっと最後はなんとかなるんだろうと分かっていても、上下巻と長いのでこれでもかという程に赤松社長に試練が立ちはだかります。
        早く救われて欲しいと思いながら読んでしまうので下巻はあっという間に読み終わりました。

        自分の立場であればここまで戦えないし、途中自殺を考えてしまうシーンは涙が出そうでした。心情がリアルに描かれているので、感情移入してしまいます。
        そして、大企業と中小企業でここまで扱いに差が出るのかと悔しい気持ちにもなります。

        最終的には赤松社長の成果というより1人の人間の企業へ対しての心変わりが決定打となったようには感じますが(もちろんその過程には赤松社長の行動が影響されていたとは思いますが)、やはり最後の大逆転は気持ち良かったです。
        もう一度読みたいとはあまり思えないですが、非常に心を掴まれる作品でした。
        >> 続きを読む

        2019/09/01 by こゆり

      • コメント 1件
    • 他7人がレビュー登録、 39人が本棚登録しています
      シャドウ

      道尾秀介

      東京創元社
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! ooitee
      • 道尾秀介の「シャドウ」は、読み出したらページを繰る手ももどかしいほど、一気に読まされてしまう本格ミステリの傑作だ。

        父親同士、母親同士、子供同士が同級生で、家族ぐるみで親しい付き合いをしていた我茂家と水城家。

        だが、子供たちが小学5年生になった5月、我茂の妻が病死してしまう。
        その告別式以降、息子の凰介は、憶えのない奇妙な光景が、映像となって目の前に浮ぶという体験をする。

        それから一週間後、今度は水城の妻が、夫の職場である医科大学の屋上から飛び降りて死んだのだ。

        妻の自殺は、自分へのあてつけだと我茂に打ち明ける水城。
        実は、水城は2年前から幻覚を見るようになり、娘の亜紀が交通事故に遭い、凰介は自分の父親に不信を抱くようになる-------。

        心理学用語で「シャドウ」とは、抑圧している自分の影の部分を投影する相手のことを指すそうだ。
        いったい、誰の何が投影されているのか?

        同じ空間にいて同じ時を過ごしながらも、視点の人物によって、その表情が変わっていく。

        この物語に潜む巧妙な仕掛けは、さらに洗練され、みんなの幸せを願う凰介少年ですら怪しい空気を醸し出すんですね。

        やがて導かれる真実は、驚愕だけではない。
        真相のあとに明かされる人間の深い行動心理も、本格ミステリの核に含まれるのだと痛切に感じられる作品だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/09/14 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      新参者

      東野圭吾

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! ooitee
      • 加賀恭一郎シリーズ8作目。

        日本橋署に転任してきた加賀。
        絞殺された女性の事件解決のため、被害者に所縁の合った人形町を探索する。

        場所のためなのか。作風の変化なのか。
        9つの連続短編集の中は、どれも人情噺のようになっている。

        全てが事件に関わっている事柄であり、小さいことにもこだわる加賀の性格が全編に渡って貫かれている。

        卵焼きだとか煎餅などが紹介されるが、パッションフルーツと杏仁豆腐のゼリーが実に美味しそうに見える。
        >> 続きを読む

        2018/09/05 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 39人が本棚登録しています
      ボトルネック

      米澤穂信

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Ryoun taiji
      • ミステリーでは無いが、終わり方が最高に好きです。金沢の町を舞台にしており、聖地巡礼したくなります。 >> 続きを読む

        2018/03/21 by たい♣

    • 他4人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      夏への扉

      小尾芙佐 , ロバート・アンスン・ハインライン

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • SF小説のランキングがあると、必ず選ばれる作品ですね。
        主人公のダニエルは技術者で、自分のロボット製作の会社からマイルズとベルという友人に追い出されてしまいます。まるでスティーブ・ジョブスみたいです。

        主人公ダニエルは二人に復讐を誓い、コールドスリープで30年後に蘇生することにします。しかし30年後に生き返りますが、世の中(自分に関わる事)は冷凍になる前に思っていたようにはなっておらず、腑に落ちないこともありました。その疑問解決のため、タイムトラベルで1970年に戻ることにします。そして輝かしい未来の幸せを得るため再度コールドスリープで2001年を迎えました。

        読んでいてドラえもんを思い出しました。
        ドラえもんの場合は、同時空間に今ののび太と未来から来たのび太がいたりしますが、この本ではダニエル同士がかち合う場面はありません。
        出会っていたら、どんなストーリーになっていたのでしょうか?
        次元の話になると、今目の前で流れている時間の裏で、別の次元(もうひとつの世界)が流れているという話がよくされますが、けして交差しない世界だから、というのがあったのでしょうか?だからダニエル同士は出会わなかったのか・・・。
        タイムトラベルで、1970年にもすんなり戻れたから猫のピートも無事戻ってこれたのですが、もしタイムトラベルがうまくいかなかったらどうなっていたのか?ともふと思いました。

        ちなみにコールドスリープと聞いて、以前読んだ「人体冷凍 不死販売財団の恐怖」という本を思い出しました。
        オカルトなとても怖い話の作品でした。

        この作品では未来は"よき未来"ですが、荒廃した未来を描く作品もある訳で、そう考えると未来はどんな様子になってるか分からない。また30年冷凍されていれば、その30年分の世界は見れない。
        だったら冷凍されてまで僕は未来にジャンプしなくてもいいやと個人的には思います。余談ですが。

        >> 続きを読む

        2017/10/25 by Reo-1971

      • コメント 1件
    • 他4人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      マグマ

      真山仁

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! ryoji
      • 本を閉じた時に胸に生じた熱い気持ちをどうしたらよいのだろうか。
        これは大人のファンタジーだと思う。感動も当然したがそれ以上に高揚感のある作品だった。読み終わった今余韻が残っていてそのまま次の読書にシフト出来ない。

        所謂ハゲタカと呼ばれる外資系のファンドに勤務する野上妙子は、地熱発電の会社を買収再生する任務に当たる。採算ベースに乗せ、会社を売却し利益を得る。リストラをし会社を立て直そうとする妙子と、地熱発電への熱い想いを持つ研究者と衝突する。
        研究者と衝突しレクチャーを受ける度に深まる疑問。事故のリスクを伴う原子力発電と比して、地熱発電は夢のエネルギーとも言える。何故エネルギーの選択肢として狭間へ追いやられているのか。
        研究者達と解りあうごとに深まっていく地熱発電への希望。妙子は次第に彼らに惹かれていく。
        しかし彼らの純粋な志は、否応無しに憎悪渦巻くパワーゲームに巻き込まれ翻弄されていく。果たして地熱発電はこの国に根付くのか。鬼子として葬り去られるのか。

        経済小説は旬の物であり、時間が経つと陳腐化し過去の遺物として忘れ去られていく。この作品も現実に追い越され、夢物語の残滓のように感じられてしまうかもしれない。しかし、これは世の中の理想の形を追い求める小説という形態の中では傑出した作品だと思う。
        何よりもこれだけの情報量をまとめて一つの物語を作り上げ、その中にこれだけの人数の登場人物を登場させながら薄っぺらにしない、一本筋の通った作品に仕上げる。これは中々出来る事ではないと思う。

        地熱発電で現実に全てまかなえるなどという事は全く思わないし、原子力発電を即刻止めろなど思わないが、希望や目標を持たない所に成功は訪れないと思う。政治家やエネルギー産業に携わる人に読ませてどんな感想を持つか聞いて見たい本だと思った。

        >> 続きを読む

        2015/05/13 by ありんこ

      • コメント 18件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      アイアムアヒーロー

      花沢健吾

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.2
      いいね!
      • 売れない漫画家志望の助手を勤める鈴木英雄は、不甲斐ない現実に腹立ちながらも、自分だけの妄想に浸る事で、その焦燥から逃れる日々を送る中、彼の世界を侵食するかのような恐怖が足を運ばせる物語。

        静寂に抗うように妄想に耽るは、言いしれぬ虚しさからの逃避行。 

        誰もが同じように眠りに就く深夜に、自分だけが何故か眠れないと、当たり前の世界から取り残されたように錯覚を覚える。
        そんな漠然とした不安が心に立ち込めると、些細な違和感に恐怖の幻影を自ずと創ってしまう。
        無理にでも虚勢を張らないと、この先を逃げるように戦えないのだ。
        >> 続きを読む

        2018/11/17 by ebishi

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      グラーグ57(フィフティセヴン)

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tukiwami
      • 【スターリン体制の爪痕は未だに深く残り続ける】
         本作は、以前レビューした『チャイルド44』の続編です。
         前作で主人公のレオは44人の子供を殺害した犯人を検挙すると共に、それまで勤務していた国家保安省を辞し、党のイデオロギーに拘束されずに一般犯罪を捜査する殺人課の創設を求め、その責任者に就任しました。
         部下には、前作で共に事件解決に当たった地方民警の署長だったネステロフを迎え入れたのです。

         あれから3年。
         スターリンの死後、フルシチョフが権力の座に就くと、これまでの恐怖政治を完全に否定する新たな方針が示されました。
         ただし、フルシチョフの新方針は本来であれば国民に広く知らせることを意図してまではいなかったはずなのに、その原稿が国家保安省の元職員で現在は印刷所の所長を務めているスレンのもとに持ち込まれたのです。
         スレンは、国家の重要な書類の印刷だと騙されてその原稿を大量に印刷してしまうのですが、その際何かに気付いたのか、自ら首を吊って自殺してしまったのです。

         スレンが印刷した文書には、過去、国家保安省が無実の人々を何の証拠も無しに告発し、処刑し、あるいは強制労働収容所送りにしてきた事実が記されており、それは誤りであると否定するフルシチョフの方針が明記されていたのでした。
         そのような文書が市民の間にばらまかれ、また、かつて国家保安省で無実の一般市民を告発してきた捜査官のもとにも送り付けられ始めたのです。

         そのような文書を見たかつての捜査官の中には、自分がこれまでソビエトのためにしてきたことが否定され、今後は自分が糾弾の矢面に立たされることになると知り、家族を巻き添えにして無理心中する者も現れました。
         または、その文書をたてに、過去の過ちを清算させると主張するいわばテロ組織により粛清される者も出始めたのです。
         そのような粛清を進めていたのは、過去に強制労働収容所に送られ、方針転換によって釈放されたフラエラ(本名アニーシャ)が組織した、ヴォリと呼ばれる犯罪集団からはじき出された者らによるテロ組織でした。

         確かに過去の国家保安省の行動は否定されたものの、このような私的粛清までをソビエトが許すわけがなく、KGBへと姿を変えた旧国家保安省は、総力を挙げてフラエラの組織壊滅に乗り出すのですが、一向にその動きをつかめずにいたのです。

         そんな時、レオの元にも新方針を印刷した文書が送り付けられてきました。
         それと共に、レオが妻のライーサと二人で養女として孤児院から引き取った幼い二人の少女のうちのの一人であるゾーヤがフラエラの組織によって誘拐されてしまったのです。
         レオらが二人の少女を引き取ったいきさつについては前作で書かれていますが、レオは、国家保安省の捜査官として働いていた際、ゾーヤとその妹のエレナ姉妹の両親を、暴走した部下が虐殺するのを止めることができず、ゾーヤとエレナは劣悪な孤児院に引き取られてしまったことから、その償いとして二人の姉妹を養女にしたのでした。
         
         まだ幼いエレナはレオにもライーサにもなつき、新しい生活にも順応していったのですが、年上のゾーヤはレオを自分の両親を殺した張本人として考え続け、決してレオを許そうとはせず、夜な夜な包丁を持って眠っているレオのベッドのそばに立つことを繰り返していたのでした。
         そんなゾーヤが誘拐されてしまったのです。

         レオは、フラエラの呼び出しに応じて一人で出かけていきました。
         実は、レオは国家保安省の捜査官だった頃、フラエラの夫であった司祭のラーザリを痛めつけて告発し、強制労働収容所送りにしたことがあったのです。
         しかも、その際、レオはフラエラに対し、夫のラーザリを捨てて自分の所に来いと口説いてもいたのでした。
         しかし、フラエラはレオの誘いを拒み、ラーザリと共に強制労働収容所送りになり、方針転換により一人釈放されていたのです。

         フラエラのことなどすっかり忘れていたレオでしたが、フラエラはレオらに対して復讐することを固く誓っていました。
         その手始めとして、ゾーヤを誘拐して人質にした上、レオに対してラーザリを強制労働収容所から解放するように要求してきたのです。

        フラエラらが元国家保安省の職員らを殺害し始める前であれば、あるいはそれも可能だったかもしれません。
         しかし、既にフラエラらは殺人を繰り返してしまっており、今はKGBによる徹底捜査の対象になってしまっているのです。
         そんな状況下でラーザリを強制労働収容所から釈放するなど、ソビエトが認めるわけがありません。
         レオはそのように説明するのですが、フラエラは聞く耳を持ちません。
        方法はどうでも良いのでラーザリを救出しろ、そうしなければゾーヤを殺すと脅すのでした。

         レオは上司とも相談し、ある計画を立てます。
         それは、レオが囚人に化けて強制労働収容所に潜入し、国家職員を装うネステロフと協力してラーザリを脱獄させるという計画でした。
         ソビエトもそれを裏で支援するということになりました。
         ラーザリをまともに釈放することはできないが、脱走したとなれば普通なら生きて帰れるわけはなく、当然死んだものと考えられるのでそれなら容認できるというのです。
         そして、上層部はそのようにして手に入れたラーザリを餌にしてフラエラらの組織を壊滅させようと考えたというわけなのです。

         レオはさっそくネステロフと共に強制労働収容所に潜入する計画を開始しました。
         レオらが潜入する収容所こそが、タイトルになっている『グラーグ57』と呼ばれている収容所だったのです。
         レオらのこの計画は、次々と起きる不測の事態により大きく狂わされていきます。
         そのため、レオとネステロフの身に危険が迫ります。
         二人は生き延びることができるのか?

         物語は下巻へと続きます。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2021/03/04 by ef177

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      あるキング

      伊坂幸太郎

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      2.8
      いいね!
      • 野球の天才が主人公で、その生涯を中心としたストーリー。
        シェイクスピアの特にマクベスを想起させるエピソード等が混ざっておとぎ話のような雰囲気。

        野球がテーマなので最後スカッとしたり人間関係で葛藤とかがあるかなと少しでも思ったけどそういう方向性ではなかった。
        エンタメ度はちょっと高くないかなー。
        >> 続きを読む

        2020/07/11 by W_W

    • 他3人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      すごい弁当力! 子どもが変わる、家族が変わる、社会が変わる

      佐藤剛史

      五月書房
      5.0
      いいね!
      • 普段何気なく食べている手作り弁当。
        探ってみると奥が深い!深すぎる!
        自分も学生時代、独身時代、母親に毎日作ってもらっていたけれど、いざ、自分がお弁当を作る番になったら、母親のしてくれていた当たり前だと思っていたお弁当の大変さ、愛情をひしひしと感じてます。
        嫌いなものをいかに食べやすくするか、栄養面、彩り、好きなものも入れて…と色んな思いが詰まっているんですよね~。
        お弁当を作ることで、色んな社会が見えてくる、食事のバランス、食べる人への愛情、食の安全、果てには日本の食料自給率…
        子どものうちにお弁当を作らせてみることの大切さ。

        わが子の学校では年に1度、弁当の日、というものがあり、初級は一緒に買い物に行く。献立を考える。詰める。中級は一緒に1品作ってみる。上級は全部自分で作る。今年は半分くらい自分で作らせてみました。自分で作った方が早いけれど、これも子どもを成長させるため、とジッと見守りました。
        お弁当を作れるようになると、いざ、自立したときに、まごまごせずに、食事がつくれるようになりそう。食生活の基盤ができそう。

        毎朝早起きはつらいけれど、さあ、また明日もお弁当作るぞ!という気にさせる1冊でした。
        >> 続きを読む

        2017/06/15 by taiaka45

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      プリズン・トリック

      遠藤武文

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 江戸川乱歩賞受賞とはいえ、かなり好みの分かれる中身だと思う。

        刑務所内での密室殺人というテーマは面白く、受刑者の行動や刑務所の館内などかなり細かい描写が多い。

        しかし視点が次々移っていく構成はなんとも微妙。
        どの人物に感情移入してよいか迷うし、せっかくのトリックも驚きが少ない印象。
        どうせなら犯人側の視点で見せてもよかった。

        加害者側と被害者側のやり取りは非常にリアルであり、事件とほとんど関わりないが、これは入れて良かったと思う。
        >> 続きを読む

        2018/10/04 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      グラーグ57(フィフティセヴン)

      Smith Tom Rob , 田口俊樹

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 【サスペンス、アクション満載で大変面白い作品なのだけれど】
         強制労働収容所グラーグ57に潜入したレオは地獄を見ます。
         身元がバレてしまい、収容されている囚人からも政府の人間だと迫害され、収容所の職員からも、フルシチョフによって宣言された新方針に従い、これまでの自分たちの非人道的な行為を告発するために送り込まれた政府のスパイだとみなされ、孤立無援状態に陥り、凄絶なリンチを加えられてしまうのです。

         収容所での出来事も手に汗握る展開になるのですが、ここでレオが殺されてしまうと残りの物語が語れませんので、読者の予想通り、レオは当初の目的を果たし、ラーザリを連れて収容所を脱出することに成功します。

         レオは、テロ組織の首領となっているフラエラとの約束通り、ラーザリをフラエラのもとに連れて行くのですが、驚くべきことにフラエラはラーザリをあっさりと射殺してしまうのです。
         それは何故?

         その後の展開もアクション満載で、これでもかとたたきつけるように物語は加速していきます。
         この先のお話はここではご紹介を控えますので、興味をお持ちになった方は是非ご一読ください。

         さて、上下巻を読み終えての感想ですが、大変面白い作品であることは間違いないと思います。 
         ただ、いかんせん前作の『チャイルド44』が凄すぎた。
         ソビエト、スターリン体制のあくどさ、共産主義体制を美化するために多くの子供たちが犠牲になり、無実の者が迫害されてきた物語の迫力はハンパ無かったのです。
         そのインパクトがあまりに強すぎて、続編も良い出来なのにいささか割を食ってしまった感があります。

         続編も、スターリン体制が改められたとは言え、新しい体制を信じることができない者、旧体制に奉じたために残虐な行為に手を染めてしまっており、そこから逃げられなくなっている者(レオもそうです)を冷徹に描き出しており、前作と並んで深い問題提起をしている作品であり、加えてソビエトの衛星国家との絡みなど、新たな視点も導入しているのですが、作品が与える衝撃度という点においてはやはり前作に一歩譲るというか、読者側がマヒしちゃっているところがどうしてもあるように感じました。
         これは続編というものが本来的に持つ弱点なのかもしれませんね。

         また、フラエラの行動にも今一つ釈然としないところが残ったのも事実ではないでしょうか。
         あれほど旧体制を憎み、旧体制の下で残虐な行為に手を染めたレオを始めとする国家保安省の捜査官に復讐を誓いながら、最終的に取った行動はむしろ旧体制を擁護するような結果にしかならないかもしれないというのに、何故そんな行動に走ったのか。
         その点は、作者も登場人物の口を借りて「何故だ?」という疑問をあらわにしています。
         その動機を書いてはいるのですけれど、それが得心できるものになっているかどうか。
         私はやはり釈然としないものが残ってしまいましたが、みなさんはいかがでしょうか?

         ちょっと厳し目のことも書いてしまいましたが、サービス精神に溢れ、サスペンスもアクションも盛り沢山の良作であることは間違いないと思います。
         まずは『チャイルド44』をお読みになり、これはいける!とお感じになられたら、本作も読んでみられてはいかがでしょうか?


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2021/03/05 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      キラークエスチョン 会話は「何を聞くか」で決まる

      山田玲司

      光文社
      カテゴリー:社会学
      3.7
      いいね!
      • キラークエスチョン~会話は「何を聞くか」で決まる~。山田玲司先生の著書。会話のコツ、コミュニケーションのコツは何を話すかではなくて、何を聞くかということ。質問力、キラークエスチョンができる力が円滑な人間関係につながることが学べる良書です。自分自身の反省になってしまうけれど、私は一方的に話しがちで人の話を聞かない馬耳東風になりがち。聞く力が足りないし、場違いでデリカシーにのない違う意味での「キラークエスチョン」をしてしまっていことも頻繁にあるかもと反省。 >> 続きを読む

        2018/10/09 by 香菜子

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      すーちゃん

      益田ミリ

      幻冬舎
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.8
      いいね! KEMURINO
      • 益田ミリさんの初期の作品か・・・。
        最近のつぶやき、ためいき、に比べると
        仕事での人間関係の悩み一辺倒で、こちらまで気が重くなる。

        でも、前に読んだ、「さん家シリーズ」は、あらためてお薦めです。
        >> 続きを読む

        2020/09/11 by ごまめ

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      僕は友達が少ない

      平坂読

      メディアファクトリー
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • パっと見たときに中々に興味を惹かれるタイトルのライトノベルだと思います。

        主人公はそのヤンキーのような外見のせいで友達が出来ずに悩んでいる。ヒロインの一人と隣人部という変な部活を作ってそこにこれまた残念な変人たちが集まってみんなで友達作りを試行錯誤していくというお話です。

        会話のテンポは中々に良く、ノリが肌に合わない人でなければ苦痛なく読むことができると思います。各キャラクターの残念さを笑ってあげてください(笑)

        アニメも2期やっていてそちらでも結構話題にはなったと思うので気になった方は是非チェックしてみてください。
        >> 続きを読む

        2014/04/17 by sangatu

      • コメント 4件
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      冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実

      アーロン グランツ反戦イラク帰還兵の会

      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 「人間が歴史を学んで分かることは、人間は歴史から何も学ばない
        ということだけだ」と言ったのは哲学者ヘーゲル。確かに学んでは
        いないのだ。

        ヴェトナム戦争時、当時は存在さえ極秘だったアメリカ軍の特殊部隊
        タイガーフォースが繰り返した民間人虐殺、そしてヴェトナム反戦の
        契機となったソンミ村事件。

        湾岸戦争時、一時停戦を受けてウェートから撤退するイラク軍や民間人
        に対してアメリカ軍の戦闘機は非武装の車両を徹底的に爆撃した。明ら
        かなジュネーブ条約違反である。

        それでもアメリカは学ばなかった。2003年3月に始まったイラク戦争
        でもアメリカ軍は交戦規定さえ遵守せず、暴虐の限りを尽くした。

        本書は2008年に行われた公聴会での証言集である。イラク戦争に
        派兵され、自らも無辜のイラク人に銃口を向けた兵士たちが己の
        罪を認め、人間性を奪い、アメリカ兵にもイラクの人々にも心身
        共に深い傷を残したイラク占領からの即時撤退、現役・退役軍人へ
        の医療保障等の給付、イラク国民への賠償を求めて、声を上げた
        兵士たちの話は生々しく重い。

        彼ら・彼女らのなかには9.11同時多発テロの後、国の役に立ちたちと
        軍に志願した人たちも多い。だが、送り込まれたイラクで目にしたのは、
        体験したのは狂気としか言いようのない現実だった。

        食糧を入れた大きな袋を持っていた女性が射殺される。たまたま屋上に
        いた幼い子供に銃口を向ける。間違った家に家宅捜索に押し入り、何も
        かもを滅茶苦茶にして謝罪の言葉一つ残さずに引き上げる。アメリカ軍
        車両の前方を走っているだけで狙撃される。道端に放り出されたままの
        イラク人の遺体と記念撮影をする。

        書き出したらキリがない。イラクの自由作戦はイラク国民にアメリカを
        憎ませることしかしなかった愚行だ。

        ヴェトナム帰還兵と同様に、イラクから帰還した兵士たちの多くが心的
        外傷後ストレス障害を発症している。だが、退役軍人省は彼ら・彼女ら
        に手厚い医療保障を用意しているのではない。だから、アルコールに
        溺れ、家庭内暴力にストレスの捌け口を見つけ、自ら命を絶つことで
        すべてを終わらせようとする帰還兵がいる。

        自分たちと同じ思いをしている兵士を救いたい。大義なき戦争で犠牲に
        なる前線の兵士を、戦場となった国の国民の犠牲をなくしたい。そんな
        思いで反戦兵士となった人たちの証言に、一番耳を傾けなければいけない
        のは戦争指導者たちなのではないだろうか。

        安全な場所にいて、命令を出すだけの指導者こそが彼ら・彼女らの背負っ
        たものを受け止め、考えるべきではないのだろうか。

        アメリカだけの問題ではない。日本の自衛隊もいつか、他国の人々に
        銃口を向けることがあるかもしれないのだ。加えて、時の日本政府は
        いち早くこの欺瞞に満ちた戦争を支持したのだから。
        >> 続きを読む

        2019/01/19 by sasha

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      犬の力

      WinslowDon , 東江一紀

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 【凄絶な麻薬戦争と人の生き様】
         米合衆国とメキシコとの国境は長大な距離に渡ります。そこは警備されているとは言え、全てをチェックするなど到底無理。ですから、様々な手段により、膨大な量の麻薬が合衆国に流れ込みます。それらの麻薬の多くは、米の貧困層に蔓延し、ジャンキーを量産していきます。
         主人公、アート・ケラーは、そんな状況を許すことができない麻薬取締特別捜査官。ターゲットはメキシコの罌粟畑(罌粟からはヘロインが精製できます)。広大に広がる罌粟畑。それを取り仕切る一握りの「農園主」とそこで搾取される農民。
         アートは、地元の警察とも密接に連携しつつ、大規模一斉摘発に着手します。
         それは、「ガサ入れ」などという生やさしい物ではなく、ヘリを数機飛ばして罌粟畑を焼き討ちし、首魁は容赦なく射殺するような、凄惨な地獄絵を展開することとなります。
         
         他方、そんな麻薬が蔓延する環境で、ドロップ・アウトしている若者が米側にもいます。
         ビビりながら虚勢を張り、イキがり、何のあても無くその日を生きている若者達。
         カランもそんな一人。ひょんなことから、「組織」の人間を射殺してしまい、ダチのオ・バップと共に「おたずね者」になってしまいます。
         はたまた、麻薬の末端売人に「性的サービス」をすることで日銭を稼いでいる若いノーラ。
         そんなノーラに目を付けた高級売春組織の元締めの女性。
         彼女はノーラに言います。「いつまでもそんなことしていてはダメよ」と。
         そうして、ノーラは磨き上げられ、白亜の売春館で生きていく高級娼婦になっていきます。

         大規模一斉摘発で壊滅したと思われたメキシコ側の麻薬組織。
         しかし、そんなことでは消え去るわけもなく(実はこの摘発にはある意図があったのですが、それはご自身で読んで下さい)、新たな組織が作られていきます。
         腐敗した警察官や米側の保安組織。
         政治も絡んできます。
         もはやメキシコからの麻薬の驚異は消滅したのだと、政治的に喧伝されます。
         ですが、実態は大違い!
         アートは、未だに根強く生き続け、しかも巧妙に姿を変えたメキシコの麻薬組織の存在を強く訴え続けるのですが、上層部からは無視されまくり。
         だって……あぁ、書きたいのだけれど、書けない!

         本書は、そういう麻薬を巡る、非常に凄絶な闘いを基底にした作品です。
         「読み物」としても大変面白い。
         いわゆる「刑事モノ」、「犯罪捜査モノ」として捉えることももちろん可能なのですが、むしろ、こんな状況の中で、それぞれの「思い」を胸に抱いてもがき、あがく人間の生き様を強く感じました。

         まだ上巻を読了したところですが、下巻が大変楽しみです。
         ストロング・リコメンド!
        >> 続きを読む

        2019/08/06 by ef177

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      犬の力

      WinslowDon , 東江一紀

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【熾烈を極める麻薬戦争】
         上巻に引き続きのレビューです。上巻で描かれた米政府の麻薬取締組織とメキシコから米へ麻薬を密輸するフェデラシオンとの闘いは、さらに激化していきます。この2者の闘いに加えて、新たな麻薬密売組織が台頭してきて、どちらの密売組織につくのかという争いも絡んできます。
         さらには、共産主義と反共との間の闘い、これにまつわる武器密輸の問題など、混沌とした状況は激烈の一途を辿ります。米麻薬取締組織に所属する主人公アート・ケラーも、ある意味「私怨」とさえ言い得る執念で麻薬密売組織の壊滅にのめり込み、ついには家庭が崩壊してしまいます。それでも闘いをやめようとはしません。
         かなりの人数の登場人物が次から次へと殺害されてしまうという悲惨な状況。それでも逃げ切る奴はどこまでも逃げ切ります。果たしてこの闘いに終わりはあるのか?

         上巻の冒頭で、非常に凄惨な殺人描写がありますが、その時点では何故そのような殺人が行われたのかは説明されず、ただ、アートが自分のせいだと語るのみ。その説明は下巻後半になされます。

         読了した感想としては、爽快な読後感とはとても言えません。非常に重苦しい結末を迎えます。それがまた一つの味なのでしょうね。
         ちなみに、タイトルの「犬の力」というのは、旧約聖書から取られている言葉で、民を苦しめる悪の象徴としての力という意味合いで使われています。主人公アートも自分の中にこの犬の力が流れているのだと独白する場面があります。
         それなりに意味をもったタイトルなのですが、個人的にはうまく生かし切れていない感もありました。

         力作ではないでしょうか。
        >> 続きを読む

        2019/08/07 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      雷の季節の終わりに

      恒川光太郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 面白かった。夢中になった。
        雷季、風葬、鬼衆、他にも色々な設定がとても魅力的。特に風わいわいはネーミングだけでがっちり掴まれるカンジ。

        別々に進んでいた物語が融合した時は興奮して、先が読みたくて読みたくてしかたなくなる感じでした。

        最後、読み終わって余韻にひたるような大満足なものではなかったけど、ストーリーよりも、読んでる間はこの世界観にどっぷり浸かれるということ、読書というものが本当に楽しいと思わせてくれることがこの本の魅力だな、と思う。

        >> 続きを読む

        2016/11/02 by もんちゃん

    • 他1人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています

出版年月 - 2009年8月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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